【ピエール】

Last-modified: 2024-03-26 (火) 21:57:39

概要

ぺテロ・ピーターのフランス語形で、フランス語圏ではメジャーな名前のひとつ。
我らがドラクエシリーズにおいては関連作品名も含めるとアニメ【ドラゴンクエスト~勇者アベル伝説~】の登場人物としての採用が初。これについては【ピエール3世】を参照。
DQ5発売後は専ら【スライムナイト】の名前として定着しており、

  • DQ5、DQ6(SFC版)で仲間になったスライムナイトの1匹目の名前
  • DQ8に登場する【スカウトモンスター】のスライムナイトの名前。敵モンスターの時の名前も「愛の戦士ピエール」
  • GBA版トルネコ3で仲間になったスライムナイトのデフォルトネーム

…と多くの例がある(人間キャラだが他にあと2例ある)。
特にDQ5のピエールはかの【初心者救済四天王】の一角として名高く、スライムナイトやピエールといえば彼が思い浮かぶプレイヤーも多いことだろう。
ちなみにファイナルファンタジーシリーズの前衛職といえばナイト(騎士)が定番になっているが、ドラクエシリーズで味方側のナイトは実はDQ5のスライムナイトが初。
 
リメイク版DQ3の【ルイーダの酒場に最初からいる人たち】の中の男【僧侶】の名前候補やキャラバンハートでクリア後に仲間になる人間の女性名候補にもこの名前がある。

DQ5

仲間になる確率

1匹目2匹目3匹目
1/41/64

仲間になったときの名前

1匹目2匹目3匹目4匹目
SFC版ピエールアーサーちゅんタイチ
PS2版タイーチ
DS版

ちゅんは【中村光一】、タイチおよびタイーチは【犬塚太一】が由来と思われる。
2匹目は聖剣エクスカリバーの謂れで名高いアーサー王が由来か。

覚える呪文・特技

ステータス

Lv素早さ身の守り賢さ運のよさ最大HP最大MP経験値
初期144204520254060
途中2068705542521606051819
40121101596270290110612942
最大992551801201101305002506793384

耐性

強度属性
無効(なし)
強耐性ギラ・炎、イオ、バギ、デイン、ラリホー、メダパニ、マヌーサ、マホトーン、マホトラ
弱耐性ザキ・麻痺、ルカニ
無耐性メラ、ヒャド・吹雪、メガンテ・体当たり、毒、休み

解説

序盤の広い範囲で出現する上1/4という高確率で仲間になるため、よほど運が悪くなければ特に粘るでもなくすんなり加入してくれる。
そして終始にわたって使い勝手がよい仲間モンスターの代表格で、多くの人が最後まで連れて行ったことだろう。
仲間モンスターの中でも特に頼れるとの定評があり、初心者救済四天王の筆頭とも言える存在。
【ラインハット】周辺や【ラインハット地下洞窟】【神の塔】内部などで仲間にできる。
おまけにラインハットの武器屋には、こいつに装備させろとばかりに【はがねのつるぎ】が販売されている。
当時、馬車購入後に即【アルカパ】で泊まったのち真っ先にラインハット大陸へ移動し、彼を勧誘したプレイヤーが続出したらしい。
関所を突破しなくても、川沿いを歩いているとエンカウントテーブル漏れをしているのでスライムナイトが出てくることがある。
 
勧誘できる時期にしては珍しく、仲間にした直後から命令に従ってくれる。同時期に仲間にできる【スライム】【ブラウニー】より圧倒的に強く、即戦力として活躍してくれるだろう。
ただし、単体攻撃力については、同時期に仲間になる【ドラゴンキッズ】、しばらく後に仲間にできる【キメラ】にも劣り、ややパンチ力に欠ける。
また、他にもばくだんベビー、イエティ、ビックアイあたりのモンスターが首尾よく仲間になると、攻撃面ではやや見劣りする。
装備できる武器や防具は主人公と重複しているものが多いが、パパスの剣がタダで手に入る主人公に比べ、序盤はコストパフォーマンスに劣る単体攻撃武器に頼らざるを得ないのがやや欠点といえる。
とは言え、仲間になりやすいという大きなアドバンテージがあるため、普通に進めている分には大抵はスタメンの一翼を担うことになるだろう。
装備品の豊富さに対して序盤は身の守りが高めで、どちらかというと守備重視の安定型の戦力と言える。
 
武器こそ単体攻撃がメインだが実のところ集団戦も得意であり、Lv12で【イオ】、Lv23で【イオラ】を習得してくれる。
イオについては同時期に【ヘンリー】が習得するほか、彼が抜けた時期でも集団相手には悪くない攻撃手段である。
さらにイオラについてはちょうどピエールが習得した時期がもっとも威力を堪能できると言える。
魔界に突入する手前あたりからイオラでは火力不足になるが、クリア後になれば【はかいのてっきゅう】を振り回して再び集団相手に暴れてくれる。すごいぞピエール。
 
装備品が剣、鎧、盾、兜といった系統になるため、【主人公】【男の子】などの人間キャラクター達とも装備品の共有がしやすく、主人公のお下がりをピエールに、といったプレイスタイルも定番となっている。
また、攻撃一辺倒にならず、最初から【ホイミ】、Lv5で【ベホイミ】を覚え、さらに【ベホマ】【キアリー】【キアリク】などの有用な回復呪文を、【ホイミスライム】より先に習得してくれる。
総合的には打撃も回復もこなせる万能型戦士。主人公と似ているが、序盤~中盤は主人公の身の守りが低いことを考えると、全体的には主人公以上の使い勝手を持つ面もある。
こと馬車を連れて入れないダンジョンの場合、主人公とスライムナイトが固定メンバー同然になる人もいたと思われる。また、覚える特技がすべて呪文なので、人間キャラクターに近い動かし方ができるのも特徴。
ただし、序盤~中盤にかけてはAI任せにするとイオ系呪文を連発してMPがなくなりやすいので注意しよう。
終盤になると、攻撃呪文はイオラ止まりというのも逆に利点になる。武器さえ強力なものを持たせておけば威力の物足りないイオラよりも打撃を優先するようになり、MPの浪費は控えるようになる。こういう意味で、【きせきのつるぎ】【ドラゴンキラー】あたりは優先的に回してあげたい仲間である。
終盤のMPは他の仲間に遅れを取るようになるが、主に回復や治療用と割り切ればいい。危ないときだけの回復専用とすれば、このMP量でも十分だ。
本作のクリア後のおまけダンジョンでは【たたかいのドラム】が手に入り、バイキルトの仕様が強力なこともあって打撃優遇気味になるゲームバランスなので、打撃にも優れる彼は頃合良く攻撃呪文を卒業してくれるとも言える。前述のとおり破壊の鉄球と組み合わせれば鬼に金棒である。
 
素の耐性も優秀で、攻撃呪文、状態異常共に高い耐性を誇り、お金を掛ければ重装備による耐性強化も可能。
特にギラ系やイオ系、炎系に耐性を持つのは大きく、【ようがんげんじん】戦や【ブオーン】戦などでその実力をフルに発揮する。
弱点としては、メラ系・ヒャド・吹雪系および即死・マヒ・休みなどに弱い点。
中盤の【ホースデビル】など、ピンポイントで天敵と呼べるモンスターが登場するのはゲームバランスの妙と言えるが、狙われなければ大丈夫なのでそこまで気にならない。
ヒャド・吹雪系に関しても、炎と吹雪に両方強耐性以上を持つモンスターなどほとんどいないし、どちらかというと敵に使い手が多い炎に耐性があった方が有用なので、これもそんなに気にならない。しかも、敵に吹雪系の使い手が多くなる終盤は、ちょうど耐性防具で補えるようになる。
【ほのおのよろい】は耐性の穴を補えるスライムナイトとは相性抜群なので優先して買い与えたい。
マヒやザキが弱点というのも普通なら致命的だが、敵側が使うザキ・マヒ系の特技は味方側よりもはるかに【耐性貫通力】が低い(つまり当たりにくく調整されている)ので、被弾率は運の良さの補正込みで3割程度。また、ミミックに対しても先手を取ってマホトラ使ってザラキを封じられるのでむしろスライムナイトは加えるべき存在。結果的に即死・マヒ耐性の低さはあまり気にならない。
不安だというのであれば、【ボブルの塔】での運用に気をつければいい。道中【ホークブリザード】【ザラキ】を使う上、ボスの【ゲマ】もやけつく息を使ってくる。マヒ系もザキ系耐性を参照することから、不安なら【オークス】を起用するのが妥当だろう。ゲマ戦ではオークスに【ストロスのつえ】を持たせ、ピエールの麻痺を治しながら戦うのも効果的である。
 
さらにザキ耐性については【エルフのおまもり】で補えるので装備させればほぼ安泰。
また、【マホトラ】を使うことで間接的にザキ系を防ぐこともできる。
休み系は割とどうしようもないのでパーティ間で補い合おう。
 
序盤に仲間になるモンスターは成長が途中で頭打ちになりがちだが、彼の場合は別。
一定水準のステータスと安定した特技・耐性で、中盤どころか終盤、果てはクリア後~レベル99になった後も安心して使える。
ステータスの伸びはやや晩成型なので、HPや力の数値が他の打撃系の仲間モンスターに一時的に劣ることはあるが、レベルが十分に上がれば魔界組のモンスター達にも見劣りしない実力になる。
最終的に力は255に達し、【ふぶきのつるぎ】も装備可能なので、対単体火力では男の子、【キラーマシン】【ヘルバトラー】と並び最強。【デーモンスピア】も装備可能で即死発動率が1/6とかなり高く攻撃力も優秀でメタル系やヒャド系に完全耐性を持つ敵にも即死を狙える。また、はやぶさのけんが装備可能なため、禁断の反則技であるひとしこのみを使う際にも最強の火力を誇る。
【メタルキングのけん】やふぶきのつるぎを装備して【たたかいのドラム】を鳴らすと打撃で【ミナデイン】をも凌駕する威力を叩き出せる。
最終的なみのまもりの数値はやや不安があるが、装備可能な防具が多く、クリアレベルでは主人公よりもみのまもりが高いので、守備力が穴になるということはほとんどない。
とは言え、魔界のモンスターの強烈な打撃に苦労する場面も多くなるので、終盤の壁役は【ゴーレム】あたりにお任せしよう。
クリア後ならば、【グレイトドラゴン】、キラーマシンあたりが前衛を担当してくれる。
 
【イオナズン】【しゃくねつほのお】を大きく軽減できる耐性と特効のふぶきのつるぎが装備できることを買われ、【エスターク】最速撃破に駆り出されることもしばしば。最終的にエスターク戦まで使えるということで総合的に見ると最強レベルの仲間モンスターと言って良いだろう。
最終的にやや不安要素になる守備力も、他のパラメータに比べれば種によるドーピングが本作はやりやすく、【ガメゴン】【まもりのたね】を落とす確率は1/16。盤石の守備力を獲得するのも、本気で取り組めばそう難しくないのだ。
 
使用期間の長さや仲間になりやすさを含めた総合的な使い勝手の良さは作中ピカイチであり、DQ5における仲間モンスターの代名詞とでも言うべき存在。使い勝手の良さと愛らしさから、「DQ5のキャラといえばピエール」という声も強いようだ。
高いパラメータと豊富な装備品がかみ合っていること・属性耐性が役立つ場面が多いうえに足りない分をカバーする装備も適切に手に入ること・敵から仕掛けられる状態変化の特技が弱いスペックになっていること・ラスボスや裏ボスが状態変化を一切使用しないことなど、あらゆる面で彼にとって追い風になる要素に満ち溢れている点も大きい。
一方で、彼の使い勝手が良すぎるためにその影に隠れて日の目を見ないモンスターも数知れず……。

PS2版

【サンタローズの洞窟】をクリアしない限りラインハットの関所を突破できず、加入は遅くなりがちだが、実はラインハット関所から少し南東の川沿いの森でラインハット周辺の敵が出るという抜け穴がある。また、神の塔でも扉は開けられずとも外周でもエンカウントするのでこちらでももちろん可能。
ただ、ラインハットまで行かないとはがねのつるぎが購入できないので、それまではオラクルベリーで買える【くさりがま】が最強武器となる。
とは言え値段が半額以下で攻撃力が6しか違わないので、実はこっちの方がコストパフォーマンスが良いという意見も。
カジノでメタルキングの剣を入手しておく手段もある。
 
戦力としては少々弱体化している部分もあり、まず青年期前半では【アプール】【マッシュ】などの新規仲間モンスターの追加、【ドラきち】の加入率大幅上昇などで相対的に地位が低下している。
【やいばのブーメラン】が装備できないという欠点がSFC版以上に顕著になっており、ボス戦はともかくとして雑魚戦では単純に火力不足を感じるという場面が多い。
また、敵側の焼けつく息やザキ系の命中率が60%へと大幅に上がったせいでザキ耐性の弱点がやや露呈することとなった。
特にキアリクを使うつもりがマヒして使えないというケースがありがちなので、偶然マヒを免れたときに仲間のマヒ治療をしたり、移動中のマヒ解除と割り切ろう。手軽に仲間にできる【オークキング】はその2つに完全耐性を持っているのでコンビを組ませたい。
また、エルフのお守りは手に入り次第すぐに装備させたい。
 
一方、ボブルの塔ではホークブリザードが出現しなくなり、ゲマもボブルの塔では焼けつく息を使用しなくなったので、安心してボブルの塔に連れて行くことができるようになった。
ただし、エビルマウンテンのゲマは焼けつく息を吐くので注意。
 
エスターク戦では相変わらず吹雪の剣と高耐性によって最強格の仲間。
ただしすばやさの仕様変更により、育ち切ったときの素早さはちょっと高すぎて、低確率でドラムより先に動いてしまう。
 
新たな仲間モンスターにタイプのよく似た(というより成長テーブルを共有している)【さまようよろい】が加わったことにより、よく比較される。
とは言え、こちらの方が特技も豊富で耐性も優秀なので、役割が被ることはあまりない。
ちなみに装備グループも同じため、最終的な単体火力は同じ。
また、SFC版に比べてAIがバカになり、必然的に作戦は「命令させろ」にすることが多くなった影響で、MPを無駄遣いしやすいという欠点が目立たなくなった。
 
ゲーム中で話し掛けたときの返し言葉は「そりゃっ!うりゃっ!」
スライムナイトの台詞はこれだけ。街・城にいてもダンジョンの中でもこの言葉以外返さない。言葉から察するに、戦いの腕が劣らないよう、またはいつでも敵と一戦を交えられるよう剣を振るっているのだろう。非常に仲間になりやすい彼なので、ほとんどのプレイヤーは見たことがあると思われる。想像すると和む図である一方で、小説版を始めとして理知的で聡明なイメージの強い彼とのギャップに戸惑いとショックを受けたプレイヤーも珍しくないとか。
同じ装備グループのさまようよろいやアンクルホーンはちゃんと人の言葉で話し、しかも敵の有無でオンオフを切り替えているのでなおさら違和感を感じてしまう。

DS版以降

敵の使うザキや麻痺が耐性貫通力がさらに大幅に上がったことで、より弱点が露呈される形に。
弱耐性の彼は、耐性装備を持たない限り約80%もの確率でザキ麻痺の直撃を受けてしまう。正直言ってゲマどころか【へびこうもり】【キラーシェル】の相手をするのすら危うい。
優秀な攻撃呪文耐性はそのままなので強いことには変わらないのだが、DS版だけをプレイした人は以前ほどの汎用性をピエールに感じることはできないだろう。
強いことは強いが余計に弱体化しているのが惜しい。

公式刊行物での扱い

ゲーム中での活躍もあってか、公式の刊行物である小説やゲームブック・CDシアターにも出演。主人公が幼少期から行動を共にする【キラーパンサー】と並んで準メイン級の待遇を受けており、仲間どころか家臣や腹心とも呼べる扱い。
 
SFC版の公式ガイドでは主人公やキラーパンサーと一緒にようがんげんじんと戦うイラストや、これまた主人公&キラーパンサーと一緒にルーラで着地しているイラストが描かれている。

同じく公式アンソロジーである【ドラゴンクエスト4コママンガ劇場】においても多くネタに起用され、仲間モンスターとしては異例の二枚目的描写も散見され、番外編では主人公の娘【女の子】に「将来はピエールのお嫁さんになる。」と宣言されるほどの厚遇を受けている。

小説版

元々は【エルヘブン】に棲む普通のスライムで、若き日の【マーサ】に恋をする。そして彼女を守るためにスライムナイトになることを目指していた。
スライムナイトになりたいと強く願うことで、スライムの頭から騎士の「芽」が出て生えてくるのだが、それには大変な精神力を必要とし、「騎士の芽」による数年の苦痛に耐えてスライムナイトとなった時には、既にマーサは【パパス】によって連れだされた後だった。
その後は魔物達の頭領であった年老いた【ソルジャーブル】に拾われ、後継ぎとして育てられる。
だが戦いの最中、マーサの面影を残す主人公・リュカに出会い仲間となる。
そして終盤、念願叶って魔界でマーサと再会した時には赤ん坊のように泣きじゃくってしまった。
劇中の活躍と言い背景の深さと言いメインキャラクターの一人と言えるほどの扱いを受けている。また【イブール】も同じくエルヘブン出身の人物でマーサに恋い焦がれていたという設定であり、彼へのトドメはピエールが行うという快挙までなしている。
なお本作におけるスライムナイトの設定を反映してか、【いのまたむつみ】のイラストではゲーム中のデザインとは異なり、騎士部分に下半身が存在せず、スライム部分から胴体が直接生えたデザインとなっている。

CDシアター

声優は中尾みち雄。
仲間になった経緯はナレーションで語られるのみだが、【神の塔】攻略前には加入した模様。
CDシアターでは他の仲間モンスターが【スラリン】【マーリン】、そしてキラーパンサーのプックルしかいなかったという要因もあるが、それを考慮したとしても出番が多く、誠実で落ち着きある中でも何処か茶目っ気を忘れない好青年で、モンスター達のまとめ役として活躍する。
スラリンをからかってマーリンに「良いコンビじゃの」と言われたり、【ヘンリー】に友情を抱いていたり、単純な出番のみならず性格面の描写もそれなりにされている。
 
戦闘ではデモンズタワー・ジャミ戦・イブール戦などでプックルとコンビを組んでおり、プックルと共に斬り込み役を担ったり、ゲーム同様ベホマやイオラでの回復援護もこなす。
ボブルの塔でのゲマ戦では同時に襲い掛かってきたゴンズを他の仲間モンスターと共に引き離し主人公リュカ一家にゲマ打倒を託すなど、肝心な場面では主の顔を立てる、空気まで読める万能騎士である。
 
青年時代後半を描く3巻では主人公一家に焦点を向けている都合で出番こそ減るがリュカの息子ティミーの師匠も勤めたようで、リュカがティミーを旅に同行させようか迷った際には「小さいながらも凄い使い手ですよ」と進言したところ「ピエールがそう言うのなら大丈夫だろう」とティミーの同行を認めるあたり、歴戦の相棒という事もあってか強い信頼を置いていることが伺える。
そして彼の進言どおり、ティミーは海上の戦いで実質初陣ながらも大活躍し、リュカを驚愕させるのであった。

ゲームブック

2巻(青年時代前半前編)で【スラリン】とともに必ず仲間になるモンスター。
口調は、一人称が「拙者」・語尾に「ござる」とナイトと言うよりは古武士と言える。
巻の最後には【ベネット】に弟子入りする道を選び主人公と別れる。

ピエールが登場しないDQ5作品

半ば公式がメインキャラクターと暗に認めていると言ってもよい存在であり、大半の作品では厚遇を受けているが、「DQ5がモチーフでありながらもピエールが仲間モンスターとして登場しない」という作品も存在する。
 
【ドラゴンクエスト 天空物語】では単行本6巻の「フローラと結婚していた場合の双子達と仲間モンスター」が描かれた扉絵でしか登場せず、いわゆるチョイ役に留まっている珍しい例である。
当時の読者には「どうして仲間モンスターにスライムナイトを入れなかったのか」と言われたとのことだが、あえてスライムナイトは外したようであり、2019年11月にネット公開された【幸宮チノ】のインタビューによると「スライムナイトを入れるとキャラが立ちすぎるから」とのことである。
実際のところピエールが務めそうな「主人公の忠臣」というポジションには本作では【サンチョ】がおり、仮にピエールがいるとキャラ被りになりそうであることは容易に想像がつく。
 
また、映画作品【ドラゴンクエスト ユア・ストーリー】でもスライムナイトは仲間にならない。

DQ6

仲間になる確率(SFC版のみ)

一匹目二匹目三匹目
1/41/256

仲間になったときの名前(SFC版のみ)

一匹目二匹目三匹目四匹目
ピエールタイゾーハヤーカジュン

ハヤーカは早川陽一、ジュンは戸田淳が由来と思われる。

覚える呪文・特技(SFC・リメイク共通)

ステータス

Lv素早さ身の守り賢さかっこよさ最大HP最大MP経験値
初期144204525154060
中間40114115959531296110625171
最大99300250230240606606307491422

耐性(SFC版)

強度属性
無効軍隊
強耐性即死、幻惑、睡眠、麻痺、混乱、魔封じ、踊り封じ
弱耐性ギラ、イオ、マホトラ、毒、休み
無耐性メラ、ヒャド、バギ、デイン、炎、吹雪、岩石、消滅、ルカニ
回避率1/64

解説

SFC版

熟練度が2以上(17戦以上)の【魔物使い】で仲間にできる。
装備品の豊富さは相変わらずだが、耐性はギラ、イオ系を3割ほど軽減できるだけになってしまった。(敵としてのスライムナイトはデイン系に強耐性があったのに…)
レベルアップで習得する特技はそれなりに良質だが、前作と違って残念ながらベホマは覚えてくれない。
前衛としては【ハッサン】に遠く及ばないステータスの上にDQ6ではDQ5と違い優秀な人間キャラが多く、酒場送りにされることも少なくない。
全体としては「可もなく不可もなく」といった印象であり、レベルが追い付いても【テリー】と同程度、最終的には【チャモロ】にボロ負けとなる。
DQ5での崇められようが嘘のような平凡な強さに落ち着いた。
一応【はかいのてっきゅう】を装備できるような重装備キャラの中では素早さが高い。
最も速い【レッサーデーモン】に次いでテリーと同率2位となっている。そいつら全員ステータス的に微妙とか言わない。
 
本作からは正式にスライム系のカテゴリに加わったため、【スライム格闘場】にエントリーできる。
スライムの形をした控室になぜか騎乗した剣士ごと通れる点はよく突っ込まれる。どう見ても壁にぶつかりそうである。
スライム系の中では唯一【装備グループ】が別になっており、重装備が可能な点を買われ、格闘場制覇に使われることが多いのは強み。
【ベホマ】さえ覚えさせた後は無職に戻して【きせきのつるぎ】と自己習得のはやぶさぎりだけで十分に戦える。
レベルが低いうちはベホマスライムが相手の時にマホトラ合戦を起こしてしまい、中々戦いを終わらせてくれないこともあるが…。
また【ベストドレッサーコンテスト】の鬼門と知られる七回戦(モンスター限定・かっこよさ260以上)は、プラチナ系フル装備+おしゃれなバンダナでLv1で突破できるなど、活躍の場は多い。
 
ただし仲間になる時期が遅い点に注意。
ダーマ復活直後は【夢見の洞窟】に出現するが、なぜかここではモンスターが仲間にならない。
最速で仲間になるのは、空飛ぶベッドを入手した後に行ける上の世界のアモール周辺となる。
空飛ぶベッド入手の時点ですでに熟練度3や4で仲間になるモンスター達がほとんど出揃っていることを考えると、夢見の洞窟で仲間にならないのは設定ミスかバグの類ではないかという説が濃厚。
早熟型なので戦力として使えないことも無いが、加入時期の遅さも相まってDQ5に比べると使い勝手の面でどうしても見劣りするのが残念。
それでも加入率自体は相変わらず高く、格闘場制覇やベストドレッサーを突破するのには役に立つので、仲間にしても損は無いだろう。
また、DQ5と比べてカタログスペックは落ちたが、本作の転職システムで好きな呪文・特技を自由に覚えることができるので、育成の自由度は向上していると見えなくもない。

リメイク版

【スライムスカウト】が採用されたリメイク版では、最初に仲間になるスライムとして登場。
旅のモンスターだが騎士道精神に溢れる男で、「騎士として王家に仕えたい!」という夢を持っている。
 
初登場は【ホルコッタ北の関所】で、ここでは上記の夢を語りながら旅をしている姿を見かけるだけ。
その後彼は近くにある城へ向かうわけだが……この近くの城と言えば、言わずもがな【ホルストック】
案の定【ホルス】の悪戯によって城の外へと閉め出されていたところを主人公一行に拾われ、以後恩義を感じて主人公に仕えることになる。
ご丁寧にもホルスは彼を閉め出した後に鍵まで掛けているため、仲間に出来るのはホルストックのイベントをクリアして【まほうのカギ】を入手した後。
エンディングでは主人公の仲間になれたことを誇り、主人公およびレイドック城に仕えるつもりのようだ。
 
成長テーブルや覚える特技はSFC版と変わらないものの、
「仲間モンスターの耐性が敵の時のものと同一」
という仕様変更を受け、ヒャド系・炎・吹雪以外ほぼ全ての攻撃属性に耐性があり、うちメラ系(25%減)以外は50%減の強耐性という、強力な耐性を引っさげて登場。
仲間モンスターの削減、人間キャラの耐性消滅などで相対的に地位が上がったことに加え、SFC版に比べて仲間になる時期が早い上、場所的にもストーリー攻略の流れで自然と仲間に加えやすいため、格闘場やベストドレッサーでは十二分に主力として活躍してくれる。
特にSFC版の項目で紹介した、きせきのつるぎ&はやぶさぎりの回復量が大幅強化されているため、ハンデ付きのGランクまではこれだけで十分戦える。
また、格闘場を制覇した際には全スライム中ただ一匹だけ専用の台詞が存在する(SFC版では他スライム同様『ピピー!』って鳴くだけである)、独自の【装備グループ】を持っているなど、色々と優遇されている。【スラッジ】にピエールを売りさばこうとする主人公に全力で忠誠を誓う様は騎士の鑑である。
 
ただ、実際にレギュラーメンバーとして使えるかどうかは微妙なところ。
耐性は確かに良くとも、なにより初期レベルが低くHPとちからが足りなさすぎるため、加入直後は戦力にならない。
装備を整えればどうにかなると思いきや、この時期は金欠に悩まされる頃でもある。なので当分は主人公やアモスのお下がりを与えて馬車で待機する日々を送ることになる。
テリーとドランゴが加入するまでは馬車の人員が空いているため、自然と馬車にいる間にレベルは上がってはいくものの、実用目的でハッサンはもちろん主人公やアモスを控えにしてピエールをスタメンにするか…という状況になるのは、ほぼない。
起用するとしたら【海底宝物庫】【キラーマジンガ】をうけながしで打破するときくらいか。
そしてSFC版同様に早熟型のため中盤以降は他の前衛に見劣りし、格闘場制覇後か【ドランゴ】先生加入辺りで引退させるのがベターである。
これでテリーがSFC版通りのままだったらテリーを差し置いて馬車に残留していた可能性もあったが、初期レベルが28かつ戦士・武闘家を極めたテリー相手ではさすがに性能で劣る。より強化されたスマホ版であればなおさら。
 
とは言え加入時期やスペックに恵まれないスライム達の中と比べたら実用性ははるかに高いので、【ホイミン】に並ぶ優等生であるのは違いない。
特にスライム格闘場におけるきせきのつるぎ&はやぶさぎりのコンボは健在どころか、仕様変更によりさらなる強化を遂げているため、ベホマだけを覚えさせた無職のピエールの安定感が非常に高くなっている。
他のスライム達は加入が遅く、ホイミンは攻撃手段を増やそうと転職をしたら無駄行動が増えるリスクもあるため、格闘場を普通に制覇したい場合はピエールを起用したほうが手っ取り早く確実である。
また主人公をスーパースタールートにしている場合、スタメン落ちせざる得ない時期もあり起用する手もある。
チャモロやテリーと同程度の力では純粋なアタッカーとしてやや物足りないが高耐性+重装備、はやぶさ斬り、スクルトを自力習得するのは利点。
海底探索やフィールド移動時等フォローの効きやすいときや【ミラルゴ】戦等は耐性も活きるので決して悪い選択肢ではないだろう。
加入後のボスは【グラコス】を除き何らかの耐性は活きるので制限プレイの場合、軽減の難しいギガデインとグランドクロスを半減する耐性を買われダークドレアム戦にかり出されることもあるようだ。
 
海外版表記はGoowain。円卓の騎士の一人「ガウェイン」(Gawain)の先頭部分がgooに変化したもの。

DQ8

DQ5では大活躍したが、今回は後半に入ると厳しい。

通り名・出現位置等

通り名愛の戦士ピエール
種族スライムナイト
出現位置滝の洞窟前 北西
出現条件最初から出現
出現時間いつでも
所持アイテムモンスター銅貨

ステータス

攻撃力素早さ守備力最大HP最大MP戦闘参加
ターン
MIN2613154141
MAX29620529648534

解説

DQ8におけるスライムナイトのスカウトモンスター。
【滝の洞窟】の前を彷徨いている「愛の戦士」。
【ホイミ】を使うほか、跳び上がって強化攻撃を仕掛ける。
ゲーム開始直後では多少強いが、それでも薬草、防御、テンションの基本を守れば十分勝てる相手。
それでありながら経験値・所持ゴールド共に周辺の敵とは比べ物にならず、単体出現、厄介なのは精々ホイミ程度、洞窟の出入りで確定で湧き直すので序盤の稼ぎにも便利。余裕があるなら【滝の洞窟】攻略前後にこいつでレベル上げしても良い。
 
バトルロードでは初期ランクではそれなりに戦力になってくれるが、後半に入ると厳しい。
弱点のやや低めのHPをスライム系3体のボーナス(最大HP2倍)で補えば、そこそこ高い能力で戦えなくもない。
ただし、なまじホイミが使えるため、焼け石に水の回復でターンの浪費をしてしまう。
DQ5であれほど役に立ったホイミが足を引っ張ることになろうとは…。
せめて主人公のレベルに合わせて、使える呪文もベホイミ→ベホマとパワーアップしてくれれば、使い勝手も段違いだったのだが…
攻撃力だけは最終的にかなりの数値に育つが、それ以外の長所に乏しいため育つ頃には二軍行きだろう。
 
【エースケ】【スカール】と組む事で【ライダーズカーニバル】
【アモーレ】【パーニ】とのチームで【ラブラブタイフーン】
剣を持ったモンスター2体と組めば【トリプルソード】と、実に3つの必殺技が使える多芸なヤツ。

DQ10オンライン

Ver.4.5前期で仲間モンスターのスライムナイトにデフォルトネームとして設定された。
ちなみに、作中に登場する仲間モンスター専用墓地の中に「ピエール」の名が刻まれた墓がある。

DQM1(GB版)

【スライム系】の♂の名前を付ける際に何も入力せず決定すると出てくる候補の1つ。もちろん、スライムナイトも例外ではない。
DQM2やPS版では出なくなったが、これに類似した「ピエル」という名前候補が存在する(こちらは系統に関係なく♂の名前を付ける際に何も入力せず決定すると出てくる)。

バトルロード2

上級職【モンスターマスター】になるためのダーマの神殿チャレンジバトルの対戦相手として、「伝説の魔物使い」(DQ5主人公)、ゲレゲレ(キラーパンサー)とともに登場した。

バトルスキャナー

2017年1月12日~絶望の大魔王編終了までアプリ限定地図「忠誠騎士の地図」で入手できる。
技はメタル斬り→ベホイミ→スラ・スラッシュの順で変化していく。

DQMSL

特別クエスト「魔法のダンジョン」に出現する【スライム系】Aランクの討伐モンスター。通常のスライムナイトとは色合いが微妙に異なる。
特性は【じどうMPかいふく】、毎ターン誰かにランダムで【ベホイミ】がかかる「愛の戦士」、毎ターン確率で攻撃と防御が下がるデメリット特性「おっちょこちょい」。
愛の戦士は間違いなく、DQ8のスカウトモンスターが元ネタだろう。
リーダー特性は「全系統攻撃力+8%」。

クロスブレイド

第5弾で【スーパーレア】として登場。
必殺技は【ベホイミ】

星ドラ

メインストーリーシーズン2のボスとして登場。
姿が形態によって異なり、1形態目は上の騎士の装備が本来の物と別の物になり、下のスライムに至っては【スライムスノー】のような見た目をしている。
2形態目は見た感じ【スライムジェネラル】のように見えるが完全新規デザイン。
騎士の方は片方が盾を身に着けており鎧も1形態よりも豪華になっている。
スライムの方はツノがある兜を身に着け、ウルスラ並みの巨大化をしている。
本名はボロンといい、撃破後しばらくして共闘関係になる。また、下の白いスライムはホワイピという。
更にストーリーを進めると禍々しい姿となって再戦する。
これに該当する亜種にテンカーがいる。