【関連項目】
→システム/【狙われ度】
全般 
ヘイトシステムを導入しているFF7R、FF11、FF12、FF14、FF15、FFEXのパラメータの一つ。
MO/MMORPGの「ヘイト(敵対心の意)」と同じもので、こちらの方が一般的な呼称。
隊列の先頭が狙われやすいと言うシステムは今やほとんど使われておらず、現在はこちらが主流になっている。
初出は「エバークエスト」というMMORPGで、坂口博信氏が当時大変ハマっていたゲーム。
エバークエストの高い戦術性を持つバトルシステムに感銘を受けた坂口氏が、それを参考にFF11を制作。
FF11にハマった松野泰己氏がFF12にも導入した。
- ちなみにパラメーターとしての敵対心はロマサガMSアルティマニアで明らかにされているが、敵対心というシステム自体はロマサガ2ぐらいからあるっぽい。
- またFC版のFF2・3は取得する乱数の都合中2・3番目のキャラが狙われやすかった。
- 陣形やロールによって狙われ具合が変化するが、特にSSGでは、怒りで標的を固定しないとどこに攻撃がどこに飛ぶかわからない場合がある。
仮にこのシステムを全く知らなくても、強力な攻撃手段を使えばモンスターが全力で殺しにくるため、
一人だけ執拗に狙われる事態に大抵は異常を感じて、なんとなく分かっていく。
そして解説を見てもらえればわかるようにヘイトの影響力が強いゲームは強力なアビリティを使いづらい。
強いアビリティは当然有用ではあるが、よく考えて使わないと後の展開がいろいろとマズいことになる。
ヘンな行動を取ると、「あいつ何やってるんだよ!?」という風にPTメンバー(の中の人)のリアルヘイトも上がリ、PK制裁されたケースもある。そういう意味でもマズい。
ヘイトシステムを導入しているRPGは、常に緊張感あふれる戦いを味わえる半面、大技をぶっぱなしにくいため窮屈に感じる、という問題点もある。
ダメージ効率が良いとかMP対効果が良いとか、一般的には「強い行動」と見られる性能を有していても、
ヘイトシステムがあるゲームにおいては必ずしも強いとは限らず、状況次第ということが多い。
逆に一見使い道が分からないほど弱そうな行動でも、ヘイトコントロールにおいて重要だったりする。
こうした勝手の違いは慣れていく他ないが、予備知識の無い初体験の人が素早く適応するのは難しいだろう。
「ヘイトシステム」の概要 
・戦闘中に行えるほぼ全ての行動に「敵対心」と呼ばれる隠しステータスが設定されている。
・敵対心はバトルメンバーの行動によって常に変動する。
・モンスターは敵対心が最も蓄積されたバトルメンバーを狙う。
敵対心は「各バトルメンバーへの憎しみの度合い」を数値化したもので、モンスターにとっていやらしい行動ほど多く貯まるようになっている
(例…大ダメージを与える、味方のHPを大回復するetc… )。
ヘイトシステムを導入しているRPGでは、プレイヤー側が嫌な行動をするモンスターを優先して倒そうとするのと同じように、
モンスター側も嫌な行動をするキャラクターを優先して倒そうとするのだ。
こちらの行動に応じてモンスターの行動パターンが変わると言ってもよいのだが、瞬殺できてしまうとシステムの意味がなくなってしまう。
それゆえこの手のゲームは、モンスターの耐久力が高かったり、全般的に火力が控えめになる傾向がある。
- 長期戦になることが多いので、「いかに安定した戦い方ができるか」が重要となる。
長期戦は消耗戦でもあり、戦力を温存するための駆け引きが勝敗を分ける。
FF12のガンビットシステムを借りて説明するならば、
敵対心の最も高い敵>たたかう
というガンビットがすべてのモンスターにセットされているようなもの。
「揮発型」と「蓄積型」 
敵対心は内部では「時間経過で徐々に減少する『揮発型敵対心』」と「時間経過では減少しない『蓄積型敵対心』」と呼ばれる2種類に分かれており、
各行動にはこれがさまざまな配分で割り振られている。
参考として、FF11における各種行動で蓄積される敵対心を一部抜粋し、まとめてみた。
名称 | 揮発型敵対心 | 蓄積型敵対心 |
戦士のアビリティ「挑発」 | 1800 | 0 |
魔法「スリプル」 | 300 | 1 |
呪歌「戦場のエレジー」 | 240 | 100 |
※FF11では、揮発型敵対心は1/60秒毎に1減少する。
- 作品によっては、盾役が敵を引きつける手段として、「相手を挑発する」コマンドが用意されていることがある。
対象の敵対心を一気に増加させることで敵を引きつけることができるが、
このコマンドによって増加する敵対心は時間の経過によって減っていくことが多いため、定期的に使っていく必要がある。- FF11の挑発を例に取るなら、挑発で稼げる敵対心は揮発型1800のみなので30秒でゼロになってしまうが、
挑発のクールダウン(再使用可能までの待ち時間)も丁度30秒となっており、
30秒毎に挑発&その間に自身の他の行動でも敵対心を稼ぐ…とすれば高い敵対心を保てる、というわけ。
- FF11の挑発を例に取るなら、挑発で稼げる敵対心は揮発型1800のみなので30秒でゼロになってしまうが、
- なお、「回復役を真っ先に狙うのは戦いにおける基本中の基本」ということなのか、
回復行動は蓄積型敵対心が貯まりやすいようになっている。そのため回復役は盾役が引きつけていない敵から狙われることが多い。
そこで、「回復役の耐久力を上げて倒れにくくする(そして耐えている間に他のメンバーに引きつけてもらう)」
「アビリティなどで敵対心の増加を抑える」といった対策が必要になる。
ファーストタッチヘイト 
非戦闘状態の敵に対して攻撃を加えると、その攻撃で発生する敵対心に上昇補正がかかる。
この仕組みもしくはこれによって発生した敵対心ボーナスを「ファーストタッチヘイト」と呼ぶ。
- 後述するヘイトコントロールの関係上、なるべくファーストタッチヘイトは盾役に取らせるのが好ましい。
間違っても防御力が低い後衛が取ることがないようにすること。
戦術「ヘイトコントロール」 
敵対心システムを導入しているRPGでは必須とも言えるテクニック。
タゲ(ターゲット、ターゲッティング)操作、とも言う。
攻撃役、盾役、回復&補助役とメンバーの役割を分担し、各メンバーが敵対心を意識して行動、連携を取ることで、個々の能力を最大限に発揮させることが可能となる。
キャラクター一人一人の強さよりも、パーティ全体としてのバランス・チームプレイが重要になる。
<おおまかな流れ>
- 防御力に特化させたメンバーを盾役に任命し、敵対心を上げる行動をとらせ、敵の注意を引きつける(ターゲットを取る、とも言う)。
こうすることで敵からのダメージを最小限に減らすことができる。 - 盾役が撃破されることは戦線の崩壊を意味するので、回復役は盾役が撃破されないようにきっちり回復を行う。
盾役が防御特化しているので、負担も最小限ですむだろう。 - 盾役より敵対心が下回るかぎり他のメンバーは敵の攻撃対象にならないので、各々の役割を存分に果たせる。
ただし、大ダメージを与えるなどして盾役よりも多くの敵対心を稼いでしまうと、敵のターゲットを取って攻撃を受けることになってしまう。
そうならないようにするため各メンバーの敵対心を管理し、常に盾役に攻撃の矛先が向くように仕向ける。
これが「ヘイトコントロール」と呼ばれるゆえんである。
- 上のほうの「窮屈に感じるという問題点がある」というのは、この辺のことを指している。
例えば、敵対心システムのないRPGでは、敵のターゲットをこちら側でコントロールすることがほぼできないので
(作品によってはかばうのような半強制的に敵の攻撃対象を変化させる技もある)、
全員が防御に気を使わなければならない一方で、気の向くままに大技を繰り出しても問題ない。- それに対して、敵対心システムを導入したRPGでは全員の行動一つ一つを管理する必要があり、
場合によっては大技の使用を控えねばならないなど、行動面での制約がかなり大きくなっている。
- それに対して、敵対心システムを導入したRPGでは全員の行動一つ一つを管理する必要があり、
このシステムにはキャラクターの個性化を促進する力がある。
もし敵の攻撃対象がランダムなら、パーティ全員がある程度防御力を高めておく必要があるのだが、
狙われるキャラがわかっているのならそのキャラのみを防御特化させればよく、他キャラは必要以上に防御を上げなくていいので、様々な方向へ能力を特化させられる。
また、戦闘の役割においては、盾役と回復役の2役の動きが特に重要になってくる。
盾役が倒される→アタッカーや回復役が狙われる→回復役が倒されればあとは全滅まっしぐらという悪循環になってしまうからだ。
そのため、この2役を担当するプレイヤーは責任が重い傾向にある。
- このシステムを導入している作品では、上記にある通りギリギリの長期戦・消耗戦になりやすいため、戦場全体での補助を行う役も重要度が高くなる傾向にある。
味方の強化や敵の弱体化によってパーティー全体の被ダメージの軽減や殲滅力のアップを見込めるため、攻撃役や回復役が一人増えるよりも大きな働きをするケースもある。 - ただしゲームバランス次第であり、お手軽で強力な万能装備があれば皆それを装備するだろうし、
適当に戦っていても敵を倒せるなら、個性化して効率的に戦うという工夫を凝らす必要もない。
またバランスが良くても、個性化するかどうかはプレイヤーの判断で決まる。
キャラに個性を与えることが苦手で、あらかじめ個性が与えられていることを好むプレイヤーもいる。
FF7R 
FF7にアクション要素が加わったFF7Rでもヘイトコントロールは重要な要素となっている。
大技持ちのボス戦ではアビリティや魔法が阻止されやすく、盾役で時間を稼ぐ必要がある。
また、非操作時のキャラクターはATBゲージが貯まりにくいため隙を見て攻撃を挟む必要がある。
本作では操作キャラがヘイトを集めやすく、また攻撃を食らったキャラはヘイト値がリセットされる。
そのため、回復や大技は攻撃を食らった直後に実施した方が阻止されにくい。
非操作キャラも常に視界に入れるような立ち回りが望ましい。
FF11 
基本的に、「数人~十数人のパーティを組んで強敵を倒す」というゲームデザインがなされている。
それを見越して敵1体1体がかなり強く設定されており、自分よりも4~5レベル上、あるいはそれ以上のレベル差がある敵と戦うと、
防御特化していない限りはあっという間に戦闘不能になる恐れがある。
そのためヘイトコントロールは必須テクニックとなる。
敵対心に関しては様々なアプローチが可能。
- 基本的に大ダメージ、大回復ほど敵対心増加は大きくなるが、技や魔法によってはある程度で増加量が止まったり、ほとんど稼がないものもある。
- さらには敵対心を減少、もしくはまっさらにリセットしたり、味方に敵対心をなすりつける、逆に味方の敵対心を盗む…といったアビリティも存在する。
- 敵を弱体させる行動の中ではスタンとフラッシュの敵対心上昇度が大きく、戦闘開幕時にこれらを使うと一発で敵のタゲを取ることも。
- 装備品には「各種行動で稼ぐ敵対心を○%増減させる」というプロパティが付いているものもある。
増加させるものは敵を引きつける盾役に、減少させるものはアタッカーや後衛にとって有益である。
詳細はこちら→敵対心
FF12 
モンスターも嫌いな奴を一番に狙うらしいな。
俺たちが毒を吐いたりするモンスターを真っ先に倒したいと思うのと同じってワケだ。(王都ラバナスタにいるシーク族のNPC「市場の商人」のセリフより抜粋)
全般に書かれている事の裏返しになるが、敵対心を利用する場合はキャラクターの個性化が必要不可欠。
例えば「全員剣盾重装備・HP適当・補助同じ」パーティであれば、誰が狙われても差がないので、そもそも敵対心をコントロールする意味がない。
例えば「一人は短剣盾に軽兜重鎧・常時プロテスバブル」「一人は両手武器に重装備・常時瀕死ブレイブ」「一人は杖に魔装備・常時HP満タンフェイス」のような構成にしてはじめて意味が生まれる。
そのため、十分に役割分担できる装備・ライセンス等が揃い、さらに最適化されたガンビットが組めるようになってからが本領発揮となる。
- 難解なシステムを理解したうえで試行錯誤を求められるので、ハードルは非常に高い。
しかし、上手く回った時の爽快感は代えがたいものがある。
前述の例だと、盾役がバランスを詠唱して敵の注意を一身に引きつけ、
さらにその攻撃はガードで無効化しまくり、ある程度HPが減ってきたらポーションなどで自己回復。
その傍らで瀕死の狂戦士が物凄い勢いで大ダメージを乱打、魔法に特化させた能力で放たれる黒魔法がザコを一瞬で蒸発させる…と
未分担では得られない火力と防御力を実現でき、キャラクターの個性も出るので見ていて楽しい。 - ただし、十分に役割分担が可能になっても、維持が難しい状況では効果が薄い戦術になる。
一番問題になる例はアンデッド。瀕死の仲間がいると真っ先に狙ってくる上、地面から突然湧いてくる事も多い為、
彼らがいる地域では瀕死関係のオプションは使いものにならない。
ボス戦でも被ダメージ返しは辛い。瀕死やHP満タンの火力アップが使えなくなる。
盾役は火力が低くなりやすいので、他のメンバーまで火力低下する事には小さくない影響がある。
MPやギルのバランスから察するに、敵の習性をうまく利用することが前提の設計だと思われる。
利用しなければMP切れと金欠によって稼ぎゲーになってしまう。
金欠地獄やMP切れを緩和するにはヘイトコントロールが重要というゲームバランスであるにも拘らず、
ゲーム中で敵対心に関する説明がほとんどされておらず、敵対心を意識させるチュートリアルもない。
基本システムの一般認知度があまりにも低く、それがFF12の評価を大きく分ける原因の一つとなっている。
- 唯一とも言える解説者は、王都のバザーにいるNPCであるシーク族の商人(中盤以降)。それが上記のセリフ。
他にはクランレポートの冒険のヒント内にある召喚獣の説明にもチラッと載っているが、
「召喚獣の技にはモンスターの注意を引きつける効果がある」と予備知識がないと分かりづらい言い方。 - アルティマニアにさえ詳細が載っていないのも、認知度が低かった原因かと。
さらにプレイヤー間で解析されたあとも、しばらくは敵対心を重要視する人が少なかった。
制限プレイで敵対心を利用した戦術が知れ渡り、順番待ちやHP満タン強化の活用法の研究が進み、
役割分担の効能が整理されていって、ようやく市民権を得たという感じである。- 重要視されにくかったのは、敵対心が解析された当時はインター版で賑わっていたためかも。
(インター版は、敵対心がさほど重要ではないとされている。) - アルティマニアはモンスターの詳細に必ず「ターゲット」という欄があり、大抵の敵は「敵対心が一番高い敵を狙う」と設定されている事が読めるのでノータッチな訳ではない。
が、その敵対心についての解説やデータがないので、利用しようにも下調べのハードルが高すぎた。
- 重要視されにくかったのは、敵対心が解析された当時はインター版で賑わっていたためかも。
- 少なくとも、「敵を攻撃するとその敵に狙われる」ことと「味方を支援すると周囲の敵に狙われる」ことは説明するべきだった。
これさえ説明しておけば、ここまで評価が分かれることはなかったはず。 - すごい面白いシステムなんだけどな。
強力な行動にリスクをつけるためのシステムだが、こういう利害込みの調整はマニア向けになりやすい。
敵対心を知らなくても沢山稼げばヤズマットまで行けるし、上級テクニック程度に捉えるのがいいと思う。
ただ、やり込み系の動画を鑑賞する際には、知っておけば一層楽しめるだろう。
ヘイトコントロールはゲームバランスを激変させる力があり、活用すれば非常に楽に進めることができる。
しかし、FF12ではそれらの知識が無くとも適宜経験値稼ぎを行えば詰まることはない。
ただシステムが知られていなかった頃は経験値稼ぎが必要以上に重要視され、
中には「戦術がないからレベルを上げてゴリ押しするしかない→稼ぎ作業でプレイ時間水増し」などと誤解されてバッシングの対象になった経緯がある。
非常に楽に進めるようになるテクニックとして、また上記のような誤解を生まないように、敵対心システムの活用、ひいては役割分担が推奨されている。
なお、敵対心を無視して攻撃対象を決めてくる敵もいる。
また、接敵の際は当然敵対心は0のため、盾役から近づく事で狙いを引きつけるのが基本となるのだが、それが有効に働かないケースがある。
アンデッドは瀕死の仲間がいると先頭より先に狙って来る事が多いし、その場で湧いていくる敵や前後から襲ってくる敵には対処が難しい。
これらのシチュエーションでは無理に敵対心を活用するより、他の手段を用いた方が良いかもしれない。
敵対心戦略同様に盾役が居てほしいなら、デコイを使おう。
敵対心の増減 
FF12の敵対心増減の度合いについてだが、下記に挙げる3点が他のゲームと異なっている。
「揮発型敵対心」が存在しない 
敵の敵対心は自然減少することがない。
ではどうやって減るのかというと、各アクションに「実行者に対する敵対心の増加量」に加え、「実行者以外の者の敵対心の減少量」が決められている。
例えば「たたかう」の場合は、実行したキャラの敵対心は5上がり、他のキャラの敵対心は1下がる。
- 増加量の多いアクションは戦闘序盤やザコ戦などで役立つ。
長期戦では増加量+減少量の合計が大きいアクションを盾役に使わせると良い。
増減量がアクション毎に固定 
FF12では『アクションのダメージ量・回復量』『アクションの命中の成否または無効化の如何』が敵対心の増減量に影響を与えない。
例えば一人がファイガで1000回復されてしまい、もう一人は魔装備で魔力を上げブリザラで弱点を突き5000ダメージを与えた場合、攻撃対象はどちらになるだろうか?
答えは「ファイガ側が狙われる」。
ファイガは増加量28・減少量12、ブリザラは増加量20・減少量5で固定。そしてこれは回復されようが弱点を突こうが変わらない。
- 上記の例では、盾役がファイガを、攻撃役がブリザラを唱えつづければ、盾役に攻撃が集中し続けることになる。
しかし魔力が低いとダメージも小さく魔法チャージによるMP回復量も僅かなので、早々にMPが切れてしまう。
さらに上位魔法はエフェクト量が多いため渋滞させやすく、ガ系クラスをむやみに使うと回復行動を妨害してしまう。
この例なら、回復役はケアルガやエクスポーションを使おうとしても順番待ちになってしまう。 - ダメージ量を強化しても蓄積されるヘイトの量は変わらないが、攻撃間隔を短縮化すると単位時間あたりの敵対心蓄積量が増える。
そのためヘイスト、狂戦士、連撃などでアタッカーを強化する場合は、ヘイトコントロールに注心すること。 - 意外な魔法に高いヘイトが設定されていることがある。
例えばバランス、レイズ、アレイズは敵に使うとヘイト変動量が非常に大きいので、生きている敵にアレイズをかけてヘイト稼ぎという用法もある。- レイズ・アレイズも含め、回復魔法を敵に使うとヘイト増加量が大きい。
これは挑発を擬似的に再現しているものと思われる。敵からすれば「あいつ、俺達を回復しやがった。なめやがって!」という感じなのだろう。
- レイズ・アレイズも含め、回復魔法を敵に使うとヘイト増加量が大きい。
- 開幕において算術よりもヘイトの低い歩数攻撃がよく用いられるのは、
ガンビットに「HP=100%の敵に盗む」を組んでいるときに解除しやすいという理由の他に、
実行時間が短いため1番に行動しやすくファーストタッチヘイトを得やすいという理由もある。
戦闘不能になってもヘイトリセットが発生しない 
一般的には、戦闘不能になったキャラは敵対心が0にリセットされるゲームが多い。
しかしFF12では、戦闘不能になっても戦闘が終了するまではそれまでに貯めた敵対心が維持される。
- これはヘイトコントロールを行えば有利に働き、そうでないと不利に働く。
盾役がヘイトを十分稼いでいれば、盾役が倒されても蘇生させれば再び盾役が狙われるため、態勢を立て直しやすい。
逆にそうでない場合は、回復役やアタッカーが敵から狙われる(そして防御面を考えていないと被ダメージも大きい)
→それを回復することで回復役に敵対心が多く貯まってしまう→結果回復役が敵の集中攻撃を受けて戦闘不能に
→蘇生させてもヘイトリセットされないのでまた集中攻撃を受ける…と悪循環の極みとなる。 - ちなみに石化してもヘイトリセットされない。
またリザーブに下げてもヘイトリセットされない。
参考動画
敵対心について検証・解析している動画。
(英訳付き再編纂版)
敵対心システム自体は海外ゲーム発祥なので、海外でも(むしろ海外の方が)知名度が高い。
しかし海外では、本作には敵対心システムがないと思われているらしい。
役割分担をきっちり行うことで、敵を綺麗にコントロールしている例。
活用 
FF12には挑発が無い。これもFF12のヘイトシステムの理解を妨げる要因となっている。
- 挑発系のコマンドはその利便性から戦術面の単調化とヌルゲー化の危険性もはらんでいる(採用作品でもそうなった事例は多い)。
FF12のプレイコンセプト(バランス面をプレイヤー側に委ねる、プレイスタイルを模索させる)的に敢えて実装しなかった可能性も否定は出来ない。 - 応急処置、歩数攻撃、算術といった技は敵対心の変動量が大きいうえに、
「コスト0」「エフェクト量も小さいものが多く、順番待ちを起こしにくい」と良点が多く、タゲ取り手段として最適。大群相手でも長期戦でも安定する。 - 弓や銃などの遠隔武器は範囲攻撃の被害を受けにくいので、前衛盾1人+後衛2人で盾が敵対心を稼げば、後衛には敵の範囲攻撃が届かない。
盾以外は無傷で、盾が回避すれば全員無傷となり被害を最小限に抑えられる。 - 魔法「デコイ」は良性ステータスの「おとり」を発生させ、蓄積された敵対心やその他を無視して、強引に攻撃を引きつけられる。
ただし、デコイの命中率の計算は悪性ステータスと同じ扱いのため失敗しやすく、
さらにシェルが悪性ステータスの発生率を下げてしまう、リボンはおとり発生を防いでしまう、
ストップがおとりを解除してしまう、持続時間が非常に短い(有効ステータス時間延長があっても最長40秒前後)、
順番待ちに弱い、と問題だらけ。ヘイトコントロールのほうが安定する状況も多いので、使い分けが大事。- 戦闘前にデコイをかけ、戦闘中は敵対心操作を行うという戦法がある。
デコイがミスしても安心してかけなおせるし、開幕時はデコイがかかっているので、敵対心を貯める間もタゲをしっかり固定できる。
ストップや戦闘の長期化などでデコイが切れても、それまでに行ったヘイトコントロールによってタゲは固定されているため、戦局が不安定になりにくい。
さらに万一盾役が戦闘不能になってしまったとしても、ヘイトリセットが発生しないので蘇生するだけで再び盾役に攻撃が集中する。
そして戦闘が終わってひと段落したら、次の戦闘に備えデコイを再びかけなおそう。
- 戦闘前にデコイをかけ、戦闘中は敵対心操作を行うという戦法がある。
代表的敵対心増減量 
利用可能な時期順。
時期 | 行動 | 消費MP | 増加量 | 減少量 | 備考 |
開始直後 | 通常攻撃 | 0 | 5 | 1 | 物理アタッカーの基礎知識として念頭に置きたい |
太陽石後 | ブライン | 10 | 18 | 1 | 消費0の応急処置も同時に利用可能になる。 ビュエルバ以降は時間攻撃の方が優秀 |
スロウ | 8 | 22 | 1 | ||
戦艦脱出後 | レイズ | 22 | 80 | 20 | 敵に撃つ。増加量だけならバランスの方が上 |
王墓壁後 | コンフュ | 10 | 31 | 18 | 同時期にバランスも利用可能になる |
モスフォーラ | 針千本 | 0 | 20 | 10 | 算術と同量 |
契約剣後 | アレイズ | 50 | 180 | 50 | 敵に撃つ |
以上は単体。以下は範囲。
時期 | 行動 | 消費MP | 範囲 | 増加量 | 減少量 | 備考 |
太陽石後 | 応急処置 | 0 | ? | 16 | 0 | 他の行動にも言えるが、ミスでも構わない。 性質上ファーストタッチはとれない |
地下道脱出 | ドンアク | 16 | 円6 | 28 | 8 | ファーストタッチを取るだけならダークでも可 |
ビュエルバ | 時間攻撃 | 0 | 円6 | 16 | 12 | 単体用としても一線級 |
戦艦脱出後 | 歩数攻撃 | 0 | 円6 | 14 | 12 | 時間攻撃より出が早い |
算術 | 0 | 円6 | 20 | 10 | 針千本と同量 | |
王墓 | バランス | 18 | 円6 | 82 | 3 | 単体用としても使える。減少が少ない |
エルトの里 | デコイ | 10 | ? | 40 | 0 | 味方にかける。ミスでも蓄積量は意外と多い |
ヘネ後 | 三種ラ系 | 18 | 円6 | 20 | 5 | 魔法アタッカーの基礎知識として念頭に置きたい |
港町 | 三種ガ系 | 42 | 円6 | 28 | 12 | 敵対心コントロール困難。デコイの方が効果的 |
ケアルガ | 68 | ? | 10 | 0 | 味方にかけた場合。3人で30、4人で40になる | |
大灯台後 | フルケア | 98 | 円10 | 100 | 30 | 敵に撃つ。当然ながらアンデッド以外は全快する |
表外の要素として、以下のものがある。既出の内容も含めてまとめる。
- ファーストタッチヘイトは自身の敵対心上昇量+10。
- 連撃や範囲回復では発生した回数分だけ敵対心が増える(例…敵対心4のケアルラを3人にかけると、敵対心上昇量は4×3=12)。
- 他の敵への攻撃でも本来の2割程度が加算される(例…バランスを3匹に撃つと約114+4)。
- 敵に撃った時と味方に撃った時では増減量が異なる(例…レイズは味方にかけると10、敵にかけると80+20)。
- 敵対心は各種行動の判定が出たと同時に蓄積/減少が行われる。
- 結果に関係なく、敵対心の上昇/下降量は繰り出した行動ごとに固定。弱点突こうが属性吸収されようがレジストされようが一緒。
- 戦闘不能や控えのメンバーへの敵対心は増えも減りもしない。
- 敵対心は戦闘中は自然減少しない。ただし戦闘解除すると急速に減少する。
バランスが増加量・範囲ともに優秀で、使用可能時期も早い事が分かる。
消費を惜しむなら時間攻撃や算術・針千本を使うと良いが、ラ系黒魔法と併用するならギリギリの敵対心であり、ザコ相手ならともかく長期戦では連発する必要がある。
デコイはデコイ自身の敵対心が高いので、失敗しても敵対心を稼げると割り切って盾役に使わせても良い。
失敗したくない場合は魔力UPOPを得やすい後衛に使わせたいが、この敵対心がリスクとなる。
攻撃魔法でも裏魔法のダーク・ダーラは、同格の黒魔法と比べると敵対心が低い(ダーガは高い)。
緑魔法の状態異常は、ブライン以外(スリプル・サイレス・ポイズン・オイル)はさほど敵対心が高くない。
敵のタイプ別ターゲット 
一部の例外を除いて、ほとんどの敵は自分から見て敵対心が最も高いキャラクターを狙う。
ただし、敵対心とは無関係に行動を決める敵もいたり、敵対心が一定量溜まるまでは別の条件でターゲットを決めるモンスターもおり、
モンスターのタイプによって以下のように区別される。
なお、おとり状態のキャラクターがいる場合はそのキャラクターを狙う。
タイプ | ターゲット | 敵モンスターの例 |
---|---|---|
下記以外(例外あり) | 敵対心が最も高いキャラクター | (多くの敵) |
スレイプニル | (1)魔法のチャージ中のキャラクター (2)敵対心が最も高いキャラクター | スレイプニル、メズマライズ、ワイアード など |
スレイヴ | スレイヴ、ディコタイタス | |
ウルフ | (1)敵対心が非常に高いキャラクター (2)防御が最も低いキャラクター | ウルフ、シルバリオ、軍用犬 など |
(1)敵対心が非常に高いキャラクター (2)最大HPが一番低いキャラクター | ハイエナ、ヘルハウンド、ケルベロス など | |
ダイル | ウールゲーター、ワイルドダイル など | |
スケルトン | (1)敵対心が非常に高いキャラクター (2)残りHPが一番少ないキャラクター | スケルトン、デッドリーボーン、ダークロード など |
ゴースト | ゴースト、リッチ、ネクロマンサー など | |
死神 | 死神、オーバーソウル、エテム など | |
ヘッドレス | (1)敵対心が非常に高いキャラクター (2)残りHPが一番多いキャラクター | ヘッドレス、デュラハン、ブーネ など |
地竜 | (1)敵対心が非常に高いキャラクター (2)一番近いキャラクター | ワイルドザウルス、ウェアドラゴン、ロックイーター など |
ゴーレム | クレイゴーレム、ミスリルゴーレム、バブイル | |
一番近いキャラクター | トレント、ゴーレム | |
ラット | ウェアラット | |
ミミック | ミミック、バグ、パンドラ など | |
フェイス | フェイス、コジャ、デイダラ など | |
エンサ | エンサ | |
エレメント | エレメント、精霊 | |
クリスタルバグ | クリスタルバグ | |
???? | マジックポット |
「敵対心が非常に高いキャラクター」は
敵対心が最も高く、かつ他のキャラクター(ゲストを含む)と比べて敵対心が約30(モンスターにより異なる)以上高いキャラクターを指す。
そのため、上記の表で(1)敵対心が非常に高いキャラクターと書かれている敵タイプは、
稼いだ敵対心がどれだけ高くとも他の戦闘メンバーのとの差が約30以内だと敵対心を無視して(2)の条件でターゲットを決める。
- 逆に言えば開幕で盾役がバランスなどの30以上の敵対心を稼げる技を放てば、すぐさま盾役が狙われるようになる。
普通に戦っていると敵対心を無視しやすいアンデッド系では特に有効。
パンデモニウムの絶対防御の解除条件も同じで、
絶対防御の使用後(敵対心がリセットされる)にバランスやアレイズなどを使えばすぐさま解除される。
なお、モブやボスなどの一部の敵は基本的には独自のターゲット法則を持っており、上記の表に当てはまらない場合が多い。
また、周囲にいるモンスターによってターゲットを変える場合もある。
例えばウルフはウルフリーダーやテクスタが狙う敵を一緒に狙う、など。
FF12IZJS 
いくつかの仕様変更によって、ヘイトコントロールによるターゲット操作はさほど重要ではなくなった。
- デコイが最序盤で購入できるようになった。
また、デコイやリバース、バブルが緑魔法というジャンルにカテゴライズされ、魔法職や一部の物理職であればほとんどが使える点はオリジナル版そのままとも言える。- ただし最序盤はライセンスが揃っておらずジョブ毎の性能に開きがないため
ヒスイのカラーやHP増加ライセンス、HP満タン攻撃力&魔力UPや
一定のMPが確保できた段階から使用するのが好ましい。
特にHP満タン魔力アップは命中率に直結するため重要度が高い。
- ただし最序盤はライセンスが揃っておらずジョブ毎の性能に開きがないため
- 使えるアクションが限定され、パーティ内のヘイト調整が困難になった。
- ダメージ上限撤廃、力強化&魔力強化大幅増、攻撃魔法の効果範囲拡大などで殲滅力激増。
下位魔法で敵対心上昇や順番待ちを抑えるよりも、上位魔法で素早く処理する方が効果的になった。 - 魔道士の防具が強化されて防御力の差が縮まったため、必ずしも盾役にタゲを固定する必要はなくなった。
- 回復魔法は消費MPが低下し、さらにキャラ最大MP増加、ケアルが範囲魔法になるなどしたため、魔法を気軽に使えるようになった。
盾役がダメージを抑えて回復役の負担を減らす、という戦術に拘る必要もなく、火力重視の編成でOK。
殲滅力が強化されたこともあり、むしろ速攻するほうが回復役に負担がかからない。
- 範囲回復を軸にするなら、タゲを分散するほうが回復効率は良くなる。そのため下手にヘイト操作しないほうが楽だったりする。
タゲが分散すれば敵味方が入り乱れ、範囲技の被害が拡大するが、代わりに後衛は固くなり、ケアルも範囲化されている。 - オリジナル版でタゲ固定戦術が基本なのは、キャラや装備に地力がなさすぎるせい。
普通に殴り合い回復連発するためには稼ぎ必須になる。 - オリジナル版に比べてヘイトコントロールの重要性は薄れたとは言え、上述の地力の差が発生するような状況、
例えば格上狩りやナブディス、ヘネ奥といった敵の強さが苛烈を極めるような場所では依然有効であることには変わりない。
特にデコイ頼みだとアルケオエイビス相手で戦線が速攻で崩壊してしまうため、上述のテク&リバースの活用は必須であろう。- ヘイトコントロールを一切しなくてもどうにかなる一番の要因は黒魔の殲滅力が高過ぎることが挙げられる。
属性強化の杖や弱点を突くガンビットにより一撃で集団を殲滅できることも珍しくない上
全体的な防具の防御力も向上しているので、適当にプレイするだけでもなんとかなるのは確か。
ただFF12にはデコイというヘイトを一元化できる便利な魔法があり
HP満タン攻撃力&魔力UPの効果が無印の1.2倍から1.5倍に強化されているため
非戦闘時にデコイを使うガンビットを組み込むだけで
戦闘のテンポを崩さずに楽に火力を上げられるメリットもある。
仮にこの補正込で攻撃する回数が減るならばそれだけ探索がスムーズになる。
「ヘイトコントロールによるターゲット操作はさほど重要ではなくなった」とあるように
あくまでシステムへの知識とリーダー(盾役)に特定のガンビットを組み込む必要がないというだけで
デコイによる手軽なヘイトコントロール自体は非常に有効である。
- ヘイトコントロールを一切しなくてもどうにかなる一番の要因は黒魔の殲滅力が高過ぎることが挙げられる。
FF14 
本作では「敵視」が正式名称だが、ユーザーは「ヘイト」と呼ぶことが多い。
いわゆる累積型敵対心のみで自然減少はなし。戦闘不能や敵の追跡範囲外となった場合のみ敵視がリセットされる。
蓄積量は基本的にダメージに比例し、タンクのみスタンス(全攻撃に敵視アップ効果)バフや挑発などにより敵視を稼ぎやすくなっている。
また、本作では「自身が敵全体からどの程度敵視を稼いだか」「ターゲットに対しPTがどの程度敵視を稼いだか」が視覚化され見やすくなっている。
- 前者は敵対リスト(敵視を取った敵の一覧)での左端アイコンで確認可能。
「赤>橙>黄>緑」と色が変化し、ヘイトトップならば赤が表示される。 - 後者はPTリストで確認可能。左端ジョブアイコンの下部に数字による順位とヘイト量のバーが示される。
順に「A>(1)>2>3>……」となり、ヘイトトップのプレイヤーはAとなる。
(1は他のPTのプレイヤーがヘイトトップのときのみ表示)
パッチ5.0以前は敵視減少アビリティなども用いPT全体でヘイト管理していたが、5.0での刷新により基本的にタンクのみが管理する要素となった。
FF15 
ヘイト値(敵対心)の高さで誰が狙われるのかが決まる。
ノクティスはヘイト値の上昇量が他の仲間より多く、狙われやすい。