世界観/密猟

Last-modified: 2023-11-01 (水) 12:13:01

法や協定を無視して秘密裏に狩猟を行う事。対象が魚介類の場合は「密漁」と書き分ける。
言うまでもなく犯罪行為なので、発覚すれば罰せられる。
素材集めや金策にクエストを受けるハンターとは別物。

MH世界における違法性と罰則

  • MH世界のモンスターは、あくまでも単なる野生動物である。
    ギルドでは人間の生活の脅威となるモンスターを最低限の数だけ狩猟するため、
    クエストを通じてモンスターの個体数を管理して絶滅する事を防いでいる。
    しかし、モンスターの中には貴重で高価な素材が入手できる種も少なくない。
    そのためギルドのルールを無視し、私利私欲のためにモンスターを狩猟するハンターもいる。
    またはそれを利用するためにハンターを雇う商人等もいる。
    こういった非合法の狩猟を行う密猟者に対しては、ギルドは厳しく取り締まっている。
    特に悪質なケースが発覚した場合、暗殺専門のギルドナイトの手により抹消されるらしい。
  • ゲーム中で直接的に描かれた事はないが、
    現在出版されているファミ通ノベライズ版の中では、他密猟者への見せしめとして一人殺害されている。
    何でもそのハンターは卵泥棒の常習犯で、発覚後にミナガルデの中央広場噴水を血で染めていたとか…。
    今にして思えばあの組織裏ボスが制裁に関わっていたのかもしれないが。
    あとタマゴ泥棒の常習犯とか言われると後述のライダーの存在もちらつかない気がしなくもないが…。
  • MHP2Gのネコートさんから受けられるクエストの中に、「狙われたバサルモス」というクエストがある。
    このクエスト、依頼人の名前がすでに「非合法の仲買人」となっており、
    成功したらギルドには失敗したと報告するように頼んでくる
    成功時にギルドが徴収する分の金銭や素材をちょろまかす算段なのだろう。
    さらに自分からクエストの依頼を出しておきながら、受注したハンターに対して囮捜査の疑念を抱く始末。
    • しかも、この依頼はキークエストだったりする。つまりやらないと先のクエが受けられない。
      依頼人の怪しい素性や報告偽装依頼までわかっていて、
      ネコートさんはこんな怪しい依頼を突っぱねずに取り扱って大丈夫なのか?
      ギルドの受け付けを通してネコートさんまで降りてくるほどチェックがザルなのか?
      まさか怪しいとわかった上で、プレイヤーハンターがこうした依頼に乗るような人間かどうか試されているのでは?
      などの疑念も当然出てくるが、クエストをクリアすると普通に成功扱いとなり報酬やポイントを渡されて終わる。
      どうやら依頼人の懸念通り、受けるハンター側も承知の上での囮捜査だったようだ。
      狩られたバサルモスの素材もおそらく仲買人には渡らず、「ギルド発の依頼で得られたもの」として処理されたと思われる。
      それならより分かりやすくしてくれギルドの皆さん。
    • その後、非合法の仲買人とやらがどうなったかは不明である。
      不正な依頼を持ち込んだ罰として、良くて出禁か、最悪ギルドナイトに始末されたのかもしれない。
      そもそも非合法=どこかの国の法律に反する輩なので、管轄の警察組織あたりに突き出されたか。
  • さらに「地底湖から覗く目」では、ガノトトスを密猟しようとしたハンターが返り討ちにあったことで依頼が発生した。
    密猟者たちは保護されたらしいのだが、その後彼らの身柄がどうなったかは不明である。
    いきなり極刑ということはないと思いたいが…。
  • ギルドや龍歴院などが組織体制でハンター一人一人を管轄して管理し、
    これらを通さない秘密裏の密猟行為を厳しく制限するのは
    密猟者の人間としての安全の確保と言う人道的な理由もあると思われる。
    人並み程度の技量と装備では、いざ大型モンスターと遭遇して対戦して致命傷を負った場合
    ギルドや龍歴院による救済処置の手が回らないと、どうなるかは容易に予想できよう。
    無論「無法者は見殺しにすれば良い。自業自得。」と一蹴してしまう考えもあるが、
    全ての作品を通して見る限り、ギルドや龍歴院の組織としてのスタンスは
    人命尊重が絶対原則であり、それが違法の密猟者であっても例外では無い。
    ただし、人並み以上の装備と技量を以て、モンスターに対して無傷での狩猟が可能な密猟者ともなれば
    「それだけの技術と経験と知識を以て、なお、利己と私欲を目的に自ら人道を外れた。」と見做されて
    人間の手による人間(密猟ハンター)の制裁、と言う最終手段を取らざるを得ない、と言う訳である。
    そしてそれほどの力の持ち主が相手なら、ギルド側も持てる限り最高の戦力を以て挑まねばならない
    時として人命を奪うも辞さぬ覚悟で厳格に管理するのは、そうした理念や現実が下地にある。
    • とは言えギルドもそこは営利組織。密猟者を生かしたまま捕らえるリスクとコストを掛けるのは、
      その裏に存在する密猟を支えている買い手や市場そのものに通じる情報を得るためとも考えられよう。
      モンスター素材は裏で扱うにせよロンダリングして表に流すにせよ、高度な技術が無いと加工し辛い。
      そして密猟者自体、独自の組織やネットワークを構築したり、パトロンに傭われている可能性もある。
      至極当然のことだが、密猟という違法行為は末端の実行者である密猟者のみでは完結しないのだ。
      建前や理念がどうあれ、ギルドが密猟を取り締まるのは自分たちの存在が脅かされるからに他ならない。

余談

  • 現代日本では当たり前すぎて意識しない事だが、密猟という概念自体が、社会集団と権力と法治あってのものである。
    狩猟によって得られる目先の利益と、長い目で見た場合の影響を天秤にかけるだけの情報から結論付けられた
    「乱獲は悪影響を及ぼすだろうから、管理された狩猟が大事だよね」という共通認識が定まってこそ、
    その認識に従わない行為が犯罪、従わない人間が犯罪者と定義される事になる。
    その辺りを踏まえた上でモンハン世界を見ると、国家の影響力が及ばない辺境において
    多くの街で受け入れられるだけの共通認識を広く通用させ、厳しい処罰まで行える(らしい)ハンターズギルドが、
    強い影響力を持つのが判る。
    裏を返せば、取り締まりが必要なほど密猟(と定義されるレベルの乱獲)が発生している、
    あるいは過去に発生していた訳で、
    処罰のリスクと天秤に掛けてなお狩猟の利益が大きいことを示していると言えよう。
    「当たり前」のことにもしっかりと理由や原因があり、そこから生々しい世界観がうかがえる好例であろうか。
    • 尚、ハンターズギルドが、ギルドの定めた規則をハンター以外にも適応しているかは言及されていない。
      MHSTのライダーはギルドを通さずにモンスターを狩猟しているが、
      アニメでは最寄りのギルドのマスターが「黙認」に近い形で処理している描写があり、
      文化や歴史が(もっと言えば作品としての世界観が)根本的に異なる彼らと余計な接触や摩擦が起きないようにしていたようだ。
      モガの村の漁師のようにモンスター関連の素材を採ってこれる人々もいるが、
      彼らがハンターほどの量や頻度でモンスターを狩れるならハンター稼業自体が成立しないはずなので、
      管理が必要なほどの規模ではなく影響なしということで、いちいち干渉していないだけかと思われる。
      モガの漁師が生態系に影響が出るほど大量にモンスターを漁獲できるのであれば、
      ハンターズギルドが既に規制の交渉をしているか、それこそ漁業組合なりが設立されルールが作られているだろう。
  • ギルドは地域ごとに独自発展したもので、全国統一的な本部や司令部などが存在するわけではない。
    もともと地元の文化や営みとも関係が深いため、そうした人々との兼ね合いやルールも柔軟に取り決められるのが強みでもあるとも言える。
    また、言ってしまえば現地で設立したもん勝ちの組織なので、
    狩猟ルールを好き放題定めてしまえる側面もあるが、そもそも「ハンターの稼業継続と安全確保」が命題なので、
    それと関係無いような事柄にまでわざわざ乗り出していく労力が無駄、という現実的な問題もあろう。
    • ギルドの定めた猟区内で活動する獣人族も、4人を超えての狩猟や特殊な道具を用いた狩猟など、
      人間のハンターのルールからは外れた狩猟を行っている。
      しかも狩猟中のハンターを八つ当たり同然の攻撃で爆破したり、
      ハンターの道具をかっぱらったりするなど、敵対的な行動を繰り返してきた。
      それでも特に処罰や排除の対象にはなっていないし、逆にハンターが彼らを蹴散らしても問題にならない。
      先住者として狩場に生きている獣人族の狩猟活動については、モンスターが他のモンスターを狩るのと同様
      「自然の一部なので規制も肩入れもしない」という扱いにしておきつつ、
      人間社会にやって来てオトモやギルド職員になったらルールに従ってもらう、というスタンスのようだ。
  • 密猟は、それで得られた品物を流通・販売できる闇市場と需要があって初めて成立する
    大して儲からなければ、リスクのある違法行為など誰も行わないので当然ではあるのだが、
    現実世界でも密猟された動物が裏を通って表に供給されるため、絶滅危惧種の希少生物が
    今なお大量に密猟され続けており、個体数を減らし続けていると言う厳しい現実がある。
    モンハン世界にも、モンスター素材の闇市場やそれを買い取る好事家が少なからず存在するのだろう。
    ギルドがギルドナイトに代表される影の戦力を擁しているのは、それに対抗するためでもあろうか。
    華やかなハンターたちの活躍裏側では、後ろ暗い取引や闇の住人同士の暗闘もあると思われる。
    • では素材等としての価値がなくなれば密猟は止むのか?答えはNOである。
      というのも、個体数を減らしているという事実そのものが文字通りの「希少価値」を生んでしまうため。
      「今自分が持っているものが最後の一つ、もう二度と手に入らないかもしれない」というものを持っている時、
      それがたとえ文字通りのごみであったとしても価値を認識し、大事にするのは生物としての習性*1と言える。
      それが高じて、とある生物の絶滅が確定した状況として、密猟者に生存個体を狩られたうえに対象生物が生まれると思しき卵をも破壊されたためという報告もある。
      素材に価値があるのであれば、思惑通りにいくかどうかは別にして卵を破壊せずに盗み出すという手段に出たはずである。
      卵を盗み育てるのではなく破壊したということが「最後の一つを自分が持っている」、つまり希少性自体が価値であったことの証左であると言えるだろう。
      • なお「素材に価値がなく個体数も十分にある」場合はそもそも密猟という概念が当てはまらない。
    • なお、密猟はゲーム的にはあまりスポットされない部分なのでプレイヤーには関わらない。
      モンハンは犯罪に手を染める系のゲームでは無いので、当たり前と言えば当たり前なのだが、
      そういう意味でプレイヤーハンターは、徹頭徹尾陽の当たる道を行く「英雄」だと言える。
      • そうなると「お金や素材目当ての乱獲はどうなるんだ」と言うツッコミも出るかもしれない。
        ただ、プレイヤーハンターは仮に特定モンスターを大量に狩猟するにしても
        ゲーム内できちんとギルドの窓口を通して出されたクエストを受注した上で狩猟し、
        描写は無いが帰還後もそのクエストでの結果を手順を踏んでギルドに報告している。
        勝手に好き勝手乱獲しているわけではなく、毎回たまたま目当てのモンスターが
        対象のクエストがちゃんと出ているが故に仕事をしていると言うだけなので、
        (ゲーム的な都合はさて置き)世界観方面で違法行為を働いていると言うツッコミは筋違いだろう。
  • 本来のターゲットではない大型モンスターや乱入モンスターを狩ってもギルドに罰せられる事はない。
    むしろ乱入モンスターを狩ると報酬が追加される乱入クエストの場合だと支給品すら届く。
    • MH3から乱入の危険があるクエストでは受注の際に「環境不安定」と表示されるようになった通り、
      ギルドとしてはクエストを出す時点で乱入の可能性まで全て想定・調査してからクエストを出している。
      従って、乱入の可能性があるクエストがギルドから出されたと言う事は、
      乱入する可能性があるモンスターまで含めて狩猟しても生態系に問題が無いか、
      多少の生態系への影響に目を瞑ってでも早急な討伐が必要なぐらいの緊急事態であると言う事である。
      まあせっかく大型モンスターの脅威が無くなったのに別の大型モンスターに居座られたら、
      周辺地域にしたら堪ったものではないので、ある程度仕方のないことなのだろう。
      ある意味では大連続狩猟に通じるものがある。
  • またモガの森はギルドを通さずに狩りが出来るがやっぱりペナルティはない。
    これはモガの村が建設された理由が、そもそも周辺地域の調査であったかららしい。
    確かにあの魔境っぷりは調査が必要であろう……。
    未知の樹海調査も同様の理由でフリーハントが推奨されている。
  • MHX発売直前Twitter上でMHXをフラゲした人間を公式の狩猟解禁表記にちなんで密猟者と呼ぶ人間が現れ、ちょっとした話題を呼んだ。

関連項目

世界観/絶滅
世界観/乱獲


*1 ヒト以外の生物でも、特に知能が高いとされる生物ほど、多いものほど雑に、少ないものほど大切に扱っているのが観測されている