世界観/ライダー

Last-modified: 2024-03-24 (日) 11:17:30

モンスターハンターの世界における身分の1つ。
モンスターと絆を結び、共に生活を送る者。
モンスターライダー」や「乗り人」と呼ばれる場合もある。

概要

  • モンスターハンターストーリーズで初めて登場した存在。
    同作の主人公が置く身分であり、同作を象徴する存在である。
    MHST作中においては、モンスターを狩猟して糧を得る「ハンター」とは対となる存在として描かれている。
  • はるか遠い昔、いにしえの頃から存在しており、ハンター社会とは隔絶された地で独自の生活を営む。
    モンスターと心を通わせ、眠れる力を呼び起こして共に生活を行なっており、
    モンスターを狩猟するハンターとは大きく異なる文化を持っている。
    そのような生活はライダーの間では常識であっても、
    ライダーのことを知らない人間からは奇怪に映ってしまうことも多いため、
    ライダーたちは人里離れた辺境で小規模な村を作り、細々と生活を送っている。
    • 共に生活する村人の誰もがライダーとなるかというとそうでもないらしく、
      ライダーにはならずにそのまま一生を送る者や、外の社会に出て職業を見つける者もいる。
      実際、1作目の主人公と同じ村出身のリリアが王立古生物書士隊の研究員になっているという例がある。
    • アニメ版によると、万が一外の人間が村にやってくることがあった場合、
      村全体でオトモンの存在を隠して「普通の村」と偽り、
      よそ者がいなくなるまでやり過ごすという方法をとるようだ。
      なお、そこまでしてライダーであることをひた隠しにする理由は判然としないが、
      後述のようにモンハンの世界の中では少数派の部族であり、
      傍から見ると奇異の目で見られることも多い独特の文化を持っていることが関係しているかもしれない。
  • 現在、ライダーの存在が確認されているのは1作目の主人公の出身地であるハクム村、アユリアの故郷であるクアン村、
    2作目の主人公の出身地であるマハナ村、竜人の里の1つであるルトゥ村、
    MHSTの派生であるMH-Rのライダー文化に特化したフェルジア大陸の5箇所のみ。
    ただ、M三作品には共通して、主人公らと敵対する謎のライダー達が登場しており、
    既知のもの以外にもライダー達のコミュニティが存在している可能性はある。
  • 逆に、ハンターの暮らす町や村では存在を先に知っていた人はほとんどおらず、
    ギルデカランにあるハンターズギルドのギルドマスターしか確認ができない。
    例外と言えるのは2作目の主人公の祖父であるレドで、
    ある現象の謎を追う過程で世界中を旅していたこともあってか、
    ハンターの間でもそれなりに名の知られた存在であったらしく、
    リヴェルトも直接の面識はないながらも名前だけなら彼のことを知っていたほどである。
  • なお、世界全体で彼らしかライダーが居ないのか、それとも今まで登場してきたのと別の地域にも
    ライダーが主流文化の土地もあるのか否かなど、その繁栄ぶりは杳として知れない。
    機動力から言えば、ハンターより広域に散って定着していてもおかしくないのである。
    いずれにしても、既出のギルドとその周辺においてはマイナーな存在なのは間違いない。
    • MHST2では前作から4年が経っており、ハクム村出身であるリリアが書士隊の部隊長を務めているからか、
      ライダーについてもある程度の情報が広まっているようである。
      それでも未だにハンター達とライダー達の確執は深く、完全な理解が得れているとは言えない。
      • ただ、ハンターの中にもリヴェルトのように最初からライダーに対する偏見を持たなかった者や、
        カイルのように最初のうちこそ警戒していたものの、
        行動を共にするうちに徐々にライダーを信頼するようになった者もいる他、
        それ以外のモブのハンターの中にも、
        「いつの日かライダーと一緒に狩りをしてみたい」「ハンターとライダーが分かり合える日が来ることを願う」
        といった趣旨の台詞を言う者も少なくない。
        両者の間にはまだまだ溝があることは事実だが、歩み寄り、理解しようとする者も決して皆無ではないのだ。
  • ライダーは必ず絆石というものを身に付けている。
    これはモンスターと心を通わせる際の補助に使うようなものだが、
    それ以外にも様々な不思議な力を持っているらしい。
    地域によって絆石の形状は異なるらしく、
    例えばハクム村のライダーであれば左手首に付けるブレスレットのような形状だが、
    中にはペンダントのように首から垂らすような形をしている地域もあるようだ。
  • 「モンスターと絆を結び、心を通わせる」と言うライダー独自の文化をとても大切にしており、
    その文化に反する事(例えば、無理やりモンスターを従えたりして意のままに操るなど)に対しては、
    仮にそのような行為が世の為人の為になるかもしれない新技術だとしても、
    その行為や行なう相手を厳しく糾弾するライダーが多い。
    これは、単に彼らが排他的な文化の中で生活してきたためのマイナーで身勝手な思想と言う訳ではなく、
    ライダーの間に伝わる、とある伝承を根拠とする考え故の事である。
  • モンスターを狩猟することもあるが、ハンターではないためか、
    支給品などのギルドからの支援のようなものは一切存在しない。
    逆に言えば狩猟内容をギルドに報告する必要も、狩猟の際の制限時間なども全くないため、
    規則や依頼の条件などに縛られず、自由に行動することができる。
    またその行動をギルドに「無許可の密猟」扱いされることも、作中ではない。
    • ハンターとライダーとではモンスターから得られる素材の用途が異なるらしく、
      ハンターと比べると武具の材料として使える素材の種類が非常に少ない。
      また、ハンター側では素材として使うことができないアイテムを
      ライダーたちが武具の素材として使っていたりすることもある。
  • またギルドとは無縁の存在と言うことだからなのか、
    ハンターが受けるような「クエスト」というものはライダーは受けることができない。
    ライダーは村人などからの頼まれ事や掲示板に張り出された依頼を「サブクエスト」と呼び、
    それらを独自に解決するというスタイルを取っている。
  • ハンターと同じく、ライダーにも「人間相手に直接武器を振るってはいけない」と言う決まりがあるようで、
    対ライダー戦においてもオトモンではなく、主人公が相手のライダーを直接攻撃対象に選ぶことはできない。
    だが、ハンターよりもその基準が微妙に甘いのか、
    武器を使った全体攻撃に相手ライダーを巻き込んでしまう」と言うことは許容されているようだ。
    このため、大剣の薙払地衝斬、弓の曲射と言った特技であれば相手ライダーを直接狙える。
    • この微妙に甘い基準はライダーと行動を共にさえしていればその本人がライダーでなくても適用されるらしく、
      共闘パートナーとなったハンターは相手のライダーを問題なく全体攻撃に巻き込んでくれる。
  • ライダーの武器はハンターと比較すると種類が少ないものの、そのほぼ全てがハンターのものと共通している。
    また、攻撃モーションに関してもハンターとライダーでそこまで大きな違いは見られない。
    ハンターとの交流がそれなりに行われるようになったMHST2やMH-Rの時代ならばともかく、
    両者の交流がほぼ皆無であったはずのMHSTの時点でも共通点が多いと言うのはなかなかに謎である。
    これについては、かつてライダーでありながらハンターでもあったと言う言い伝えが残る人物もいるため、
    彼のその特殊な経歴がその後のライダー文化にも影響を与えたが故と言ったところだろうか。

ライダーの始祖

  • ハンターの始祖はココットの英雄であるとされる事が多いが、
    ライダーの始祖たる人物は、かつて世界を滅びの危機から救い、レダンの名で呼ばれたある英雄であるとされる。
    しかし、この人物に対する呼称は文献によって大きくバラつきがあり、
    ある文献には乗り人、ある文献にはモンスターライダーとも記されている。
    • 英雄的な偉業を遂げたハンターを皆が「モンスターハンター」と呼び讃えるように、
      伝承に記された「レダン」という名も、人物名ではなく、一種の称号であったのかもしれない。
      或いは「レダン(Redan)」と「ライダー(Rider)」という2つの語が、同じ語源を持っている異音同義語の可能性もある。

余談

  • 主人公ライダーはまだ年端もいかない少年or少女であるが、本編のプレイヤーハンターに匹敵するほどの
    恐るべき身体能力を持っていると言える。
    というかここに記載されている内容のうち、水泳に関するもの以外はほぼ同じ。
    とある法則主人公補正のせいと言えばそれまでだが…。
  • 現実の騎馬がそうであるように、モンスターへの騎乗は人類に莫大な利益をもたらす筈であるが、
    彼らの技術は広まるどころか秘匿されている。外征・略奪が日常な史実の騎馬民族とは真逆である。
    百姓兼海賊のヴァイキングもそうだが、騎馬民族の略奪も基幹産業であったため頻繁に行われ、
    その影響で海賊は各地に定着し、騎馬の文化も農耕民などへ広まっていったという流れがある。
    ギルドの影響圏で騎乗の技術が見られないのは、ライダーが存在を隠しているのが大きいだろう。
    また、純粋にライダーになるためのには、各方面で特殊な技能を要求されるという可能性も高い。
    逆に言えば彼らが本気を出した場合、その影響力も広範囲かつ甚大になることが予想される。
    後述するように平和的な社会進出であっても、その技術の流出や定着が進むのは必定であろう。
    • なお彼らの大半が野心*1や功名心*2を抱かず慎ましやかに暮らしている理由は定かではない。
      何らかの文化的な信仰・伝統・誓約・禁忌を抱えているのか、単に実利的な理由なのかも不明である。
      ただし上記のように依頼も承っており、決して俗世に関わっていけないと言う訳ではないようだ。
      後付けの存在なので世界観の中心に組み込めなかった、とメタ的に考えればそれで片付くけども。
      • しかし、MHSTのストーリーが進むにつれてハンターとの交流がかなり盛んに行われるようになり、
        ライダーを対象にした闘技大会が開催されたり、荷運びの仕事に就くライダーが現れたりしている。
        このまま時代が進めば、ライダーの立ち位置や勢力が今後大きく変わる可能性は十分考えられよう。
  • ハンターズギルドとの関係は地味に不明で、少なくともギルド側は不干渉を貫いている。
    その割にはギルデカランのマスターはライダーに何かと便宜を図ってくれるが。
    ギルドからすれば、ライダーは無許可での密猟者と見做せる存在だと思われるのだが
    彼らに手出ししないのは「ギルドが処罰できるのはギルドに所属するハンターのみ」なのか、
    単純に「戦力的・思想的な問題でライダーを警戒・畏怖しているため黙認している」のか、
    いずれにしても作中でギルドナイトを送り込むようなことはない。やったら別ゲーになるしな。
    しかし前述のとおりストーリーが進むにつれライダーとハンターの交流が盛んになり、
    ギルドやハンターたちにもライダーという存在が認められつつある。
    この流れが進めば、いずれ協定が結ばれ、公的に両者が協力し合う日も来るかもしれない。
    • 実際に前作の4年後が舞台となるMHST2では一般社会にもある程度ライダーの存在が
      認知されるようになっているが、やはり両者の考え方の違いにより衝突も発生している模様。
      まだまだ前途は多難で道半ばといったところだろうか。
  • 前述のようにライダーとハンターは明確に区別されているが、
    なんとMHW:Iではオトモとオトモダチになった一部のモンスターに似たような事ができる。
    ただし、こちらはモンスターライドと言う似て非なるアクションであり、
    絆を結んだオトモンに乗るライドオンとは別物である。
  • また、MHRiseでは大型モンスターに騎乗して操る、操竜と言うシステムが登場した。
    これを使って別のモンスターを攻撃することも可能になったが、
    こちらも別に大型モンスターと絆を結ぶ訳ではなく無理やり操るだけであるため、別物である。
    • それどころか、ライダーの間ではこのように強引に大型モンスターを操り、
      狩猟の役に立てるような技術と言うものは、むしろ忌避される行為として扱われている。
      ライダーがカムラの里のハンターの狩猟風景を見た時の反応が非常に気になるところである。
      • ただし、モンスターを操るという行為をライダーが忌避しているのは
        それによって生態系を破壊されるからであって、
        モンスターの力を一時的に借りるだけの操竜は
        必ずしも生態系を破壊するわけではないので案外セーフかもしれない。
        そもそもMHST作中で登場した『モンスターを操る技術』は操竜とは比較にならない程の非道な行為であり、
        またライダー達が使う『伝承の儀』もモンスターの力を人間の都合のいいように引き出しているだけである。
        結局の所はよほどの事ではない限り、生態系の保護に繋がるのであれば大丈夫なのだろう。
  • モンスターの巣からタマゴを盗み出し孵化させて自分の仲間にするといった行為や
    大型モンスターを無許可で狩猟しても特に咎められないという立場にある事については、
    やはりというか「世界観的にそれはOKなのか?」という意見が時折見られる。
    特に、過去に出た小説版では「タマゴ泥棒の常習犯の密猟者がギルドナイトによって粛清され、
    その後は見せしめとして死体を晒されミナガルデの街の噴水を赤く染めた」
    …なんて描写もあったため、その件を絡めた指摘がされることもある。
    • 「モンスターの巣に潜入してタマゴを持ち出す」と言う行為自体は
      メインシリーズのハンターにも御馴染の行動であり、それ自体が罪と言う訳では無く
      ハンターの場合はギルドや龍歴院の厳正なる生態管理下による公然行動である。
      ライダーの場合はハンターとは状況や事情が異なるため一概に考えられない側面もあれど
      人間がモンスターのタマゴを持ち出すこと自体はモンスターの生態を破壊する行為にはならない。
      便宜行『盗み出す』と表現されているライダーのタマゴ持ち出し行為も
      ハンターのギルド管轄と同様に、組織的に生態管轄が成されている前提の公然範囲であるとも考えられる。
    • メタ的に言えばRPGというMHSTのゲームジャンル上そのようになっている、が答えではあるのだが
      真面目に世界観に沿った理屈を考えるならば「ライダーが少数民族であるから」の可能性が高い。
      モンスターハンターの世界は何もしなければすぐに大量発生が起きてしまうほどに動植物の
      生命力が高く、全世界規模で行われているハンター業でもそれらの対応に難儀するほどである。
      対してライダーは前述の通り俗世を離れ小さな村を形成して生活しており、ライダー業に
      従事している人間の絶対数自体が非常に少なく、多少タマゴを頂いたりモンスターを
      狩猟したとしても生態系全体としてみた場合の影響力は微々たるものに留まると考えられる。
      逆に言えば、ライダーの行っている行為が広がり過ぎると生態系への影響が大きくなってしまう事を
      知っているからこそ、彼らは自分達の技術を外部から秘匿していた、とも考えられるかもしれない。
    • このような少数民族への便宜は現実世界でも実例があり、例えば先進国ではほぼ禁じられている
      捕鯨行為に於いては、北極圏やカリブ海の先住民族が伝統的な漁法に基づいて行う
      狩猟に関して「先住民生存捕鯨」という形での一定頭数の捕鯨権利が国際的にも認められている。
      (これは生態系に影響を与えない範囲内で文化的多様性を保護するという側面もある)

関連項目

シリーズ/モンスターハンターストーリーズ
シリーズ/モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~
シリーズ/モンスターハンター ライダーズ
イベント・メディア展開/モンスターハンターストーリーズ RIDE ON
世界観/絆石
世界観/ハンター
世界観/竜操術
システム/ライドオン
防具/ライダーシリーズ


*1 ライダーの機動性や汎用性を考慮すれば、数さえ揃えば相当な列強勢力になると思われる。軍隊に至ってはオトモン無双で相手にもならない
*2 オトモンの戦闘力や機動力を以てすれば狩猟に運輸通信はもちろん、猟場の偵察・キャラバンや飛行船の護衛など仕事はいくらでもあるだろう。