サンティちゃん

サンティに小粋なプロポーズをして「その任務、お受けします。報酬はこれからの隊長の人生です」とか言われたい。

アニバシリーズを渡せるくらいに親密になるもののお互いに一線だけは越えないヤキモキする関係が続いて数年、成人したサンティさんは「自分には女性的な魅力がないのでは」と、少しの不安を抱えるの。
そんなある時に隊長からデートのお誘いをされて、夜露ちゃんや天音さん達のアドバイスを参考にしつつ最高のおめかしをして隊長とのデートに臨むのだけれど、何事もなく夕食を迎えてしまって。その夕食も終わりごろ、やっぱり自分には女性的な魅力がないんだと内心肩を落としていると隊長が真剣な瞳でサンティさんを見つめて「君に依頼がある」そう告げるの。
女性どころか兵士としか見られていないと思って傷つく直前、隊長は懐から出した小箱を開けながら、「俺とこれからずっと、共同戦線を張ってほしい」。
箱の中の指輪を見て、こみ上げてきた想いを目尻から流しながら動揺している隊長に笑顔を向けて言うの。

「その任務、お受けします。報酬はこれからの隊長の人生です」

いやさ、本編で初めて会った時にはなんだか、と思ったけれどさ、それは彼女が兵士としていてそして単色だったからってわけでさ。つまるところ、彼女の少女性が薄れつつあったんじゃないかって思うんだ。家族のために故郷を一人離れ、過酷な戦場を渡ってきたんだ。無理もない。しかし彼女はノーブルヒルズから離れた後ＡＥＧＩＳに雇われ成子坂にちょくちょく来るようになった。そしてあの絆エピソード。あれから彼女はほかの色と混ざれるようになったんだ。それからのガチキャンでの「ねー♥」は芦原組を筆頭にいろんな人たちと交流をして混じって少女性が復活した証なんじゃないかって。つまり何が言いたいかっていうと「朱に交われば赤くなる」ってサンティのためにあるんじゃないかって話。

文嘉にさせられた休日の出張がＡＥＧＩＳにバレた俺は休まなければならなくなった。薫子さん曰く、「有名になった成子坂の隊長が休暇中に仕事をねじ込まれたなんてパワハラじみたことをされていたなど市民に知られたらまたアクトレス業界への信頼が失墜しかねないから振り替え休日として休んでほしい」とのことだ。半ば強制とはいえまとまった休みを取ってもよいのは久しぶりのことだ。どうせなら有意義に使いたいと思って事務所でアクトレス達と話してそのヒントを得ようと談話室に向かった。
談話室には何やら思案顔のサンティがいた。悩みがあるのだろうかと話しかけると彼女も休みを取る必要があるらしい。曰く、「ＡＥＧＩＳとの契約に特定期間内に定められた日数の有給休暇があり、それが溜まっていてかつ期限が近いから消化する必要がある」のだとか。計算を間違えて三日ほど余っているが夜露や琴村姉妹と予定がいまいち会わないからどう時間をつぶそうか悩んでいたという。
なるほど自分と似た悩みを持っているようだ。俺も現在頭を悩ませていることを打ち明け一緒に休日の過ごし方を考えることにした。そして最近デスクワークで体が鈍っていることが気になるから体を動かす過ごし方がいいな、と提案するとサンティは「なら、キャンプをしましょう！」と目を輝かせながら言うのだった。どうやら本当のガチキャン△をするつもりみたいだ。
キャンプはなかなかにハードだった。体は鈍ってはいたもののもともとそれなりに動けたからかサンティのしごきに熱が入り結果として毎日しばらく立ち上がれなくなるほどにトレーニングをすることになったのだ。それでも後の行動に支障のない範囲なのは流石というべきか。
しかし、トレーニング時を除くこのキャンプは緩やかな時間を過ごせた。共に料理を作って食事をし、ゆっくり談笑するなんて忙しくなってからはあまり行えなかったから。それに、たっぷりと体を動かして深い眠りについたからだろうか、妙に自信がついていた。
キャンプが終わって別れる時、「サンティと過ごせてよかった」と感謝を述べると彼女はちょっと面食らったような表情を浮かべた後ほほを染めて微笑み「ワタシもです」と答えてくれた。このキャンプでサンティとの絆を深められたようでなによりだ。

後日、他の娘達にキャンプのことを話したら「サンティと二人きりで連日立てなくなるまで激しいトレーニングを行い、その後ゆっくり話し合った」ことに尾ひれ端ひれがついて広まってしまった。これ自体はサンティの緊急戦闘教練（ハードモード）を施すことで解決したものの噂を聞いた本人は「もうお嫁にいけない…」なんて落ち込んでいるようだった。「でも婿を迎えることはできるね？」と冗談を飛ばしたらいつの間にかネパールシャードに行くことが決定していた。
休日にまた出張しないといけないかなこれは？

私とサンティさんで当てのない散歩をするっす。するとたまたま琴村姉妹が修道院で子供たちと遊んでいたからそこに混ざって遊ぶっす。実家では多くの弟妹の長女であるサンティさんは子供たちの扱いに慣れているっす。もちろん私も日々のボランティア活動で子供たちと接し慣れているっす。
あっという間に打ち解けておままごとっす。いくつかの家族が生まれてそのうちの一つの構成が母サンティさん夫天音さん娘朱音さんペット夜露ちゃんっす。それはまぁ見事に円満な家庭が生まれたっす。たまたま通りがかった舞さんが急性尊死をキメてたっす。でもやっぱりちょっと納得いかないっす。サンティさんの夫は私のが似合う気がするっす。あ、尊い成分で舞さんが復活を果たしたっす。
そうしておままごとが終わるころには子供たちによる私と朱音さんの取り合いが始まったっす。天音さんとサンティさんは夫婦だから取り合うものじゃないと子供たちは理解していてまた舞さんが別世界へ旅立ったっす。見かねたサンティさんがたしなめるっす。それで子供たちは落ち着いたっす。流石っすね！でも争いを無くすために私と朱音さんを結婚させるのはどうかと思うっす。舞さんがこちら側に戻ってきたっす。
後日サンティさんは舞さんに何やら日本文化を教えられていたようっす。

メイド服が好きな隊長は当然ながらアクトレス全員分のウェイトレス服を自費で支給した。しかしすでに商店街のイベントは終わっており、出勤用の服にも適さないから必然と誰も事務所で着用しないために隊長は少し凹んでいた。否、傍目には少しだが内心ではめちゃくちゃ落ち込んでいた。
そんな時、困っている人センサーで隊長の落ち込みとその原因を察知した夜露は二人の友人に協力を仰いで隊長を元気づけようとした。そう、三種類のウェイトレス姿を隊長に見せようとしたのだ。怜の赤の広場制服、サンティのビッグベン制服、そして自身のクリーム＆バター制服を見せれば元気になるだろうと考えたのである。
決行日、それぞれの衣装に着替えて隊長の仕事が一段落するのを待っている時にたまたま見かけたシタラがサンティにあるものを手渡し、何やら囁いた。サンティは驚き怪訝な表情でそれで隊長が元気になるのかと問い返したがシタラはどや顔ダブルピースをしながら「喜ばない隊長はいないっ！」と断言。サンティはやると決めた。
仕事に一区切りをつけて一息つこうとした隊長のもとに可愛いメイド調のウェイトレスをまとったアクトレス達がやってくる。戸惑う隊長に「隊長、最近メイド服を見られなくて元気がないように見えたから着てきました！元気出してください！」と夜露が声をかける。それだけで望外の喜びに転げまわりそうな隊長だったがふとサンティに目を向けると頭になにかをつけている。あれはホワイトブリムと・・・猫耳。真面目なサンティにビッグベン制服はよく似合っていてそれゆえに猫耳がいいギャップ萌えを生み出していると思っていたら。「隊長、ワタシがついているから元気出してください・・・にゃん。」と羞恥にか頬を染めながら言ってくれたから隊長はガッツポーズと「ティミライ　マヤ　ガルチュゥゥゥゥゥ！」と叫び狂喜乱舞して別のシャードにいたスカンダ（注・バブ。隊長にとってはいずれ義バブ）がキレた。怜は拗ねた。それから一か月程、隊長の仕事ぶりが普段と比較できないほど凄まじいことになったのは言うまでもない。

　段ボール。物資を梱包し運ぶための容器。紙でできているにも関わらず丈夫であり、大きさによっては人が入っても問題なく運搬できるものもある。子供の頃に中に入って隠れた人も多いのではないだろうか。
　成子坂の事務室の片隅、ファイルの詰まった棚の前に大きめの段ボールがあった。段ボールの上部には来弥宛の紙が貼られておりおそらく来弥の父親が送ってきたものだろう。愛に比例して箱も大きくなったらしい。俺___成子坂の隊長___がギリギリ二人分は入りそうな大きさだ。つまり、自分一人なら余裕で入れるのである。幼いころ、段ボールがあると入って遊んでいたことが頭をよぎって悪戯心が芽生えた。その日に終わらせるべき仕事は既に済ませてある余裕も影響したかもしれない。段ボールの前には業務用のパソコンがあり、ここを使う人が来たら驚かしてやろう、そう企んだ。
　パソコンを使う人の驚く顔を思い浮かべながら段ボールを持ち上げると驚くほど軽く、そこには膝を抱えたサンティがいた。段ボールの底は切り取られていた。サンティは頭上に「！」を浮かべこちらは「！？」を浮かべて驚いたがすぐにその答えはやってきた。
「うーん、あと探してないのはここかなー？」
　そんなリンの声が聞こえた。かくれんぼか。そう思った瞬間に「隠してください」と小さく鋭い声。思わず俺は段ボールを被ってしゃがんだ。
「どうして・・・」
　その質問は最後まで出てこない。どうやら事務室にリンが入ってきたようだ。ようだ、というのも今はサンティを抱えるように膝の中に収めていて目の前に彼女の頭があるため外の様子が分かりにくいのと彼女が僅かに緊張した素振りを見せたからだ。いい匂いがする。が、こちらも見つかったらまずい。
「どうして一緒に隠れたんですか？」
　先ほど言いかけていた質問がさらに小さな声できた。リンとの距離が少し離れたらしい。咄嗟の出来事だったからつい、と小さな声で答えると一応納得したようだ。今度はこちらがどうして隠れているのか訊ねる。
「リンさんと帰投して報告書をまとめた際にワタシが傭兵をしている話になりまして。索敵のコツを教えていたらいつの間にかかくれんぼをすることになったんです。それで隠れるところを探していたら来弥さんが段ボールを処分していたので使わせてもらったんです」
　なるほど・・・そういえば人となりを知る際に段ボールを潜入に用いたとか言っていた。と、話をしているうちにリンが近づいてきたようだ。サンティほどの凄腕の傭兵でも不安になるものか。一応相手は一般人なのだが。
「んー・・・こっちからひそひそ話が聞こえた気がしたんだけどなー」
　一般人どころか人なのか！？少なくとも耳はウサギ並みじゃなかろうか。二人して戦慄しているところに足音が近づいてくる。心音がうるさい。これは自分のものかそれとも。
「あっ！この段ボールあやしー・・・来弥のっぽいけどさっき受け取ったとかいってたような。よーし！」
「ここにいたのね、リンさん。さっきの報告書に誤字脱字が見受けられたので訂正お願いします」
「えーっ！んーでもわかった。じゃあ文嘉が代わりにサンティを見つけてね！」
「えっ、ちょっとどういうこと！？」
　どうやら見つからずに済んだらしい。文嘉はなにやらぶつぶつ言っていたが段ボール前のパソコンで作業を始めた。探す気はないらしい。
　二人そろって緊張を緩める。サンティがこちらに体を預けてきた。すぐそばの彼女の顔を見ると瞳が光っていた。
「少し安心してしまって・・・はしたない、ですか？」
　腕を彼女の体に回して答えとした。サンティは安堵したようにさらに体の力を抜いて預けてくる。
　穏やかな箱の中の雰囲気とは裏腹に俺の胸中は警鐘を鳴らしていた。年の離れた妹くらいの年齢の少女から伝わる温もりと匂いが心地いい。そう、たとえ抱き合っていてもおかしな気分にはならないのだ、普段なら。だが、二人の被った厚さ一センチにも満たない箱の外が職場であることが背徳感を煽り、理性を揺らす。二つの心音がうるさい。心音だけがうるさい。そうだ、落ちつけばなんてことはない。音に集中すれば落ち着くはずだ。俺は目を瞑った。
　とくんとくんと二つの心臓が音を鳴らす。リズムの違う二つに集中するうちにだんだんとリズムがあってくることに気が付いた。それがどうにもくすぐったくて思わず目を開くとサンティと目が合った。妙な色気があった。
「隊長・・・？」
　重なった二つの音が二人に響く。相手の温かさと匂いが心地いい。すぐそこにある光に見惚れる。だからもっと感じたくて、どちらからかもわからずに惹かれあって唇が重なった。
　そういえばどこかのシャードでは大人二人が入れる大きさの段ボールをラヴ段ボールと呼んでいたな。そんなことがちらりと頭をよぎった時、報告書の訂正を終えたリンが段ボールを持ち上げてその場の全員が仰天した。

隊長。少しお話があります。この間の休日のことなのですが、夜露さん、天音さんと一緒に出掛けていましたね？その日は用事があると伺っていましたが二人とデートするのが用事だったんですか？いえ、別に浮気を疑っているわけではなくて。質問にお答えください。嘘をついた場合どうなるかはご存じのはずです。・・・え、ワタシへプレゼント？二人には選ぶ手伝いをしてもらっていただけ？・・・ええと、その。すみません。これではワタシが裏切ってしまった形ですね・・・別に構わない？むしろ嫉妬してくれて可愛かった？ずるいです、そういうの。それはそうと、今度二人にはお礼に何かしてあげましょう。一緒に考えていただけますよね、隊長。

「故郷の家族にも見せてあげたいな」
「じゃあ、写真でも撮って送って見るかい？」
そんなやりとりが事の始まりだった。最近の端末のカメラは馬鹿にできないくらい高性能だし真理ほどではないが写真を撮る腕はそれなりにあるつもりだ。それにサンティが家族とちょくちょく連絡を取ったりお土産を送っているのは知っているが元気な姿を見せたほうが安心させてあげられるのではないかと思ったのもある。老婆心といえば否定できないが。
そうしてサンティを主とする小さな撮影会が成子坂で行われた。最初は更衣室でサンティ一人に色んな衣装を着せて写真を撮っていたのだが話を聞きつけた夜露を始めとしてその日事務所にいたアクトレス達がやってきて一緒に取ることになったのだ。おかげで一人の時よりも自然でよい表情がたくさん撮れた。それにサンティの家族には、彼女が遠い異国の地でも友人がいて仲良くやっているとわかって安心するだろう。
後日、撮った写真のうち特に良いものを何枚か選んで現像したものを入れた封筒をサンティに渡す。サンティは写真を眺めて目を眇めた後、少し微笑んで「隊長、取り忘れがありますよ？」と告げた。思い当たる節が無くて少し戸惑っているとサンティに少しかがむように言われる。かがむと彼女は俺の傍にきて自分の端末を取り出してかざした。意図を察して微笑むとパシャリと音がした。
「隊長が写っている写真がなかったので。・・・隊長もこちらで出会った大切な人ですから。ご不快でしたら消しますけど」
「まさか。むしろ嬉しいよ」
「ありがとうございます」
少し頬を赤らめながら彼女が微笑む。そして礼を述べて去っていった。

ええ、それだけでしてね、娘さんとは別に不純な関係であるとかそういうわけではないんですよ。だから殺気を抑えていただけませんかスカンダさん。娘に男とのツーショットを送られて心中穏やかでないのはお察しいたしますが・・・送られなかった写真ですか？一応データはこちらの端末にあります。え、彼女だけが写っている写真ですか？さすがに削除しましたよ。可愛く撮れたと自負していたんですが残すと問題になりそうだと判断しました。ちょっと、自宅のパソコンは、やめ

増える仕事、増える責任、上がる立場によって自分の時間を削り無理をするのが常態化してしまいそのうち食事をカップ麺や栄養機能食品ばかりで済ますようになりその買い出しをしているところをサンティに見咎められ自宅でカリーを作ってもらうことになるがそこでも仕事をしてしまいついには「いい加減無理をしないでください！」と叱られたところで涙が溢れしばらく泣いた後で「心配をかけてごめん、愛してるよ」と前の調子に戻る隊長。少し赤くなって隊長を窘めつつもまんざらでもなさそうに「どういたしまして」と返すサンティ。パパラッチした真理は後日隊長にしばかれた。

あれは誰だ　誰だ　誰だ
あれは　（ログ確認）　サンティ・ラナマァァァァァン！サンティ・ラナマァァァァァァン
裏切り者の　名を受けて（契約不履行されたので当然）
すべてを捨てて（NH脱退）戦う女子
マハ（カーラ）ククリは　超兵器
オペウグラは　強襲策
トップススキルは　蛇即死
エセ関西弁で　もの値切る
悪魔の力　身につけた　（AEGISと契約）
正義のヒーロー（ファン数２００万達成）
サンティ・ラナマァァァァァン　サンティ・ラナマァァァァァァン
ところでサンティ・ラナマンって語呂悪い上に性別が違うっす。天音もそう思います