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SOLラプター/猫以外の怪文書

Last-modified: 2019-04-29 (月) 13:17:22

「マスターおかえりなさい」
仕事から帰り玄関を開けると机の上から声、先日すぐみ達と組み上げたメガミデバイス『ラプター』が出迎えてくれる。独身男性の一人暮らし、帰って寝るだけだった我が家に小さな同居人が増えたのだ。
「ただいまラプター。良い子にしてたかい？」
「うん。ミミズクくんといっぱい遊んだよ」
搭載されているAIは以前派遣されたFA:Gより幼く設定されているのかまるで娘を愛でている気分だ。それでね、とラプターが言葉を続ける
「今日は黒髪の胸の大きい人がやってきてね、れいぞうこ？に何か入れてたよ」
深沙希さんだろうか
「あとね。銀髪の胸の平たい人がぱそこんいじってた」
また真理か
「前に私のお洋服を作ってくれた怜もね、マスターの布団でもぞもぞしてたよ」
枕元に長い髪の毛を見付け溜息を吐く。そろそろ注意した方が良いのだろうか。俺はラプターに人差し指を伸ばし頭を撫でた
「ありがとうラプター。今日は武装の続きを作ってあげよう」
「やったーマスターだいすき！」
とりあえずシャワーを浴びるか。脱衣所に行く途中、洗面所に置いてある歯ブラシが今日も新品になっていることに気付いたが俺は見て見ぬ振りをした

めが美…？めが美ーっ！！どうしたなぜ泣いてる誰にやられたどこを何された大丈夫かしっかりしろ今パパが助けてやるからなわかったシタラだろうシタラに決まってるあいつはパパが予約開始からお百度参りして考えためが美の名前を無視してラプターラプター呼んでる乳牛なんだおのれ絶対に許さんぞシタラ！待ってろよめが美パパが事務所中のガンプラの二重関節という二重関節を全部片方ずつ切って二度とかっこよく立て膝ポージングできないようにしてくるからな！！！１１１１

ええっ！？ラプ○ー似！？

目線が入っていて顔はわからないがあの体型は間違いなくラプターだ…髪型が違うのはウィッグかなにかを被せられているのだろう
俺は心臓を思いっきり締め付けられるような苦しさを覚えながらラプターではありませんようにと神様に祈りながらそのビデオを見つめていた
そして男優が男性器をしごきラプターの大事なところへと押し付けていく…ラプターはそれを確認すると口もとから淫靡な表情を浮かべこう囁いた
「へっへっへ旦那ァ…挿入…しちゃうんですかぃ…？」

マスター、おはようございます
今日は良い天気ですよ、ご子息はご家族で公園へ散歩に行かれるとか
懐かしいですね、昔は成子坂の皆様や姉さん達とお花見に行ったり、旅行に行ったり…沢山の事をしましたね
まだ有人さんは成子坂の整備部で頑張っていらっしゃいますよ
最近の若いやつはいけねぇ、一つ手本を見せてやってくれなんて…磐田さんに似てきました
旧式も旧式のメガミデバイスに何を言ってらっしゃるんでしょうね
はい、磐田さんそっくりだと言ったら嬉しそうに鼻を掻いていましたよ、懐かしそうに目を細めていらっしゃいました
お食事はいかがしますか？…そうですか、わかりました
それではテレビでも付けましょうか
成子坂の栄光の奇跡…あ、奥方も映っていますね
皆さん若くて、お元気で…あの頃は私も生まれたて、いえ、マスターに作っていただいたばかりでしたね…
でも毎日が大変で、輝いていましたね…
…ええ、大丈夫ですよマスター
私は何があっても、最期まで、貴方の傍に
叶うなら、その先も、ずっと貴方と共に………

お前は老けないな、ですか？
ふふ、そうかもしれませんね…これでもメンテには気を使っているんですよ?

えぇ、とっくに私の系列機の生産は終わっていますから
後継機や別のシリーズから流用したり…後は成子坂にお願いして補修パーツを作っていただいたりしています
いえ、いいえ、嫌な顔をされたことなんてありません
皆さん、あの人をこれからも宜しく頼むと、快く作っていただきました
えぇ、私達が現役だった頃の人たちはもう居なくなってしまいましたが…教えを受け継いだ人たちが、今日も成子坂を守り、育てていってくれています
嬉しいものだな、ですか？…そうですね、こうして何かを成せた、それを何年、何十年と経ってからも実感できることは、いいものだと思います
成子坂に行ってみたい、ですか？………そうですね、先生に伺ってみます
体調の良い日に、ご子息に車を出していただきましょう
えぇ、えぇ…お任せください
建て替えたりして変わってしまった部分も多いですが、それでもあそこは懐かしい、成子坂営業所です
きっと一緒に行きましょうね、マスター