シルエイティ/ワンビア

Last-modified: 2023-12-09 (土) 18:58:54

180SX TYPE III (RPS13)・SILVIA K's (PS13)が姉妹車であり部品の互換性が高い事を生かしたフェイススワップ改造車の通称。
湾岸マキシではシルビアシリーズおよび180SXのみで乱入対戦をする事で称号【しるえいてぃ】が手に入る。

ここでは通称ワンビアと呼ばれていた車両、およびS13型の北米仕様「240SX」についても記載する。

 

名前の通り、S13シルビアのフロントパーツ一式を、姉妹車であるワンエイティ(180SX)に移植した改造車。

とあるチューニング愛好家が180SXのフロント部分を破損した際に「リトラクタブル・ヘッドライトは部品代が高いため、姉妹車のシルビアの部品を流用すれば修理代を安くできるのではないか?」と発想した、重量が重いリトラクタブル・ヘッドライトを取り除くことで車両を軽量化するという発想が起源と言われている。
ちなみに改造した場合、車両の全長が180SXの時と比較して4cmほど短縮される。そのためエアロパーツを装着して全長を伸ばし辻褄合わせをするか、記載事項変更の必要がある。

愛知県北名古屋市のチューニングショップ「有限会社きっずはあと」*1から500台限定生産として純正のシルエイティが販売された事もある。
後期型180SXがベースで4灯角目ライト・フィン状グリル・エアロフォルムバンパーが標準装備、専用のシルエイティのステッカーが貼られている以外は180SXと同じ仕様である。またオプションでNISMO製のLSDが装着出来たようである。
日産の純正車という扱いになるため、全国の日産ディーラーで整備を受ける事も可能である。

 

また日産自動車は「シルエイティ」という名称を商標登録しており、「グランツーリスモ」シリーズや「頭文字Dアーケードステージ」シリーズ、ドリフトスピリッツにも収録されている。
「グランツーリスモ」シリーズに登場する車両は純正のシルエイティであり、車重は1,170kg(前後重量比率は54:46*2)となっている。

「頭文字D」においてはVer.3およびSTREET STAGEまでは日産純正車扱いであったが、D4からは頭文字Dのオリジナル車種…という扱い*3になっている。

 

シルエイティ程の知名度はないが、S13型シルビアのフロントマスクを180SXの物に換装した車両は「ワンビア」と呼ばれている。しかし部品代が高価である、車重が増加するというマイナス面からシルエイティ程の人気は無い模様。

北米ではエンジンを2,400ccのKA24E*4に換装、「240SX」という名称で販売していたが、ヘッドライトの法規制の関係上リトラクタブル・ヘッドライトを採用した「純正のワンビア」も新車販売されていた。
リアセクションは180SX仕様・S13シルビア仕様の二通りであったが、フロントセクションはアメリカの自動車灯火類に関する法律を遵守するため、180SXのリトラクタブル・ヘッドライトのみとした。
ちなみに240SXはS14後期型ベースまで生産が続けられたが、それに関しては外見の細かい差異を除けば、日本のS14そのものであった。

 

一部ではS14/15型シルビアのフロントマスクを換装する事例もある。またS14/15型シルビアをベースに大がかりな改造を行ったワンビアを製作した事例もある。
ただしS14/15型シルビアはS13型とは車両構造が異なるため、板金作業を伴う大がかりな改造が必要となる。それでもS13型シルエイティが人気であった事から一定の需要はあったようで、一部のアフターパーツメーカーからは変換キットも販売されていた。

 

ドリフト競技ではフロントセクションなどの損傷率が非常に高いためシルエイティワンビアなどといった顔面移植車の数が多く、当時の「ドリコンGP」や「いかす走り屋チーム天国」などの大会やイベントで走行している映像が今でも視聴できる。
またドリフトを正式な競技とすることを目的として開幕したD1グランプリでは、初年度から故・黒井敦史選手や内海彰乃選手などといった有力選手たちがワンビアを使用し、特に黒井選手が使用したワンビアはRB26DETT*5をシングルターボ化して搭載*6、2007年からは更なるトルクを得るために1JZ、2JZを搭載しており、2010年代から主流となる大排気量エンジンへのスワップカスタムを先取りしたものだった。
黒井選手は2010年まで、内海選手は初年度~2003年・2007年~2010年*7・2011年~2014年*8までワンビアを使用し、単走や追走で猛威を振るっていた。
この事から関西では特にワンビアの顔面移植率が高く、名阪サーキットなどでその姿を拝むことが出来る。


*1 現在は閉業。
*2 ちなみに180SXの車重は1,220kg(59:41)、シルビアは1,140kg(59:41)となっている。
*3 D4からは原作をより忠実に再現する(原作登場当時は先述の「純正シルエイティ」がまだ未発売であったため)という観点から。
*4 後期型からはKA24DE。
*5 主にスカイラインGT-Rに搭載された直列6気筒エンジン
*6 なお、この仕様での最高出力は800~900馬力、当時の平均馬力やタイヤを考えれば超異常なスペックである。黒井選手は、これを御夫人とともにプライベーターとして製作していた
*7 S13ベースのもの。
*8 S15ベースのもの。