SOLラプター/猫ラプ怪文書1

Last-modified: 2019-05-09 (木) 23:49:43

ラプター / 猫ラプ怪文書2 / 猫ラプ怪文書3

 

久々の休みの日に散歩をしているとダンボールに入った捨て猫(♀)を3匹拾った。
まずは動物病院に行って健康に問題ないことを確認してもらう。
特に病気にもかかってないようなので必要なものを買って家に帰る。
ダンボールを床に置くとラプターが縁にしがみ付いて中を覗き込んだ。
「マスターこの子達は?」
お前の妹になると言うと凄い勢いで振り向いた。
「私がお姉ちゃん!!……名前はなんて言うの!?」
以前ラプターに名付けようとしたらシタラにセンスが無いと言われたので今回もそうなりそうだ。
ただ自分で付けるとしたらそうだな……ネコ美とか。
「……それは如何なものかと思います」
そうか……結構いい名前だと思うんだが。
「私はラプ太でいいよ?」
お前はいい子だなラプター。
とりあえず筑前煮でも食べて猫の育て方でも調べるか。
……この筑前煮いつ出したかな。

この前拾った子猫3匹の名前を決めるために事務所に連れてきた。
大型の猫用キャリーカートの中ではラプターが子猫の面倒を見てくれている。
お姉ちゃんを食べちゃダメだよぉぉぉ!とか聞こえてくるが、まあ大丈夫だろう。
「なになにたいちょー。猫拾ったの?」
俺のネーミングセンスにケチを付けたシタラがまずはやってきた。
ぜひとも素晴らしい名前を付けて欲しい。
「え……で、でも猫の名前とか付けたことないし」
誰だって初めてはあるだろう、俺の初めてを却下したお前なら問題ないはずだ。
「あぅーん」
シタラが悩み始めたので唾液塗れになっているラプターを救出して時間をつぶす。
俺の肩の上から子猫たちに禁則事項を言い渡しているが流石に理解できないと思う。
「ちなみに、隊長はどんな名前付けようとしてるの?」
ネコ美とかいいんじゃないか、美しいだろう。
シタラのこちらを見る目に憐れみの感情が宿った。
だがシタラ、名前を出せない時点でお前は俺以下だ。

事務所に連れて行って子猫3匹の名前を付けてもらおうとしたがダメだった。
シタラはアニメ等のネーミングから抜け出せず、食堂にいた小結さんと杏奈はお米の銘柄。
猫モチーフギアを使っている芹菜はシャノアールのキャラ名を連呼し、綾香の名前は高貴過ぎて似合わず、睦海は格ゲーコマンドにこだわって案が出せない。
舞はネコと聞いてタチと言いだし、太刀ですかと呟いた楓は名刀の名前を挙げた。
ラプターが命名案を聞くたびに不安な顔をしていくので事務所で決めてもらうのはやめて家で考えることにする。
ゲージで囲われた子猫エリアに3匹とラプターを入れて暖房を付ける。
炬燵に入って用意されていった筑前煮をつまみながらパソコンで猫の命名ランキングなど見ていると、猫を寝かしつけたラプターがこちらにやってきた。
「ねえマスター、私が名前付けてもいい?」
それは構わないが良い案があるのか?
「ヴァルチャー、ファルコ、ラニウス !」
昔の猛禽類の分類か。
ストリクスはミミズク君がいるから丁度いいな。
「つまり私も家族ってことだね……どうでもいいけど」
流石にそれは無理があるぞ怜。
ところでいつ入ってきたんだ怜。

無事に名前の決まった3匹の子猫に猫用ミルクを与える。
ラプターが授乳瓶を一つ頭の上に抱えて頑張ってミルクを飲ませている。
残り2匹はこちらでミルクを飲ませる。
「一杯飲んで大きくなるんだよー」
最近は猫たちもラプターが世話をしてくれるのを学習したようで咥えたりはしなくなった。
代わりにラプターとミミズク君を中心に猫団子を形成していることが多い。
「マスターマスター。そろそろ飛べるかな?」
この前猫用遊び道具を調べていると重力制御装置と猫の思考を連動させて空を飛ぶ猫コプターなるものを発見した。
小さな頃から慣れさせると猫が自由に空を飛べるようになるらしい。
最近のラプターの夢は姉妹全員で空を飛ぶことだ。
ただ、もう少し大きくならないと危険なのでもうちょっと待ってもらう。
「すぐみが新しいメガミデバイスを作ったらしいから私たちで撃ち落とすよ!」
空を飛べてもメガミバトルに猫は出れないと思うが…。
まあ自家用バトルフィールドでどうにかならないか調べておこう。
可愛い娘たちのためだ。

猫をもふりながら戯れているラプターとミミズク君の動画を撮っているとチャイムが鳴った。
「田中さーん、宅配便でーす」
一昨日注文しておいた猫が登れる猫タワーが届いたようだ。
受領書にサインして荷物を受け取る。
部屋に戻るとラプターが不思議な顔こちらを見ていた。
「マスターは田中さん?隊長じゃないの?」
隊長は役職名で田中はネット注文用の偽名だから本名は別にある。
「私達はマスターの娘だけど何ラプターになるの?」
そうだな…ラプターには本当の名字を教えても問題ないか。
俺の名前は……。

事務所でラプターと猫の動画を披露していると、偶然事務所に来た生徒会組が本物を見たいと言ってきた。
断る理由もないので業務終了後に3人を家に連れて帰る。
女子高生3人を家に連れ込むってよくよく考えたらまずいんじゃないかとは思ったが、写真でも撮られそうになったら深沙希さんが対処してくれるだろう。
家に入る時に遠くから真理の叫び声が聞こえた気がしたが気にせず中に入る。
ちょうど猫たちが遊び始めたところで次女のヴァルチャーの上に長女のラプターが乗ってふんぞり返っていた。
三女のファルコと四女のラニウスはラプターの髪の毛の先っちょを狙ってじゃれついている。
「おうまさんですわ」
4足で何かが上に乗ってれば何でも馬に見えるのかお前はと言いたいが突っ込んでも無駄なので放置する。
3人がそれぞれ一匹ずつ抱え上げると遊んでお腹が空いたのかおっぱいをふにふに両足で押し始めた。
ミミズク君にこっそり動画を撮ってもらいながらラプターと一緒に台所で猫用ミルクを用意する。
そろそろ離乳食を用意したほうがいいかと考えながら部屋に戻ると地衛理が服を脱ごうとして椎奈と奏に止められていた。
もう少し遅れてくればよかったか…。

家の中でラプター、ミミズク君と猫3匹を腹の上に乗せて遊んでいると誰かがチャイムを鳴らした。
玄関に行ってドアを開けてみるが誰もいない。
いたずらかと思い部屋に戻ってみると深沙希さんがベッドで横になっていた。
ぷよんぷよんと揺れるおっぱいが面白いのか猫たちがパシパシと前足で叩いている。
ラプターとミミズク君は猫が揺らすおっぱいの上でバランスを取っていた。
いくらなんでもフリーダムすぎるぞお前ら。
「隊長さん…今日は少々お小言を言いに参りました」
それは俺の方が言いたいんだが、まあ聞こう。
「先日アマルテアの生徒会の方々を家に招き入れていらっしゃいましたが、指揮下のアクトレスとはいえ女子高生を独身男性の家に招くのは如何なものかと…」
しょっちゅう怜が家に潜りこんでくるから感覚が麻痺していたのは認める。
それよりも揺れるおっぱいの方が大事なんで話は後にしないか。
「……隊長さんはおっぱいがお好きなのでしょうか」
すぐみとかおっぱい揺らす子は大好物です。
「あの方は……少々靭帯が不安になりますね」
やっぱりノーブラなのかあれ…。

ラプターと一緒に猫の離乳食の下見に行った帰り、遮那仮面に出会った。
「……私は楓などというものではありませんよ?」
まだ何も言ってないぞ楓。それと、そこに転がってる男は何だ楓。
「…にゃ、にゃーん」
俺が最近猫に嵌ってるからって猫の真似をしても誤魔化されないぞ。
というか狐というアイデンティティを捨ててもいいのか遮那仮面。
「楓は何してるの?」
肩の上に乗ったラプターが聞くと純粋な目に耐えきれなくなったのか遮那仮面は何も言わずに逃げていった。
「どうしたんだろう楓?」
まあ、詮索されたくないこともあるから黙っておいてやれラプター。
転がってる男は深沙希さんに任せればうまいことやってくれるだろうから早く家に帰ろう。
「皆待ってるもんね!」
家に帰りつくとニャーニャー言いながら猫たちが近寄ってきた。
ちょっと大きめの4匹目の黒猫がいるが無視をする。
そろそろ真剣に引っ越しを考えるか…。

泊まりの仕事になったので猫とラプター、ミミズク君を連れて事務所にやってきた。
夕方待機担当だったバーベナの3人が猫用おもちゃを使って猫と遊んでいる。
3人ともそろそろ帰らないと夕飯の時間に遅れるぞ。
「今日は事務所に泊まるから問題ないわ!」
「明日は休みだから。ちゃんと親に許可は貰ったよ」
「猫ちゃんとお泊りなんて楽しみですー」
仮眠室にはベッドが4つあるから数は足りているが今日は俺もそこで寝る予定なんだが。
「マスターと綾香達一緒に寝るの?」
ラプターが言ったことで理解が追い付いたのか綾香の顔が真っ赤に染まった。
「こ、高貴な私と一緒に眠れるなんて滅多に無いんだから感謝しなさいよ!」
顔を振ったためつられて揺れたツインテールに猫がニャーニャー言って飛びついている。
ラプターとミミズク君も一緒になって飛びついたが猫の下敷きになってしまった。
「お姉ちゃん踏んじゃダメだよおぉぉおお!!」
慌てて綾香たちがラプターを助けている。
ラプターに姉の威厳が備わる時は来るのだろうか。

ラプターの抱えたスプーンの先にある離乳食を食べている猫たちを観察していると外で物音がした。
野良猫でも来たかなと考えているとなにやら話し声が聞こえる。
まさか泥棒かと思い窓から外を覗いてみるとどこかで見たことのある女の子が二人いた。
あれは確か……アクメとアマネの姉妹だったか。
ノーブラぴるすが撤退してから顔を見なかったが何しているんだろうか。
マッチを擦って暖を取っているようだがあれじゃあ全く温まらないだろうに。
警察に通報したほうがいいかなと考えているとラプターの悲鳴が聞こえた。
「うえぇぇぇえん!お姉ちゃんは食べ物じゃないよおぉぉぉお!!」
離乳食まみれになったラプターを猫たちが舐めまくっている。
何をどうしたらそんなことになるんだラプター…。
救出してからもう一度外を覗いてみるとそこにはマッチの燃えカスと小さなクモだけが残っていた。
風呂にも入っていないような汚れっぷりだったがどこに行ったのだろか。
まあ、わざわざ探しに外に出る必要もないか。
ラプターも汚れたことだし皆で風呂で温まるとしよう。

土鍋の中で寝ている猫3匹とラプター、ミミズク君の写真を撮っているとテレビから杏奈の声が聞こえてきた。
正月番組なのか臼と杵を使ってお餅をついている。
「マスター、杏奈は何してるの?」
杏奈の声を聞きつけたラプターとミミズク君が起きてきた。あれは正月名物の餅つきだな。
「楽しそう……。マスター私もやりたい!」
御猪口とプラ製ハンマーのラプター用餅つきセットを用意するとどこからともなく蒸したもち米が差し出されたので早速つき始める。
「よいしょ、うんしょ、どっこいしょー」
ラプターがハンマーでつくたびにミミズク君がひっくり返す。流石のチームワークだ。
「出来たよマスター!」
初めて娘が作ってくれたお餅は美味かった。
テレビの中で杏奈も餅を食べているがあいつ正月で太ったって言ってたけど大丈夫だろうか。今度事務所に来たらスーツが入るか確かめよう。
「むー!!うーーー!!!」
唸り声に振り向くと御猪口に頭を突っ込んだラプターが餅に絡めとられていた。
起きてきた猫に杵の動きを見られて猫パンチでたたき込まれたらしい。
こんなつもりじゃなかったと言いたげな猫の目線に促されてラプターを救出した。

真理にお金を払ってラプター、ミミズク君、猫3匹と一緒に家族写真を撮っている。
やはり後々に残す写真は綺麗なものが欲しい。
「ねえねぇキミキミー。わたしも梟なんだから写真に一緒に映ってもいいんじゃなーい?」
長女ラプター、長男ミミズク君、次女ヴァルチャー、三女ファルコ、四女ラニウスの布陣にお前が入る隙間は無いぞ。
入りたいならミミズク君の屍を超えてくるんだな。
「いくらなんでもミミズク君に負けるわkあ痛!ちょっとミミズク君やめて!」
執拗に目を狙ってくるミミズク君に真理が負けた。我が家の長男は頼もしいな。
「女の子に手を上げるのは駄目じゃないのー?」
もうそんな歳じゃないだろう。早く撮ってくれ。
「私はまだ21歳ですー。……そういえば怜ちゃんはどうなの、あの子も鷹だけど」
そもそも小鳥遊なのに鷹モチーフとはこれいかにという感じではあるが…。
怜は割と拾ってきたときから猫の可愛さにやられているからな。
「私は隊長の妻でいいよ。……この子たちのお母さんになるから」
それ俺はどうでもいいってことか?
それといつの間に入ってきた怜。

スーパーに晩御飯の買い出しに出かけるともやしを眺めて溜息をついている来弥に出会った。
「あ、隊長さん!?」
忍者らしい素早い動きでもやしを後ろに隠したがもう遅い。またアーバン流の忍具で金を使ったのか。
「忍びの道は険しいのでござるよ…」
ふむ……、育ち盛りがもやしだけというのも忍びない。
今日の晩御飯はおでんにするから食べていくか?
「おでん!?もちろん行く行くー!!」
来弥と一緒におでんの具(マロニー込)を買って帰り家のドアを開ける。
「お帰りなさいませ…。下ごしらえはできております」
ありがとう深沙希さん、もう突っ込まないからな。
あとは二人でやっておくから来弥は部屋で休んでてくれ。
「いいのー?……それじゃあパパさんママさんお願いするねー」
固まった深沙希さんを放置しておでんを完成させる。
部屋にガスコンロとおでんを持って行くと来弥のアホ毛に掴まって揺れるラプターに猫達がパンチをかましていた。
そこのおっきな黒猫も猫の真似はやめて席につけ。

何やらラプターが深刻な顔をして猫3匹に向かい合っている。
それに気圧されたのか普段はだらけている猫たちがピシッと座っている。
「3人ともお姉ちゃんに対する敬意が足りないと思う」
揃って首をかしげる猫たちが可愛い。
動画を録っていない自分に腹が立ったがミミズク君が録ってくれているようだ。
うちの長男は頼りになりすぎる…。
それとラプターよ、まだ子供なんだから理解できないと思うぞ。
「私の妹達は賢いから理解できるはず!」
そうは言っても既に興味が他に移って寝転がったり玉転がしたりしてるぞ。
「……マスター。…私お姉ちゃん出来てない?」
餌をやる時は俺よりラプターの方から貰いたがるから好かれてるとは思うぞ………なんか俺の心が苦しくなってきたんだが。
俺は…いいお父さんじゃ…ない?
「私はマスターのこと大好きだよ!」
うちの娘がいい子過ぎる…。
今度プレゼントに雷鎚をあげよう。

初めての散歩ついでに猫たちを事務所に連れてきた。
「隊長、猫連れてきたの?」
リタか。しっかり歩けるようになったしたまには外も見せてやらないとな。
基本は家の中だからもう少し広い家に引っ越して運動させてやりたいが家を見に行く時間がな…。
「引っ越しは面倒だよね。私も東京シャードに来るときは色々探したよ」
猫に手の平を見せながらリタが答える。
次女のヴァルチャーが真っ先に匂いを嗅ぎに行ったが、油の匂いが染み付いた手に戸惑ったのかコロンと転がってからこちらに戻ってきた。
「嫌われちゃったかな」
うちの子は賢いからしばらく一緒にいれば慣れると思うぞ。
「真理が愚痴ってたけどすっかり親バカだね隊長」
これだけ可愛ければこうもなろう。
ラプターが世話を手伝ってくれるから手間もかからないしな。
「そういえばラプターはどうしたの?」
あいつは家で猫に装備するMSGの選定をしている。
最強のメガミにするそうだ。

ラプター、ミミズク君、猫3匹とそろって風呂に入っている。
うちの猫たちは拾って来た頃から風呂に慣れさせているので大人しくて助かる。
6人そろって寛いでいるとバスルームの外から声をかけられた。
「入るよ隊長」
……待って、ちょっと待って怜。
「もう入ったよ隊長」
その躊躇いのなさはヴァイス戦だけで見せてほしい。
かけ湯をした怜が股の間に入って背中を預けてくる。
怜の起こした波で大きな桶の中に入った猫たちがくるくる回っている。
それで何でこんなことしたんだ怜。
「家族なんだから一緒に入ってもいいでしょ?」
俺はまだ結婚した覚えがないんだが。
「18になったらこの子たちのお母さんになるんだから問題ないよ」
桶のふちにしがみ付いて振り回されていたラプターを頭に乗せながら怜はそう言った。
俺はOKした覚えがないんだが…。

事務所に連れてきたラプター、ミミズク君、猫達と炬燵の中でぬくもっていると足が4本入ってきた。
食堂で仕込みをしていた小結さんとそれに付き合っていた杏奈だろう。
足に興味を持ったのか次女のヴァルチャーが匂いを嗅ぎに行った。
しばらく嗅いだ後にフレーメン反応をしながらこっちを凝視してきた。
何度も嗅いではこちらを見つめてくるので笑いをこらえるのが大変だ。
もし二人に見つかったら餅のようにこねられてしまうだろう。
つられて嗅ぎに行った残りの4人まで変な顔をしてこちらを見つめてくるものだからとうとう笑ってしまう。
「……何してるんですか隊長?」
布をめくってこちらを確認した杏奈がそう言うが俺は何もしていない。
ぬくもっていただけだ。
「何もしてない人はそう言うんですよ~」
小結さんが足で顔をゲシゲシしてくるがなるほどこの匂いは…。
変なことを考えたことを察したのか杏奈と小結さんにしこたま蹴られた。

アクトレス達から猫に餌を上げたいとリクエストがあったのでちゅ~るというものを買ってきた。
ラプターに袋を破ったちゅ~る渡してやると猫たちが寄ってきた。
ラプターの教育が行き届いているのかちゃんと座って待っている。
自分用にもう一つ袋を破るとリンが現れた。
「なになに隊長ゼリー?私も食べるー」
これは猫用だから駄目だぞ。
喰らいついてきたリンから離すために手を上げるとぽろっとちゅ~るを落としてしまった。
落とした先にいたラプターにちゅ~るが降りかかる。
「うわあぁぁあん!べとべとだよおぉぉぉおお!!」
ちゅ~るまみれになったラプターがちょっとエロい。
そこに我慢できなくなった猫たちが襲いかかる。
「お姉ちゃん舐めちゃだめだよおおぉぉぉぉおお!!」
ラプターの塗装はゴージャスファビュラスデストロイメガミ塗料で行われているので猫のザラついた舌でも安心だ。
「隊長これ食べちゃダメ~?」
まだ諦めていなかったのかリン、ダメだぞ。

バーベナで一番怖がりなのは誰かと論争になり古典の名作であるエイリアンを見ることになった。
審判として選ばれてしまったため家のソファーに愛花・綾香・俺・睦海の順に座っている。
3人が膝の上に猫を抱えてラプターとミミズク君は俺の膝の上だが3人が驚いて猫を絞め殺さないか心配だ。
「こんな300年以上前の映画なんて怖いわけないじゃない」
「でも隊長さんが選んだ映画だよー?」
「見たくないからそんなこと言ってるんじゃないの?」
綾香がむきーっとなっている間に映画が始まった。
フェイスハガーに取りつかれるシーンやチェストバスターが胸を突き破ってくるシーンなど、
膝の上の猫が上げる悲鳴で誰が一番怖がっているかは見なくてもよく分かった。
映画が終わるとそれぞれに感想を聞く。
「…………」
「あの卵お花みたいに開きましたねー」
「まあ、面白かったよ」
因みに一番怖がっていたのはラプターだった。
未だに頭を抱えてうずくまって妹たちに心配されているが姉の威厳はどこに行ったラプター…。

映画エイリアンを見た綾香が家に帰りたがらなかったので今日はバーベナが揃って家に泊まることになった。
布団をどうしようかと悩んでいたら勝手に家のドアを開けたジイヤと深沙希さんが布団を運びこみジイヤだけ帰っていった。
「隊長と中学生3人だけでは問題がありますので…」
俺のプライバシーの問題も少しは考慮してくれると嬉しい。
3人+3匹で一緒に風呂に入ったバーベナ組はまだ震えてうずくまってるラプターを構っている。
美少女JC3人組と娘たちに囲まれてここは天国ではなかろうか。
「天国へなら私が連れて参りますが…」
手は出さないから鎌を降ろしてくれ深沙希さん。
ラプターが怖がって綾香のパジャマを放さないので綾香を中心に川の字になって猫を抱え横になるバーベナ、その両端を深沙希さんと俺で囲む。
「ラプターったらあれくらいで怖がっちゃってまだお子様ね!」
「綾香ちゃんもすごく怖がってたような…」
「まあ誰が一番怖がりかは分かったね」
またまたむきーっとなっている綾香を脇目に電気を消す。
「暗いの怖いよおぉぉぉぉおおお!!」
姉を慰めるように猫達のにゃーんという声が返ってきた。

エイリアンを見てからラプターが怖がって仕方ないので対エイリアン武器を作る。
MSGを使って火炎放射器やプラズマカッターをこしらえる。
仮組が終わったので動作を確かめてもらおうとラプターを探したら仰向けになって寝ているラニウスの腹の上でうつ伏せに寝ていた。
じゃあミミズク君にと探してみるとおもちゃのネコジャラシを持って飛びまわっている。
ヴァルチャーとファルコは猫タワーから飛びかかったり空中で二匹足を合わせて2段ジャンプをして追いかけている。
実は松茸を食べてパワーアップした松茸猫だったりしないだろうかと考えているとラプターが唸り声をあげた。
「むー!ぅむーー!!」
ラニウスがラプターを抱えて丸まったためラプターが海老ぞり状態になっている。
写真を撮ってからラプターとネズミのぬいぐるみを入れ替えて救出する。
「…マスター。腰から下が動かない」
どこか外れたか、取りあえずこのハイドストームと頭をくっ付けるから体が治るまでそれで我慢してくれ。
「びえぇぇぇん!!可愛くないよおぉぉぉおお!!」
動けないよりはマシだろう、早めに治すから。
ハイドストームラプターを見た猫たちはめっちゃビビった。

「ねえマスター、なんで生き物はおっきさが違うの?」
猫の肉球をぷにぷにして癒されているとラプターが訊ねてきた。
なんでそんなことが気になったんだラプター。
「リーネのおっぱいが入る服を探すの大変そうだったから…」
誰だリーネって?
まあ確かにアクトレス達のおっぱい格差をみるとなんでこうも差が出るのかとは思わないでもないが。
「ヴァルチャー達のダンボール箱も大きさ変えて作ってるし…」
うちの猫3匹もそれぞれ気に入るダンボールのサイズが違うのでマイダンボール箱を作ってやった。
成子坂ではしょっちゅう梱包用ダンボールを廃棄してるので原価はタダだ。
「生き物も私たちみたいに同じサイズになれば便利なのに」
メガミデバイスから見ると確かに不便なのかもしれないが妹たちも全部一緒がいいのか?
「……違ってていいかも」
ファルコとラニウスの肉球を比べながらラプターは言った。

戦闘指揮が終わり体をほぐしているとえりがやってきた。
膝の上やキーボード、横たわったラプターの上でくつろいでいた猫たちが部屋の隅や机の下に移動して体を隠す。
「なじょして逃げてすまうんだびょん…」
動物の霊でも憑いててるんじゃないかと考えていると起き上がったラプターがえりの体を登り始めた。
「マスターがえりは眼鏡外しておさげを解いたら凄い印象が変わるって言ってたからこれで大丈夫!」
ラプターがえりからささっと眼鏡を奪っておさげを解いていく。
青奈のことを思い出したのかえりが真っ赤になってもじもじしてしまった。
マタギの醸し出す恐ろしいオーラが無くなったのか猫たちがそろそろとえりに近づいて行く。
「やっとさわれました…」
腰をかがめて猫に触ったえりは津軽弁も出てこなくなっている。
眼鏡が津軽弁スイッチにでもなっているのか…。
「ねえマスター。私もマタギになったら妹たちに敬われるかな」
お前がイノシシの腹を掻っ捌いてる姿は見たくないからそれはやめてくれ。
そうだな……そこで様子をうかがっている黒猫を退治したら凄いと思われるんじゃないか。
その日から芹菜はラプターに狙われるようになった。

「あぅ~ん」
成子坂原産のシタラが鳴いている。
厄介なことになりそうな気配がプンプンするがどうしたシタラ。
「あ、たいちょ~。この服なんだけど…」
そう言ってくるりと回ってみたシタラの服は背中が大きく開き腰の上で絞っているため胸が強調されてこれは…。
「隊長、目がエロい」
ひらひらと揺れたスカートに飛びかかってきた猫をじゃらしながらこちらを睨み付けてくる。
そんなセクシーが牙を剥いている服を着てくるお前が悪いと隊長は思います。
「やっぱりそうだよね…。封印かなこれはー」
うちで預かるから部屋の中だけで着てk「断るんだなー」…あぅ~ん。
「…ねえねぇ、マスター」
どうしたラプター、髪の毛噛みつかれてるが大丈夫かラプター。
「私も服着てみたい!」
思わずシタラと目を合わせてしまう。
とうとう来てしまった、ドール服沼が。

ラプターが服を着たいとのことだったので裁縫道具など色々買ってきた。
一緒にネットに上がっているメガミデバイスの画像を探してどんな服がいいか相談する。
「これなんかいいんじゃないかな……どうでもいいけど」
普段着ているようなかっこいい方面の服を怜がマウスを奪ってクリックする。
色々とどうでもよくないけど……初心者には難しいんじゃないかな。
「私が一緒に作るよ。ラプターもそれでいいでしょ?」
「うん!」
猫が怪我したらまずいのでラプターとミミズク君がネコジャラシを持って他の部屋に誘導する。
静かになったなと思ったらすぐさま「びえぇぇぇぇん!!」と泣き声が聞こえてきたがあえて助けまい…。
「二人きりだね隊長」
余計なことは考えず裁縫の指導お願いします怜先生。
ラプターの犠牲を無駄にするわけにはいかない。
「時間が余ったら赤ちゃんの服も作ろうか……誰のとは言わないけど」
……裸で意識を失ったことはないからまだ大丈夫なはずだ。
怜もメガミサイズの裁縫は初めてだったのでめちゃくちゃ時間かかった。

「ラプターちゃんも猫ちゃん達も可愛いですねー」
リビングで横になりラプターと猫3匹を抱え込んでいる杏奈が言う。
おっぱいの谷間にどんどん埋もれていくラプターを猫達が助けようとしているがお餅のように柔らかいおっぱいが強敵のようだ。
しかし今まで見た中で一番だらけて緩み切った姿だ。
シタラに見せたら鼻血を出しながら死ぬ。
それで、たれ杏奈になっているが何があった。
「年末からお正月まで収録が大変だったんですよー。収録してチキンを食べておせちを食べてお餅を食べて真理ちゃんを食べて」
人気なんだからいいことじゃないか。
番組見た桃歌ちゃんがまた嫉妬していたぞ。
それとラプターがおっぱいに埋まってスケキヨ状態になってるからやめてあげて。
杏奈が慌てて手を放すと猫達によって無事にラプターが救助された。俺も挟まれたい…。
「ご、ごめんなさいラプターちゃん。とにかく今日は真理ちゃんに隊長さんの猫が可愛いって聞いて癒されに来たんですよ!」
まあうちの娘たちほど可愛い猫はいないからな。ラプターとお揃いの服も素晴らしいだろう。
「でもこんなのどこで買ったんですか?」
そんなの自分で作ったに決まっている。

地衛理が海外へ芝刈りに、奏が海へ青春しに行ったので暇をしていた椎奈が家にやってきた。
「ラプターちゃん勝てないですねー」
先ほどから猫達に勝負を仕掛けては猫パンチで迎撃されている。
お姉ちゃんの威厳を取り戻すと挑んでいるがウェイト差がありすぎる…。
3回目の3連敗をして泣きそうになっているラプターに椎奈が声をかけた。
「ラプターちゃん武術をやってみますか?」
「ぐすっ。……武術?」
まさかラプターが超級覇王電影弾を使えるようになるのか?
それはぜひとも教えていただきたい。
「ちょうきゅうっていうのはよく分からないですけど。体は鍛えようがないので動き方を工夫しましょう」
ラプターの可動範囲を椎奈が手に取って確かめ効率の良い動き方を伝授する。
達人になると人間じゃなくても一発で分かるんだな…。
「これで……お姉ちゃんは無敵!」
5割り増しくらいに動きの鋭くなったラプターが猫達に再挑戦する。
ウェイト差は1.5倍どころではなかったので当然負けた。

芝刈りから帰って家に来た地衛理を次女ヴァルチャーに騎乗したラプターがお迎えする。
「ナイスおうまさんですわ」
地衛理は馬っぽいものを用意しておけば機嫌がよくなるので簡単でいい。
それで今日は何をしに来たんだ、もう猫達におっぱいをあげる必要は無いぞ。
「椎奈からラプターが反逆精神に目覚めたと聞きまして、これを…」
そういって地衛理が差し出したのは了リスギ了サイズのシマウマ……いや、トナカイ角が生えているからシマトナカイだ!
ご丁寧にミニサイズの『UnicornHorn』とフォードマスタングが引っ張っていたミニサイズの空き缶もくっついている。
「あの子達の思考トレースAIを積んでいます。この子と一緒に叛逆を成功させてくださいまし」
ラプターとミミズク君がシマトナカイに騎乗する。
その姿は中世の騎士のように立派……いや、やっぱ変だわこれ。
「今日こそお姉ちゃんの威厳を取り戻すよ!」
そう言ってシマトナカイを猫達に突撃させる。
これは勝てるのではと思ったが猫達の前でシマトナカイが止まった。
まあ、あいつらの思考トレースしてるなら無用な戦いはしないだろう。
裏切られたラプターは猫の波に飲まれた。

仕事がひと段落したのでおやつを買って帰ってくると指揮所から話し声がする。
ドアの周辺にかすかに漂う残り香で分かる、桃歌ちゃんだ。
ラプターと猫達しか部屋にいないはずなのでどんな話をしているのか聞き耳を立ててみる。
「……だから私たちは桃歌のファンなんだよ。マスターとこの子達と一緒に『桃歌ちゃん成功への旅路』も毎日見てるから」
「なにそれ。そんな番組録られた覚えがないんだけど」
それは桃歌ちゃんがアイドルデビューしてからのライブ映像などをこっそり録っていたものだからだ。
スケジュールの合いている時は自分で録画し、そうでないときは知りあいにお金を払って録画しに行ってもらった。
「隊長そんなことやってたの…」
「ポーズの練習もしたんだよ!見ててね!」
中でラプターと猫達が桃歌ちゃんお得意のハートのマークのポーズをやったようだ。
猫達はただ手を合わせるだけになってしまうのだが可愛いのでよし。
「……。ああもう可愛いわねー。でももう少し腕を上げなきゃダメだゾ☆」
「なるほど…こうだね!」
ここで入っていくのも無粋だろう。
来弥直伝のエアダクトの術でこっそり撮影しに行くことにしよう。

書道セットを引っ張り出して今年の抱負を書いていると奏がやってきた。
「コロちゃんと地衛理とは遊んで私だけ除け者はずるいですよー」
お前が椎奈を放っておいて海に行ったんだから仕方ないだろう。
それとラプター、名前書き用の筆で猫の鼻をくすぐるのはやめなさい。
「あ、書初めやってたんですね。私もやります!」
もう1月中旬だから書初めと言っていいのか分からんがな。
こっちは『桃歌専心』を書き終えたが。
「そうですねー。……決めました」
そう言うと奏は筆を持って……『勇往妹進』…そんなに文嘉に突撃したいか。
「だって妹ですから!」
長女としてそこん所どう思うラプター。
「皆柔らかいから抱きつくのは好き!」
ぎゅっとラプターが四女ラニウスに抱きつくと私も私もと残り二匹も抱きついていった。可愛い…。
仲間外れは嫌なので俺も俺もとまとめて抱きしめたら奏まで抱きついてきた。
おっぱいが柔らかかった。

街をぶらぶら歩いていると熊のマスコットキャラクターぬいぐるみを見つけた。
メガミがすっぽり入りそうだなと思いはじめたら試さずにはいられなかったので買って帰る。
「マスター何買ってきたの?」
ラプター用の装備にしようと思ってぬいぐるみを買ってきた。
さっそく背中にファスナーを付けて中の綿を抜き熊の口の部分から顔を出せるようにする。
さあラプター入ってみてくれ。
「うんしょ。これでいいのマスター」
ミミズク君が背中のファスナーを上げてやり、おお……これは。
今のお前なら妹たちにも負けそうにないぞラプター。
「ほんと!?皆に見せてくる!」
猫達がくつろいでいる所へとラプターが走っていく。
ミミズク君が止めなくていいのかという目で見てくるが、いいんだ。
「「「シャーッ!?」」」
猫達の叫び声が聞こえてきた。
怖いもんなメロン熊。

今日は定例会議ということで成子坂所属のアクトレスが全員集まっている。
ちょうどテレビで楓が大型ヴァイスを倒すところを放映していたので皆で見ていたのだが…。
「あの、隊長。私の戦い何かおかしかったですか?」
そうじゃなくてだな……指揮してる時は気にならなかったんだけどこの専用スーツ放送で見るとエロ過ぎないか。
「え、えろ…ですか!?」
「楓えろだってー」
「「「「「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」」」」」
楓とリン以外黙ってしまいシーンとした室内にラプターの声が響く。
「…?良く分からないけど楓が一番エッチなの?」
「!?…違いますラプターちゃん!!私よりエッチなスーツを着ている人がいます!!」
誰が一番えっちかアクトレスが話し合いに入ってしまった。
口を出したら酷いことになりそうなので机の上でゴロンとなっている猫達に顔を押し付けて聞いてないふりをする。
「ねえマスター私はエッチ?」
……アクトレス達がこちらを凝視している気がする。
顔を上げるんじゃない、俺。

空いた時間にちくちく桃歌ちゃんとお揃いの猫の服を縫っているとやよいがやってきた。
「YO隊長!なにやってんだYO!」
見れば分かるだろう、桃歌ちゃんファンクラブ「親衛隊ナンバー000」として親衛隊の衣装を縫っているんだ。
「……猫たちが親衛隊に、ギャグ?」
うちの子達は全員桃歌ちゃんファンだし、すでにラプター用の衣装は作成済みだ。
「ええ……。無理やりじゃないんですかそれ」
口調が素に戻ってるぞやよい。
うちの子達は毎日俺の自作動画『桃歌ちゃん成功への旅路』を見て鍛えられているからな。
桃歌ちゃんがテレビに映ると静かにするしライブシーンだとニャーニャー鳴く。
「それはそれで怖い……、というかそこまで調教する隊長が怖い」
人を鬼畜調教師みたいに言うな。
それより今月分の提出書類がまだ届いてないんだが桃歌ちゃんに迷惑かけてないだろうな。
「…それじゃあ退散するYO!」
桃歌ちゃんに迷惑かけるのは許さんぞ、親衛隊GO!
やよいはトサカを失った。

休日の朝、布団の中でこのまま二度寝に入ろうとウトウトしていると足元がもぞもぞと動いた。
ラプターは枕の隣にあるスプーン・フォーク入れを改造したベッドの中で寝ている。
猫達は布団の中に入ってきたり布団の上で圧迫したり色々と寝床を変えるのでそれかと思っているがどうも様子がおかしい。
なにやら大きなものがするすると下半身から上がってくるが怖くて目を開けて確認ができない。
腰のあたりまで上がってきたところで元気になっていた息子に柔らかいものが当たった。
この柔らかさは……なにやっているんだ芹菜。
「猫ですから、ぬくもっているんです」
そう言うと芹菜は体の上にのしかかってきた。
柔らかいおっぱいがぐにっと潰れているのが分かる。
「こうすると暖かいでしょう?」
確かに部屋の冷えた朝にこの暖かさはありがたいが…何か忘れてないかお前。
「?…特になにも忘れてないと思いますけど」
お姉ちゃんとして威厳を保ちたいラプターは悪い黒猫を退治したくてたまらないんだ。
「あ…」
起き上がったラプターに黒猫は退治された。

休日の朝、布団の中でこのまま二度寝に入ろうとウトウトしていると足元がもぞもぞと動いた。
ラプターも猫達も布団の中で眠っているのでさてはまた芹菜だなと考えていたがどうも芹菜にしては重みが少ない
腰のあたりまで上がってきたところで元気になっていた息子に柔らかいものが当たった。
この柔らかさは……なにやっているんだ怜。
「家族みんな一緒に寝るのは当然でしょ?」
そう言うと裸の怜は体の上にのしかかってきた。
なんで裸なんでしょうか怜さん。
「?…猫も裸だし隊長は寝る時は裸派だって聞いたよ」
現時点でパジャマを着ている俺とラプターを見てどうも思わなかったのかお前は。
というか誰情報だそれ。
「泥棒猫が確かめたって言ってたからね…。匂いは上書きしなきゃ」
あいつラプターに追い出されたのに話盛りやがって…。
「眠いからお昼まで寝ようよ隊長」
そう言うと猫を抱え込んで俺の腕を枕に寝てしまった。
…手は出さないから天井に張り付いて見つめるのはやめてくれ深沙希さん。

両足の裏をくっ付けて股の間にスペースを作ると猫3匹がすぽっと収まった。
ラプターがその上で寝っころぼうと飛び込んだが丁度3匹の真ん中の穴に埋もれてしまう。
ミミズク君がラプターを助けようとMSGダークネスガーディアンに乗りこんだが
猫達が座りのいい場所を探すため動くものだからそれもままならない。
「お、お姉ちゃんはこれくらいじゃへこたれない!」
そろそろ泣きだすかなと思っていたが今日はいつもと違った。
自力で猫の谷間から抜け出し手をじゃれついてくる猫達の手を躱す。
ミミズク君の元まで辿り着いたラプターがガーディアンの手の上に乗って猫達をどや顔で見下ろす。
「ふふーん」
ラプターも成長したなぁと感慨にふけっていると鍵も使わずに部屋に侵入したすぐみが隣に座った。
「改良がうまくいったみたいっスね」
……どういうことだ。
「ラプターに強くなりたいって相談されてちょっとお股の間とかいじったっス」
人の娘に何てことを…よろしい戦争だ。
勝利したのでこの後すぐみのお股を改造した。

「最近おしゃれねこの子達」
事務所でラプターと猫達と遊んでいるとゆみが話しかけてきた。
怜がデザイン頑張ってるし、最近盟華まで口を挟むようになってきてな。
「ピンサコーデとか贅沢してるわね」
あくまで趣味だと言っていたけどな。
まあ、お金がかかっても可愛がってあげたいだろう。
なんせ自分だけの女神、自分だけの家族だからな。
「自分だけの家族………自分だけの男…」
ねえゆみ、今何て言った?
「何も言ってないって。所で隊長、メガミデバイスに男の子っているのかしら」
女神なんだからいるわけないだろう。
AIも性別女性で固定されてるから設定変更は無理だぞ。
「そう……。私ちょっと真理さんに話があるからお先するわね」
待ってゆみ、ちょと待っ「ゆみ行っちゃったねマスター」…そうだなラプター。
ゆみが手の届かないところに逝ってしまった気がするが俺には関係ないことだ。

「あの、ラプター達……どうしてこっち見てるっす?」
じっとラプター、ミミズク君と猫達に凝視されていた夜露が音を上げた。
10分持たなかったか…、一緒に何分持つか賭けていたシタラに負け分のなんでもしてあげる券2枚を渡す。
「隊長もシタラさんもなにやってるんですか…。それでラプター達は何でこっちを?」
「いつになったら動くのかなーって。皆で捕まえるんだよ」
「?……動くって、私普通に動いてますよね隊長?」
ラプター達が興味を持っているのはお前の頭についてる触手のことだ。
うちの猫達はラプターの触手にあやされて育ったからお前の触手も動くと思っている。
「触手じゃないっす!これは…あれですよ、あれ」
なんでそこで髪の毛だって言いきらないんだ夜露…。
「実は夜露ちゃんは謎の了リスギ了星人だったのだ!」
猫に見破られる宇宙人って映画とかでありそうだな……おい夜露、なんで黙ってるんだ…。
黙ってしまった夜露をみんなが見つめていると触手が伸びて!?
「「「ニャーーー!」」」「びえぇぇぇぇん!!」「あぅ~~~~ん!?」
……あれ、俺なにしてたっk「隊長どうしたっすか?」…いや、なんでもないよ。

うちの猫達はこっそり地衛理がおっぱいを咥えさせていたせいか自分たちも雌なのに女の子のおっぱいが好きだ。
隙あらば杏奈や小結のおっぱいに突撃してぽよんと跳ね返されている。
「…マスター。私も柔らかいおっぱいを装備すべき?」
なんでアクトレスのいる前に限って危ないことを聞いてくるんだラプター…。
怜が凄い顔してこっち見て来てるぞ。
「怜が質問は皆の前でした方がいい答えが返ってくるって…」
顔そらすんじゃない怜、こっち向きなさい。
…それでどうして柔らかいおっぱいが欲しいんだ。
「マスターも妹たちもおっぱいが好きだし、妹たちの理想の姉としておっぱいが必要だと思う!」
その意気は買うが…女の子が男におっぱいおっぱい言うもんじゃないのですぐみか安里にお願いしなさい。
欲しい素材があるならAEGiSから分捕っても用意してやるから。
「分かった!行ってくる!」
……俺が特別おっぱいが好きなわけじゃないぞ怜。
「ラプターはそうは思ってなかったみたいだけど?……どうでもいいけど」
俺はよく家の中でぶつかる謎の柔らかい物質をよく揉んでるだけでおっぱいが好きという事実はない。

おっぱいってなんだろうな…、そんなことを呟いていたらシタラにジト目で見られた。
「何言ってるのたいちょー。働きすぎて頭おかしくなった?」
舞よりまともなことしか言ってないだろう。
だが働きすぎというのはそうかもしれない。
大きいおっぱい小さいおっぱい、張りのあるおっぱい柔らかいおっぱい。
この事務所には誘惑が多すぎる…。
「なに真顔でおっぱいに付いて語ってるの…。隊長そんなにおっぱい星人だったっけ?」
ラプターがすぐみと安里におっぱいを改造してもらうつもりなんだがどんなおっぱいがいいか考えろと言われてな。
俺にはおっぱいの正しいあり方が分からなくなってきた…。
人のおっぱいから一旦離れようと猫のお腹に顔を埋めると背中に柔らかいものが当たった。
「漫画とかだと好きな人のおっぱいが一番って言うじゃん。隊長の一番好きな人は誰かなー?」
むにむにと背中でシタラのおっぱいが潰れるのが分かる。
そうか、俺が好きなのは…。
「ラプターが好きとか言うのは無しだからー」
今日のシタラは強いな。

風呂で猫たちを洗っているとピトっと背中に張り付く感触がした。
もはや誰が急に家に出てきても不思議でなくなっていたが流石に音もなく風呂に入ってくると驚く。
それで、なんでおっぱい押し当ててきてるんでしょうか深沙希さん。
「隊長さんがラプターさんのおっぱい造形で悩んでいるとお聞きしまして…参考になればと思い」
猫たちの泡を落としてお湯を張った大きな桶にいれて湯船に浮かべる。
ラプターとミミズク君が桶の縁へ座る。
こちらも湯船に浸かると深沙希さんが股の間に入って体を預けてきた。
ラプターよ、このふよふよとお湯に浮く柔らかいおっぱいもいいんじゃないか。
「私はマスターが深沙希のおっぱいが好きなら一緒がいいかな」
猫たちも桶の中からおっぱいを叩こうと必死になっている。
やはり深沙希っぱいをラプターに付けるべきか?
「猛禽類の鋭さを表現したおっぱいがいいんじゃないかな……どうでもいいけど」
風呂の入り口を見ていたはずなんだがどうやって俺の後ろに入った怜。
しかしどのおっぱいにも良いところがあって俺はどうすれば…。
のぼせて倒れたら皆で看病してくれた。

「隊長どうですかーっ。似合いますかっ!」
アマルテア組が水着を買ったということで家に見せに来た。
奏の水着は専用スーツと同系の青と黒、ローライズで露わになっているVラインにラプターが吸い込まれて大変だ。
「隊長さん聞いてくださいよー。地衛理ったら泳ぎやすい水着がいいって訓練用の水着買おうとしたんですよー」
「……悪いものではないと思うのだけど」
クロスした水着で強調される地衛理の胸を見るに椎奈にはいい仕事をしたと言わざるを得ない。
椎奈自身もひらひらと揺れるフリルに猫が3匹ぶら下がって可愛い。
もう少し頑張れば脱げそうだから頑張れお前たち。
「?……地衛理塗装が剥げてるよ。マスターに治してもらわないと」
奏の水着から頭だけ出したラプターが地衛理の腋の傷を見て言った。
ラプター、俺は医者じゃないから人間は治せないんだ。
「これはそのままでいいのですラプター。かぜにたなびくおうまさんのしっぽのようですばらしいのですわ」
いきなりポンコツになったな地衛理、そんな理由で傷残してたのか…。
「傷跡撫でたらお馬さんみたいに鳴いちゃうんですよ地衛理ったら」
下がった水着上げる前にそこの所詳しく椎奈。

自分の部屋のベッドに美少女JK3人が水着を着て座っている。
真理に今日のことを伝えたら泣いて悔しがることだろう。
「ラプターちゃんそろそろ出てきませんか?」
奏の下の水着の中からラプターが顔だけ出しているが適度な圧迫感が気に入ったのか出てこようとしない。
俺も挟まりたい……なんでこの世界にはスモールライトが無いんだ。
「奏の水着の中はそんなに気落ちいいのでしょうか?」
胸の谷間に猫を一匹挟み込んだ地衛理が言う。
きっと体に染み付いているプラが圧縮整形される時の気持ちを思い出すんだろう。
「猫ちゃん達は本当に地衛理のおっぱいが好きですね-」
なんか挟まれる順番待ちしてるし…俺も並んでいいかな?
「かまいまs「隊長さんはこっちです」……」
椎名の膝枕に誘導された。
こっちも天国だからいいか。
このままラプターが出てくるまで寝るもす。

成子坂での定例会議、司会の文嘉が締めに入った。
「では最後に、隊長から」
ああ、皆のおっぱいを揉ませてほしい。
「「「「「「「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」」」」」」」「ニャーン」「びええぇぇん!!」
急に静かになったな、どうした皆?。
「どうしたもこうしたも無いっすよ!」
「隊長、そういったことは二人きりの時にお願いします」
大事なことなんだ夜露、それと皆のいる時でないと意味ないんだ楓。
今日すぐみと安里が事務所に来るからラプターのおっぱい製作のために二人にサンプルを提供してもらいたい。
「隊長が揉むんじゃないんだね……どうでもいいけど」
おっぱい製作は二人に依頼したからな。
とはいえ将来的に作ってみたいから俺もサンプルはなるべく多く触ってみたいが…。
「…練習は大事だよね。今日隊長の部屋に行くから」
「「怜(ちゃん)!?」」
怜のはしょっちゅう当たるのでサンプルは十分なんだが…。

「ねえマスター、私髪型変えたい!」
服自作しおっぱいを換装、髪型まで変えたいとはお洒落さんに磨きがかかるなラプター。
「そうじゃないのマスター。いつまでたってもあの子達が髪の毛で遊ぶから触手の無い髪型でちょっと休みたい!」
育児に疲れたお母さんみたいなこと言ってるなラプター…。
まあ、毎日猫たちにじゃれ付かれるのは大変か。
それでどんな髪型がいいんだ。
「……よく分からないからマスターが決めて?」
俺も女の子の髪型まで詳しいわけじゃ「ここは盛っちゃうしかないっしょー!」…いつの間に部屋に入った盟華。
「新しいらぷたんの服デザイン持ってきたのにその反応はテンション激下げなんですけど-」
そもそも頼んだ覚えがないんだが……猫達が反応しそうなので盛るのは無しの方向で。
「……猫に反応されないデザインは盟華ちゃんでもパッとは出てこないわー。取り敢えず触手外しちゃえばいんじゃね?」
そうだな、まずはそこから始めてみるか。
--触手を外したラプターを猫たちに見せたら泣かれたのですぐに元に戻した。
そんなに好きなのか触手…。

そろそろ起きるかと体に力を入れると息子がぴくんと反応した。
次の瞬間下半身に激痛が走りイヒョイッ!?と叫んでしまう。
布団の中から驚いた猫たちが飛び出してきた。
「マスターどうしたの!?」
ラプターが声をかけてくれるが痛くて返事ができない。
「隊長さん……猫ちゃんに噛まれたようですね…」
天井から降りてきた深沙希さんが息子を見てそう言った。
なんか流れ出てる気がするが怖くて確認できない。
「マスターのおちんちん噛んじゃだめだよぉぉお!!」
ラプターに怒られた猫たちがしょげかえっている。
空いた穴をペロペロ舐めてくれるが削られて痛いから止めてお願い。
「すぐにタクシーが来ますから……もう少し我慢してくださいね?」
深沙希さんが痛いの痛いの飛んでけーと息子を撫でてくれる。
反応した息子からさらに血が飛び出し俺は意識を失った。

猫にちんちんを噛まれたので有給を取ったら怜が見舞いに来た。
「大丈夫なの隊長?」
心を無にして刺激しなければ大丈夫だ。だから服を脱がせて確かめようとしないでくれ怜。
「薬とかどうしてるの?」
そこはラプターがやってくれている。
「隊長、娘にそれをやらせるのはちょっと…」
息子に穴が開いてるのを直視するのはつらいんだ怜…。一度深沙希さんがやってくれたんだがあの人無駄に手付きが刺激的で。
「……今日から私が塗ってあげるよ」
それもどうかと思うが息子の危機には代えられない。深沙希さんが帰って来てから皆で食事を済ませて一緒に風呂に入る。息子を刺激しないよう目隠しして体を洗ってもらったが逆に刺激的だった。
「…それじゃあ塗るよ」
風呂上がりに薬を塗るのはいいんだが何故目隠しされたままベッドに四肢を縛り付けられているんだろう…。
「刺激は少ないほうがいいんでしょ?…固定していた方が安全だよ」
やけに塗るのに時間がかかったが何とか無事に終わった。ラプターが塗ってくれたものより水っぽかった気がしたがまあ気のせいだろう。
「それじゃあ寝ようか隊長」
ベッドに縛り付けられたまま寝ることになった。

ちんちんを猫に噛まれて有給とったら目隠ししてベッドに縛り付けられたまま怜と深沙希さんと寝ることになった。
流されるまま寝ることになったが何かおかしくないかな二人とも。
「何もおかしくないと思います隊長さん…」
「隊長のちんちんが治るんならどうでもいいんじゃない?」
そうかな…ラプターはどう思う?
「眠いから明日考える!」
そうだな……それがいいかもな。
衣擦れの音がしてから猫達と一緒に怜と深沙希さんが両隣に入ってくる。
猫達の柔らかい体と怜と深沙希さんのすべすべの体でこれは……天国もす。
「「隊長(さん)……」」
なんか目を閉じて声だけに集中してると二人の声って結構似ているな。
「「そんなことないよ(ですよ…)」」
いや、やっぱ似てるって。なあラプターはどう思「Zzz…」…寝るか。
「「お休みなさい」」
やっぱ似てるって!!何か怖い!!

冬が終わる前にもう一度おでんを作ろうとラプターと買い出しにスーパーにやってきた。
卵に大根、こんにゃくはんぺん牛スジに餅入り巾着とタコに手羽先。
他に何を入れようかと考えたところで
「マロニーちゃんっす」「白滝がいいかと」「糸こんにゃくですわ」
急に出てきてなんだお前ら、似たような具を提案するからには理由があるんだろうな。
「可愛いからっす!」「修行と言えば滝です」「椎奈が好きなので」
地衛理が一番まともじゃないか…てっきり馬に絡めてくるかと。
面倒だからラプターに選んでもらうか…ラプターどれがいい?
「わたしはこれがいい!」
うどんを差し出された。
「納得いかないっす!」「隊長…」「うどん…うま……うまん?」
だが我が家では何よりもラプターの意思が優先されるのだ。
文句を言いながらついてくる3人と一緒に家に帰ると怜と深沙希さんが下ごしらえをやってくれていた。
「「お帰りなさい、隊長(さん)」」
……もう結婚しちゃおっかな。

おでんを食べ終わって深沙希さんと一緒に食器の片づけを終えてリビングに戻るとアクトレス4人がこたつでバトルドームをやって超!エキサイティン!!していた。
日本ではツクダオリジナルから1994年10月に発売された超人気ゲームだ。
発売から300年以上たった今も東京シャードでその人気は衰えることを知らない。
夜露、楓、地衛理の両腕の間には猫達が居座って邪魔をしている。
怜の邪魔は前髪にぶら下がったラプターとミミズク君がやっているようだ。
「私も子供の頃はお姉さま方とバトルドームをよくやっていました…」
ソファーの隣に座って一緒にお茶を飲んでいた深沙希さんが4人を眺めて言う。
東京シャード住民なら必ずやるゲームがバトルドームだからな。
俺も昔はバトルドーム荒らしとしてやんちゃしたものだ。
「……いいですね家族って」
深沙希さんが肩に頭を預けてきた。
サラサラと揺れる髪の毛が首筋に当たってくすぐったい。
「勝ったっす!」「負けました…」「負け馬券ですわ…」「…どうでもいいけど」
初戦は夜露が勝ったようだ。猫とラプター達を一人ずつずらして二回戦に入っていく。
明日は休みだし今日は徹夜でバトルドームだな。

乳が浮いていた。
何なのだ、これは!どうすればいいのだ?!と乳首と目を合わせないようにして現実逃避してみたが誰なのかは一発で分かる。深沙希さんだ。
問題はなぜおっぱいだけステルスを切って浮かんでいるかということだが…ダメだ、おっぱいだけ浮かばせる理由なんか分かるわけがない。
だが直接おっぱいについて尋ねるのは何か負けた気がするのでここは猫に頼ることにする。
「マスター遊ぶの?」
猫レーザーポインターを取り出すとラプターと猫達が集まってきた。
ああ、お前たちの力が頼りだ。一番初めに光にタッチした子の勝ちだぞ。
フル装備したラプターが宙に舞い猫達も配置につく。それいけっ!
ポインターをササッと動かすとラプターと猫達が素早く移動する。
だが宙に浮いたおっぱいにポインターを合わせようとするとそれより早くおっぱいが移動する。
結局おっぱいにポインターを合わせる前にラプターが勝ってしまった。
今日はこのまま悶々としたまま寝るしかないのか…と嘆いているといつの間にか隣に座った怜が深沙希さんに尋ねた。
「ねえ深沙希さん、ステルス壊れてるよ」
「あら……本当ですか?」
なんだ壊れていただけか…。

深沙希さんが壊れたスーツを修理に持って行ったので怜とラプターと猫達が残った。
今日は夕飯も済ませているのでバトルドームで時間をつぶす。
「リンはさ、家族からバトルドーム禁止令だされてたんだ」
何も考えなくていいから得意そうだけど何か理由があるのか。
「逆だよ隊長。何も考えないから弾がドームを貫通して勝負にならなかったんだ」
なるほど……俺も必殺技を習得した時は友達の額に穴を開けたりして騒ぎになったものだ。
「だから、こっそり私の家で練習したりしてたんだ。結局リンの家まで弾が貫通してばれちゃったけど」
如何に力をセーブするかもバトルドームの技の見せ所だからな。
それで、結局リンのバトルドーム禁止令は解けたのか。
「河川敷で二人で練習して何とかなったよ。堤防崩しそうになったけど」
よく河川敷に行くのはそういう理由か。思い出の場所なんだな。
「他にも理由はあるけどね。結婚したら教えてあげるよ」
なんかナチュラルに結婚することになってるけどまだ決めてないからな?
「でもこの前アルアブラの国籍取って重婚できるようにしようかなって考えてたよね」
……ラプター、猫達、俺一人ごと多いかな。

深沙希さんが帰ってきたので寝ることになった。
そういえばいつの間にかベッドのサイズが大きくなってるんだけど俺買い換えたかな…。
「「買い替えてたよ(ましたよ…)」」
そうかな……そうかも。気にしても仕方ないので猫を一匹ずつわきに抱え胸の上に一匹置いて横になる。
ラプターも枕もとのフォークスプーン入れを改造したベッドに入る。
「ねえマスター、私は家族だからベッドを作ってもらったんだよね?」
一緒に寝ると潰しちゃいそうだしな。それがどうかしたか?
「深沙希と怜のためにベッドを買い換えたなら二人も私の家族?」
そもそも俺は買い替えた覚えがn「「そうだよ(ですよ…)」」……そうだよ。
「じゃあ私の家族は6人だね!…もっと増える?」
それは……どうだろうな。
「お婆ちゃんも一緒に住めば7人だね」
「お姉さま方も一緒に住めばもっと多くなりますね…」
二人とも俺に何をさせたいんだ…。
これ以上余計なことを喋らないようにおっぱいを揉んだ。

朝のラジオ体操を終えた後、荒ぶる鷹と猫のポーズをラプター達とやっているとまだ眠っていた怜が起きてきた。
「隊長、そのポーズは…なんなの?」
見て分からないか?荒ぶる鷹と猫のポーズだ。
俺達は人間と了リスギ了と猫だからな。同じポーズを取って連帯感を高めている。
「……どうでもいいけど、深沙希さんが朝ごはんできたって」
なんか受けが悪いな。事務所の方でもトレーニング前の体操に組み込もうと思ってるんだが。
「本気で嫌がられるから止めたほうがいいよ…」
カッコいいと思うんだがなぁ。やり切った顔をしたラプターとミミズク君、猫達を連れて食卓へ向かう。
「おはようございます隊長さん…ラプターちゃん達もおはようございます」
「おはよー!」「「「にゃー」」」
食卓には味噌汁に焼き魚、玉子焼きにお漬物とシンプルな朝ごはんが並んでいる。朝ごはんはこれくらいシンプルでなくては…。
「…ねえ隊長、やっぱり料理はできたほうがいいかな。……どうでもいいけど」
裁縫得意ってだけで十分女の子らしいからそういうことは気にしなくていいぞ怜。
「別に気にしてない……深沙希さんも笑わないでよ」
みんなでご飯を食べて出社した。

「隊長、おっぱいの具合はどうっスか?」
「その言い方はどうなの金潟すぐみ…」
「おっぱいはおっぱいっス。隠すようなもんじゃないっスよ」
ラプターの改造おっぱいの様子を確かめにすぐみと安里が家にやって来た。
ラプターのおっぱいは今のところ問題ないしおっぱい好きの猫達にも好評だ。
「猫がおっぱい好きってどういうことなのって思ってたけど……この様子を見せられるとそうとしか言えないわね」
ラプターが猫一匹に押し倒されておっぱいを執拗に肉球でぷにぷにされている。
残りの二匹はすぐみの柔らかっぱいに飛びかかってぷにぷにしている。
「あはは、くすぐったいっスよー」
ソファーに座ったすぐみのおっぱいが上下左右にばいんばいん……俺もやっていい?
「いいっスよー」
「駄目に決まってんでしょ金潟すぐみーーーっ!!」
そうかダメか…じゃあ安里、揉ませてくれ。
「え、いや……え?」
安里はちょろかった。

おっぱい揉んだら気持ちよさげに安里が寝てしまったのですぐみとプラモを組んで時間をつぶす。
「それにしても安里ちゃんちょろかったっスねー」
まさか揉む許可を貰えるとは思わなかった。
でも揉んでる間もこっち見るんじゃない金潟すぐみーーってすぐみのことだけは意識しまくりだったな。
「ラプターもミミズク君も猫達も凝視してたのになんで私だけ駄目っスかねー」
ライバルには弱みを見せたくないんだろう。そもそもライバルの前で揉ませるなとは思うが…。
「……そういえば私のは揉まなくていいっス?」
揉んでいいなら揉むぞ。俺は欲しいものは全部手に入れる派なんだ。
「男の子はそれくらいが丁度いいっスよ」
股の間にすっぽりと入ってきたので遠慮なく揉ませてもらう。
安里っぱいは最初から緊張していたのか乳首が硬くて安里!と主張してきたがすぐみのおっぱいはふにゃふにゃしている。
「隊長は私のと安里ちゃんのどっちが好きっス?」
おっぱいに貴賤は無い。俺が好きなのは揉めるおっぱいだ。
「……猫達がおっぱい好きなの隊長の影響じゃないっスかね」
それは猫達にこっそりおっぱいを吸わせていた地衛理の影響だと言わせてもらう。

時々一人で家に来てはラプターを猫に乗せて楽しんで帰って行く地衛理だが今日はいつもと様子が違った。
「……おうまさんですわ。……おうまさんですわ」
小さな茄子に爪楊枝を刺して精霊馬を量産している。
お盆とは程遠い季節なんだが…、いったい何があった地衛理。
「…しいなにおうまさんじゃないといわれましたの」
そういって地衛理がスマホの画面に映したのは……なにこれ?
「おうまさんですわ!」
この解像度は地球脱出前の動画だろうか、馬の頭を付けた棒に跨った女性たちが飛び跳ねている。
ホビーホーシング……まさか、これをやろうとしたのか!?
「だっておうまさんですもの…」
そう言うとベッドに横になり枕に顔を押し付けふて寝を始めてしまった。
しかし椎奈が止めようとするのも理解できる。本物の馬ならまだしもホビーホースを巧みに乗りこなす地衛理を直視するのは辛かろう。
とは言えこのまま放っておくわけにもいかない。ラプター手伝ってくれ。
「?…マスターどうしたの?」
――かっこ悪いと嫌がったがラプター用のホビーホースを用意することで何とか地衛理の機嫌を直すことに成功した。

「隊長さん、お話があります」
ベッドに座った椎奈に正座を強要された。猫達が膝の上に乗ってくる。
おれは悪くない、あんなエッチな格好した、しいながわるい、すごかった…。
「何のことですか!?……この前、地衛理がホビーホースのことでご迷惑をかけたみたいですね」
迷惑被ったのはラプターだけどな。地衛理が家に帰ったらかっこ悪いと言っていたぞ。
「ラプターちゃんには今度何かプレゼントします。それはそれとして、隊長さんは地衛理に甘すぎます!」
だっておうまさんなんだぜ?……あれ、俺今何て言った?
「隊長さん?頭大丈夫ですか?」
大丈夫なはずだ。俺は特別馬が好きなわけじゃない……はず。
「……仕方ないですねぇ。今日だけですよ?」
正座の状態から猫ごとベットの上に放り投げられ椎奈のおっぱいで顔を受け止められた。
「隊長さんはおっぱいが好きなんですよね?お馬さんのことなんか忘れましょう」
おっぱいに顔を埋めて椎奈に頭を撫でられる。そう、俺は馬よりおっぱいが好きなんだ。おっぱい…おっぱい……お…ぱ……。
「寝ちゃいましたねー。……あれ、もしかして私もそのうちお馬さん好きに…」
――椎奈は考えるのをやめた。

「最近コロちゃんの様子がおかしいんですっ!」
用事があると言ったが猫とラプターと戯れるだけだった奏がようやく用件を言いだした。
どういうふうにおかしいんだ?この前おっぱいに顔を埋めたときは特に変なところも無かったが。
「風紀を乱す行為をしてますねっ!駄目ですよそんなことしちゃっ!」
あれは仕方なかったんだ…。椎奈がおっぱいの匂いを嗅がせてくれなかったら頭が馬になっていたかもしれん。
「それなんですっ!最近コロちゃんまで地衛理と一緒におうまさんですわって言うようになったんですっ!」
それはまずいな…。俺はおっぱいで正気を保てているが椎奈は地衛理に犯されてしまったんだろう。
「どうすればいいですかっ!?」
簡単なことだ。椎奈が俺にやったように奏のおっぱいで馬を上書きしてやればいい。
人間というのは誰しもおっぱいで育っているから、心の中におっぱいを飼っている。
それを喚起してやれば馬から正気に戻るはずだ。
「なるほど……。行ってきますねっ!」
あっという間に言ってしまった…。椎奈が無事に元に戻るといいが。
まあ奏のおっぱいなら大丈夫だろう。
――後日椎奈と遭遇したらおっぱい談議に花が咲いた。

ラプターの選んだ猫用のMSGをすぐみと組んでいるとラプターがやってきた。
「お母さ……、じゃなくて、すぐみ」
「んふふー。お母さんでいいっスよー?」
かなりの量のMGSを組んで疲れた顔してたのに急に元気になったなすぐみ…。
「私のお父さんはマスターだけど、マスターのお嫁さんはすぐみじゃないよ?」
「ラプターは一緒に作ったからお母さんでいいっスよ。でも、そうっスね。本当にしちゃうっスか?」
エッチな目でこっちを流し見るんじゃない、娘の前だぞ。
「ラプターの前じゃないならいいっス?じゃあ疲れを癒すためにお風呂に入るっス」
うちは家族みんなでお風呂に入るから二人っきりにはなれないぞ。それにそういうことは外のお城とかでやる派なんだ。
「あ、いいっスね。一度行ってみたかったっス!」
今日は押しが強いなすぐみ…。
「安里ちゃんに差を付けないといけないっスから。3年後がゴールっス」
?……良く分からんが3年後にはアルアブラの国籍も取れてるだろうしそれでいいなら。
「……それで、私はお母さんって呼んだほうがいいの?」
それは3年後まで待ってくれラプター。

「それはどうかと思うよ隊長。……どうでもいいけど」
この前すぐみと一緒につくったMSGを猫に装着していたが怜には不評のようだ。
思考制御で空も飛べる便利グッズなんだぞ?
年を取って動くのが辛くなっても猫達が自由に移動できる。
小さい頃から慣らしておくことがなにより大切なんだ。
「でも武器は必要ないでしょ……。何と戦うつもりなの」
そりゃもちろんラプターと一緒にメガミバトルに出場するに決まってる。
みんな雌だし何の問題もない。
「いや、問題あると思うよ……」
猫はかわいくて、メガミもかわいい!そこになんの違いもありゃしねぇだろうが!!
「違うと思うよ…」
これだけ言っても怜は分かってくれない。
ラプターお前はどう思う?
「……マスター、実は私もダメな気はしてた」
そんな馬鹿な…。

猫のメガミバトル出場はダメだと怜に言われたので仕方なく河川敷で遊ぶことにした。
「許可とか取らなくていいのかな…」
練習のために許可はだいぶ前から取っていたから問題ないぞ怜。
通行人はどいてた方がいいぜ!今日河川敷は戦場と化すんだからよ!
「セットアップオーケー。SOLラプター、バトルスタート…!」
ラプターの掛け声とともに猫達が空を飛んでいく。美しい……。
部屋の中では負け続けのラプターだが、今日はラプターの勝ちだ。
まだMSGに慣れていない猫達を翻弄して射撃を当てている。
「どんどん行くよ~」
やっぱりラプターは戦っている時が一番活き活きとしているな。
「ねえ、隊長。猫の撃った弾が段ボールハウス壊したんだけど」
いつの間にあんなものが。住人が潰れたりは…してないな。
子供の作った秘密基地か?悪いことをしてしまった。
「今日はもう帰ったほうがいいんじゃない?寒いから炬燵で温もろうよ」
そうだな、ラプター!猫達!帰るぞー。

ラプターが「私も食べ物食べたい」と言ったのでフィギュフェスで売っていたメガミデバイス用外付け飲食機を買った。
メガミデバイスの動きと連動した飲食機の口の部分に食べ物を投入すればメガミデバイスも食事を楽しめる優れものだ。
正直見た目は人間の口の部分だけドンとテーブルに置いている感じなので不気味なのだがラプターのために我慢する。
「これで皆と一緒にご飯食べられる!」
皆で炬燵で食べたいとのことだったので今日はおでんにした。
四辺埋めるために怜と深沙希さんも一緒だ。
「それじゃあラプター何食べる?取ってあげるよ」
怜が取り箸を持って言う。
「じゃあ大根!」
怜がラプターの皿の上に大根を取って食べやすいサイズに割る。
さあ、初めての味覚にどんな反応を示すか。
「はい、あーんしてラプター」
「あーん………あ、熱っ、熱いよおぉぉぉ!!」
説明書を見なおすとちゃんと温度も感じるようだ、すまんラプター。
転げまわっているラプターを心配そうに猫達が見つめていた。