【エルガドーラ】

Last-modified: 2023-06-05 (月) 10:17:14

概要

Ver.5の主要人物の一人。演者は伊藤美紀
【ゼクレス魔導国】の先代【魔王】【イーヴ】の妃にして現魔王【アスバル】の母、【オジャロス】は弟。
 
ゼクレス魔導国の預かり所・旅人バザーの2階E-4にある本棚で読める古びた日記によると、元々は王家の遠縁の生まれで、弟のオジャロス卿と共にベルヴァイン湖での狩りに参加したのがイーヴとの出会いだという。
なお、自室にある色あせた日記にはこの件に対する本人視点の記述もある。
 
他人を雑種と蔑んでいたが前述の自室にある色あせた日記には「王家の血を引くとはいえ 傍系も傍系の我が家」「家勢の弱い無名貴族の 生まれ」などの記述もあり、貴族階級といえどもさほど恵まれた生まれではなく輿入れ後も侍女にさえ軽んじられていたようだ。
 
Ver.4シリーズの【ドミネウス王】とは、「家族すら道具扱いしてその人生を狂わせる暴君」「新シリーズ序盤から大暴れするも早々に退場」「身内に止めを刺される」「後のクエストで更なる悪事が露見」など、様々な共通点が見られる。
ただし、ドミネウスは彼なりに国の滅亡を防ごうという意思もあるほか、真の黒幕に人格が変わるよう誘導され、都合よく手駒として使われていたことが示唆されているため辛うじて悲劇の悪役の一人であると言えなくもない。
一方、こちらは自国こそ愛してはいたが、自分の考えの元で子供をより強力に統制するなど彼女自身が黒幕ポジションとなっているため同情の余地が殆どなく、より邪悪な人物として描写されている。
ドミネウスと違って主人公の手で直接制裁する機会が存在しない点でも、こちらの方が印象が悪くなりがちである。

【いばらの巫女と滅びの神】(Ver.5.0ストーリー)

アスバルに大魔王選定の儀を受けさせるべくゼクレス城に入城しようとするユシュカと主人公の前に現れる。
この時はこちらに気づいていない様子で、茶会に出席しないアスバルへの苛立ちを見せ、おともの兵士にアスバルの捜索を厳命する。
ゼクレスの実権を握りアスバルを自身に都合がいいように教育していたようだが、従順になることは無くむしろ反発して魔王としての責務を放棄しようとしているため、手を焼いていた。
 
その後、【ゼクレス城・宝物庫】から脱出した主人公・ユシュカ・アスバルの前に、滝見の広場で再び兵士たちを連れて登場。
なお、彼女らが待ち伏せできたのは秘密の抜け道が開かれると杖の宝玉が光るまじないが掛かっていた為である。
 
そして、過去にユシュカをアスバルから引き離すべく追放したことを明かし、大魔王となる覚悟も持てないなどと叱咤。
さらにアスバルの宝物であるアストルティア産のコンパスを奪い、彼の目の前で破壊して見せる。
激昂したアスバルが【レイジバルス】を召喚すると今度はアスバルに術で操り、主人公とユシュカにレイジバルスをけしかける。
これを退けられると、「ゼクレス王家の 後継者たるアスバルに おのれの自由などない。」と言い残し立ち去った。
 
その後は直接姿を見せることはないが、【デモンマウンテン】での試練では【シシカバブ】に呪いをかけてユシュカの排除を企んだ。
更に【デモンズゲイト】を倒したアスバルに再び術を使って操り、裏で暗躍を続けていた。
次回予告では洗脳状態のアスバルに対し「私の人形」「偉大なるゼクレスの生贄」とまで言っているが国民は単に、アスバルが不甲斐ないためにエルガドーラが代行、叱咤していると思っているようで、そのようなエルガドーラを支持する声も聞かれる。

【魔界大戦】(Ver.5.1ストーリー)

本バージョンのイメージイラストにおいては、ヴァレリア・ユシュカと並んでアスバルの代わりに彼女が描かれており、まるで彼女が三魔王の一角であるかのように扱われていた。
実際にストーリー中でも、大戦の黒幕ポジションといった立ち位置にいる。
 
開戦の前に、弟のオジャロスをファラザードに向かわせ、共にバルディスタを叩くことを目的に手を結ばせる。
そして、当初の目論見通りバルディスタ軍がファラザードに攻め込んでいる隙をついてバルディスタ本拠に軍を向かわせ、不意打ちを浴びせる。
 
しかし、これらは全てバルディスタとファラザードを相討ちさせ、漁夫の利を得るために仕組んだ彼女の罠だった。
【ミアラの宝杖】を用いてアスバルを問答無用で【太古の魔人】へと変貌させ、放たれた破壊光線で戦場のもの全てを焼き尽くす無差別攻撃を行う。
結果、バルディスタは壊滅的な被害を受け、ファラザードもユシュカをかばった【ナジーン】を失う。
この際、このままではアスバルの身体がもたないとオジャロスに警告されるが、少し休ませればまた使えると返答している。
また、「生き残った者以外は捨て置け」とも話しており、この攻撃は自軍すら巻き込んだ絨毯爆撃であり、更に死者には何の対応もしていないというド畜生ぶりが垣間見える。
 
この攻撃で両国の怒りを買っただけでなく、ミアラの宝杖による力を魔仙卿から危険視されたことで、主人公には城の地下を、また城の正面を【ヴァレリア】率いるバルディスタ軍に突破される。
だが、それでも余裕を崩さない彼女はアスバルを再び太古の魔人へと変貌させ、魔人から放たれた光線でヴァレリアを吹っ飛ばす。
だがそこに、ナジーンの死から立ち直ったユシュカが再び現れ、破壊光線を放つ額の宝玉を破壊されると、またしても自身の野望を邪魔されたことに激怒。
ユシュカを殺そうと自身が持つ全ての魔力を魔人と化したアスバルに送り込もうとした所、魔人と共鳴するかのように一時的に【強モンスター】のように目が赤く光ったあと倒れ、肌や髪から色が失われるという壮絶な描写がある。エルガドーラが自分の命をなげうつような真似をするとも思えず、予想外に魔人に生命力まで吸われたのだろうか。
ともあれ、太古の魔人ことアスバルも倒され、ミアラの宝杖(についている魔石)もユシュカによって踏みつぶされ、魔界の支配を目論んだエルガドーラの野望は完全に潰えることとなった。
 
また、作中では倒れた後は一切映る場面が無いため、彼女の生死に関して明確な情報はなく、オジャロスの「エルガドーラはもう死んだ」という発言のみが唯一の情報である。

【王の戴冠】(Ver.5.2ストーリー)

死んではいなかったが、かつての美貌の見る影もない、弱々しく醜い魔物の姿となって小さな水槽に閉じ込められていた。
太古の魔人に吸収され魔力が枯渇したことによって死の縁に立たされたエルガドーラであったが、弟のオジャロスが己の魔力を用いて姉の肉体の再生を試みた。
オジャロスの魔力では変わり果てた姉を生かしておくだけで精一杯というが、アスバルが部屋に閉じこもっていなければ手伝えたとも言っており、尽力しなかったことは間違いなく、更に知能さえも術によって奪っていた。
なおアスバルはひとつだけオジャロスは嘘をついていると言っているため、オジャロス単独の魔力では元に戻せないということは事実と思われる。
 
息子アスバルや主人公によって封じられた知能が復活した時、オジャロスから更なるだめ押しに、己の肉体がゼクレス全土を破壊できるほどの破壊力を持つ爆弾に作り変えられていることを突き付けられる。
これを聞いたアスバルは母親を助けるため、爆弾を解除しようと動くが、その息子の甘い選択を見たエルガドーラは激怒。「もはや親でも子でもない」「お前など産むのではなかった」と冷徹に突き放す言葉をぶつけた。この後に及んでの憎まれ口に失望するアスバルだったが、それは非情になりきれない彼に国と民を守るために母である自分を犠牲にする覚悟を促すためだった。
アスバルが召喚したレイジバルスが握り潰したと見せかけ水槽の外に出された際、元の姿が幻影のように抜け出し王として生きる決心をしたアスバルを抱きしめ、そしてレイジバルスがもう片手で掴んだオジャロスごと魔法陣の中に引きずり込み自爆することでゼクレスの地は破壊を免れた。
その後、声だけではあるが「それでいい。ゼクレスを頼んだ。わが息子……いや、魔王アスバルよ」と、ゼクレスの未来をアスバルに託して完全に死亡した。
 
終始一貫したゼクレス王国第一主義で、弟も夫も息子も国民も全てゼクレス繁栄のための道具として利用した紛れもない悪女であったが、国だけを愛するその心は本物だったと言える。
その反面、母親としての一面は所々で垣間見ることができる。
爆弾を解除しようとしたアスバルを見て、どこか悩んだ後、決断できないアスバルを見て思い切るように上記の冷徹な言葉を発し、イーヴとアスバルしか知らない歌を口ずさんでいるなど、今までの描写や、後に語られたものも、表向きな善意ではなかったものの、アスバルが「母と向き合っていれば」と後悔したように、それに対する答えたい想いは少なからずあったとも考えられる。
 
実の弟であるオジャロスとの関係性について、メインストーリー上では今一つはっきりとしなかったが、クエスト【想いを針にこめて】でその一片が明らかとなった。
アスバルを含め、はた目からは「とても仲の良い姉弟」に見えていたがこれは表向きのものであり、その裏では幼少時から容姿端麗な自分自身とは似ても似つかない弟のことを古代魔界語でブタを意味する「ベーチ」と呼んで蔑み、精神的虐待を繰り返していた。
オジャロスは姉に従順な態度を取りながらも鬱屈した感情を募らせた末に今回の凶行に及んでしまった。
つまり、オジャロスが道を踏み外したのも元を辿れば彼女のせいであるので結局のところ全ての元凶であることは間違いなく、自業自得の末路だったと言える。
もっとも、彼女ら姉弟の両親もオジャロスに対してネグレクトを行っていたので、エルガドーラ自身も親の影響で歪んでしまった可能性も大いにある。
負の連鎖が、アスバルの代で断ち切られることを祈るばかりである。

Ver.5.3

すでに死亡しているため本人は登場しないが、クエスト【ある魔術師の悔恨】において宮廷魔術師だった【サラジャン】の妻子を人質に取り、イーヴがゼクレスに足を踏み入れると命を奪う「死の結界」を張るよう命じたことが判明した。
しかしこのときサラジャン本人が結界を解除する手段を講じていたため、彼のすべての魔力を奪って国外追放とした上でさらに妻子も殺したといい、今回のクエストでもかなり非人道的行為な面が目立つこととなった。
全ストーリーを通してみても、最初から印象が悪い上に掘り下げる度に悪行が明らかになっていくという、ここまで同情の余地や好感を持てる部分が無い点は【ドミネウス王】といい勝負と言える。
 
ゼクレス城にある『ゼクレス王国興隆史』によるとイーヴが貴族制度廃止令を唱えたことで大貴族たちから猛反発を受けた際には、王家所有の領地の一部を大貴族たちに与えるほどにかばっていたということで、イーヴに対しては多少なりとも愛情があったのかと思われたが、この仕打ちからしてそれすらも疑わしくなった。

Ver.5.5後期

ストーリー終了後に受けられるクエスト【亡き王国に捧げる詩】にて、当時の日記からイーヴとの結婚について語られている。
イーヴとは結婚前からベルヴァイン湖で密かに会っていたとのことで、大貴族である【ベラストル家】の令嬢【リズベル】との縁談が囁かれながらも、最終的に(貴族の中でもほとんど力が無い)自分を選んでくれたことには非常に喜んでいた模様。
 
ところが現実は厳しく、結婚後に大貴族たちが挨拶をするのはイーヴのみで、自分は見向きもされなかったという。
あまりの現状に耐え切れずイーヴに相談したところ、ベラストル家令嬢との縁談を潰し大貴族たちの鼻をあかすために無名貴族であるエルガドーラを妃に選んだことを明かし、更に「身分にこだわるな」「くだらぬ連中は 無視すれば よいのだ」と伝えられる。
 
後年『愛する妃 エルガドーラへ』と題した手紙を送っているイーヴからするとそこに愛情が無かったわけではないだろうが、エルガドーラは「イーヴは 生まれながらの王だ。 誰かに見下され 軽んじられる つらさなど 一度たりとも 味わったことがないのだろう。」と日記を結んでおり、この時からイーヴに対する愛情が失われていったとしても不思議ではないだろう。
 
そしてアスバルをさらってアストルティアに逃亡したイーヴを見つけ出した際には「アスバルの魔力を封じてアストルティアで育てるつもり」だと笑って言われ、「いくら 説得しても夫は聞き入れない」「私には あの人が 何か得体の知れない 怪物に見えた」「それでも 私には ゼクレス王を殺すことは できなかった」と、イーヴに対する呼び方が徐々に他人行儀になっていく様子が描かれている。そして最終的には死の結界を張る(=殺すことにもためらいが無い)にまで至っている。
前述の通り子供時代から歪んでいた部分はあったものの、結婚後に自身が味わった仕打ちと、それに対し夫がメンタルケアとして機能せず寧ろすれ違っていった事が原因で更に狂ってしまったと考えられる。オジャロスによって隠匿されていたイーヴからの手紙を読んでいたら何か変わっていたのだろうか。

イベント・その他

【アストルティア・クイーン総選挙 大予選会!】(2020)

ノミネートされたのだが、これでもかというほど悪役をやってたので、まあ当然と言うかなんというかで最下位だった。ある意味ドミネウスと全く同じである。
同時に結果が出たナイト総選挙にノミネートされたオジャロスも最下位となっており、姉弟揃って最下位となった。
この結果にもかかわらず、魔界のメインキャラクターであるためか翌年にも引き続きノミネート。やや順位を上げたものの、それでも48人中45位に留まった。