概要
DQ3以降に存在するシステム。
宝箱や壷など、「【しらべる】」の対象となるオブジェクトに偽装した【モンスター】。
うっかり調べると正体を現して襲いかかってくる。
基本的に単体でしか出現せず、この【戦闘】では【にげる】ことはできない。
単体出現という性質上、総じて【HP】が高く、2回行動をすることが多いのが特徴。
【ザキ系】呪文や【痛恨の一撃】も得意としており、一撃必殺を狙うことが多い。
パーティ総出で相対してもかなり手強い上、ダンジョンのみならず街中でも出くわすことがあるので、【エンカウント】しないと思って油断していると痛い目に遭う。不安なら【インパス】を使おう。
彼らの大半は調べた瞬間から【不意打ち】を仕掛けてきそうな外見をしているが、戦闘開始時はちゃんとエンカウントのシステムに沿ってくれる。しかし、ヒーローズシリーズにおけるひとくいばこ系統は、実際に開いた瞬間から即噛み殺しにかかってくるデストラップと化しているので注意。
なお、DQ3の【ピラミッド】にあった「宝箱(本物)をあけると【ミイラおとこ】とエンカウント」などは、
トラップモンスターではなく、あくまでそういう仕掛けの罠とされる(インパスでも別扱い)。
これと同じパターンとして、DQ6・DQ7・DQM1では【タマゴ】、イルルカでは【墓】を調べることで戦闘になる罠が登場している。
全トラップモンスターとその系統
宝箱タイプ
DQ3以降の全作品に登場し、最も歴史ある「しらべる」オブジェクトである【宝箱】に偽装するモンスター。ただし実際はFC版DQ2の時点で実装予定だったが没となり、その代わりに【わな】が仕掛けられている。
痛恨の一撃やザキ系呪文を得意としており、【マホトラ】で【MP】の補給を賄うことが多い。
当初登場したのは【ひとくいばこ】と【ミミック】の2種。DQ7以降ではさらなる上位種として【パンドラボックス】、3DS版DQ8では【ヘルギフト】、DQ11ではなぜか巨大化した【ギガ・ひとくいばこ】、【ギガ・ミミック】、【ギガ・パンドラボックス】が追加された。DQ10シリーズでは【パンドラチェスト】も登場する。
またDQ8では、【トラップボックス】なる似て非なる新出の亜種が【ボス級モンスター】として参戦。
DQ3のひとくいばこは【レベル】が低いうちに開けてしまうと、ほぼ【全滅】確定といってよいぐらいの恐るべき【攻撃力】をもつ。まさに即死トラップ。
イルルカでは「踊る」によるチェックが簡便な釣り合いか、トラップモンスターに近付いただけでは正体を現さなくなり、該当の宝箱やツボに触れただけで戦闘になってしまう。おまけにトラップモンスター自体もDQ3のひとくいばこ程ではないがかなり強くなっており、無対策だとパーティがすぐに壊滅する。
「プレイヤーの不用心の代償」という側面が他作品より強調されているともいえる。
DQMJ3も同様の仕様だが、【リアクター】で簡単に判別出来るので普段からチェックしておくと吉。
DQM3では該当の宝箱に正面から近付くと正体を現す仕様に戻った。また、トラップモンスターとのエンカウント時に周囲の他のモンスターがお供で出現するようになった。トラップモンスターの強さは同地域の野生モンスターよりやや強い程度の設定になっており、イルルカの時のような初見殺しに遭うことは少なくなったが、倒しても【ちいさなメダル】を落とさなくなったので倒すメリットも薄くなっている。【エビ師範の修練迷宮】に出現するものは倒すと必ず【経験値の書】を落とす。
モンスターパレードでは【ハンド】=プレイヤーのマウスで触れることでパレード中に見つけた宝箱を取得できるのだが、これがひとくいばこやミミックだった場合はハンドが食べられて少しの間つまみ操作などが不可能になる。
どこパレではマウスで触れるのがスマホでのタップに代わっているが、概ね同じ効果。
壷タイプ
なんと ツボは ○○だった!
DQ5・DQ6・DQ7に登場。【あくまのツボ】、【ツボック】の2種。
ミミック系と同じくザキ系と痛恨の一撃を使う。
【壷】を調べると出現するが、倒しても壷がなくなったりはしない。
PS版DQ7・PS2版DQ5に至っては、【持ち上げ】機能を利用して壷を投げ割った後に戦闘が始まる。
さっき割れたように見えたんだが……本体の外側にさらに壷を被っていたのだろうか?
これらの作品は戦闘が終了すると壷が消滅し、マップ移動すると中身のない壷として復活する。
手順が面倒だが、メニューを開いて「しらべる」コマンドをすれば割らずに出現させることも可能。
3DS版DQ7では割ろうとする瞬間に正体を現して襲ってくるという演出になっている。
井戸タイプ
なんと 井戸の中から ○○があらわれた!!
【井戸】の中に入れるようになったDQ6に登場。
その後DQ7とリメイク版DQ4にも登場した。
【いどまじん】、【いどまねき】の2種に加え、DQ6では【デスホール】、DQ7では【ホールファントム】が存在する。
2回行動は行うが、痛恨もザキ系も使わない珍しい系統。
その代わり他のトラップモンスターよりもさらにHPが高い。
ちなみに井戸にインパスをかけることはできないが、DQ7では【レミラーマ】を唱えて井戸が光れば、そこには絶対にこいつらが潜んでいる。
それ以外の理由で井戸がレミラーマに反応することがないためである。
なお、これらの敵が潜んでいる井戸でも、中に人がいるケースは多い。
先に井戸の中に人が住み着いてから、モンスターがやって来たのだろうか。
本タイプ
なんと 本棚の中から
△△△△が 現れた!!
【本】に化けて【本棚】に潜むタイプ。DQ7のみ登場。
【あくまの書】と【エビルバイブル】の2種が存在する。
DQ7では本棚からアイテムが見つかるケースは存在しないため、井戸同様にレミラーマを唱えて本棚が光ればそこに必ず潜んでいる。
リメイク3や5では本棚にアイテムや重要情報が書かれた本があるので、それと同じつもりで油断していると痛い目を見るトラップである。
PS版ではトラップとして登場した場合、暗闇の中に本棚だけがある専用の背景が用意されている。
タンスタイプ
【タンス】に擬態するタイプ。今のところDQ10、DQMJ3、DQMJ3Pにのみ登場。
DQ10、DQMJ3、DQMJ3Pでは【たんすミミック】が登場するが、DQ10では普通タンスが存在しないような場所にもあるのでバレバレである。
実際のところはたんすミミックの非戦闘時のシンボルがタンスそっくりなだけで、調べればモンスター名も表示されることもあり、厳密にはトラップモンスターとはいえないかもしれない。DQMJ3、DQMJ3Pでは他のトラップモンスターとは異なり突然変異する。
なお、上位種の【パンドラチェスト】はDQ10では宝箱に擬態している(DQMJ3、DQMJ3Pではマップ上に出現せず、配合のみで入手できる)。
ちなみにゲームに登場するはるか以前、DQ7の4コママンガ劇場で「タンスに入ったミミック」はネタとして登場していたりする。
スロットタイプ
なんと スロットマシンは〇〇だった!!
DQ11に登場する【スロット】に化けているタイプ。
【スロットマジーン】、【クレイジーボーナス】、【ジャックポッター】がこれに該当する。
これらの個体は通常エンカ個体と比べてHPが3倍、ゴールドが2倍になっているのが特徴。
ただ、こいつらの擬態するスロットはすべてダンジョン内のど真ん中にあからさまに怪しく鎮座しており、町中で本物のカジノのスロットに紛れていたりはしない。
さらにこの罠スロットが設置されているダンジョンには必ず通常エンカウントの個体も出現するため、先にモンスターのほうを見かけて、スロットを見つけた際に「ははあ、さっきのあいつらが隠れてるんだな」と察してしまった人は多いだろう。
純粋に騙す目的というよりも演出的な役割の強いトラップモンスターである。
なお、こいつらが擬態していないダンジョン内のスロットを調べても実際にプレイはできず、少額のカジノコインが入手できる。
スロットも【インパス】の対象となっているので、戦闘を避けたいならまずインパスで調べてコインだけもらおう。
その他のタイプ
DQ5の【デモンズタワー】では【ばくだんいわ】が岩に混ざっており、押すと戦闘になる。
また、DQ7の【海底都市】では調べると【おどる宝石】と戦闘になる【袋】が1つある。
名前の割に、【わらいぶくろ】が袋に擬態している例は今のところ1回もない。
GB版DQM2の【孤独の世界】では樽の中に【シャドー】が潜んでいるというパターンもあり、これもトラップモンスターといえるだろう。
DQMJ2では各エリアの主からモンスターが逃げる際に落とす袋に「わらいぶくろ」や「おどるほうせき」が混ざっていることがある。
また【メタルスライム】が鉱物に化けている。
イルルカの一部ダンジョンには調べるとアイテムが出て来るオブジェクトがあるが、それらを調べた際に敵シンボルが飛び出して来るというパターンもある。これも一種のトラップモンスターといえるかもしれない。
備考
3DS版DQ7には樽型モンスター【しにがみのタル】が登場しているが、【樽】には擬態しておらずトラップモンスターではない。
DQ6までは基本的にトラップ用モンスターはトラップとしてしか出現しなかったため、一度のプレイで遭遇できる数はあらかじめ決まっていた。
しかし、DQ7・DQ8およびGBC版DQ3・リメイク版DQ4では【モンスターずかん】などが導入されたためか、初登場から大分後になってからトラップモンスターが群れをなして通常エンカウントするようになった。
トラップモンスターは当然単体での戦いを想定して作られているので、集団で出てこられるとべらぼうな強さとなってしまう場合が多い。
あくまの書5匹とか、パンドラボックス4匹とか、もう泣きそうになる。
DQ8ではひとくいばこのスカウトモンスター【バックル】も存在する。
また、DQ3では【あやしいかげ】の正体がトラップモンスターである場合があり、GBC版を除けば図鑑は存在しないものの、集団を相手をすることになる可能性がある。
戦闘開始直後では正体がわからないこともあり、油断していると思わぬピンチを招くこともある。
DQ9のトラップモンスターは青い宝箱にのみランダムで出現する。
ランダムでありインパスも存在しないため、あらかじめトラップであるかどうか判別することはできない。
また何度でも開けることができるため、トラップモンスターと戦うことは何度でも可能。
特に高レベル【宝の地図】の洞窟を宝を漁るときには、パンドラボックスと死ぬほど戦うことになるはずだ。
他シリーズ作品においては、FF4には扉に擬態したアサルトドアーという名前のトラップモンスターが出現するが、ドラクエでは今のところ扉に擬態したモンスターは存在しない。
トラップモンスターではないが、何かに擬態しているもの
調べなくても戦闘になるタイプは、トラップモンスターとはいえないが、オブジェクトに擬態しているモンスターは他にもいる。
特に、シンボルエンカウントとなった作品は、このタイプが多くなる傾向がある。
DQ7の【バロックタワー】では、柱に擬態した【エンタシスマン】と戦闘になる場面がある。
DQ3では【だいまじん】が、DQ10やふしぎなダンジョンシリーズでは【うごくせきぞう】がただの石像に擬態している。
イルルカではサボテンに擬態する【サボテンボール】、ヤシの木に擬態する【トロピカルスライム】などフィールド上のオブジェクトに擬態するモンスターが多数登場した。
インパスは存在しないが、よく見ると本物と偽物で色や形が微妙に異なっているものが多く、主人公のアクションにきっちり反応するため判別は容易。
ビルダーズシリーズでは、土や岩のブロックに擬態した【ボックススライム】があちこちで出現する。
【ヤシの木】?や【ブナの木】?に擬態している【じんめんじゅ】もいる。
スラもり3では【ポンポコだぬき】がアイテムに擬態している。