ゲーム用語/DPS
Last-modified: 2019-11-19 (火) 22:56:46
ダメージ・パー・セカンド(damege per second)の略。
秒単位の平均ダメージ効率のこと。
概要 
- リアルタイム制のアクションゲームなどで用いられる概念で、
与えた総ダメージを経過秒数で割ることで求められる。
また、オンラインゲームなどでは「攻撃役」を指す用語としても使われるため、
それを意味する火力と呼ばれたり、ある意味両者が混在している時間火力と呼ばれる事も。
MHシリーズでは誤用を除けば後者の意味で使われることはなく、
統計データとしてのDPS、つまり「与えたダメージ÷経過秒数」のみがDPSとされる。
- 例
5秒間に5回10ダメージを与えた
10秒間に30ダメージ、70ダメージを1回ずつ与えた
15秒間に2回75ダメージを与えた
これらは全て平均すると1秒あたり10ダメージを与えていることになり、DPSは同じである。
- モンハンでは一部のシリーズを除くとモンスターへの与ダメージは可視化されないため、
統計データとしてのDPSを算出する場合は、ダメージ計算式の理解が必須となる。
ただ、全シリーズを通じて話題になる要素であるため、有志がダメージ計算機を作成している場合もある。
モンスターから受けるダメージは概ね可視化されるため、
そっちのDPSを計算することは比較的簡単にできるが、モンハンのゲームデザイン上ほぼ意味のないことである。
- MHシリーズでは攻撃アクション、及びそれを用いたコンボに要する時間が決まっているため、
机上のデータで良いのであれば、以下の方法で比較的簡単にDPSを算出することができる。
- 1.一定時間(平均を取るのであれば30秒程度)素振りを繰り返し、
その時間内で用いたアクションの使用回数を記録する。
- 2.各アクションのモーション値(斬れ味補正などはこの時点で含めておくのが望ましい)を計算し、
それを合計して時間で割る事で秒間モーション値を算出する。
- 3.ダメージ計算式で使うモーション値をこの秒間モーション値として計算する。
- 上記の計算をしてみるとわかるが、基本的にモンハンでは武器種によって机上DPSが大きく異なる。
例外はあるが、手数の多い武器のほうがDPSが高く、手数の少ない武器のDPSは低い。
「片手剣はモーション値に対してDPSは高い」「大剣のDPSは低い」などと言われるのは、
概ねこの机上DPS計算に基づくものである。
- 一方、モンハンのゲームデザイン上、実際の狩りで統計としてのDPSを測るのはほぼ不可能である。
何故ならモンスターは事実上、常時動き続ける*1からである。
また、モンスターには部位ごとに異なる肉質が設定されており、
尚且つ近接武器にはヒットストップというシステムが存在するため、
仮にモンスターが全く動かない状態でも、DPSが時と場合によって変動する事は十分起こりうる。
- また、斬れ味消費量が攻撃回数に比例するという仕様上、長期的に見た場合
必ずしも手数武器が高DPSとは言い切れない部分もある。
- そして、コンボ中の攻撃が一発でも狙っている部位から外れれば机上DPSに達しないため、
攻撃する時間があっても狙った部位に命中させにくい武器やコンボは実戦時のDPSが振るわない可能性もある。
- モンスターが攻撃し、それによってハンターがふっとばされてしまうと、
当然ながら「時間当たりのダメージ効率」は激減する。
かと言ってモンスターへの攻撃を回避やガードしても、その隙が存在する以上は上ほどではないが
「時間当たりのダメージ効率」は減る。
逆に言えば、モンスターの攻撃を回避やガードしつつ行える攻撃技(太刀の見切り斬り、ランスのカウンター突きなど)は、
机上のDPSは低くても、実際の狩りにおけるDPS向上に役立つ可能性が高い。
- モンハンの各武器種はそれぞれ性質が大きく異なり、直接の比較が難しいということもあり、
数値化できるDPSは比較要素としてよく用いられる。
ただし上述したように実際の狩りにおけるものとかけ離れた結果になる事は珍しくない。
同一武器種におけるDPS比較(コンボパターン・スキル構成など)についても、
アクションゲームである以上使い勝手という問題が生じてくる上に、
そもそもDPSを倍々に上げるような事は不可能であることが多いため、
机上DPSが反映されやすい特定の戦法を除けば、
机上DPSに拘るのはあまり意味のないことであると言える。
- リスクとリターンに対するゲームデザインの関係上、他より発動に時間がかかる攻撃、
特定の状態やコンボの閉めにしか撃てない攻撃が混ざるコンボはDPSが高い傾向もあるが
結局使い勝手として「弱点にフルヒットさせられるか」を問われると難しい場合も多く、
極端にモーションが長いものはゴミと断ぜられるケースもある。
- しかし通常の狩りでもスタンや罠、大ダウンなど局所的に止まった相手を攻撃し放題になる場面、
いわゆる「チャンスタイム」も存在し、その際にどのコンボを優先するべきかの知識として
机上DPSが高めで当てやすいコンボを知っておくことは狩りを楽にするうえで重要な事ではある。
- また、当然ながら机上DPSはシリーズによる仕様やスキルの違いによっても変動するため、
一作毎、またその作品内でも大幅アップデート毎に完全に別に考えるべきである。
- 例えば、片手剣で比較すると強烈な斬れ味補正のかかっているP、コンボの長く繋げられる3以降は高くなっている。またMHX(X)では水平斬り、斬り返しの出せないエリアル、ブシドースタイルはDPSが低めである。
- 机上DPSが低いと言われる大剣についても、MHP2G、MH4系、MHXXのブレイヴ、MHFのような例外となる状況がある。
- MHWでは『FF14』とのコラボモンスターであるベヒーモスの強化個体である極ベヒーモスは
同作に存在する「一定時間以内に指定数値以上のダメージを与えないと敗北」という仕様を
そのまま実装しており、この仕様の通称が原典と同じく「DPSチェック」と呼ばれている。
原作では全滅確定技が放たれるのに対し、こちらの極ベヒーモスは一応回避可能なエクリプスメテオとなっている。
MHFにおける事例 
- MHFでは、かつて徹底的なまでに机上DPSが重視される風潮があった。
これは初期の頃はハメによる狩猟が非常に多かったため、完全拘束前提、
つまり机上DPSがそのまま実際のDPSに反映されてしまうケースが多く、
しかもPTの最高火力で挑むことが前提の体力設定であるモンスターも少なくなく、
1秒でも早くクエストを回すことが絶対正義であった過去のMHFにおいて、机上DPSは最重要要素だったのである。
- また、MHFはオンラインゲームであり、現在ほど利用武器種の単一化傾向が進んでいなかった背景から、
かつては他のオンラインゲームにおける「火力職」がどの武器種になるのか、
についての追求も凄まじかった。
この「火力(職)か否か」の判定に使われたのが机上DPSであり、
本来統計データに過ぎないDPSと、オンラインゲームにおける「火力(職)」を混同する向きもあった。
(このため武器種の性能=机上DPSの高さと捉えているプレイヤーも少なくなかった)。
これは他のシリーズにも少なからず影響を残している。
- 現在のMHFでは、DPS至上主義は遠い過去の話になっている。
2014年以降DPS計算が精力的に行われなくなり、掲示板などでは未だにそのような話題が出ることもあるが、
それをベースにした武器種の比較は同年を機に行われなくなり、
攻撃手段・スキルのDPS比較も、環境が複雑に変化して直接比較できなくなった2016年以降は行われなくなった。
- このようは変化が起こった最大の理由は2012年後半以降、MHFプレイヤーの間で
「机上DPSではなく使い勝手」が強く重視されるようになった事が挙げられる。
ターニングポイントとなったのはフォワード.5の覇種、
そしてMHF-GGの穿龍棍の実装であるとされる。
詳しくは上記リンクを参照してほしいが、どちらもMHFプレイヤーの意識を大きく変えた出来事であり、
その後ハンターの基礎火力の向上とそれに伴う効率至上風潮の衰退、
使用武器種の単一化傾向進行に伴い「一定以上の戦闘力」は重視しつつも、
DPSという統計データでの評価はされなくなった。
- 例えばフォワード.5では太刀の秘伝防具が非常に高い人気を誇るようになったが、
秘伝防具の作成難度の高さなどから、覇種防具と剣術+2を組み合わせ、
単純DPSで秘伝防具に近い数値になる構成を対抗馬として示す向きもあった。
ところがこの組み合わせは当時様々な面で秘伝防具に比べ使い勝手が悪く、
「いくらDPSが高くても使い勝手が悪いなら選択肢に挙がらない」とする声が多かった。
ちなみにこれと全く同じ議論がMHF-G9でも起こっている。詳細は太刀の記事を参照のこと。
- また、MHF-G時代に最も高い机上DPSを有していたのは双剣の乱舞旋風無限ループなのだが、
この技は連発するのは隙が大きすぎて使い勝手が悪く、
メインコンボとして運用するのは適さないという見識が一般的である。
- 2014年以降はハンター側のインフレなどもあり、PT募集についても、
集めやすさ・クエスト成功率も含めた総合的な回転効率
(ある意味ではこれも使い勝手)が重視される傾向にある。
MHF-G時点で最高最強のDPSを有するのは、
G級進化武器Lv100+剛撃+5&不退ノ構&秘伝スキル+火事場発動だが、
この構成を厳密に指定するのは野良募集では絶望的にハードルが高い
(つまりPTの集めやすさに重大な支障が出る)。
また火事場発動はクエスト成功率とは基本相反するものであり、
不退ノ構では火事場発動時の「保険」も失われてしまう。
野良PT募集においてはPT全体の机上DPSを極限まで重視する事によって上のような問題が出る事も、
DPS至上が廃れた理由の一因であると言える。
- MHFでは上記の影響から、各武器種の30秒(もしくは10秒)間DPSを計算・掲載する、
専用のwiki
が存在する。
だがMHFで爆発的に普及した穿龍棍のDPSは掲載されておらず(従来の測定条件では図りづらい)、
他武器種についての更新も現在では殆ど行われていない。
MHFで既にDPS至上主義が過去になっていることを示す好例だろう。
類似用語 
- MHFでの影響もあり、単に「火力」といった場合は(机上)DPSを指すことが多い。
上述したように厳密に言えば正しくはない*2が、MH界隈では火力=DPSで広く浸透してしまっている。
この「火力」だが、似たような言葉でこんがらがる初心者も多い。
ある意味対極とも取れる言葉もあるので、何を指す言葉なのかをよく考える必要がある。
時には間違って覚えてしまい、延々と噛み合わない議論を交わす人も。
- 「威力」という場合には単発のダメージ量を指す場合が多い。
例えば「大剣の溜め斬りは威力が高い」などという風に使われる。
これも厳密に言えば「モーション値」とほぼ同義であり、
統計データとしての時間当たりダメージ効率を「火力」と呼ぶにあたって、
対極と言える1アクション毎のダメージを「威力」と呼ぶようになったものと思われる。
冒頭で述べた例で言えば「片手剣は威力が低いが火力は高い」
「大剣は火力が低いが威力が高い」といった具合である。
ただしモンハンでは、モンスターの攻撃アクションに設定されている
「威力値」があるため相当紛らわしい。
- ある武器種のコンボにおける統計ダメージ効率を語る際に用いられる「MPS」という用語もある。
こちらはモンハン独自の造語に近い、モーション値・パー・セカンド(motion value per second)の略。
上で書いた机上DPSの算出方法における、2番目の「秒間モーション値」がこれ。
DPSはその算出に多大な労力を要する上に使用武器や肉質によって大きく変動してしまうため、
より単純化した指標として武器の攻撃力・斬れ味・属性値を一切考慮しないMPSが用いられる。
ただしこれも、モンスターが動くことは前提にしておらず、属性値も考慮されていない。
「コンボの隙」(MHFの項で述べた使い勝手)も基本考慮しようがないため、
参考にできるかは状況や相手によりけり。
あくまでも簡易的な参考値であると心がける必要があるだろう。
- ボウガン使いがよく用いる用語に「総火力」というものもある。
火力と付くがこちらはDPSと直接は結びつかない。
総火力は「メイン弾を撃ち切ったときの総ダメージ量」を指す。
ボウガンの弾はどうしても持ち込み数に制限が存在し、弾種によっては調合材料すらも入手困難である。
そのため、仮にDPSが高い弾丸や攻撃手段を用いたとしても、
それが直ぐに弾切れになるようでは却ってダメージ効率の低下を招きかねない。
特にソロでボウガンを使う場合や体力の高い高難度クエスト、そして複数頭クエストで重要視される要素となる。
- ここで言うメイン弾とは、ハンターの装備及びモンスターとの相性などを考慮した場合、
「主力にすることができる弾丸」を指す。
例えば、LV1通常弾は弾数無限故に総火力は最高だが、1発自体の威力は低過ぎるので主力にすることは難しい。
- 例として「通常弾と火炎弾を撃てるボウガン」と「火炎弾しか撃てない」同攻撃力のボウガンを用い、
火炎弾と通常弾がどちらも均一に効くモンスターに挑んだとする。
この場合、火炎弾だけで狩猟できるのであればDPSに変動はないが、
火炎弾だけでは削りきれない場合、弾切れ時の与ダメージ効率は後者が大幅に落ちてしまう。
この場合は前者の方が「総火力が高い」と評される。
- 近作のMHXXでわかりやすい例としては「主力としてボルテージショットでLV1貫通弾を撃つガオウ・クオバルデやコルム=ダオラ」だろう。
両者ともLV1貫通弾が尽きるまでは優れたDPSを誇るものの、それが尽きてからは強化スキルも付いていないだろう属性弾をしゃがむか、
通常弾の立ち撃ちで戦うしかなくなり、DPSが大きく下がってしまうというケースを見たことがある人も多いだろう。
- また、作品にもよるが概ね貫通弾より通常弾が、
高レベル弾より低レベル弾の方が調合込みの弾数は多くなる(拡散弾などの例外もあるが)。
この場合総火力は、沢山調合できる弾の方が上がる傾向にある。
ボウガン使いならば、クエストの内容やPTの構成に応じて、時には弾の在庫も見て、
DPSと総火力を天秤にかけて武器を選べるようになるのは必須技能と言える。
- MHFでは弓も総火力を考慮すべき事象がある。
通常はあまり意識されないが、消費特効スキル発動時は、
「DPSを上げて総火力を落とす」という状態になるためである。