VIPカー

Last-modified: 2022-09-16 (金) 01:02:26

主にセダンの高級車に豪華な装飾を施した改造車の総称、俗称。あるいはその改造形態のことである。

その起源についてはいくつかの説があり確たる説は不明だが、暴走族の車両改造スタイルとして発祥した改造車であるとする見解は多くに共通している。
 

主な説としては、

  • 関西圏では、阪神高速環状線における警察の環状ローリング族撲滅作戦により走れなくなった暴走族チームの一部が、車をシビックなどから旧型の高額自動車の安価な中古車に乗り換えて改造をしたのが始まりとされる。
  • 関東圏では暴走族車両として、ハイソカーと呼ばれた4ドアハードトップ車を改造するジャンル、いわゆるチバラギ仕様*1が根付いており、その延長線上であるという認識もある。この傾向は仙台を中心とした東北地方でも見られる。
  • また、一時メルセデス・ベンツの一部門であるAMGや、ケーニッヒのチューンドカー、特に1980年代後半の黒系でまとめられた中古車をモチーフとして改造されることも多く、これが起源であるとする説もある。
     

改造内容や特徴としては

  • 外装は、大径・大音量マフラーへの換装や、ローダウン、エアロパーツの取り付け、アルミホイールやフェンダーの大型化、ホイールとボディーの段差をなくす*2、鬼キャンなどの改造がされる。また原色系の派手な塗色も好まれ、場合によっては塗り替えられる。
  • 湾岸にあまり関係ない内装は、応接間をモチーフに大理石調や木目調の装飾が施されることが多い。その他、房などを用いた和風の装飾、原色や光り物などを用いた派手な装飾など様々である。なお、スモークフィルムの貼り付けがなされることも多いが、夜間などに見えにくくなることから規制がされている。
    最近では比較的シンプルな改造や、白や黒の控え目な塗色が好まれる。また古い年式の車種では、いかに現代的にみせるかといった改造が主流で、現行車種のライト類を移植したり、その純正色で全塗装をすることもある。
  • 内装は多数の小型モニターや大音量のオーディオ・ウーファー、発光ダイオードやネオン管などの電飾を装備しているものが主流である。 このほか、車高を低くみせるためルーフを黒く塗装することもある。さらにこの流れからヨーロッパのチューナーなどを意識したユーロスタイルや、そのユーロスタイルをベースにして、スーパーカーなどの外観の造型を意識してのエアロパーツの加工などを行ったハイパーユーロと呼ばれるスタイルが生まれている。湾岸ではこのようなエアロパーツが多い。
     

2000年代初頭には運転席や助手席にバケットシートを入れ各種追加メーターやスポーティーハンドル、ロールバー、外装に後付け牽引フック、GTウィングやボディにダクト加工、直径130mm以上の砲弾型マフラー、大振りなオーバーフェンダーに18インチのマイスターやエクィップなどのホイールをショルダーツラに合わせるスポーティーVIPが一時期流行した。ハイパーユーロ系エアロよりもこちらのようなエアロが湾岸には多い。

湾岸ミッドナイトではガッちゃんが自らのセルシオを「走り屋風VIPカー」と銘打っている。


*1 千葉と茨城を合わせた造語
*2 面一―ツライチと呼ばれる