概要 
DQ4・DQ5に登場するダンジョン。
選ばれし者を【天界】へと導く聖なる【塔】で、両作にまたがって登場する極めて珍しい建造物。
名前は「天空の塔」ではなく「天空『への』塔」。
天空3部作の中でDQ6にのみ登場しないが、「【天馬の塔】=天空への塔」という説が、すでにSFC版の頃からまことしやかに流れていた。
実際、DQ6の世界(の時系列)はDQ4やDQ5の過去にあたるため、天空への塔が存在していたとしてもなんら不思議ではない。
リメイク版では、天馬の塔のフィールドシンボルが天空への塔と全く同じ意匠に変更。内部にDQ4やDQ5と共通する仕掛けが追加されていたり、DQ11の【冒険の書の世界】に登場する天馬の塔に【フレイムドック】のように元々天空への塔に生息していたモンスターが確認されたりしたことで、この説の信憑性は高くなった。
だが公式から明言はされておらず、真相は依然プレイヤーの想像に委ねられている。
DQ4 
その名の通り勇者たちを天空へ導く塔。【ゴットサイド地方】南部に存在する。
入場条件が設けられており、その条件とは
- 【勇者】がバトルメンバーであること
- かつ勇者が、天空の武具である【てんくうのつるぎ】【てんくうのよろい】【てんくうのたて】【てんくうのかぶと】を全て装備していること
上記の条件を満たしていないと「しかくなきものよ たちさるがよい!」と言われて強制的に門前払いされる。
このため【パノン】との旅はここの入口で打ち止め。ストーリーを進行させるには、必ず彼を天空の兜と引き換えなければならない。
この判定はここに入り直す度に行われるが、あくまで入場のためのチェックポイントなので一度でも内部に入ってしまえば装備を変えても問題ない。特に強化前でなまくら具合の目立つ天空の剣は他の武器に持ち替えた方がよいだろう。
ちなみに装備さえ整っていれば、仮に勇者が棺桶の中にいる状態であっても通過はできる。
ただし退出の声が出現するマスを通過しても、塔内部に入る前に装備を変更してしまうと退出させられてしまうので注意。
なお塔入口の一歩手前でそれが起こると、フィールドに出る一歩手前までしか戻されず、入口のマップに踏みとどまることができる。ちなみに上を向いていないと退出の声が出現しないようなので、塔入口の一歩手前でいったん横を向き、天空装備を外してからあらためて上に進んで塔内部に入ろうとすると、塔入口に重なった状態で退出メッセージが出るが「たちさるがよい」と言われたにもかかわらずそのまま中に入ることができるという珍現象も起こる。
この場合も塔内部で一時的に操作不可になるが、下方向に移動するわけでもなく、数秒で操作できる状態になる。
いずれも特にメリットは無く、武具を揃えずに侵入するような技は存在しない。
こんな具合で人間に対する入場セキュリティはやたらと厳しいくせに、魔物が自由に出入りできているのはなぜなんだろうか…。勇者に試練を与える為に運ばれたのだろうか?
地上世界のラストを飾るほか、前々から少しずつ張られていた伏線が回収される重要な地とあって、プレイヤーのモチベーションも上がること間違いなし。
その分難易度は高めで、10階構成と非常に長く構造も複雑。
階層数二桁はシリーズ初であり、前々作以来久々の高層構造の塔である。
【魔神像】と同じく、前作までにはなかった「外観と内部」の概念を持つダンジョンであり、外と中を行き来しながら登っていくため、より強くその概念が強調されている。
他の塔のダンジョンとの大きな違いとして、上層階から落下して下層に移動したりフィールド上に出たりといったギミックが全くないことがあげられる。
ここまでの主要なダンジョンと同様に【馬車】を持ち込めないので、一軍を厳選して連れていく必要がある。といっても奥にボスが鎮座しているわけではないので、どちらかというと雑魚戦向きのメンバーが推奨される。
モンスターも勇者への試練のごとく【ライノスキング】などの強敵が出現。【ザラキ】を使う【しにがみきぞく】も現れるが、FC版でノーヒントで出会えたならむしろラッキーだろう。ただし、これら2種のモンスターは強敵な分必ず単体出現でかつ出現エリアも限定されているので、スペックほどの脅威は感じないはず。
最上階まで登り詰めると、マップチップなどは今までのフロアと変わらないまま突如BGMが変わり、まるで別世界となる。そしてモンスターも出現しなくなる。
今までとは大きく異なる初めて聴く美しいメロディーに、安堵と感動を覚えたプレイヤーもいたのではないだろうか?
中央には祭壇があり、そこに立つと雲が現れ、自動的に【天空城】まで運んでくれる。
なお公式ガイドブックでは最初の方のフロアのみしか載っていないが、集英社の【奥義大全書】の袋とじでは階段が非掲載であるものの全フロアが載っているという逆転現象が起きていた。
リメイク版 
構造が変化。浮遊する【エレベーター】などが設置され、天空へと至る地にふさわしい神秘的な雰囲気がよく出ている。
リメイクで高所恐怖症設定が追加された【クリフト】は案の定盛大に泣き言をかますが、上層になるにつれ泣き言すら言えなくなってくる。
それでも戦闘にはしっかり参加してくれる。見上げた根性だ。
1階には【メタルキング】がよく出現するようになり、隠れたレベル上げスポットとなった。
ただ馬車を連れてこれないのは相変わらずでなので、レベルの均等化に使おう。
一方強敵のライノスキングとしにがみきぞくの出現エリアが広がった上、複数出現するようになったので注意が必要。
入場条件に関しては、
- 勇者がバトルメンバーに参加していること
- かつ、天空の武具が勇者の持ち物、もしくは【ふくろ】の中に入っていること
と緩和され、天空シリーズを装備している必要はなくなった。
しかし、ふくろに入れずに勇者以外のメンバーに持たせた状態だと入れないので注意。入り直す度にチェックされるのは変わらないが、この変更のおかげでほとんど気にならなくなった。
DQ5 
前作の時代から地形が大幅に変化したにも関わらず、前作と同じく世界の中心に存在する。
塔のある中央大陸そのものは青年時代前半の【船】入手直後から上陸できるが、肝心の塔に辿り着けるのは【まほうのじゅうたん】が手に入る青年時代後半になってから。
青年時代前半では、この中央大陸の【エンカウントエリア】が最も【エリアレベル】が高く、フィールドとしては唯一【はぐれメタル】が出現する場所となっている。また、青年時代前半のうちに【エリミネーター】を勧誘したい場合はここで粘ることになる。ここでは主人公のレベルが24以上から勧誘可能になる。
島内のエリアレベルは【デモンズタワー】より高く31もあり、青年時代前半のパーティーで挑むにはかなり危険度が高い相手なので無理に近づく必要はないのだが、【ポートセルミ】から順路通り南に向かう際に途中でそばを通るため、うっかり上陸しかねない。
青年時代後半ではエンカウントテーブルが入れ替わってこの周辺は前半よりもさらに強敵に変わっており、エリアレベルも3上がって34になる。はぐれメタルが出るという点は同じで、エリミネーターが出なくなる代わりに仲間モンスターとしては【ケンタラウス】、および【マドハンド】に呼ばれる【ゴーレム】が勧誘できる。
なお、塔の北側の湖には【妖精の城】が隠されている。
肝心の塔だが、天空城が墜落した影響か随分荒れ果ててしまい、天空城へ繋がるどころか上部は崩壊、消滅してしまっている。
それが理由かどうかは不明だが、前作のような入場チェック機能も失われ、本作ではフリーパス(ちなみに天空城の方も浮上後含めて常時フリーパスである)。
内部は一部が風化による変化を起こしているものの、前作とほぼ同一のマップになっている。
敵もあまり強くないが、加入したてでレベルの低い子供2人を連れているとやや鬼門。
【スライムベホマズン】や【ソルジャーブル】など有用な仲間になるモンスターもよく出るので、攻略した後でもここを再度訪れることはあるだろう。
シナリオ上は【エルヘブン】の直後に行くことになるが、塔の内部のエリアレベルは周辺フィールドからさらに1上がってLv35(エルヘブン周辺のフィールドと比べると3も高い)。つまりここでの仲間勧誘は主人公のレベルが28以上必要なので注意。
前作と同じく屋内と屋外を行き来しながら登っていくタイプのダンジョンで、屋外のエリアでは【ルーラ】や【キメラのつばさ】が使用できる。【リレミト】ができる【主人公】を連れて来なかったり死亡したりした場合には覚えておくと便利。
一番上まで辿り着くと天空人がおり、【マグマのつえ】を入手できる。
この天空人から「天空城が湖の底に沈んだ」という事実と、この杖を使うことで洞窟の岩を溶かし、天空城を目指せることを教えてもらえる。
肝心の天空城が沈んでいる場所までは教えてもらえないが、魔法の絨毯でまだ行ったことのない場所をくまなく探していれば岩山で閉ざされた【トロッコ洞窟】を見つけることはそれほど難しくはないだろう。
つまり、直接天空城へ行くことこそできないものの、天空城に入る手段を得たという意味では、本作でも「天空へ通じる塔」の役割を果たしたことになる。
塔の北側には【天空城】を着陸させておくのにちょうどよい感じの広さの砂地があるが、天空城を入手したあとはイベント上は特に訪れる用事はない。
仲間モンスターの勧誘などで塔に再訪したい場合はここに置いておけばルーラポイントとして使えるだろう。
リメイク版 
PS版DQ4では構造が大きく変更されていたが、PS2版DQ5での内部構造は何故かSFC版とあまり変わっていない。
しかし、DS版以降ではリメイク版DQ4とほぼ同一のマップになっており、天空シリーズの統一性に一役買っている。
天空城が墜落して、塔が風化しているにも関わらずエレベーターは機能しているようだ。