概要
旅をしながら商売をする【商人】。いわゆる「行商」と呼ばれるスタイルである。
ドラクエ世界ではわりとポピュラーな存在で、様々な場所で【NPC】として登場する。
DQ4以降、独自のグラフィックが用意されて一般の商人のNPCと区別されている。自分のお店を持つ【トルネコ】も、ある意味では旅の商人である。
グラフィックは大きく分けて2種類が存在し、トルコ帽とショルダーバッグが特徴の老人(あるいはおじさん)と、ターバンをかぶったおじさん。
いずれも、我々現実の世界のイスラム圏の民族衣装であり、イスラム商人を意識したものとなっている。
余談だがこの衣装は【不思議のダンジョン】の【風来のシレン】シリーズにも一部受け継がれており、『風来のシレン2 鬼襲来!シレン城!』ではもっぱらこれを意識したであろう「行商人」が登場する。
リメイク版DQ3とDQ6では、【おおごえ】で呼び出せるNPCのひとつになっている。
ドラクエでは基本的に全世界で物価が統一されているが、これらはもしかすると彼らが命懸けで世界を巡って商品を流通させているおかげかもしれない。
なお、DQ3およびDQ6におけるプレイヤーキャラクターの【職業】の商人も、パーティの一員として旅をしているものの、実際に商売をしている形跡は見当たらない。
DQ2(リメイク版)
【ラダトーム】の城に1人だけ登場。
【ターバン】を巻き、紫の上着を着た独特の風貌をしている。
【ドラゴンの角】南の砂漠のオアシス辺りから来たのだろうか?
彼と話すことで、【ふねのざいほう】が沈んでいる場所が光るようになる。一応、その光が現れずとも船の財宝自体は拾えるが、あまりにも現実的でない。
リメイク版DQ1にはこのグラフィックのNPCは登場しておらず、このラダトームの商人が唯一の存在である。
ガラケー版以降
普通の商人のグラフィックになっている。
DQ3(リメイク版)
【ポルトガ】などで登場。特に目立った行動は無し。
HD-2D版
【ダーマ神殿】・【ジパング】・【グリンラッド】等、以前は買い物できなかった場所に登場して、買い物できるようになった。
DQ4
概要欄でも述べた通り、本作で初めてNPC用に独自のグラフィックが登場。
また、第三章の主人公である【トルネコ】は、まさに旅をしながら商売をする【商人】である。
さらに、なんと第三章限定で、フィールドでエンカウントする【道具屋】や【宿屋】が登場する(後述)。
町にも期間限定で商売をする行商人が初登場。第二章の【砂漠のバザー】の店や、第五章の【コーミズ】の【宿屋】にいる商人がこれに相当する。
また、第五章では、【トルネコの特殊行動】の一つとして、「旅の商人達」を呼んで連続攻撃をするというものまで登場。
まさに、本作は「旅の商人」が最もフィーチャーされた作品だろう。
以下に述べる通り、【第三章 武器屋トルネコ】に登場するシステムが圧巻。
同章ではフィールド上を歩いていると、普通のモンスターとのエンカウントと同じ要領で、旅の商人が出現する場合がある。
余談だが、モンスターデータの中に「たびのしょうにん」というデータが格納されている。
エンカウント時の演出は戦闘と同じだが、戦闘曲ではなく町のBGMが流れ出す。そして画面が切り替わると戦闘と同じ黒い画面に、先述のトルコ帽タイプの商人が現れて商売を始める。肌は褐色。
出現する店は【道具屋】と【宿屋】の2パターン。
道具屋は【やくそう】や【キメラのつばさ】といった基本的なアイテムを売っている。もちろんトルネコのアイテムも買い取ってくれる。
宿屋はその場でHP・MPを全快できるが、同時に1日が経過してしまうので、【スコット】や【ロレンス】を雇っている場合は要注意。
移動する宿屋がどうやって営業しているのか気になるところだが、キャラバンのテントで休ませてもらうとか、そういう感じだろうか。
ちなみに【栗本和博】は4コママンガ劇場で「寝袋+商人の添い寝(腕枕付き。だがワキガ)」という斬新なスタイルで描いていた(2巻P23)。
モンスター扱いのためか【鳥山明】にデザインが発注されており、【鳥山明 ドラゴンクエスト イラストレーションズ】ではNO.46の番号が振られている。
かなり異色のシステムだが、利便性の程はかなりお察し。
実際、出現率は低い上に狙って出会えないので、出てきて欲しい時に出てこない一方で、逆に無用の場合に頻繁に出てくる、といった場面の方が多い。
第一、この章はDQ4をやり慣れたプレイヤーならば、【レイクナバ】から南下して以下【ボンモール】と【エンドール】をマーキングしたら、後は【キメラのつばさ】による移動でほぼクリアできてしまう。
よって、旅の商人と出会う以前にそもそも【エンカウント】という現象自体が片手の指で収まるほどにしかないというプレイヤーもいる。
あえて言えば、そうしたキメラのつばさによる移動での攻略のため、Lv1でボンモールやエンドールに向かう途中にエンカウントし、旅の商人が出てきてホッと一息なんてことは時々あるので、そういった意味ではありがたい存在と言える。
ちなみに、フィールド上に現れる施設という設定は、後に発売されたDQ6やリメイク版DQ3において、先述の商人の特技「おおごえ」として形を変えて採用されているが、あちらにはキャラクターのグラフィックは登場しない。
リメイク版
フィールドグラフィックは、DQ7以降のターバン系に変わった。
【移民の町】の導入により、PS版では【移民】のカテゴリーとしても登場。
通常の商人同様、【プレミアムバザー】を作る上での要員となる。
該当者は【ウルエス】・【エバンス】・【グレント】・【コディ】・【サラーム】・【ゼニー】・【ツビット】・【ティム】・【ブラーノ】・【ヤーム】・【レビロ】・【ロンソン】・【チミン】の13名。
DS版以降はシステムの変更に伴い、カテゴリーとしては登場しない。
エンカウントする方のグラフィックは、道具屋のときはトルコ帽のままだが、キャラのグラフィックが若干アレンジされ、リメイク版DQ3の【すごろく場】の【よろず屋】のものに変更された。
トレードマークのトルコ帽はそのままだが、時代の変遷の影響からか、口にくわえていたパイプがなくなっている。
宿屋の場合はPS版の場合、道具屋とは異なる中年のスマートな体格の黒ヒゲオヤジであり、背景にはテントが描かれ差別化されている。
さらに、第三章で取得可能な称号の一つとして登場。
称号の取得条件はトルネコのレベルが5~6で、【トムの息子】を救出していない場合。
DQ5
幼年時代の【ラインハット】にいる防具屋や、【テルパドール】の領内で行き倒れている【道具屋】などがいる。
一応、グラフィックは異なるが、幼年時代の【妖精の村】にいる【よろず屋】も旅の商人だろう。
また、【ルドマン】の知人としても登場する。
ルドマンに色々と情報提供をしているようで、ルドマンはこのような旅の商人との交流を通して世界中の情勢の把握に努めているようである。
なお、上記の人物と同一人物か不明だが、夜の【サラボナ】の宿屋には子供と旅をしているシングルファザーの旅の商人が宿泊している。
DQ6
シナリオ開始も間もなくして【シエーナ】(【マルシェ】)のバザーで、大量にお目に掛かるだろう。
中にはあこぎな商売をしている者や、割とまともな商売をしている者、時には我々現実の世界の朝の市場の競りの如く競争心を燃やす者も存在する。
【せかいちず】を売ってくれるお店の商人は、これが適正価格なのかどうか微妙だが、ここでしか入手できないので、しっかり【ゴールド】を貯めよう。
上の世界の【レイドック】では、暴れ馬と遭遇したという旅の商人が登場する他に、下の世界のレイドックでも、期間限定で道具屋をやっている。
他にもNPCとしては世界各地で見掛ける。中には井戸底で商売をする猛者もいるが。
DQ7
PS版では、【移民の町】のカテゴリーの1つとして登場。
【トンヌラ】をはじめ、ウルッチャ・オマリー・キキモミ・シノー・バイアル・ポケンテ・ボサンク・ミラッカ・ラヘド・リーバン・ルーベルの総勢12名。
やはり、【プレミアムバザー】を作る要員となっている。
なお、リメイク版では移民システムの変更に伴い、カテゴリーとしては登場していない。
DQ8
グラフィックは再びトルコ帽に戻ったが、デザインは小さいおじさんに刷新された。各地で行商をしている。
序盤では【船着き場】でよく見掛け、シナリオが進めば【サザンビーク】のバザーで露店を開いている他、人気のない道中で商売をしている【商人のテント】なども登場する。
なぜか異様に背丈が低く、お店のカウンターに顔が隠れてしまっている商人もいる。
台の上に乗るなり、カウンターを低くするなり、何かしらのやり方はあると思うが。
一応、カメラ視点を切り替えると居るか居ないかが分かるので、そこで判別できる。
DQ9
やはり、各地で行商をしている。
往年のトルコ帽の老人と、ターバンを巻いたおじさんの2種類が共演している。
【リッカ】の父親の【リベルト】に往年のトルコ帽タイプの旅の商人のグラフィックが当てられている。
この人は町の宿屋の経営者であって、旅の商人ではないのだが。
DQ10オフライン
各地で行商に向かう【馬車】に便乗できる。
固有グラフィックは無いが、馬車に乗った商人はベストを着ており、そうでない商人もターバン着用が多い。
賢者クエスト【ドルマ★レッスン】では【ドルワーム王国】の酒場に【ドワーフ】の商人がおり、ランガーオ村外伝クエスト【戦いの呪縛】ではエルフの【トザン】と出会う。
DQ10オンライン
まもの使いクエストではロッチェとチャーノというドワーフが登場(前者は賢者クエストの商人と同一)。
Ver.5の魔界で旅の商人を名乗る【テンツク】がNPCとして登場。
DQ11
各地で行商をしている他、【キャンプ】の場所にいる場合があり、装備品や素材などを販売してくれる。
ただし【ダンジョン】内部等のキャンプポイントでは登場しないため、フィールド限定。
素材は町の【道具屋】では売られていない場合が多く、特定の旅の商人限定の商品もあるので、キャンプごとにチェックした方が良い。
世界が異変に襲われ広範囲が焼け野原になろうが、勇者の星が落ちてくる【バクラバ砂丘】だろうが、邪神が復活し凶悪なモンスターが地上を闊歩しようが、行商を続ける商魂たくましすぎる奴ら。
「キャンプから出られなくなってしまっただけ」では?とか言ってはならないが、【ナプガーナ密林】等では普通にフィールド上で商売している剛の者も登場する。
トルネコ3
シナリオでは【海底の家】に初めて到達した際に【よろず屋】が椅子に腰掛けており、ここでは期間限定で【オーシャンロッド】・【いかずちの杖】等のアイテムを販売してくれる。
なおこのよろず屋は【海竜の灯台】に海竜の聖火を灯すイベントを終えると、【ベッド】に寝込んでしまいアイテムを販売してくれなくなる。
特にのちの【異種合成】に使用する分のいかずちの杖を回収している場合は要注意。
行商の港町として栄える【コスタリベラ】の街中では、至る場所で商人達が商売を行っている。まさに雰囲気にぴったりである。
また【グレートバレイナ島】の地上マップを歩いていると【バレイナのほら穴】の代わりに「謎の商人」が低確率で出現する可能性がある。
【トルネコ】と【ポポロ】で販売されるアイテムが異なり、更には【ヘルジャスティス】が復活して紫色の霧で覆われていても普通に商売する辺り、かなり凄い人物である。
トルネコでは【5発の大砲の弾】・【大砲の壺】・【マルチアロー】の3種類、
ポポロでは【うみどりの爪】・【万能の杖】の2種類を販売している。
どちらかと言えばポポロで冒険失敗した場合の救済措置に近い。
なお【冒険の履歴】には「マルチアローを手に入れた」の項目が存在するので、項目を埋めるにはこの謎の商人を一度でも探し出さなければならない。
また公式HPでは謎の商人について触れられており、デモプレイ画面の画像も公開されているが、当時のネタバレ防止の意義からか、販売画面の【ウィンドウ】からマルチアローだけ隠されている。
恐らくは上述の「冒険の履歴」の穴埋めのヒントになってしまうのを防ぐのが目的だろう。
ヒーローズ2
【ゴルダ砂漠】にいる。
往年のトルコ帽だが、細身の中年男性の容姿。
シアトリズム
【すごろく場】の草原マスのイベントでまれに登場するが、グラフィックとしてはDQ7までの緑服の商人。
品ぞろえは【よろず屋】と同じで【まほうのサイコロ】が基本、低確率で【コレカ】や【オーブ】。