概要 
ファイナルファンタジーにおいて度々登場してきた、近現代または近未来的な要素。
機械が関係している場所は、多くの場合は他のエリアと比べて明らかに異彩を放っていることが多い。
が、世界観が近現代に近いFF6やFF9は機械技術がある程度普及したスチームパンク的世界観となっており、
FF7やFF8ではさらに技術が進歩し、現代技術をも超えたSF的な世界観になっている。
また、FF1のルフェインやFF5のロンカ文明など、高度な技術力を持った文明が生み出した
ロストテクノロジー的なものとして扱われているケースも存在する。
ファンタジー世界においては、基本悪役な描かれ方をされる不憫なポジション。
仮に機械技術が普及した世界観であっても、最新技術は敵対する大国が余さず独占しているなんてことは日常茶飯事。機械兵器の強大な力で無辜な人々を蹂躙していくのはテンプレ中のテンプレといえるだろう。
そして技術に溺れ自滅していく姿も多々見られる。
逆に過去の遺産やオーパーツなんかだと主人公側が使用することも多かったりする。
→アビリティ/【きかい】、バトル/【機械】、モンスター/【機械】、地名・地形/【機械】
FF1 
古代ルフェイン人の遺産として飛空船が登場。
また、彼らが建造したと思われる浮遊城が存在する。
はるか昔に存在した超文明というのはポピュラーな設定だが、単なる言い伝えに留まらず、
前者は主人公達の移動手段として登場、後者は宇宙にそびえる城と、形を残して登場し、
そのスケールは初作から凄まじいものであった。
また、浮遊城へ至る道であるミラージュの塔と、浮遊城へのワープに必要なワープキューブもある意味機械技術の産物と言える。
飛空船でも辿りつく事が出来ない遥か高空に辿りつくための転送装置と、その起動スイッチと見れば、改めてルフェイン人の技術レベルの高さに驚愕するのだが。
FF2 
引き続き、飛空船は登場。しかし現代技術となっている。
しかも敵側は大戦艦なる大量殺戮兵器を造り出し、甚大な被害を出している。
1では隠しボスの要素として機械が危険な敵として描かれていたが、
こちらはストーリー上で破壊と殺戮を演出することで機械が凶悪な敵となる様を描いている。
その一方でミシディアではこの手の技術の進歩が魔法文明の衰退を懸念していたが
後期シリーズでは現実のものとなっている。
- ミシディアの古い本で飛空船を調べると
「新しい技術の産物。このような技術が増えれば、そのうちに、魔法はこの世から消えてしまうだろう…」
と書かれている。 - 但し、後期シリーズとは原因と結果が逆。ミシディアは機械の発達→魔法の衰退を懸念しているが、
後期は魔法の衰退→機械の発達の順。(FF6は魔大戦、FF7はマテリアは古代種の知恵、FF8は一般人は擬似魔法しか使えない)
FF3 
なんと、主人公達の住んでいる大陸は浮いていたというトンデモ技術にいきなり驚かされる。
飛空艇にもバリエーションが増え、乗り物として使用する種類からすればシリーズ最多。
基本、古代文明のたまものだが、先進国家では現代技術の発達も盛ん。
浮遊大陸を浮かせているのはオーエンの塔という古代人が造った機械仕掛けの建物。飛空艇も古代遺跡から発掘されたものである。
しかし古代人の村にはそういった機械文明の影も形も無く、古代人の末裔は自然に身を委ね生活している。
機械とは光の力の一つであり、光の氾濫が止められてから衰退の道を辿ったのだろう。
しかし闇の氾濫に対抗する光の戦士にとって飛空艇は、世界を救う旅において大きな助けとなるのだった…
衰退されつつもなお、光の力として光の戦士を助けるのは運命的なものを感じる。
その他にもインビンシブルの援護射撃、
武器防具アイテムの販売が出来る自動販売機など、地味にハイテクノロジーである。
自動販売機は購入のみならず売却までも出来るのが凄い。
機械系のモンスターが一切登場せず、機械が悪役ポジションではないという珍しい作品。
リメイクでは鉄巨人(おそらく機械系)が追加されたが。
- 『機械=光の力』が事実だとすれば、この鉄巨人はかつて光の氾濫が起きた時代の産物という見方も出来る。
FF4 
FF2同様、機械が戦争の道具に使われる現状から見せられる。
その後は月の民の超文明として登場。バブイルの巨人は機械的な構造と、
機械の敵が多く登場するFF初のメカダンジョンとなった。
さらにはついに月にまで行っちゃう凄まじい船まで登場。
モンスターの「機械」種族も今作が初登場。
登場するのがほとんど月の民の所縁の場所ばかりなので、飛空艇同様に彼らの遺した技術なのだろう。
雷の爪や雷の矢が特効となる一方で、電撃鞭や雷魔法は通常ダメージにしかならない(雷属性そのものは弱点ではない)という妙な特性があるが、恐らくは装甲表面に電気を遮断する特殊なコーティングでも施されているのだろう。
(鞭や魔法は装甲で弾かれ、爪や矢は突き刺すことでそれを貫通して内部回路にダメージを与えているものと思われる)
FF5 
古代ロンカ文明という形で登場、スタンスとしてはFF1に近い。
現代技術でもクリスタルを使った機関が登場する。
最強の隠しボスとして後のシリーズにも多く登場するオメガは初登場のこの作品ではとてもメカニカルな姿形をしている。
遺失技術としてだけでなく、作中の時代においてもシドが火力船やクリスタルの力を増幅する装置を造り出している。
また第二世界でもサーゲイト製の軍艦や潜水艇が登場する。
FF6 
この作品から機械文明が全面的に押し出され、シリーズにおける転換期にもなっている。
そもそもの世界観のベースが、「魔法の失われて機械文明に取って代わられる時代」であり、
魔導アーマーのような兵器やナルシェの蒸気機関、
果てには丸ごと地中を移動する城など、敵味方問わず機械文明が前面に押し出されている。
とはいえ一般の山村や都市部では井戸、水車や伝書鳩といった中世的文化も多く残っており、
高度機械は大半が軍用のもので生活の中にほとんど浸透していない。
この作品における機械は、蒸気機関などを動力とした純粋な機械と、魔導と融合した物の二つに大別される。
前者はフィガロ、後者はガストラ帝国が主要な生産国。
後者は幻獣から抽出した魔力を用いて作るため帝国にしか生産することができず、
世界で用いられている機械の大部分は魔導の力を用いない純粋な機械である。
- ただしフィガロ製の機械でもバイオブラストやサンビームといった魔導の力に近い効果を示すものが存在する。
ゲーム開始当初はフィガロは帝国と同盟を結んでいたのでそちらから技術提供があったのか、それともフィガロ独自の技術で擬似的に魔導を再現したのか、今のところは不明。
FF7 
文明レベルはほぼ現代に上げられた。
機械がもたらす膨大なエネルギーの正体は、星から吸い上げた生命エネルギーであるという、
機械文明による環境破壊や巨大企業のエゴといった描かれ方も現代チックに変わっている。
携帯電話の登場は発売当時の現代社会の風潮も現れている。
他にも冷蔵庫やバイクなど、現代的な生活機械の登場も特徴的。
FF8 
文明レベルはもう少し上がり、近未来的に。
この世界において魔法は科学技術で体現化されているという設定で、それを研究する
超科学国家も登場する。メカの敵もかなり多い。
宇宙空間と地球を自由に行き来できる技術も登場する。
1や4のものは「古代技術+魔法」といった印象が強いが、8のものは完全なる現代技術によるもの。
FF9 
これまでのシリーズにおける総決算ということもあり、機械の描かれ方も他作品を意識している。
文明レベル的にはFF6に近く、世界に立ちこめる「霧」を使った霧機関はFF7に通じるものがある。
飛空艇に関しては「霧」を使うものがメインであり水蒸気を利用する機関が最新技術と言われている。
FF10 
舞台となるスピラは機械による文明を禁じられた閉塞社会となっており、
その閉じられた世界を解き明かし、解放するのが主人公達の目的となってくる。
故にこの作品における機械は「人間の知恵と探求心の象徴」として描かれている。
作中では召喚によってもたらされた存在に主人公達が機械の武器で立ち向かうといった、
これまでの機械の描かれ方とは逆の構図があるのも特徴。
「機械による文明を禁じられ」ている理由は、それがスピラを支配するエボン教の教義の核心の一つだから。
全容を理解できるのはゲーム終盤で、その内容もなかなか複雑なエボン教だが、
「機械の禁止」についてはわかりやすく、またアルベド族の存在もあって比較的早いうちから語られる。
そして、ティーダ一行やプレイヤーがエボン教に不信感を覚えるきっかけの1つでもある。
古代の機械文明が『シン』に滅ぼされたというエボン教の「教義」は
同様の構図が多い過去作からのファンはいつものお約束だと受け入れてしまう。
本当の世界観を知ったときの感動を増すため、
プレイヤーの先入観を逆手に取る設定を狙っているのかもしれない。
FF10-2 
エボン教が誤っていることが広まった後であり、機械の禁止も解かれて各所に機械が見られるようになった。
とはいえようやく広まってきたという段階なので、数はそれほど多いとは言えない。
今回は過去に作られた機械によって世界が滅ぼされそうとなっており、それに対抗するという図式になっている。
アルベドタイプの機械は「マキナ」。寺院タイプの機械は「機兵」、「機士」と種族分けがされている。
このうち、機士系モンスターのみ何故かオーバーソウルをする。
FF11 
中世ファンタジーの雰囲気が色濃いFF11だが、バストゥーク共和国などの新興国が機械技術の研究に積極的に取り組んでいる。
銃火器や蒸気機関程度は一部地域で普及する技術となっている。
世界観的に「冒険者(プレイヤー)の時代におけるオーバーテクノロジー的な何か」は錬金術が絡んでいることが多い。
人類の歴史同様「錬金術=科学」なのである。
FF12 
イヴァリース史における伝説の大崩壊以前の時代に繁栄していた超文明世界。
高度な機械文明と剣・魔法の共存に説得力を持たせるために、設定がかなり複雑になっている。
しかしそれらの解説は全てハントカタログ内にあり、本編で説明されることはない。
おおまかには飛空艇などの上空で扱える機械が発達し、ミミック菌が漂う地上では機械がほとんどない。
そうなると戦闘機が主力となりそうだが、魔法障壁で空対地爆撃を完全に防げるため、拠点制圧には地上戦が必須という流れ。
また飛空艇はミストという魔法エネルギーを利用して飛行している。
ヤクトと呼ばれるミストが不安定な地域では、浮力源の飛空石の力が狂うため飛行できず、人の手があまり入らずに大自然が保たれている。
あまりに強烈なミストの干渉があれば推力機関であるグロセアエンジンも狂い、エンジンを搭載した水上船も航行不能になる。
FF13 
今までのナンバリングの中でもかなり進んだ近未来的な世界であるため、機械の登場機会も多い。
モンスターとして戦う相手も半数近くが機械であり、野生から軍用に転化された機械モンスターも多数登場する。
また、召喚獣も機械仕掛け的であり、進んだ文明の世界観を至る所で感じられる。
- 「SFでファンタジーをやっている」雰囲気があり、機械もどこか幻想的な形状のものが多い。
FF13-2 
前作よりもさらに時間が経過し、より発展した機械も出るようになった。
なかでも新都アカデミアAF400年ではその発展度合いを確認することができる。
その一方で、世界が崩壊して機械どころか文明すらも失われてしまった場所もある。
FF14 
外部関連項目→ガレマール帝国:技術力(魔導技術)、アラグ帝国:技術力
文化・文明に応じた様々な機械が登場する。主な種別として「魔導技術」と「魔科学」が作中で多く見かけられる。
魔導技術は地中から湧き出る青燐水を燃料とする青燐機関を動力源とする機械技術。
魔法(エーテル)の力は全く使わないが、魔法の代替たり得る物としてその名を与えられた。
作中では飛行艇や、プレイヤー達と度々争う魔導アーマーなどが該当。
本来はガレマール帝国の技術で、シドによりエオルゼア諸国にも少しずつ普及している。
機工士の用いる機工兵器はこの技術をベースに、使用者の雷のエーテルを動力源としている。
魔科学は文字通り魔法と科学の融合技術で、エーテルやクリスタルを燃料とする。
バハムートを封じていた人工衛星「ダラガブ」が最たる物で、その内部の制御システムをはじめ様々な機械が見られる。
- ちなみに魔導機械技術の一部は魔科学を模倣しているという設定で、似たようなモンスターや機器も見られる。
そのほかにも機械技術は幾つか存在。ゴブリン族が蒸気機関を扱っていたりする。
暁月のフィナーレでは月や魔導船ラグナロクなど多様な技術が伺える。
また、本作のオメガは異星の機械文明が生み出したものとされる。
FF15 
舞台となるイオスの文明レベルは全体的に現代に近く、自動車や携帯電話(スマートフォン)などが今日の我々の世界とほぼ変わらない形で普及している。
その一方で、魔導兵や魔導アーマー、はたまた飛行機に変形する車といった架空技術の産物もきちんと存在している。
FFT 
ロストテクノロジーであり飛空艇すら存在しない世界だが、機械らしいものは存在する。
分かりやすいのは労働八号など鉄巨人だろう。
クラウドを召喚した天球儀など、基本的に「魔石」を使用して使うものだったようだ。
本編では聖石を使っているが、12の事を考えると魔石だろう。
秘境などで機械の存在が残っていたりする。
- 機工都市ゴーグなどでは旧時代の機械を発掘し、研究・修理を行う職人「機工師」「機工士」が活躍している。
銃はその中で実用化できた数少ないものの一つで、狙撃手としての腕を持つ機工士もいる。
また、ラーナー海峡を挟んで畏国の北方に位置するロマンダ(呂国)では軍事産業が盛んな模様。
畏国にも「ロマンダ銃」が輸入されている。
作中の時代においては、機械はFF3同様、概ね「古代文明の失われた遺産」という扱い。
機工士たちはそれらを発掘・調査して、現代技術での再現を目指すことを生業としている。
ムスタディオの台詞からするとブレイズガンなどの魔法銃は遺産として発見されたもので、現状は新たに生産できないものと思われる。
ミスリル銃などの実弾銃は量産に成功していることから、こちらの方が簡易な技術のようだ。
FFTA 
現実世界St.イヴァリースは近代的な社会で、一般的な機械が普及している。
街中には自動車や電灯、家庭にはテレビやストーブが見受けられた。
一方「剣と魔法の世界」になった異世界イヴァリースで上記のような機械を見ることはできない。
自動車はチョコボに、電灯は松明にといった具合で置き換えられ、多くの機械が姿を消してしまっている。
しかしすべての機械が失われたわけではない。
武器として銃が広く用いられているし、大時計といったカラクリも存在している。
さらには飛空艇が空を飛び交うなど、現実世界を凌駕するほどの技術さえある。
これら機械に携わる職人として機工士がおり、その業は機工術・機工技術と呼ばれている。
聖剣伝説 
全体的にファンタジー一色だが飛空艇はしっかりでてくる。
バンドール帝国となるとダイムの塔やその中で徘徊しているガーディアンが該当する。
その他ボンボヤジがチョコボを改造してチョコボットにしたり、遺跡発掘用としてマーシーを生み出しているため、
失われた技術というより細々と利用されているという方が強いか。
余談だが続編になるとより機械の登場が増加し、地下鉄や果ては移動要塞まで登場する。
FFUSA 
地方ごとに機械の比率が変わり、森林が多いアクエリアでは見かけないが、
フェイリアではネオンが輝いていたりエレキギターが使われてたり、
パズズの塔ではエレベーターが稼働していたりと統一感が全く無い。
ただ一般市民の生活はおおむね一般的なファンタジーに近い。
ある意味大ざっぱでおおらかなUSAの特徴を現していると言える。
FF零式 
国によって文明レベルに差があるため、機械利用も国家毎に違っている。
機械が特徴の国家といえばやはり白虎で、白虎クリスタルの力を原動力に様々な機械が創られている。
白虎は1900年代前半くらいの技術レベルをイメージしてデザインされたためか、魔導アーマーなどもどこか洗練していない無骨な感じ。
朱雀は魔法主体の国ではあるが、飛空艇や通信機など、魔法と機械技術を合わせて利用している。
蒼龍と玄武は、その国の特色から機械利用はほとんどないようだ。
全体的に見てオリエンスの機械技術レベルは、現実世界における近世時代を彷彿とさせる。
- 朱雀・白虎ではテレビなども存在しており、かなり高度な文明があると言える。
また、大陸全土の特徴として「車輪を使った移動装置」は存在しない。
農耕などはかなり不便な気がするのだが、どう発達していったのだろうか? - 車輪が存在しないのは、アートディレクターが世界観を創造する上での「足枷」として決めたもの。
車輪を出すと文化レベルが一気に近代化してしまうため、意識して排除したらしい。
そのためミリテス皇国にある車両はホバー的な原理で動いているようだ。
朱雀にはそういった技術がないため、地上の移動や運搬にはチョコボをよく利用する。 - 魔法があるので、地を走るより浮いたりさせる方が早いと思ったんだろう。
FF:U 
物語冒頭は現実世界から始まるため、その中では当然機械も出てきている。
軍隊(自衛隊?)が「闇の柱」から出現した砲撃獣に出撃して撃ち落されるシーンもある。
異界は混沌とした生物が多くを占める空間なので、一行の道程において機械はシドが作ったものしかほぼ出て来ない。
もっとも、地下鉄エリザベートや潜航艇ジェーンといった一行の常用する移動手段として登場頻度は高い。
タイラント伯爵サイドもフングス・ヘルバ用の飛空艇を持っているほか、捕らえたハヤカワ夫妻にオメガとの融合装置を作らせている。