AARパーツ考察/スラスタについての調査/投影面積あたりの推力を増やす

Last-modified: 2019-03-08 (金) 12:37:21

編集時Ver2.16

注意

この内容は正確ではない可能性があります。
FtDの物理現象および単位は、現実とは異なる可能性があります。
本AARは「FtDにおいて現実の物理の式があてはまる」と仮定しています。
よって、式が当てはまらない場合、または単位が異なる場合、本AARの内容が正しくなくなる可能性があります。

背景

スラスタが完全な推力を生み出すためには、以下の2点を守る必要があります。

  • スラスタの噴射口から10ブロック以内に物体が存在しないこと。
  • スラスタの推力点が密閉空間内に無いこと

よって、その特性上スラスタークラフトはスラスタが外部に露出しやすいです。
こんな感じで。
thruster_craft_img_1.png
外部に露出しているということは、攻撃で破壊されやすいということです。
スラスタークラフトにとって、スラスタは滞空するために重要なパーツです。艦船でいう浮力です。
艦船は浮力を失うと沈没します。スラスタークラフトも、スラスタを失うと墜落します。
移動や戦闘において、艦の浮力は重要です。それがなければ移動も戦闘もまともにできません。
スラスタークラフトは、その重要なパーツが最も攻撃されやすい位置にあるわけです。
つまり、スラスタが外部露出しているスラスタークラフトは、設計段階においてすでに防御に欠点を抱えています。
この欠点を少しでも解消するために、対策を考えたいと思います。

仮説

破壊されづらいスラスタとは?

スラスタを破壊しづらくするためには、ざっと2つの解決策が思いつきますね。

  • スラスタを装甲で覆う
  • スラスタの被弾面積を小さくする

スラスタを装甲で覆うということは、すなわちちょっとやそっとの攻撃では壊れないようにするということです。
攻撃があたっても壊れにくければ、それだけ艦が墜落する危険性が減ります。
スラスタの被弾面積を小さくするということは、すなわちそもそも攻撃が当たらなければ良いということです。
どんな致命的な攻撃も、当たらなければ意味がありません。当たらなければ、スラスタは壊れません。
この他にもあるかもしれませんが、今回はこれで。
今回は「スラスタの被弾面積を小さくする」方法を考えます。

投影面積とは

被弾面積とは、「弾丸が当たる面積」です。被弾面積という日本語が正しいのかはわかりませんが、図にするとこういうことです。
impacted_area_1.png
右に兵士がいますね。この兵士が左のブロックへ発砲します。このブロックは、高さ5m、幅1mです。
弾丸は直進するので、兵士の攻撃が当たる場所は兵士から見える場所だけです。つまり5mのエリアが被弾するということです。
(重力やコリオリの力は考えないものとする。)
ではこのブロックを回転させます。
impacted_area_2.png
同じブロックを使っていますが、兵士から見える場所は1mだけです。つまり被弾する場所も1mのエリアだけです。
よって、同じ体積で被弾面積を小さくするためには、攻撃側に向ける面積をなるべく小さくすればよいということが分かります。
また、兵士を太陽に変えた場合を考えてみます。
projected_area.png
太陽の光がブロックに当たると、影ができますね。図の赤線が影です。
この図は縦横しかありませんが、立体であっても同じです。
光を当ててできる立体の影、つまり光を「投影」してできる影の「面積」のことを「投影面積」といいます。
投影面積は被弾面積と等しくなります。
よって今後は被弾面積を投影面積と言い換え、「スラスタの投影面積をどうすれば小さくできるか」を考えます。

大型イオンスラスタと小型イオンスラスタの違い

「投影面積とは」の項で図で示したように、同じ体積の投影面積を減らすには、晒す面を減らしてその分別の場所を長くすればいいことがわかります。
ですがスラスタの機能維持するため、「スラスタの噴射口を塞いではいけない」という条件が付きます。
よって、単純に投影面積を減らしただけでは、スラスタの推力が減ってしまいます。
small_ion_thruster_1.png
小型イオンスラスタ9個を9段重ねにすれば、投影面積は1マスで済みます。
small_ion_thruster_2.png
ですが噴射口を塞いでしまうため、2つ目以降のスラスタは推力を生み出しません。
「Due to placement of the block the force output is scaled by ~」の値が0になっていますね?
このスラスタは0倍の推力を生み出しています。つまり推力を生み出していません。
これは大型イオンスラスタでも同じで、噴射口を塞いだ場合推力が低下します。
しかし、大型イオンスラスタは噴射口以外を塞いでも推力は低下しません。
large_small_comparison.png
図に書いてある数字は総推力です。
大型イオンスラスタの縁を重ねても、推力は変化しません。
小型イオンスラスタを同じように組んだ場合、重なった部分の推力分、得られる推力が低下します。
大型イオンスラスタは、同体積であれば重量および推力は同じで、同性能です。
しかし縁を重ねた場合に推力が変化しない点においては、大型イオンスラスタにメリットがあります。
まあそもそも小型イオンスラスタには縁が存在しないんですが。
大型イオンスラスタをうまく重ねることで、投影面積を小さくできそうです。

実験というか実証と言うか

large_comp.png
大型イオンスラスタの縁をうまく重ねると、推力はそのままに投影面積を小さくできます。
どちらも推力は同じですが、重ねると投影面積が約0.6倍、およそ半分になっていますね。

作り方

大型イオンスラスタを重ねて、正方形を作る場合の作り方です。
make_1.png
大型イオンスラスタを、1ブロックずつ間隔を空けて設置します。
これが完成時の投影面積になります。
大型イオンスラスタの面積と間隔から、辺の長さと面積は以下の式で求められます。

辺の長さ=1辺の大型イオンスラスタ個数*3+1辺の大型イオンスラスタ個数-1
面積=辺の長さ^2

今回はイオンスラスタ3つで作るので、辺の長さは11m、面積は121m^2です。

(3*3+3-1)^2
(9+2)^2
11^2
121

辺の長さは別の考え方をすると以下のようにもなりますね。

3の倍数+3の倍数/3-1

make_2.png
間隔ごとにブロックが挟んであるので、それに乗るように大型イオンスラスタを設置します。
make_3.png
スラスタが乗っていないブロックは、ブロックを追加して高さを揃えます。
make_4.png
ブロックを追加した場所に、大型イオンスラスタを設置します。
これで真上から見た時、ブロックは見えなくなります。ですが、穴が空いている箇所がありますね?
make_5.png
穴を埋めるようにブロックを設置します。
make_6.png
埋めた場所に大型イオンスラスタを設置します。
これで、大型イオンスラスタを敷き詰めることができました。
このイオンスラスタの生み出す総推力は、大型イオンスラスタ25個と同じです。
というか、25個使っているので当たり前ですが。
投影面積は約0.537倍です。ほぼ半分ですね。

重ねない場合
推力:25*1350=33750
投影面積:15*15=225m^2
重ねた場合
推力:25*1350=33750
11*11=121m^2

make_7.png
縁の部分が余っているので、ここに小型イオンスラスタを敷き詰めることができますね。
これで同じ投影面積でさらに推力を上げることができます。見た目はなんかアレですが。

重ねない場合
推力:25*1350=33750
投影面積:15*15=225m^2
重ねた場合
推力:25*1350=33750
11*11=121m^2
重ねて小型イオンスラスタを敷き詰めた場合
推力:25*1350+96*150=48150
11*11=121m^2

結論

大型イオンスラスタは重ねて設置すると、推力そのままに投影面積を減らすことができる。

おまけ

サンプル

今回作ったスラスタのサンプル
図だと構造がいまいちわからない場合にどうぞ。
filethruster_pile_sample.blueprint

なんか使えるかもしれない計算式

この方式で作る場合、正方形でかつ奇数であれば、1辺の長さから総推力が求められます。

大型イオンスラスタ個数 = ((1辺の長さ-1)/2)^2
小型イオンスラスタ個数 = 1辺の長さ^2 - 大型イオンスラスタ個数
大型イオンスラスタ個数 * 1350+小型イオンスラスタ個数*150

コメント

  • 綺麗なおりたたみですね。衛星に利用された折り紙の話をふっと思い出した -- 2019-03-08 (金) 12:37:21