AIの武装認識

Last-modified: 2024-06-16 (日) 22:49:39

編集時Ver3.4.2

概要

 AIタブにあるLocal Weapon Controller、略称LWCのこと(日本語名は武器制御器)。武装をAIが自動で動かして射撃するための必須ブロック。射撃レートの制限や距離制限、高度制限等をかける機能もついている。FtDにおいて手動操作というのは、相当な理由がない限りありえないので必ずお世話になるブロックだろう。しっかり使い方を押さえておきたい。LWC以外の制御方法がないかというと、Luaやブレッドボード、ACBを用いれば可能ではある。いずれも一定の技術力を要求するが......

尚、ここでは武装・ターレットをLWCの制御下に置く方法とLWCについての解説をしている。敵への命中率を上げるためには索敵が必須になるが、そこまでの解説はしていない。別途、索敵に関しては図解、戦術索敵を参照されたし。

ターレットについてはここを参照。

 

ブロック解説

Local Weapon Controller/武装制御器(LWC)
screenshot.1643253853.jpg原文This controller will fire weapons and turrets connected on any of its six directions(sides) with a range of 2 blocks (i.e 12 blocks are checked for weapons), as long as targets have been detected (and or tracked) by the associated mainframe. To control the rotation of a turret (as well as the weapons on the turret) place this on the main vehicle, next to the turret or below it.
訳文このコントローラは、6方向(側面)の2ブロックずつの範囲内にある武器やタレットを、ターゲットが検出されている限り制御することができます。タレットの回転とタレット上の武器の両方を制御するときは、これをメインビークル上の、タレットの横か下に配置しましょう。
ステータスEMP susceptibilityEMP damage reduction
100%(0% + 0) / m
解説
通称LWC。側面6方向の2ブロックまたは左右4ブロックの範囲の武装および、ターレットとそのターレット上のすべての武装をAIが自由に動かして射撃することができる。射撃レートの制限や距離制限、高度制限等をかける機能もついている。
All-in-one local weapon controller/一体型武器制御器
screenshot.1643253842.jpg原文This controller will fire weapons and turrets connected on any of its six directions(sides) with a range of 2 blocks (i.e 12 blocks are checked for weapons), as long as targets have been detected (and or tracked) by the associated mainframe. To control the rotation of a turret (as well as the weapons on the turret) place this on the main vehicle, next to the turret or below it. This controller has a built in wireless receiver.
訳文このコントローラは、6方向(側面)の2ブロックずつの範囲内にある武器やタレットを、ターゲットが検出されている限り制御することができます。タレットの回転とタレット上の武器の両方を制御するときは、これをメインビークル上の、タレットの横か下に配置しましょう。このコントローラーは無線受信機とフェイルセーフが内蔵されています。
ステータスEMP susceptibilityEMP damage reduction
100%(0% + 0) / m
解説
うえの無印LWCに対し、こちらはFailsafe(無印LWCに接続して同士撃ちや自傷を防ぐ機能を追加するブロック)とWireless receiver(無線受信機、AIとのコネクターを介さない無線接続をおこなうブロック)の機能を含めて一ブロックである。フェイルセーフとLWCとレシーバで合計15+15+30の60で、All-in-oneは100と40マテリアル分値が張るが、本来3ブロック必要なところを1ブロックで済むこと含め、防御の面からすればArmour10とAll-in-oneのほうが有利になる。コストを気にしないなら使わない理由は特にないだろう。
Failsafe/フェイルセーフ・安全装置
screenshot.1643256300.jpg原文This component can be attached to any local weapon controller and will make sure, to the best of its ability, that the weapon has a clear line of fire to the target before firing. The aim of this component is to reduce friendly fire against parts of your own vehicle.
訳文このパーツは、任意の武器制御器に取り付けることができ、発射前に武器がターゲットに対して射線が通っているのを、可能な限り確認します。このパーツは、自爆やフレンドリーファイアを防ぐことができます。
ステータスEMP susceptibilityEMP damage reduction
100%(0% + 0) / m
解説
これをつけることで自傷行為や射線上に割り込んできた味方への誤射を防ぐことができる。大抵の場合において誤射を減らせるが、過信は禁物である。Failsafeがあるからと、ターレット自体の射角制限を怠るのはよろしくないだろう。
 

UI解説

LWC

screenshot.1643257680.jpg

赤文字はプレイヤーが任意に設定する部分。

項目効果設定範囲
Range bracket 0m to [+infinity]m距離制限0mから[プラス無限]mまで。攻撃対象とする敵の距離範囲。左端のスライダーが最小距離(これ以内は無視)右端のスライダーが最大距離(これ以遠は無視)0 ~ <5000m (5000mはプラス無限=制限なし扱いなので設定不能)
Altitude bracket [-infinity]m to [+infinity]m高度制限[マイナス無限]mから[プラス無限]mまで。攻撃対象とする敵の高度範囲。左端のスライダーが最小高度(これより低い敵は無視)右端のスライダーが最大高度(これより高い敵は無視)-50(マイナス無限)< ~ <5000m(プラス無限)
Maximum Speed to engage [+infinity] m/s最大交戦速度[プラス無限]m/s攻撃対象とする敵の最大速度。これ以上の速度の敵は無視する。0 ~ <200m/s(プラス無限)
Engage vehicles above [-infinity] blocks[マイナス無限]ブロックより多いブロック数のビークルと交戦攻撃対象とする敵の最小ブロック数。設定値以下のブロック数の敵は無視。0(マイナス無限) ~ 5000 blocks
Engage vehicles below [+infinity]m detection error索敵誤差が[プラス無限]mを下回るビークルと交戦攻撃対象とする敵の最大索敵誤差。設定値よりも索敵誤差の大きい敵は無視。10 ~ 200m(プラス無限)
Signature type to filter on:none索敵属性フィルター:なし下の被検知距離*1によっておこなう射撃制限において、なんの索敵属性に対する被検知距離に制限をかけるか。ビルドモードで発見距離を確認できる各属性。
Detection signature range [-infinity]m up to [+infinity]m被検知距離範囲[マイナス無限]mから[プラス無限]mまで。上で設定した索敵属性にたいする敵の被検知距離がこの範囲内に入っているか。範囲外の敵は無視する。0(マイナス無限)< ~ <10000m(プラス無限)
Maximum fire rate [+infinity] per second最大射撃レートを毎秒[プラス無限]発に制限。接続されている武器の発射速度の制限。1なら1秒に1発しか撃たなくなる。0 ~ 40(プラス無限)
Priority -500優先度 -500優先度。ある武装・ターレットを複数のLWC・CIWS Controllerが制御している場合に、この優先度が高いほうの制御が優先される。-500 ~ 500

Failsafe

screenshot.1643263889.jpg

項目効果設定範囲
Check this construct自身の構造物が射線に入っていないかチェックする。
range[m]誤射判定範囲。射撃口の次の空間からが判定範囲。1 ~ 500 m
radius(m)誤射判定半径。発射口からの線以外にもradiusだけ中央から離れた線を使って判定する。射線からのマージン。0.5 ~ 5.0 m
Check other owned construct味方が射線に入っていないかチェックする。
Hold fire射線上に味方がいて撃てない場合の挙動。Hold fire/射撃を一時停止 Switch targets/目標切り替え
Margin射線から味方がどれくらい離れていれば射撃していいと判断するか。値がでかいほど味方との距離に余裕をもって撃つ。0 ~ 50 m
 

All-in-oneはタブで分けられているだけで、各々の設定のUIは同じなので割愛。

 

武装認識の基本

LWCの認識範囲内に武装かターレットを置けば認識してくれる。
認識範囲はLWCの設定UIから前後左右上下2ブロックまたは左右4ブロックの2種類から選択できる。(v.4以降)
認識範囲1(前後左右上下2ブロック)
screenshot.1643259355.jpg
認識範囲2(左右4ブロック)
LWC_認識範囲_左右.jpg

AIとつないで、範囲内にターレットか武装(Firing piece、発砲装置)を設置するだけで勝手に制御してくれる。
このように敵を自動で狙ってくれるのがわかるだろう。LWCの詳細な設定は上のUI解説を参照のこと。
screenshot.1643259563.jpg

AI無線送信機さえつければAll-in-one(一体型)はAI受信機なしで接続可能。
All-in-oneはそれ自体が受信機を含むため、受信機同様、そこから索敵機器やらAI関係の部品を接続できる。
screenshot.1643260044.jpg

 

ターレットonターレット

上の情報だけでは武装の隣に必ずLWCが必要と思ってしまうだろう。もちろん必要な場合もあるが、ターレットを用いる場合は必要がない。というのもターレットをLWCで認識した際の挙動で、
LWCで認識したターレット上の武装・ターレットはLWCの範囲関係なく全部そのLWCの制御下に入る。というものがあるからだ。

これにより、ターレット上のアドキャのFiringPiece等の隣にいちいちLWCを置かなくても、ターレットを認識するだけで、そのターレット上のすべての武装を認識させることができるのだ。

 

下のスクショは一番下の親ターレット*2をLWCの認識範囲に入れ制御下に入れつつ、親ターレット自体は射角制限をかけて敵を狙えないようにしたもの。射角制限外に敵がいるため親ターレットは敵のほうを向かないが、上の本来LWCの範囲外のターレットたちは親ターレットをつたってLWCの制御下に入っているため、敵に指向している。
screenshot.1643260419.jpg

スクショ内ツールチップ訳

Controlling 3 weapons. 2 of these weapons can aim current targets of the AI mainframe.
3つの武器(ターレットも含む)が制御下にあり、そのうち2つがAIの現在の目標を狙えます。
 

このように親ターレットを制御するLWCはそのターレット上のすべての武装・ターレットを認識してしまうため、同じターレット上で別々のLWCで制御したいという場合*3ではこの機能が邪魔になることがある。
その場合は親ターレット側のLWCの射撃制限(Fire rate)を0にするとよい。これにより「射撃命令は出さないが、敵のほうは向く」という挙動が達成できる。

ちなみにサブを挟むと親ターレットからLWC制御を受けられなくなる。
サブ側でLWCをのせよう。
screenshot.1643261143.jpg

 

Tips

武装ごとにAIを分ける

AIを複数用意してチャンネルを変えるだけである。
索敵に関してはそれぞれのAIで用意しなくても、同じビークルなら共有されるので、いずれかのAIがしっかり索敵していれば問題はない。

画像例と解説

画像例と解説

いずれもカーソルを合わせてデフォルトQキーで開ける設定画面で設定可能。
チャンネル2のAIには大型優先(ブロック数に対する優先度係数1)のプライオリゼーションカードが、チャンネル1のAIには小型優先(ブロック数に対する優先度係数-1)のプライオリゼーションカードを挿している。

AIの武装認識.jpg

 

ターレット上のLWC配置

ターレット上にLWCを置いてもそのターレットを範囲内に含めれば制御可能。武装認識の基本で見たスクショのように、LWCの上にターレットを乗せた場合と同じようにそのターレットを制御できる。
ターレットの下のLWCを装甲化するよりも、ターレット側で武装と一緒にまとめて装甲化するほうが楽だったりするため、ターレット上にLWCを乗せる方が一般的かもしれない。

画像例

画像例

screenshot.1643333048.jpg

 

ミサイルが発射されない?

VLS型のミサイルにおいてAll-in-oneを使っている場合、Failsafeが邪魔している可能性がある。特にRadius(failsafeの設定パラメータ)を0にしていない場合、VLS周りの装甲がミサイルの射線に入っていると判定してしまうことがあるのだ。もし、HUDにHold fire等の表示が出ていれば確実にfailsafeのせいだろう。
そういうときはAll-in-oneにカーソルを合わせてQキー、FailsafeタブのCheck this constructのチェックボックスを外そう。これで撃てるようになるはずだ。
それでも撃てない場合は、ミサイル自身の射角設定やらLWCの接続やらを見直そう......

 

敵のほうを向くだけのターレット

ターレットonターレットのほうでもさらっと触れたが、ターレット上にデコイ等の複数の武装を置いており、その大本のターレットを制御するLWCによってデコイ等の武装を勝手に射撃されては困る......といった際の対処方法。
大本のLWCの射撃レート制限を0(Maximum fire rate 0 per second)にするとターレット上の武装を勝手に射撃されずに済む。そのかわり武装それぞれにLWCが必要になるので忘れずに。武装それぞれにつけるLWCの優先度は高くしておくとよいかもしれない。

 

ターレット上の武装の照準ズレ

LWCのターレット上のAPSをずらして並べ、そのターレットを制御するLWC1つのみで射撃制御を行うと、APSの照準はずれたものになる。
IDや距離は関係なく、一番最初に設置したアドキャがちゃんと狙い、そのほかはそのアドキャからずれてる距離だけ照準もズレる。

2022-02-09_13 57 18.jpg

 

一方、ターレットを制御するLWCの射撃レート制限を0にして、ターレット上の武器の射撃をやめさせる。
そのうえで各武装それぞれにLWCをつけると、それぞれが狙うようになり、照準のずれはなくなる。

2022-02-09_13 55 46.jpg

面制圧したいときは上の方法を、集中させたいときは下の方法、といったふうに場面に合わせて使い分けるとよい。
とはいえ、例えば3連装砲にするにしても各アドキャのずれは2m程度であり、普通にプレイしていれば気になることはまずないだろう。

 

コメント

  • 工事完了です・・・ 誤字、間違い等あれば気軽に修正してください。 -- kuramubon? 2022-01-28 (金) 11:00:23
  • v4において、LWCの認識範囲に左右4ブロックのオプションが追加されたため、記事に反映しました。 -- araki? 2024-06-16 (日) 22:49:03

*1 被検知距離とはなんぞやという方はFlare/Target Simulator戦術索敵関連(ver2.9.5.0)のところを見るとわかりやすいかもしれない。
*2 階層的にもっとも上位のターレット。複数の載っているターレットを子供として、それを支える大本のターレットを親と表現している。
*3 同ターレット上でありながら接続するAIを対空用などで分けたい場合や、距離制限が違う場合、ターレット上にデコイ用のミサイルがあるが、ターレットを制御するLWCにより勝手に撃ってほしくない場合等