自分と敵が交互に攻撃しているように見える状況を指す言葉。
モンハンにおける基本的な戦い方の1つと言われる。
派生作品における「ターン制」についても本項で簡単に紹介する。
概要 
- 語源はRPGの戦闘システムである「ターン(turn)制」にあると思われる。
自分のターン(攻撃など)→敵のターン(攻撃など)→自分のターン…という感じで戦闘が進行する。
ターン制はRPGやシミュレーションゲームのシステムとして有名だが、
起源は将棋やチェス、麻雀やカードゲームなどのテーブルゲームにあるようだ。
モンハンにおけるターンファイト 
- MH2系列(及びそれをベースにしたMHP2G)までのゲーム性を評する際によく言われていた表現。
一般的なアクションゲームとは異なり、MHシリーズは「巨大な怪物に普通の人間であるハンターが挑む」という
コンセプト上ハンターを操作するプレイヤーはモンスターの挙動や
弱点を読んで着実にダメージを積み重ねていく事が
勝利への道筋だった事から言われるようになったもの。 - 更に、PS2時代~MHXXまでの作品ではハンター側の動きに制限が非常に多く、
- 大半の攻撃モーションやアイテムの使用には硬直が伴い、その間は行動が一切できない。
- スタミナが存在するため無限に回避やガードを繰り返すことができない。
- 攻撃中にモンスターの攻撃で吹っ飛ばされたりすると攻撃が中断される。
そのため、戦闘中の立ち回りにおいてはモンスターの行動の後にあるスキを突いて攻撃し、
次の行動に移ったら回避を主軸に立ち回るという流れになりやすく、あたかもターン制RPGのように
ハンターの行動→モンスターの行動→ハンターの行動…
という流れになりやすかった事から言われるようになったものである。
- ターン制と言われる基本的な戦い方は、
- 「モンスターに攻撃を加える」
↓
「モンスターの攻撃を回避かガードする」
↓
「攻撃か立て直し」
↓
「モンスターの攻撃に対処する」
↓
「以下繰り返し」
一撃で大型モンスターを仕留めたり、特別な例を除けば、
モンスターが一切攻撃しないという状況はよほどのことが無い限りは発生しないので、
自分のペースで戦えるこの戦い方は理に適っているといえる。
また、PTで挑む場合やオトモを連れて行く場合でも、
自分が狙われていない場合の対処が追加される程度で原則は同じである。 - 「モンスターに攻撃を加える」
- 逆に初心者にありがちな、モンスターにペースを握られてしまっている戦い方としては
- 「敵にずっと攻撃」
↓
「適切な回避やガードが出来ず反撃を受ける」
↓
「慌てて距離を取って回復」
↓
「敵の隙を見つけて接近」
↓
「以下繰り返し」
「どこで攻撃を切り上げるか」が分かっていないとこの状態に陥りやすい。
一見すると最初の例より攻撃している時間は長いように感じるかもしれないが、
実際は被弾、回復で時間を浪費しており、結局の所堅実に戦うよりも手数としては少なくなってしまう。
PTの場合、生命の粉塵などを味方に使ってもらうことで回復の時間は減らせるかもしれないが、
被弾して吹っ飛んでいる時間はそもそも減らせないし、
考えようによってはその味方の攻撃チャンスを奪っていると見ることもできる。
もちろん強敵相手の場合、「反撃で即死」ということも往々にしてありうる。
後者の戦い方をいち早く抜け出し、前者の戦いに切り替える事が初心者脱却への近道になるだろう。- 特にソロでガンナーをやるなら基本にして重要な戦術である。
防具の防御力が剣士より低いのでごり押しは回復アイテムの無駄な浪費になり、
即死の危険性も高いためである。
へビィボウガンはそれに加えて機動力の問題もあるので、ターン制を意識することが極めて重要となる。
- 「敵にずっと攻撃」
- 怯みというシステムが存在するモンハンにおいては、特にPTで挑む場合、
モンスターが反撃する前に怯む、ということが起こるため、
上記を意識しなくても常にごり押しでいけると考えられることも少なくない。
しかしシリーズを問わず上級ランクになると怯みにくいモンスターが増える関係で、
常に反撃を怯ませて潰すことは次第に非現実的となる。
(超絶的な技量によって常に怯ませ続けることは不可能ではないが、それはまた別の話である)
最低でも、「攻撃の切り上げどころ」は掴んでおき、
「仮に怯まなかったとしても対処できる」ようにしておきたいものである。
- なおモンハンでは近年の多くの3Dアクションとは異なり、体力の回復や斬れ味の回復、
弾のリロードなどにも一定の隙が生じる作りになっているため、
これらを問題なく行えるタイミング(自分のターン)を探すのも非常に重要なものとなっている。
これもまたターンファイトを構成する一要素であると言えるだろう。
- この「自分のターンとモンスターのターンを意識した駆け引き」は
MHシリーズにおける大原則の1つであり、初期シリーズからプレイヤーの間では非常に馴染み深いものだった。
開発陣もこうした点を意識して設計している事がこちらのインタビューなどでも
言及されているのだが、一方で「単純なターン制だけのゲームにしたくない」といった旨も語られており、
MH3以降の作品では様々な要素が追加・模索されてきた。
これにより、モンスターのターンなのかプレイヤーのターンなのかハッキリしない設計のモンスターや
流動的に入れ替わるモンスターなどが多数登場するようになった。- 高評価を受けたモンスター・要素がある一方で、プレイヤーから批判的な意見が挙がりやすい要素・モンスターも
シリーズを重ねる間に少なからず存在していた。具体的には獣竜種モンスターに見られるステップの多用や、
MH3G以降で多数のモンスターにねじ込まれた後退しながらの軸合わせ、
従来作で攻撃チャンスだったモーションに逆に判別不能のフェイント攻撃追加、
プレイヤーの行動をメタ読みした回避狩り行動など。- こうした要素に関しては開発陣の考えとプレイヤーが感じるものに齟齬が大きく、
開発陣がインタビューで答えた内容等からその設計方針が批判される事も少なからずあった。
上記インタビューでも後退ステップ等については
「五分五分の状況になる」ように実装されたものと言及されているが、
実際にプレイしていると攻撃をかわしチャンスだと思ったらステップで即座に逃げられ延々攻撃できない、
逆にフェイント技で狩られるといった状況も生じやすく、不快と言われたり
モンスターでなく開発陣のラジコンと戦っているようだと揶揄される事も少なからずあった。 - そもそも旧来のMHシリーズのシステムをターン制RPGに例えると
「アイテムで妨害しなければモンスターが基本的に先行を取る」「被弾すると強制的に1回休み」
「回復薬を飲むには1ターン消費(無効にされる場合もある)」「連続で被弾すると気絶で更に1回休み」
…というようなターン制RPGだったら敵側が有利すぎる仕様はそのまま残されていたため、
更に攻撃失敗後に「五分五分の状況になる」行動を追加されているのだから
こうした不満が出るのも致し方ない部分ではある。 - MH3ではモンスターにも疲労という概念が追加され、
言うなれば1ターン休み、状況次第では更にハンター有利という状況が追加されはしたものの、
それによって行動ルーチンが替わり、攻撃が見切りにくくなったり、
体力回復のための移動を繰り返すようになるなどこれまた「五分五分」であり、
上記の攻防をより複雑化させるに留まる状況が長らく続いた。
- こうした要素に関しては開発陣の考えとプレイヤーが感じるものに齟齬が大きく、
- 高評価を受けたモンスター・要素がある一方で、プレイヤーから批判的な意見が挙がりやすい要素・モンスターも
- MH4では乗り攻防という要素が登場。
これによって罠や麻痺などに頼らずともハンター側のターンを力づくで作り出す、
という事が可能になった。
ところが、これを受けてか本作(及び4G)では明確にハンター側のターンを作らせないモンスターが増加。
乗りやすい武器と乗りにくい武器の間に存在する格差もあり、
不利な武器を使うプレイヤーからは批判的な意見が挙がる事があった。
MHXでは旧作要素のクロスなども意識されているからなのか、
明確なターン制攻防型モンスターが数多く登場していたり、
スタイルによって力づくでこちらのターンに持っていける武器種も出てくるようになった。
ただ、こちらも武器ごとの強スタイルとの相性の良し悪し別の問題などから完全に問題を解決したとは言い難く、
MHXXでは高難度化という名目で前述のターン制攻防型モンスターの隙が減り、
結果的に全部ではないにせよ、ターン制攻防が難しくなるケースが見られるようになった。
- MHW以降はモンスター側の行動がさらに滑らかさを増し、ターンのやりとりも大きく複雑さを増した。
一方でハンター側にも、回復薬の歩き飲みや罠の設置などの各種基本モーションの高速化といった刷新が図られたほか、
環境利用や一部のスリンガー弾、乗りの難易度低下やぶっ飛ばしなどで、
比較的容易に明確なハンターのターンを作り出せるようになった。
しかしエンドコンテンツ帯やMHW:IBで追加・変更されたモンスター及び行動パターン等について
プレイヤーの間では賛否両論あった。- MHWの時点でも存在していた隙潰しモーションがMHW:IBで更に悪化したモンスターも存在しており、
「ぶっ飛ばしで強引にターンを作らせる以外でクリアさせる気がない」等と揶揄される事もあった。
- MHWの時点でも存在していた隙潰しモーションがMHW:IBで更に悪化したモンスターも存在しており、
- 続くMHRiseではハンター側の行動自由度が大幅に引き上げられ、初期作品に由来する仕様が原因で
プレイヤーは自分のターンが回ってくるまで延々待たないといけないというような状況が生じにくくなった。
モンスター側の調整でも、リオレウスの確定着地の増加やクシャルダオラの設置竜巻の廃止などを始め
ハンター側にターンを回すための変更が随所に見られる。
またこれまでこちら側のターンを作りにくい傾向にあった疲労も大幅に強化され、
上で言う「一回休み」の行動頻度が多くなった。
一方で乗りやぶっ飛ばしなどは、後継と見られる操竜に統合された上に長いクールタイムが追加されているため
ダウンをとって比較的容易にターンを奪う手段は減じた。- 疾駆/鉄蟲糸技での突進・飛びかかりなどを活用すればモンスターが離れてしまっても
間合いを詰めて攻撃する事が可能になっている。
MHWで模索されていたスーパーアーマーやカウンター要素についても
入れ替え技という形で様々な武器に配られており、選択肢として挙がるようになっている。
これらは全体的に「ダウンなどの単純なターンを作り出す」というものでは無く、
よりアクションの中でハンターのターンを引き寄せるための手段という性格が強く、
これによりかつて開発陣が言及していた「単純なターン制に限らない流動的な攻防」にだいぶ近づいていると言える。 - また、「一度攻撃を受けるとまたモンスターのターン」問題についても受け身が取れるようになった事と
歩きながらアイテムが使えるというMHW系列の仕様により軽減されている。
- 疾駆/鉄蟲糸技での突進・飛びかかりなどを活用すればモンスターが離れてしまっても
派生作品におけるターン制 
- メインシリーズと同ジャンルのMHFにおいてはベースシステムがMH2な上に
開発チーム・主要ユーザー層がCSとは異なっていたためターンファイトの方向性も異なっており、
基本的には旧来のターン制攻防を意識しつつ、猛攻を繰り出すモンスターに対し、
ハンター側の操作テクニックで自身のターンを作り出すという具合になっていた。
隙が全くなく罠やダウンなどで単純なターンを作り出す作りのモンスターについては好まれておらず、
回避(終盤では位置取り、フレーム回避の双方からアプローチされている)、ガードなどで攻撃を対処し、
それによって隙を作りだして攻撃していくという図式となっていた。- 最終盤には強力な拘束要素が登場してはいるが、
積極的に攻撃を当てていかないと発動できないという性質上、
攻撃対処の中でハンターのターンを作り出すための手段の一つに留まっている。
フィードバックしていった結果「攻撃への対処で自らのターンを作り出せる」
設計のモンスターがプレイヤーから好まれ、必然的に新モンスターもそのような設計に仕上がっていく、
という状況になっていたと言える。
また、UIが古いため根本的な狩猟環境の変更ができず、
開発面において強い制約を抱えていた事も上記の方向性を堅持することになった理由の一つであろう。 - 最終盤には強力な拘束要素が登場してはいるが、
- ゲームジャンルがRPGであるモンスターハンターストーリーズシリーズは、
ゲームシステムの段階でターン制の戦闘形式を取り入れている。
基本的には敵・味方問わずに1ターンの間には1回しか行動を取ることはできず、
限られた時間の間にどのような行動を取って戦闘を有利に進めるか、ということが肝となっている。
ただし、一部の野生モンスターなどは1ターンの間に複数回行動を行なったり、
ダブルアクションや絆技などで相手の行動をなかったことにすることもできたりするため、
攻略する上ではそう言った仕様を理解することも重要である。
- アーケードゲームであるモンスターハンタースピリッツシリーズもターン制の戦闘システムを採用している。
こちらはハンターとトモの行動を1ターンの間に1度だけ選択できる点はMHSTとほぼ同じだが、
相手のモンスターの攻撃に対しどのような対処をするか、という行動選択もできるようになっている。
- メゼポルタ開拓記もシミュレーションRPG故に、ターン制での戦闘形式が採用されていた。
基本的にハンターは一人一人、1ターンの間に一度だけ
モンスターへの攻撃や素材の採取と言った行動を自由にとることができる。
ギルドマスターであるプレイヤーは雇ったハンターたちのHPやスタミナを管理しつつ、
それらの行動を指示してターゲットのモンスターの討伐を目指す、と言う形だった。
- ゲーム媒体ではないが、モンハンの各種トレーディングカードゲーム作品も、
ターン制の形式を取り入れた遊びになっていると言える。
関連項目 
モンハン用語/隙潰し - モンスターの選択肢増とプレイヤーの選択肢が釣り合わない状況から生まれたスラング
アクション/ステップ - モンスターの選択肢増加の典型例「車庫入れ」について記載
システム/複数回行動