アクションゲーム、シューティングゲーム、対戦格闘ゲームなどでよく見られる、
キャラクターの隙を(前作やバージョンアップ前などを基準として)少なくする、または完全になくす調整。
どちらかというと、プレイヤーから印象が良くない場合に使われることが多い。
目次
概要 
- 主にゲームの難易度調整に対して使われる用語であり、
ステータス上昇・新規攻撃パターン追加と並ぶポピュラーな手法である。
ゲームの進行や高難易度モードでの難易度を上げる目的で行われたり、
敵キャラクターの隙が多すぎていまいち実力を発揮できていないと判断した時に、
次回作やアップデートで開発スタッフがテコ入れとして行うことが多い。- やり方はゲームによって様々だが、
無防備になる時間を減らしたり、モーションの高速化や連続攻撃などで文字通り隙を減らす、
プレイヤーの攻撃を受け付けない部位やタイミングを設ける、
プレイヤーの動きを想定して自分の位置をずらしたり攻撃後に飛び退く、
攻撃を加えるとカウンター攻撃が飛んでくるなどといったものが多い。
「以前のようにはいかない」ということを学習したプレイヤーは、以後それを踏まえて戦術を練るようになり、
結果的にゲームのモチベーションを維持する要因の一つとなる。 - 一方でストレス要因ともなり得る要素でもあり、度が過ぎるとかえってモチベーションの低下を招き、
プレイヤーからの非難の的となることも少なくない。
- やり方はゲームによって様々だが、
- 敵側だけに行われる調整ではなく、プレイヤーの操作キャラクターに対しても隙を増減させる調整は多い。
直接対戦要素のあるゲームであれば、隙の増減は敵味方問わずゲームバランスに影響することになるため、
ゲームバランスに著しい影響をもたらすような問題のある調整は、
プレイヤー操作キャラクターに有利なものであっても隙潰しと言われることがある。
モンハンシリーズにおける隙潰し 
モンスターの隙潰し 
- かつてのモンスターハンターはヒットアンドアウェイが重要な要素の一つで、
モンスターの攻撃をよけて威嚇や確定行動をしている隙に重い一撃や連続攻撃を入れる…というのが
狩りをする際の基本の一つとして成り立っていた。- MHP2Gまではリオレウスのように良く言えば隙が多い、悪く言えば単純な行動をするモンスターが多かった
(ついでに言えば、亜空間判定と呼ばれる不自然な当たり判定を持つモンスターも多数見られた)。
- MHP2Gまではリオレウスのように良く言えば隙が多い、悪く言えば単純な行動をするモンスターが多かった
- その後、MH3以降はモンスターのアルゴリズムおよび当たり判定の見直しが行われ、
結果としてモンスター側の行動パターンや戦法が大きく様変わりすることとなった。
具体的には、一定の行動パターンに縛られない、ある意味で生物らしいアクションを行うようになったほか、
向かってくるハンターそのものの行動を意識した行動が増加したのである。
この大きな仕様変更により、ハンター側が大技を叩き込む明確な隙が少ない、
すなわち「上述したターンファイトの前提が成り立たない」という事例が増加した。
こうした変化には、「生物としてはより自然」「アクションゲームなのだからある程度は当然」という声がある一方で、
「動きを読まれている気がする」「複雑化し過ぎて戦いにくい」という声が見られるようになった。
- MHP2G以前の作品にもグラビモスの熱線後ガス放出、ゲリョスのトサカ破壊後の毒ガス放出のように、
苛烈な連続攻撃や隙潰しと受け取られかねない行動が全く無かった訳ではない。
MH3以降に「隙潰し」とされるようになったのは、- ハンターの得物のリーチを見切っているかのようなバックステップや振り向き
- あからさまに特定部位を狙ってくるハンターの移動コースへの攻撃
- 怯みにくいことを活用して軸合わせをしっかり行い、攻撃してくるハンターへ正確な迎撃を行う
- 時間差でハンターに襲い掛かる、本体とは全く別判定の飛び道具による攻撃
- 一度の行動中に軸合わせを行い続ける(攻撃後に反撃に転じにくい)攻撃
モンスター側の動きが複雑化し、一方的な攻撃/守備という構図が崩れたことで、
MHP2G以前よりヒットアンドアウェイの要素が薄れており、
過去作と比較すると全体的に難易度が引き上げられた。
一応、ハンター側もモンスターの行動を阻害する手段は増加する傾向にはあるのだが、
MH3G以降それがモンスター側の強化に追いつかなくなっているという指摘が出ている。
- これらの素因自体は基本仕様が刷新されたMH3からあったのだが、
大きく取り沙汰されるようになったのはMH3Gからと言われている。
MH3では難易度設定や(MHP2G以前の)理不尽な当たり判定の解消などの関係でこれらが現在ほどは問題視されなかった。
とはいえ、ここから登場した獣竜種は軸ずらしのサイドステップや車庫入れと言われる振り向きながらの後退による
明確な旋回の隙潰しが積極的に取り入れられ、隙潰しの嚆矢となったのもこの作品からではある。
MHP3も難易度や追加実装モンスターの関係上、取り沙汰されることはあまりなかった。*1
MH3GではG級追加に伴い難度の向上が図られているのだが、
その手段は従来のような単なる攻撃力の増加に留まらず、
意図的に残してあった隙を無くして強化という手法が用いられている。
これはMH4・MH4Gでも続いたことや、MH3G以降従来作モンスターの復活・亜種追加が行われ、
そこで隙の無い苛烈な攻撃を行う従来作モンスターが暴れまわるという図式が度々起こった。
そのような経緯もあり、MH3G以降のモンスターに「隙がない」という意見を下す人が多いようである。
- 公式公認の例を挙げると、通常種との差別化を図るために
通常種にあった隙を削る方向で調整されたというMH3Gのジンオウガ亜種がわかりやすいだろう。
蝕龍蟲弾はハンターを正確に狙って飛んでくる仕様になっており、攻撃チャンスを作りにくい。
また蝕龍蟲を体に集めるときに、体の周りに龍属性やられの効果がある雷を落とす。
通常種では蓄電中はなにも攻撃をしてこないため大きなサービスシーンだったのだが、
ジンオウガ亜種ではうかつに攻撃すると手痛い反撃をくらってしまう。
そのためまともに妨害もできず、龍光まとい状態になられることが多い。
更にハンター側にとってチャンスとなる疲労時でも蓄電を行い、疲労時間を削るように龍光まといになるため
こちらにとって有利な状況がほとんどなくなってしまい、隙が隙ではないと批判されていた。- 上記に関しては、インタビューで藤岡氏の発言「今や誰もが嫌がる蝕龍蟲弾の完成です(笑)」に見られる通り、
差別化というコンセプトの上でわざと隙を潰しているモンスターも少なからずいるようである。
- 上記に関しては、インタビューで藤岡氏の発言「今や誰もが嫌がる蝕龍蟲弾の完成です(笑)」に見られる通り、
- MH4発売時のインタビュー
を読む限りでは、
開発側としては「単純なターンファイトになるゲーム性は目指していない」ということのようだ
(モンスターとハンターのターンを意識した駆け引きまで否定しているわけではない)。
近年のタイトルでは開発ノウハウが蓄積され、モンスターの行動パターン設定に慣れた結果、
より複雑なターン攻防になる状況を目指せるようになった、ということらしい。
また、後でも触れるが瞬間的な回避手段、つまりフレーム回避を利用したヒットアンドアウェイについても、
それほど重視していないことが述べられている。
4の新モンスター達のモーションも3系統よりもさらに滑らかに動きまわるようになっている。
- 実際にMH4(G)では乗り状態を活用してハンターの任意のタイミングで隙を作ることができるなど、
ハンターとモンスターのターン攻防はより複雑なものとなった
(ただ、上述したようにMH3G~MH4(G)では
「モンスターの選択肢の増加にハンター側の強化が追いついていない」状態であり、
上記3作品においてモンスターの隙潰しが多いといわれるのは、そういった事情も関係している)。
- 冒頭でも述べた通り、モンスターハンターシリーズはターンファイトを意識した、
ハンターとモンスターの双方がそれを強く意識したモーションから始まっている。
一方で上述の通り、開発側は本来「ターンファイトは然程重視していない」としており、
技術的な問題でモンスターの動きを単純化させざるを得なかった初期作はともかく、
近年の作品では単純なターンファイトは意識されていない設計となっている
(乗り状態やスタイルの追加は、別側面からのターンファイトの提示とも取れるか)。
完全に回避→大技を叩き込む、という素直な攻撃が通じなくなりつつある近作において、
過去作からプレイしてきたプレイヤーが隙潰しを指摘し始めるのは、ある意味で必然であったと言えるだろう。- なお、作品が進むにつれてハンター側に追加された行動は、
新たな攻撃モーションとして隙も含められたものであったのに対して、
モンスター側のそれは隙を感じさせないものが多かった。
これについては「モンスター側がターンファイトを意識しないのであれば、
ハンターにもそれに見合うモーションや攻撃機会を」との声も多く、
こういった声が乗り状態やスタイル、狩技の実装に繋がったものと見られる。
3以降に閃光玉や罠の効果時間が回数によって短くなったことへの少なからずの不満は、
そういう設計ならば此方から隙を作る要素を残して欲しい、と考える人が多かったことの表れとも言えよう。 - また、ターンファイトにも同様の記述はあるが、
モンハンはそもそも敵と味方の力関係の大きさが肝となる作品である。
これはターンファイトとなる状況が削減されても何ら変わることはないため、
モンスターの行動中に無理に差し込めば手痛い反撃を受ける
その結果、貴重なこちらの行動機会を回復に割く必要が生じるという基本設計は概ねどの作品でも変わらない
要するに、モンスターの攻撃中は引き続きハンターの行動が大きく制限される明確なモンスターのターンでありながら、
ハンターのターンのみ彼我の有利不利が曖昧な五分五分の状態に持ち込まれ、
結果的にプレイヤーの行動機会のみ一方的に削られる
という状況に陥っていたのがこの時期であるとも言える。
- なお、作品が進むにつれてハンター側に追加された行動は、
- なおMH3Gはともかく、MH4/4Gはパーティプレイが容易に行いやすい設計となっているため、
それを前提とした調整の結果と捉えることができる。
要はPTの場合、狙われた人が避けることに全力になっても、他のハンターが代わりに攻撃してくれたり、
頭数の多さから妨害行動や転倒を起こしやすくなるため、多少隙がなかろうとどうにかなる。
開発側もその旨は言及しており、パーティプレイという選択肢を提示しているという発言がある。
- なお、村クエでは(上位相当のAIに留まることから)G級モンスターに見られる苛烈な攻撃は存在せず、
ステータスもかなり低めであるなど、装備を整えれば然程苦戦しない程度の難易度に収まっている。
ただしAIは変化しないためにモンスター側の行動パターンは据え置きでありその点のやりにくさは変わらない。
また一部やりこみ向けクエストや村G級クエストではG級モンスターと大差ない苛烈な攻撃を仕掛けてくる。
- ファンコミュニティの間では上記から転じて、モンスターの肉質が硬すぎたり罠が効かなかったりなど、
プレイヤーに不利な要素を総称して隙潰しとして言われていることがある。
具体的な例としては- 頭部の肉質が硬く、気絶などを狙いにくいモンスター
- 回復薬系を使用したハンターを優先して攻撃するロジックが組まれているモンスター
- モンスターの動作に関係なく自動で攻撃が発生するモンスター
一番上は旧シリーズから存在するのでともかく、
後者2つは上述した「モンスター側の選択肢を増やした」結果発生したものであると言えるだろう。
MH4以降の変遷 
- 4シリーズでは、武器種によらずモンスターを拘束する手段である「乗り状態」が登場した。
この仕様は、ある意味で新たな切り口のターンファイトの提案であり、
従来の作品と比較して、「苛烈なモンスターの攻撃を回避しながら地道に体力を削り、
乗り状態に移行したところで一気にダメージを与える」という方向性が強く打ち出されている。- この方向性については、ハンター側の攻撃力のテコ入れが行われた側面がある一方、
平常時のモンスター側の戦闘力がより高まった、という側面もある
(従来にはなかった「乗り状態」という一方的なチャンスタイムが創出されたことと引き換えに、
そのチャンスタイム以外におけるモンスターの行動が苛烈になった)。
- この方向性については、ハンター側の攻撃力のテコ入れが行われた側面がある一方、
- なお、(アイテムを用いず)十秒程度の時間モンスターを拘束できる、という乗り状態は
殊更にPTプレイにおいて大きな恩恵がある仕様である
(ダウンしたモンスターを複数人で攻撃できるため、ソロ時と比較してダメージ効率が大幅に向上する)。
G級オンラインモンスターの戦闘力は明らかに乗りを含めたPTプレイを前提とした設計であり、
乗りの恩恵を受けにくいソロではかなり厳しい戦いとなるケースも少なくない。
見方を変えると、ソロとPTプレイの格差をより広げてしまった仕様とも言えるだろう。
- MHXでは「スタイル」「狩技」という形でハンター側に大幅に強化がなされ
乗り状態の重要性がやや引き下げられた*2。
特にハンター側のアクションが劇的に向上した点は大きく、
MH3Gおよび4シリーズで指摘されていたハンターとモンスターとの戦闘力の乖離は、かなり縮まることとなった。
モンスター側の戦闘力についてはごく一部がテコ入れを受けるに留まったものの、
上位相当ということもあり全体的にはマイルドな仕上がりとなっている。
- 次回作であるMHXXではハンター側の強化が更に進んだほか、
新たに登場した二つ名モンスターたちの殆どは他のモンスターと比べてかなり攻撃が苛烈だが、
特に強力な大技の後や特定の行動時に大きな隙が出来る……という、
ヒットアンドアウェイを強く意識したと思しい仕上がりとなっている。
だがその一方で、連続攻撃によりブシドーやブレイヴの回避をピンポイントで潰すなど、
スタイルの動きを含めたハンターの行動を意識したとも思える行動が増加した。
二つ名についても威嚇行動はするものの、
それ以外の行動では納刀状態からでは避けられない行動に繋がっていくことも多く、
ブレイヴやブシドー以外は例え隙があっても攻撃に繋げられない状況を作り出されることが少なくない
(もちろん、隙が単純に消されたモンスターも存在する)。
G級相当ということでか、全体的にはMHXと比較してかなりシビアな仕上がりとなっており、
スタイルの動きすら読みきられているかのような動きには苦慮するプレイヤーが多い。- また、今作では疲労状態になると高確率でバックステップを行うAIが存在する模様。
種にもよるが、絶対回避やブラストダッシュなどの移動付き狩技で寄っても即反転してバックステップを行うほか、
振り返ることもなく即座に軸ずらしを行いながら繰り出すこともあり、
疲労状態にも関わらずロクに攻撃できない事態が発生しうる。 - 反対に、獰猛化の仕様によって疲労しなくなったことで、
疲労を付け入るチャンスに設定されていたようなモンスター達は大暴れしている。
一例として、リオレウス希少種は疲れ知らずでひたすらに飛び回って
ハンター側面への回りこみ飛行やブレスの反動による後退で一定位置にとどまらないうえに
移動し続け攻撃に際して隙も見せず、
オーラで強化されたホーミング毒爪→空中チャージブレスのコンボを多様し、ろくな攻撃チャンスがない。
おまけに珍しく地上にいてもノーモーション突進を連打するという始末である。
他、サイドステップやバックステップを無造作に行って容易に攻撃させず
広判定攻撃やノーモーション攻撃を行うドドブランゴ、
G級モーションによって頻繁に跳びかかりや回りこみやバクステで
エリア内を飛び回り続けるナルガクルガやベリオロス、
弱点としていた脚が固くなり、付け入る部分が減少したことで
着地後のステップや空中攻撃や高速攻撃の鬱陶しさが増したセルレギオス、
コンボ技で後隙を減らしたり異様に高性能な技を持つようになったラギアクルスなど
隙潰しと獰猛化の各種仕様が相まってストレスフルになったモンスターも少なくない。
- また、今作では疲労状態になると高確率でバックステップを行うAIが存在する模様。
MHW 
- MHWorldではUI関連が一新され、モンスターの生態表現が更に強化された。
これは単にハンターにとって一方的に不利になる変化ではなく、
上手く使えば逆に狩猟が有利になる要素も多分に含まれている。
また、MAPの狩猟環境を活かすことで罠や乗り状態に限らない拘束も実現している。
- モンスターの行動についても、絶え間なく高威力の連撃を仕掛けるタイプのモンスターは減っている。
そして何より、ハンター側の根幹のアクションについて隙潰し、もとい隙減らしが多数行われたため、
これまでの作品にて言及されていた系統の「隙潰し」については、本作では殆ど言及されなくなった。- 但し、一部モンスターについては飛行中の隙の少なさが徹底されており、
アイテムなどで地上に引き摺り下ろさなければまともに戦闘ができないと評されることがしばしばある。
地上大技の後などに隙は用意されているものの、そもそも飛行頻度が高すぎるため救済措置にならないとの声が多かった。
- 但し、一部モンスターについては飛行中の隙の少なさが徹底されており、
MHW:I 
- MHW:Iのマスターランクにおいては、長時間の複数回行動を1セットとするいわゆるコンボ技が増えたほか、
ステップや車庫入れでハンターの背後を取ろうとするなど
ハンターが攻撃に転じにくい行動をとるモンスターの追加や、既存モンスターに対してもそうした行動パターンの追加が多く見られる。
- また、進行度やモーションのわりに猛毒によるダメージが苛烈なトビカガチ亜種、
避けるのが困難なほど睡眠ガスを撒き散らすパオウルムー亜種や、
延々と潜航を繰り返しまともには手を出しにくい一方で、
音爆弾を惜しみなく使うだけで単調なサンドバッグと化すディアブロス亜種など、
特定のスキルやアイテム次第で極端に難易度が変わるモンスターについては攻略の自由度の観点から批判の声もある。
- 今作では全体的に新要素であるクラッチクローの活用を前提とした調整が行われているが、
この結果として「クラッチクローを行わない場合は(ハンターが攻撃に充てられる)隙が少なすぎる」というケースが非常に多い。
それどころか歴戦王などの追加モンスターに至っては
「クラッチに反応して反撃するAI」「連続ヒット攻撃持ち」「クラッチ時のみ一部行動に特殊な処理が入る」
といったかなり露骨なクラッチとパンパンゼミ対策がされており、批判意見も多い。
こういった問題については新システムの投入に伴う環境変化なども絡んでいるため、詳細は該当項目を参照のこと。
- 一方、上位において隙潰しの代表格ともされたクシャルダオラについては、
滞空直後のブレスから着地→威嚇が確定行動になる、行動パターンが簡易化されるなど
全体的に隙を増やす方向で調整されている節が見られる。
いわゆるG級作品においてこのような見直しが行われる例は珍しく(MH4Gのブラキディオス程度)、
ある意味で貴重な先例になったと言える。
竜巻生成や滞空の頻度も上昇したうえにクラッチクローとの相性が最悪なので結局難易度は上がっているのだが
MHRise 
- 本作のモンスターの仕様は概ねMHWorld系列のものを踏襲しているが、
特定の行動の後に威嚇を行ったり、攻撃動作のメリハリが大きくなるなど、
より隙潰しをなくす形で調整されているモンスターが多い。
ハンター側も翔蟲の実装を始めモンスターへの対処手段が豊富なこともあり、
隙潰しとして批判を受けるモンスターはほとんどいなくなった。- 前作で批判を受けたクシャルダオラは、飛行頻度が大幅に下げられ、風圧による妨害も少なくなったため、
本作では評価の高いモンスターに仕上がっている。
同じく過去作で飛行頻度が問題視されていたリオレウスも、
滞空時間が減らされ尚且つ滞空状態から繰り出す強力な攻撃モーションを兼ね備えたことで、
「空の王者」の異名に相応しいモンスターとして評価されている。 - 戦闘面での悪評が目立つオロミドロは、
泥による妨害や巨大な体躯に反した独特で苛烈な攻撃が度々批判の的になるが、
翔蟲や武器アクションでの対処は可能で、行動面においても攻撃前後の隙は比較的大きいことから、
隙潰しというよりは他の諸要素が批判されているモンスターと言える。
というより隙潰し以外の批判が多いのに隙潰しまで酷かったら伝説になっていただろう。
- 前作で批判を受けたクシャルダオラは、飛行頻度が大幅に下げられ、風圧による妨害も少なくなったため、
- 逆に、隙が増えたことで賛否両論を呼んだモンスターもいる。
例えば、本作のラージャンはモーション低速化や確定威嚇の増加によって大幅に隙が増えた。
ほとんど隙がなく暴れ回っていた前作のラージャンに馴染んでいるハンターからは、
「隙が多すぎて弱い」という声もちらほら聞かれる。
この他にも、隙の増加によって弱体化されたと評されがちなモンスターは何体か存在する。
無論、前作とは環境が異なる以上、一概に彼らが不評であるとは言えないが。- 今まで隙潰しに散々文句を言っていたくせにそんな身勝手な……と思わないでもないが、
そもそも弱体化を批判しているのが今まで隙潰しを批判していた人達とは限らない。
過ぎた隙潰しに文句をいう人もいればどんな形であろうと強さを求めるハンターもいる。
万人に合ったバランス調整はできないことを示す一例とも言えよう。
- 今まで隙潰しに散々文句を言っていたくせにそんな身勝手な……と思わないでもないが、
- また今作ではハンター側が翔蟲による高速移動が追加された事へのモンスター側の対策として、
攻撃直前まで軸合わせする、当たり判定が広くなるといったテコ入れが施され
回避性能の弱体化と共に批判される事もある。
MHR:S 
- MHR:Sのマスターランクでも大きな傾向は変わっておらず、
例えば既存技の隙を無くす形で追加技を放つものは居るが今度はその技自体に大きな隙がある、
という具合になっている。
また、新規のモンスターは前作で散見された翔蟲アクション以外での回避が難しい、
という類の技を殆ど有していない。
回避性能の弱体化はテコ入れされていないが、フレーム回避可能な技自体は増えており、
スキルが積みやすくなった事も相まってフレーム回避主体に回帰したというハンターも見られるようになった。- 復活モンスターも基本的には同様の調整がされており、
例えばセルレギオスは前述の通りステップや滞空時間の長さなどが問題視されていたが、
本作では前者はほぼ完全にオミットされ、着地場所を左右にランダムでずらす行動も無い。
後者についても飛翔からの強襲が1つの攻撃アクションとなったことで極めてスピーディーになり、
後隙自体も設けられているため脅威的な攻撃ではあるものの攻めにくいということはなくなった。
MR解放後に現れ諸々の面で物議を醸すこともある傀異化モンスター達も、
動きそのものは通常個体と変わっておらず、
ダメージを積み重ねていけばいずれ凄まじく隙を晒すためその点での批判は少ない。
- 一方、MR帯のラージャンは確定威嚇が変更されて2つ
(岩盤捲り→ローリングの確定コンボ後と、闘気硬化状態解除時)しかなくなってしまい、
コンボルートが増えて攻撃が苛烈になった事で、
相対的に従来作以上に露骨な隙潰しがされたという見方をするハンターも居る。
ただ、動き自体は遅いままであり、ハンター側の選択肢が更に多くなっていることから、
そこまででもないという見方をする人も居るなど大枠の傾向としては変わっていないという見方が大勢か。
ちなみに特殊個体の激昂する方はデンプシーや回転攻撃の後に隙潰しとしてパンチを繰り出してくるが、
新技の硬直が長めに取られている、闘気硬化を解除した後の大ダウンが復活するなど、
強化=隙を無くす事一辺倒の調整がされている訳ではないことがこの点からも伺える。
- 復活モンスターも基本的には同様の調整がされており、
MHF 
- MHFはMH2のオンラインサービスを根本のベースとしているため、
旧来モンスターで上記のような隙潰しに相当する概念を持つものは居ない。
(代わりに当たり判定などは旧来シリーズとほぼ同様である。改善されているモンスターも居るが)
オリジナルモンスターについても、基本的には同様である。
回り込みステップを行うトリドクレスや、軸合わせをあまりしないヒュジキキ、
攻撃前後の隙を電撃で消す怒り状態のラヴィエンテなど例外もいくつかあるが、
いずれも副次的なものに留まっている。- メインシリーズから導入されたモンスター・骨格・種族についても、
基本的にはターンファイトが可能なように調整されている。獣竜種のアビオルグ辺りは特に顕著である。
動きの面を批判されることが多いMH3系飛竜骨格のアノルパティスについても、
攻撃前後にはかなり明快な隙が存在しており、問題視されているのは手が出せない状態が多いこと、
つまりこれとほぼ同じ理由であり、上述した隙潰しのような行動が理由ではない。
遷悠種についても、大きく変わっていないイビルジョー、
元からそういう性質であるシャガルマガラを除いて、
かなり大きく手が入れられており、概ねターンファイトが可能となっている。
メインシリーズで言及されるようなタイプの隙潰しを多用するモンスターは特に厄介視される傾向にある。*3 - メインシリーズから導入されたモンスター・骨格・種族についても、
- モンスターの調整がお世辞にも行き届いているとはいえなかった初期(及びG級初期)においては、
モンスターの強化手段として当たり判定を持つ障害物やエフェクトの追加、
俗にいう「オプション攻撃」を用いるモンスターが多かった。
これらはモーション以前の問題であることや、当初は岩エフェクトばかりであったことから、
安易かつ露骨なものとして嫌われる場合が多く、近年のモンスターには見られない。
- 一方、MHFにおいてはメインシリーズと別ベクトルの「隙の無い行動」が取り入れられており、
一部のユーザーはこれらを「隙潰し」と称している場合がある。
それはモンスターの徹底的な攻撃であり、それらは大抵広範囲なものとなっている。
しかも技によっては一撃を受けると大ダメージまたは致命傷になってしまう場合があり、
油断すると一気に攻め込まれ力尽きてしまう。
更に高難度のものでは罠や閃光玉や状態異常すらもほぼ効かず、怯みも殆どしないため、
一見すると隙が一切無いように見えるモンスターもいくつか存在する。
グァンゾルム、トア・テスカトラ、グレアドモス、ディスフィロア、覇種(至天)UNKNOWNなど枚挙に暇がなく、
特にドゥレムディラと極み吼えるジンオウガについてはMHFでも屈指の隙の無いモンスターと言われる
(後者は公式でも「隙の少ないモンスター」という発言が出ている)。
ただしこれらのモンスターは、基本的にはいずれも当たり判定がはっきりしており、
攻撃をフレーム回避するor被弾しない位置取りをすることで作り出せる隙を利用して、
体勢の立て直しや反撃ができるようなコンセプトになっている
(つまりモンスターからの攻撃→回転回避で避けて反撃…のターン制が成立する者が多い)。
また、基本的には何かしらの前兆動作が(例え1秒でも)存在するため、
モンスターに慣れ、一つ一つの行動を見て対処するというモンスターハンターの基本部分は変わっておらず、
このようなコンセプトに基づいたモンスターは隙潰しと言われる事こそあれど、
それが大きな問題になる事は殆ど無い。- 基本的に高難度ポジションになればなるほど連戦の必要性が減り、
モンスターによってはハンター生活を円滑に送る上でクリアする必要性すらないものもある。
要は腕試し的側面が強いモンスターにそのような性質が強いということも、
これらの設定があまり問題視されない理由の一つとなっている。
- 統計的には、上で挙げたモンスターの内、
UNKNOWNとドゥレムディラについては一貫してプレイヤーから高い評価を得ている。
グァンゾルムやトア・テスカトラ、及びMHF-Z下にて「隙潰し」を言及されやすい
エルゼリオンも、人気投票では上位に食い込んでいる。
無論、これらのモンスターについてはビジュアル面など戦闘面以外の評も十分考えられるが。
- また、MHFは約10年近くサービス展開を続けているため、
ターンファイト型を望むプレイヤーの意見や見方が
長い年月をかけてMHFチームに経験値として蓄積されてきたなど、
モンスターの開発の仕方にプレイヤーの声が影響していることもある
(つまり不評なモンスターの"不評だった部分"を次回から取り除くようなことが長く繰り返されてきた)。
フレーム回避の重要性についても黎明期はさほど重視されていなかったのだが、
フレーム回避の重要性が高い攻撃が存在していたのは事実で、
そういう回避手段が概ね好まれていた事も上記のような性質のモンスターが多い理由となっている。
- 基本的に高難度ポジションになればなるほど連戦の必要性が減り、
- 隙潰しという用法自体はMH3系より用いられているため、
MHP2Gまでの時代には隙潰しという言葉は使われていない。
ただし上でも少し触れたが、亜空間タックルに代表される当たり判定の広さや
咆哮→硬直→ノーモーション突進のように避けようの無いコンボを繰り出すモンスター、
地面に潜ったり空を飛んだりして時間稼ぎをするモンスター、
ミラボレアスに代表される固すぎて作業にしかならないモンスターなど、
AIやモーション、肉質や攻撃範囲など諸々の調整不足の面で、
プレイヤーから不評を受けていたモンスターは少なからず存在していた。
ハンターの隙減らし 
- モンスターだけではなく、ハンターも行動の隙が増減する。
主に特定のスキル発動による隙の増減と、
新作でハンターの動作が変化したことによる隙の増減の二種類に大別される。
もっとも上でも少し触れたが、モンスターハンターシリーズはハンター同士が殴りあうゲームデザインではない
(例外もなくはないが…)ため、上の隙潰しという用法と明確に区別するという意味でも、
これらは隙潰しではなく隙減らしと呼ばれる場合が多い。
- スキルの発動では砥石使用高速化や早食いでアイテム使用時の動作を早くする、
納刀術や反動軽減、装填速度で武器の扱いを素早くする、ガード性能でガード時の仰け反りを軽減する、
などの様々なスキルで隙を減らすことが可能である。
ただし、これらのスキルがマイナススキルだった場合は、逆に動作が遅くなったり余計な動作が増えることが多い。- また、装備による発動スキルだけではなく、
食事による発動スキルにも隙を減らすものが存在する(ネコの着地術など)。
- また、装備による発動スキルだけではなく、
- 新作での動作の変化としては、主に武器による動作に対する調整が多い。
特に武器で攻撃した際の動作が別物と言えるほどに変化したMH3や、
狩猟スタイルで攻撃動作が変化するようになったMHXでは、
攻撃時の隙も動作の変化に合わせて増減した。- 攻撃以外では、MH3以降はダメージを受けた際のモーションに隙の少ないものが追加されたり、
MH4以降は移動の入力をしながら高い場所から着地することで着地の隙を減らせるなどの要素が追加された。
MH4Gより追加されたディレイ起き上がりも、起き上がり時の隙の発生をある程度自由にコントロール出来る為、
隙をずらした結果攻撃を受けずに済むという点では隙減らしと言えなくもない。
- 攻撃以外では、MH3以降はダメージを受けた際のモーションに隙の少ないものが追加されたり、
- MHWでは前述の通り、ハンターの行動について大幅な隙減らしが行われた。
アイテムの使用というこれまで絶対に隙が生じていた部分に劇的なテコ入れがされた事が代表的である。
また、同作ではある程度ゲームを進めることで、
制限はあるが被弾リアクションという最大の「隙」を無効にできる装衣を使用できる。- ただし代わりにハンター側の新しい隙として
「気絶復帰後に両頬をパンパンと叩く気つけ動作」
「回復薬など飲んで使うアイテムの使用速度が明らかに遅くなっている」
「振動や風圧に対するリアクションがかなり大きくなった」
など、過去作にはなかった隙の要素が追加されてもいる。
これらは概ねモンスター側の攻撃や妨害をまともに受けた際に問題となる隙であるため、
攻撃そのものの回避やスキルなどによる対策がより重要になったとも言い換えられる。
- MHWorldではツィツィヤックの乱入で気絶させられる、
上空からバゼルギウスの爆鱗が突然落ちてくる、
エリア移動してきたモンスターの咆哮により意図しないタイミングで隙を作らされる、
広めの攻撃範囲を持つ攻撃によるガスガエル系の環境生物による事故など、
プレイヤーハンター側が意図しない隙を晒してしまうパターンが増えた。
ただこれらの環境的な要素による隙は全てモンスター側に対しても基本的に有効であり、
そのような場合に生じるモンスターに対する隙の数とハンター側の隙の数に大きな差はない。- 咆哮に関してはモンスターを怯ませる効果が基本的にないため、
突如狩場に現れたモンスターの咆哮によって拘束されピンチに陥るケースはまま見られる。
この点は振動や風圧同様、スキルによる対策の必要性が高まった隙モーションと言えよう。
- 咆哮に関してはモンスターを怯ませる効果が基本的にないため、
- ただし代わりにハンター側の新しい隙として
余談 
- 各作品の変遷を見ていただくと気づくかもしれないが、
「隙潰し」というフレーズが登場するようになって以後の作品において、
「隙潰し」が問題となるのは大体がG級(マスターランク)対応作品における高難度クエスト群である。
G級の無い作品では、無論大小はあれど「隙潰し」がマイルドになっていたり、
ハンター側で対策が講じられる部分が大きかったりする。
MHRiseのラージャンの件からも分かる通りそのような作品(や、モンスター)は
「難易度が低い」「手ぬるい」と評される事も珍しくなく、
開発もユーザーもより高難度を求めた結果G級では隙が無くなった「隙潰し」に陥り、
環境が一新される次回作ではそれをマイルドにして……という循環が、
10年以上に渡って繰り返されていると言えるのかもしれない。
MHR:Sでは発売当初の時点ではこの悪い流れを概ね断ち切ったような状態にはなっているが、
今後どのように推移していくかは注目であろう。
- 「隙潰し」という用語自体はMHシリーズが発祥ではないと思われるが、
多くのユーザーを抱える同シリーズで最低でも3作品に渡って取り沙汰された事もあり、
現在「隙潰し」という単語でネット検索*4を行うと、
ほぼ確実にMH関連の話題を扱ったページがヒットする状況になっている。