自然現象やその人の行く末など、人の力ではどうすることもできない、人を超越した力を信仰すること。
また、その信仰を行う人々によって構成された集団のことを指す言葉。
現実世界での宗教 
- 例えばとある村のすぐ裏手に山があるとする。
その山から新鮮な空気や清浄な水が流れてくることで、その村は恵まれた暮らしができている。
その一方で、ひとたび大雨が降ると山で発生した土石流や土砂崩れなどに村が襲われる可能性もある。
この山がもたらす恵みも災いも、いずれも人の力では根本的にどうすることもできない規模である場合、
その村の人々はいつしか山を神格視し、恵みを望み災いを起こされぬように崇め奉るようになる。
このようなものが、基本的な宗教と言える形態である。
- 現実世界では大小さまざまな宗教が存在している。
キリスト教やイスラム教、ヒンドゥー教、仏教と言った有名で信者の人口が多い大規模なものから、
ごく限られた地域でのみ古くからずっと信じられている土着宗教、
誕生からまだそれほど年月が経っていない新興宗教と、その種類は数え切れないほど。
更には各宗教ごとにも宗派などが細かく分かれていることがほとんどである。- 当然ながら宗教ごとに信じる対象は特定の神や仏、地形や宇宙、あるいは英雄的な人物など様々だが、
いずれも「人間の力の及ばない超越的な存在」であるという点に関しては共通している。
- 当然ながら宗教ごとに信じる対象は特定の神や仏、地形や宇宙、あるいは英雄的な人物など様々だが、
- 宗教は古くから信仰されている国や地域の政治・文化に深く根付いており、
それが原因で様々な宗教問題が異教徒間で起こってしまうことも珍しいことではない。
また、特定の宗教が弾圧されるようなことも古くから現在に至るまで頻繁に起こっている。- 一方で、特定の宗教が行き過ぎた信仰の結果、社会に大きな問題を起こすこともある。
あえてここでは具体例は述べないが、宗教がきっかけの戦争やテロ、事件と言った出来事は、
悲しいことにいつの時代でも、どんな国や地域でも起こってしまっている。
- 一方で、特定の宗教が行き過ぎた信仰の結果、社会に大きな問題を起こすこともある。
- なお、いわゆるスラングとして、
特定の団体や企業、人物、商品、創作物などを絶対視し、
それに対するネガティブな意見を絶対に認めようとしない行為なども、皮肉を込めて「宗教」「○○教」などと呼ぶことがある。
またそれをする人のことを「信者」「○○教徒」と呼ぶのも、宗教に絡めた呼び方である。
モンハン世界での宗教 
- モンハン世界においては、世界的に広く信じられている宗教と言うものは今のところ登場していない。
その一方で、小規模ながらも「宗教」と言えそうな形態を取っているものは意外とたくさん登場している。
また、そうした思想体系に由来する争いもごく少数ながら描写が見られる。
- シリーズ通して様々な大型モンスターが登場し、それに対しハンターを操作して狩猟を行うモンハンシリーズだが、
当たり前だが「大型モンスターを狩猟することができるのは技術を持ったハンターだから」と言うだけに過ぎない。
この世界では一般人はもちろん、武装した軍隊であってもモンスター相手に壊滅させられることが珍しくないのである。
そんな一般人の目線からすれば、モンスターは文字通り「大自然の脅威」と言ってもよく、
結果的にモンスターを神聖視するような文化が根付いていると思われる事例が時折見られる。- この事例で最も有名なのは火の国関連のクエスト依頼文だろう。
同国は噴火やそれに伴う大型モンスターの暴走などで
国土が半壊してしまうことも珍しくない過酷な地なのだが、
同国では近隣に位置する火山そのものを神格視しており、国の重鎮はそれらを「山の怒り」と捉えている。
そして、怒りを鎮めるために国民を生贄に捧げると言う風習が残っているのである。
- ドンドルマの街ではリオレウスとリオレイアをイメージした、赤と緑の旗や屋根が多数見られる。
これは、大自然への敬意と感謝を示すためのものであることが判明しており、
これもある意味では宗教に近い考え方と言ってよいだろう。
- この事例で最も有名なのは火の国関連のクエスト依頼文だろう。
- 作中に登場する人々の間で、新興宗教のようなものが自然発生したと思しき事例も一部見られる。
- この例はシリーズにおける煌黒龍アルバトリオンの扱いを見ると分かりやすい。
アルバトリオンが存在する地帯には常に属性エネルギーに由来する天災が発生することから、
向かった者は戻らない死地として恐れられ、いつしか「神の棲む領域」と恐れられるようになったという。
後に王立古生物書士隊の手によって煌黒龍の存在が明らかになった後も、
その天災を司ると言ってもよいほどの恐るべき古龍への恐れと心酔からか、
アルバトリオンは人々の間でしばしば「神」と称され、畏敬の念を持たれていると思しい描写がある。- MHXXには「煌黒龍を畏れる神官」「たそがれに佇む神官」なる人物が登場している。
役職として「神官(に翻訳できる立場)」が存在していることもまた、
体系化され組織だった宗教が存在している証拠とも言えるだろう。
依頼文の内容から両者とも煌黒龍を神に相当する存在として畏怖しているのは確かなようだが、
依頼の趣旨は「神に逆らえ」というものなので、彼らにとってアルバトリオンは尊崇の対象と言うより
その活動を鎮めたい荒ぶる神や祟り神のような存在に近いのかもしれない。
- MHXXには「煌黒龍を畏れる神官」「たそがれに佇む神官」なる人物が登場している。
- この例はシリーズにおける煌黒龍アルバトリオンの扱いを見ると分かりやすい。
- 古代文明時代における宗教について触れられた例は極めて少ないが、
古代の人々が記した古文書に存在が語られていた蛇帝龍ダラ・アマデュラは、
原始の時代より「生と死の象徴」として畏れられ、荒ぶる神として信仰されていたとされる。
蛇帝龍が世界を創造したという創世神話が存在していたらしいことも明らかになっており、
古代文明においては蛇帝龍を創世神として神聖視する思想体系が存在していたものと思われる。- MH4Gでは依頼人として「宝玉の冠を抱く少年」「棘の冠を抱く少女」なる人物が登場するが、
彼らはダラ・アマデュラに対し、「あのお方」と敬称を用いて敬意を払っている。
依頼文から推察するに山に生きる一族であるようだが、あるいは古代人の末裔なのかもしれない。
- MH4Gでは依頼人として「宝玉の冠を抱く少年」「棘の冠を抱く少女」なる人物が登場するが、
- MHSTシリーズのライダーの思想や習慣も一種の宗教と言える。
彼らは古来からモンスターと心を通わせ、共に生きるということを大切にしており、
それに反する行為に対しては当然ながら強く反発する。
ライダーの考えは世間一般にはなかなか理解されにくい部分もあるため、
思想の違いが原因でいさかいが起こってしまうこともあるようだ。
なおモンスターをタマゴから孵し、絆を結ぶための儀式は「絆合わせの儀」と呼ばれており、
地域によってその内容は微妙に異なるものの、いずれも極めて大切な儀式とされている様子。- MHST2のマハナ村ではライダー文化に加え、リオレウスを神聖視するという独自の文化もある。
また同作内では、作中でかつて起こったとある出来事によって一部の人々が危険な思想に目覚め、
それによって新興宗教のようなものが発生し各地で暗躍したり、
その思想に感化された一部ハンターがギルドの統治に従わず暴走するといった問題も発生しているようだ。
- MHST2のマハナ村ではライダー文化に加え、リオレウスを神聖視するという独自の文化もある。
- 映画『モンスターハンター』では、作中に登場するハンターが、
失った家族を弔うために自身が潜む住処に祭壇のようなものを作っている。
それを部外者に破壊された際には本気で怒り、部外者と取っ組み合いになったほど。
- 自然崇拝の一環として自然現象やモンスターを神と称して崇めている人物はシリーズ中でもいくらか出ている。
一方で何かの教えや死生観をともなった、キリスト教などの人物由来と思われる宗教の関係者はほとんど出てこない。
モンスターを狩る立場というハンター目線からは関わりが薄かったり、
そもそもそこまでの人物がまだ出ていないのかもしれない。
その辺を掘り下げてもストーリーに絡ませるとなると面倒になりそうだし