MH世界における「現代」より遥か古の時代に繁栄していたと言われる文明。
ゲーム中ではこの古代文明に関する話はほとんど表舞台に出ることはなく、
武具の説明文や情報誌の中で僅かに触れられている程度である。
目次
概要
- 現在モンスターハンターの世界に築かれている、我々ハンターが生きる文明よりも遥か太古に栄え、
それでいながら現在よりも遥かに優れた技術を持っていたとされる文明。
現代の文明とは何らかの理由により技術的および文化的な断絶があり、
当時の文献などもその殆どが散逸していることから、その正体は謎に包まれている。
- 大陸の各地に広がるフィールドにおいては、古代文明の遺産らしき「古代遺跡」が散見される。
ジャングル(旧密林)や密林、孤島、水没林、砂原、溶岩峡谷、
遺跡平原、未知の樹海、地底洞窟及び地底火山、天空山、遺群嶺といったフィールドには、
とても現代に作られたとは思えない巨大な遺址の断片や、朽ちた廃墟などが確認できるが、
これらの建造物は全て、太古に存在していた古代人が作り上げたものであると考えられている。
最近では、同じフィールドでも年月を掛けた環境の変化によって新たに遺跡が確認される例も出てきている。
また、フォンロンに存在するかの古塔を建造したのも、この古代文明の人々である。- これらの遺跡には人知れず当時に描かれた石碑などの文献が存在しており、
その中には古龍に関する重大な秘密や謎の機構をした兵器などの情報が書かれていることもある。
現代より遥かに高度な文明であったらしく、現代科学では解析不能な技術や構造を持つ武器が多数存在した。
その一部は王立武器工匠を筆頭に様々な情報や技術を元に復元され、現代でも使用されている。
- 天空山の遺跡に関しては、作中である古龍の襲撃があったことを臭わせるお伽噺が登場しており、
後述の竜大戦との関連を臭わせないでもない。
- これらの遺跡には人知れず当時に描かれた石碑などの文献が存在しており、
- 古代文明との関わりが深い村としては、モガの村が挙げられる。
モガの村は謎の天災により沈んだ大昔の遺跡の上に建てられているとされるが、
かつてモガの村の村長の先祖は、代々この遺跡を守り遺跡の上に村を作って生きていたという。
そしてそれよりも更に遥か昔、古の人々は、謎の天災により海底に沈む前の
まだ地上に存在していた遺跡で暮らしていたとされているのである。
恐らく、この古の人々こそが古代文明、および遺跡を築き上げた古代人であり、
大海龍の力によって古代遺跡が海の底へと沈んだのち、村長の祖先がその上に村を作り、
それを代々守ってきたのではないかと推測される。- モガの村の農場の奥に存在する洞窟には、村を守る像が祀ってあるが、
その像の頭には、内部に複雑な構造を持ち、被れば水中でも息ができるとされる「古代のお面」が載せられていた。
あるいは、古代人は水中でも息のできるお面を使って、海の底で泳いでいたのかもしれないという。
- なお、海底遺跡には撃龍槍やバリスタなどの兵器の数々がほぼそのままの形で沈んでいるが、
これらは古代遺跡に備え付けられていた、対モンスターを想定した防御装置だったものと思われる。
- モガの村の農場の奥に存在する洞窟には、村を守る像が祀ってあるが、
- 紅龍ミラボレアスのヘビィボウガンは古代の文献に着想を得て作成されている。
ミラバルカンシリーズも、古代の壁画に描かれている、龍をも凌ぐ力を持つ人々が身に着けていた防具とされており、
剣士用腰部は古い文献に記されており、ガンナー用腰部は古代の人々が用いていたらしい。
- その他、表に出ていて関連性を思わせているのは、
さびた塊や太古の塊を元に復元された武器と拡散弾速射、滅龍弾とその速射である。
拡散弾速射は現代の技術では不可能、
滅龍弾速射はそのボウガンに古代の遺物が組み込まれて実現されている。
また、MHP2Gに出てくる太刀のアトランティカは海底遺跡にあった文献を元にしている。
- 一部の錆太古武器やアーティアシリーズの素材である破片はもともとは武具ではなく
謎の採掘品を腕利きの職人が武具として使えるように加工したものである。
そのような物まで一流の武具に生まれ変わらせてしまえる技術はたしかに素晴らしいものだが
歴史的価値のある古代の遺物を武具に加工してしまうとは考古学的に考えていかがなものか?
また、大剣エピタフプレートはその名の通り刀身に古代文明の文字で碑文が刻まれている。
発光する文字で書かれた内容は不明だが、作品によっては武器の解説欄にて
「内容を解読した学者がいたが、その直後に失踪した」とされている。
- 古代文明時代の文献などがゲーム中に登場することは殆どなく、設定資料ですら僅かに触れられる程度であった。
だが、MH4Gにて「ドンドルマの大老殿に収められた至宝」という形で、
古代文明に生きた人々が綴ったとされる『古文書』が、遂に明確な形で登場した。
この古文書は作中において「解読困難な古代の言葉で記されている」とされ、
古龍観測所の長には「古代の人々の英知と経験に基づく、学術的な推論」ではないかと推測されている。- この古文書には極めて強大な生物の出現が「予言」という形で書き記されており、
大轟竜や覇竜、崩竜といった希少なモンスターはもちろん、非常に原始的な古龍とされる巨戟龍、
御伽噺の存在とされていた蛇帝龍、そして憤怒に我を忘れた伝説の古龍など、
正に規格外のモンスターたちが名を連ねている。
これらの存在を認知していたのみならず、出現時期や場所までをも推測する辺り、
古代人たちが途轍もない技術と知識を有していたことが窺い知れるだろう。
- この古文書には極めて強大な生物の出現が「予言」という形で書き記されており、
- 自然をも超越する存在は高度な文明を誇ったはずの当時ですら、
実体は確認されず、その存在によってとある王国が滅ぼされるまでただの伝説とされていた。
実在が判明した後には調査が進められたが、調査に行った者は誰も帰還せず、新たな情報を集めることすら困難で、
その危険性からか侵入禁止区域にとなってしまう。- 先述の古文書にはその存在の一形態が情報として記されているが、
これが調査の末に作り出された物なのか、実在が判明する以前から作られていた物なのかは現在はっきりしない。
- 先述の古文書にはその存在の一形態が情報として記されているが、
書士隊が発見した古代の文献
- 書籍「ハンター大全」の中では、無印の開発中に没になったと思われる設定を
書士隊が発見した古代の文献という形で紹介している。
これらの文献を古代文明が残したものと仮定することで、古代文明の実態とその末路を想像できる。
以下、大全に掲載された資料情報に基づいた大まかな情報を掲載する。- 無論、これらはモンスターハンターの設定が形作られる中で生み出された
没ネタ(と思われる設定)を「文献の形で紹介している」ものであると思しく、
ハンター大全に掲載こそされているが、完全な公式設定ではない可能性も高い。
内容が内容だけに色々と想像を膨らませることができる設定だが、
あくまで「モンスターハンター世界であったかもしれない事柄」程度の認識に留めておくのが無難である。
- 無論、これらはモンスターハンターの設定が形作られる中で生み出された
造竜技術
- 古のMH世界に存在したらしい技術の一つ。
機械技術と生物学を応用し、人間の手で新たな命を造りだすという、素晴らしくも恐ろしい禁断の技術。
- この技術は、何も無い状態から命を生み出す魔法のような技術ではない。
機械技術と素材を用いて新しい命を造る、というのがこの造竜技術である。
つまり、新しい命を造るために別の命を糧とする必要があった。
これだけでも倫理的な問題に抵触しそうだが、それに関連した更に大きな問題が2つもある。
まず1つは、この技術によって造り出されていた命というのが
イコール・ドラゴン・ウェポン(竜機兵)と呼ばれる生体兵器だったらしい事。
もう1つが、その竜機兵1体の製造に約30頭分の龍の素材が必要だったらしい事である。
つまり古代文明はたった1つの新しい命を造るためにその何十倍もの命を犠牲とし、
挙句の果てにその命を使って更なる殺傷を繰り返したのである。
その素材集めのためのドラゴン乱獲が激化した結果、人類とドラゴンによる大戦争(後述)へと発展したという。
- この技術の産物であるイコール・ドラゴン・ウェポンや運用の舞台となった竜大戦と同じく、
ゲーム中でこれに関する話題は一切登場しない。
竜大戦時代
- 今現在のMHの世界が誕生するはるか昔の、人類 対 ドラゴンの全面戦争が起きたとされる時代*1。
時期的には古代文明の時期の末期となり、現代の文明との断絶の原因とされる。
- 「竜大戦」が人とドラゴンの戦争だと解釈されがちだが、
ハンター大全のイコール・ドラゴン・ウエポンの絵に添えられたテキストを詳細に確認すると、以下のようになっている。- 古代文明期に「竜大戦時代」と呼ばれる年代がある。これについては詳細不明で、規模や、誰と誰が戦っていたのかなどは明確ではない。
- 竜大戦時代には「竜機兵」とも呼ばれる人造ドラゴン兵器イコール・ドラゴン・ウエポンが使用された。竜機兵を造るには素材として成人ドラゴンが30体も必要とされる。
- 竜大戦時代に造竜技術は頂点を極めた。この記述からして、大戦時代前から技術自体は存在していたということになる。
- 頂点を極めた造竜技術のため、ドラゴン捕獲業者による乱獲が激化の一途を辿った。
- この時代をきっかけに人類はドラゴンとの大戦争に突入して両者が滅亡寸前にまで行った。
- つまり「竜大戦時代」とは、人類とドラゴンの大戦争が起きる前、その原因となった時期を指す。
- 詳細不明な部分が多く、高度な古代文明や人造ドラゴンなど衝撃的な情報が散りばめられていることから、
「これらの情報や技術はゲーム中にも存在しているが、
表に出ないようギルドや国家などが隠蔽しているに違いない」と言った陰謀論めいた楽しみかたをされることもあるが、
あくまでも示唆される情報や資料本の内容などからプレイヤーの一部が空想をしているものであり、
いわゆる「裏設定」の類いではない。
開発系の談話でも竜大戦関連は「イメージを膨らませて書いたもの」とされ、
シリーズ本編との直接的なつながりはあまり重視されていない。
派生作品における古代文明
MHF
- MHFでは、オリジナルフィールドとして古代文明の遺物とされる謎の回廊状の塔『天廊』が登場している。
プロモーションサイトによれば、天廊は古塔を建造した文明を上回る高度な古代文明によって建造されたという。
天廊を築いた古代人たちは「取り返しのつかないことをした」として次々と姿を消したという設定も公開されていた。- 天廊では様々な物品とともに古代人が記した書物などが遺されており、
「古代の狩猟技術」を現代のメゼポルタで再現したのが「超越秘儀」と呼ばれる技である。 - 天廊を冒険するコンテンツは不具合が多かったため、MHF-Zの10周年記念アップデートにて廃止されている。
しかし、この天廊を護っている恐るべきモンスター"天廊の番人"のいるエリアは存続し、
狩煉道関連のクエストとしてMHFのサービス終了まで極一部に赴くことができた。 - 後に、MHFサービス終了に際して運営側から天廊に纏わる裏設定の公開が行われ、
古代文明の人々によって天廊が建造されるに至った経緯、天廊の番人との関連性、
「巫女」の役割を担う不老長寿と化した少女が頂上に居るという開発時設定などが語られた。
派生作品オリジナル設定の類ではあるが、MHの古代文明についてここまでの掘り下げが行われた前例はなく、
ある意味で貴重な先例になったと言える。
- 天廊では様々な物品とともに古代人が記した書物などが遺されており、
- MHFオリジナルフィールド「雲見砦」「古跡」はいずれも古代文明の遺跡とされている。
また、明言はないものの狩煉道の舞台「砦跡」も規模の大きさ、建築様式から古代文明を連想させる。
一方、上記のような特殊フィールドではない一般的なMHFオリジナルフィールド上では古代文明の形跡がない。
MHXR
- 作品全体の下地として、断裂群島に栄えた古代文明の存在が様々な部分で散見される。
ハンターは「発見物」を探す中でこの古代文明が遺したものに触れることとなる。
ゲーム内で最も「古代文明」の息吹を感じられる作品と言っても過言ではないだろう。
- 作品内で一番存在感があるのは感応結晶に関わる古代文明。
ネフ・ガルムドやエオ・ガルディアに関わる伝承を遺しており、ストーリーに深く絡んでいる。
「蒸気」を扱う古代文明の存在なども判明しており、性質の異なる多様な古代文明が存在していたことが確認できる。
余談
- シリーズ初期からある黒龍伝説には、以下のような記述が見られる。
数多の飛竜を駆遂せし時 伝説はよみがえらん
数多の肉を裂き 骨を砕き 血を啜った時 彼の者はあらわれん
- 様々なワイバーン種をことごとく狩猟した主人公ハンターの前に現れる
ラスボスポジションの黒龍に相応しい一文だと言えるが、
これを古代文明の滅亡に絡めて「この伝説は竜大戦時代の事を言っているのでは?」と解釈しようとするプレイヤーもいる。
かつてミラボレアスは繁栄を極めたシュレイド王国を一夜で滅ぼし、伝承にも「世界に滅びを与える」といった表現さえ見られるため、
「文明を発達させた人類が竜を数多く狩るようになると、それに呼応して黒龍が人類文明を滅ぼしに現れる」
というストーリーに当てはめたものだが、竜大戦の話はシリーズ初期の没設定とも言えるもののため
どこまでが本編シリーズに反映されているかは不明。
また、ハンター大全に掲載された竜大戦に関する時系列は
詳細不明の竜大戦なる戦争が発生→人造ドラゴンを生み出す造竜技術が極まり、素材となるドラゴンの乱獲が起こる→この時代をきっかけにドラゴンと人が全面戦争状態になり両者が滅亡寸前まで行った
というものであり、ミラボレアスのような存在が単独で世界をどうこうしたという情報は一切書かれていない。
古代文明とミラボレアス云々はあくまで別々の情報を都合よく組み合わせた二次創作にとどまるものである。
- またMHW設定資料集では「仮説」の中で、
古代竜人ですらも忘却の彼方とする古の時代に
「竜人」と「古龍」には繋がりがあったのではないかとし、
過去に竜人が隆盛を誇る時代があったとすれば、この新大陸の完成された大自然の創造さえ可能だったのでは…との記述がある。
上述の造竜技術や竜大戦をどこか彷彿とさせるオーバーテクノロジーではあるが、
モンハンの世界観を構築する過程で試行錯誤していった結果
古龍や自然との繋がりがある竜人族や「五匹の竜の話」で語られる太古のモンハン世界といった設定が生み出されたのだろう。
- 後に『モンスターハンター 発想の法則 2 禁忌の書』にて古代文明について僅かながら触れられる事となったのだが
どうやらモンハン世界では文明の興隆と崩壊が幾度となく繰り返されて来ているらしく、
シュレイド城や古代文明、古代竜人族もまた誕生と滅亡を繰り返されてきたものの一部に過ぎず
各種古代文明の様相に対して妄想を膨らませていくのもまたモンハンの醍醐味であると語っている。
関連項目
アイテム/さびた塊
アイテム/さびた破片
武器/凄く風化した○○
防具/アーティアシリーズ
世界観/イコール・ドラゴン・ウェポン