世界観/天災

Last-modified: 2024-02-03 (土) 18:03:17

地震や津波、竜巻などの自然現象によって、人命や人間の社会的活動に被害が生じること。
正しくは「自然災害」と呼ぶ。

目次

概要

  • 読んで字のごとく、「突発的で防ぎようのない、まるで天からもたらされたような災い」という意味。
    ここでいう「天」は天空に限らず自然そのものを表し、落雷や暴風雨といった荒天からなる災害は勿論、
    地震や津波、噴火などの自然災害全般を「天災」と呼ぶ。
    また、人的要因で引き起こされた災害は「人災」として区別される。
    例えば大雨で突然の土砂崩れが起きたとすれば天災だが、
    崩れた土砂が不法投棄で積み上げられたものなら、崩れた原因が大雨だろうと「人災」という扱いになるだろう。

モンハンにおける天災

  • MHにおいては殆どの場合、古龍種や古龍級生物の途方も無い力によってもたらされる、
    甚大な被害の比喩表現として使われる。
    したがって本来の意味での天災を作品内で扱うことはあまり無い。
    作品によっては、地震や大嵐などの一般的な天災と呼ぶにふさわしい現象が発生することもあるが
    ストーリーが進むことによって、それが自然に発生したものではなく、
    ボス格の古龍の力によって発生した副次的な災害であったことが明らかになる…というのが通例である。
    • ゲーム内で確認できるいわゆる「天災」と言える事例は、
      MH3Gでボルボロスがモガの森に現れる理由とされる「干ばつ」がそれであろう。
      またガムートのクエスト依頼文では食料不足が起きているとされ、これも天災の延長の可能性があるといえる。
  • 逆に"古龍の仕業と思いきやガチの天災だった"というケースは、
    ゲームデザインの都合もあって今の所ない。
    まぁ原因と目された古龍との死闘を制して帰還してみれば
    「本当に天災でした、避難しましょう」では、
    笑い話にもならない徒労に終ってしまうので当然だが。

天災の規模

  • 村一つの危機から世界・人類そのものの危機まで種によってまちまちである。
    また、被害にあったのがたかだか村一つでも「想像を絶する大天災」と大げさに表現されることもあれば、
    禁忌のモンスターの中の更なる上位種の力ですら「天災に等しい」としか表現されなかったりもする。
    一つだけ確かなのは、現実の天災の規模も事例によってかなり隔たりがあるように、
    村の危機だろうが、世界の危機だろうが天災は天災なのだろう。
    以下は各モンスターがもたらす天災の被害範囲の一覧である。
ラージャン
出没地域の生態系への影響*1
アカムトルム
火山周辺の複数の村への甚大な被害*2
ウカムルバス
雪山周辺の複数の村の壊滅*3
バゼルギウス
出没地域の生態系への影響*4
アグナコトル
小国半壊*5
イビルジョー
出現地域の生態系の崩壊
ラオシャンロン
一国の崩壊*6
クシャルダオラ
寒冷群島一帯の崩壊*7
テオ・テスカトル
溶岩洞一帯の焦土化*8
ナバルデウス
孤島周辺の村の壊滅*9
アマツマガツチ
霊峰一帯の村々の壊滅*10、都の滅亡*11
シャガルマガラ
天空山一帯に棲むあらゆるモンスターの死滅及び恒久的立入制限*12
ダラ・アマデュラ
世界崩壊*13
オストガロア
出現地域の村落および生態系の壊滅*14
ゾラ・マグダラオス
新大陸の崩壊*15
イヴェルカーナ
新大陸各地の急速な寒冷化*16
アン・イシュワルダ
渡りの凍て地および新大陸の生態系の壊滅*17
ムフェト・ジーヴァ
現大陸各国および新大陸の壊滅*18、世界崩壊*19
百竜ノ淵源ナルハタタヒメ
百竜夜行の大量発生および生態系の崩壊*20
ガイアデルム
城塞高地近傍の王国の壊滅*21
黒龍ミラボレアス
古代王国の滅亡、生きとし生けるものの滅亡*22、世界滅亡*23
アルバトリオン
人類の滅亡*24、あらゆる生命の淘汰*25
グラン・ミラオス
数多の島の海没、世界(または出現地方全域の)滅亡*26

超災害級古龍

  • 超災害級という字面の通り、古龍の中でも極めて大規模な災害を起こしうるモンスターが属するカテゴリー。
    MHWorld:Iアップデート第5弾のストーリー中にて突如登場した公式用語である。
    ストーリー中にて明確にこのカテゴリーに属しているのはアルバトリオンのみ。
    他には、同じ禁忌のモンスターであるミラボレアスやグラン・ミラオス、
    そしてストーリー中テキストの解釈にもよるがムフェト・ジーヴァもこのカテゴリーに属している可能性がある。
  • 今のところ公式における用例があまりにも少なく詳細な定義は不明。
    超災害級という字面や属しているモンスターから大まかな意味合いをなんとなく察するのが限界である。
    実際、アイスボーン設定資料集において、この用語の掘り下げはほぼ0
    一応p51で赤龍・煌黒龍・黒龍は三例の「生態系を脅かす未曾有の危機」として羅列されていたものの、
    煌黒龍以外の二種が超災害級古龍に属するかどうかは明確にされていない。
    それどころか、属していることが明確な煌黒龍の解説ページですら「超災害級古龍」という言葉は一回も登場しない始末である。
    本全体で見てもストーリー解説の章のミラボレアスのページにて今まで調査団が相対してきた
    古龍達の名を羅列する際に一回使われているのみ。
    そして、続くMHRise(S)に至ってはゲーム中テキスト・設定資料集を含めても超災害級古龍という言葉は
    とうとう一回も使われることはなかった
    百竜の淵源ナルハタタヒメや嵐龍アマツマガツチは作中でも最大級の脅威として使われていたが、
    それでも超災害級の水準には達していなかったのだろうか。
    つまり二体の古龍が混ざり合った百竜の淵源だろうが嵐そのものを操る大いなる災いと謳われる覆滅の龍神だろうが
    影を踏む事すら叶わない超災害級古龍が如何に規格外な存在という絶望的な差を示していることでもある。
    なんにせよ次回作での設定の掘り下げが待たれる。そして死に設定になっていないことを祈るばかりである。

シリーズごとの変遷

  • P2Gまではラオシャンロンやシェンガオレンなどの超大型モンスターのみに使われる傾向があった。
    凄まじい巨体とパワーをもつが故に移動するだけで天災級の被害が発生する……みたいな用法である。
    クシャルダオラやテスカト等の大型モンスターに該当する古龍がもたらす被害も
    街を壊滅させうるほどの脅威とされてはいたものの、どういうわけか天災に喩えられることはあまりなかった。
  • 3シリーズではラオシャンロンと同じ超大型モンスターに分類される超大型モンスターが多数登場し、
    そのいずれもが巨体や能力によって極めて甚大な被害をもたらす存在であったことからか、
    登場する古龍種全般が天災の代名詞として扱われるようになった。
    またP3においてはアカムやウカムもクエスト依頼内容で「大災」に喩えられていたため、
    彼らも地味に天災級のモンスターの仲間入りを果たしている。
  • 4シリーズ以降はドス古龍が復活したが、
    P2Gまでとは異なり、大型古龍も例外なく「天災」に比肩する存在として扱われている
    (実際、作中の描写を見る限りではドス古龍レベルでも完全に天災クラスの被害をもたらしている)。
    MH4で復活した黒龍はムービーにおいて「生ける災い」と評され、
    紅龍についても「天災に等しい」と表現されるようになった。
  • MHX(X)ではシリーズを通してMHW:I、MH4Gに次ぐ数の古龍種が登場したが、
    シナリオに絡む形で天災として表現されたのは天廻龍、骸龍、天彗龍、(古龍種ではないが)閣螳螂のみである。
    また、それらボス級モンスターが齎した数々の災厄も
    依頼文や会話などでのテキストを通して間接的に由々しい事態を彷彿とさせる表現はあるが、
    シナリオとしては龍歴院の調査活動に立ちはだかる問題程度と、比較的に内容は軽く
    プレイを通して全体的に世界を揺るがす程の天災の気配は感じられない。
    これは復活・続投したボス級モンスターの多くがシナリオ上ではフィーチャーされていないこと、
    ストーリーを通してムービー描写がほぼ存在しないことなども大きいと思われる。
  • MHWorld以降の作品では古龍種=天災という設定がより掘り下げられ、
    古龍種はほぼ例外なく地域一帯に天災級の被害を齎し、生態系を激変させる存在として描写される。
    特に天候や生物の生態行動などを始め細密な環境描写を実現したMHWorld(MHW:I)においては
    ゲーム中でもフィールド全域にもたらす影響力が如実かつ詳細に表現されており、
    出現した地域の環境を一変させてしまう存在であることが改めて示されている。

その他モンスターの出現に付随して起きた現象

古龍種全般
小型モンスターの消失、古龍天候など
渡りの古龍
新大陸の生態系の変容、地形変化による大陸地図の改定
ナバルデウス
孤島の生態系の変容
ゴア・マガラ/シャガルマガラ
狂竜化モンスターの出現、極限化モンスターの誕生
ダラ・アマデュラ
出現地方における地殻変動の続発
バルファルク
複数の大型モンスターの活発化
ゾラ・マグダラオス
大陸各地の大型モンスターの活発化
ゼノ・ジーヴァ*27
古龍渡りの頻発化、新大陸全土の地脈エネルギーの異常活性
アン・イシュワルダ
大陸規模での古龍を含めたモンスターの活発化、瘴気の谷の形成
ムフェト・ジーヴァ
異常な生態環境の構築周囲一帯の動植物の廃滅禁忌モンスターの出現
イブシマキヒコ/ナルハタタヒメ
数多の大型モンスターの大移動ヌシの出現
ガイアデルム
疫病の蔓延、城塞高地の一般モンスターの死滅、(傀異化/傀異克服モンスターの誕生)
黒龍ミラボレアス
老山龍の出現、度重なる森林火災、断続的な地震、古龍を含めたあらゆる生物の消失
紅龍ミラボレアス
出現地域の空が緋色に変容*28
祖龍ミラボレアス
皆既日食の発生、正体不明の空間歪曲の発生
アルバトリオン
吹雪・嵐・雷・炎の雨など、古龍天候の極致ともいうべき異常気象
グラン・ミラオス
出現海域全体が赤色に変容

類語

災厄・厄災

  • 災いや災難全般を指す用語。
    モンハンにおいては、もたらされる被害の規模がより巨大であったり、
    被害の元凶となったモンスターの気質が凶暴、若しくは邪悪であったり、
    被害の内容が陰惨だったりする場合に使われる傾向がある。
    しかし例外も多々あり、この条件がどこまで通用するかも正直怪しい。
  • 生ける災厄災厄の化身など、黒龍に関連するモンスターには必ずと言っていいほど使われる表現である*29
    …などと言うと言葉の重みが天災などよりよっぽどあるかのように思われるが、
    MHP2では災厄と表現されるモンスターが他にも登場し
    MH3以降からは古龍級ですらない一般モンスター(ラギアクルス、ディアブロス亜種等)にも使われるようになったため、
    実際は天災以上に被害の規模にブレがある言葉である。
    それに伴い言葉としての価値も完全にストップ安を迎えた。

終末・終焉

  • 本来は物事の終わりを指す用語だが、創作においては「滅び」を意味する場合が殆ど。
    ここまで来ると古龍級生物やドス古龍はもちろんラスボス格の古龍に使われることさえも殆どなく、
    禁忌のモンスターのクエスト名や設定に登場することが多い。
  • 作中では紅龍ミラボレアスに『終末の時』『緋天終焉』というタイトルのクエストが、
    紅龍ミラボレアス特殊個体に『紅の終焉』というクエストが存在する。
    紅龍ミラボレアス特殊個体に関してはゲーム内の解説文で「終焉をもたらす紅龍」と触れられており、
    大長老との会話でも「世界の終焉」という台詞が見られる。
    煌黒龍アルバトリオンには「終焉を呼び寄せる」というギャラリー解説文が存在するほか、
    漆黒爪【終焉】というストレートなネーミングの太刀も登場している。

余談

  • ちなみに現実世界にも聖書、コーラン、漢書にて天災とされる生物がいる。
    バッタである。
    日本では田んぼのあぜ道に生息し、佃煮にして食べられることで知られるバッタやイナゴだが、
    それは日本での話であり、中国やアフリカ大陸に生息する
    トノサマバッタやワタリバッタ(トビバッタ)の仲間が問題
    普段はおとなしい生物だが、局地的に数が増えると「相変異」という現象が発生し、
    体が大きく、羽が長く、そして黒い体色を持った"群生相"と呼ばれる個体が生まれ始める。
    群生相となった個体は群生相同士で集まるように行動し、最大数百億匹という群れを形成、
    植物、というよりも植物由来のもの全てを捕食対象とし、農業のみならず産業にも大打撃を与える。
    これによる天災を「蝗害(こうがい)」と呼ぶ。
    厄介なのは、気象や自然現象とは違って卵を産み繁殖し続ける「生物」であるため、
    条件さえそろえばこうした被害が長期間連続して起こり続けるという点である。
    • なお、実を言うと日本のトノサマバッタも相変異ならび蝗害を起こす事があり、
      明治時代に北海道で蝗害の被害が出た記録も残っているのだが、
      日本国土は山林地帯や斜面が多い性質のため、
      相変異したバッタが大量の産卵を行うための平原地帯が少なく、
      故に相変異を起こしての大繁殖がしにくく、蝗害がかなり起きにくい環境となっている。
      その為に古来の日本は正確な蝗害の知識を欠く事となり、
      後述のように「蝗」の漢字に誤った翻訳を当てたり、
      バッタ以外の大規模な虫の被害に蝗害を当てて記憶していたりしている。
    • ちなみにイナゴを漢字で書くと
      古代中国では治水が重要な位置を占めていたことは有名だが、
      それと同様にバッタへの対策も皇帝の課題だったのである。
      なお、日本ではイナゴに当てる「蝗」の漢字だが、
      これは古代日本で誤ってイナゴにこの漢字を当ててしまったもので、
      漢字の蝗は中国語および本来の漢字の意味としてはトノサマバッタを示す。
    • 農作物がないならバッタを食べればいいんじゃないかと考える人もいるかもしれないが、
      結論から言ってしまうと不可能である。
      大量発生したバッタは(自分たちが植物を食べ尽くしたせいで)食べるものが少ないので痩せており、
      体は硬くて処理しにくい、味が良くない、栄養も少ない、消化にも悪いと最悪である。
      その上食べるものが少ないとなると毒がある植物も食べてしまうし、
      農薬や強力な殺虫剤の毒も体に蓄積されているので食料としての価値はゼロに等しい。
    • なお、モンハン世界のバッタである「皇帝バッタ」も
      MHSTアニメ版において蝗害に近いものを引き起こしており
      (ただし現実の蝗害よりも非常に小規模だが)、
      MHWでは相変異を起こして凶暴化したという「暴君バッタ」も登場している事から、
      蝗害はモンハン世界にも存在するようである。
    • ちなみにモンハンでもユーザー間用語としてバッタがあるが、
      何の縁かこちらも災害を示すもの(ただしこちらは人災)となっている。
  • MHXXのクエスト「災禍の水竜」では獰猛化したガノトトスが原因で密林の川の氾濫が起こり、
    最低でも6つの村が水没するという大惨事が発生した事が確認されている
    複数の要因が重なった場合、危険度4クラスのモンスターでも壊滅的な被害(の原因)になりえるのである
    (そもそも素の危険度4でも交通や商業が停止する位の脅威度だが)。

関連項目

モンスター/古龍種
モンスター/アルバトリオン - 様々な天災の象徴というコンセプトを持つ。
ゲーム用語/ラスボス
世界観/禁忌のモンスター
世界観/地震
世界観/干ばつ
世界観/外来種
アクション/雷
アクション/竜巻


*1 MHXXのクエスト「原生林からの救援要請」の依頼文における推定
*2 MHP2「狩りに生きる」におけるハンターズギルド緊急連絡より
*3 MHP2Gのストーリー中テキストより
*4 MHRiseのクエスト「降り注ぐ爆鱗の矢」の依頼文における推定
*5 MHP3のクエスト「火の海に棲む竜!」の依頼文より
*6 MHP2Gのクエスト「巨大龍の侵攻」の依頼文における推定
*7 MHRiseのクエスト「嵐に舞う黒い影」の依頼文より
*8 MHRiseのクエスト「炎国の王」の依頼文における推定
*9 MH3Gのストーリー中テキストより
*10 MHP3のストーリー中テキストより
*11 MHR:S公式短編小説vol.4の記述ならびに同作ストーリー中テキストより。ゲーム内ではヨモギ・カゲロウ・タドリの故郷とされ、小説内では「ツキトの都」と呼称される場所にあたる
*12 MH4のストーリー中テキストより
*13 MH4のギルドマスターによる推定
*14 MHXのギルドマネージャーによる推定、クエスト「骸まとう龍」の依頼文より
*15 古代竜人による推定。作中個体が地脈回廊で死を迎えた場合の被害想定
*16 MHW:Iのストーリー中テキストより
*17 MHW:Iの新大陸古龍調査団メンバーによる推測
*18 陽気な推薦組及び調査団リーダーによる推定。作中個体が幽境の谷を離れた場合の被害想定
*19 大団長による推定。作中個体が自身の保存と増殖を達成した場合の被害想定
*20 ゴコクによる推定。作中個体が産卵に成功した場合の被害想定
*21 ガレアスによる推定。作中個体が地上に進出した場合の被害想定
*22 将軍による推定。黒龍を討伐できなかった場合の被害想定
*23 黒龍伝説より
*24 クエスト「煌黒龍アルバトリオン」「黒き光を放つ神」の依頼文における推定
*25 クエスト「神への抵抗」の依頼文における推定
*26 MH3Gのギルドマスターによる推定。なお、作中では想定される被害の範囲が「世界」とする表現と「地方全域」とする表現が混在している
*27 誕生前の時点。
*28 緋天終焉の依頼文にて確認できる設定。ただしゲーム中では再現されていない。
*29 邪悪・凶暴なイメージと無縁の祖龍でさえ石版の予言で災厄という言葉が使われている。