MHR:Sにおける、メインモンスターをはじめとする三体のモンスターの異称。
概要 
- 観測拠点エルガドを有するとある王国では、大穴「サン」の出現以降、
それまで王国の周辺地域でのみ確認されていたモンスターが異常な活動を始め、
さらに一部のモンスターは地方を跨ぎカムラの里近辺にまで生息地を拡大していた。
そのうち、特に王国の領域を脅かさんとするモンスター三体が「王域三公」である。 彼らはエルガドでの調査における最重要ターゲットとされている。
- 爵銀龍メル・ゼナ
- 白銀の甲殻が美しい、気品漂う古龍。
獲物の精気を奪うために、夜の闇に紛れて背後に忍び寄り襲いかかる。
凛とした優雅な見た目だが、精気を集めると凶暴な本性を剥き出しにする。
- 白銀の甲殻が美しい、気品漂う古龍。
- 氷狼竜ルナガロン
- 瑠璃色の甲殻が特徴的な牙竜。
体内に取り込んだ空気を冷却する器官があり、
冷やした空気を全身に巡らせて体温調節をおこなっている。
長距離の移動や環境の変化にも耐えられるためその生息域は広範囲。
- 瑠璃色の甲殻が特徴的な牙竜。
- 剛纏獣ガランゴルム
- ゴツゴツとした巨体が特徴的な牙獣。
体液に植物の成長を促す成分があり、共生する植物や周囲の土砂を体液で固め、体に付着物として纏うことで
その部位での攻撃を強化する。
- ゴツゴツとした巨体が特徴的な牙獣。
- 初報が出た当時、一部のネット掲示板などでは古龍・狼・ゴリラが同格として並べられているという点について
騒ぎが広がったものの、実際の作中における扱いではメル・ゼナが一段格上という扱いとなっていた。- こうした話題になった理由として、MHシリーズにおいても近い概念である「四天王」が前例にあった点がある。
四天王は4つの属性における別格に強力なモンスターという扱いであり、
設定上どれかが飛び抜けて強いということはなかった*1。
使用属性と弱点属性についても三すくみならぬ四すくみになっていたため、
類似の概念が発表された際、古龍(龍)と氷の狼、火(+水)のゴリラで同様のことが成立するのか、と
疑問に思った人が多かったものと思われる。 - 「四天王」は日本のサブカルチャーでは当たり前のように使われる概念であるが、
元々は仏教用語で、仏法を守護する東南西北の四神の事を指すものである。
インド以東においては四方をそれぞれ守護する存在という概念は守護神、守護獣などとして存在しているが、
こと西洋においては東方からやってきた三賢人、三位一体など「三」という数字が出てくる事が多い。
- こうした話題になった理由として、MHシリーズにおいても近い概念である「四天王」が前例にあった点がある。
- ちなみにこの3種はMR★6の大連続狩猟クエスト「破滅の音は彼方より響く」にて城塞高地に集結するが、
これまでに彼らが一堂に会する事態はほとんど無かったらしい。
PVではいち早く集結していた事は内緒だ。
1頭でも圧倒的な力を誇る王域三公のそれぞれが全力で衝突し合えば、
城塞高地の生態系を破壊する危険性すら考えられる非常事態となるという。
縄張り争いの結果だけを見ればパワーバランスはメル・ゼナに傾いている気がするが。
余談 
- 三公のモデルになっているのは「世界三大モンスター」として名前が挙げられる事が多い、
吸血鬼、狼男、フランケンシュタインの怪物(+ゴーレム)と見られる。
これらには「1920年代~1940年代の映画を通して有名になった西洋モンスター」という共通点があり、
いずれの作品もイメージの大本になる作品を書いたのがイギリス人であるという点も共通。- 吸血鬼伝説は世界的に広く存在しており、狂犬病説や伝染病による昏睡・仮死状態の人間が
意識を取り戻して歩き回った姿を見てそう解釈した説など様々な説が存在している。
一方で、現在の貴族・耽美的なイメージはブラム・ストーカーの『ドラキュラ』や
シェリダン・レ・ファニュの『カーミラ』といった吸血鬼が登場する小説や
それをもとにした1800年代末~1930年代頃までの舞台・初期の映画によるイメージによるもの。
吸血鬼の発祥地はルーマニアであるとされる事が多いが、ブラム・ストーカーはイギリス人で
ルーマニアには一度も行ったことがなく、想像で書いた部分が多いとのことである。 - 狼男についても同様に、世界中に半獣人に纏わる伝承や狼を祖先に持つ一族などの伝承がある。
古くは狼の勇猛果敢さや能力を備えた者として英雄的に扱われる事もあったが、
中世に入るとキリスト教的価値観により狼は悪しき生物として扱われるようになった。
カトリックに従わない人間は狼であるというレッテルを貼られ追放刑にされるようになり、
その後狼のような仮装をして野山で生活しなければならないという掟が課される場合もあった。
19世紀末になると文学作品に登場するようになり、映画『倫敦の人狼』『狼男』等において
人間から半獣人に変身する様が特殊メイクを使って描かれ、こうした作品を通して
「普段は人間の姿」「満月の夜に変身する」「銀が弱点」というイメージが広まった。
これも走りになった小説作品『人狼』『ファントム・シップ』を執筆したのは
イギリス人のフレデリック・マリアットである。 - フランケンシュタインの怪物については1831年の小説『フランケンシュタイン』から。
「フランケンシュタイン」とは死体を繋ぎ合わせて理想の人間を作り出そうとした博士の名であり、
誕生した怪物の名前ではない。
原作では容姿こそ醜いものの、かなり高度な知性を持つという設定だった。
「全身に縫い目やボルトがある不気味な大男で、力は強いが心は子供のように純粋」というイメージは
1931年の映画版『フランケンシュタイン』が初出。
見た目にインパクトがあった事から、作品が有名になるにつれ、
次第にこの怪物自体が「フランケンシュタイン」という名前で呼ばれるようになっていった。
作中のフランケンシュタインはスイス人だが、執筆者のメアリー・シェリーはイギリス人である。- なお原作が描かれた社会的背景として、18世紀末~19世紀頃のイギリスでは
医学研究者が死刑囚や引き取り手の居ない死体を研究・サンプル収集のために買い上げたり
引き取るという行為が大っぴらに行われていたという事がある。
また、埋葬・死刑執行された後の死体は誰のものでもないという法の抜け穴が存在しており、
それに目をつけて墓を掘り起こして死体を盗み、売る事を生業にするものまで出てくる始末だった。
大量のサンプルがあった事で現代医学・生物学・人類学の発展に繋がった一方で、
私欲のために死体を粗末に扱う者も少なからず存在し、功罪両方の面があった。
- なお原作が描かれた社会的背景として、18世紀末~19世紀頃のイギリスでは
- ガランゴルムのもう一つのモデルであるゴーレムについては
唯一イギリス出身ではなく、元々はユダヤ教の伝承である。
ラビ(律法学者)が祈祷をしたうえで土を捏ね、人型に成形した後
呪術的な仕掛けをすることによって動き出し、主の命じるままに行動するというもの。
言ってみれば呪術によって作り出されるロボットのようなもので、
ユダヤ教を弾圧する人々から教徒を守るために作られたとされる一方、
運用する上での決まりを守らなかった為に自らがゴーレムに殺されるというパターンも少なからずある。
こうした逸話は神を真似て思い上がった事をする人間の傲慢さを戒めるという目的があると言われている。
創作物においてはドイツ人とチェコ人の作家が非常に好んで取り上げた題材で、
1915年の映画『ゴーレム』や「ロボット」という言葉を作り出した戯曲『R.U.R』は
それぞれドイツ、チェコの作品である。- 上述のように元々は(神が人間を作った事を真似て)泥で作られた人形なのだが、
時代が下るに連れて石や金属で作られているという描写がなされるようになり、
「人為的に作り出された生命体や動く人形=ゴーレム」という解釈もなされるようになった。
こうした意味の拡大に伴い、フランケンシュタインも一種の
フレッシュゴーレム(死体を繋ぎ合わせて作られたゴーレム)であると言われる事がある*2
- 上述のように元々は(神が人間を作った事を真似て)泥で作られた人形なのだが、
- 吸血鬼伝説は世界的に広く存在しており、狂犬病説や伝染病による昏睡・仮死状態の人間が
- また、王域三公の武器の大半には攻略段階で非常に優秀という共通点もある。
- MR3では斬れ味やブレなどが悪いが圧倒的な攻撃力のガランゴルム武器、
- MR4では斬れ味や攻撃力も優秀なルナガロン武器、
- MR5では攻撃力も斬れ味も優秀、かつラスボスまでこれひとつで駆け抜けられるメル・ゼナ武器
すべて生産段階ではレア素材を要求されないのも嬉しいところ。
関連項目 
モンハン用語/メインモンスター
モンハン用語/ドス古龍
ゲーム用語/四天王
世界観/天下三刀 - MH世界観の三大○○の1つ。
アイテム/オノノコバチ - 世界三大美虫と呼ばれる昆虫(トレジャー)。
アイテム/クレオパピヨン
アイテム/ヨウキヒグラシ