モンスター/牙竜種

Last-modified: 2024-09-28 (土) 07:01:56

MHP3より登場したモンスターの分類カテゴリーの一つ。
発達した四肢による四足歩行に長けた竜の種族で、狼・虎・トカゲなどを連想させる外見をしている。

目次

概要

  • 飛竜種と同じく竜盤目に属する。
    長らくジンオウガその亜種のみしか確認されていなかったが、MHWorldにてようやく新種が多数発見された。
    • なお、竜ではないが同じく四肢が発達したカテゴリーとして、より古くから「牙獣種」という分類がある。
      あちらは前脚が発達したモンスターが多く、熊・猿・ゴリラなどの見た目に近い。
  • 該当するモンスターに共通する特徴は以下の通り。
    • 比較的短い頚と発達した四肢、長い尾を持つ
    • 陸棲で四足歩行を行う*1
    • 可動肢としての翼を持たない*2
    • 体表に鱗を備える*3
  • 他の種族と同様、一口に「牙竜種」といってもその姿は様々で、
    骨格が縦に躍動する哺乳類型のジンオウガや凄爪竜グループ及び各小型種、
    大型になると爬虫類のように横に体をくねらせて進む賊竜グループ、
    頭部が大きく発達したドドガマルなど、バリエーションに富んでいる。
    ごく大雑把に言えば『翼を持たず、発達した四肢で四足歩行を行う竜』の種分類と言える。
    • 翼を(痕跡を含めて)持たない点で飛竜種と、四足歩行を行う点で獣竜種と、
      竜である点で牙獣種両生種と、骨格的な構造で海竜種蛇竜種と異なるが、
      より具体的な「牙竜種を定義する設定上の要素」は明らかになっていない。
      水中や地中に適応した種が見られないのも特徴だが、牙竜種も(世界観上の)生物学的な分類である以上、
      こうした外見的な行動による共通点は結果的なものに過ぎず、
      分類を定義する条件はまた別に存在すると考えられる。
    • アカムトルムウカムルバスは同じく四足で翼のない身体構造を持つが、
      「飛竜種やその祖先と共通する構造の外殻、爪、骨格が認められる*4」として、
      飛行を行わない種でありながら「超大型の飛竜種」に分類されている。
      単純な外見や見かけの生態ではなく、より詳細な共通点に照らしての分類が為されている点から、
      モンハン世界の分類法は(現実世界を基準とすれば)比較的進歩したものであると言える*5
    • また「牙」は牙竜種でなくとも持っている器官であり、
      麻痺牙や毒牙を武器とするモンスターもさほど珍しくない。
      牙竜種だけに共通する歯列構造などの設定も明かされたことはないので、
      「牙竜」という分類名の由来はよく判っていない。
      ジンオウガトビカガチドドガマルなど、牙系の素材が得られない種も多数いる。
  • 生態樹形図では、ジンオウガが飛竜種などと同じ”竜盤目”に属することが判明している。
    それによると牙竜種は「四脚亜目」に分類されるとのこと。
    我々の世界で言うところの恐竜のうちティラノサウルスのような獣脚類やブラキオサウルスのような竜脚類に近い分類と言えば分かりやすいか。
    • 四脚亜目という分類ではあるが、生態樹形図を見るとアカムトルムやウカムルバスは
      有翼飛竜種こと竜脚亜目に繋がる系統で分化しているようで、既述の通り牙竜種との間に直接の関係はない。
  • 生態系上は「捕食者(プレデター)」ないし「掃除屋」に位置する事が多い。
    ただし種によって地位は大きく異なり、
    ジンオウガ種やオドガロン種のようにその地域における生態系の頂点*6とされる強大な種から、
    ドスジャグラスやドスギルオス、トビカガチのように中間捕食者として知られるもの*7
    シャムオスのように小型捕食者と掃除屋の立場を兼任するもの、
    鉱物も食べるドドガマルなど、その生態的地位の幅はかなり広い。
    生態系ピラミッドに満遍なく属する、MH世界では稀有な種族であると言える。
  • 数ある種族の中でも、とりわけ好戦的な性格の持ち主が多い種である。
    空腹時や攻撃を受けた際は誰彼構わず襲い掛かって相手を排除しようとし、
    MHWorld以降ではそれを証明するように縄張り争いが発生する種(とその対象)が突出している。
    • 凶暴性では小型~中型モンスターも負けてはおらず、ウルグは群れでハンターを発見すると即座に襲い掛かろうとし、
      シャムオスやドスジャグラス、トビカガチ種は明らかに格上の相手に対しても攻撃を加えて抵抗する。
      岩が主食で動きの鈍いドドガマルですら、他の大型生物との戦闘に巻き込まれると
      まずは逃げずに積極的に火薬岩を吐き、追い払おうとする。
    • この好戦的な性格が最もよく現れているのは、何と言っても他ならぬ牙竜種同士の争いが描かれたムービーであろう。
      通常種と亜種が文字通りの殺し合いを繰り広げたオドガロン種に、格上に挑み奮闘するジンオウガ、
      それに業を煮やし全力の一閃で屠る怨嗟響めくマガイマガドなど、いずれも一方が死ぬまで描写されている。
    これだけ見ても、牙竜種が小物から大物までファイター揃いであることが分かるだろう。
    特に生態系を超越した古龍種との縄張り争いが存在するモンスターを(亜種/特殊個体込みで)五種*8
    (縄張り争い扱いではなく人為的誘導も絡むが、ヌシ・ジンオウガの乱入を含める場合は六種)も擁する種族は他になく、
    他種族の古龍級生物を考慮したとしてもぶっちぎりの数である。超攻撃的生物ならぬ超好戦的種族と言うべきか
    • ただし格上のモンスターに挑みかかって勝てるというわけではなく、
      無謀な勝負を挑んだ結果、叩き伏せられるなり反撃されるなりしてあっさり敗北する事例も多い。
      当然と言えば当然だが、種として格上である古龍種に対する戦績はあまり芳しくなく、
      完敗に終わるか、一矢は報いるものの敗北してしまう種が多い*9
      古龍に対して互角かそれに近い勝負が出来るのは現在確認されている中ではマガイマガド種のみで*10
      特殊個体の怨嗟響めくマガイマガドともなれば古龍相手でも互角以上の戦績を見せる。
    • また比較的小柄な中型牙竜種や大型牙竜種のトビカガチ種及びオドガロン種は軒並みイビルジョーに武器扱いされ、
      思いっきりぶん回されたり投げられたりするという悲しい宿命を背負っている。

余談

  • かつては牙竜種に分類されたモンスターが雷狼竜ジンオウガとその亜種しかいなかったこともあり、
    ジンオウガに類似する身体的特徴を持つことが分類条件と解される場合もあった。
    現在はジンオウガとは大きく異なる特徴を持つ牙竜種が多数確認され、
    大まかな共通性から結果論的な定義の推測が可能となっている。
    • モンハン史上初の牙竜種であるジンオウガが登場した当初は
      本種が獣を彷彿とさせる要素が随所に見られた事から
      「牙獣種の様な竜」といった見方もされていた時もあったが、
      毛の有無といった牙獣種との類似点も少ない牙竜種も確認されている現在では殆ど見られなくなっている。
      • 生物分類学上に於いては「首長竜」の様に最初に発見された個体の特徴に倣って命名されたものが
        後に発見された同種族に属する生物の特徴に見られなかった、というケースも珍しくなく、
        モンハン世界の分類学でも発見当時「牙獣の様な竜」という理由で
        命名されていただけの可能性もあるかもしれないが、
        そもそも「牙竜種」と命名された理由が公式から解説されていない事から
        プレイヤーからは禁忌のモンスター新大陸の全容と共に考察勢で議論されるのみに留まっている。
      • 尤も、毛の有無などの差異があるとはいえ、“発達した四肢を持つ”という点は殆どの牙竜種で共通しており、牙獣種も嘗ては紹介文句に『強靭な四肢』が挙げられることが多かったなど、共通点が全く無くなったわけではない。
  • 牙竜種の英語名は「Fanged Wyvern」、つまり「牙のあるワイバーン」である。
    前述したように牙竜種は”竜盤目に属する竜”、つまり鳥竜種や獣竜種と同じく
    飛竜種と共通の祖先から派生した種族であるため、この英語名は強ち間違ってはいないといえる。
    • 翼がないのにワイバーン、という表現は違和感があるかもしれないが、
      ワイバーンの起源となった紋章学において、ワイバーンは必ずしも翼を持つわけではない*11
      単に翼を欠くだけであったり、あるいはそれの頭が増えたものであったり、
      はたまた翼は持つものの今度は脚がなかったりと、
      現実世界におけるワイバーンという概念にそれほど厳密な定義はないようだ。
      その例として、モンハン世界では絶滅種であるワイバーンオリジンを祖先とする、
      翼を持たない飛竜種、アカムトルムなどが存在する。
  • 「牙竜」という単語については、MHP3での牙竜種の発見以前より
    飛竜種のベリオロスの別名として「氷牙竜」が登場している
    (因みに牙竜種と同時に実装された亜種は「風牙竜」)。
  • MHP3で登場して以降、長い間ジンオウガ系統のモンスターしか属していなかった種だが、
    MHWorldにて、ついにジンオウガとは異なる完全新規の牙竜種モンスターが多数登場した
    その総数は実に8種とMHWorldの種族の中でも上位に入る数で、長い停滞を経て大躍進した種族と言える。
    当のジンオウガはMHWorldでは残念ながら出番がなかったが、MHW:Iで晴れて新大陸へ進出。
    更に大型アップデート第二弾でその亜種の参戦も果たされ、二つ名個体を除く全ての牙竜種が共演と相成った
  • MHP3と同じ和の世界観を持つMHRiseでは、怨虎竜マガイマガド10年振りに牙竜種のメインモンスターとして登場
    MHWorldシリーズからはジャグラス、トビカガチ、ジンオウガの3種が続投し、
    多くの種族が集った当作でも看板モンスターを含めて中々の存在感を放っている。
  • MHR:S現在、特殊個体やヌシを含めて18種と特別数が多い種ではないながらも、
    属性のバラエティーは毒(トビカガチ亜種)、
    麻痺(ギルオス、ドスギルオス、トビカガチ亜種)、雷(ジンオウガ、トビカガチ)、氷(ルナガロン)、
    龍(ジンオウガ亜種、オドガロン亜種、怨嗟響めくマガイマガド)、爆破(ドドガマル、マガイマガド)と
    かなり豊富な種族となっている。
    特に雷と龍の使い手をこの段階で複数含んでいるのは中々異例である*12
  • MHFではフォワード.3以降、獣竜種に海竜種とMH3での新種族が続々と輸入されており、
    「そろそろ牙竜種あたりも実装されるのではないか」と期待するハンターもいたが、
    後述するように何度か運営故意のミスリードらしき情報が何度か出されていた。
    しかし、それから牙竜種に関する話題がほぼ沈静化したMHF-G7初期、
    突如としてMHF-Gへの雷狼竜ジンオウガそのものの実装が発表されるというまさかの展開を迎えた。
    • MHFでの新たな牙竜種に期待するユーザーは多いらしく、
      それらしきモンスターが発表されると話題となるのが恒例。
      クアルセプスミ・ルイナガミケオアルボルなどは公開当初種族が明かされず、牙竜種と誤認されていた*13
    • 牙竜種という枠にとらわれない見方であれば、
      MHFに登場する古龍種であるエルゼリオンにはジンオウガと同じ骨格が使用されている。
  • 掃除屋から上位捕食者まで幅広いニッチで繁栄しながらも、その多くがとにかく獰猛で恐れを知らないという点は、現実世界のイタチ科を彷彿とさせる。
    • メジャーなネコ科・イヌ科などに比べると、肉食獣としては小さく弱そうな印象を受けやすいイタチ科だが、実際は体格差を物ともせず、時には格上にも牙を剥く狂気じみた胆力を誇るグループである。
      代表的なものは、『世界一怖いもの知らずの動物』というギネス記録を持ち、あのライオンにも臆さず立ち向かうことで知られるラーテルだが、
      他にもオオカミの群れに単独で挑み、(飼育下では)ホッキョクグマを倒してしまった記録も持つクズリや、凶暴なワニをも喰らい、時にはアマゾンの頂点たるジャガーまで退けてしまうオオカワウソなど、武勇伝が残る程に攻撃的な種が目立つ。
      オコジョやイイズナ、ニホンイタチなど、日本でも見られるような小型の種とて例外ではなく、自分の倍以上に大きなウサギ・ヘビなどを仕留める、天敵たる大型鳥類に自ら挑みかかるなど、激しい攻撃性を持つことで知られている。
    • このような性格故か、(肉食獣としては)比較的小柄でありながら上位・頂点捕食者として君臨する種や、大型肉食獣から恐れられるような種も多く、様々な環境下で幅を利かせている。
      尤も、ここまで怖いもの知らずな面が目立つのは、裏を返せばそれだけ自分以上の強者・天敵の脅威に晒されていることの表れでもある。
      実際、獰猛だからといって必ずしも勝てる程甘くはなく、喧嘩を売った (買った)までは良かったが、結局格の差を見せ付けられ呆気なく惨敗するケースも多い。
      こういった立ち位置も牙竜種とよく似ている。

該当モンスター

  • リンク先に一覧表あり

*1 例外としてルナガロンは身に纏う氷で重心を変えつつ筋肉を膨張させることで、牙竜種唯一の二足歩行を可能にしている
*2 トビカガチは四肢の間に滑空できる程度の皮膜を持つが、膜自体に骨格や筋肉は無く羽ばたく事はできない
*3 ウルグのように全身が体毛で覆われ、殆ど鱗が見られない種もいる
*4 言及があるのはアカムトルムのみだが、分類上はウカムルバスも飛竜種であるため同様の特徴を有すると考えられる
*5 現実においても、姿や生態が似ているが近縁ではなかった、逆に、似ていないのに近縁だった、といった生物学の発見は数多い。遺伝子レベルでの分析が可能になってからは、さらにそうした例が増えている
*6 厳密に言えばオドガロンはその地域の頂点ではないが、一般的な生態系の範疇に収まるモンスターの中では紛うことなきトップである
*7 「中間」と言っても、大型モンスターがこれらの肉食モンスターを積極的に食べているという事は殆どない。どちらかといえば強弱関係の競合者である
*8 オドガロン(亜種)、(怨嗟響めく)マガイマガド、ルナガロン五種。
*9 オドガロン(亜種)は(死を纏う)ヴァルハザクに完敗、ルナガロンは(原初を刻む)メル・ゼナに一矢報いるも敗北と、五種のうち三種が明確に敗北を喫する。
*10 最終的には劣勢と取れる描写があるものの、ヌシ・ジンオウガもアマツマガツチを相手に同程度のダメージを与える。
*11 現在でも、アメリカ陸軍の一部部隊が翼のないワイバーンを紋章に採用している
*12 デビューから出ずっぱりにもかかわらず、雷属性を扱う鳥竜種や獣竜種はアイスボーンの時点で一種ずつ(クルペッコ亜種とアンジャナフ亜種)である。
*13 ミ・ルのみ未だに分類不明扱いだが、デュラガウアを基にした骨格、レックス型飛竜と共通するモーションの数々から、前例同様に飛竜種に分類されるのはほぼ確定的である