- 種族
- 古龍種(古龍目 爵銀龍亜目 メル・ゼナ科)
- 別名
- 爵銀龍(しゃくぎんりゅう)
- 英語表記
- Malzeno
- 危険度
- MHR:S:★8
- 登場作品
- MHR:S
目次
特徴・生態
- 数百年前に突如として現れ、それ以降幾度となく王国を滅亡の淵に立たせるまでに追い込み、
今なお“王域を統べる龍”として君臨する大型の古龍種。
高貴さを湛える美しい白銀の甲殻と、その内に秘めた禍々しき本性を持ち、
格式高い所作と凛とした優雅な様相からハンターズギルドからは《爵銀龍》という別名で呼ばれる。
王国を何度も崩壊の危機に追い込んだ過去から、王国の人々からは広く恐れられており、
その脅威を排除することは王国全体の悲願とされている。
- 全身は薄く光沢を帯びた汚れなき白銀色の甲殻に覆われており、
脚、尾などの先端部は金属のような黒色の鱗に金の差し色が入った体色を持つ。
頭部に生える硬くしなやかな角や口元の鋭い牙は豪奢で威徳的な雰囲気を漂わせる一方、
鮮血の如き深紅の翼膜は並々ならぬ妖しく不気味な輝きを放つ。
また、切っ先が三叉の槍状に発達した堅靭な尾は「三又尾」と呼ばれ、
ひと薙ぎするだけで地を軽く叩き割り、刺し貫くように振り抜けば鉄をも貫通する鋭さを持つ。
爛々と朱色に染まった眼と闇に紛れて現れるその姿は見るものに畏怖を抱かせる。
- 気高い佇まいと美しく優雅な風貌を持つが、しかしその性格は残忍にして狡猾。
獲物を襲う際にも正面から堂々と戦いを仕掛けるような事はせずに夜の闇に紛れて襲撃を行い、
自らの手をできる限り汚さずに全てを得ようとするかのような狡猾な振る舞いを見せる事もある。
また、爵銀龍という別名に相応しいプライドの高さも持ち合わせているようで、
自分が相手をするのにふさわしい者を見定め、力を持つ者相手には技と速さで、
素早く技巧に長ける外敵にはその力で持って沈める戦い方を好む。
時にはその凶暴な本性を剥き出しにし、苛烈なまでの攻撃を加える姿も目撃されており、
対峙する際にはメル・ゼナの本性に対しても臆せず踏み込む勇気が必要となる。
- 体躯は代表的な古龍であるクシャルダオラとほぼ同等だが、その胴は華奢とも言えるほど細身である。
しかし、そのしなやかな身体から繰り出される攻撃の数々は見た目からは考え付かぬ怪力を誇る。
特に翼は翼爪と翼膜のみで構成されたシンプルな構造でありながら
攻撃手段として扱える頑強さと膂力を有しており、地面に叩きつけて岩盤を砕くことはおろか、
翼で大きく仰ぐ事で地面をも穿つ突風を引き起こす事すら可能とする。
また、槍のような三又尾はそれ自体が強力な武器として機能するだけでなく、
切っ先を独自に動かし爪のように駆使して外敵を掴む事も可能で、
捕らえた獲物を引き摺り回すようにして上空へ放り投げる姿も確認されている。
- メル・ゼナは溢れんばかりに膨大な龍属性エネルギーを操る能力を持ち、
多くの古龍と同じく口からビーム状のブレスとして放つほか、
胸元の羽毛や甲殻の隙間から滲み出させるようにして放出することも可能。
羽毛や甲殻の隙間から排出した朱色の龍属性エネルギーは
宙に浮かぶエネルギー球として、あるいは地を這うエネルギー波として放たれ、
高密度に集約したエネルギーの影響からか、他の攻撃と比べても非常に危険度が高い。
時には周囲をビーム状のブレスで薙ぎ払うように攻撃したのち、
巨大なエネルギー球を落として一帯に多量のエネルギー波を走らせる大技を仕掛けてくる事もある。
- 本種の特異な習性として、生物の精気を奪うという生態が挙げられる。
メル・ゼナは自身のエネルギー補給のために直接獲物を捕食することはなく、
生物の生命力とも表されるこのエネルギーを通して生命力を維持するための養分を得ており、
甲殻や骨をすり抜ける艶やかな牙でもって捕らえた獲物の精気を吸い上げる。
更にメル・ゼナは自身の攻撃によって相手を特殊な出血状態にさせる事が可能で、
この状態に陥った生命体はメル・ゼナと生命力の奪い合いを迫られることになる。
自身の能力や特殊な出血状態を駆使し、周囲の生命体から精気を奪い尽くした時、
全身が影のように黒ずんで各部が赤く光り、紅の靄を纏って“血氣活性状態”へと変貌する。
血氣活性状態に移行したメル・ゼナは内に秘めていた凶暴な本性を遺憾なく発揮し、
パワーとスピードを兼ね備えた熾烈な攻撃の数々で外敵を抹殺すべく暴れ出す。
- 王国領域を棲息範囲としている生物たち、通称「王域生物」の中でも特に大きな影響力と
傑出した力を持つ三体のモンスターを、王国の民は畏怖を込めて「王域三公」と称している。
三公はメル・ゼナを筆頭として剛纏獣ガランゴルム、氷狼竜ルナガロンと、
生態系の中でも上位に位置する大型モンスターが選出されているが、
中でもメル・ゼナは古龍種である事と、今は見る影もない城塞高地を含めて何度も王国を崩壊させかけた過去から、
他二体と比べても別格の危険度と実力を誇るとされている。
- メル・ゼナが数百年前に王国に現れた際、同時に王都近辺に地下へ繋がる巨大な「大穴」が生じており、
以降その出現と共にメル・ゼナも現れ、大穴を自身の巣窟とする姿が目撃されている。
しかし、五十年前には王国に面する沿岸部に大穴が空いたものの、
メル・ゼナは穴が空いた瞬間に姿が確認されたのみで大穴が巣窟となる事もなく、
空に消えてしまったためにその行方は捕捉できていない。
この調査のため王国から騎士たちが派遣され、観測拠点エルガドが設立。
メル・ゼナを始めとした王域生物の動静や、周辺生態系の保護を目的として調査活動が進められている。
- キュリアとの関係
- 近年、メル・ゼナの周囲で蝶のような翼とヒルのような頭部を持つ小型の飛翔生物の目撃情報が増加している。
この生物は噛生虫キュリアと名付けられた、どの文献にも情報が記されていない全く未知の新種である。
メル・ゼナはこのキュリアと共生関係にあり、
目撃情報によればメル・ゼナはキュリアを自らの配下として使役するかのように扱い、
周囲の獲物や相対する外敵から精気を吸収させ、自身に献上させるような姿が見られたという。
また、メル・ゼナはキュリアが有する毒で体内を満たし、自らの力として行使するという適応性を見せている。
一方でキュリア側が一方的に搾取されている訳ではなく、キュリア側もメル・ゼナの力を餌として命を繋いでいる。
このようにメル・ゼナとキュリアは両者が明確な利益を得る相利共生の関係を築いていると推測されている。
- キュリアが搾取したエネルギーや保有する毒は、主にメル・ゼナの胸元から吸収されてその体内に蓄積されていく。
メル・ゼナの一部の行動、特に戦闘中に見せるものの中には、
キュリアから供給されたエネルギーが大きく関わっているものもある。
その最たるものが、血氣活性状態の中で披露する異常な高速移動能力である。
メル・ゼナ自身の全長の数倍はあるはずの距離を、まるで瞬間移動と錯覚させるかのような圧倒的な速度で以て移動し、
翻弄される外敵を続けざまに放つ攻撃によって確実に仕留めんとする。
一種の超常現象のようなその動きは、キュリアによって溜め込まれたエネルギーが発する強烈な波動により、
メル・ゼナ本体が勢いよく前方へ突き動かされる事で発現しているとされ、
それだけのエネルギーの影響や急激な加速に耐え抜く強靭な肉体を誇るメル・ゼナだからこその芸当と言えるだろう。
なお、この能力を使用する際にメル・ゼナの全身が一瞬だけ
闇そのものを纏ったかのような漆黒に染まるが、これはその波動の影響であるという。
- キュリアが目撃される少し前より王域生物がその縄張りを離れて他地方へ侵出する異変が発生しており、
この“モンスターの異変”について観測拠点エルガドが調査を行なっていた。
その結果、この現象はキュリアが精気の奪取を目的としてモンスターを噛み、
キュリアの牙から毒性の強いウイルスが入り込む事によって王域生物が狂暴化した事が原因であったと結論付けられた。
また、五十年前に大穴及びメル・ゼナの出現と共に王国に発生した疫病も、
当時確認されないほど小さな幼体であったキュリアの毒によるものであったという報告が挙がった。
よって、キュリアを従えるメル・ゼナこそがこの一連の事件の首魁であると目され、
カムラの里から招かれた猛き炎と王国騎士が協力し、
王国の仇敵にして異変の元凶たるメル・ゼナの討伐へ赴くこととなった。
- 共生関係にあった相手が居なくなり、直にキュリアによる被害も収まるものと考えられていたが、
王国騎士らの思惑とは反対にメル・ゼナの討伐後もキュリアによる被害はより深刻さを増し、
大型モンスターを死に至らしめるまで精気を吸い尽くすなど、明らかに異常な行動が見られるまでに発展。
宿主を失って暴走したのか、新たな宿主を見つけたのか、
宿主がいるならば何者なのか、キュリアを巡る事態は混乱を極めるばかりであった。
更に、五十年前にキュリアが幼体であったなら、それ以前では現在のような共生関係を結べていなかった事になり、
それが事実であればメル・ゼナとキュリアは現在の共生関係を極めて短い期間で築いたということに他ならない。
その上メル・ゼナの討伐に関わったハンターらから、
「メル・ゼナを討伐した直後、その身からキュリアが飛び去った」という証言があり、
噛生虫キュリアの正体は益々謎を深める事となった。
そして精気を大量に吸収したキュリアはより紅色の輝きを増し、突如として城塞高地に集結。
メル・ゼナとキュリアの謎の解明のため、猛き炎と王国騎士は当地へ向かい、
そして異常な光景と、その奥に潜む真の元凶を目撃する事となる。
概要
- 白銀色の体躯と紅色の翼膜を持つ、気品漂う凛とした佇まいの古龍。
モンスターハンターライズ:サンブレイクのメインモンスターを務める存在で、
剛纏獣ガランゴルム、氷狼竜ルナガロンらと共に名を連ねる「王域三公」の筆頭格である。
なお、古龍種のメインモンスターはイヴェルカーナに次いで5例目となる。
特殊個体については下記を参照されたし。- モンスター/原初を刻むメル・ゼナ(特殊個体。MHR:S Ver.16より登場)
- その容姿、能力、別名から感じられる風格は完全に西洋ファンタジー世界観のそれであり、
妖怪や怪異、日本神話の神々をモチーフとしていた
MHRiseの新モンスター達とは一線を画する存在となっている。
MHR:Sでは和風全開であったMHRiseの世界観とは
全く異なるフィールドやモンスターのビジュアルが展開されており、
最初に公開されたメル・ゼナはその象徴と言えるもので、
ハンター達に今作の世界観の理解と共に受け入れられた。
- 古龍種メインモンスターの先例であるイヴェルカーナと同じく、
真っ直ぐ伸びる四肢に翼を持つという典型的なドス古龍骨格を持つ。
スラっとしたシルエットをしており、特にウエストの細さは古龍種の中でも随一。
装飾は鋭角的で、頭部や身体の背中側は白銀色の、腹側は鈍色や黒色の鱗で覆われ、
アクセントとして角や尾、爪などに高貴さを感じさせる金色が配置されている。
胸元と手首にあたる部分には紅色の体毛が生えているが、テスカトの鬣のようにふさふさしたものではなく、
いくつかが束になって羽根状に形成されているものとなっている。
特徴的な部位として三叉の槍のように発達した尾が挙げられ、
これで敵対者を掴んで引き摺り回し地面に叩きつけるなど、
イヴェルカーナやマガイマガドとはまた別のベクトルで尾を武器にするモンスターである。
マガイマガドの尾が和風の十文字槍なら、こちらは西洋の三又槍をモチーフにしたものであろうか。- 口元に覗く牙、立襟のような首横のヒレ、
マントのような漆黒の翼膜などの外見的な特徴から察せられるように、
メル・ゼナは西洋で最も有名な怪物「吸血鬼(ヴァンパイア)」、
特にドラキュラ伯爵に代表されるような貴公子然とした吸血鬼がモチーフとなっている。
別名である「爵銀龍」もこれに由来したものとなっており、高貴なメル・ゼナの印象をより引き立てている。
吸血鬼要素は外見や名前のみに留まらず、
PV等ではリオレウスやハンターに噛み付いて血を吸い取っているかのように見える様子が映し出され、
モーションとして闇に紛れて消え、一瞬で姿を現す能力をも持つ他、
デラックスエディションで手に入れられるハンター用重ね着装備の「滅龍猟装」シリーズは
モンスターハンターならぬヴァンパイアハンターを思わせるものとなっているなど多岐にわたる。
今作では西洋ファンタジーの怪物や伝承、海外の神話などが
新規モンスターのモチーフになっているのが窺えるが、メル・ゼナはその最たるものであろう。
- 公式サイトや広告のビジュアルイメージでは新フィールドである
城塞高地に聳える寂れた古城と共に写されており、
濃い紫色に染まった空と緋色の妖しい光を放つ紅月、
そして闇に紛れて佇むメル・ゼナという組み合わせがよく見られる。
カムラノ装のハンターがこれに立ち向かう姿はホームであるカムラの里から出立し、
アウェーである遠い異国の地に挑戦するという新たな物語の予感や、孤独感がよく表れていると言えよう。
城塞高地は大きく3つのエリアに分かれているが、
ガランゴルムが森林地帯、ルナガロンが氷雪地帯の代表者であるように、
メル・ゼナは古城のある城塞地帯に君臨する、当フィールドの頂点的な存在であると考えられる。
古城にはメル・ゼナが操るものと同じ赤い光が纏わりついた、棺のようなものが意味深に配置されており、
城塞高地とは何かしらの深い関係性があることを窺わせる。
- 口元に覗く牙、立襟のような首横のヒレ、
- メル・ゼナが巣食う城塞高地は観測拠点エルガドと同じ王国に属していた城塞とその城下街である。
地理的に非常に近いエルガドは常にその脅威に晒され、王国は何度も崩壊寸前にまで追い込まれているため、
王国からは国を脅かす第一線級の脅威として見做されている。
特に同じく城塞高地に棲息するガランゴルム、ルナガロンとは3体合わせて
「王域三公」と呼び称され、エルガドで恐れられている存在であるという。
メインストーリーでもフィオレーネや主人公との因縁が強調され、
公式からも「メル・ゼナを討ち、王国を救う事が出来るか」というストーリー紹介がされているように、
パッケージモンスターらしく主たる脅威として王国騎士とハンターの前に立ちはだかる存在になっている。- ルナガロンやガランゴルムとは同じ王域三公として一括りにされているものの、
決して仲間意識があるわけではないようで、
公開されているコンセプトアート等では両者と相対するような画や、
縄張り争いを行うような様子も見受けられた。
- 《王域生物》とは、王国の領域内に棲息する生物、
つまり王国に縄張りを持つ生物であるという事を表す。
その中でも特に傑出した力を持つ三種のモンスターを《王域三公》と呼んでいる事が判明している。
発売までは“三公”という名称や、別名に含まれる“爵”が君主から与えられる地位である事から、
王や帝などからは一段下る存在と見ることもできたため、
「未だ公開されていない王にあたるモンスターが存在し、
王域三公はその家臣をイメージしているのではないか」という考察がなされていた。
しかし実際にはメル・ゼナを従えるような存在はおらず、
メル・ゼナ自身が“王域を統べる龍”として半ば王のように君臨していた事が明らかとなった。
そんなメル・ゼナに敢えて「公」や「爵」という封建配下の字を当てているのは、
王域という考え方自体が、人類が統べている王国を前提にしたものだからか。
エルガドの人々の反応を見るに、統治者としての王家はちゃんと敬愛されているようなので、
社会を脅かすモンスターを、別名とはいえ同列の位で呼ぶのは憚られたのかもしれない。
という概念はMHXで登場した「四天王」にもよく似ている。
四天王も4大メインモンスターとして大々的に告知されていたが、
王域三公もエルガドにおける最重要ターゲットとして大きく扱われており、
公式からの力の入れようが窺えよう。
もちろん全てが同じというわけではなく、王域三公ではメル・ゼナのみがメインモンスターで
ルナガロンとガランゴルムはメインモンスターとしては扱われていない。
また、四天王はディノバルドを代表としながらも4種の力関係はほぼ同格として描かれていたが、
王域三公にはメル・ゼナ>ルナガロン>ガランゴルムという明確な力関係が存在している。 - ルナガロンやガランゴルムとは同じ王域三公として一括りにされているものの、
- メル・ゼナが持つ特異な生態として、獲物の精気なるものを奪うという事が明かされている。
公式サイト等の情報によれば、メル・ゼナは精気を奪うために闇夜に紛れ、獲物の背後から襲い掛かるのだという。
ティザー映像ではリオレウスに噛みつき、血を飲んでいるかのような演出がなされていたが、
実際にはリオレウスの精気を吸っていたという事である。
曰く「生命を吸う」とされるこの行動は、
メル・ゼナの持つ高貴な印象とは裏腹に残忍さと狡猾さを窺わせるものとなっている。- ハンターがメル・ゼナの一部の攻撃を受けた場合、「劫血やられ」という新状態異常に侵されてしまう。
劫血やられ中は自然回復力がなくなり、回復アイテムの効果も薄まる他、じわじわとスリップダメージが発生するが、
逆にモンスターに攻撃を当て続ける事で体力が回復していく効果が得られるという、
メル・ゼナと生命力の駆け引きを行うような状態異常となっている。
更に、精気を集めたメル・ゼナは本性である凶暴性を剥き出しにし、更なる変貌を遂げるという。
- また、メル・ゼナは紅色の飛翔する謎の小型生物のような存在を従えているとされ、
メル・ゼナと共に獲物を捕らえてエネルギーを吸い尽くすという。
この小型生物は噛生虫キュリアと呼ばれ、細長い三角形の胴体に蝶か蛾のような薄く大きな羽根を持っており、
目の無い頭部には丸い口に小さな歯がズラリと並ぶ、
フルフルやギィギを連想させるヒルのような悍ましい顔つきをしている。
このキュリアはなんとメル・ゼナと相利共生関係を築いている存在である。
このため、メインシリーズではナバルデウス種*1やヴァルハザク種*2に次いで、
他の生物と直接的な共生関係を築いている古龍種となる*3*4。- キュリアとの高度に連携した共生関係は捕食行動にもよく表れている。
メル・ゼナは仕留めた獲物に近づくこともなく、飛び立ったキュリアが獲物に群がり吸精する様を
給仕係の所作を眺めるかの如くに悠然と見下ろすのみで自ら食らいつくことはない。
- キュリアとの高度に連携した共生関係は捕食行動にもよく表れている。
- 更に、前作メインモンスターのマガイマガドが鬼火を巧みに扱うように、
メル・ゼナも固有の正体不明の紅色の粒子を操る。
自身の周囲に巨大な球体にして漂わせたり、口からブレスとして発射し
着弾地点にエネルギーの爆発を起こすなど、攻撃手段として使用している。
その赤黒い外見から察せられるように、
世界観上でも数少ないモンスターしか扱わない龍属性のエネルギーとなっている。
キュリアもこの紅色の粒子を全身に纏っており、
何かしら精気や生命力に関わるものである可能性が指摘されている。
しかし後述する理由から、この能力の殆どがキュリアとの共生により新たに獲得したものであることも示唆されている。
そのため、「これらのどこまでがメル・ゼナ固有の能力だったのか」については長らく不鮮明であった。
ファンの間では様々な考察がされており、またボーナスアップデートにて、キュリアとの共生以前の姿を保つ特殊個体
「原初を刻むメル・ゼナ」が登場した事でその全容がある程度示される事になった。- 特殊個体はキュリアに浸食されていない状態では劫血やられを使用せず、
盾翼と槍尾を駆使した肉弾戦で戦うモンスターとなっている。
この事から、メル・ゼナが生来持つ能力(の一つ)は、細身の体躯でありながら
自分と同じ古龍種のブレスであろうと力任せに正面から押し切るほどの絶大な身体能力と見られている。
同じく身体能力を武器にした古龍であるネルギガンテと比較すると、
キュリアなどの毒への耐性・免疫機能が特徴と言えるか。- モチーフとの関連性についても、吸血鬼が登場する著作物ではその特徴として怪力を挙げるものは多く、
『吸血鬼の持つ最大の脅威は吸血や眷属の作成・多彩な能力ではなく、ただ単純な力の強さ』
とする著作物も散見される。 - これらの創作物内の設定では、筋力の高さが単純に物理的なものではなく、
魔力などの「魔物として得た特性」により強化されたもの、というようなファンタジー性の強いものも存在する。
あるいはメル・ゼナの異様なフィジカルも、単なる筋力ではなく
「なんらかの古龍としての能力」の作用で爆発的に高められたもの…という可能性もあるだろうか。
- モチーフとの関連性についても、吸血鬼が登場する著作物ではその特徴として怪力を挙げるものは多く、
- また、吸血鬼のモチーフと合わせて「眷属化」こそがメル・ゼナ自身の固有能力ではないかとも考察されていた。
吸血鬼が血を吸った相手を自身の眷属とする伝承は有名であるが、
敵対する立場にあったキュリアを自身の配下のように従えたという事実がそのままこれに当てはまる。
それならば、キュリアが真の共生相手の元に戻らずメル・ゼナの元に居続けた理由にも、説明がつく。
もっとも、吸われてるのはメル・ゼナの方だが……- 後に登場した「原初を刻むメル・ゼナ」については、
ストーリー中では集ってくるキュリアについて眷属化どころか明らかに敵対・排除する様子を見せており、
狩り場においても影響を跳ねのけようともがき、そのせいで外敵に特大の隙を晒す姿すら見られる。
原初メル・ゼナと比較すると通常個体が翼などの甲殻を欠き、全体的にやつれた姿に見える事も踏まえると
キュリアとの共生は不本意で不自然なものであり、生来の力で従えていたものではなかった事が窺える。
- 後に登場した「原初を刻むメル・ゼナ」については、
- 他にも、ガランゴルム狩猟後のムービーや登場ムービーでは
主人公ハンター達やリオレウスらを襲う黒い突風が描かれている。
「伝染病」と「風」を関連づける伝承もあるため、これもメル・ゼナの特殊能力ではないか、
という考察もされていたが、戦闘中にメル・ゼナが風を操るような様子は見受けらない。
風の操作だとドス古龍骨格の先輩や風神とモロ被りというメタ事情もあるし、
どちらかといえば翼一閃のように、前述した身体能力に物を言わせた羽ばたきであると考えた方が自然だろうか。- 特殊個体がキュリアに浸食された形態になった時、
攻撃の一つとして「羽ばたきで黒いオーラを纏った突風を生み出し、放つ」様子が確認される。
特殊能力…と言い切っていいかは分からないが、
元々の身体能力の高さとキュリアの影響、この2つが作用して獲得した能力なのかもしれない。
- 特殊個体がキュリアに浸食された形態になった時、
- ハンターがメル・ゼナの一部の攻撃を受けた場合、「劫血やられ」という新状態異常に侵されてしまう。
MHR:S
誘いに導かれしものは疾風にさらわれ その風が闇の化身と知る贄は避けられぬ闇に覆われしまま生果てるまで吸い尽くされ給仕はひたすらに主への緑酒を捧げ続ける贅を尽くし満を持して 闇は月光の下 姿を現す
朱に染むる夜宴爵銀龍メル・ゼナ
- マガイマガドがカムラの里と深い因縁を持つモンスターであったのと同様、
メル・ゼナも今作の拠点であるエルガド、
及びそれを有する王国と長きに渡る因縁を持つモンスターである。
その名前が出るのはなんとマスターランクに上がる前であり、
カムラの里に現れたダイミョウザザミの狩猟後、
乱入してきたルナガロンを追って現れたフィオレーネの口から語られるという、
古龍種メインモンスターのみならずパッケージモンスター全体で見ても異例の早さとなる。- フィオレーネからはダイミョウザザミやルナガロンなどの
王国領域のモンスターが縄張りを広げた理由が「大穴」にあるのではないかという推測、
そしてその大穴を開けた存在とされる古龍メル・ゼナの存在が口にされる。
王国の仇として命に換えてもメル・ゼナを斃さんとするフィオレーネの様子を見兼ね、
フゲンは災禍に喘ぐ王国を救うために「猛き炎」に
エルガドに出征することを推薦し、サンブレイクのストーリーが始まる事となる。
- フィオレーネからはダイミョウザザミやルナガロンなどの
- ストーリー前半では姿は見せないものの、エルガドの面々から
何度も王国を崩壊の危機に陥れた古龍として度々名が上がる。
同じ王域三公の2体を狩猟するとムービーでその姿を見せるようになり、
猛き炎とメル・ゼナの間にも徐々に因縁が出来ていく事となる。- MR3への緊急クエストの相手であるガランゴルムを制すると、
匂わせとして猛き炎とフィオレーネの前に
飛翔する謎の小型生物と突風を起こした謎のモンスターの存在がムービーで映される。
物語の鍵を握るキュリアの存在もここで判明し、
いよいよストーリーも本格的に始動していくという演出になっている。
- 更にMR4への緊急クエストとしてルナガロンを狩猟すると、
今度はキュリアを従えたメル・ゼナが堂々と登場。
王国騎士たるフィオレーネを翻弄して手傷を与え、
更に狩猟したルナガロンからキュリアにたっぷりと精気を吸収させ、
悠々と去っていくというメインモンスターらしい余裕を見せる。
また、フィオレーネはこの傷が元で後に病に侵され一時は意識不明で倒れてしまうなど、
キュリアとそれを従えるメル・ゼナの脅威と恐ろしさが描写されている。
散々辛酸を舐めさせられた反撃と王国を脅かしてきた積年の雪辱を果たすため、
そして大穴とキュリアにまつわる一連の事変の元凶を討つため、
快復したフィオレーネと共に城塞高地へ赴く事となる。
ついにパッケージモンスターとの直接対決とあってムービーは情緒たっぷりに語られ、赤月の明かりが差す中、
城塞高地の古城にて盟勇と共に戦う雰囲気抜群のシチュエーションとなる。
マガイマガドと同じく超高難度の体験版で苦しめられたハンター諸氏も多く散見されるため、
ここでフィオレーネと共にその借りを返してやるのもいいだろう。 - MR3への緊急クエストの相手であるガランゴルムを制すると、
メル・ゼナを討伐して全滅するかと思われたキュリアはなおも止まらず、
アンジャナフに群がりそのまま殺してしまうなど、明らかに異常な行動を見せ始める。
一時期は宿主を失って暴走しているのかと思われていたが、
その行動は明らかにメル・ゼナ以外の宿主がいる事を示していた。
そして城塞高地の生物を軒並み死滅させるという大暴挙をやってのけた後、
遂にキュリアは還るべき場所として、この事件の真の黒幕と合流するのであった。
- キュリアの真の宿主にして、本当に共生関係を築いていた相手とは
今作のラスボスにして《深淵の悪魔》たる冥淵龍ガイアデルム。
ガイアデルムは普段は人目の届かない遥か地下深くに居座っており、
地上に出る際には大穴を開けて現れ、地上へ共生関係にあるキュリアを放つ。
そして、キュリアに数多のモンスターから精気を吸収させてエネルギーを得るという生態を持っている。
一方、本編の数百年前にガイアデルムが王都近辺に大穴を開けて現れた際、
これを良しとしなかったのが王域を統べるメル・ゼナ。
両者は縄張りを賭けて激しく争いあうが決着が付かず、
メル・ゼナは空へ、ガイアデルムは地下へ還ってしまう。
その後メル・ゼナは件の大穴を自身の巣窟としたためにガイアデルムの存在は長い間全く気づかれておらず、
唯一その唸り声のみがおとぎ話として伝わる程度であり、
王国の住民から見るとメル・ゼナが大穴を生じさせているように見えたのである。- そして本編の五十年前、王国の沿岸部に2つ目の大穴を開けたガイアデルムは
地上への道を阻むメル・ゼナに業を煮やしたのか、
地底へ帰る間際にメル・ゼナに向かってキュリアを放つ。
メル・ゼナ討伐後にキュリアのテンションが上がっていたというバハリの感覚を信じるなら、
その目的はメル・ゼナの敗走ないし弱体化、ひいては謀殺であっただろう。
しかしメル・ゼナは縄張りを捨てる事も病魔に侵される事も、ましてやキュリアに斃される事もなく、
自身を貪るキュリアの脅威を克服し、何とそのまま共生関係を結んでしまうという驚愕の適応性を発揮。
キュリアが持つウイルスをも己が力とし、キュリアを従えて配下のように扱うなど、
悠久を変わりなく生きる古龍種らしからぬポテンシャルが窺える。
ただし素材の説明文によればキュリアはメル・ゼナからも精気を吸っていたようで、
嘗ての宿敵と共生関係を築きながらも、真の主人のために精気を大量に収集することには腐心していたようだ。
- メル・ゼナが巻き起こす風をフィオレーネは「怒りに満ちている」と表現しているが、
宿敵に毒を盛られて五十年も抗い続けていればその怒りも理解できなくはないだろう。
- そして本編の五十年前、王国の沿岸部に2つ目の大穴を開けたガイアデルムは
- メインモンスターが事件の元凶として狩猟された後に真の黒幕たるラスボスが現れる、
ないしラスボスの噛ませにされる流れはモンハンシリーズでは多々あるものの、
近年ではラスボスにトドメを刺す前作メインモンスターや、
ラスボスが起こした災厄を逆に利用し、棲家にまで駆け付けるメインモンスターなど、
単なる引き立て役に終わらないしたたかさを見せるモンスターも増えている。
そんな流れの中でメル・ゼナはラスボスの噛ませになるどころか
ラスボスと決着のつかない縄張り争いを繰り広げ、
その進出を押さえつけることで深淵の悪魔による災害を(結果的に)防いでいたという、
討伐後に株が上がる非常に珍しいポジションを獲得している。- 大穴を穿った元凶と思われていたのは誤解であり、
ガイアデルムとキュリアによる急激かつ広範囲な生態系の壊滅を妨害していた事を考えると、
結果的にメル・ゼナの活動が王域の生態系を守護していたと言える。
しかし、もともと他の生物の精気を狙う捕食者であり、
劇中でもキュリアを引き連れて被害を起こしていた事や、
城塞高地を含め様々な地を滅亡に導いてきた*5という面では、
個々のモンスターからすれば自身の生存を脅かす脅威でもあり、
王国騎士をはじめとする人々が討伐せんとする事にも筋が通っている。
大きな視点で見れば重要なバランサーながら、その影響下に居る生命体からすれば
「厄介な暴君」でもあるという点は、外患から領地を守ることに長けつつ内政も苛烈な領主のようでもある。
- 大穴を穿った元凶と思われていたのは誤解であり、
- なお、「五十年前に確認されたメル・ゼナはキュリアを従えておらず*6、
過去の文献にもキュリアに関する記載が存在しない」という証言や、
キュリアの真の宿主たるモンスターがいた事から分かるように、
メル・ゼナとキュリアとは元々共生関係を築いてはおらず、
それ以前は抗争相手の配下という無関係な立場であったようだ。
よってキュリアを配下にし精気を集め、キュリアの毒を行使する生態は
メル・ゼナ本来のものではないという事になる。
この関係上、劫血やられや紅色の粒子、使用する龍属性エネルギーについても
キュリア由来のものである可能性があるが、
どの辺りまでがメル・ゼナの本当の能力なのかについては
劇中でもあまり言及がなされておらず不明なままである。
- メル・ゼナとガイアデルムを討伐した後、残されたキュリアはそのまま死滅するかと思われたが、
共生相手を失ったキュリアは生き延びるために急速な進化を遂げ、
どんなモンスターであっても無理やり宿主にするという驚異的な性質を獲得。
もはや上記2種のような相利共生関係など臨むべくもなく、
モンスターは過剰な力を引き出されて生命力を吸い尽くされるのを待つばかりという、
事実上の寄生状態に陥ってしまっている。この状態は《傀異化》と呼ばれており、
通常とは異なるEX★1~9というクエストランクでのみ扱われている。- 傀異化したモンスターが怒ると“傀異凶化”して赤い粒子を纏い、
「傀異核」と呼ばれる赤黒い靄のようなエネルギーの塊を各部に宿し、
劫血やられと異常に素早いスピードで以って暴れ回る性質を持つ。
と、ここまで解説してきて気付いた方もいるだろうが、
紅色の靄を纏って劫血やられを繰り出し、目にも留まらぬスピードで動き回る…と、
血氣活性状態のメル・ゼナと特徴が瓜二つなのである。
特に、傀異バースト時に放つキュリア球はメル・ゼナの放つものとまんま一緒である。
傀異化もメル・ゼナもキュリアに深く関係しているため、
これらの特徴はキュリアと(無理やりでも)共生関係を結んだ際に現れるものである可能性がある。
かつてはメル・ゼナもガイアデルムからキュリアをけしかけられていた事から、
メル・ゼナは傀異化(やそれに類する何か)を克服し、血氣活性状態としてその特徴を
自身の力に転用している…といったような想像も可能だろう。 - 本編リリース以降に追加されたVer.12からは、キュリアの毒牙にかかった古龍の存在が確認された。
しかし、本来ならばキュリアに一方的に寄生され《傀異化》し、近いうちに死んでしまうのだが、
古龍に限っては寄生され傀異化するもキュリアの影響で発生する暴走状態を無理やり抑え込み、
キュリアの力を完全に自身の力として扱うまでに至った事が判明。
この古龍はメル・ゼナやガイアデルムと同じくキュリアとの「共生関係」を築いており、
傀異化を遥かに凌ぐ力を持つ《傀異克服古龍》として扱われている。
全身にはオレンジ色に光る紋様が走っており、
扱うエネルギーも紅色ではなく薄い橙色に変化している。- キュリアに襲われながらもその力を我が物にしてパワーアップし、
共生関係に至ったという点で傀異克服古龍とメル・ゼナは共通しているため、
「メル・ゼナも既に傀異克服の状態なのではないか」といった考察がなされていた。
バハリからも「克服古龍はメル・ゼナやガイアデルムと同様、一方的な寄生ではなく共生」
という趣のセリフがあり、
後に発売された設定資料集では血氣活性状態は古龍の克服状態に近しいとの記述があることから、
この考察はほぼほぼ的を得ていたという事が判明した。
一方でその様相やキュリア自身を配下として使役しない点など細かい部分には差異が多い。
- キュリアに襲われながらもその力を我が物にしてパワーアップし、
- 傀異化したモンスターが怒ると“傀異凶化”して赤い粒子を纏い、
- これまで記述してきたようにメル・ゼナ本来の能力については不明な点が多く、
無料タイトルアップデート等でその辺りについての謎が解明される日が待たれていたのだが、
遂にサンブレイクの最後を飾るボーナスアップデートにて、
キュリアに侵蝕される以前の本来の姿たるメル・ゼナが登場した。
果たしてメル・ゼナとキュリア、双方が至る道筋とは……?
- MR30より解禁される再臨した百竜ノ淵源にも颯爽と参上する。ラスボスが再臨したと勘違いしたのだろうか
もちろん形態変化後である血氣活性状態で現れるため、
後述するように強力な操竜で他モンスターにも負けない大ダメージを与えてくれるだろう。
今作ではドス古龍達もある程度善戦して百竜ノ淵源にダメージを与えてくれるようになったが、
メル・ゼナももちろん瞬間移動を併用した一撃で先制攻撃をかまして手傷を負わせてくれる。
再び始まりを迎えようとしている百竜夜行の元凶に対し、王域を統べる龍として避けられぬ闇を与えてやろう。
攻撃範囲が広いので近接だと巻き込まれやすいのは秘密
- Ver.12ではM★6にメル・ゼナをメインターゲットとしたクエスト「高難度:優雅たる爵銀」が追加された。
一見何の変哲もないクエストのように見えるが、実際に登場するメル・ゼナは確定で最大金冠になっている他、
高難度クエストという事でしっかりと強化個体になっている。
メル・ゼナに慣れたハンターでも増大した攻撃範囲と強化されたモーションで足を掬われかねないため、気をつけて挑みたい。
一方、最大金冠をまだ持っていないハンターにとってはある種の救済クエストにもなるだろう。
- 2022年11月3日にはメル・ゼナとシャガルマガラをターゲットとした
イベントクエスト「凶双襲来:紅の回帰」が配信された。
凶双襲来クエストは強化されたモンスターを2頭狩猟するという高難度のシリーズクエストで、
古龍種モンスターがターゲットに選出されるのは彼らが初となる。
城塞高地を舞台に強化古龍2頭が暴れ回る様は中々圧巻で、舐めて掛かれば痛い目を見る羽目になるだろう。- なお本クエストの報酬は称号で、そちらにおかしい事は何もないのだが、
貰えるお金の額がおかしい事になってしまっている事で有名。
他の凶双襲来クエストは軒並み90000z近い報酬金なのだが、本クエストだけ何故か31320zという破格の安さ。
おそらく設定ミスか何かだとは思われるが、
高難度クエストに挑戦して報酬がこの有様なのだからなかなか罪深い仕様である。
- なお本クエストの報酬は称号で、そちらにおかしい事は何もないのだが、
- その後のアップデートでもメル・ゼナが討伐対象となるクエストが追加され、
最終的にM★6にあるメル・ゼナがターゲットのクエストが10個となった。
他のモンスターよりも明らかに数が多く、本作のメインモンスターとして優遇されている様子が窺える。- イベントクエストの方でもいくつか追加されているが、そちらは上述の凶双襲来ともう一つとなっており、
王域三公の中では最も数が少ない。
というか、ルナガロンのクエストがやけに多いのだが
- イベントクエストの方でもいくつか追加されているが、そちらは上述の凶双襲来ともう一つとなっており、
体験版
- MHXX(Switch版)からのパッケージモンスターの慣例として、
体験版である「モンスターハンターライズ:サンブレイク DEMO」の
熟練者向けの高難度クエストとして〈メル・ゼナ討伐〉のクエストが登場。
フィールドは溶岩洞で、全く未知の新モンスターであるメル・ゼナの、
体験版用に特別な調整がされた個体を僅か15分という短い制限時間で狩らねばならない仕様となっている。
被ダメージを増大させる新状態異常の劫血やられや、
形態変化したメル・ゼナの瞬間移動じみた高速移動と高火力の攻撃により
何をされたか分からないままキャンプ送りにされるハンターが続出し、
SNS上ではハンター達の阿鼻叫喚により「メル・ゼナ」がトレンド入りする事態となった。
かつて多くのハンターを苦しめたライズの体験版におけるマガイマガド討伐クエストと肩を並べる、
体験版ならではの超高難度クエストと言えるだろう。- かつての体験版マガイマガドでは慣れないMHRiseの斬新なシステムと、
鬼火やられが空気となる程の即死級攻撃が難度を引き上げていたが、
こちらは一発一発のモーションは剣士の防御力だと多くの攻撃でギリギリ1発耐えるという調整になっている。
しかしあちらより更に攻撃が激しく、劫血やられによる回復阻害もあり、
マスターランクの恐ろしさが詰め込まれたような別ベクトルの難しさを持っていると言える。
- かつての体験版マガイマガドでは慣れないMHRiseの斬新なシステムと、
- なお、本編でのメル・ゼナの討伐はMR★5の緊急クエストとかなり遅い。
この頃になるとエスピナスやティガレックスといった終盤の強力なモンスターも狩れるようになり、
彼らの素材を使った装備もいっそう充実してくる時期である。
しかし、当たり前ながらステータスは体験版クエストのそれを大きく上回っており、
攻撃力300程度の武器では中々倒れてくれずこちらをジリ貧に追い込む体力と、
上位はおろか、全身フル強化したMR防具でも体力の7、8割を奪い取っていく火力を有している。
体験版で倒したから緊急クエストはナメてかかったら見事に三乙を喫したという報告も相次いでおり、
『体験版で動きは慣れてるから余裕』『装備が充実しているから体験版よりは楽だろう』
などという甘い考えで倒せる相手ではないことを物語っている。
…のだが、体験版で行動パターンを研究し過ぎて本編は楽勝だったなんて声もあるようだ。
戦闘能力
- その優雅な容姿とは裏腹に、力強い肉弾戦、ハンターを翻弄するスピード、そして特殊能力の三つを併せ持ち、
「技には力で、力には技で対抗する」というプライド高い性格が反映された戦い方をする古龍である。
多くのモーションでエレガントかつダイナミックにして緩急鋭い攻撃を行い、
こちらの被ダメージを大きく増やす「劫血やられ」という新状態異常との合わせ技によって、
ハンターを息つく暇もなく攻め立て、あっという間に窮地に追い込む戦法を取る。- しかし苛烈を極める攻撃の反面、一連の攻撃後は長めの隙を晒すという側面もある。
ゲーム的には激しい攻勢を凌いだハンターにとっての反撃タイムとなっており、
優雅さと残忍さの二面性を持つメル・ゼナの性質をよく表した戦闘スタイルと言えるだろう。
- また、本作初出のモンスターに多くみられる特性ではあるが、
翔蟲アクション(疾翔け・疾替え・先駆け、及びそれに該当する移動技)を使わないと、
回避が極めて困難になるような技やギミックは特に有していない
(立ち位置によっては使った方が楽に避けられる技はある)。
フレーム回避が機能する技も多く、Riseで主流の位置取り回避やカウンターだけでなく、
全部の技に使える訳ではないがフレーム回避による張り付き戦法など、ハンター側が採れる選択肢も多い。
- しかし苛烈を極める攻撃の反面、一連の攻撃後は長めの隙を晒すという側面もある。
- 通常時の攻撃で印象的なのが、翼を用いた非常に力強いパワータイプなモーション。
バルファルクのように連続で翼爪を叩きつける攻撃などはまだ序の口で、
飛び上がって両方の翼で真下の地盤を叩き割る「滞空翼旋斬」や、
翼で地面を抉りながら撫でるようにして衝撃波を直線状に飛ばす「翼一閃」は
威力も攻撃範囲も他の技とは比較にならない強力さを誇る。- 翼以外では、三叉の槍のように発達した尾にも気をつけたい。
尻尾を横に振るだけの攻撃でも威力は侮れない上、戻る時にさえ判定が残っている隙のなさや、
尾を突き出すモーションの素早さは非常に厄介の一言。
そして尾を用いた最も特徴的な攻撃が、空中で前転して尾を地面に叩きつけ、そのまま貫いてくる攻撃。
こちらはメル・ゼナの攻撃の中でも威力が高く軸合わせもなかなか優秀な上、
かなり頻繁に行なってくるため、特に注意すべき攻撃となっている。
- その他にもレイギエナの如く錐揉み回転しながら突っ込んでくる攻撃や、
マガラ骨格モンスターが行うような身体をくねらせた突進なども行なってくる。
- 翼以外では、三叉の槍のように発達した尾にも気をつけたい。
- また、肉弾攻撃以外に龍属性エネルギーを用いたブレス攻撃なども行なってくる。
こちらは地面にビーム状のブレスを吐きつけて地面に大爆発を起こす「龍炎爆破」や、
地面を伝うように龍属性のエネルギー波を複数飛ばしてくる攻撃など、いくつかバリエーションが存在する。
もちろん食らえば龍属性やられになってしまうので気をつけられたし。- 地面を伝うエネルギー波は龍属性の球を地面に吐き出し、それを翼で移動させる「狂血爵波動・流」や、
両翼を地面につけて複数の衝撃波状のエネルギー波を放つ「血爵波動・拡散」など、
複数のパターンが存在する。
地面を悠々と移動するという見た目に反して凄まじいエネルギーの塊らしく、
前者は非常に高い気絶値、後者は異常な攻撃力を有している。
特に後者は、体験版では圧倒的な威力を誇っており、怒り状態だと
たとえ剣士でも体力150上限状態から一撃で即死する可能性があるほどであった。
製品版では龍耐性マイナスでも無ければ一撃死ということはないが、立ち位置によっては避け辛い。
- 共生しているキュリアを使った攻撃も存在し、
大雷光虫のようなキュリアの群れと思しきエネルギー弾のようなものを3つ形成させ、
3方向に飛ばしたりハンターをホーミングするようにして放つものなどが確認されている。
ホーミングしない球を前方に飛ばす「キュリア使役攻撃」の方は被弾すると後述する劫血やられに陥ってしまう。- ちなみに、使用時に3方向に飛ばす攻撃の後は確定で尻尾叩きつけ→突き刺しに派生してくる。
ホーミングの方との違いは予備動作やカメラアングルの変化で見極められるため、
覚えておくと有利に立ち回れるだろう。
- ちなみに、使用時に3方向に飛ばす攻撃の後は確定で尻尾叩きつけ→突き刺しに派生してくる。
- 地面を伝うエネルギー波は龍属性の球を地面に吐き出し、それを翼で移動させる「狂血爵波動・流」や、
- 怒り状態では目が爛々と輝き出し、口元から龍属性の吐息が漏れ出すようになる他、
首元や翼の付け根の甲殻の隙間から赤い光が仄かに見えるようになる。
もちろん攻撃は苛烈になり、行動速度も上がるものの、
他のモンスターと比べてその変化はそこまでではなくなっている。
なぜなら、メル・ゼナの真骨頂は後述する形態変化にあるのである。
- メル・ゼナとの戦闘で最も重視すべきなのが特殊な状態異常である「劫血やられ」である。
紅い靄を纏った尻尾での攻撃や、キュリアの群れなどのメル・ゼナの一部の攻撃を受けると発症してしまう。- この状態では時間経過でスリップダメージを受ける状態になり、
回復系アイテムも効果が弱体化、更に赤ゲージの自然回復が行われなくなってしまう。
特に回復系アイテムの弱化が厄介で、回復薬グレートも回復薬程度の効果しか無くなってしまう上、
なんと秘薬の完全回復効果すらも失われてしまう。
この状態でメル・ゼナの苛烈な攻撃を受けてしまえば、
あっという間にキャンプに送り返される事は想像に難くないだろう。
また、この状態異常はウチケシの実では解除できない仕様になっており、
一度劫血やられになってしまえば危険な状態のまま狩猟を続行しなければならなくなる。
しかし幸いなことに持続時間は短いため、メル・ゼナの攻撃から生き延びる事を考えて立ち回ることができれば、
いつの間にか解除されていたというケースも珍しくない。
- 一方、ハンター側にもメリットがある効果が発生し、
この状態でダメージを与えると、与えたダメージに応じて体力が回復するようになる。
そのため、この状態異常を発症したらメル・ゼナに果敢に攻撃していき、
爵銀龍との生命力の駆け引きに打ち克つ努力が必要になってくる。
- この状態では時間経過でスリップダメージを受ける状態になり、
- ハンターに対する拘束攻撃も有しているが、
メル・ゼナの場合は他モンスターの用いるそれとは異なるものとなっている。
モーションとしてはハンターを前足で拘束して口元に持っていき、
翼で隠してハンターに噛みついてチューチューといったいかにも血を吸っているかのようなSEと共に体力を削り
その後地面に叩きつけて龍炎爆破で追撃するというもの。
拘束攻撃自体のダメージは微々たるものであり、追撃も翔蟲受け身で回避可能と
本来ならばそこまで警戒すべき攻撃でもないだろう。
しかし、この攻撃は後述する形態変化に必要な精気を奪う為のものであり、
拘束攻撃をされるという事は、すなわちメル・ゼナの覚醒を誘発してしまうという事になる。
また、拘束攻撃は、精気を吸い終わった後の形態である血氣活性状態でも、継続して使用する。
血氣活性状態中の拘束攻撃に被弾した場合は、
体力を削った後に地面に叩き付ける所は変わってないが追撃が変化しており、
ダークロードブリスからの滞空翼旋斬【血氣】で追撃する。- また、古龍種としては非常に珍しいことに、生態行動とは異なる捕食のような行動を行う。
と言っても一般モンスターの捕食とは違ってスタミナを回復するためのものではなく、
小型モンスターを軽く翼爪を振るって仕留めた後、死体にキュリアを集らせて精気を吸収させ、
自らの元に戻して精気を献上させる…という非常に独特かつ個性的なものになっている。
精気が大きく増加するようで、この行動後に下記の形態変化を行うこともある。
- また、古龍種としては非常に珍しいことに、生態行動とは異なる捕食のような行動を行う。
- 精気を十分に吸収すると、多くの古龍種と同じく形態変化を行い、普段より低く響く恐ろしい咆哮とともに
“血氣活性状態”と呼称されるメル・ゼナの凶暴な本性が露わになった姿が解放される。
この状態では各部の紅色の体毛が一層鮮やかに輝き出し、白銀だった甲殻は黒ずみ、
口元や胸・手首の羽毛、槍状の尾の三叉部分などに紅色の靄を纏うようになる。
能力を解放すると龍属性エネルギーを放つ攻撃などのこの形態専用の技が多数追加され、
通常時に使用した技も2連続で放つ等、メル・ゼナの攻撃が激しくなるのはもちろんの事、
動きも素早くトリッキーなモーションを多用するようになり、
死角に周りこむようにして移動し、強力な攻撃を連続で放ってくる攻撃が多くなり、
特に初見では何をされたか分からないまま死ぬハンターが多発する事態となる。- なお、周囲に存在する生物からも精気を吸収しているのか、
ハンターが一度も拘束攻撃を受けなかった、
メル・ゼナとの攻防で優位に立っていたなどの場合でも時間経過で形態変化は行われるので注意が必要。
また、劫血やられ状態のハンターが近づくことでも覚醒を誘発してしまうようだ。
驚くなかれ、その能力とはなんと
瞬間移動にしか見えないほどの超高速移動。
公式名称を「ダークロードブリス」という歴としたメル・ゼナのモーションの一つで、
メル・ゼナが翼で全身を覆うと紅色の粒子が溢れる黒い闇のようなものに包まれ、
その後一瞬で彼方此方に移動する、というモーションとなっており、
初見ではそのあまりにも現実離れした光景に目を疑う事だろう。- 基本的には連続攻撃の合間に瞬間移動を挟んでハンターの隙を突いて仕留めにくる行動パターンを持っており、
いきなりハンターの目の前に移動し、判定が広く威力も高い両翼での叩きつけや
精度も高く事前動作も素早い三又尾を用いた叩きつけからの貫きの二連続を繰り出してきて
避ける暇もなく一瞬で命を奪われてしまったハンターも多いだろう。
しかし、移動先はランダムではなく、タイミングによって瞬間移動後の攻撃もほぼ固定されている為、
行動パターンさえ見極めれば回避や反撃も可能である。
- メル・ゼナがこのモーションを使用してくるのは血氣活性状態の時、
なおかつ黒い霧を体に纏った場合のみである。
純粋な高速移動というよりは、メル・ゼナにとってもおそらく
何かしらの使用条件がある「技」であるのだろう。
モチーフ元である吸血鬼も「コウモリに分裂して消滅し、集合して再出現する」
といった行動を行うため、それをイメージしたモーションであると考えられる。
- モーション自体は瞬間移動にしか見えないほどの高速移動だが、遠くから移動してくる場合や
120fps以上対応かつパフォーマンスが安定しやすいゲームハードだと移動している様子がわかりやすいだろう。
また、高速移動時の姿勢が若干シュールかつ現実離れしており、ほぼ直立不動のまま真横に高速でスライドしていく。
まさに「瞬獄殺」である
後述するが、メル・ゼナのこの動きがキュリア由来のエネルギーによるものであり、
四肢や翼を用いた身体能力による移動ではない事がよくわかる。
- のちにカプコン公式へのインタビューで明かされた内容によると、この瞬間移動のように見える動きの原理は、
キュリアからもたらされる莫大なエネルギーを転用して行われているということが明らかとなった。
内にたまったキュリアの強烈なエネルギーが、メル・ゼナ本体をドン、と突き動かしているイメージ、らしい。
また、前作メインモンスターであるマガイマガドとは対になっているようであり、
「地を蹴って爆進するマガイマガド」に対して
「前に押し出されるように突き進むメル・ゼナ」という対照的なイメージであるらしい。
いずれにせよ、メル・ゼナの瞬間移動はファンタジーに寄りすぎたワープではなく、
かといって身体能力に任せた高速移動でもない、
モンハン本家シリーズらしい練られた設定と原理によるものであることが明らかになった。
- なお、周囲に存在する生物からも精気を吸収しているのか、
- 血氣活性状態での攻撃は今までにないほど苛烈になるが、
この形態中は紅く光る部位、つまり紅色の靄を纏った部位が軟化しており、
攻撃し続ける事でこの形態の解除と共に大ダウンを奪う事が出来る。
つまり劫血やられと同じく、怯まずに攻め続けるのが攻略の鍵となるのである。
また、メル・ゼナは全身の部位耐久値が低いため、
致命的な大技であろうと怯ませてキャンセルさせられることも多々ある。- 形態変化解除のモーションはドス古龍骨格モンスターの大ダウンモーションに、
優雅に回転しながら崩れ落ちていく動きが追加されたものという固有のモーションになっている。- このダウンモーションは後に登場した傀異克服古龍にも継承された。
- 形態変化解除のモーションはドス古龍骨格モンスターの大ダウンモーションに、
- テオ・テスカトルにおけるスーパーノヴァ、ナナ・テスカトリにおけるヘルフレア、
イヴェルカーナにおけるアブソリュート・ゼロのように、
最大まで能力を解放したメル・ゼナがその形態を解除するのと同時に放つ必殺技も存在する。
上空に舞い上がり、龍属性ビームで周囲一体を薙ぎ払った後、巨大な龍属性ブレスを真下に投下するというもので、
公式ガイドブックで明かされた名前は「ナイトメアクレイドル」。
投下された龍属性ブレスは地面に接触すると炸裂して周囲に衝撃波を放った後、
蛇行する衝撃波状の龍属性エネルギーをいくつも奔らせるため、
技の最初から最後まで回避がしづらく気の抜けない大技となっている。- この「ナイトメアクレイドル」だが、投下された龍属性ブレスの塊には
十数回もの判定が重なっていることが判明している。
ハンターがガードする分にはせいぜい2,3ヒットで済むのだが、
モンスターに直撃すると投下と炸裂で少なくとも3000以上のダメージが入る。
高くて数百の同士討ちダメージの中では異次元である。
狙って当てさせるのは難しいが、闘技場での同時狩猟となる「高難度: 紫電一閃」においては
突き落としたガルクを生贄に同士討ちさせるのが割と現実的な戦法であるため直撃シーンを拝めることも。
- この「ナイトメアクレイドル」だが、投下された龍属性ブレスの塊には
- 咆哮モーションはメル・ゼナ固有のモーションで、
顔の前を翼で覆い、大きく翼を広げて咆哮するという、
高貴かつ残忍なドラキュラらしさが垣間見えるモーションになっている。
遭遇時・怒り時にこのモーションを用いるが、
形態変化時には更に回転しながら上述のモーションを行う。- ドス古龍やマガラ族の咆哮と比較して予備動作が明確かつ判定発生までやや長めのため、
カウンターやフレーム回避を合わせやすい。
慣れてくれば武器種によっては活用できるだろう。
- ドス古龍やマガラ族の咆哮と比較して予備動作が明確かつ判定発生までやや長めのため、
- 部位破壊箇所は頭部、右前脚、左前脚、両翼、尻尾で確認されている。
頭部では片方の角が折れ、前脚では爪と肘に生える大きな棘が折れる。
翼はテオ・テスカトルなどと同じように両翼が一気に破壊される。
尻尾は尾が武器のモンスターの先例に違わず、
槍の一部が欠けて地面に突き刺さる仕様となっている。
- 弱点属性は龍属性。近年のドス古龍骨格で龍が第一弱点なのは地味に珍しい。
時期的にはゴア・マガラの武器がよく噛み合うだろう。
近接肉質も属性耐性も比較的良心的だが、代わりに体力が非常に高く長期戦を強いられやすい。
一方のガンナーは頭と前脚以外に柔らかい部位がないため貫通弾は効果が薄く、
挙げ句の果てに翼と後脚の弾肉質が5。- 頭と両前脚は肉質が柔らかい上に耐久値も低い。
血氣活性状態の解除で積極的に狙うべき部位でもあり、
適当に攻撃しているだけで勝手に壊れていたということも多いだろう。
尻尾は普段はやや硬めだが、血氣活性状態時には先端部が大幅に軟化するため、
切断を狙うならオニクグツやボムガスガエルなどで血氣活性状態時にダウンを取ると斬りやすい。
- また頭の判定がかなり大きく、首だけでなく
胸元の紅い体毛部分の中腹あたりまで全部頭の判定になっている。
前脚から胸元辺りを攻撃していたら角が折れるくらい判定が広く、スタンも蓄積される。
血氣活性状態で頭部を殴っても胸元の発光部分が反応しているのが確認できるが、
恐らく長リーチ武器では胸部を狙いにくく、そのままだと前脚か尻尾狙いを強いられてしまうため、
代わりに頭部でも特殊ダウンが取れるようにするための配慮と思われる。
後述の、入手手段が頭部の部位破壊のみの素材の存在も兼ねているかもしれない。
このお陰で短リーチ武器がかなり有利で、頭部は属性にも弱いため片手剣や双剣だとかなり戦いやすい。
ちなみに、ドス古龍骨格で「首」の肉質が存在しないのは異例。
- 翼は近接だろうがガンナーだろうがかなり硬い。
そのくせ爵銀龍の剛翼は部位破壊以外では低確率で剥ぎ取れるのみなのに
武器・防具への要求量がかなり多く、とにかく不足しやすい。
幸いこちらも耐久値は低いので、近接ならダウン中に狙うだけで破壊できるだろう。
もしくは睡眠爆破を利用したり、操竜の攻撃で狙って破壊したい。
しかし翼を破壊しても確定ではない。シンパシーを感じる。
- 吸血鬼の苦手なものとして流水が有名だが、水属性は雷と並んで効果が無い。
一方で、龍の次に有効なのは火属性となっている。
不死者の退治には火で燃やすのが効果的、というニュアンスだろうか。
あるいは吸血鬼が太陽光を弱点としているというイメージからか。
- 頭と両前脚は肉質が柔らかい上に耐久値も低い。
操竜
- メインモンスターらしく、操竜は全体的に優秀。
多くの古龍種などと同じように形態変化後ではモーションが変化し、与えられるダメージも上昇する。
多少のクセはあるが、今作ではメル・ゼナを含めた大連続狩猟クエストも多いため、
是非とも慣れて使いこなしてみたいところ。
- 弱攻撃は以下の通り。通常状態では合間に差し込む牽制として有効だが、
血氣活性状態では素早い上に与ダメージも多い優秀な技に早変わりする。- 弱攻撃1(X / ↑+X)はバルファルクのような翼爪を用いた叩きつけ。
血氣活性状態では2連続となる上、2ヒット目は威力が上がる。
発生が速く威力もそこそこ、距離詰めによって射程もある、と使い勝手が非常に良い。
- 弱攻撃2(→+X / ↓+X)は飛びかかりからの両翼を振るっての岩盤砕き。
飛びかかり1ヒット、岩盤砕きは小ダメージが3ヒットする。
通常状態では与ダメージは多くないが、血氣活性状態になると
龍属性の衝撃波をヌシ・ジンオウガのように3WAYで飛ばす「血爵波動・拡散」となる。
この攻撃は発生も速く至近距離なら威力は強攻撃並み、かつ長めのコンボ技なのでかなり優秀。
- 弱攻撃1(X / ↑+X)はバルファルクのような翼爪を用いた叩きつけ。
- 強攻撃は以下の通り。比較的遅めの発生であるため使い所は若干選ぶ。
- 強攻撃1(A / ↑+A)は空中前転からの尻尾突き刺し。
ダメージ発生までのモーションが長めであり、攻撃後の隙も大きい困った技。
血氣活性状態では威力が上がるが、威力はそこそこ止まりである。
- 強攻撃2(→+A / ↓+A)は翼で岩盤を砕く衝撃波を飛ばす「翼一閃」。
射程がめちゃくちゃ長い上、強攻撃に似合わず発生も早めと非常に優秀。
血氣活性状態では2連続の「翼一閃【血氣】」となり、2ヒット目は威力が上がる。
これだけでも強いのだが、この上後述の派生技がとても強い。- 血氣活性状態強攻撃2派生(A)は血氣活性状態のみで追加される派生技で、強攻撃2の後Aで派生。
メル・ゼナがそのまま回転しながら翼膜で身体を覆って瞬間移動し、
翼を叩きつけて岩盤を砕く「滞空翼旋斬【血氣】」を放つ。
その威力はなんと派生前の強攻撃2の1.5倍程を誇り、強攻撃の中でも屈指の大ダメージを与えてくれる。
しかもモーションもそこまで長くないので、血氣活性状態で操竜出来たら積極的に狙いたい。
- 血氣活性状態強攻撃2派生(A)は血氣活性状態のみで追加される派生技で、強攻撃2の後Aで派生。
- 強攻撃1(A / ↑+A)は空中前転からの尻尾突き刺し。
- 操竜大技(X+A)は翼爪突き刺しからの尻尾叩きつけ突き刺しを行い、
その後地面に龍属性ブレスを撃ち、流し込んだ龍属性エネルギーの爆破で3ヒットする。
当たりどころがよければ龍属性ブレス本体も当たる。- 血氣活性状態では、翼で岩盤を砕く衝撃波を2回飛ばす「翼一閃【血氣】」から、
前方にエネルギー波を放つ「血爵波動・拡散」を撃ち、
瞬間移動から翼を地面に叩きつける「滞空下方翼旋斬」を放つ。
非常にコンボが長い上、一つ一つのダメージ量も高いと非常に優秀なので、
他モンスターの操竜にも増して操竜大技の重要性が高い。
変幻翔蟲・紅を取得していればその威力はまさに空前絶後。
- 血氣活性状態では、翼で岩盤を砕く衝撃波を2回飛ばす「翼一閃【血氣】」から、
- 総じて、通常状態でも優秀だが血氣活性状態での性能が桁違いであるため、出来る限りその状態で操竜したい。
しかし、比較的簡単に鬼火を纏うマガイマガドや
操竜中にも部位電荷できるライゼクスと違って移行するには手間がかかる上、
操竜クールタイムと解除されてから再び血氣活性状態になるまでの
移行時間を考えるとタイミングはかなりシビアである。
実際にはクグツチグモを持ち込んでこちらの任意のタイミングで操竜するか、
通常状態の操竜で妥協するか、わざと拘束攻撃を食らって形態変化を早めるかを選ぶことになるだろう。
縄張り争い
- 縄張り争いでは、まず氷狼竜ルナガロンと激突。
ルナガロンの組み付きからの跳躍でひっくり返されるも切り返し、逆に尻尾で拘束。
そのまま大きく引き摺りつつ上空へ投げ、トドメに飛び上がったメル・ゼナが
勢いよく地面に叩きつけて見事に勝利を収める。- 同じ王域三公と言えどメル・ゼナは古龍。格の違いを改めて見せつけた。
しかし、最初の組みつきの際の氷塊ブレスで小ダメージを受けるため、
一矢報いるルナガロンの健闘も描かれている。
- 同じ王域三公と言えどメル・ゼナは古龍。格の違いを改めて見せつけた。
- そしてRiseのパッケージモンスター同士である怨嗟響めくマガイマガドとの縄張り争いでは、
お互い間合いを計りつつにらみ合い、メル・ゼナが翼撃で先制しようとするが、
機先を制して飛び掛かったマガイマガドの手刀斬撃を咄嗟に身を翻して避け、
お互いに体勢を瞬時に立て直し、同時に放った翼撃と腕刃で拮抗しあい弾かれる。
さらにマガイマガドの尻尾叩きつけに自らの尻尾突きを合わせ、
これまたほぼ互角の鍔迫り合いをみせ両者後退。
ここでお返しとばかりにメル・ゼナが空中から強襲し、
隙を突いてマガイマガドの背後を取って締めあげるが、力任せに振りほどかれてしまう。
ならばと距離を開けて龍属性ブレスを放つも、
なんとマガイマガドは腕刃を交差させてブレスを正面から受け止め、
そのままメル・ゼナに向かって凄まじい勢いで突撃。
双方を至近距離で挟む中でブレスが大爆発を起こし、両者痛み分けとなる。- 怨嗟響めくマガイマガドは、ドス古龍やイヴェルカーナといった古龍を確定で操竜待機にする強豪であり、
操竜待機がランダムになるのは傀異克服古龍とメル・ゼナのみである。
お互い立ち回りにおいて一歩も譲らず、攻撃を相殺し合い、
非常に拮抗した縄張り争いとなっており、ダメージも最後の爆発までは終始どちらにも入らない。
それぞれの強力な武器である腕刃や翼、尻尾を打ち合わせる姿は武者と騎士の殺陣を彷彿とさせ、
メインモンスター同士にして、古龍と歴戦のモンスターの凄みを同時に演出する名勝負である。
- なお、これまでのマガイマガドの縄張り争いと異なり高空戦にならないので、
ハンター目掛けて落着し巻き添えにされるといった事態が起こらない。
このためマガイマガド絡みの縄張り争いの中では最も派手でありつつ、
同時に最も安心して観戦できるカードとなっている。
ただし、最後の大爆発の威力は従来の縄張り争いのそれを遥かに上回り
剣士でも即死しかねないほどのダメージ*7が発生するため、近付きすぎは厳禁。
- 怨嗟響めくマガイマガドは、ドス古龍やイヴェルカーナといった古龍を確定で操竜待機にする強豪であり、
- さらにマスターランク作品のパッケージモンスター同士であるイヴェルカーナも降臨。
イヴェルカーナが氷纏い状態へ移行する中、メル・ゼナがスクリューアタックで初手を仕掛けるが、
イヴェルカーナは自身も回転してこれをいなす。
そのまま空中戦に移行し、メル・ゼナの執拗な尻尾突きをイヴェルカーナが距離を置いて避けると、
イヴェルカーナはブレスで反撃に転じ、さらに大量の氷柱を浮遊させ接近戦をけん制する。
しかしメル・ゼナはブレスを回避しながらキュリアを氷柱に向かわせ全て相殺、翼撃と尻尾突きの応酬を繰り広げる。
最後は龍属性ブレスと極低温ブレスが至近距離で激突、ブレスが大爆発を起こし両者痛み分けのまま着地する。- 目にも留まらぬスピードの空中戦を演じながら、冷気とキュリアという双方の武器を惜しみなく繰り出しており、
ただぶつかり合うだけではない、互いの知能とプライドの高さを感じさせる見応えある内容となっている。
- 目にも留まらぬスピードの空中戦を演じながら、冷気とキュリアという双方の武器を惜しみなく繰り出しており、
武具
- メインモンスターらしく武器は全武器種に存在している。
いずれも龍属性を有し、近接武器は短いが素で紫ゲージが出る。
紅や銀を基調に金のアクセントを加えた、洋風のスタイリッシュなデザインもカッコいい。
- 防具は「メルゼシリーズ」。
通常時のメル・ゼナをイメージとした騎士風の鎧に仕立てられている。
胴と腰には新スキルの「血氣」を備えている他、
攻撃・弱点特効・破壊王と強力なスキルが山盛りであり、
スロットも豊富なため龍耐性が壊滅的になる*8ことさえ除けば一式運用も視野に入るかもしれない。
血氣スキルは部位破壊を行った個所に攻撃を加えると体力が回復するというもの。
細かい効果は異なるが、MHWに存在した回復カスタムを条件付きにしたものというのがイメージとしては一番近い。
- Switch版ではamiiboとの連動要素があり、メル・ゼナのamiiboを用いると「龍公礼装」シリーズが、
オトモアイルー(メルゼネコ)では「龍公礼装ネコ」、オトモガルク(メルゼガル)では「龍公礼装ガル」と
それぞれ対応するハンター用・オトモ用の重ね着装備が入手出来る。
見た目はメル・ゼナを模したドラキュラ伯爵*9の衣装をハンター風にアレンジしたものといった様子。
非常に格好良く世界観にもマッチしているため、欲しい人は是非amiiboの購入も検討してみよう。- また、前述したようにデラックスエディションの内容に含まれている重ね着装備「龍滅猟装」シリーズは
龍公礼装シリーズとは正反対の「ヴァンパイアハンター」をイメージした服装となっている。
MHRiseの際はamiiboでは禍鎧封具シリーズ、デラックスエディションではカムライ装備が特典となっており、
それぞれが独立したモチーフが採用されていたが、
今作ではお互いに対立する勢力のモチーフが採用されているだけあって
両者とも世界観に馴染む非常にカッコ良い重ね着に仕上がっている。
「龍公礼装」を着てドラキュラになりきるも良し、「龍滅猟装」を着てメル・ゼナに挑むも良しと、
どちらのシリーズを着込んでいてもサンブレイクや城塞高地のイメージにはぴったり合うだろう。
- また、前述したようにデラックスエディションの内容に含まれている重ね着装備「龍滅猟装」シリーズは
余談
- 2022年6月24日から2022年7月7日までの間、なんとメル・ゼナが「クロス新宿ビジョン」に登場。
クロス新宿ビジョンとは、新宿駅近辺に存在する巨大な3D街頭ビジョンで、
L字型に湾曲したディスプレイを利用してこちらに飛び出しているように見える立体映像が見られる。
今回はサンブレイクの発売間近ということで、等身大メル・ゼナ襲来と題した迫力MAXの3D映像を拝むことが出来た。
- 気品と優雅さを感じさせる風格を持つ古龍種メインモンスターという点で
イヴェルカーナが比較対象に上がる事が多い。
イヴェルカーナは縄張りの誇示のために小型モンスターを掃討する冷厳さを持ち、
メル・ゼナは闇に紛れて獲物を襲い精気を吸い尽くす残忍さを有するなど、
どちらも美しい見た目の裏に隠し持った獰猛さを秘めている部分が特徴的である。
また、戦闘方法も古龍種としては珍しい槍のような尻尾を武器として多用する点が同様である。- 奇しくもMHW:I及びMHR:Sとではメインモンスターがドス古龍骨格を、
そのベースとなるMHWorld及びMHRiseではメインモンスターがマガラ骨格を持つ、という共通点があり*10、
更にメル・ゼナはマガイマガドの対極を意識して作られている部分もあるため、
マガラ骨格とドス古龍骨格は対となる存在を作られる因果関係を感じられるだろう。
- なお、後にMHR:SのVer.14にてイヴェルカーナも参戦し、両者は見事共演を果たすこととなった。
更に専用モーションの縄張り争いも実装されており、内容も迫力満点のものに仕上がっている。
- 奇しくもMHW:I及びMHR:Sとではメインモンスターがドス古龍骨格を、
- イヴェルカーナの他に共通点が見出せる古龍として、
性質は違えどウイルスと固有の状態異常を持つシャガルマガラが挙げられる事もある。
特にMHR:Sでは4(G)のメインモンスターと4の村ラスボスが復活し、
ティザー映像とプロモーション映像のうち半分ものサムネを担当する*11など、
少なからず4シリーズがフィーチャーされている。
その中でもシャガルマガラの復活は最後のPVで大々的に発表されたため、
ストーリー中に「ウイルス」という単語が出た際に
強く印象に残っていた天廻龍を思い出したハンターも多かっただろう。
- 「血氣活性」と類似した単語として、MHFに登場した「血気活性」というスキルが存在する。
「氣」は「気」の旧字体であるため、事実上全く同じ名称ということになる。
ただし内容にはこれと言って関連性がないため、偶然一致してしまっただけだろう。
- MHR:Sにて、ハンターのキャラクターボイスを無料DLC19番「カガミ」に設定していると、
メル・ゼナと相対する際に『メル・ゼナ……』と固有ボイスを発してくれる。- また、ジェスチャー「驚く」を使うと『メル・ゼナぁぁぁぁぁぁ!』と叫び腰を抜かす。
これは声の主である山田裕貴氏がMHR:SのTVCMで用いたフレーズである。
- また、ジェスチャー「驚く」を使うと『メル・ゼナぁぁぁぁぁぁ!』と叫び腰を抜かす。
- 2023年7月下旬頃から動画サイトなどで表示されるようになった
「2023年神ゲームアプリ最新ランキング」なる広告に
メル・ゼナに極めて類似した(と言うかほぼそのまんまな)造形のドラゴンが描かれているが、
この広告はモンハンシリーズとは一切関係は無い。
要するに以前あったマガイマガドやフルフル等の時と同様、勝手に使われているだけのアウトなやつである。
- モンスターハンターシリーズ20周年を記念して行われた「モンスター総選挙」では38位の好成績。
TOP20入賞は特殊個体に譲ることになったが、
独特のビジュアルや秀逸なモーションからインパクトを残し、シリーズ最新作ながらも看板として好成績を残した。
裏設定・生態等
- のちにFacebookにて記載されたカプコン公式へのインタビューにて、
本編におけるメル・ゼナの凶暴かつ残忍な性格は、彼ら本来のものではなかった事が明かされた。
同インタビューによれば、本来のメル・ゼナは自身と人間のお互いの領域を侵さず共存関係を築いているなど、
争いを好まないような比較的大人しい性格であったという。- 人間と共存関係を築いていたというのは、アイルーやガルクと同じように密接な交流があったという事ではなく、
自身の力を把握した上でお互いに関わり合わないことで、
両者とも被害のない状態で生存し続けていたことを指している。
元々天候や環境に大きな影響を与えるような力を持っていない事も、そうした共存を可能にした一因だろう。
かつて、メル・ゼナの縄張り付近に出現したガイアデルムによって大地に大穴が穿たれ、
そこから出現した大量のキュリアが周囲の生き物の精気を奪っていった。
その対象はメル・ゼナも例外ではなく、
付近にいた個体もまた、キュリアによってエネルギーを奪い取られそうになったものの、
やがて、体内に「抗体」を形成したメル・ゼナが現れる。
こうした一部の個体はキュリアの精気を体内に取り込むようになり、共生関係が成り立つこととなった。
しかし、その代償として隠された攻撃性が姿を現し、狂気を纏うまでに至り、
キュリアを利用して他のモンスターからエネルギーを吸収し、力を身につけていった。
この「一部の個体」が、本編で登場するメル・ゼナである。- キュリアの被害にあったのは「一部の個体」である、という部分は繰り返し言及されているように、
本編の時点でもキュリアの影響を受けていない、
謂わば「原初のメル・ゼナ」と呼ぶべき個体がいまだ生息している事も示唆されていた。
その性格から、こうした個体が狩猟対象になる事は、よほどの事がない限りはあり得ないと見なされていたのだが…。
- 人間と共存関係を築いていたというのは、アイルーやガルクと同じように密接な交流があったという事ではなく、
- 作中ではメル・ゼナが凶暴化したのは本編のおよそ50年前から、という事になっているが、
ゲーム内では「メル・ゼナは数百年前に突如として現れ、王国を襲った」と語られており、一見矛盾が生じている。
もっとも、この時は「大穴」と共に確認されていたようで、
この頃から自身の縄張りを侵す「深淵の悪魔」と人知れず戦い続けていた事も窺える。
つまり、数百年前の王国襲撃の真相は「二大古龍の縄張り争いの余波」にすぎず、キュリアの影響が完全に発露し凶暴化したのが50年前ということなのだろう。
…その余波だけで王国を「崩壊寸前に追い込んだ」という辺り、古龍と呼ばれる者たちが持つ力の強大さがうかがい知れる。
- 城塞高地の手記帳は50年前に起きた大穴の事件を示唆する内容だが、
本編ではその時はまだ共生していないと予想されていたメル・ゼナが登場し、街を襲撃していることが書き記されている。
上記の理由を当て嵌めると、その時はキュリアが発見できないほど小さい幼体も存在していたことから、
実態はすでに共生により凶暴化した個体であったとも考えられる。- 或いは、やはりメル・ゼナ自身にとっては飽くまでガイアデルムとの縄張り争いであり、
それ以上の認識を持っていなかった可能性もある。
そもそもメル・ゼナからすれば人々の領域に配慮する必要は無いため、ガイアデルムの地上進出を妨害する過程で街を破壊したとも考えられる。
手記帳はあくまで人々の視点での記述かつ、当時ガイアデルムは存在も知られていなかったため、
街の者達には「メル・ゼナに一方的な襲撃を受けた」としか映らなかったのだろう。
- 或いは、やはりメル・ゼナ自身にとっては飽くまでガイアデルムとの縄張り争いであり、
モチーフについて
- 2022年5月10日に放送されたスペシャルプログラムでは、
メル・ゼナというモンスターがどのように生み出されたかが簡易的に明かされた。
メインコンセプトとして、西洋妖怪でも特に有名な部類に属する「吸血鬼」をベースとし、
古龍としてメル・ゼナがどのような厄災を齎す存在なのか、
メル・ゼナ自身がどのような存在なのかを構築していく上で、
「伯爵」「高貴さ」「気高さ」「狡猾さ」の4つの要素を取り入れ、
メル・ゼナに関わる要素の全てを構築して行ったという。
- 吸血鬼の中でも、現在の吸血鬼のイメージの元祖となった
ドラキュラ*12を主要なモチーフにしていると見られる。
様々な特殊能力を用いる点はどちらも共通しているが、
実はドラキュラの最たる武器はその痩躯からは想像もつかない程の怪力であり、
このことがマガラ骨格程は発達していない翼ながらも地面を砕く程の膂力に反映されているのだろう。
また、吸血鬼は陽光に弱いとされ、創作でも陽光に耐える吸血鬼は特別な存在とされることが多いが、
ドラキュラは特殊能力こそ封じられるものの、ダメージを受けたり、
ましてそれで死ぬようなことはなく、その怪力も健在である。
メル・ゼナも昼間のマップだろうと当然のように活動するが、
このあたりも一般的な吸血鬼の特徴とは異なる。
因みに吸血鬼に陽光の弱点が一般的になったのは1922年の映画『吸血鬼ノスフェラトゥ』が元として知られている。- メル・ゼナの攻撃には槍状の尻尾を用いた突き刺し攻撃が多いが、
これは吸血鬼ドラキュラのモチーフとされる実在の人物・ヴラド三世をイメージしていると思われる。
ヴラド三世は、本来身分の低いものに科される刑罰である串刺し刑を貴族にも科したり、
敵対していたオスマン帝国兵の串刺し死体を、敵軍に見せつけるように配置したなどの逸話で有名であり、
これらをもって「串刺し公」の名で恐れられていた。 - 余談だが、ドラキュラという名前は実際にヴラド三世がそう呼ばれていたことに由来している。
父・ヴラド二世が「龍公(Doracul)」と呼ばれており、
そこに息子を意味する接尾辞-aをつけて「ドラキュラ(Doracula)」である。
すなわち、ドラキュラとは「龍の子」という意味を持った名前なのだ。
- 一方、カプコン作品の吸血鬼に目を向けると、
格闘ゲーム『ヴァンパイア』シリーズに出てくるデミトリ・マキシモフが存在する。
彼の攻撃には錐揉み回転しながら体当たりするものがあったり、
技名にも「デモンクレイドル」「ミッドナイトブリス」などメル・ゼナの技名に似たものがある。
セルフオマージュだろうか。
- メル・ゼナの攻撃には槍状の尻尾を用いた突き刺し攻撃が多いが、
- 「血を吸い取る」ではなく、「精気を吸い取る」という生態そのものは、
どちらかというと「吸血鬼」よりは「サキュバス/インキュバス」によく見られる設定である*13。
あえて単純な「吸血」ではなく「精気を吸い取る」という設定になっているところは考察の余地もありそうである。
- 名前に含まれる「銀」は、フィクションにおいては魔物に対して有効な物質であるとされる。
特効対象として有名な吸血鬼をモチーフとするメル・ゼナの別名に含まれているのは違和感も感じられるが、
物語の結末を迎えるとメル・ゼナ自身が銀の弾丸だったと考えられるものになっている。- この「銀が魔物に対して有効」という俗説の元になったのは、銀の塩素や硫黄などに反応して変色する性質。
中世では無味無臭無色のヒ素を用いた毒殺がよく行われていたため非常に警戒されていたのだが、
当時の精製技術ではしばしば不純物として硫化ヒ素が混入し、これが反応したのである*14。
このため、中世の貴族では毒殺対策に食器などを銀で揃えることが流行しており、
そこから「銀は不浄な物に強い」という信仰が生まれた。
キュリアの毒にやられるどころか克服して己の力に変えてしまったという意味では、
メル・ゼナが銀の名を冠する事にも筋が通るだろう。
- また、宿敵とも言えるラスボスは「サン」と呼ばれる大穴や、
「(地面に穿たれた)漆黒の太陽」と呼ばれる別名を筆頭に、太陽を思わせる要素が多数含まれているが、
メル・ゼナのモチーフ元である吸血鬼の弱点として最も有名なのもまた太陽である。
悪魔を祓う「銀」に吸血鬼を滅する「太陽」と、モチーフ元にも両者には深い因縁が忍ばせられているようだ。
- この「銀が魔物に対して有効」という俗説の元になったのは、銀の塩素や硫黄などに反応して変色する性質。
- 名前の由来は今のところ公式から語られていないが、
モチーフ元や上記の考察を鑑みるに、フランス語で水銀を意味する「メルキュール/Mercure」に、
「異種の~、外来の~」を意味する英語「ゼノ/Xeno」を組み合わせたものではないか、
といった考察なども見られるようだ。
素材
- 爵銀龍の厚鱗
- メル・ゼナの身を覆う厚い鱗。
硬さだけではなく、表面に薄く光沢を帯び、汚れる事がない。
- 爵銀龍の重殻
- メル・ゼナの重厚な外殻。
その輝きは見る者を跪かせる。
- 爵銀龍の重牙
- メル・ゼナの鋭く艶のある牙。
獲物の甲殻や骨をすり抜け、精気を吸い上げる。
- 爵銀龍の三又尾
- メル・ゼナの鋭く堅靭な尻尾。
ひと薙ぎで地を叩き割り、切っ先は鉄をも貫く。
- 爵銀龍の剛角
- メル・ゼナの硬くしなやかな角。
残忍な精神が宿り夜闇の中は密かに脈動する。
- 爵銀龍の剛翼
- メル・ゼナの流麗な白銀の翼。
絹のように柔軟な翼膜は精気を吸うことで妖しく輝くという。
- 精気食む噛生虫
- メル・ゼナの周囲を飛び回るキュリアそのもの。
爵銀龍の精気を永く吸い続けている存在で、その身からは赤い光を放つ。- 説明文やその存在自体がストーリーのネタバレになってしまうためか、
発売前に配信された体験版ではこのアイテムが削除されており、剥ぎ取りや落とし物で出現しない。
したがって、製品版でメル・ゼナと対峙するまでキュリアの存在を知ることはできないようになっていた。
- 説明文やその存在自体がストーリーのネタバレになってしまうためか、
- 爵銀龍の紅血玉
- メル・ゼナの体内から極稀に見つかる朱殷の宝石。
その輝きからは冷ややかな死を感じる。
関連項目
モンスター/原初を刻むメル・ゼナ
シリーズ/モンスターハンターライズ:サンブレイク
BGM/メル・ゼナ戦闘BGM
モンハン用語/メインモンスター
アクション/ダークロードブリス
システム/劫血やられ
スキル/血氣
武器/メルゼ武器
防具/メルゼシリーズ
世界観/王域三公
世界観/エルガド
世界観/キュリア
フィールド/城塞高地
モンスター関連
モンスター/ガイアデルム - 互いに宿敵と言える存在
モンスター/イヴェルカーナ - 同骨格で気品漂う容姿をした古龍種メインモンスター
モンスター/グァンゾルム - 有翼生物を従えるドス古龍骨格の古龍種モンスター