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・目次
・1ページ (大罪)
・2ページ (始まりの鏡)
3ページ (鏡の鏡)
・4ページ (湖の鏡~夢心地の鏡+イベントなし幻想体)
???
人の皮を被った多脚の生物の姿をした幻想体。
恥ずかしがり屋の今日の顔の変異体と思われる。
足が複数あり、蜘蛛のようになっている。
ボロボロになった廃墟のような空間を形作る。
幻想体が話す時は同じ言葉を繰り返し言ったり、言葉と言葉の間の繋がりが分かりづらかったりと大勢が同時に話しているような印象を受けるほか、
一人称として「私」のほかに「私たち」を使うセリフがある。
この事から幻想体は集団をモチーフにしていると思われ、足が非常に多いのもそのためと考えることができる。
また、出会った際は自身がした表情を話したり、これからするべき表情について問いかけたりしてくる。
笑えば良いと言うと狂ったように笑うが、被っている人皮は破れ、笑顔をつくるためにかこちらの皮を奪ってしまう。
泣いてと言うと、あらゆる生命が一斉に泣き叫ぶような声を発し、精神的な苦痛を振り撒く。
何の表情も浮かべるなと言うと、どうすべきか分からずじたばたした末、被っていた皮の仮面を残して消えてしまう。
皮の仮面は〈今日の表情〉というギフトであるが、表情の主はいないためその名に反して完全な無表情である。
恥ずかしがり屋の今日の顔は、本来個人の感情を反映するものであるべき「表情」に対して社会が与える圧力をテーマにした幻想体だったが、
この幻想体も表情に対する「正解」を求めていることから、似たようなテーマを持っていると考えられる。
両者の違いとして、恥ずかしがり屋の今日の顔は表情を強要されることにストレスを感じた末の姿であるのに反し、
こちらは逆に何らかの表情を求められることを期待している点、
それから前者は社会から孤立してしまった存在であるのに対し後者は集団そのものであるといった点が挙げられる。
そういった点では対極にある幻想体とも言えるだろうか。
TGSでは「今日の顔」という名前であった。
鏡ダンジョン内でのイベント選択の1つ「笑えば良いと思うよ。」は『新世紀エヴァンゲリオン』で綾波レイの「こんな時、どんな顔をすればいいか分らないの。」という問いに対して碇シンジが「笑えばいいと思うよ。」と答えたシーンが元ネタと思われる。
飲んだくれ
褐色肌で露出度の高い服装の人型幻想体。
紳士妖精と同じくお酒が好物であり、こちらにも勧めてくる。
酒樽が沢山置かれた、蒸気が立ち込めている空間を形作る。
幻想体に勧められてお酒を飲むと飲みっぷりを喜んでくれるほか、お酒は体の調子を良くしてくれる薬酒であるらしい。
薬酒は体に合わない者が飲んだ場合は尋常でなく体調を崩してしまうようだが、
幻想体はそんな様子を見ると、勿体ないと言いつつも「もう呑まない方が良い」と気遣ってくれる。
しつこくお酒を勧めてきたりと酔っ払いのおじさんのような幻想体で面倒臭いが、
断固として断っても興醒めしたとその場を去るのみで危害は加えてこないなど、他の幻想体に比べ危険性は低い。
ギフト名は酒類を熟成させる際に蒸発してしまった分の酒を指す"天使の取り分"、樽に染み込んでしまった分を指す"悪魔の取り分"が由来。
しかし、英語では"Angel's share" "Devil's cut"と呼ばれるのに対して"取り分"を指す単語が逆になっている*1
ギフトのイラストも明らかに天使と悪魔が逆になっている。*2
幻想体のモチーフは正確には不明だが、今作の幻想体はストーリーに関係したものから考えられている可能性があるため、名前から"アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ"の『星の王子さま』に登場する 酒を飲むことを恥じ、それを忘れるために酒を飲む"呑み助"だと考えられる。
???
人間の頭蓋骨の姿をした3体の幻想体。
尖った物が沢山生えた、牢獄のような洞窟の空間を形作る。
この幻想体には胴体がないため、転がりながら移動してくる。*3
それぞれ歯をカチカチと鳴らしながら様々な表情を浮かべる。
1つの骸骨は何が楽しいのか分からないが、歯を鳴らしながら笑っている。
別の骸骨は気分が悪いのか、何かを嚙みちぎろうとするかのように歯を鳴らしながら怒っている。
そしてまた別の骸骨は気が狂ったように不規則に歯を鳴らす。
どの骸骨も持ち上げた者によっては急に無表情になり、噛みついてくる。
四百輪の薔薇
血の湧き出る泉に咲いた、大きな薔薇の姿をした幻想体。
ノスフェラトゥの変異体だと思われる。
根が張られた、赤い洞窟のような空間を形作る。
専用BGMは前半フェーズが『Me relinque』(ラテン語で「私を放っておいて」)。
後半フェーズが『Ne me relinque』(ラテン語で「私を置いていかないで」)。
かつては小さく美しい薔薇であったようだが、誰かが流した血をひっきりなしに飲んで今は巨大に成長している。
その様子は忌まわしいものではあるが、花はただ血のある場所に咲いただけであってその血が流れる原因を作ったわけではない。
そのため湧き水を塞いで血を飲ませないようにしても、代わりの血を求め襲われるだけの結果に終わる。
逆に湧き水の入口を広げて血を飲みやすくすると、血を飲ませてくれたお礼をくれる。
作中に登場した血鬼たちのような壮大な願いなどなく、純粋に永遠に渇くを喉を潤せる血を求める幻想体である。
E.G.Oギフトの名称から、モチーフはシェリダン・レ・ファニュの小説『カーミラ』だと思われる。
そのため、この幻想体はノスフェラトゥのように血鬼に関連する幻想体である可能性がある。
吸血鬼が血を求める行為自体は善悪の無い普通の行為なのに対して、一般的な考えでは人を襲うことになるため、悪と定義されてしまう。
薔薇からキリスト教と関連させ、"自然な存在を宗教によって意味を付けられ、それによる弊害"を表した存在だという推測がある。
薔薇は本数によって込められる意味が異なるが、400本に込められる意味は無い。そのことも含めて考えると、"四百輪の薔薇"という名前自体に意味は特にない可能性がある。
<ミラルカ>は『カーミラ』内でカーミラが"マーカラ"や"ミラーカ"と自身の名前の文字を入れ替えるアナグラムを元にしている。
鏡屈折鉄道5号線の終着駅ボスとしてかっこいい演出を含んでいたため好評だったが、戦闘能力自体は低かったため4号線のボス縛られた王同様に残念という意見もある。
出血の付与量が少量だという点、囚人を強化するバフが強い点などから破壊不能コインのみが強みで、ただ体力が多いだけのボスという印象も残ってしまう。
ジア・シーチュンから生まれたミーム"야 김롭뿡 (おい!キム・ロプン)"で使用されるイラストの顔部分を合成するコラ画像がミームとして流行っていたが、この幻想体のコラ画像をAIに読み込ませた結果、"뿌뿌 (プップ)"という謎の名前が生まれた。*4
???
複数のガラス瓶がくっついたような姿をした幻想体。
中には桃色の液体がうねっている。
木造の実験室のような空間を形作る。
ガラス瓶の中にある桃色の液体は複数個体に分かれており、独自の表情を持つ。
液体が動くことによりガラス瓶が動き、フラスコ全体を移動させているようだ。
鏡ダンジョンのイベントではその液体の1つが他の液体によって外へ追いやられてしまう。
どうやら他の雫にいじめられていたらしいその雫にとってガラス瓶の中は地獄のような環境だったらしく、
雫を元居たガラス瓶の中へ戻そうとするとむしろ恨まれてしまう。
その代わり雫を慰めてあげることが助けになり、感謝の証として贈り物をくれる。
ファウストのシンボルがこの幻想体の姿/ギフトと酷似している。
他にもギフト名が〈フラスコの中の子供〉であることからモチーフは『ホムンクルス』だと思われるが、詳細は不明。
???
笑顔の白い楕円状のロボットの姿をした幻想体。
何でもお手伝いしますの変異体だと思われる。
幻想体 何でもお手伝いします同様、胴体から腕を伸ばせるが、腕の先には掃除道具が付いている。
鏡ダンジョンのイベントにて最初に「私は何でも拭いて差し上げます。」と名乗っていることから、恐らく名前は「何でも拭いて差し上げます」だと思われる。
清掃が好きな幻想体であるが、他のモデルに色々な機能が付いていることを自慢されたことをきっかけに、
何か優れたものを持っていないと特別な存在にはなれないのかと悩んでいる。
「私はこのままでも特別ですか?」と問いかけてはくるものの彼自身の中では「自分は特別ではない」という答えが出ているらしく、
安易に「特別だ」と慰めようとしても、その答えも「特別になりたい」という気持ちも自ら否定して去ってしまう。*5
逆に特別ではないと答えると、特別になれなかった自分を受け入れられないかのように、自身のパーツを外し、何か他の物をくっつけようと暴れる。
その後「私は特別になりたかったようです。」と言い残し、消えていく。
ギフト名は〈幻想狩り〉。お掃除ロボの持つスプレー缶のような見た目にしては妙に物騒かつヒロイックな名前。
特別である存在に打ち勝つ力を秘めている、ということなのだろうか。
???
黒い煙を背中から出している、老人の姿をした幻想体。
ダンテの見立てによると幻想体から出ている煙は「孤独」を具現化したもののように感じられるらしい。
老婆の変異体と思われる。
灰色の狭い、木造の空間を形作る。
天井が高い代わりに幅が狭い部屋で椅子に座り、絵を凝視している。
絵はこの幻想体の家を描いたものであるが、彼はその場所に帰りたくとも帰れなかったらしい。
そのため、絵を眺めているだけでも悲しみが湧いてくるが、凄まじいまでの未練により絵を見ずにはいられないという矛盾を抱えている。
鏡イベントではその未練を断ち切るために、いっそ自分から絵を取り上げて持ち去って欲しいという頼みを受ける。
彼の家である絵を持ち去る際には、「儂が君の家を奪う前に、早く持って逃げるんじゃ。早く。」と意味深なことを言うが、
その言葉が「君が今持っている我が家の絵」という意味での言葉なのか文字通りダンテらにとっての家を指すのか、詳細は不明。
E.G.Oギフト〈帰路〉に描かれた風景が幻想体 帰り道/臆病な猫の空間*6と似ている点、幻想体自体が元の家に帰れない特徴が帰り道と似ている点などから
ライマン・フランク・ボームの『オズの魔法使い』に関連するという説がある。
???
頭部がなく痩せた胴体と6本の腕を持つ、人型の幻想体。
〈一番低い星〉の幻想体と同じく蒼い星の変異体、もしくは関係する幻想体だと思われる。
青紫色の夜空のような空間を形作る。
6本の腕にはそれぞれ蒼いガラス玉を持っているが、幻想体はそのガラス玉のことを星だと言う。
ただの蒼いガラス玉だと否定しても判定の成否によっては「君がそういう風に見たいのなら。そう見た方が良いんじゃないのか?」とこちらを肯定してくれ、
実際にはその信念をあまり重要視していないように思える。
彼曰く彼は元々蒼い星に居た存在であり、今はそこへ戻りたいと願っている。
しかし戻ることができないため、ガラス玉を自身から発している光で輝かせ、自分自身が星となれるように振る舞っているのだという。
その玉が星であることをこちらが認めてもなお彼は自分の行いを虚しく思っている様子で、その思慕の念の強さが窺える。
ちなみに幻想体の背後にある雲が手のような形状になっている。*7
モチーフは不明だが、蒼い星とデミアンが関係しているという推測が多くある。
デミアン陣営(星の主になる者たち)が済州島の神話に関係している推測がある。
(上記の翻訳)
この推測に付随して、この幻想体は칠성신(七星神)などと関連していると思われる。*8
???
ムカデのような下半身を持つ、布を纏った人型の幻想体。
文字のようなものが書かれた紙が貼られた、礼拝室のような空間を形作る。
幻想体からは腐った死体の臭いがしており、全身に祈祷書がくっついている。
地面には無数のムカデが這っており、血のようなものが重力に逆らって浮いている。
何かを祈って信仰しているが、信じるものは何かと問うと、怒ってこちらへ攻撃をしてくる。
信仰心や信仰そのものを重んじているらしく、それに意義を求め疑問を投げかけることは彼の信心への侮辱にあたるようだ。
身体に付いてる祈祷書を取っても何もしてこない。
信仰に夢中になってそもそも気づいていないこともあるが、もしバレても攻撃をしてくることはない。
異様なまでの信仰心を持つ彼にとって、信じるものとは自分の内にあるものであり、既に祈祷書は必要としていないらしい。
煙戦争第4戦線
複数の死体が絡み合って、蛇もしくは虫のような姿をした幻想体。
煙戦争と酷似した、もしくは同じ風景の空間を形作る。
数多の死体が鉄条網と共に絡んで1つの生命体のような形を作っている。
鏡ダンジョンのイベントではその形態を「達成した平和の形象化」と呼んでおり、また戦争の犠牲者を鉄条網が一つに縛っているという描写があることから、
「平和のための犠牲となった者」や、「平和を謳歌する人間のもつ犠牲に対する無関心」に焦点をあてた幻想体と考えられる。
平和は生き残った者たちによって築かれ、また生き残った者同士がかつての敵を隣人として手をとりあっていくが、
もたらされた平和が既に死んだ者の味わった苦痛を和らげてくれることはない。
そのため数多の死体は鉄条網によって絡まり、今なお苦痛の中で戦場を這っている。
かつては敵同士であった者が鉄条網によって一つになり、苦痛と共に「お互いに目と肉を合わせさせ」られていることが強調されているのは、
「和解」や「平和」という結末すらも、犠牲者たちにとっては自分の意思で選んだものではない、という意味だろうか。
指先を切り、血を鉄条網の上に流すことによってその痛みへの理解を示してやると幻想体もこちらへ憐れみを向けてくれるが、
実際にはその戦争に参加しなかった者にとって彼らの苦痛を完全に理解することは不可能である。
生半可なやり方ではむしろ、そのような方法で理解できるなどと自分たちの苦痛を軽視したことに対する怒りを買ってしまう。
鉄条網を少し取り外すことは難しくないようだが、幻想体の果てしない苦痛の前では大きな意味をなしえない。
また、半端な気持ちで鉄条網に触れるとその中に飲み込まれて傷を負ってしまう。
安易に解決を求めるよりもその痛みを理解してくれることを願っている、と解釈することができそうだ。
正確には不明だが、トロイア戦争にて使用されたトロイアの木馬がモチーフだと思われる。
???
頭にエンケファリンボックスを被っている、拘束された人型の幻想体。
捨てられた殺人鬼の変異体と思われる。
ロボトミー社の幻想体収容室のような空間を形作る。
埋没したロボトミー社の支部で救出されず、ずっと生き残っていた職員から生まれた幻想体だと思われる。
いつ幻想体によって殺されるかも分からない中で救出を待つ時間を耐えるため、エンケファリンボックスに頭を突っ込み、現実逃避をするしかなかったようだ。
そのため、エンケファリンが溢れるのを止める首元のOリングを切ろうとすると幻想体は拒んでくる。
ちなみにエンケファリンに漬かっていた頭は既に人間のものとは思えない形状になっているらしい。
「ドン―ドン―ドン―」とドアに頭をぶつける音にはリズムがある。
彼をそっとしておく事を選んだ時そのリズムに歓喜が籠もっているようにダンテが感じたこと、
また「私たち」はエンケファリンに頭を浸したと幻想体が語ることから、
エンケファリンボックスを被った職員同士そのリズムで意思疎通をとっていたのかもしれない。
他の社員が別の場所に存在するのか、既に幻想体に殺されてしまったのかは不明。
薔薇の狩人
蔓でできた馬に乗る、頭部が薔薇の人型幻想体。
緑色の蔓だらけの森の空間を形作る。
依頼でとある人を狩ろうとしている。
そのとある人とは彼と出会う前に囚人たちへ匿ってもらおうと寄ってくる、呪われて捨てられた林檎。
恐らくこの林檎は白雪姫の林檎であり、依頼人は黒檀女王の林檎なのだと推察される。
彼と依頼主は「物語は筋書き通りに進むべき」という思想を持っている。
「白雪姫を殺す役目を果たせなかった林檎」という存在が筋書きに反し姫になることがないよう女王から依頼を受けたと考えられるが、
それゆえに林檎を匿ってやったとしても、それが新たな「物語」であると彼が判断したなら(林檎に気づいていそうな素振りに反して)そのまま見逃してくれる。
しかしその際、「それがそなたによって違えられたのであれば、その責任を負わねばならぬだろう。」と意味深な言葉を残していく。
「物語を生み出した者はその物語が登場人物に辿らせる運命に対して責任がある」ということだと思われ、
前々作、前作に登場するとある人物らの関係性を思わせる。
モチーフはグリム童話の『白雪姫』に登場する猟師(狩人)だと思われる。
???
トカゲのような姿をした幻想体。
尻尾の先は人間の手になっており、人差し指でこちらを指している。
口からは恐らくE.G.Oギフト 茨の道を出している。
見えにくいが背中に巨大な目も付いている。
空の見える白い宮殿のような空間を形作る。
幻想体曰く、天の指示官に仕える存在らしく、指示する者が誰であろうと「指示に従う」ことを責務と考えている。
指示をする際の声から目的性を判断しているようで、充分な目的性に基づかない指示には従わず、代わりに罰を与えてくる。
何も指示をしないと、その行為自体を罪であると判断し、敵意を向けてくる。
それに対して上手く弁解した時はその「指示」を理解したので遂行すると言って去るが、どのように解釈したのかは不明。
〈文字の刻まれた石板〉の幻想体と天の執行官の補佐と同様、天の補佐シリーズに該当する幻想体だと思われる。
神のことばを伝える大天使 ガブリエルをモチーフにしたのではないかという推測がある。
他の2体が人型なのに対して、この幻想体はキメラのような姿である。
イベントで生死の指示を促すことから幻想体のデザインなどは"ヘルマン・ヘッセ"の『デミアン』にも言及される天使 アブラクサスをモチーフにしたのではないかという意見もある。
背景にはゲーム内マウスカーソルに酷似したオブジェクトがある。*9
人差し指でこちらを指し、何か指示を求め、その指示に従うことから、裏路地組織である人差し指に関連しているのではないかという見解もある。
天の補佐シリーズが書記官/執行官/指示官だと考えた場合、各幻想体は人差し指の紡織者/代行者/伝令を表しているとも考えられる。
塔右饒
4本の腕を持つドルハルバンの姿をした幻想体。
手足はモチーフ元の石像とは違く、細長い形状である。
穴のあいた石が山積みになった空間を形作る。
幻想体は願いが込められた石塔と誰かの墓の石塚を積んでいる。
石塔には誰かの願いが込められており、こちらも石を積むことができる。
しかし崩してしまうと代償として、物理的なダメージと精神的なダメージを負う。*10
石塚には誰かが生き埋めにされており、石塚を崩そうとするとこちらも石塚の中に閉じ込められてしまう。
幻想体のデザインの元は韓国の済州島を象徴とする石像"돌하르방(ドルハルバン)"。
「穴のあいた石でできた山」から黒い穴の空いた玄武岩が多い済州島を表してることが分かる
済州島の人々は墓を山と表現するため、幻想体が作っている石塚は村に厄が入るのを防ぐために建てられた"방사탑(防邪塔)"とも考えられる。
韓国では石に願いを込めることが歴史的にあるが、幻想体の名前は仏に対する称賛及び、極楽王生を祈願する"탑돌이(塔돌이)"である。
これらのことから、全体的なモチーフは済州島の石に関する歴史などだと思われる。
足長妖精
細長い手足を持つ人型の妖精の幻想体。
片手で大きなクローバーを傘代わりに差している。
緑色の葉が生い茂る森の空間を形作る。
妖精の祭典の変異体だと思われる。
幻想体がいる空間には粘性の高い雨が降っており、幻想体曰く触れると溶けてしまうようだ。
その為、幻想体は大きなクローバーを傘のように使用している。
幻想体は紳士妖精のような親切な姿を見せ、丁寧な喋り方で自身の傘の中へ入ることを勧めてくる。
しかし、それは獲物を手間なく得るための罠である。
雨に触れると溶けるというのも嘘で、実際は逆に治癒効果がある雨のようだ。
同じ変異種と考えられる紳士妖精とは違い、妖精の祭典のように獲物を食べるために相手にとっても利益となる行動を取る。
ただこの幻想体は発声による会話が可能なため、言葉巧みに相手を騙す方法で獲物を捕まえる。
紳士妖精同様胴体に口が付いており、片腕は異様な程伸びている。
自身のことのみを考える妖精、そして名前が"足が長い"という点しか触れていないことなどから
モチーフはアイルランドの伝承に登場する妖精レプラコーンだと思われる。
???
ほのかに緑色に発光する、姿がはっきりしない幻想体。
次元屈折変異体の変異体だと思われる。
次元屈折変異体 同様薄っすらと顔のようなものが見える。
何もないセメントの部屋の空間を形作る。
ダンテ以外の囚人たちには認識できない存在である。
だが部屋の明かりを消すことにより、微かに見えるか程度になる。
光があると見えないが、自ら光るわけではなく、心の中でのみ投影できる存在である。
この幻想体は他の次元に繋がっており、触れると溶けるような痛みと共に、
触れた部位が別次元の同じ部位に置き換えられてしまう。
妖精提灯
緑色の妖精が留まっている木の枝の姿をした幻想体。
胴体は地面の中にも埋まっているため、妖精部位が破壊されていないと見れないが、実際には埋まってる部分に黄色い目が沢山ある。
肉の提灯の変異体だと思われる。
様々な花や背の高い木が生える森の空間を形作る。
通常は上記で書いた通り、本体部分が埋まっており、枝に妖精が留まっている。
この状態は擬態であり、妖精は自分の元へ引き寄せる魅了効果を持つ。
足長妖精と同じように、相手を騙して捕食するという方法を取っている。
しかし足長妖精は01であり、面倒だからああいった手段を取ったと人間らしい所がる。
それに対してこの幻想体は04であり、戦闘でも同じパターンを繰り返すのみであることから、足長妖精とは違い、魅了する方法しか持っていないということが分かる。
「もっと楽で居心地の良い場所に案内してくれるような気もした。」という風に楽な場所が妖精の近くだと思わせる魅了のようだ。
ちなみに自身の近くで休息を取らず、その場から離れようとすると魅了できなかったと判断したためか、枝を伸ばし強行してくる。
E.G.O名が肉の提灯と同じく「提灯」であるため、唯一の名前被りを起こしている。
実装時は識別番号が"F-01-11-15"と足長妖精のIDが間違って付けられていたが、今は修正されている。
E.G.Oギフトの名前が〈真冬の夜の悪夢〉であるため、ウィリアム・シェイクスピアの『夏の夜の夢』に関連する幻想体だと思われる。
???
履歴書で作られた蝶の頭部を持つスーツ姿の人型幻想体。
幻想体の周りにはギフト〈カンタービレ〉のような蝶が舞っている。
死んだ蝶たちの葬儀の変異体だと思われる。
白黒の裏路地のような空間を形作る。
死んだ蝶たちの葬儀 同様、胸から腕が1本生えており、その腕で電子端末をいじっている。
幻想体曰く、この空間には自身と似た者たちがおり、皆大手会社の面接を受けたようだ。
全ての者が幻想体と同じような存在なのか不明だが、この幻想体は落ちたと知った際、頭部の蝶が羽ばたいて胴体を捨て消えていく。
幻想体はもし面接に落ちたとしても飛んでいきたいという気持ちがあったため、頭を履歴書に変えたという。
片手で持っているビニール袋には「体の頭部にあったはずのもの」、即ち恐らくは人間の頭部が入っている。
モチーフは不明だが、競争社会である韓国の新社会人や「落ちる=社会的死」という社会通念が元になっていると思われる。
上記で書いた通り、頭部の蝶は履歴書でできているが、その1枚にロボトミー社のロゴのようなものが描かれているという意見もある。
死んだ蝶たちの葬儀の変異体とも考えられることもあって、この幻想体もロボトミー社へ入社しようとしていたのだと思われる。
凶弾の射手
頭部が赤い煙のような人型幻想体。
魔弾の射手の変異体だと思われる。
魔弾の射手は長銃を使用するのに対して、この幻想体は散弾銃を使用する。
煙戦争のような空間を形作る。
背景の建物には、顔に穴が開いた旧G社の兵が描かれている。*11
この幻想体は戦争の最中に悪魔と契約を行い、「何でも破裂させられる銃」を手に入れた。
契約は、「最後の弾丸は愛する人の頭を破裂させる」というもの。
幻想体は何らかの手段で愛する人を忘れてしまうことで契約による殺害を回避し、躊躇なく銃を撃ち続けていた。
愛する人を自身は覚えてないため、逆に愛する人を覚えている者を撃ち殺す事に愉悦を感じている。
鏡ダンジョンのイベントの「射手の味方」というのは恐らく、愛する人を忘れた者同士という意味だろう。
判定に失敗した際、こちらが愛する人を忘れていないことを知り、敵対してくる。
しかし愛する人を忘れることを決めても(恐らくその人の写真の入った)ペンダントを手放すことはできなかったらしく、それを見ると愛する人を思い出してしまう。
その事に怒りこちらへ発砲してきた弾丸は空中に消えてしまったが、これは恐らくこの幻想体が愛する人の元へ向かったのだと思われる。
幻想体は絶望と共にへたり込み、この結末を待ち望んでいた悪魔の笑いが聞こえてくる。
この幻想体の保有する銃と弾丸は恐らく誰かの"心臓を撃ち抜く"ことで本領を発揮できると思われる。
実際の戦闘では煙戦争関連であることから旧G社の兵を召喚し、メインターゲットとして撃ち抜き、囚人たちへ攻撃をしたりする。
イサンのE.G.Oの《凶弾》では味方を撃ち殺すことにより、多くの敵へ攻撃を仕掛けることができる。
なお、彼は散弾銃を使用するが、彼から抽出できるヒースクリフのE.G.Oの《凶弾》はライフル銃であり、
E.G.O使用時のアニメーションでも魔法陣を通過する前は発射されている弾丸も1発のライフル弾であることが確認できる。
モデルは恐らくリー・エンフィールド。(その内のSMLE Mk.ⅢかMk.Ⅰのどちらかに見える)
『嵐が丘』の舞台でもあるイギリスで陸軍に採用されていた銃であり、軍人としての背景を持つ凶弾の射手から抽出できるE.G.Oにふさわしいと言える。
幻想体の英語名"Der Fluchschütze"はドイツ語で"呪いの射手"という意味になる。*12
E.G.O浸食時の姿はヒースクリフ、イサンどちらも幻想体とは異なる姿になるが、これは彼らのトラウマに合わせているのかもしれない。*13
???
紙でできた蛇のような姿をした幻想体。幻想体と同じような紙で一杯の狭い部屋の空間を形作る。
この幻想体は今まで放置されてきた課題側の目線で、課題を後回しにしてきた学生などへの怒りを持っている。
課題にも提出してほしいという欲求があるようだ。
この空間に課題が残っている者が訪れると、その者の課題が現れガサガサと音を立て始める。
鏡ダンジョンのイベントにて「(課題を先延ばしにしたことが)無い」と答えるとE.G.Oギフト〈特別契約〉を貰えるが、
文脈的にこれは「今後も課題を放置しない」という幻想体との契約だろうか。
「お前は課題を先延ばしにしたことあるか?」とこちらを疑ってかかってきた割には、
ただ一言「無い」と答えるだけであっさり信じてしまい「強い信頼」すら露にするという点が特徴的。
もらえるギフトが強力な割に、信じてもらえるかどうかの判定なども存在しない。
なんだかんだ課題をバックレてもどうにかなってしまうことの比喩…かどうかは不明だが、何らかの意図を込めての描写に思える。
課題に関連するギャグ性のある幻想体であるため、学生限定で一番恐ろしい幻想体だと扱うネタがある。モチーフも恐らく、課題に追われる学生などだと思われる。
そのため、根源のアルファベットはTだと考えられる。
???
ベットの骨組みと融合した看護師の姿をした幻想体。
ちなみにキャスターには手が付いている。
〈血液採取パック〉の幻想体と似た姿をしている病院シリーズの1体。
病院の廊下のような空間を形作る。
胴体がベットと融合しているため、ベットのキャスターで移動している。
頭部には点滴が繋がっており、そこから赤い液体を注入されている。
イベント文から察するに、栄養を与える通常の献血の逆で、栄養を吸い取っていたのかもしれない。
判定失敗時では誤って注射器の針が刺さってしまうが、直後に目眩に襲われていた。
イベント文では患者と推察されているが、服装が看護師にも見えるため、詳細は不明。
しかし、幻想体自体は「療養を行う患者」というよりかは「養分を取られる被験者」の方が近いと思われる。
ヒュドラーをモチーフにしたと思われる鎮痛剤の幻想体を含めて考えると、ヒュドラーの毒で苦しむ不死のケンタウロス、ケイローンがモチーフだと思われる。
幻想体のデザインは『サイレントヒル』シリーズに登場するナースのオマージュだと思われる。
???
医者のような恰好をした7つの人間の頭部を持つ幻想体。
植物のように長い首で1つの体にまとまっており、胴体からは聴診器が2本生えている。
病院シリーズの1体。
廃病院の手術室のような空間を形作る。
各頭部に意思があり、お互いで会話もできるようだ。
幻想体曰く、この病院は庭園であり憩いの場である。
鏡ダンジョンのイベントでは判定を行うと、成功失敗の結果は関係なくギフト"鎮痛剤"が貰える。
そしてこの幻想体は複数の医者から成る存在であるが、特別凄い技術を保有しているわけでもないため、手術を失敗することがある。
これらのことから、この幻想体の行う手術というのは痛みを誤魔化しているだけなのではないだろうか?
成功しても失敗しても精神的な被害を負ってしまう。*14
病院のことを庭園だと言っているが、〈携帯用救急セット〉の幻想体がこの幻想体の患者の1人だと思われるため、信じがたい話である。
上記内容が嘘であり、患者となるの者を騙してると考えた場合、〈秘密保持誓約書〉の幻想体の言う409号室の患者もこの幻想体の被害者であると思われる。
正確なモチーフは不明だが、複数の頭部を持つ姿からギリシャ神話に登場する怪物ヒュドラーだと思われる。
???
長い首を持つ二足歩行の幻想体。
玩具売り場のような空間を形作る。
頭部にはハンマーが付いているため、重力に逆らえず、思いっきり地面に叩きつけてしまう。
再びこの頭部を上げるためには尻尾部分にあるフラスコに血を満たさなければならない。
力づくで持ち上げることも可能だが、不安定であるため、再び頭部が落ちてしまう。
モチーフは熱力学で作動する熱機関の玩具"水飲み鳥"である。
???
金色色の壺に頭から入った人型の幻想体。
腹部には大きな口があるが、関節が逆方向に曲がっているため、正確には背中にある。
大きな金庫のような空間を形作る。
幻想体は欲望の結果なのか、頭から壺の中に入ってしまい、胴体で1つの大きな手のひらのようになっている。
壺から頭を取り外そうとすると、拒まれてしまう。
外せたと思っても、最後まであきらめず壺を掴む執念を見せつけてくる。
モチーフは「過度の欲望は災いを呼ぶ」ことを教訓とした韓国の童話『요술항아리 (魔法の壺)』だと思われる。
幻想体を抱きしめた結果、ギフトとして獲得するコストが増える壺が貰えるが、
ギフトは童話に出てくる「入れた物が増える壺」に、幻想体は「その壺を手に入れた金持ちに起きた悲劇と結末」に対応すると思われる。
???
標識を持つローブを被った、無数の頭部を持つ幻想体。
砂漠のような場所にある道路のような空間を形作る。
幻想体は道路で大きな標識を持ち、道を案内している。
大きな道を進めば、再び戻ってくるまでに沢山の時間が掛かる。
脇道を進めば、あまり好感を抱かれないが通してくれる。
幻想体曰く、「交通の神様」という存在が許さない方便であるようだ。
どちらの道も選ばず、引き返すと良い選択だと言ってくれる。
正確なモチーフは不明だが、幻想体は「交通の神様」なる存在を信じている。
他にも大きな道は進むのに沢山の時間を必要とする点、高速道路のような空間である点などから、古代ローマ時代に主要都市を結ぶように作られたローマ街道を表現しているようにも考えることが出来る。
そしてギリシャ神話をモチーフにしたと推測される病院シリーズや天使をモチーフにしたと推測される天の補佐シリーズがあるため、この幻想体もローマ神話をモチーフにしたと考えることもできる。
そのため幻想体自体のモチーフは商業・盗賊・通信・旅行を司る男神であるメルクリウス(/ヘルメース)だと思われる。
TGSでは「ルート887」という名前であった。
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