//地上車両テンプレートバージョン19.11.24
*スウェーデン RankV 中戦車 Strv 103-0 [#V1_Top]
//↑は国家名 Rank(ローマ数字←半角英字で表記) 機種カテゴリ 機体名(機体アイコンマウスオーバーで表示される詳細版・英語表示)を記載してください。
//例:ドイツ RankII 駆逐戦車 Pz.Kpfw. III Ausf. L
//ただし、ここの車両名に関しては、判りやすいよう日本語表記等を追記しても良いこととします。
//例:ドイツ RankII 駆逐戦車 Pak40/3 auf Sfl.38 Ausf. H マルダーIII H型
&attachref(./War Thunder Screenshot 2019.12.18 - 10.01.13.97.jpg,nolink,100%);
**概要 [#V1-1_Summary]
//↓概要説明は実装時のバージョンや車両特性、武装、史実などページ全体の要点をとりまとめたものを2~3行でコンパクトにまとめること。本格的な解説は【解説 [#A3_Explanation]】にて。
ver1.95にて実装された、スウェーデン陸第一弾を飾るプレミアム車両。
無砲塔、低姿勢というベルゲ技師のアクアビットキメすぎた発想により駆逐戦車のような佇まいをしているがこれでも主力戦車(MBT)である。ゲーム中でも分類は中戦車である。この他にも前進・後進はほぼ同じ、車体照準モード搭載と実に個性的な車両である。
アップデート「ダイレクトヒット」に伴い再販売されている。
*車両情報(v1.95) [#V2_Data]
//↑情報元クライアントのバージョンを記入して下さい。
//情報記入の際はモードの表記が無い場所は全てRealisticBattles{RB}モードの情報を記入して下さい。
**必要経費 [#V2-1_Costs]
|>|CENTER:SIZE(12):|c
//|~必要研究値(&color(blue){RP};)|***|
//|~車両購入費(SL)|***|
//|~車両購入費(&color(Red){GE};)|***|
|~車両購入費($)|49.99|
|>||
|~乗員訓練費(SL)|10,000|
|~エキスパート化(SL)|***|
|~エース化(&color(Red){GE};)|***|
|~エース化無料(&color(Blue){RP};)|***|
|>||
|~バックアップ(&color(red){GE};)|60|
//|~護符(&color(red){GE};)|***|
|~デカール枠解放(&color(blue){RP};)|140,000|
**BR・報酬・修理 [#V2-2_BR_Rewards_Repair]
|>|CENTER:SIZE(12):|c
|~項目|~【AB/RB/SB】&br;(初期⇒全改修完了後)|h
|~バトルレーティング|8.0 / 8.0 / 8.0|
|~&color(Blue){RP};倍率|2.02(+100%)|
//↑課金車両の場合、「(+100%)」と護符分のボーナスを加えて表記。例:「1.72 (+100%)」
|~SL倍率|1 / 1.4 / 1.6|
|~最大修理費(SL)|***⇒2,100 / ***⇒2,480 / ***⇒2,920|
**車両性能 [#V2-3_Statistics]
|>|CENTER:SIZE(12):|c
|~項目|~数値|h
|~|BGCOLOR(#FFDDDD):~【AB/RB&SB】(初期⇒全改修完了後)|
|BGCOLOR(#FFDDDD):~砲塔旋回速度(°/s)|**.*⇒75.5 / **.*⇒51.0|
|~俯角/仰角(°)|-10/12|
|~リロード速度(秒)&br;(初期⇒スキルMAX+エース化)|4.0|
|~スタビライザー/維持速度(km/h)|無し|
//↑スタビライザーがある車両の場合は最高速度の項目も表示
|>||
|~車体装甲厚&br;(前/側/後)(mm)|40 / 30 / 20|
|~砲塔装甲厚&br;(前/側/後)(mm)|0 / 0 / 0|
|~船体崩壊|有・無|
|>||
|~重量(t)|37.7|
|BGCOLOR(#FFDDDD):~エンジン出力(hp)|***⇒841 / ***⇒540|
|~|3,600*rpm|
|BGCOLOR(#FFDDDD):~最高速度(km/h)|54 / 50|
|BGCOLOR(#FFDDDD):~実測前進~後退速度(km/h)|*** ~ -*** / *** ~ -***|
//↑大体の数値でOK。テストドライブ開始地点より走行すれば平地で測定できる。斜面で測定しないよう注意。改修前と後では加速度が違うものの、最高速度自体は同じ。
|BGCOLOR(#FFDDDD):~最大登坂能力(°)|***⇒*** / ***⇒***|
|~視界(%)|72|
|>||
|~乗員数(人)|3|
#br
**暗視装置 [#v2-3-2_NightVisionDevice]
//なし
|SIZE(12):CENTER:120|SIZE(12):CENTER:80|SIZE(12):CENTER:180|c
|~ |~有無|~種類|h
|BGCOLOR(#FFDDDD):~赤外線投光器|有/無|-|
|>|>||
|~車長/三人称|有/無|微光暗視装置/赤外線暗視装置/熱線暗視装置|
|~砲手|有/無|微光暗視装置/赤外線暗視装置/熱線暗視装置|
|~操縦手|有/無|微光暗視装置/赤外線暗視装置/熱線暗視装置|
**武装 [#V2-4_MainWeapons]
|>|>|>|SIZE(12):CENTER:|c
|>|~名称|~搭載弾薬数|~購入費用(SL)|h
|~主砲|△△|**|**|
//|~副砲|△△|**|**|
|~機銃|△△|**|**|
//情報記入の際は、ゲーム内日本語表記を基準にし、「~砲」や「~榴弾砲」「~機関銃」も記入して下さい。
**弾薬((爆薬量はTNT換算)) [#V2-5_Shells]
[[''搭載武装解説ページ(弾薬テンプレート置き場)を開く''>搭載武装解説]]
//この項目の表は「搭載武装解説」の各国ページにリンクが張られている各武装のページからデータを引用している。「weapon_dummy」をページ名に置き換えて欲しい。
//データが更新されて古くなっている場合は、大本のページを編集して欲しい。これを編集すると、全てのページにある武装データが一度に更新される。
***主砲 [#V2-5-1_MainGun]
#include(105 mm L74 cannon,notitle)
//「weapon_dummy」を「搭載武装解説」にある各兵装ページのページ名に置き換えて欲しい。ページが未作成の場合は、テンプレートに従って作成してもらえるとありがたい。
#br
***機銃 [#V2-5-3_CoaxialGun]
#include(weapon_dummy,notitle)
#br
**車両改良 [#V2-6_Modifications]
''[[解説ページを開く>性能・パーツ]]''
|>|>|>|CENTER:SIZE(12):|c
|~Tier|~名称|~必要&color(Blue){RP};|~購入費(SL)|h
|~I|~履帯|***|***|
|~|~修理キット|~|~|
|~|~砲塔駆動機構|~|~|
|~|~弾薬開発1|~|~|
|>|>|>||
|~II|~サスペンション|***|***|
|~|~ブレーキシステム|~|~|
|~|~手動消火器|~|~|
|~|~火砲調整|~|~|
|~|~弾薬開発2|~|~|
|>|>|>||
|~III|~フィルター|***|***|
|~|~救急セット|~|~|
|~|~昇降機構|~|~|
|~|~弾薬開発3|~|~|
|>|>|>||
|~IV|~変速機|***|***|
|~|~エンジン|~|~|
|~|~追加装甲|~|~|
|~|~砲撃支援|~|~|
**カモフラージュ [#V2-7_Camouflage]
#region(''クリックで表示'')
|>|SIZE(12):|c
|>|~△△△|
|>|&attachref(,nolink,100%);|
|BGCOLOR(#eeeeee):~条件|-|
|BGCOLOR(#eeeeee):~説明|標準カモフラージュ|
|>||
|>|~△△△|
|>|&attachref(,nolink,100%);|
|BGCOLOR(#eeeeee):~条件|△|
|BGCOLOR(#eeeeee):~説明|△|
|>||
#endregion
**研究ツリー [#V2-8_Tree]
|>|SIZE(12):CENTER:|c
|~前車両|''[[-]]''|
|~派生車両|''[[-]]''|
//|~派生元車両|''[[-]]''|
//|~オリジナル車両|''[[-]]''|
//↑鹵獲・レンドリース車両用
|~次車両|''[[-]]''|
#br
#br
*解説 [#V3_Explanation]
**特徴 [#V3-1_Characteristics]
#br
''【火力】''
WTではよくお世話になるベストセラー戦車砲ロイヤルオードナンスL7とほぼ同じ物を使用する。
HEAT系の砲弾はなく対戦車砲弾はAPDSのみである。&color(Silver){APDSは二種類あるがm/61が素の貫通力で勝り、m/62が傾斜装甲に対する貫通力で勝るという具合である。};
自動装填装置を搭載し、装填時間4秒とかなりの高速装填である。更に他国の自動装填装置は一次弾薬庫の砲弾を撃ち尽くすと長い長い再装填に入るが、本車は一時弾薬庫が無いので40発全てを間隔4秒で撃てる。
砲は車体に完全に固定されているので左右の照準の調整は車体の旋回で、俯仰角は油圧サスペンションで調整しなければならない。そんなのハードモードすぎるのでお手頃簡単な「車体照準モード」を使用する事をお勧めする。コントロール→地上車両→動作でキー設定できる。これにより照準に合わせて自動で車体が旋回し、油圧サスペンションが調整してくれる。
この機能を使えば問題なく攻撃できるかと思いきや、ゲームでの実装が酷いため細かい照準に時間がかかり、これが本車を非常に使いにくくしている。
目標が移動していたりハルダウンして貫通を狙える場所が小さい場合は、撃破することが難しい場面もかなり多い。
相手よりも先に大まかな照準を付けたのに、弱点に狙いを定めている間に相手から悠々と攻撃されるほど照準に時間がかかる。
#br
''【防御】''
正面でも僅か40mmの装甲と非常に頼りない数値であるが、脅威の傾斜角78°を誇る。これにより200mm近い防御力を発揮することになる。
更には内部に30mmの隔壁を備えるので貫通後も意外なしぶとさを見せる。HEのような破片を貫通させる類の砲弾は隔壁で防がれる。
とここまで鉄壁のような防御力を持つと思えるが現実は厳しい。''傾斜が照準中に変動するので安定した防御力を発揮できない''、固定砲塔故に履帯切りやエンジンを破壊されると何もできなくなるのは勿論だが''貫通200mm程度の格下の砲弾にすら車体下部の出っ張りと先端から弾が貫通し足を破壊されて何もできないまま炎上させつづけられて死んでしまう''ので過信はしないでもらいたい。
乗員は三名と少ないが実車において乗員一人で射撃、操縦が可能であることから乗員が一人になっても戦闘が可能である。
#br
''【機動性】''
機動力は同格の第二世代MBTと比べるとかなり見劣りし、T-54よりは少し速いといった程度。平地では30kmちょっとくらいまでしかでないが加速、旋回はスムーズである。後進も30kmほど出せるので素早く後退し身を隠すことができる。
なお、車体照準モードを切っておかないとよそ見をした際に急旋回するハメになる。&color(Silver){わき見運転ダメ絶対};
''【車体照準について】''
車体を傾けて狙うという同じ固定砲塔の駆逐戦車とは異なるため解説。
①細部の照準に時間がかかり、大雑把な狙いで攻撃することになるため移動してる敵や小さな目標を狙うのは難しい
②最大の敵は地形と障害物であり地形によっては照準が定まらないことが多い
③車体照準モードを切らないと移動しにくい
④両方の履帯やエンジンが死んだら左右への照準移動ができなくなる
⑤修理中は砲が向いている1点のみにしか攻撃できない
⑥少しでも接地場所が傾いていると車体を旋回させるたびに''強烈な縦揺れが発生''し、揺れを収めるには照準操作を''2秒以上完全に静止させなければならない''
ということを理解しておこう
#br
さらにサスペンションで傾斜をかけていた場合機動性が地味に落ちるので、そういった意味でもいつでもモードを切ってサスペンションを標準状態に戻せるようにしておきたい。
他車の姿勢制御サスとは違い走行中にも姿勢の操作ができるため、走りながら中立位置まで動かせるというのは地味に嬉しいポイント。
**史実 [#V3-2_History]
#fold(長いぞ){{{
Strv 103は、スウェーデンが1950年代後半から独自に開発し、1967年から部隊配備した主力戦車である。砲塔を持たず、105mm砲を車体に完全固定し、左右照準を車体旋回、上下照準を油気圧式サスペンションによる車体姿勢変更で行うという、量産主力戦車としては極めて珍しい構造を持つ。
本車Strv 103-0は量産型に先立って製造された10両の「0シリーズ」である。1963年末から試験が開始され、1966年まで兵員・編制・運用試験などに使用され、後の量産型Strv 103A/Bの仕様決定に大きな役割を果たした。((Rickard O. Lindström「Historien bakom Strv 103 "S"」 https://www.ointres.se/strv_103.htm ))
---
''開発の背景''
1950年代初頭、スウェーデンではKRV(EMIL)と呼ばれる国産新型戦車計画が進められていた。しかし1953年、英国からCenturionを購入できることになったため、本格的な開発は中止された。
とはいえCenturionは重量が大きく、またStrv m/42を改造したStrv 74もあくまで暫定的な戦力と認識されていた。このため「強力な火力と正面防御、小さなシルエットを持ち、Centurionより大幅に軽量で、徴兵兵でも短期間で習熟できる次世代戦車」の研究は続けられた。((Rickard 同ページ))
1956年、軍備局の技師スヴェン・ベルゲは、この要求に対して''砲塔そのものを廃止する''という案を提案した。
ベルゲはStrv 74などの開発経験に加え、第二次世界大戦後に得られた大量の戦車戦資料を研究していた。1954年にはCenturion購入に伴って英国から戦車の命中・損傷統計も提供され、撃破された戦車では砲塔や砲架周辺への命中が多く、高さ1m以下への命中は比較的少ないことが示されていた。ベルゲの計算では、単位面積当たりの被弾危険度は砲塔の方が車体より100%高かったという。((Rickard 同ページ))
ならば「最も撃たれやすく、重量と車高を増加させる砲塔を丸ごと無くせばよい」というのがベルゲの回答だった。
#fold(砲塔をなくす発想はどこから来た?){{
Strv 103の構成要素は、すべてが完全な新発明だったわけではない。
ベルゲは1943年、フランスのChar B系列について、車体に搭載した大口径砲を履帯の微細な差動によって左右照準する方式の記事を読んでいた。また戦後にはスウェーデンが入手したドイツ製SturmgeschützやJagdpanzerを自ら調査し、砲塔を持たないことで低くコンパクトにできる点に関心を持っていた。((Rickard 同ページ))
上下照準については油気圧式懸架装置を使って車体そのものを傾ければよく、自動装填についてもベルゲ自身が評価に携わったAMX-13などに先例があった。
つまりStrv 103は、
- Char Bに見られた車体による左右照準
- Sturmgeschütz/Jagdpanzerの低い車体
- 油気圧式懸架による姿勢制御
- AMX-13などの自動装填
といった既存の技術・着想を、「車体全体を一つの砲架としてしまう」という発想で統合した戦車ともいえる。
1956年10月22日、ベルゲはこの方式を正式に発明として届け出ている。((Rickard O. Lindström「Anmälan om svensk uppfinning」 https://www.ointres.se/anmalan_om_svensk_uppfinning.htm ))
}}
1957年には新型戦車案が大きく3系統に整理された。
- ''Alternativ A'':英米系の約50t級。重防御、中程度の機動性
- ''Alternativ T'':独仏系の約30t級。比較的軽装甲、高機動
- ''Alternativ S'':スウェーデン独自の約30t級。低姿勢、重防御、良好な機動性
後の「Sタンク」という通称は、この''Alternativ S''に由来する。((Rickard「Historien bakom Strv 103 "S"」同ページ))
---
''試作と0シリーズ''
1957年から、まずIkv 103などを利用して「履帯による車体旋回だけで十分精密な左右照準が可能か」という基礎試験が始められた。
続いてKRV試作車体、Strv 74などを使い、操向装置、油気圧懸架、長砲身砲の俯仰、自動装填装置などを個別に試験した。((Rickard 同ページ))
結果が良好だったため、1959年にBoforsへS1・S2の2両の試作車が発注され、1961年に完成した。
さらに10両の0シリーズが製造され、1963年末から試験を開始。部隊運用、乗員教育、編制、整備などを含む試験は1966年まで続けられ、その結果を反映した量産型が1967年から配備された。((Rickard 同ページ))
---
''車体そのものを「砲塔」にする''
主砲は英国L7系105mm砲を基礎としてBoforsが長砲身化した10.5 cm kan strv 103で、砲身長はL/62。
砲は車体に完全固定されている。左右照準は左右履帯の駆動量を精密制御して車体そのものを旋回させ、上下照準は前後の油気圧式サスペンション間で作動油を移動させ、車体全体を傾けることで行った。((Föreningen Stridsvagn S「KAPITEL 9 – STRIDSVAGN 103」 https://www.foreningen-stridsvagns.se/historien-om-stridsvagn-103/kapitel-9-stridsvagn-103/ ))
この構造によって砲塔リングや砲塔旋回装置が不要となり、車高と正面投影面積を大幅に小さくできた。
さらに砲尾の位置と角度が車内に対してまったく変化しないため、自動装填装置も非常に単純な配置にできる。砲塔戦車では主砲が俯仰するため装填装置もそれに対応しなければならないが、Strv 103では''戦車そのものが俯仰するので、車内から見れば主砲は常に同じ位置にある''。
一方で、砲の照準能力が走行装置そのものに依存するため、履帯・操向装置・油気圧系統の故障は主砲照準能力にも直接影響する。
---
''独特な3人乗員''
砲を向ける操作と車両を向ける操作が同一になったため、Strv 103では一般的な戦車の「操縦手」と「砲手」が統合され、''操縦手兼砲手''となった。
通常時の主な分担は、
- 操縦手兼砲手:前進操縦、主砲照準、射撃
- 車長:索敵、戦闘指揮
- 後方操縦手兼通信手:通信、後退時の操縦
となる。((Föreningen 同ページ))
ただし車長席にも操縦・射撃装置が備えられており、車長が目標を先に発見した場合には操縦手兼砲手から操作を引き継ぎ、自ら車体を目標へ向け、そのまま射撃することができた。
これは単なる省人化ではない。操縦手兼砲手は普通の戦車砲手と違い、操縦用視察装置で前方を広く観察することができ、自分で敵を発見すれば、
''発見 → 車体を目標方向へ向ける → 精密照準 → 射撃''
までを一人で連続して行える。
車長が敵を発見した場合にも、自分で操作を引き継げるため、通常の戦車で発生する「車長が発見した目標を砲手へ説明し、砲手が狭い照準視界の中で再び捕捉する」という情報伝達を省略できる。
#fold(実は当初2人乗りだった){{
ベルゲの初期構想では、操縦と照準が同じ操作になることから、1~2人乗員すら検討されていた。
しかし実験してみると、運転・索敵・射撃だけで2名の負荷はかなり大きく、小隊や中隊との無線通信・戦闘指揮まで処理する余裕がなくなることが分かった。
また、自動装填装置があっても、
- 無線通信
- 日常整備
- 弾薬補給
- 警戒
- 故障時の対応
といった仕事まで消えるわけではない。
そこで3人目が追加され、後方操縦手兼通信手となった。((Swedish Tank Archives「Stridsvagn 103 Was Not A Tank Destroyer」 https://tanks.mod16.org/2016/08/19/stridsvagn-103-was-not-a-tank-destroyer/ ))
つまりStrv 103の3人乗員は、単に「普通の4人乗り戦車から装填手を1人消した」のではなく、一度戦車に必要な仕事を分解し直し、3人へ再配分した構成だった。
}}
#fold(後方操縦手、暇すぎて酔う){{
1975~76年に米軍がStrv 103Bを試験した際には、後方操縦手という独特な職種についても評価が行われた。
試験報告の要約では、後ろ向き乗員について''motion sickness(乗り物酔い)''や''boredom(退屈)''が問題として挙げられている。((Swedish Tank Archives「Stridsvagn 103 trials in the US, 1975-1976」 https://tanks.mod16.org/2016/09/17/stridsvagn-103-trials-in-the-us-1975-1976/ 添付PDFの12ページ目、2.5.4.3))
普段は通信を担当し、必要になれば後方を向いたまま高速後退を操縦するという、かなり特殊な勤務環境である。
「砲を撃つ間は仕事が少なく、仕事が来たと思ったら後ろ向きで戦車を走らせる」という、ある意味ではStrv 103でもっとも人を選ぶ席だったのかもしれない。
}}
---
''防御戦専用の「駆逐戦車」だったのか?''
砲塔のない外見と後進操縦席から、「ソ連戦車を待ち伏せし、撃ったら逃げるための駆逐戦車」と説明されることがある。
開発時に''スウェーデン国内の防御戦において、戦闘陣地から射撃すること''が強く意識されていたのは事実である。ベルゲの構想にも、通常の外国戦車のように走行しながら攻撃を続けるのではなく、戦闘陣地から戦うことが前提として含まれていた。((Rickard「Historien bakom Strv 103 "S"」同ページ))
しかし、実際に配備されたStrv 103を「待ち伏せ専用車」と考えるのは適切ではない。
スウェーデン軍の戦車戦術では、たとえ攻撃中であっても一部の戦車が良好な射撃位置で停止して援護し、その間に別の車両が次の位置へ前進する戦闘方法が重視されていた。後の戦車小隊教範はStrv 103とCenturionで共通であり、両車種を根本的に異なる任務の車両として扱ってはいない。((Swedish Tank Archives「Was Not A Tank Destroyer」同ページ))
当時のスウェーデン軍は、数で優勢な敵機甲部隊との戦闘を想定していた。そのため、
- 敵より先に発見する
- 良好な射撃位置から停止して正確に撃つ
- 小さな被弾面積を利用する
- 火力を狭い地域へ集中する
- 一部が射撃している間に他の部隊が移動する
といった戦法を重視した。
Centurionも砲安定装置を備えていたが、当時の技術では走行中の遠距離射撃は停止射撃ほど高い命中率を得られない。このため「走行間射撃ができない」というStrv 103の欠点は、1950年代の開発時点では後世ほど重大とは判断されなかった。((Rickard 同ページ))
つまりStrv 103は戦略的には徹底した国土防衛用戦車だが、戦術的には攻撃・反撃にも用いられる。
「防御専用戦車」というより、''防御戦争を行うための攻撃用戦車''と考えた方が実態に近い。
---
#fold(英軍とスウェーデン軍、「誰が撃つ?」){{
''1973年BAOR試験で露呈した運用思想の違い''
1973年、英国ライン軍(BAOR)は10両のStrv 103Bを借り、Chieftain部隊との比較を含む演習を行った。
ここでStrv 103そのものの性能とは別に、英国軍とスウェーデン軍の''乗員の役割分担''の違いが表面化した。
スウェーデン側はStrv 103について、操縦手兼砲手または車長が目標を発見したなら、その者が可能な限り素早く交戦することを重視していた。
一方、当時の英国軍では、砲手が目標を発見しても車長の命令を待ち、車長が発見した場合も一度砲手へ目標を引き渡してから射撃するという、より明確な指揮手順を採っていた。((Swedish Tank Archives「The BAOR in 1973: how bad was it?」 https://tanks.mod16.org/2016/09/26/the-baor-in-1973-how-bad-was-it/ ))
スウェーデン側の観察では、車長から砲手への目標引き渡しだけでも平均約2秒を要し、位置確認でもたつけば10秒以上余計にかかる場合もあった。
射撃試験では、スウェーデン軍が目標出現から発砲まで17秒以内を基準としていたのに対し、英国乗員は最良18.5秒、最悪36秒、平均28秒だった。
一方、目標発見率そのものはスウェーデン基準74%に対し英国乗員平均72%で、大きな差はなかった。((Swedish Tank Archives「The BAOR in 1973」同ページ))
英軍は車長視点から砲手視点への伝言ゲームだったのに対し、スウェーデン軍では車長と砲手の早撃ちゲームになっていたわけである。
この結果は、車長にも完全な操縦・射撃装置を持たせたStrv 103の設計理由をよく表している。
もっとも、この報告は英国軍の戦術や練度をかなり厳しく批判したスウェーデン側観察員によるものである。英国側からは、短期間の訓練で急造された乗員編成を評価されたことなどへの反論もあるため、単純な英軍対スウェーデン軍の優劣として読むべき資料ではない。((Swedish Tank Archives「Report from British strv 103 trials at the BAOR, 1973」 https://tanks.mod16.org/2015/04/02/report-from-british-strv-103-trials-at-the-baor-1973/ ))
}}
---
''海外での比較試験''
Strv 103はノルウェー、英国、西ドイツ、米国などで比較試験を受けた。
1967年にノルウェーでLeopard 1と比較された際、ハッチを閉じた条件ではStrv 103の方が多くの目標を発見し、目標への射撃でも良好な結果を示した。一方、車長がハッチを開けて直接周囲を観測できる場合にはLeopard側が有利となった。((Föreningen 同ページ))
1975~76年の米軍試験では、M60A1 AOSなどと比較された。
様々な条件で500~2000mの目標に対して発射した約400発を平均すると、
- Strv 103B:命中率77%、平均射撃開始時間13.1秒
- M60A1 AOS:命中率72%、平均射撃開始時間12.7秒
という結果だった。なおM60A1は光学測距儀を使用していたのに対し、試験されたStrv 103には測距儀がなかった。((Swedish Tank Archives「Stridsvagn 103 trials in the US」同ページ))
また短停止状態から固定目標へ照準する試験では、Strv 103の方がM60A1 AOSより早く射撃できる条件も確認された。
したがって、少なくとも1960~70年代の技術水準では、「砲塔がないから通常戦車より射撃反応が著しく遅い」という単純な結果にはならなかった。
しかしその後、砲安定装置、安定化照準器、レーザー測距儀、射撃統制装置などが急速に進歩する。
通常の砲塔式戦車が移動しながら高い命中率で射撃できるようになると、「停止射撃を前提として砲塔を捨てる」というStrv 103の交換条件は次第に成立しなくなった。開発時の予測以上に、走行間射撃技術の進歩が速かったのである。((Rickard 同ページ))
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''独特な動力系''
Strv 103はディーゼルエンジンとガスタービンを併用する極めて珍しい動力構成を持つ。
これは単に新技術を盛り込むためではなく、極端に低い車体前部の限られたエンジンルーム容積で必要な出力を確保するために選ばれた。
ディーゼルとガスタービンは共通の動力系へ接続され、必要に応じて双方の出力を利用できた。((Föreningen 同ページ))
通常走行では燃費に優れるディーゼルを主体とし、大出力が必要な際にはガスタービンを加える構成である。
これはLeclercなどに見られる、ガスタービンをディーゼルエンジンの過給器として利用する方式とは異なり、Strv 103ではディーゼルとガスタービンの双方が推進用の原動機として働く。
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''「極端な傾斜装甲」のその後''
Strv 103の低い車体と大きく傾斜した正面装甲は、開発当時のAPDSなどに対して高い防御効果を狙ったものである。
また後には車体前方に格子状の追加防護を取り付ける構想も実用化され、この装備は長期間秘密にされた。((Rickard 同ページ))
しかし、後世に登場した長棒型APFSDSでは傾斜装甲に対する挙動が従来のAP/APDSとは異なり、Strv 103が傾斜によって得られる防御上の利益は相対的に小さくなっていった。
「APFSDSには傾斜装甲が無意味」というわけではないが、薄い装甲板を極端に寝かせることで大きな防御力を得るというStrv 103の方式が、1970~80年代以降も同じ効率を維持できたわけではない。
---
Strv 103はしばしば「珍兵器」として語られるが、その特異な姿は単独の奇抜な発想から生まれたものではない。
- 被弾しやすく重い砲塔をなくす
- 車体全体で砲を照準する
- すると操縦と粗照準が同じ操作になる
- なら操縦手と砲手を統合できる
- 車長にも同じ操作系を持たせれば目標引き渡し時間も省ける
- 砲が完全固定なら自動装填装置も単純化できる
というように、一つの設計判断から次の設計判断が連鎖した結果である。
そしてその前提には、数的劣勢を補うため、良好な射撃位置・初弾命中・局所的な火力集中・交互の射撃と移動を重視した当時のスウェーデン軍の戦術があった。
1950~60年代の技術水準とスウェーデン軍の運用思想を前提とすれば十分な合理性を持った設計であり、国外比較試験でも同世代の通常型戦車に対して一方的に劣るとは評価されなかった。
「砲塔のない戦車」というより、''砲塔をなくした結果、戦車の機構だけでなく乗員の仕事まで一から組み直した戦車''と言った方が、本車の性格をよく表しているだろう。
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**小ネタ [#V3-3_Tips]
・史実での装填速度は2.5秒だが、惑星内ではバランス調整の為4.0秒まで落とされている。
([[Strv 103 reloading rate incorrect - Already Reported & Resolved - War Thunder - Official Forum>https://forum.warthunder.com/index.php?/topic/561639-strv-103-reloading-rate-incorrect/&tab=comments#comment-9412582]])
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・不整地で照準すると車体が左右に揺れて延々と狙いが定まらない不具合?がある。(要検証)
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*外部リンク [#V4_Links]
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●[[WarThunder公式英語Wiki>https://wiki.warthunder.com/Strv_103-0]]
//↑対応する地上車両のURLを添付。公式英語Wikiトップ→ http://wiki.warthunder.com/
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●[[公式Devログ>https://warthunder.com/en/news/6505-development-strv-103-0-last-man-standing-en]]
//↑対応するDevログページのURLを添付。公式サイト検索用ページ→ http://warthunder.com/en/search/
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//●[[DMM公式紹介ページ>URL]]
//↑対応するDevログページのURLを添付。公式サイト検索用ページ→ http://warthunder.dmm.com/library/
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●[[インターネット百科事典ウィキペディア>URL]]
//↑対応するインターネット百科事典ウィキペディアのURLを添付。
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*コメント [#V5_Comments]
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