概要
DQ1とDQ3に登場する【洞窟】。
【ドムドーラ】の北の【岩山】にあり、二層構造の単純なダンジョンだが、【たいまつ】に頼るDQ1では苦戦する。
共通点として、クリアに必須ではないダンジョンであり、呪われたアイテムが手に入る。
前者の理由から忘れ去られることも多い。
FC版DQ1の【公式ガイドブック】における「謎の洞窟」という一文が、唯一の設定らしい設定である。
また、不気味なことに町の人々の台詞などにも一切言及が無いのも共通で、まさに「謎の洞窟」である。
お約束通りDQ2とキャラバンハートでは消滅している(省略されているのかもしれないが)。
DQ1
【ラダトーム】を出てそのまま海岸沿いに南へ行くと、岩山地帯の向こうにこの洞窟があるのが確認できるが、実際はその北の湖を回り込んでガライヤ半島経由で西の橋を渡ってから東に向かうという、かなり大回りをしないと行けない。
概要のとおり作中でこの洞窟に触れられることは無いため、地名表記機能の無いDQ1では「岩山の洞窟」という名称も雑誌や攻略本等でのみ使われている。
【ロトの洞窟】と違い、ここではモンスターが登場する。
シリーズ初の「モンスターが出現するダンジョン」は、ここか【沼地の洞窟】のどちらかになる。
【ラリホー】使いの【まどうし】をはじめ、呪文を使う敵には要注意。
ここでしか取れない【せんしのゆびわ】と【しのくびかざり】がある。どっちも意味なしアイテム……。
後者の宝箱は開けるたびに中味が変わり、高確率で約100~約130ゴールド(リメイクではたいまつ)、低確率でしのくびかざりになるという仕様。……なのだが、1200Gと高く売れる後者の方がアタリである。
こんな宝箱は、後にDQ9やモンスターズシリーズで「中味はランダムの宝箱」が実装されるまで類が無く、それらを含めてさえ中味や配置等の要素においてシリーズを通じて極めて特異な仕様と言える。
死の首飾りは一度得られれば二度と出現しないのだが、FC版では一旦洞窟から出て入り直せば宝箱は何度でも取れるので、100G以上を毎回取得できる。中盤のお金稼ぎにお世話になる洞窟。
【やくそう】も拾えるので、6つ集まるまで出入りするのも良い。FC版では薬草は高いので、補給場所に利用できる。
【たいまつ】の入った宝箱もあるので、いちいち町へ買いに戻らなくて済むのも助かる。
ただし、たいまつは地下2階の奥にあるうえ、地下1階からギラ使いが出るため、薬草を集めに何度も潜るにはある程度のレベルが必要になる。
とは言え、たいまつは安価なので、地下1階を往復できるレベルになれば、たいまつを買い溜めしてから来て薬草だけを集めても充分元手は取れる。
【ラリホー】を覚えたら【がいこつ】や【まどうし】ら地下2階のモンスターとも互して戦えるようになるので【リムルダール】に行く前に、ここで貯金しておくといい。そうすることで【はがねのつるぎ】が買いやすくなる。
更にその鋼鉄の剣を持ってここに来れば、だいぶ楽に戦えるようになる。数回の往復も余裕でできるようになるので【まほうのよろい】を買えるほどの貯金も可能。【くさりかたびら】から【てつのよろい】【はがねのよろい】をすっ飛ばし一挙に3ランクアップも充分狙える。
FC版は容量不足だったことで有名だが、クリアに潜る必要がない洞窟を作った【堀井雄二】はさすがである。
ちなみにDQの参考の1つとされるWizardryの初代作では、地下全10層のうち地下4階で早くも最下層に行くための重要アイテムが手に入り、全体の半分にも相当する地下5Fから地下9Fまでの5階分もの広大な階層のほぼ全域が、まったく立ち寄る必要のない、完全なオマケのダンジョンだった。そうしたものが影響していたのかもしれない。
徳間書店発行の【完全攻略本】では、コラム「ロト外伝」に「よくばると死の首飾り」なんて記事がある。
確かに、装備すれば呪いでマイナスである。
呪い装備という概念が認知されていなかった当時ならば確かに一種の警告の意味はある。
実際は、装備しなければいいし、死ななければどうということはない(死んでもMPは回復する)し、うっかり装備しても落ち着いてラダトームの町を思い出し、解呪をすれば問題ない。
この手のジャンルのゲームが広く知れ渡った現在からしてみれば、とても警告が説得力を持つとは思えない。時代を感じさせる。
なお、普段手に入る100Gの10倍以上の値段で売れるので、段違いにトク(一種の大当り)である。
但し、今までゴールドが出ていたのに突然「死の首飾り」などという物騒なアイテムが手に入ると、気味が悪くなるだろう。
フラグ管理されている都合上、本当の意味で欲張っても2つ目のこれは手に入らない。
細かいツッコミになるが同書では、上記の宝箱は「105ゴールド以上」と書かれているが、100~104Gの場合もあるので、100G以上が正解。因みに上記のコラムではちゃんと「100G以上」と書かれていた。
リメイク版
FC版から大幅に構造が変わっており、フロアも広くなっているため迷いやすい。
地下2階では【てつのたて】が手に入るので、【ガライの町】で買ってしまうとここで後悔することになる。
他にも、高額のゴールドが入っている宝箱もあるので、レベル上げも兼ねてこの洞窟に立ち寄る価値は十分にある。
アイテム入りの宝箱は5個あり、そのうちの1個はたいまつとしのくびかざりのどっちかが入っている。
しのくびかざりがほしいなら、持ち物をいっぱいにして宝箱を開け、中身が【たいまつ】だったらキャンセル…
…と繰り返せばいつかは手に入る。これは持ち物が一杯の場合、キャンセルするたびに中身の再抽選が行われるのを利用したテクニックである。
アイテム欄に空きがある状態で開けてしまい、中身がたいまつだった場合でも、この宝箱だけは外に出れば中身が復活するので、もう一度来ればしのくびかざりを取ることができる。
FC版では無かった扉も1ヶ所存在するが、まほうのかぎを手に入れてからわざわざ来ることは無いだろう。
しかも迂回すれば通る必要がない。うっかり鍵をムダ使いしないように。
なお戦士の指輪が入っている宝箱の周囲は豪華な装飾がなされており、いかにも重要なアイテムが入っているかのような演出になっている。
…FC版同様、指輪には何の効果も無いが。
小説版
生まれたばかりの【主人公】は、「ラダトーム近くの岩山にある小さな洞窟」で拾われたとされている。
原作ゲームにおける岩山の洞窟を意識した設定なのかどうかは不明。
小説版DQ3には名前を含めて登場せず。
ゲームブック(双葉社)
ちゃんと登場しており、戦士の指輪も入手できる。
ゲームブック(エニックス)
原作では存在感のきえさりそうな洞窟だが、同書ではせんしのゆびわが重要アイテム化したのでかならず訪れなければならない。
その戦士の指輪の入っている宝箱には番人の魔術師が居て、妖精の笛で眠らせなければ【イオナズン】で強制敗北させられてしまう。
DQ3
今作でも必須ではないダンジョンの一つ。
【アレフガルド】の地形がDQ1と異なり、ガライヤ半島を経由する必要は無く、ラダトームからそのまま徒歩で南へ進めばたどり着ける。
作中の台詞で触れられず【公式ガイドブック】等でも掲載範囲外のため、FC版当時は正式な洞窟名は不明だったが、おそらくDQ1を知っているプレイヤーは「岩山の洞窟」と勝手に呼んでいただろう。
内部はDQ1を踏襲しており、マップチップの色も同作を意識したものとなっているが、寸法がDQ1の倍になっている。
【じごくのきし】、【ホロゴースト】、【ガメゴンロード】、【おどるほうせき】といった【ネクロゴンドの洞窟】の強敵がそのまま出る。
軽い気持ちで突入すると全滅するので注意。むしろ新参の【ダースリカント】や【マドハンド】は弱いが、マドハンドに呼ばれた【だいまじん】は非常に強いので要注意。
入って真っ直ぐ東へ進んだ先の突き当りに貴重な【いのりのゆびわ】があるのでぜひ回収しておきたいところ。
地下2階では一品物の【じごくのよろい】が手に入るが、呪われているので使いどころが難しい。
他にも何故か【きえさりそう】が手に入るが、要らない。
この階には他には【ミミック】しかないため、あえてこちらに来る必要はないだろう。
DQ3は容量不足だったことで有名だが、こういうダンジョンを敢えて残す意味はどんなものがあったのだろうか…?
リメイク版
【フローミ】の呪文が登場し、正式に「いわやまのどうくつ」と表示されるようになった。
ミミックの代わりに33750Gと破格の額で売却できる【はかいのつるぎ】が追加されている。
金策用のアイテムとして非常に優秀なので地下2階もしっかり探索した方が良いだろう。
アレフガルドのダンジョンの中で唯一【おおごえ】が有効なので、いざという時に【宿屋】を呼ぶ事もできる。
なお内部構造はFC版DQ3と同じで、SFC版DQ1とは異なっている。
GBC版
入口から入って北に1歩進み、そこから壁にぶつかるまで東に進む。
その場所で【リレミト】を使うと、【ノアニール西の洞窟】の入り口にワープする。
ラスボスの【ゾーマ】を撃破した後にこれを行なうと、勇者たちのパーティーは、【上の世界】、そして、故郷の【アリアハン】に帰ることができる。
ゲームブック
訪れるかは任意。内部にはゾーマの城を探っていたが力尽きた戦士の屍があり、彼が手に入れたゾーマの城の地図を手に入れることができる。
ゾーマの城でガイアの盾・ガイアの鎧を手に入れるために必要。
ビルダーズ1
「岩山の洞窟」という名ではないが、終章で行けるようになる。
【ラダトーム避難所】を参照。