◆忍◆ ニンジャ名鑑#0329 【ザナドゥ】 ◆殺◆
駆け出しのグラフィティ・アーティストであり、ニンジャ。文明の坩堝を体験すべく、マナウスからネオサイタマにやってきた。食い扶持を得るため、己の類稀なる脚力を活かしてヒキャク・パルクール稼業を開始する。
登場エピソード
「これだ。これが俺の桃なんだ」
「クソみたいな中傷の落書きと……ごっちゃにされるワケにはいかねえ……」
人物
- マナウス・シティ出身のグラフィティ・アーティストにしてニンジャ。
- マナウスの荒廃した地上の都市で生まれ育ち、空中庭園から投げられた中身入りのエナジードリンク瓶が脳天に直撃して死にかけた瞬間にニンジャソウルが憑依。ニンジャの力に任せて上の世界に登った先でグラフィティ・アートに取り組む者達に出会い、やがて彼自身もグラフィティを志すようになった。
- 現在は文明の坩堝を体験すべくマナウスからネオサイタマに渡り、ヒキャク・パルクール稼業で生活費を稼ぎながらグラフィティを続けている。
- アーティスト仲間としてネオサイタマの女子高生コンビ、トイコとヨウナシがおり、幾度となく二人とつるんでいる。
- ニンジャとなって堕落していく者も多い中、ただ一度邂逅したモータルのタツジンの背中を追ってアートに真摯に向き合う好人物。一方で、心の奥底では自分のグラフィティに自信を持つことが出来ず、単なる落書きと己の作品が同一視されることを恐れるなど、繊細な性格の持ち主でもある。
- ニンジャスレイヤーとはアーティスト同士として通ずるものがあるらしく、ザナドゥ自身の奥ゆかしい人格もあって互いに好意的に接しており、ニンジャスレイヤーが珍しく「いいヤツだ」と称したほどである。
外見
- PVCテックウェアを着たアフリカンの男。
元ネタ・考察
- ザナドゥ(xanadu)はフビライ・ハーンによって創設されたモンゴル帝国の夏季首都「上都」の英語読み。転じて「桃源郷」「理想郷」の意となった。
ワザ・ジツ
- 監視ドローンをスリケンで速やかに破壊するワザマエを持つが、カラテを積極的に振るう場面は殆どない。
- 本人曰く、スリケン投擲の練習はしてきたが、木人を叩いたりする気にはあまりならないとのこと。
- 後述のジツも合わせて、彼が得たニンジャの力は専らグラフィティ・アートの分野に活かされている。
ゲン・ジツ
- 自分が刻んだ絵をホロ幻像として立ち上げるジツ。
- 後に「スレイト・オブ・ニンジャ」にて、ゲン・ジツであると明言された。
- このジツを用いることで、ザナドゥはキャンバスの領域を越え、空気に色と姿を描き出すことすら可能とする。
- 対人戦においてはスプレーを空中に噴射し、輝く霧を生じさせて目を眩ませるといった使い方を披露している。
- 彼が死にかけた瞬間に垣間見た夢には、輝く煙で龍や蝶を生み出し、敵陣のニンジャを恐慌に陥らせる光景が現れており、本来は敵を惑わすために用いられたジツであることが示唆されている。
ストーリー中での活躍
- いつものようにヒキャク・パルクール稼業をこなしながらグラフィティに勤しんでいたが、サペウチ・モリドーコム社の企業PR看板に落書きが行われたことがニュースで報じられたのを期に、ニンジャに追跡される、泊まっていたカンオケ・ホテルの部屋を荒らされるといった異常事態に見舞われる。
- 落書きのモチーフに使われた桃が自分のものと共通していることから、落書き事件の犯人が自分と誤認されているのではないかと推測し、かねてより自分のグラフィティを信じ切れていなかったことも相まって激しく動揺するも、マグナカルタに協力を仰ぐべく訪れた「内吐露」で成り行きからパフォーマンスを披露したことで立ち直り、自らの手で看板を塗り替えることによって騒動に決着を付けようとする。
- しかし、グラフィティに取りかかった所で彼のアートのセンスに目を付けていたアマルガムに拉致され、彼の独りよがりな妄執から腕を斬り落とされかける。だがそこにニンジャスレイヤーがエントリーしたことで命を拾い、自身のジツでアマルガムの撃破に貢献した。
- その後はニンジャスレイヤーの助力を受け、看板に込められた悪意を上塗りする会心の作品を完成させる。看板はその後すぐにリペイントされ、ザナドゥ自身が注目されることもなかったが、彼はグラフィティ・アーティストとしての矜持を取り戻したのであった。
- 「デストラクティヴ・コード」にて、本編にも登場。ニンジャスレイヤーがダークカラテエンパイアの代理戦士を倒すたびに出現する謎のアブストラクト・オリガミの噂を聞きつけ、アーティストとしての血が騒いだ彼はポンポン・ビルディング屋上に現れたそれのもとへ向かい、オリガミを自らのアートで彩っていたところでその場にいたニンジャスレイヤーと再会する。
- 彼が野次馬がオリガミをライトアップするために設置した照明を自ら壊しに来たことと、彼のアトモスフィアからオリガミがニンジャスレイヤーの生み出したものであることを悟り、無断でグラフィティを描いたことを詫びる。しかしニンジャスレイヤーは彼のアートを受け入れ、二人は改めて奥ゆかしい交流を持つこととなった。
- そのまま他のオリガミも彩ることをニンジャスレイヤーに提案し、了承した彼と共に現地へ向かうも、そのタイミングでブラックティアーズがサツガイ復活のための呪術を発動。それを感知したニンジャスレイヤーが現場へ急行したことで置き去りとなる。
- そのままニンジャスレイヤーを捨て置くことはせず、ブラックティアーズを倒した直後の彼の元へ現れ、傷ついた彼を助け起こす。直後、そこへシナリイが現れ、リアルニンジャの圧に気圧されて腰を抜かす羽目になった。
- 「アシッド・シグナル・トランザクション」では主要人物の一人として活躍する。アヴァリスが引き起こした異変によって混沌の緑に覆われるネオサイタマを前にして、その絶望的ながら圧倒的に美しい緑に気圧され、アートによる抵抗を試みるも力及ばず、出現したフェイスレス達に追い立てられる。
- 逃げ惑う中で負傷したヨウナシを発見し、彼女を救うべく医者を探して街を彷徨った末、アブストラクト・オリガミの周辺が混沌の緑を寄せ付けない安全地帯となっていることを知る。
- 情報収集を試みるも上手くいかず、更にはヨウナシの治療もその場では出来ないとあって、自ら彼女を病院へ運ぶことを決意。ゲン・ジツを使ってフェイスレスをいなしつつ移動する。しかし病院も異常に呑まれており、絶望しかかるも己を奮い立たせる中であるインスピレーションを得る。
- それこそが、彼方のアブストラクト・オリガミとその場に描いた自身のアートを結ぶ形で立体的な構図を作り、それによってオリガミの生み出す安全地帯を拡大するという離れ業であった。これによって病院スタッフを正気に戻してヨウナシを預け、自身は更にオリガミの力を広げるべく街中を駆け回る。
- しかし、これを自身の企みに対する脅威と見たセトによって、刺客ニンジャ達を差し向けられる。
- ゲン・ジツやヒキャクとして培った長距離走力と土地勘をもって対抗するも追い詰められ、窮地に陥ったところへ駆けつけたニンジャスレイヤーに再び救われることとなった。刺客達とのイクサに際してはゲン・ジツによる撹乱によってニンジャスレイヤーを支援した。
- その後、ニンジャスレイヤーに自身のしたことを説明し、ネオサイタマを救う希望を示す。図らずもそれは、自身が意図せずして生み出したオリガミが街に救いを齎したという、大きな衝撃をニンジャスレイヤーに与えることとなった。
- ネオサイタマ全土にオリガミの力を届けるべくカスミガセキ・ジグラットに狙いを定め、ニンジャスレイヤーと共に動くも、そこへセトによって操られたサツバツナイトが襲来。セトはサツバツナイトを通して執拗にザナドゥを狙うも、次の狩りの開始までの時間をニンジャスレイヤーが守り切ったことで難を逃れた。
- 「テンペスト・オブ・メイヘム」時点ではニンジャスレイヤーが新たなアブストラクト・オリガミを作り出す時を待って身を潜め、ニンジャスレイヤーがメイヘムを倒してそれを成し遂げたのを見計らってジグラットへ駆けつけようとする。
- しかしニンジャスレイヤーにハラキリ儀式を遂げさせ、もってダークカラテエンパイアを滅さんとするシナリイが妨害に入る。彼の作り出す不可思議な靄に阻まれるも、事態を察知したフィルギアが乱入し、シナリイを引き受けた事でジグラットのアブストラクト・オリガミに辿り着く。
- キンカク・テンプルの光の下、ゲン・ジツの力を最大解放し、大作「ジグラット富士」を生み出してネオサイタマを覆う邪悪な緑とせめぎ合う。しかしこの時にはシナリイだけでなくセトにも最重点抹殺対象として完全にマークされており、追加で送り込まれたセトの尖兵達による熾烈な総攻撃に晒される。
- ゲン・ジツによる撹乱戦術で必死の抵抗をするも多勢に無勢、ついにはナイチンゲールのクナイ攻撃で重傷を負い、トレメンダスに頭を掴まれて絶体絶命の危機に陥る。しかし、そこへナンシー・リンによって一瞬セトの支配を脱したサツバツナイトが、瞬間的な状況判断で解呪の機会を捨ててツヨイ・スリケンを投げ放ち、トレメンダスを討ち取った事で九死に一生を得た。
- とはいえ受けた傷は深く、ニンジャスレイヤーに助けられてジグラット内に残されていたテンプルに逃れて寝ブッダ像の肩に安置されたものの、それ以上の行動は不可能となった。
- その後はサツバツナイトによって病院まで運ばれ、集中治療室に入っており、セイケン・ツキの影響も受けなかった。
- 「ビースト・オブ・マッポーカリプス」にて、集中治療室から病室に移されたザナドゥはトイコとヨウナシと再会し、ニュースを見てマルノウチで発生している異変を知る。
- マルノウチ・スゴイタカイビルに新たなアブストラクト・オリガミが生まれたことを察知すると、ザナドゥは病み上がりの体を押して病室から飛び出してしまう。
- 何とかマルノウチ・スゴイタカイビル前まで辿り着いたザナドゥは、ビルを貫く赤黒い結晶がアブストラクト・オリガミであると確信。ソルエクリプスから救ってくれたシャドウウィーヴにビルまで連れて行ってもらう。そして、ジツを最大限に解放してビルに色彩を迸らせる。
- やがてスプレー缶は底を尽きたものの、アートを通じてザナドゥと共振したオリガミが応え、新たな力が湧いてきたザナドゥはそのまま掌から色彩を放出し屋上へと上昇していった。
- 屋上の床に七つの決闘の象徴図を描き、屋上の四隅にネオンカラーのシャチホコ・ガーゴイルを描いて作品は完成する。するとセイケン・ツキをしていた者も正気に戻り、ソルエクリプスも消滅し、黄金立方体は消え去った。
- やがてマスラダが地上に現れると、ザナドゥは彼とフィスト・バンプを行い、二人で合作したビルのアートを讃えた。そしてマスラダにオリガミを続けるように勧め、その場を去った。
一言コメント
- 今後の変遷が楽しみなニンジャですね。 -- 2020-12-17 (木) 10:50:53
- あー、「桃源郷(xanadu)」だから桃がモチーフだったのか…… -- 2020-12-17 (木) 14:19:11
- マスラダと出会ったらアーティストの若者同士としてお互い熱い想いがこみ上げてくるのかな? -- 2020-12-18 (金) 07:07:49
- ↑実際、会って、一目ぼれしたマスラダが、ザナドゥ=サンのアートを手伝ってた。 -- 2020-12-19 (土) 14:38:02
- 控えめとはいえないかもしれんが、全く邪悪ではない好青年ニンジャな。ジツ特化好青年ニンジャというとカタオキを思い出すな。 -- 2020-12-19 (土) 16:36:06
- ソウルはやはりダマシ・ニンジャクランなんだろうか?味方サイドのゲン・ジツ使いは初だし今後の活躍が楽しみ。 -- 2020-12-19 (土) 21:53:54
- グラフィティアートといっても結局は私物や公共物にへの毀損行為だよねって思う。殺されるほどの悪行ではないだろうが良い事では全くない気が。芸術を表現するなら人に迷惑かけない方法でしてほしいな。ジツの力で一定時間したら消えるとかならまだマシなのだが。この辺の倫理観が日本と欧米では違うんだろうか? -- 2020-12-28 (月) 13:46:07
- ↑ 忘れがちだが忍殺世界は荒んだマッポー世界で、モラルや倫理観は荒廃してるんだ。主人公達ですら色々悪いことはしてる。ほとんどのニンジャはいうまでもなく、一般モータルですら生涯悪事に全く手を染めず生きられる者は少ないだろう。 -- 2020-12-28 (月) 17:35:33
- ↑2 今の部はマッポーカリプスドスエ。規律が欲しいならアマクダリって組織があるので、3部がお勧めですよ。 -- 2020-12-29 (火) 11:10:42
- ↑欺瞞!とはいえ、グラフィティアート文化自体がアンタイセイ精神を少なからず出発点にしていることを考えると3部エピソードでも違和感ない気はしますねー -- 2020-12-31 (木) 10:44:06
- 新しいサイドキックな -- 2021-01-03 (日) 17:11:43
- マスラダにとってのカタオキポジションになるのだろうか。パルクールやってるしあっちよりはカラテできる…よね? -- 2021-01-04 (月) 14:06:49
- ここまでミュージカル「ザナドゥ」へのコメントなし いいのに。 -- 2021-02-14 (日) 23:14:21
- カラテ相当弱いな。どう見ても三下のネオンゴブリン=サンから逃げるのが精一杯あたり殴り合いはキツそうだ。 -- 2021-05-15 (土) 09:59:15
- 名鑑にも類稀な脚力が重点されている…つまりは常人の三倍程度の脚力を有しているのでは? -- 2021-05-15 (土) 11:17:56
- なんかアヴァリスさんに狙われそうで不安。ジツも相当珍しいし…… -- 2021-05-15 (土) 12:16:32
- 実際珍しいニンジャアーティストな -- 2021-05-18 (火) 18:24:46
- ドリンク瓶とかから、元ネタは『ミラクル・ワールド ブッシュマン(コイサンマン)』だろうか -- 2021-06-16 (水) 15:03:07
- ↑x6 日本ファルコムの傑作も忘れてはいけない。ファザナドゥ?知らない子ですね。 -- 2022-02-20 (日) 10:40:22
- サイドキックポジションな雰囲気なので今後の活躍がたのしみ -- 2022-02-21 (月) 00:58:25
- マスラダに「いいヤツ」と言われるレベル、つまりほとんどブッダ。 -- 2022-06-20 (月) 18:23:10
- 実際、現段階で最もマスラダと意気投合しているといっても過言ではないなぁ……まぁそれが彼にとってのデスノボリでもある訳だけど…… -- 2022-07-21 (木) 09:37:35
- カラテはないんだけどカラテしてていい… -- 2022-07-23 (土) 21:29:30
- 年齢描写はまだないけど女子高生達をガキ扱いしてるしそんな特別若いわけではないか 30歳くらいですかネー -- 2022-08-18 (木) 23:27:21
- ↑x6 ゲンソーキョのサイバンチョもだ! -- 2022-08-19 (金) 21:55:22
- ↑周りと比べて、比較的善良という共通点があることですね。 -- 2022-09-23 (金) 14:20:08
- 神話級リアルニンジャをして計画外、想定外たらしめる活躍!なんたるグラフィティ・アートのワザマエと決断的なニンジャ行動力か! -- 2022-10-17 (月) 11:54:54
- ニンジャとなったらその暴力性に支配されて創造力は無くなるというトリロジーでの話を真っ向から否定するニンジャ。ボンモーの考え方も常に変化してるんだなぁ -- 2022-10-18 (火) 13:24:31
- ↑あるいはニンジャのあり方自体もまた変わっていく、と言う事なのかも。不老不死の存在が故に変化のスパンがものすごく長いと言うだけで -- 2023-06-23 (金) 22:11:10
- ↑2ザナドゥ=サンはニンジャ暴力性を上回るほどの芸術への熱意を持っていたのでしょう。それはいかなる邪悪存在にも塗りつぶせるものではないのです -- 2023-07-16 (日) 00:16:50
- 名前はザナドゥなのにやってることはジェットセットラジオじみている。 -- 2024-02-10 (土) 21:51:06
- 自分をどう定義するか、ってのはサイバーパンクにおける重要なテーマ。エゴをカラテ=暴力によって定義するニンジャは暴力によって創造力を枯らすが、芸術によって定義するニンジャは創造力によって立つ存在になると言う事かもね。 -- 2024-08-31 (土) 20:01:55