アメリカ RankIV 重戦車 Heavy Tank M6A2E1
車体の割に巨大な砲塔が目を引く
概要
バトルパスサードシーズン「ストレングス・アスレチックス」のレベル75報酬として実装された試作重戦車。
車両情報(v2.*)
必要経費
乗員訓練費(SL) | *** |
---|---|
エキスパート化(SL) | *** |
エース化(GE) | *** |
エース化無料(RP) | *** |
バックアップ(GE) | *** |
デカール枠解放(RP) | *** |
BR・報酬・修理
項目 | 【AB/RB/SB】 (初期⇒全改修完了後) |
---|---|
バトルレーティング | 6.7 / 6.7 / 6.7 |
RP倍率 | 1.96(+100%) |
SL倍率 | 1.0 / 1.5 / 1.65 |
最大修理費(SL) | ***⇒*** / ***⇒*** / ***⇒*** |
車両性能
項目 | 数値 |
---|---|
【AB/RB&SB】(初期⇒全改修完了後) | |
砲塔旋回速度(°/s) | 14.6⇒**.* / 10.7⇒**.* |
俯角/仰角(°) | -10/15 |
リロード速度(秒) (初期⇒スキルMAX+エース化) | 20.0⇒**.* |
スタビライザー/維持速度(km/h) | 無し/ - |
車体装甲厚 (前/側/後)(mm) | 140 / 60 / 41 |
砲塔装甲厚 (前/側/後)(mm) | 229 / 89 / 208 |
船体崩壊 | 無 |
重量(t) | 69.8 |
エンジン出力(hp) | 1033⇒*** / 708⇒*** |
2,300rpm | |
最高速度(km/h) | 31 / 29 |
実測前進~後退速度(km/h) | *** ~ -*** / *** ~ -*** |
視界(%) | 214 |
乗員数(人) | 5 |
レーダー
なし
暗視装置
なし
武装
名称 | 搭載数 | 弾薬数 | 弾薬費 (SL) | |
---|---|---|---|---|
主砲 | 105mm T5E1 cannon | 1 | 60 | ** |
機銃 | 12.7mm M2HB machie gun | 1 | 600 | - |
機銃 | 7.62mm M1919A4 machie gun | 1 | 4000 | - |
弾薬*1
名称 | 弾種 | 弾頭重量 (kg) | 爆薬量 (g) | 初速 (m/s) | 貫徹力(mm) | 購入費用 (SL) | |||||
10m | 100m | 500m | 1000m | 1500m | 2000m | ||||||
T32 | APCBC | 18 | - | 914 | 256 | 253 | 238 | 221 | 205 | 190 | - |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
T13 | APCBC | 19 | 177.38 | 899 | 253 | 250 | 236 | 219 | 204 | 190 | 100 |
T29E3 | APCR | 11 | - | 1128 | 292 | 287 | 266 | 242 | 220 | 200 | 140 |
T30E1 | HE | 15 | 1550 | 945 | 20 | - |
車両改良
Tier | 名称 | 必要量(RP) | 購入費(SL) | 購入費(GE) |
---|---|---|---|---|
I | 履帯 | *** | *** | *** |
修理キット | ||||
砲塔駆動機構 | ||||
弾薬開発1 | ||||
II | サスペンション | *** | *** | *** |
ブレーキシステム | ||||
手動消火器 | ||||
砲火調整 | ||||
弾薬開発2 | ||||
III | フィルター | *** | *** | *** |
救急セット | ||||
昇降機構 | ||||
弾薬開発3 | ||||
IV | 変速機 | *** | *** | *** |
エンジン | ||||
追加装甲 | ||||
砲撃支援 |
カモフラージュ
研究ツリー
解説
特徴
【火力】
T28やT95が搭載している105mmT5E1砲を搭載していて、炸薬入りAPCBCの最大貫徹力は253mmとなっている。105mm砲ということで装填速度はやや長めではあるが、加害力は凄まじく貫徹すればほぼほぼワンパンで倒せる。アメリカ陸軍戦車の例に漏れず俯角は-10°でスコープ倍率も癖はなく総じて扱いやすい。
【防御】
砲塔はかなり硬く、普通のAPCBC等にはほぼ抜かれないと思ってよいだろう。ただHEATFSやAPDSには普通に抜かれるので注意。車体はこのBRでは頼れるほど硬くはない。特に車体上部は宿敵ティーガー2の徹甲弾には簡単に抜かれてしまう。また、車体の左右にはみんな大好き「切り欠き」があり、装甲圧は100mmを下回るため格下にも容易に抜かれる分かりやすい弱点となっている。更には切り欠きの裏側には弾薬庫がある。
ちなみに車重を減らすため側面装甲はかなり薄くなっていて、50mm程度しかない。車体を傾けて昼飯でもしようものなら側面を貫徹されることもある。なるべく車体は傾けないようにしよう。
【機動性】
車重は約70トンと第3世代MBTよりも重いため機動力は期待できるものではない。ただ前進・後退同じ速度が出せるため陣地転換はしやすいだろう。
史実
▲1945年6月7日、アバディーン試験場でのM6A2E1-1
M6A2E1はティーガーIIに対抗してアメリカ軍が開発した重戦車。M6A2をベースに新型砲塔を搭載し、それ以外にも大幅な改造を行った。
1944年7月18日、イギリス軍はフランスのカニーというところの付近で第503重戦車大隊のティーガーIIに遭遇した。ここでの戦いでは結果的に15両の戦車が炎上し、45両の戦車が撃破された。この新型戦車ティーガーIIの情報はすぐさま連合軍上層部に行き渡った。ここで困ったのがアメリカ軍。当時アメリカ軍はイギリス軍の17ポンド砲のような優秀な対戦車火器を装備しておらず、ティーガーIやパンターにも苦戦している状況だった。そんな中で新型戦車ティーガーIIが登場したとなればアメリカ陸軍にとっては一難去ってないのにまた一難というような感じで、アメリカ陸軍もティーガーIIに対抗できる新型戦車の用意を急がなくてはならなかった。
幸い、ティーガーIIに対抗できそうな戦車砲はすぐに見つかった。これはT28駆逐戦車用に開発されていた105mm T5E1戦車砲で、T32砲弾を使用して917mの距離から30°の角度のついた135mmの装甲板を貫通することが可能だった。この砲であれば、数百メートルの距離からティーガーIIの正面装甲を貫通することが可能だと考えられた。問題は、この砲を搭載する車体だった。元々搭載予定のT28はまだまだ完成に時間がかかりそうであったため、当時アメリカ国内にある程度数が残っていたM6重戦車を使用することが考えられた。
▲105mm T5E1戦車砲
1944年7月28日、カニーでの戦闘から1週間余りあと、ゼネラル・エレクトリック社はM6重戦車に105mm T5E1戦車砲を搭載できるよう改造する計画を提案した。105mm砲を搭載するためには、幅2032mmの砲塔リングが必要とされた。当初のコンセプトでは、T25のものを発展させた砲塔を使用、砲塔後部にカウンターウェイトとして大きな張り出しが装備された。
▲1944年7月下旬、M6A2E1の当初のコンセプト図
改造は、砲塔を近代化し主砲を設置するだけでは不十分だった。陸軍兵站局はM6は巨大で戦場ではいい的になる上に、装甲も不十分だと考えた。そのため、まず装甲を強化するために車体正面の機関銃と操縦手のバイザーを撤去し、増加装甲を設けることが計画された。これによって車体正面の装甲は182mmに達する予定だった。操縦手の視界はべらぼうに悪くなるが、装甲強化には仕方のないことだった。
1944年7月31日、アメリカ陸軍兵站局の技術部門の責任者であるグラデオン・M・バーンズ少将は、M6重戦車の近代化に関する全ての作業をゼネラル・エレクトリック社に移管することを決定した。プロジェクトの期日は「できるだけ早く」であった。翌8月1日、この計画に「M6A2E1」という名称が付された。T1E1としても知られるM6A2重戦車はM6シリーズの中で最も多い20両が生産された戦車で、このうち15両をM6A2E1に改造することが計画され、残った5両はスペアとして使用された。砲塔の製作はウェルマン・エンジニアリング社が行うことになった。砲塔も合計15基が制作される予定であった。
▲車体が使用されたM6A2(T1E1)重戦車で、電気制御変速機を備えている
期日は「できるだけ早く」であったが、一応60日が割り当てられていた。しかし、改造予定のM6A2の10両分の簡単な検査でさえ、90日を要した。また、将軍のルシアス・クレイはM6の改造に反対した。クレイはアイゼンハワーに近しい存在であったために、アイゼンハワーもクレイの話を聞いた可能性が高かった。これらは間違いなく状況のさらなる発展に悪影響を及ぼした。
M6A2E1の作業は継続された。8月5日、ゼネラル・エレクトリック社は僅かに変更した設計案を提出した。計算によれば、拡張、拡大された砲塔、105mm砲、増加装甲により、重量がM6A2の57tから77tに増加することが予想された。
陸軍兵站局はM6A2E1の作業を加速させることに熱心であったが、バーンズ少将は当時並行して開発されていたT29とT30のプロジェクトに可能性があるのではと考え始めていた。バーンズ少将は戦車設計にある程度の知識があり、20tの重量増加が戦車の機動性に与える影響がどれだけ大きいかを把握していた。しかし、それにもかかわらずM6A2E1の開発は継続された。
▲M6A2E1を正面から見た写真、機関銃架は取り外されたが、増加装甲が装備されることはなかった。
1944年8月18日、突然ロンドンからアイゼンハワーの署名付きの手紙が送られてきた。その手紙の内容は、15両のM6A2E1の注文をキャンセルするものだった。これがクレイの行ったことであるのは確かであったが、間違っているとは言えなかった。アバディーン試験場で、M6A2E1の機動性を調べるためにM6A2に20tの錘を搭載して試験を行った際、M6A2は40%の勾配(約22°)を登ることすらできなかった。ノルマンディーは比較的平坦であるが、アルデンヌやそれ以上に厳しい地形が後に続くため、クレイの考えは理解できた。
これにより、M6A2E1の計画は終了したかに思われたが、バーンズ少将はM6A2E1を新生のT29とT30の砲塔のテストベッドとして使用することを考えた。8月22日にM6A2E1の計画の継続が決定されたが、予定では15両であった試作車も2両に減らされた。12月16日、コンチネンタル・ファウンドリー&マシン社は2基の砲塔をM6A2に搭載し、1基の砲塔で地上試験を行うよう命令された。
それまでにM6A2E1の砲塔設計を反映したT29の制作作業が開始された(最終的にはM6A2E1の砲塔設計はなんら反映されず、T29には全く新しい砲塔が装備された)。前述のようにM6A2E1の砲塔はT25の発展型であったが1944年の秋に大幅な改設計が加えられた。まず、質量が大きすぎるため、側面装甲を100mmにまで減じた。その後、全体のデザインが変更され砲塔が溶接された。しかしこの設計案は1945年2月に廃棄され、105mm T5E1砲の砲弾は弾薬が2つに分離しているため、装填手を2人として、合計で砲塔内乗員を4人とした設計案が提出された。これにより砲塔内レイアウトが改められて、またそれに伴い砲塔も大きくなった。1945年5月、コンチネンタル・ファウンドリー&マシン社によって砲塔は製造された。この砲塔は最初の設計案と一個の共通点すらなかった。
▲走行試験中のM6A2E1-1
M6A2E1は1945年5月に最初の試験を行った。M6A2E1がもはや戦場に行くことはなかったので、当初の機関銃架と操縦手用バイザーを取り外し増加装甲を設けるという計画は実行されず、機関銃架が取り外されてその穴を塞ぐ板だけが装備される形になった。しかし、これでもM6A2E1の重量は70tに達していた。また、当初105mm T5E1砲にマズルブレーキは装備されていなかったが、M6A2E1-2を使用した射撃試験によりマズルブレーキの必要性が示唆された。試験は6月にも続けて行われた。
▲M6A2E1の2番目のプロトタイプであるM6A2E1-2、マズルブレーキが装備されていないのがわかる
6月7日、最初の試作車M6A2E1-1が走行試験のためにアバディーン試験場に到着した。2番目の試作車であるM6A2E1-2は主砲と弾薬をテストするために使用された。砲塔のテストも1945年5月に開始された。この試験では興味深いことがわかった。砲塔の耐弾性テストで防盾を撃った際、砲弾が跳ね返って車体の天板を貫くショットトラップがおこる可能性があった。そのため防盾の再設計が検討されたが、これはT29に実装された。
砲塔の側面を90mm M3砲で射撃するテストでは、非貫通ヒットの近くで亀裂が発見されたほか、一回の貫通が記録された。防盾への発砲でも亀裂が確認されたが、貫通は確認されなかった。また防盾には105mm T8対戦車砲も発砲したが、貫通は確認されなかった。耐弾試験の最終段階はM112徹甲弾を装填した155mm M1ロングトム榴弾砲からの射撃だった(残念ながら結果不明)。
▲M6A2E1-2でテストされたT29E3硬芯徹甲弾
1945年8月、T30重戦車に搭載予定の155mm砲をM6A2E1に搭載するという案が出されたが、実行には至らなかった。
▲M6A2E1-1が撮影された最後の写真、数年後M6A2E1の試作車2両は廃棄された
M6A2E1は-1、-2ともに1946年まで様々な試験に参加した。試験が終了した後、M6A2E1はアバディーン戦車博物館に送られ、そこで余生を過ごすかと思いきや、50年代のはじめに多くの戦車や駆逐戦車とともに破棄されてしまった。設計途中からダメそうな雰囲気が漂い始め、T29やT30の設計にも大きい影響を残すことはできず、最終的にいらない子扱いされ廃棄処分されてしまったM6A2E1、彼の人生を涙なしに語ることはできない...。
小ネタ
War Thunderに実装されたM6A2E1は車体前面の形状が史実のM6A2E1と違っている。これはM6A2E1の当初のコンセプトをGaijinが再現したからである。
▲M6A2E1の当初のコンセプト図、War Thunderのように車体正面が傾斜しているのがわかる
▲史実のM6A2E1とWar ThunderのM6A2E1の比較画像、アングルに多少の違いはあれど、違いが見て取れると思う
外部リンク
コメント
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