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Last-modified: 2023-12-29 (金) 16:06:10

崩壊世界の構造

※注:この項目は多分に独自解釈が含まれます

量子の海、虚数の樹

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崩壊シリーズの宇宙は実数空間とそれを内包する虚数空間からなり、虚数空間はその構造から樹に例えられ『虚数の樹』とも呼ばれています
虚数の樹という1本の大樹になる1枚の葉を『世界』とすると、崩壊は弱い葉を大樹から切り落とす『剪定』ということになります

「ちょっと待て、崩壊世界は既に前文明が滅びてるだろ、話が違うじゃねえか」
はい、いい質問ですね
私たち現実の地球人類が『世界』という言葉を考えると、この地球の存在する宇宙が生まれてから終わるまでの全てを内包した概念だと考えてしまいがちですよね
しかし、そうではありません

miHoYoワールドにおける『世界』はもっと小さく、ある星系に芽吹いた文明の興亡1クール、それが『世界』です
ですから崩壊3rdの姫子ちゃんが2005年に宇宙を見上げた時、その星空の中のどこかには『崩壊学園の新生編の世界』があり、『原神のテイワット』があり、『カレンが生き残った世界』があり、『シンが死ななかった世界』があり、他に無数のパラレルワールドがあります
ただ、実数空間の存在である人類には認識出来ないだけです

miHoYoワールドにおいて、人類が認識する宇宙というものは虚数の樹という時間的、空間的、可能性事象的に無限の広がりを持った超越的な存在の空間的な側面だけを見ているに過ぎません
星系と星系の間は虚数によって断絶されており、光すらもこの断絶を超えることは難しく、崩壊世界の人々が他の星系を目指すためには虚数の樹の枝を移動する技術が必要になります
ちなみに星系は恒星単位です
星系間には膨大な虚数エネルギーが渦巻いており、太陽風がその侵入を妨げていますが、潮間帯には虚数エネルギーの満ち引きによって生まれた崩壊獣の住む星なども存在します
また、さらに遠い枝には可能性によって分岐した平行世界が存在しますが、こちらに移動するためにはさらに高度な虚数の技術が必要になります
妹においてスターレイルは星神アキヴィリの遺した星間航路を使って近い虚数の樹の枝に移動することは出来ますが、可能性事象を超え遠い虚数の樹の枝に辿り着くことは出来ません
天上の人は近い虚数の樹の枝へ移動する星門という技術を持っており、さらに遠い虚数の樹の枝への移動は未だ不可能なものの観測には成功しています

逆に『前文明の世界』や『崩壊学園の追想編の世界』は崩壊によって滅びてしまいました
我々は崩壊3rdのキアナちゃん達の世界を火を追う蛾の世界から歴史的に地続きだからと同じ1つの世界の過去と未来であるように認識してしまいがちですが、虚数の樹としてはこれは全くの別の2つの世界ということになります

虚数の樹と反発する概念として量子の海という存在があります
エーテルによって構成されている量子の海には常に実数空間の情報が投影されており、投影された情報はエーテルの揺らぎとして存在しています
このエーテルの揺らぎは稀に量子の海の中に世界の泡という膜に包まれた小さな世界を作ることがあります
湖面に投げ入れられた石が波を起こし泡が立つのを想像するとわかりやすいでしょう
ブローニャが本編第11章で体験したあり得たかもしれない世界や、ゼーレが本編第12章で体験した前文明の第十二律者の顛末も、こうして生まれた世界の泡を読み込んだものです
これら世界の泡を構成する情報の元となった実数空間のことを『固有世界』と呼びます
しかし過去の情報の断片の再現でしかない世界の泡は空間的にとても狭く、そしてすぐに潰れて量子の海を構成するただのエーテルに戻ってしまいます
故に、世界の泡は本質的に虚数の樹の葉の影にすぎず、パラレルワールドではありません

ただし世界の泡の中には崩壊世界の物理法則に逆らい安定して存在しているものもあります
デュランダルが冒険した世界の泡やイベントで出てくる世界の泡がこれに当たります
これら安定した世界の泡は空間的に広く、短時間で潰れることもなく量子の海を漂っており、こういった広い世界の泡はある程度固有世界の歴史から逸脱した道を歩むことがあります
そして本来物理的にありえないこの現象を起こしている何らかの存在を必ず持ち、その泡だけで通用する特殊な法則が世界を支配しています
デュランダルの世界の泡でいえば前文明が作ったエーテルアンカー、伏龍の世界の泡でいえば遺跡のロボがこれに当たります
しかしこういった安定した世界の泡も永遠の存在ではなく、徐々に空間的に狭くなっていって最後にはやはり潰れて量子の海に還ります
これが量子の海の世界の泡ではなく虚数の樹の葉だけが唯一価値のある世界とされる理由です
一応何らかの手段によって世界の泡を虚数の樹の末梢に接続することさえ出来れば定められた滅びを免れさせることは出来ますが、その接続点(アンカーポイント)の選定には厳しい条件があり、ただ繋ぐだけだと世界の泡は投影元である固有世界に吸収されてしまい、結局滅びを早めることにしかなりません

虚数特異点

巨大な質量が重力特異点となり空間に無限に落ち込む穴(ブラックホール)を作るように、文明の作る巨大な負のエントロピーは虚数特異点となり実数空間に穴を開いて虚数空間と交わる
簡単に言えば、この虚数特異点が出来るせいで虚数空間から崩壊エネルギーが流れ込んで崩壊は発生する
律者コアなどはそれ自体が虚数特異点として機能して崩壊エネルギーを常に大量に引っ張ってこられるおかげで、律者は人知を超えた強大な力を使える

人類

崩壊世界の人々は現実の我々と同じように自己を実数空間にのみ存在するものだと考えている
しかし実際にはそうではない
実数空間に肉体が存在するのと同様に虚数空間には意識と呼ばれるものが存在し、むしろ主体は肉体ではなく意識の方にあり、実数空間における万物、崩壊や時間といった概念すらも全ては虚数空間の影にすぎない
故に崩壊世界において死とは意識の消散であり、それは必ずしも肉体的な滅びと同義ではない
たとえ肉体が滅びを迎えたとしても意識が保たれている限り人は生き続けることが出来る
聖痕とは肉体を失いながらも消散せず残る意識の実数空間における虚像である
とはいえ虚数空間の真理を知らぬ意識にとっては実数空間が世界の全てであり、本来自由であるはずの意識は実数空間における事象に縛られ自ら限界を定めてしまう
思考し、子孫を残し、肉体の滅びを死と錯覚し、時間は過去から未来へと流れる
しかしこれら全ては偽物の世界の偽りの真理であり、真の真理の虚像にすぎない
なお、これらの事柄は人類に限った話ではなく、全ての生物にも同様に当てはまる
人類はなんら特別な種族ではない

崩壊の意思

崩壊に意思は存在しない
崩壊はただ虚数空間の法則に従って起こり、その法則は前文明においても解明されていない
ただしこの法則を利用し捻じ曲げている存在はいる
繭と呼ばれるそれは律者を遣わせ人類の運命を弄んでいる
この繭のシステムは前文明においてある程度解明されており、初期には律者の数の予見が得られ、末期には律者の降臨を止めることは出来ずともある程度コントロールすることすら可能としていた
前文明最後の終焉の戦いの時、律者の繭との繋がりを利用してトロイの木馬として送り込まれたプロメテウス17号は繭のシステムに溶け込み、現文明における律者の出現様式を前文明を踏襲するように固定した
これは聖痕計画遂行のために不確定要素をなるべく減らす処置である
このような操作の結果生まれたのが現文明において崩壊の意志、あるいは神と呼ばれている存在だと思われる

エリシアによるとこの繭は文明を守り抱擁するために存在しているらしい
しかしその抱擁は人類には強すぎるんだとか
ここから導かれる繭の存在意義の推論はそのまま聖痕計画の目的に繋がる