洛星

Last-modified: 2024-05-06 (月) 22:49:05

地球語でいう火星
とはいっても現実の洛星は10億年前に、文明の痕跡すら残さない荒野と化している
ゲーム中で舞台となる洛星は、そんな遠い昔に存在した文明が遺した夢幻泡影
未だ世界の全貌すら掴めていないが世界の泡であることは確かであり、データの海という謎の領域に囲まれていることで量子の海の規則に逆らって滅びることなくその存在を保っている
聖痕計画の中で垣間見た崩壊獣の思考領域では、この洛星の現状を指して抱擁の停滞と表現されている

原神/スタレでおなじみのOWとなったことで、そこに暮らす多くの普通の人々についても描かれるようになった
このページはこれまでの勢力図くらいの内容にとどまらず、専用項目を作るまでもない人物や地名などについてもまとめるようにしていきたい
用語のコピペ用も兼ねて取りあえず名称や設定の記録や備忘録として適宜に書き加えていく
きっと1人じゃ手が回らないし把握しきれないから追記歓迎
記述が増えてきたのでざっくりした項目で分類していく



火星の未整理項目

[添付]

用語関連

  • 大崩壊
    100年前に洛星を滅ぼした(と人々が信じている)災害、甌夏はデータの海に包まれたことで奇跡的に滅亡を回避した
    世界が徐々にダークエネルギーに引き裂かれ抽象的な海に沈んで不可逆的な終末を迎える現象
    沈んだ部分は根源物質と乱れたデータになる
  • データの海
    量子の海の片隅にある特殊空間
    夢追い人の学生レベルの知識がどこまで正しいかはわからないが、彼女はデータの海を一般化したものを量子の海ととらえている
    これに浸食される現象を洛星では崩壊と呼んでいる
    データの海は量子の海のような生命を育む余地のない無秩序な空間ではなく、根源物質という資源が採取される他、原住民なども存在する
    あり方としては量子の海というよりもどちらかというと世界の泡に近い
  • 根源物質
    データの海から得られる万能素材
    プログラミングすることで人々が使える形に変換される
    車で3時間も行けば世界の端についてしまう(だいたい関東地方くらい?)甌夏市においてほとんど全ての資源は根源物質で賄われており、この採掘を担当するデータ研究所の発言権は非常に大きい
    採掘は技術的に難しくないようでデータの海の安定した空間に設置された抽出機から自動的にパイプラインで運ばれてくる他、許可があれば手掘りも可能
    反面、変換作業はまだまだ研究途上にあり、特に一度に大量に変換する技術は確立されていない
  • 未決の繭
    終焉の律者に接してきた存在が「「終焉の律者」に接するように」名乗った自称
    繭から生まれ「抱擁」を実現しているわけでもないが(地球の公転が)10億回する前に「終焉」に関わったことのある存在
    「アンカー」と「リング」の継承という自身の「転写」に異常が生じ、その際にヘリアとコラリーを巻き込んでしまう事象が発生したことを教えるため終焉の律者の夢に現れた
    第二部冒頭で夢追い人の夢に現れてダンスしたセナディアとおそらく同一人物で、その権能は世界の果てで唯一の光を見守ること
    夢追い人にアストラルリングを渡し「兵装」として契約し、星の彼方での再会を待っている
  • 終末のアンカー
    かつて空から降ってきた謎の造物
    各世界に1つ宙に浮いているようで、世界の泡の唯一の特異点として世界と世界を繋ぐ機能がある
    現在の甌夏市の技術においてアンカーに科学的な反応を起こさせるのは不可能なようだ

  • 人々の恐怖から発生する謎のエネルギー
    崩壊エネルギーの一種のようで、災害を起こすが資源として利用することも可能
  • 罹患の十相
    大崩壊の時代から人々を苦しめていた影の呪いの中でも特に強大なもの
    人々の恐怖を写し、怪物や疫病などの厄災として表れる
    恐怖は10種に類型化でき、それ故にこの影の表れ方も十相に分類できる
    分類と名付けは松雀の師匠によるもので、それ以前は影災(えいさい)と呼ばれていた
    怪物は最も対処しやすい一相である
    十相すべてに対応できるほどの実力がある人物は『術』と呼ばれた
    • 十刹影
      分類された恐怖10種の呼び名?取りあえずここに分類
      • 六塵の恐怖
        目にしたものへの恐れから始まり、その範囲が徐々に拡大していく
        最終的に自分自身も恐れるようになり自ら破滅へ向かい突き進む運命をたどる
        罹患した人間の眼前に隈取やロールシャッハ検査のような相でフラッシュバックする
        第1章でドニグルに接触した夢追い人が罹患する
      • 荒梁の夢
        デイリーのあれ
        突如怪物が現れる現象
        もっとも対処しやすいと言われていることからおそらく十相のうちの一相
        本編では松雀がわざと叫んで出現させた
      • 五光失色
        不治の疫病にかかる
        恐らく分類前は影病(えいびょう)と呼ばれていた

  • 本義としては罹患の十相に対抗する手段のこと
    当初は罹患の十相のうち最も対処しやすい一相二相だけに対応出来ることをもって術を僭称するものも出てきたが、そういう輩を排除するために白及が十相すべてに対応出来ることを術の条件と定めた
    この定義に当てはまる術を持つものは後述の7人しかいない
    転じて、罹患の十相全てに対応できる手段を持つ7人を象徴する肩書になった
    • 七術、御影七術
      上述の通り術=七術を指し、一の術から七の術まで順に
      『享楽』のセルマ、『殉死』のリトスト、『結合』のセラペウム、『破棄』の「アカリ」、『虚贋』の白及、『器具』のアジタ、『欺瞞』の松雀、の7人
      条件であるわけではないが、7人全員が自身の恐怖を屈服し影の力を使う異能に目覚めた
      • 3月30日に公式で紹介された七術アーカイブにて全員の数字と銘が正式に公開された
        第1章実装時点でも七術の技と名前の対照は琥珀街のトリッカーのデイリーで確認可能だった
      • 彼らの名前は甌夏市の通りの名前に用いられている
      • 「覚」は『器具』の人に作られた法器の名前だが「覚」自身の言によれば残された側の1/5には含まれる
      • 時折みられる人神という記述も、人の身の神と呼ばれた彼らのことを指している
  • 分野定影七星臬(ぶんやていえいしちせいげつ)
    臬とは的のこと、長いから基本的に七釘(ななくぎ)と呼ぶ
    大崩壊に抗うために七術(ななじゅつ)が影の力を込めて設置した世界をつなぎとめる釘
    琅丘に打ち込まれた七釘は影潭が氾濫しないように固定しており、そのエネルギーによって甌夏をデータの海の浸食から守っている
    七術は100年前にこの偉業を成し遂げたが、代償としてうち1人は死に4+4/5人は眠りに落ちた
    唯一起きたまま残された松雀(と「覚」)は稼働のために100年間釘に栄養()を注ぎ続けている
    釘が抜かれた場合にはその釘に対応した術が目覚め、全てが抜かれた場合には影潭が溢れてその膨大なエネルギーが琅丘を引き裂く
  • 影潭
    琅丘の底にある影の海
    分野定影七星臬によって溢れないように固定されている膨大なエネルギーの塊であり、この力によって甌夏と琅丘はデータの海の侵食(大崩壊)を退け存続している
    その源泉は当然ながら琅丘に住む人々の恐怖であり、中でも影潭の大部分を満たしているのは数ある恐怖の類型のうち最も強い「死への恐怖」である
    つまり影潭は琅丘人にとっての墓地とも言える
  • 分野定影七焔羽(ぶんやていえいしちえんばね)
    松雀が配って回った霊験あらたかな御札
    アカリの発明品だったようだが、今はただの花火として扱われている
    おそらくこの名称自体も松雀がその場で思いついた適当なもの
  • 琥珀街大恐慌
    ある時期、琥珀街で影による災害が頻発した
    これ自体は単なる偶然に過ぎない 
    しかし誰かが言い始めた「あの街は呪われている」という根拠のない噂は、人々の口から口に広がるうちに真実味を持ち始め、恐怖を集め、いつしか琥珀街を本当に呪われた街へと変貌させてしまう
    本来影は発生源となった人が恐怖するのを止める=死ねば終わるはずだが、この時の琥珀街では恐怖の主体すら曖昧になって街自体が生きているように蠢き、死体からすらも影が発生する状態に陥ってしまった
    これを琥珀街大恐慌と呼ぶ
    最終的にリトストが住人全員をドニグルに噛み殺させて回り、琥珀街へ向いた恐怖を自分に向けさせたことで終息した
  • 「灯」
    影の脅威に対抗する組織
    スカダーおじさんや「アカリ」が所属していた
  • 地芋
    影に覆われあらゆる花が咲く前に枯れるようになってしまった琅丘において、唯一農産物として育てられている作物
    それはこの作物の開花や実を結ぶ過程がなく、塊茎を埋めておけば収穫できるという特徴による
    端的に言おう、これは地球のジャガイモだ

地歴関係

火星の地形については『火星の歩き方』(臼井寛裕,野口里奈,庄司大悟,光文社,2021)や『Google Earthで行く火星旅行』(後藤和久,小松吾郎,岩波書店,2012)がわかりやすい。また読み物としては『火星の生命と大地46億年』(丸山茂徳,ビック・ベーカー,ジェームス・ドーム,講談社,2008)なども楽しめる。
惑星科学は日進月歩しておりmiHoYoが科学オタクであることも考慮すると、概して最新の知見に基づく出版年の新しい書物で学ぶのがよいだろう。

地形
セナディア(未決の繭)の話に出てくるオリンポス火山は現実の火星に存在する休火山
北のアルカディア、東のルナエ、南のフェニックス、西のエリシウムと四つの大陸が存在
クリュセ平原→かつては人々を魅了する入江だった
大渓谷ムリアス(※おそらくマリネリス峡谷の表記ゆれ):ヴァリス・マリネリス。火星および太陽系惑星最大の渓谷地帯
いずれも現実の火星に名前が同じ場所が存在するが繭によって文明があった頃と地形が大きく変わっている可能性があるのでメインが進んで詳細がわかるまでは話半分に捉えておくといい
フェニックス州
洛星における文明発祥の極めて重要な土地でこの星の文物の多くがこの地の文明を淵源としている
おそらくフェニックス大陸に存在
ルナエ
旧安禾のある大陸
旧安禾はさらに甌夏、琅丘、明海(めいかい)、白羽(びゃくう)の四つの街区に分けられたが、明海と白羽は大崩壊の際に廃墟と化している
固有世界の火星ではおそらくルナエ沼と呼ばれる地域に変わっている
火星の暦
遷都紀元の暦法では1年は18カ月あり日数でいうと668日669日
旧暦2185年に大崩壊が発生、その翌年に遷都紀元元年を迎える
作中における現在の年は遷都歴
ちなみに普通の洛星人の寿命は90歳くらい
うるう年
年の末尾の数字が1,4,6,8の年は平年で1月と18月のみ38日あり残り2月~17月は37日あって計668日
年の末尾の数字が2,3,5,7,9,0の年はうるう年で末尾の数字と同じ月に1日追加して計669日
(例:539年は1月9月18月が38日、612年は1月2月…ではなく1月12月18月が38日あるらしい。なんで?)
さらに10万年のスパンで精度を高めるため末尾が000年は平年とし、33333万と66667年と99999年を平年とするらしい銀河時間もびっくりの数字だな
これらは全て洛星の公転周期668.59897日に基づくもの
暦と四季の関係
18月~3月は冬、冬至は18月38日前後
4月~7月は春、春分の日は4月30日前後
8月~13月は夏、夏至は9月23日前後
14月~17月は秋、秋分の日は14月31日前後
黄道十二宮
基本的な考えは地球のそれを同じだが洛星の公転周期の関係で1つのサインに55日ないし56日とどまる
太陽が到達するとそれに対応した期間は「~宮」「~天」と呼ばれる
フェニックス州では十二宮と四つの大陸を対応させる方式が用いられており、以下はそれに倣ったもの
奎封(けいふう)
4月31日~6月11日/北大陸アルカディア
昴弋(ぼうよく)
6月12日~7月30日/東大陸ルナエ
甌夏市を含む安禾エリアがこの宮の代表的な場所
参衝(さんこう)
7月31日~9月12日/南大陸フェニックス州
フェニックス州には属さない中央火山「オリンポス」がこの宮の代表的な場所
井輿(せいよ)
9月13日~10月30日/西大陸エリシウム
星宮(せいきゅう)
10月31日~12月12日/北大陸アルカディア
翼觴(よくしょう)
12月13日~13月31日/東大陸ルナエ
ルナエとフェニックス州の境界にあるムリアス大渓谷がこの宮の代表的な場所
角淵(かくえん)
13月32日~15月12日/南大陸フェニックス
商宗(そうしゅう)
15月13日~16月31日/西大陸エリシウム
尾昊(びこう)
16月32日~18月13日/北大陸アルカディア
地理的に北極にあたるエリアがこの宮の代表的な場所
斗河(とか)
18月14日~1月29日/東大陸ルナエ
織子(しょくし)
1月30日~3月11日/南大陸フェニックス州
室営(しつえい)
3月12日~4月30日/西大陸エリシウム

甌夏(おうか)

夢追い人が暮らす世界の泡
平和で科学文明が発達している近未来的な街
街の空にはライトレールが走り、車が飛んでいる
車で3時間もかからないうちに世界の泡の辺縁に辿り着ける程度の広さしかなく、資源の入手はもっぱらデータ研究所のサルベージに頼っている
データの海から得られる根源物質はプログラミングによって任意の物理材料に固化されるが、パンやクッキーに直接大量変換することは出来ない
また、常識を持った人間が突然データの海から湧いてきて平然と暮らしてたりする謎の現象が珍しいけど驚きはしない程度に起きるらしく、夢追い人もそうして発生したうちの1人

甌夏市を含む安禾エリアは東の大陸ルナエに存在したらしい
また、ヘリアたちが固有世界の火星で降り立ったのはルナエ沼という地形

  • 顚木(てんぼく)由蘖(ゆうげつ)有るが(ごと)し。天其れ我が命を()新邑(しんゆう)に永うせんとす」
    おそらく多くの「」長が読めない漢字の連続で面食らっただろう、アンカーの展示プレートの説明文冒頭に掲げられている文章
    ただし意味は4行目に分かりやすく『枯れ木が春を迎えるように~チャンスが訪れるものだ。』と記されている通り
    この説明文によれば甌夏市は七術の犠牲やその精神をけして忘れたわけではないようだ
    • 元ネタ
      『書経(尚書)』盤庚上より
      原文は「若顛木之有由薛。天其永我命于茲新邑。紹復先王之大業。厎綏四方。」
      意訳すると「倒木から芽生える新芽のごとく、衰退した国でも力を尽くせば天はこの新しい都を永く続けさせてくれるでしょう。」
      すなわちそのまま(おそらく「水害(河川の氾濫)」によって)衰退した国の再興をまさにこれから行わんとする意を述べた一文で、この意味自体は上述したように4行目に書かれている

安禾(あんか)ビル

甌夏市の中心にある高層ビル
空中に浮かんでいた終末のアンカーを建物の中に取り込むように建てられたビルで、夢追い人の住む学生寮や商業施設があるスカイスクエアは地上100階にある
たぶん終末のアンカーがあるから安禾ビルなんだろう、ユーモアあるいい名前だね
ただ安禾自体は甌夏を含む地域の名前で100年以上前からそう呼ばれていた
地上に降りるためにはエレベーターで1分かかるが、その速度のせいで大抵の人が気分が悪くなるらしい

暮らす人々

  • 文瀾
    甌夏市第15代市長
  • 霜琳
    甌夏市第16代市長
    安禾ビルを作った人
  • 時露
    データの海の開発コンサル業を担う会社で働くサボりの達人の女性
    「データの海」のサルベージャーになるのが夢だったが、事務職に回されてしまい、日々膨大な「データ」の海を相手に格闘する日々を送りつつよくデータの海に密航して大怪我を負って救助されている
    仕事に対する姿勢の合うアハラムのことをアハラム姉さんと呼び慕っている
  • ハロルド
    定年退職した元初級サルベージャーの爺さん
    既にボケていて犬と人の区別すらつかない……フリをしているんだか本当にボケてるんだかどうにも曖昧
    サルベージャー時代の負傷が原因で両足が義足になっている
    • アンドルー4世
      ハロルドの犬
      茶色になったサンくん
  • アハラム
    [添付]
    データ監視室の管理人の色々と駄目な女性
    仕事に対する熱意は時露と同じくらい低く、よくサボってミステリーや冒険活劇を読んだり時露とコーヒーを飲んだりスイートテイストで呑んだくれたりしている
    いい年して未だに厨二病を患っている子供心を忘れておらず、夢追い人は彼女の本当なんだかどうだかよくわからない与太話の理解を半ば放棄している(主要キャラではコラリーだけ翻訳可能)
    与太話の一例として通常会話で伝説の探検家を名乗ってサインを押し付けてきたりするが、実のところこれはあながち嘘でもない
  • ルディ
    『白羽医療』の医者の男性
    腕はいいが患者を脅すところがある
  • ニガイ
    『祷味館』の店主を務める料理人
    娘のスイートからはひどく嫌われている
  • ダレン
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    『甌夏市素材市場』の管理人のツンデレイケオジ
    優秀なエンジニアだがぶっきらぼうな話し方で人と衝突しやすく、ひそかに遊雲教授をライバル視している
    現在は技術指導として家電修理の相談を請け負っている
    ルシアの父で千声の師匠(教官)
    娘のルシアを愛しているが思春期になってから距離を取られているのを気に病んでいる
  • ルシア
    『セレニー劇団』の舞台美術担当の女性
    道端で気に入った台本のセリフを真似しているが、耳が悪く音量調節が出来ていない
    ダレンの娘で千声の文通相手(相手が千声だとは知らない)
  • 千声
    夢追い人の隣に住む盲目の男性
    義眼の調子が悪いとものが見えなくなって普段の自信過剰気味な性格も落ち着く
    ルシアの文通相手でダレンの生徒
  • デモ
    『668百貨店』の店員の女性型ロボット
    デモはスカイスクエア店の固有個体ではなく、どこの668百貨店の店頭にもデモがいる
  • 池墨
    ブック猫カフェ『古墨』の店主の男性
    読むものを仮想空間に誘うデータ書籍が一般的となったこの時代に、紙の本を復活させることを夢見て古本屋を始めたが、経営難に陥って日々金策に走り回っている
    古墨には彼が選び抜いた世に伝えるべき良書が並べられていたが、ユリアに経営に介入されるようになってからは店の方向性が行方不明になっている
  • ユリア
    ブック猫カフェ『古墨』の共同経営者のポジティブな女性
    池墨が資金難に陥った時に全財産を投げうって店を救い、その後は大株主として店の経営を切り盛りしており、事業を拡大させ続けているが未だに赤字からは抜け出せていない
    アンジェからは全く信頼されていないようで、本棚に自分の書いた自己啓発本を並べようとして倉庫送りにされたり、コーヒーの出前すら任せられないと思われていたり、オーナーというにはその扱いはぞんざい
  • アンジェ
    ブック猫カフェ『古墨』の店員のゆるふわな女性
    プロのバリスタではないが、彼女の淹れるコーヒーは古墨の経営状況に貢献している
    異常猫愛者で顔に酷い猫の引っかき傷があるにもかかわらず本人は愛の証と嘯いている
  • ダンテス
    疲れたサラリーマン
    今日も『古墨』の飲むと24時間戦えるようになるというコーヒー「愛すべき今日にぜひ」(通称アイスキョーヒー)をキメて仕事に勤しんでいる
    安禾ビルのサラリーマンはみんなそんな感じらしい
  • 居簡
    家具屋『潮居』のセールスマンの男性
    笑顔が張り付いているが内心では仕事に嫌気がさしており、何も買ってくれない夢追い人に対しては露骨に態度が悪くなる
    それもそのはず、残り126年のローンを抱えて5時から22時まで薄給でこき使われていればこうもなろう
  • ヴィンセント
    ホテル『糸の夢』のマネージャーの男性
    紳士的で花言葉やら神話やらロマンティックな話題がするする出てくるいい声のイケメン
    しかも周りの人々をよく見ていて陰から皆が幸運をつかめるようそれとなく手を回したり出来る気遣いの達人
  • 葉荀
    花屋店主の男性
    花が好きすぎる変人で特に花の香には非常に詳しく、彼が作った特製の香水は非常に高値で取引されている
    そのせいで店が隣の綾は花を使った占いが出来ず、ウザがられている

  • 占い屋『占時』のバイトの女性
    めんどくさがり屋で占い師の仕事も小遣い稼ぎのためにやっているにすぎないが、占い自体はとてもよく当たる
    ツンデレなところがあるが根はいい子
  • ジュリア
    歴史学者の女性
    大崩壊で失われてしまったそれ以前の歴史について研究しており、非常に理知的
    作家としての一面もあり、若かりし頃のジュリアとアハラムの冒険をまとめた小説『探検家ホムの大冒険』は甌夏の子どもの8割以上はこの本を子守唄代わりに聞いていたと言われるほどの大ヒットをとげている
    本人はそういう若気の至りを恥じており、息子を厳しく締め付けようとしてなおさら反発を招いてしまい、母子関係はお世辞にも上手くいっているとは言い難い
  • ジュゼッペ
    ジュリアの息子の中二病不良少年
    自身を「翳りの王者、タカの威厳、オオカミの仁義、ヒョウの速さ、クマの力を持つこの街のボス」と称しているが、まあママと喧嘩してすねてるだけの子供に「鷹」ほどの威厳が宿るわけもない
  • モーリン
    夢追い人を夕方アニメのヒーローと見間違えるくらい幼い女児
    ジュゼッペの子分
  • 樺春
    バーチャルミュージシャンである『晩魚』のファン
    でもムーンシェルも好き
    プッチュ~
  • こんばんは、全ての魚に感謝
    夕方の水面に美しい歌を歌う人形と称される人気バーチャルミュージシャン
    ファンは彼女のことを『晩魚』と呼ぶ
    「夜空を泳ぐ魚の群れ、奇跡の夢を駆け上がれ~プッチュ~」という定番の挨拶があるようだ
  • ムーンシェル
    星が逆さに映るという伝説の歌姫
    巨大なポスターの彼女
  • 逸鳴
    データ研究所に入り晨雪姉さんと比翼連理の仲になることを夢見て留年し続けている男性
    彼自身は下の階の住人だが、晨雪姉さんのストーカーで常に夢追い人たちの学寮の前にいる、キモイ
    嘘のテストデータを売りつけたり、植木鉢を頭に落としたり、エネルギー発生装置を回収したりして無意識的にコイツの卒業を妨害していることが博土の唯一の善行かもしれない
  • 博土
    記者の男性
    ただし掴んでいる情報のネタ元がボケ老人のハロルドや子供のモーリンというのだから、彼の話など真に受ける価値はないだろう


琅丘(ろうきゅう)

影の支配する世界
大崩壊以前は世界でも有数の大都市だったようだが、危険な影の怪物が闊歩するようになってからは人々は隅に追いやられて農業すらまともに営めなくなってしまっており、もはや安全に暮らせる場所は琥珀街くらいしかない
しかし人々の恐怖の感情を影として取り出し利用する嵬集という儀式でありとあらゆる物質を無から作り出し自給自足に成功しており、住人たちは日々どうやってか恐怖心を捻出しようか悩みながら暮らしている
コラリーによるとこの嵬集という儀式は原理は謎だが崩壊エネルギーの平和的利用であり、理屈としては理の律者と同様の崩壊エネルギーのマイナスエントロピーへの変換である

100年前の七術の活躍(とリトストの死)によって琅丘はデータの海からの浸食を防ぐ甌夏の盾となって存続している

琥珀街

琅丘に唯一残されたまともな都市
かつて琥珀街大恐慌という災害で住人は皆殺しにされ、現在の住民はその後外から流入した人々の子孫とされているが……

暮らす人々

  • スカダー
    かつて「灯」の構成員だった歴戦のおじさん
    術のように恐怖を服従させて戦う力を身に着けていたわけではないが、「灯」から支給される装備と経験によって普通の影災ならそれほど苦労せずに対処できる
    琥珀街大恐慌にも参戦しており、派遣されてきた調査員を出迎え『殉死』の術が死んだという情報を伝えている
    組織においては「アカリ」の先輩にあたり、人の話をまるで聞かない彼女もスカダーのことは信頼している様子が伺える
    しかしあくまでもその力は装備ありきのものであり、「灯」の空中分解以降はちょっと事情に詳しくて松雀なんかよりよほど街の人々に信頼されている一般人といった存在に落ち着いている
    現在では生活に必要な分(嵬集)以外の影に関する事態に興味をなくしており普通に生活しているようだ
    まあ現役バリバリの頃から影との戦いに疲れ果てていてセラペウムの『結合』の中で甘い夢に浸ってた(そしておそらく乗り込んできた「アカリ」から地獄のような責め苦を受けて無理矢理連れ戻された)りしたしね
    色々苦労しているかわいそうな枯れおじだ
  • 「トリッカー」
    ピエロのような隈取をつけた男
    人々の恐怖を増幅させて嵬集の効率を高める商売をしており、手数料としてその分け前を得て生活している
    彼自身は機を見るに敏で情報通なだけの術でも何でもない一般人であり、恐怖を増幅させる方法は単純に話術による
    例えば本編で松雀が夢追い人たちと行動を共にして半日ほど姿が見えなくなった時には「死んだから埋めた」と嘯いて周囲の恐怖を煽っている
    仕事の性質上、松雀なしではやっていけないので彼女を先生と呼んでいる
    この商売はかなり上手くいっているようで彼を琥珀街で二番目の資産家たらしめているが、ドケチで何かと手元に置いておきたがる性格なようで、還付されない税金のような彼の存在が琥珀街の経済にとって悪影響を与えることを危惧する松雀からは脅し半分で忠告されている
    デイリーで七術に関するクイズを出してきて、そこでメインに先駆けて各術と名前の対照を知ることができる
    しかしデイリーはランダム選出なので見かけたことのない「」長もいるかもしれない
    ちなみに琅丘で最初に見かける嵬集で女性に協力しているのは彼ではなくスカダー
  • マンゴレ
    琥珀街の近郊で農業に従事している男性
    影を利用する嵬集によって成り立つ現在の琅丘での生活を良しとせずひとり作物を育てている
    そのため嵬集を行う松雀にも警戒感や不信感を隠さずに接する
    現在はどうにか地芋の栽培を行っているが、その最終目標は琅丘にふたたび花を咲かせてエミリーの願いを叶えること
  • エミリー
    マンゴレの幼い娘
    父が嵬集によって得られる食べ物を受け入れないで農作業をしているのを心配している
    その心配と父に万が一のことがあったら…という喪失への恐怖が彼女から嵬集される影の源になっている
    一方で父の死という恐怖が取り除かれたら今度は嵬集に参加できなくなり(=食べ物が得られなくなり)
    死ぬのではないか…という事態に陥るようなことまでつい考えて混乱してしまう多感な少女
  • サイネット
    服屋『裁思』の店員の女性
    オーセンティックなスタイルを得意とする裁思にセルマ様のデザイン画を元に新しい風を取り入れようとしている
    今でこそお淑やかなデザイナーといった雰囲気の彼女だが、昔は影を使って弛緩した暮らしを営む世の中が気に入らずマンゴレと一緒に暴れていたらしい
    ジェシーという息子がいる
  • ミア
    薬種屋『千蒲堂』の薬剤師
    千蒲堂は薬学で名高い白家が作った店
  • ハーバート
    『誠実時計屋』の先代店主
    娘のホリーがちゃらんぽらんで苦労している
  • ホリー
    『誠実時計屋』の店主
    いつもサボって『明記』の菓子を食べながらぶらぶらしてるか『麺麺道』でうどんを食ってハーバートとクロックを心配させている
    一応これでもクロックを弟子にとってからは責任感が芽生えたらしい
  • クロック
    『誠実時計屋』の見習い職人
    ホリーがサボるために持てる技術の全てを授けたから腕はいい