【ふしぎなぼうし】

Last-modified: 2024-03-10 (日) 04:56:34

概要

DQ2などに登場した帽子。総じて消費MPを軽減する効果がある。
デザインはFFの黒魔導士の帽子(いわゆる魔女の三角帽子)に、怪しい眼がいっぱい付いた感じである。はめつのたてのデザインとどこか似ていると言えば似ている。
がおそらく両者の間には何の関係もない(そもそも両方同時に装備できるのはDQ7の主人公とアイラ、3DS版DQ8の男性陣だけである)。
おもな入手手段はモンスターのドロップであり、数あるDQの【ドロップアイテム】の中でも群を抜いて有名なアイテムである。
これの商売敵ともいえるのが【しあわせのぼうし】であり、しばらくの間は出番を奪われていた。
3DS版DQ7では、強化された【真ふしぎなぼうし】が登場した。

DQ2

守備力は兜3種類中最弱の4しかないが【サマルトリアの王子】【ムーンブルクの王女】の装備できる唯一の兜である。
さらに、呪文の消費MPを4/5(端数切捨、ただし最低1消費)に軽減するという効果がある。
ただし、効果は戦闘中のみで、移動中の回復や蘇生、ルーラ&リレミトには全く効果を発揮しないので注意。
【メイジバピラス】【バズズ】が1/128の確率でドロップすることでしか手に入らないレアアイテム。
売れば15000Gと大金になるが、換金目的なら【はかいのつるぎ】の方がはるかに効率がいい。
思ったほど役に立つ代物ではないが、再入手は難しいのでさすがに手放すのはもったいないだろう。
その上、終盤では当然市販の武具などほとんど不要なので、大金があってもあまり意味がない。
いずれにせよサマルとムーンが装備できる唯一の兜なので、持っていること(手に入れること)自体に意味のある隠しアイテムであろう。実際、ドロップした瞬間の達成感は大きい。
 
なお、FC版では既に不思議な帽子を所持している場合は敵がドロップすることはなく、宝箱を落としても獲得金が増えるだけという仕様のため、1つしか持つことができない。
よって、この帽子をすでに持っている場合はメイジバピラスやバズズをいくら狩っても、2つ目以降は手に入らないので注意。
つまりサマルかムーンのどちらかは、絶対に兜の欄を埋めることができない。
戦闘中に呪文を使うのは主にムーンなので、彼女に与えた方が良いだろう。
 
ちなみにローレも装備できるのだが、呪文が使えない彼には宝の持ち腐れ。どうせはるかに強力な【ロトのかぶと】があるので、全く不要。

リメイク版

守備力が8に、消費MPの軽減率が3/4(端数切捨、ただし最低1消費)に強化されたが、相変わらず移動中には効果がない。
攻撃呪文が強化されて使用頻度が増えたことや消費MPの重いザオリクが戦闘中にも使えるようになったため、これの存在をありがたく感じる機会も増えた。
なお、【ロンダルキアへの洞窟】の宝箱に入っているので、1つは確実に手に入るようにもなった。
2個目以降はドロップしないという仕様もなくなったため、根気さえあれば複数個手に入れ、サマル王子・ムーン王女双方に装備させることも可能。
稼ぐならロンダルキアの洞窟の出口付近でメイジバピラスを待つといい。ロンダルキアのほこらでセーブしておけばルーラで補充に戻れ、またすぐに稼ぎに出向ける。

SFC版では【宝箱復活バグ】で増やすこともできる。
 
また、GB版では【ふっかつのたま】の廃止に伴う差し替えにより、【はぐれメタル】が1/128の確率でドロップすることがある。
 
なお装備しても、必要な消費MPの表示だけは変化しないことに注意。

スマホ版以降

MP軽減効果が移動中でも効果を発揮するようになった。
また、GB版と同様【はぐれメタル】もドロップする。

ゲームブック版(エニックス)

選択肢によっては【ローレシア南のほこら】で貰える。
売値は1000Gで、システムの都合上金額がゲーム版よりデフレしているゲームブック内のアイテムとしては高価な部類に入る。
また巻末の説明によれば、これを装備していると、通常は1戦闘につき1回しか使えない回復呪文を2回まで使えるようになるとのこと。
しかしこれが手に入るルートで進めた場合は、すぐ後に「アバカムの宝石」を手に入れる際に売り払わなくてはならず、しかも入手してから売るまでの間に戦闘は1回も起きないので、実際に特殊効果を発揮することはできない。
また事前に売り払って1000Gを手にしていた場合も、「アバカムの宝石」入手の際に結局全ゴールドを失うことになってしまう。
よってこのアイテムは装備品というよりも、実質的に「アバカムの宝石」との交換用アイテムとなっている。

DQ3

守備力8。DQ3で唯一の「(呪い以外の)特殊効果のある兜」でもある。
 
MP軽減率が3/4+1(端数切捨)に変化したほか、移動中でも効果を発揮するようになった。
消費MPが多いほど、その恩恵が大きいのは同じだが、上述の通り+1されるので消費MP4以下の呪文は結局変わらない。
また、【マホトラ】【アバカム】といった消費なしで使える魔法は単純に公式に当てはめれば

0 × 3/4 + 1 = 1

と、消費MPが0から1に増えてしまうことになるのだが実際にはそんな逆効果はなく、それらは消費なしのまま使える。
ただしマホトラの場合、使ったときに消費はされないがMP0の状態で使おうとすると「MPが たりない!」というメッセージが出て使えず、MP補給が出来なくなる。この帽子の、唯一のデメリットである。
おそらくこれは戦闘中の呪文選択時にのみ上述の公式が適用され、そのときだけ「消費MP1」と認識されるためだろう。
装備したマホトラ使いは、MPが0にならないように気をつけよう。うっかり0になってしまったら帽子を外して戦闘に入り、1ポイントでも吸い取ってからまた装備し直せば良い。
移動中に使うアバカムはMP0でもちゃんと使える。
 
魔法職である【僧侶】【魔法使い】【賢者】の他、なぜか【商人】【遊び人】も装備できる。
ただし商人と遊び人は呪文を覚えず、安価かつ同じ守備力の【ターバン】もあるため、装備する理由はほぼない。
一応、呪文職から【転職】した商人(遊び人には転職不可)は利用できるが、通常プレイでそのようなパターンは稀だろう。
というか終盤においては【はやぶさのけん】と共に、商人の数少ない長所である。
 
魔法使いにとっては、呪われている【はんにゃのめん】を除くと最強装備。これを入手すれば、心置きなく【きんのかんむり】を手放せる。
ただし僧侶がいる場合、マホトラの使えない僧侶が不思議な帽子で魔法使いは金の冠のままというのもアリ。
僧侶と賢者に関しても、守備力最強の【てつかぶと】とは被ダメージ差は2ポイントしかないので、総合ではこちらの方が優れた兜となる。
 
残念ながら【勇者】はこれを装備できないので、特に消費の大きい【ベホマズン】(62→47で15軽減)・【ギガデイン】(30→23で7軽減)の2大巨頭にはその効力を生かすことはできない。
一応【モシャス】で勇者に化ければ生かせるのだが、そのためにモシャスを使う時点で必然的にMP10(本来は12だが2軽減される)消費するので使いどころが難しい。
そのまま使える中でMP軽減の恩恵が一番大きい魔法は【ドラゴラム】(24→19で5軽減)となる。
 
やはり非売品のレアアイテムで、【メイジキメラ】(1/64)か【ひょうがまじん】【バルログ】(1/128)のドロップでしか手に入らない。
【ルビスの塔】最上階で【メタル狩り】を敢行したらメイジキメラも出現するので、そのときに入手できるかもしれない。
しかしメイジキメラはモンスタートップクラスの素早さで【メダパニ】を使いまくるので非常に嫌らしい。当然、こちらは時期的に最強クラスの呪文が使えるので、それで同士討ちになっては目も当てられない。一人で挑めばメイジキメラはゼンゼン恐くなくなるが【マヒャド】を連発する【ラゴンヌ】【メラゾーマ】を使う【サタンパピー】が脅威になる。
ドロップ率でやや劣るとはいえ氷河魔人は【グリンラッド】へ行けば高確率で出現する上、それほど厄介な手を使わず、炎系呪文が軒並み無耐性なので狩りやすいことからトータルで見ると、やっぱり氷河魔人が一番効率がいい。
バルログは単純に交通の便が悪い場所にいる上に、ドロップ率が低く、さらにザラキまで使ってくるので事故死が怖い…とあまりいいところなしなので、ふしぎなぼうし狙いで狩りに行くには微妙。偶然ドロップしてくれたら美味しいが。
前作と違って2つ以上の入手も起こり得るので、複数欲しい人は狙ってみるのも良い。
【ゾーマ】、闇ゾーマも1/1024の確率でドロップする設定になっているが、前者は倒したときのドロップ判定が行われず、後者は例え入手できても記録もできず意味がない。
 
売却は可能だが、前作のなんと1/2500に大暴落してたったの6G。いったいなぜ…?
無論、仮に高く売れたとしてもその実用性の高さから売る人はいないだろう。

リメイク版

追加職業の【盗賊】も装備可能。
また、その盗賊の盗みのおかげで格段に入手しやすくなった。
さらに、【あやしいかげ】の正体の仕様が変わったことで、先頭キャラがLv30以上なら【上の世界】にメイジキメラを呼び出せる。
とはいえ、盗みを絡めるなら相手は【あやしいかげ】ではないほうが望ましいため、【上の世界】で狙うなら今回も【ひょうがまじん】が乱獲対象となる場合が多い。
 
【ふしぎなボレロ】と併用することでさらなるMP軽減が可能。
これ以上の守備力がある兜も多数登場したが、多少の守備力の差は大して影響しないので、MP軽減効果を優先してもいい。
また、女魔法使いには【けがわのフード】【ぎんのかみかざり】といった女性装備もあるものの、男魔法使いはこれより上が【アレフガルド】でしか手に入らない【ミスリルヘルム】しかなく、上の世界で手に入る兜としては数値的にも最強ということになり、彼は上の世界では最弱の兜である【かわのぼうし】、本来イベントアイテムである金の冠、ドロップ限定品のこれという三択で、アレフガルドに行くまで兜には難儀することになる。
 
なおSFC版では、【オルテガのかぶと】の耐性が実際は発揮されないこともあり、相変わらず唯一の「特殊効果のある兜」である。
耐性が付いたGBC版でも、オルテガの兜と不思議な帽子は装備可能職が重複しないので、特殊効果を重視する場合でもどちらを装備するか迷う必要がない。
 
ちなみにFC版でモンスタードロップ限定だったアイテムの数々に他の入手手段が用意される中で、コレだけは変わらずにドロップ限定のまま。
そのためリメイク版DQ3において最もレアなアイテムの座に君臨している。

DQ7

DQ4にて入れ替わるようにしあわせのぼうしが登場し、長いこと欠場していたが見事に復活。
守備力は8で変わらないが、最終メンバー全員が装備できるうえに消費MP半減にパワーアップ。
謎の異世界の宝箱で1個手に入るほか、【ほうらい大王】【ワームスペクター】のドロップや、
コスタール3Fかグランドスラムのラッキーパネルでも入手可能。
 
入手が遅いという問題はあるものの、呪文だけでなく特技の消費MPも半減してくれるため非常に便利である。

リメイク版

さらに強力な【真ふしぎなぼうし】が登場した。

DQ8(3DS版)

【奈落の祭壇】の宝箱に入っている。
守備力32、消費MPを3/4に減らす効果を持つ。
このアイテムの真に恐るべきところは、全員装備可能ということである。
そのため【ゆうき】スキルを90まで上げた主人公が装備しようものなら、スキルで習得した「消費MP1/2」にふしぎなぼうしの「消費MP軽減」まで乗るため、ベホマズンを消費MP14で唱えるなどの芸当も朝飯前になってしまう。
AI任せにすると、【ジゴスパーク】を連発してしまうのが変わっていないククールにも装備させられると役立つ。
 
また、(DQ3でも落とした)メイジキメラ(レア枠)、【デスプリースト】(ノーマル枠)がドロップする。

DQ10オンライン

レベル118装備である【ふしぎなボレロセット】の頭装備として登場。
セットの体上・体下装備である「ふしぎなボレロ上」「ふしぎなボレロ下」の基礎効果にMP消費しない率+5.0%がそれぞれ付いている。

トレジャーズ

【お宝】の一つとして登場。

お宝No.38
レアリティトレジャー
カテゴリーレジェンド
コレクション伝説の防具
標準価格6,000,000G

アイテム物語

【さいごのかぎ】のストーリーの中で、この帽子が作られるに至ったと思しきエピソードが書き綴られている。
稀代の職人であるメルキアデスが、金持ちの貴婦人に化けた【まほうおばば】に騙され作られた作品の1つであるという。
さいごのかぎを含めて、これらは全て魔王の世界征服計画のために使われる予定であった。

余談

今や日本を代表するゲームシリーズとなった『ポケットモンスター』の誕生にはこのアイテムが非常に深く関わっている。
「ポケモン」の開発者である田尻智は、当時DQ2のプレイ中にとうとうこのアイテムを手に入れることはできなかった。
しかし田尻の旧友であり、後にポケモンのキャラクターデザインを担当する杉森建が不思議な帽子を2つ所持しており、「どうにかしてその一つをもらえないか」と思い悩んでいたらしい。
書籍『ゲームセンター「CX」』によると、彼はこの体験をゲームボーイの通信機能と組み合わせ、交換したくなるような魅力的なもの(=モンスター)を育ててやり取りするゲームの着想を得たと語っている。
もし、ふしぎなぼうしがレアアイテムではなかったら「ポケモン」は世に出ることも無く、その数々の亜流が作られることも、「ポケモン」発売当時、既に頭打ちにあったゲームボーイの売り上げが息を吹き返すこともなく、今のゲーム業界はまるで違ったものになっていた…かも知れない。
 
ただ、どうもこのエピソードには矛盾がある。
「ポケモン」の原型は既に1990年には任天堂に持ち込まれているらしいので、田尻と杉森がプレイしたのはFC版(またはMSX・MSX2版)のDQ2のはずである。
DQ2の項目で解説したとおり、これらの機種では通常プレイの範囲では仕様上ふしぎなぼうしを2個手に入れることはできなかったはずなので、田尻の記憶違いか、杉森が虚栄を張っていたか、どこかでDQ3のふしぎなぼうしと勘違いがあったか、あるいは杉森が(故意か偶然かはさておき)ふしぎなぼうしを2個持った状態で開始できる不正規な【復活の呪文】を用いたか、等々、いずれにせよ残念ながら額面通りには受け取れないエピソードというのが実情である。
 
なお、当時の企画書には、ポケモンの交換の例えに当時の流行品やビー玉等が用いられていたようであり、紙面に掲載する際には伏字表記されている。