絶望の象徴とされる鳥を模した鎌。絶叫をあげるが如く開いた口は、対象の生気を飲み干す。
(デスペレイション)
数多の生気を啜り続け、死の匂いを纏い禍々しさが増した、デスペレイション最終型。
(禍鎌ヴァルナロス)
MHXで初登場となる太刀。…太刀?
禍々しい布をキー素材として生まれる所謂デスギア武器の一つ。
目次
概要
- 絶望の象徴とされる鳥(烏?)を模して作られた、太刀とも大鎌とも付かない異様な風貌の武器。
絶叫するかのように大きく開いた口(嘴)が刃となり、対象の生気を飲み干すという。
目に当たる部分が赤く明滅するギミックがあり、非常に気味が悪い。
- MHXでは最も早い段階で作成できる龍属性の太刀。
性能が高いわけではないが、終盤でないと入手できない古龍素材を用いずに序盤でも作成できるのが魅力。
ただし生産には「禍々しい布」と「蝕龍蟲」が必要なので、
モンニャン隊を活用しなければいつまで経ってもリストアップされないので注意。
そして生産可能になった瞬間、多くのハンターがそのあまりに禍々しい外見に思わず目を疑った事だろう。
なお、鳥を模した武器であるため、そして嘴を刃としているためか、
生産や強化の際に必ずイャンクックやイャンガルルガのクチバシを必要とする。- これらのモンスターが登場しないMHRiseにおいては、代わりに
アケノシルムやクルルヤックのクチバシを必要とする。
いずれもイャンガルルガほどの力を持つモンスターでは無いがそれで事足りるのだろうか…?
- これらのモンスターが登場しないMHRiseにおいては、代わりに
性能
MHX
- LV1の段階で全体的に高めの龍属性とスロット3を有しているが、攻撃力と斬れ味が少々物足りない。
強化していってもその傾向を引きずり、LV4にて最終形態『禍鎌ヴァルナロス』となる。
その実力は…- やっぱり低めの攻撃力170、会心率0%
- そこそこ強力な龍属性30
- 素では僅かな青、斬れ味レベル+2に白になるが、それもほんの少しという斬れ味
- 最大の目玉と言えるスロット3
ただ、この武器の魅力はスロットの多さと決して低くない龍属性であり、
これを活かせば、他の武器とも十分な差別化が可能。
他の龍属性太刀と比べると比較的製作時期が早く、製作難度が低めなのも嬉しい。
見た目にこだわるなら是非デスギアシリーズとセットで使ってみよう。
MHXX
- G級追加により更なる強化が可能になった。
究極強化で災禍鎌ダルクナロスとなる。
その性能は、- 低めの攻撃力290
- 龍属性値は38
- 斬れ味は素で白30、匠+2で紫20が出る。
- 目玉であるスロットは3
- 会心率は0%のまま
龍属性太刀で唯一スロットを3つ持つというのが目玉であるが、それ以外の利点が薄い。
匠で紫が出るがXXでは紫の補正が弱体化されている上、
匠で出る紫自体もそこまで長くないので実用性は低いか。
- 製作難度は低い…かと思いきや限界突破に不屈の証が要求されるため最初の強化はG★2。
そしてこの時点で、意外と出にくい怪鳥の福耳を2個要求される。
そして次の段階ではかの悪名高き身も凍るクチバシをなんと2個も。
究極強化はHR解放前にできるため割と早い部類であるが、
この時要求される赫い龍液は他にも需要の多い素材なので、
これも含めてどの武器強化に使っていくかはよく考えよう。
MHRise
- MHWorldでは登場しなかったがMHRiseでは復活。
もちろん生産には禍々しい布が必要となる。
最終強化銘は禍鎌ヴァルナロス。その性能は- やはり低めの攻撃力180、会心率0%
- 並程度の龍属性27
- 素では青30、匠5でようやく白
- Lv2スロットが2つ
- 百竜スキルは攻撃力強化IV、属性強化【龍】II、竜種特効
それでも他の龍属性太刀は百竜刀と斬れ味だけは抜群のあかしまの神刀だけなので、
それなりの属性値と百竜スキル、そして一番の特徴といえるスロットによって十分実用は可能。- Lv2スロットが2つ空いているという太刀では唯一の長所を持つ。
拡張性はかなり高く攻撃や見切りの装飾品をつけられるなど、自由なスキル構成ができるため魅力的。
しかし肉質が柔らかい傾向にあるRiseの現環境からすれば、元から攻撃力や会心率が高い武器を担いで
そちらにスキルを割いたほうがいいということにもなりかねない。
こちらは火力に特化させるよりも、物理をそこそこに属性値にも手を入れる方向でこそ輝くだろう。
- 百竜スキルの竜種特効は種族が「○竜種」であるモンスターに与えるダメージが1.05倍になるというもの。
太刀ではこの武器にしか付けられないこともあり一見便利そうだが、実は罠がある。
まず「竜」種特効なので「龍」である古龍種には発動しない。
龍属性を担ぎたい相手といえば古龍種なのだがこの点であまり噛み合っていないのである。- もう一つ注目すべきなのは、百竜スキルとして攻撃力強化IVも選べるということ。
元々が180と低いこの武器の攻撃力を+10するということは、攻撃力を1.05倍するのとほぼ同じなのである。
「○竜種」以外にも等しく強くなれるので、竜種特効より有効な場合が多い。 - 一応、攻撃スキルなどで攻撃力を底上げしていれば
竜種特効の方がダメージが大きくなることもある(それでも1程度の差だが)。
- もう一つ注目すべきなのは、百竜スキルとして攻撃力強化IVも選べるということ。
- …が、Ver3.0において奇しき赫耀の兇星が飛来したことで状況は一変。
あちらの太刀である龍天刀【紅百武】の性能は、攻撃力180、龍属性39、斬れ味白90、スロットはLv2×1と、
ヴァルナロスはLv2スロット一つを除けば完敗している。
百竜強化による差別化をしようにも、
あちらの百竜スキルは 攻撃力強化III、竜種特効、天彗龍の魂 と、
あろう事か太刀ではヴァルナロスの専売特許だった竜種特効を持っている。
おまけに天彗龍の魂は赫耀シリーズとのセットが前提とはいえ、
ただでさえ高い属性値を更に引き上げられるため龍属性弱点を相手にする場合はどう足掻いても勝ち目がない。
唯一、攻撃力強化の補正値だけは勝っているものの、
斬れ味の差から物理期待値で抜き返すことすら叶わないのである…*1。
- …と、Lv2スロット一つで覆すのはとても不可能なレベルの差をつけられてしまい、
【紅百武】が完成次第、ヴァルナロスの立つ瀬は一切無くなってしまったのだった…。
いくらなんでも、これだけの仕打ちを受けてしまっては自暴自棄になっても無理は無いだろう…。
- 基本的には序盤モンスターのクチバシ素材があれば強化していける…
のだが、禍鎌ヴァルナロスへの強化には火竜の紅玉が必要となる。
Ver.2.0アップデートで火竜武器の強化先が登場するまでは数少ない紅玉の使い道となっていた。
MHR:S
振り下ろした鎌が刈り取りし魂を凝縮した漆黒の太刀。災禍を操る闇の力を得た。
(災禍鎌ダルクナロス)
- MR追加に伴い強化可能に。最終強化はMR20の傀異化した血を使用して可能。
その最終強化・災禍鎌ダルクナロスの性能は、- 並程度の攻撃力320
- 龍属性48
- 大きく改善された素で白70・匠2から紫
- スロットはLv2×2のまま変わらず
- 百竜スロットはLv2で、特効系を採用できる
他にスロットの優秀な武器が増えたため相対的にスロットの優位性も揺らいだが、
攻撃力と斬れ味の改善の影響は大きく、実用性は大きく増したと言える。
属性値48というのは、今作の属性特化太刀を見てしまうと並程度に思えてしまうが、
龍属性太刀の中で見ると実は第2位であり、十分高い方と言える。
また、他のデスギア武器は軒並み百竜スロットLv3を与えられたのに、何故かこの武器に関してはLv2とランクダウンさせられている。
- ある意味最大の強みは、その製作難度の低さおよび製作可能時期の早さであろう。
何とこの武器、大竜玉などの汎用のものを含むMRのレア素材を一切使わない。
また、MR30の時点で最終強化が解放され、この後に待ち構える龍弱点の強敵たちに備えることができる。
- 最終強化が可能になる時点でのライバルは、継戦能力という意味ではラスボス太刀の冥淵斬刀ブロンテ。
素で紫80というぶっ飛んだ斬れ味に、マイナス会心持ちとはいえ攻撃力340を持つ。
しかし龍属性が19と低めで、龍属性太刀というよりは無属性太刀として扱うことが多く、
属性寄りの本武器は差別化が簡単である。
高めの龍属性という意味では、シャガルマガラ太刀のTHEディカローグもライバルと言える。
あちらは素で短い紫とこちらに迫る属性値45を持ち、また攻撃力こそ290と低いながら会心率35%を備える。
属性以外の方向性はかなり違うので、自分が組める装備に合わせると良いだろう。
このように、ラスボスや古龍の武器とも差別化が容易であり、
製作難度を考慮すればかなりのハイスペックな一振りだと言えるだろう。
- ただし、最終武器として考えると話は別。
MR70で解放される、上位で差をつけられたバルファルクの太刀・赫絶の閃翼アケイシャが
こちらと同じ攻撃力320と百竜スロットLv2、そして素で長い白ゲージにこちらを上回る龍属性55を備える。
こちらが勝っているのはLv2スロット1個と匠で紫が出せることなので、
期待値でアケイシャを上回るためにも紫ゲージ運用が必須となる。
対してあちらは匠や斬れ味ケアが不要な分スキル自由度が高く、扱いやすさではあちらが圧倒的に優れる。
しかし、アケイシャはもちろんMRで更に強くなったバルファルクのレア素材を要するので、
この武器は上述した製作難度の低さを活かしつなぎとして扱っても良いだろう。
- アップデートで傀異錬成や匠珠IIが追加されたことで、
以前よりも紫ゲージを出しやすい環境になっているのはこの武器にとって追い風。
特にVer.14で実装された傀異スロット拡張ボーナスの斬れ味+10は、
アケイシャにとっては恩恵が非常に小さく、こちらに有利に働く強化となる。- Ver.15ではスロット拡張ボーナスでさらに斬れ味+10が追加され、ついに素で斬れ味紫が出るようになった。
さすがにフォローは必要だが、最終武器としてアケイシャよりこちらを取る理由も十分あるだろう。 - しかし、Ver.16では素紫とスロットLv4×3という随一の拡張性を持つ刻銀の斬刀が追加された。
ダルクナロスよりも攻撃力は10低いものの、攻撃珠IIを2つ入れればスロ4を1つ残して簡単に追い抜くことができ、
なおかつ攻撃による体力回復量が増える特殊ギミックと1だけ高い龍属性がある。
そのため、こちらのスロット2×2をどう活かしていくかを考えなければ差別化していくのは難しいだろう。
幸か不幸か、超心珠や痛撃珠はスキルLv2の装飾品が追加されなかったため、そちらを使っていくべきか。- ただし差別化を図る路線でも高い物理期待値を備えた太刀がひしめいているため暗雲は晴れない。
ここに関しては運用方法で変化を付ける他ないだろう。
- ただし差別化を図る路線でも高い物理期待値を備えた太刀がひしめいているため暗雲は晴れない。
- Ver.15ではスロット拡張ボーナスでさらに斬れ味+10が追加され、ついに素で斬れ味紫が出るようになった。
余談
- デスペレイション(desperation)とは英語で「自暴自棄」を意味する言葉である。
最後までMHXXのような性能では自暴自棄になりたくもなるだろう
- 鳥の形の由来は、14世紀の中世ヨーロッパに大流行した黒死病(通称:ペスト)における、
ペスト医師が身に着けていた、鳥の嘴のようなマスク(通称:ペストマスク)も由来だと思われる。
同様の意匠はMHWorldで登場したギルオスシリーズにも見られるが、
上記の通りWorldだけピンポイントで登場していないため共演は果たしていない。
感染症防止のフィルター代わりとして、
嘴状をした円錐状の筒内には薬草を主に、強い香りのするハーブや香料、藁などをつめていた。*2
現在ではコスプレ用などで生産される場合、鳥の嘴のようなとがった形で製作されることの多いマスクで、
当時から鳥を模したものもあったが、実際には機能性を追求した結果、鳥っぽくなってしまっただけである。
そのため現物には先がとがっておらず、口元に突起状の袋がついているだけといった形状も多い。
黒死病の流行により、多くの病死者を出した当時の中世ヨーロッパにおける光景は、
まさに死神が到来したかのような、この世の物とは思えないおぞましい光景だったという。
- 「絶望の象徴」と呼ばれる鳥がモチーフとのことだが、
この武器が初登場した割とすぐ後に絶望の象徴たる古龍が出現した。
しかもこの古龍は一部の鳥類が名前や生態のモチーフとして意識されており、
その素材から生産される武器は龍属性持ちである。しかも条件を満たすと身体の一部が赫く光る。
姿形は明らかに違うので、一部の要素だけたまたま似ていただけなのだろうが、それにしても面白い偶然である。
どういう訳かあちらの太刀は毎回の様にこの武器の最終評価に絶望を与えているが…多分こちらも偶然だろう。