武器/王牙棍【別雷】

Last-modified: 2023-11-05 (日) 07:26:58

王の怒りは大気を突き抜け天へと昇る。
憤然たる王の前に万物は無力。ただただ平伏せ。

目次

概要

  • MHW:Iで初登場したジンオウガ素材の操虫棍。
    雷光を宿した神々しき姿は、見る者に畏敬の念を抱かせる。
    • 雷光虫と共生し戦闘時には使役する」と言うジンオウガの生態は非常に操虫棍を意識させるものだったが、
      その両者が共演していたMH4からMHXXまでの間はどういうわけか彼の操虫棍は未登場だった。
      そのため、MHW:Iでついに登場した際には大きな反響があった。
  • 形状は長大な薙刀であるが、蓄電殻を並べた幅広の刀身と柄と刃の付け根に下がる深紅の房飾りは、
    どちらかといえば中国の大刀を思わせる。
    また、柄(と柄と一体化している虫笛)の長さだけで通常の操虫棍と同じ長さになっており、
    それに上記の幅広の刃が付いているため、担ぐとかなり高さが出る。
  • 当項目では獄狼竜ジンオウガ亜種の素材を用いた狼牙棍【亡獄】についても扱う。

性能

MHW:I

  • 作成できるようになるのは導きの地を発見しそこでジンオウガを目撃してから。
    鉱石棍の基礎形クロムトライデントIから派生させる。
    王棍イナズマとして生産し、2回の強化で王牙棍となる。
    最終形態・「王牙棍【別雷】」になった際の性能は、
    • 全操虫棍中では上位クラスの攻撃力806、マイナス会心無し
    • 斬れ味はそこそこの長さの白、匠で紫は出るがLv4からの出現
    • 生産武器では雷属性操虫棍中2位タイの雷属性360
    • スロットはLv2×1
    • 猟虫のボーナスは「猟虫強化【気・力】」
    アンジャナフ亜種の蛮雷棍カーリカラモスの物理攻撃力、
    トビカガチのカガチノイカリIIの属性値を持つ、物理属性いいとこどりの性能。
    この2種に負けているのはプラスの会心率が無いことくらいか。
    斬れ味ゲージも紫は実用的ではないが、
    白ゲージに関しては操虫棍でも斬れ味維持スキルのみである程度戦える長さになっており、使いやすい部類。
    そして、MHW:Iから登場した猟虫強化【気・力】のボーナスが人によっては中毒性が高い。
    • 物理攻撃力はラージャンの金砕棍ゴーデンライが、属性値ではキリンの天の幻雷が圧倒的に引き離すものの、
      前者は無いに等しい属性値とマイナス会心と斬れ味を、
      後者は最終強化の中ではやや中盤クラスに落ち着いた物理攻撃力をスキルで補助してやる必要があるのに対し、
      別雷は最悪それらのケアを切っても何とかなるので、防具のスキル構成を自由にできる強みがある。
  • 作成難易度は割と高い。
    王棍イナズマの生産はジンオウガを1~2度狩猟すれば簡単にできるが、ここからが問題。
    • なんと1段階目の王棍イナズマ→王棍イナズマ改の強化でいきなり天玉を要求される
      ジンオウガは常駐するクエストが存在せず、運よく調査クエストを拾うまでは導きの地に現れるのを待つか、
      初回だけ確定で後は不定期になる特殊闘技場クエストしか狩猟する手段がない。
      その中で更に天玉を拾わなければならないのでその苦労は推して知るべし。
      • 当初はマカ錬金のリストに存在しなかったため自力でドロップするしかなかったが、
        Ver.11.00以降はマカ錬金で手に入れられるようになったので、
        どうしても引けなければ利用するのも手。
        しかし、交換に必要な天の竜人手形は週間バウンティと蒸気機関管理所で週2枚しか手に入らないので、
        他に優先順位の高いものがあればなかなか交換できないかもしれない。
    • そして最終強化の王棍イナズマ改→王牙棍【別雷】は霊脈の剛竜骨を要求される
      こちらは、導きの地の仕様を理解してしっかり地帯Lvを上げていたハンターなら
      天玉を拾うまでにはとっくに持っているかもしれないが、
      調査クエストをメインに活動しているハンターだった場合、
      導きの地である程度強力なモンスターの歴戦個体が現れるようになるまで地帯Lvを上げる必要があり、
      運は絡まないがとにかく時間がかかり、ある種のストッパーと化す。
      ジンオウガの武器を作ろうと思い立った時は導きの地の地帯Lvもしっかり上げていきたい。
      • また、古龍の大宝玉も要求されるが、こちらはストーリークリア前から古龍と戦える上、
        落とす古龍も多いため、古龍を狩っていれば手元に既にあってストッパーにならないことも少なくはない。
    • 何気に最終強化までの5本使う剛角も曲者。剥ぎ取り・捕獲のテーブルには存在せず、
      角の部位破壊の他はクエストの基本報酬に入るのを祈るしかなく数を集めるのはなかなか大変。
      従来作通り角の部位破壊は2段階破壊して成功となるので、
      頭に集中攻撃していないと討伐が先になってしまう場合も。
      防具も作りたいと思った場合は更に要求数が増えてしまう。
    作るのにいくらかハードルはあるが、製作時期の遅さに見合った強さと使いやすさを両立している優等生で、
    雷属性が苦手なモンスターにはこれがあればかなり有利に戦えることだろう。

MHRise

王の統率力を宿した操虫棍。
呼ぶ雷はすなわち王の声。王
自ら臣下を従え狩場を駆ける。
(王棍イナズマ)

  • 本作でも続投。
    【別雷】の説明文がMHW:Iから変更され、記事冒頭のような雷の王を強調したものとなる。
  • ボーンロッドからロアルブルームⅠを経由することで王棍イナズマIを作成できる。
    最終強化「王牙棍【別雷】」の性能は、
    • 攻撃力200
    • 雷属性25
    • 会心率0%
    • 青30匠4から白ゲージ
    • Lv1スロットが2つ
    • 雷光虫由来か、最高LVの猟虫Lv8
    とジンオウ武器らしいバランス型となっている。
    • 百竜強化は、攻撃力強化II/属性強化【雷】II/水棲系特効
      この他、ロアルブルームから水やられ特効が引き継げるが、
      仮想敵が仮想敵だけに需要は無い。
    運用としては特効対象に雷弱点が多くて、噛み合っている水棲系特効を活かすことになるだろう。
  • ライバルとしては同じく雷属性で猟虫Lv8の神源ノ雷翔リが挙げられるが、
    あちらは水棲系特効を持たない代わりに、空棲系特効を持っているので、使い分けは容易。
    今作の雷棍は猟虫Lvが6と8しかいないため、Lv6に範囲を広げてもいいならライバルはあと2本
    それぞれ属性型と物理型となり、性能としていえばどちらも甲乙つけがたい。
    そしてその内の1本に対してもそうだが、雷翔リが通常モンスターの武器にギリギリの状態にいるのが
    何ともいえない哀愁を感じさせる。
    • 最も意識すべきはゴーデンライだろう。
      あちらは物理型でありながら必要十分な雷属性を備え、スキルを整えればほとんどの雷棍を食いかねない。
      さすがに爆発力は王牙棍に劣るが、逆に言えばこちらは水辺から出ると普通の雷棍になってしまう。
      お互いのためにもしっかりと使い分けを意識したいところ。
  • この武器は猟虫Lvが最大の8であり、素の属性値も悪くなく、
    さらに倍率が高く猟虫攻撃にも乗る水棲系特効を付与できるため、
    総合的に見て猟虫のダメージが最も高くなる武器の一つである。
    泡纏い中のタマミツネの頭に切断・速攻型の溜め時連続攻撃をフルヒットさせたときのダメージは120を超え、
    強化けさ斬りに迫るほどの威力となる。
  • ちなみに、今作では他全ての近接のジンオウ武器が匠Lv2又は3で白ゲージが出現するため、
    白ゲージに匠Lv4が必要なのは操虫棍だけである。
    Ver.1.0では匠Lv3と4の差は非常に大きいため、猟虫Lv8の代償として考えても非常に重い制約であった。
    今作の属性棍の性能面での不遇が垣間見えるが、バージョンアップ後にも同じような光景を見ることになる。

MHR:S

彼の棍を持つ狩人は万雷を従え
飛翔する。疾風の如く地を駆け
迅雷となって天より来たる
(真・王牙根【天来】)

  • MRでは【別雷】改を経て、新たな銘として真・王牙根【天来】を賜る。
    【天来】の性能は、
    • 高めの攻撃力330
    • 悪くない雷属性39
    • 素で短めの紫ゲージ。匠で延長
    • 武器スロットはLv1が2つ
    • 百竜スロットはLv2
    • 猟虫Lv14
    全体的にまとまったバランスの良い性能となった。
  • 性能が似通ったところでは万雷の霆竜棍が挙げられるが、
    素の状態では会心率の差で物理火力では霆竜棍が有利。
    ただし、会心率を容易に上げられる現環境では0%である【天来】の方が伸び代があると言える。
    20%分の会心率によるスキルの自由度があちらの強みともなるので、
    装備や護石と天秤にかけてどちらを採用するか決めると良いだろう。
  • また、各種耐性を無理なく搭載可能なLv1スロットを持つのも嬉しいポイント。
    Lv1スロット自体は霆竜棍も持つが、あちらと異なり2つ持っているのが評価点。
    金火竜冥淵龍など、状態異常や気絶が怖い相手に活躍できる1本となっている。
    一方で火力に直結する強力なスキルは軒並みLv2以上を要求されることもあり、
    それらを活かせないのは弱点でもあるが、ここは割り切ってしまうと良いだろう。
    • 同じ攻撃力には激昂したラージャンの鬼神棍【猿王】があり、
      あちらは雷属性値が低い代わりに豊富なスロットと非常に優れた斬れ味を持つため、
      最終的な物理火力ではあちらに軍配が上がる。
      やはり及第点の物理火力と雷属性を両立させた武器として運用するのがベストとなる。

狼牙棍【亡獄】

  • Ver.12.01のアップデートで追加されたジンオウガ亜種の操虫棍。こちらもMHW:Iで初めて登場した。
    デザインは王牙棍【別雷】の色違いで、
    地肌の青、蓄電殻の黄、紐や房飾りの赤などカラフルであった通常種の【別雷】と比べると、
    地肌が黒、龍殻を連ねた刃がグレー、紐と房飾りが紫といずれもダークな雰囲気に寄った配色になっている。

MHW:I

  • 最終形態・「狼牙棍【亡獄】」になると、
    • 別雷よりさらに伸びたが、龍属性内では3位の攻撃力837、マイナス会心無し
    • 斬れ味は白は短いものの素の状態でそこそこ紫が出ている、よって匠分は全て紫が出てくる
    • 龍属性は控えめでブービー賞の龍属性240龍封力は中
    • スロットはLv2×1
    • 猟虫のボーナスは「猟虫強化【気・力】」
    端的に言えば【別雷】を物理寄りにした性能といった感じの優等生。
    特に紫の斬れ味が素で付いている上に、その長さも業物剛刃研磨で支えられるレベルなのが大きく、
    斬れ味紫の乗った物理攻撃力と弾かれの心配の要らない攻撃による総合火力は見た目の数値以上にあるだろう。
    ただ、他の属性ならこの性能があれば最終武器の候補にも十分入るが、
    新大陸の龍属性はバリエーションが豊富な激戦区になっている。
    • 物理・属性攻撃力が近いのが、怒り喰らうイビルジョーの業翼ダムドヴィング
      悉くを殲ぼすネルギガンテの撲滅の導灯【闇】
      この三本で龍属性の物理攻撃力トップ3と属性攻撃力ワースト3を争っている。
      ダムドヴィングは物理・属性火力共に亡獄より一段高く、製作時期にも優れるが、
      マイナス会心率と斬れ味がネックで、スキルのフォローが少ないならまず亡獄が強い。
      しかし、撲滅の導灯【闇】は物理攻撃力、白い斬れ味の長さによる継戦能力に優れる堂々たる大業物で、
      おまけにタッチの差とはいえ製作時期も早いので単純な性能や作成時期では亡獄はどうしても後塵を拝す事になる。
      ただ、劣ると言っても競り合えるだけの性能は有しており、
      地味に役立つ装飾品も見え隠れするLv2スロットの存在や、
      猟虫強化を多用する棍使いへの中毒性が高い猟虫強化【気・力】などもあり、
      ハンターによっては亡獄の方が好ましいかも。
    • その猟虫強化【気・力】だが、他の属性では精々1本*1な中、
      龍属性はオドガロン亜種の死線【デッドライン】とアン・イシュワルダの三世十方ー智慧ーに続き、
      3本目の猟虫強化【気・力】となっている。
      しかし、デッドラインは継戦能力と属性値に優れる代わりに物理攻撃力が、
      三世十方は物理攻撃力と無属性強化にスイッチもできる無属性の代わりに
      属性解放の手間と斬れ味の長さがそれぞれ今一つなので、
      両方をバランスよく扱いたいなら亡獄が強いか。
    • 死を纏うヴァルハザクの屍杖ヴァルエントマ龍封じの古杖IIは属性特化武器で亡獄とは運用が違う。
      また、属性にテコ入れが入ったとて基本のダメージの式は未だ物理が優勢のままであるので、
      どちらかと言えば物理寄りに比べれば需要は低め。
      操虫棍は手数が多い武器ではあるので、スキルをしっかり整えた爆発力があれば亡獄の立場も危ういか。
    • MHWの最初の方では龍封力:大を備えるものはそれほど多くなかったが、
      数々のアップデートやMHW:I実装になどで龍封力:大の武器は割と数が増えてきた。
      こうなると、最初は強くも弱くもないという感じだった龍封力:中がむしろ弱点のようになりつつある。
      亡獄は属性値も高いとは言えないので、古龍を抑える事に関しては不得手と言わざるを得ない。
      古龍ではなく龍属性に比較的弱い、レウスやイビルジョー相手には問題なく戦えるだろう。
      • ジンオウガ亜種の防具であるEXゴクオウシリーズのα装備において、
        腕には龍属性攻撃強化、脚には龍封力強化が備わっており亡獄の対古龍の性能を補ってくれる。
        また、胴には操虫棍の三色エキス使いには嬉しいひるみ軽減があるため、
        EXゴクオウのα一式は亡獄を使うのに適した装備となっている。
        脚に付いた集中+2は見なかったことにししよう。
    高水準でバランスが良い別雷と同じランクの性能を備えているので、優秀な武器であることは間違いないが、
    龍属性は激戦区であるのでその分需要が散らばることは否めない。
    とはいえ、素で紫を備えるのはこの武器とナルガクルガのヒドゥンケインIIくらいしか持たない固有の強みであり、
    それと猟虫強化【気・力】に魅せられれば愛用の一本になる可能性は高いだろう。
  • 生産自体は導きの地の寒冷地帯を開放するためにジンオウガ亜種を狩猟した後なら割と難しい素材もなく作成できる。
    ジンオウガと同じく調査クエストを見つけるまでは安定した狩猟が難しいという難点はあるが。
    問題はここからである。定番のストッパーである獄狼竜の天玉が最終強化に使われるのは想像がつくが、
    それに加えジンオウガ亜種の導きの地での歴戦素材が必要になるのである。
    これの何が問題かというと、アップデートで追加されたモンスター故か、
    ジンオウガ亜種の歴戦個体は古龍や古龍級生物に並ぶ危険度3、
    つまりMR99になり裏ボスを下し、地帯Lv7の上限を解放しないと最終強化出来ないという事。
    アップデートを迎える前にその段階をクリアしてるハンター達にはさほどの手間ではないが、
    これから導きの地に踏み込むハンター達にとっては、
    作成から最終強化に至るまでがかなり先の話になるので長い間もどかしい気持ちを抱える羽目になる。

余談

  • 王牙棍【別雷】の「別雷」とは、他のジンオウ武器のように八雷神からとられたものではなく、
    賀茂別雷命という祭神からとられていると思われる。
    伝承によると玉依姫と呼ばれる祭神が川上から流れてきた丹塗矢を枕元に置いて眠った際、
    懐妊して生まれた子供が別雷命で後に成人した後、
    丹塗矢が雷神火雷が姿を変えたもので自分の父である事が分かったという。
    これがモチーフの場合、読み方は「わけいかずち」となる。
  • 亜種武器の名前は強化前がリュウ+竜の体の部位名から、
    強化後はダンテの神曲に出てくる地獄から取られているらしいのだが、
    武器が増えてくると当てはめることが困難になってきたのか、
    後発の武器にはモチーフには存在しない名前がちらほら。
    操虫棍も身体の部位で「メイ」と読むものはなく、「亡獄」という地獄は神曲に登場せず、
    言葉としても存在が確認できない。
    地獄には当たり前に亡者がいるので、わざわざ亡の字を振る地獄は無いのかもしれない。
    • 「メイ」に関しては、生物のある意味最も重要なパーツである「」から来ている可能性がある。
      操虫棍という武器種自体、猟虫という生命体を利用しているという独自の特徴があるため、
      このような名づけ方になったのかもしれない。
      「亡獄」に関しても、モチーフ元はともかく、「命」に対応させる形で「亡」という字を採用したと考えるなら辻褄が合う。
  • 操虫棍は刃の展開や印弾を撃つときの虫笛部分の展開・変形などギミックの多い武器であるのだが、
    MHWから始まる新大陸の操虫棍はあまりメカニカルになるのを嫌ったのかギミックの付いた棍は非常に少ない。
    そして王棍イナズマもギミックのないシンプルな武器になった。
    超帯電状態を模した蓄電殻の展開ギミックが付くかもしれないと期待していた一部のハンターには
    ちょっと残念な結果になった。
    • MHRiseでは抜刀すると刃の甲殻の隙間からほんの少しだけ光が漏れるギミックが追加された。
      しかし、これも他のジンオウ武器と比べるとかなり地味である。
  • 「王牙棍」という名称は穿龍棍の方と被ってしまっている。
    まあどちらの武器種も主な略称は「棍」なので仕方ないと言えばそうだが。
    登場作品は異なるため、ゲーム中で混同してしまう可能性は低いだろう。

関連項目

モンスター/ジンオウガ
モンスター/ジンオウガ亜種
武器/ジンオウ武器


*1 氷属性に至っては無し。