ソ連 RankVIII ジェット戦闘機 Su-27
概要
Update 2.33 "Air Superiority"にて追加された、フランカーファミリーの元祖。ロシアや一部の旧ソ連諸国などで未だ運用されており、ここから複数の発展型も生まれた極めて優秀かつ有名な戦闘機である。F-15のライバルに例えられることも。
機体情報(v2.33.0)
必要経費
必要研究値(RP) | 400,000 |
---|---|
機体購入費(SL) | 1,080,000 |
乗員訓練費(SL) | 310,000 |
エキスパート化(SL) | *** |
エース化(GE) | 3,600 |
エース化無料(RP) | 1,350,000 |
バックアップ(GE) | 65 |
護符(GE) | 3,200 |
BR・報酬・修理
項目 | 【AB/RB/SB】 (初期⇒全改修完了後) |
---|---|
バトルレーティング | 12.7 / 12.7 / 12.7 |
RP倍率 | 2.56 |
SL倍率 | 0.9 / 3.2 / 5 |
最大修理費(SL) | ***⇒*** / ***⇒*** / ***⇒*** |
機体性能
項目 | (初期⇒全改修完了後) 【AB/RB&SB】 |
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最高速度(km/h) | 2401⇒2604 / 2357⇒2498 |
(高度12000m時) | |
最高高度(m) | 16000 |
旋回時間(秒) | 24.1⇒22.9 / 24.6⇒23.5 |
上昇速度(m/s) | 185.8⇒267.5 / 173.4⇒225.0 |
離陸滑走距離(m) | 750 |
最大出力(kgf) | 6720⇒7750 / 6630⇒7220 |
A/B推力(kgf) | 11140⇒12210 / 11040⇒11660 |
毎秒射撃量(kg/s) | *** |
燃料量(分) | min13 / 20 / 30 / max40 |
搭乗員(人) | 1 |
限界速度(IAS) | 1540km/h |
フラップ破損速度(IAS) | (離陸)830km/h, (着陸)750km/h |
主翼耐久度 | -***G ~ ***G |
レーダー
分類 | 有無 | 距離 (km) |
---|---|---|
索敵レーダー | 〇/× | **/**/** |
測距レーダー | 〇/× | *** |
追跡レーダー | 〇/× | *** |
火器管制装置 | 〇/× | *** |
敵味方識別装置 | 〇/× | *** |
捜索中追尾 | 〇/× | *** |
レーダー警報装置 | 〇/× | - |
武装
分類 | 名称 | 搭載数 | 装弾数 | 搭載箇所 |
---|---|---|---|---|
機関砲 | 30mm GSh-30-1 | 1 | 150 | 機首右翼付近 |
弾薬
武装名 | ベルト名 | 内訳 | 最大貫徹力(mm) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10m | 100m | 500m | 1000m | 1500m | 2000m | |||
30mm GSh-30-1 | 既定 | AP-T/HEF-I | 55 | 53 | 45 | 37 | 31 | 25 |
汎用 | AP-T/HEF-I/APHE/HEF-I | 55 | 53 | 45 | 37 | 31 | 25 | |
空中目標 | AP-T/HEF-I/HEF-I | 55 | 53 | 45 | 37 | 31 | 25 | |
地上目標 | AP-T/APHE | 55 | 53 | 45 | 37 | 31 | 25 | |
ステルス | APHE/HEF-I/HEF-I | 42 | 40 | 34 | 28 | 23 | 19 |
追加武装
凡例 | ||||
---|---|---|---|---|
記号 | 意味 | 記号 | 意味 | |
RKT | ロケット | BOM | 爆弾 | |
AGM | 対地ミサイル | AAM | 対空ミサイル | |
GUN | 機関銃/砲 | CM | 対抗手段 | |
MINE | 機雷 | TPD | 魚雷 |
分類 | 名称 | パイロン | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
- | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | - | ||
AAM | R-73 | 1 | 1 | |||||||||||
AAM | R-27ER | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | |||||||
AAM | R-27R | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | |||||||
AAM | R-27ET | 1 | 1 | |||||||||||
AAM | R-73 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | |||||||
AAM | R-27T | 1 | 1 | |||||||||||
BOM | OFAB 250-270 | 1 | 6 | 5 | 4 | 4 | 5 | 6 | 1 | |||||
BOM | OFAB-100 | 1 | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 | 1 | |||||
BOM | FAB-500Sh | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | |||||||
BOM | FAB-500M-62 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | |||||||
BOM | ZB-500 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | |||||||
BOM | OFAB-250Sh | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | |||||||
BOM | FAB-250M-62 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | |||||||
RKT | S-25-O | 2 | 2 | |||||||||||
RKT | S-13OF | 10 | 10 | |||||||||||
RKT | S-8KO | 40 | 40 | |||||||||||
爆弾
(weapon_dummyを武装ページ名に置き換えてください)
(weapon_dummyを武装ページ名に置き換えてください)
ロケット
(weapon_dummyを武装ページ名に置き換えてください)
(weapon_dummyを武装ページ名に置き換えてください)
ミサイル
(weapon_dummyを武装ページ名に置き換えてください)
(weapon_dummyを武装ページ名に置き換えてください)
魚雷
(weapon_dummyを武装ページ名に置き換えてください)
ガンポッド
(weapon_dummyを武装ページ名に置き換えてください)
機雷
(weapon_dummyを武装ページ名に置き換えてください)
機体改良
Tier | 名称 | 必要量(RP) | 購入費(SL) | 購入費(GE) |
---|---|---|---|---|
I | 胴体修理 | *** | *** | *** |
ラジエーター | ||||
**mm弾薬ベルト | ||||
**mm銃座用弾薬ベルト | ||||
II | コンプレッサー | *** | *** | *** |
機体 | ||||
新しい**mm機関銃 | ||||
新しい**mm銃座用機関銃 | ||||
III | 主翼修理 | *** | *** | *** |
エンジン | ||||
**mm弾薬ベルト | ||||
爆弾懸架装置 | ||||
IV | インジェクター交換 | *** | *** | *** |
**オクタン燃料使用 | ||||
カバー交換 | ||||
新しい**mm機関砲 | ||||
ロケット懸架装置 |
カモフラージュ
既定 | |
---|---|
条件 | - |
説明 | 標準カモフラージュ |
Tricolor camoulage(カザフスタン防空軍三色迷彩) | |
条件 | 370 |
説明 | カザフスタン防空軍三色迷彩。 |
Bicolor camoulage(インドネシア空軍二色迷彩) | |
条件 | 750 |
説明 | インドネシア空軍二色迷彩。 |
研究ツリー
解説
特徴
現状、WT内ではミサイルの最大搭載数を誇る。その数10本。
R-73×4、R-27ET×2、R-27ER×4と、長中距離はもちろんのこと、近距離戦も対応できる。まさにブラインドサイド「フランカー」。
立ち回り
【アーケードバトル】
--加筆求む--
【リアリスティックバトル】
強力なミサイルが最大10本と、西側諸国の戦闘機を余裕で切り裂く30mm機関砲を装備。
またソ連機とは思えないハイパワーエンジンも特徴で、6000mを超える高空へあっという間に駆け上る。その反面レーダー性能がライバルであるF-15Aよりも劣っており、少しでもノッチされてしまうと簡単に見失ってしまう弱さもある。
本機にはR-27Eシリーズが合計で最大6本搭載可能。
R-27ETは、赤外線誘導の中距離空対空ミサイルで、FoVタイプのIRCCMを装備しているのだ。
これは、シーカーのFoVを極限にまで狭めるタイプ*1。そうすることで、エンジン以外の熱源(太陽やフレアなど)がシーカーに映りにくくなる。つまり、R-24Tに比べてフレア耐性が大幅に増加している。
なので、至近距離で撃たれるとフレアをいくらばら撒こうが回避は不可能である。エンジンの排熱めがけてまっすぐに飛翔するその様は、まるで飼い主を追いかける犬のよう。ある一種の快感に目覚めるほど。
こいつは10km以上離れた敵への暗殺用途にも使えるが、R-73では届かず、ERでは近距離すぎる敵に使用するのも良い。5km圏内であればフレアはほぼ無視し、吸い付くように着弾、敵は火だるまになるだろう。ちなみにだが、IRCCM発動後のFoVは0.75°と、惑星内ミサイルでは最小のシーカー視界となっている。
現状言い過ぎ感強し。単純なIRCCM性能はR-73の方が高い。
R-27ERはSARH方式の中距離空対空ミサイル。ETとの違いは誘導方式のみで、ロケットモーターやフィン、安定翼などの形状は同じである。何と言ってもその特徴はIOGによる飛翔が可能な点だ。
いったんレーダーのロックオンを解除しても、IOG(慣性誘導)により飛翔、もう一度ロックオンすると再誘導できる強みがある。
そのため、ミサイルが当初の目標から外れても、後続の敵をロックオンしてそちらを狙えたり、発射してロックオンを意図的に解除、一定時間後再ロックオンすることにより、敵のRWRがなった瞬間に着弾するという離れ業もできる。
最初は上昇するか低空を這うか、どちらか選ぶべき。
機首上げ角は20-25°程度、最低でもマッハ1.0程度になるように上昇しよう。飛行機雲が出ると相手に位置が露呈してしまうが、自分のミサイルはより高速度、長射程になる。
逆に飛行機雲が出ない高度であれば、発見されるリスクは下がるもののミサイルの射程や速度は落ちる。
いくら高性能なR-27ER、ETであるとは言え、より高度を取った時よりは性能は低くなると見積もりながら移動するべき。
さて、順当に行くとまず警戒すべきは西側陣営、F-14BのAIM-54 Phoenix。C型ともなると中空以上ではノッチング耐性がA型以上に強化されており、内蔵レーダーに切り替わってからでは回避できない。
よって、中間誘導中にノッチングしてレーダーから姿を消すか、そもそも狙われにくいような空域に行くと良い。フェニックスの誘導特性上、いったん慣性誘導に切り替わるとピットブル距離まではそのままIOGで飛翔するため、その時点で回避できていれば、内蔵レーダーに捕まることはないだろう。
そのまま飛行を続けると、30-25kmでF-16やF-15と接敵するだろう。そこまで来たらこちらのR-27ERの出番である。自機はマッハ1.5程度で飛行しておくと良い。あとはロックオンして発射するだけなのだが、いかんせんレーダー性能が西側と比べて低く、ノッチングされると簡単に目標を見失う。
また西側のスパローと比べ重いので、クランキングされると余計なエネルギーを消費してしまう。また相手も撃ってくる状況であれば、お互いクランキングしながらの誘導勝負となる。
幸い、ロックオンが外れてもIOG飛翔ができる。これは無理だと思ったら誘導を一旦あきらめるのも手。数秒後に再度ロックオンすることにより、目標に向かわせることができる。
上空がクリアになったらあとは眼下の敵にET、R-73をお届けする仕事となる。撃ちおろすと吃驚するくらい伸びるので、爆撃などに夢中な敵に投げることで、大量の戦果を残すことができるだろう。
現在のゲーム内環境上、SARH、ARHはツリートップには当たりにくい。よって地面とすれすれを飛行することが必要。少しでも地面から離れてしまうと、レーダー上に映っていたゴーストが消え、本来の位置が露見する。つまり、SARH、ARHに狙われやすくなってしまう。
自分と地面との勝負になるが、我慢強く飛行しよう。
さて、低空を這う場合は最速で行くよりも少し遅れた位置に立ち、味方が交戦し始めたタイミングで上昇。上空からER、ET、R-73を投げつける。
優先順位としては、
ET、R-73、ERの順番である。もし高空にF-15やF-16がいた場合、下から上に見上げるようにERをお届けするべきだ。上方に撃つにはミサイル自重を押し上げる必要がありそれだけでは飛距離は落ちるが、上空に至れば空気抵抗も減少する。つまりそこまでの位置的不利はない。
また撃ち上げるとノッチングしにくいので、命中を大変見込みやすくなるだろう。
上空の敵を排除したら後は上記と同様眼下の敵にミサイルを投げつけ、帰投する流れとなる。
もしR-27の扱いに困ったらBVR戦闘の基本をのぞいてみると良いだろう。参考になる情報があるかも・・・しれない。
天下布武、無敵・・・!と言いたいかもしれないが、大きな弱点が2つある。それはレーダー、RWRの性能と機体強度だ。
まずレーダーの性能だが、少しでもノッチングされるとあっさりとロックオンが外れ、チャフを撒かれていればそちらをロックオンしてしまう。
また、RWRも西側のようなものではなく、進行方向を前としたときに、左右90°までは20°刻み、それ以降は30°刻みでしか方向がわからない。つまりノッチングしにくいほか、どちらからロックオンされたのかさっぱりわからないこともしばしば。
次に、機体強度である。IAS1400km/h程度からハネポキのリスクが上昇。ロール+ヨーやピッチを入力するとあっさりと折れる。しかも片側のみ。高空ではあまり問題にならないが、低空を這う場合、マッハ1.3ですれ違った後に旋回、ドッグファイトに縺れ込もうとした瞬間に折れる。これでは高機動力のR-73、抜群の格闘性能を生かせない。基本的に1300km/hを超えたらロールやヨー、ピッチは最小にとどめ、それ以下になったら全力旋回するように心がけよう。そうすることで機体へのリスクを減らすことができるだろう。
これらの弱点を長所に変換しすることでソ連屈指の機体性能を存分に発揮することができるだろう。武運長久を願う。
【シミュレーターバトル】
--加筆求む--
史実
Su-27はスホーイ設計局(当時)が開発した戦闘機。西側からのNATOコードネームは「フランカー(Flanker)」。またロシアでは、スホーイ機に共通する愛称として「スーシュカ(Сушка:ロシアにおけるスホーイの表記「Су」をもじったあだ名)」などのニックネームでも呼ばれる。
日本やアメリカでは『ジュラーヴリク(Zhuravlik)』という愛称も広まっているが、これは本国ロシアではほとんど用いられていないようだ(搭載されている通信機に類似した名前のものがあり、それが誤解されて広まったと思われる)。
1960年代の終わり、ソ連防空軍はXB-70などの超音速爆撃機に対抗すべくMiG-25やMiG-31の開発、配備を進めていた。しかし、アメリカがMiG-25に対抗するため新型戦闘機開発*2を進めていたことから、ソ連空軍と防空軍としてもそれらに対抗しうる新型防空戦闘機の開発が急務とされていた。
従来、防空軍にとっての「迎撃戦闘機」として求められる要件は以下のようなものであった。
・敵機侵入空域にいち早く急行するための高速飛行性能(そして、それを発揮させるための大出力エンジン)
・大出力エンジンによる高速性能の発揮・航続能力を両立させるための大きな燃料搭載量(広大なソ連領内での運用には、長大な航続距離が必要とされるため)
・長距離空対空ミサイルとその火器管制装置の搭載能力(大型の戦略爆撃機を極力遠距離で撃墜するため)
・空力抵抗や兵装減少を招く増槽を搭載しない(能力を阻害しないため)
・可能な限り全てを機内搭載する
このため機体は必然的に大型化する傾向にあった*3。
なお、それまでに完成した迎撃戦闘機は、いずれも長射程の空対空ミサイルを装備して超音速で飛行すること以外の能力を殆ど持たない「対爆撃機迎撃専用機」として開発・配備されることになった、いわゆるミサイルキャリアー中心の運用だったわけである。しかしアメリカ空軍が空中給油の技術を完成させて小型の戦闘機に対する空中給油を可能にしたことにより、長距離戦略爆撃機にも戦闘機の護衛が付くこととなったこと、さらにベトナム戦争の戦訓から、領海に接近した空母機動部隊(今で言う空母打撃群)の搭載機による対地攻撃が大きな脅威となることも認識されるようになると、防空戦闘機であっても爆撃機以外との空中戦が発生することが想定されるようになった。つまり従来のソ連の迎撃戦闘機では護衛戦闘機と鉢合わせた場合確実に不利になってしまう恐れがあったわけである。
そのため新型防空戦闘機の開発に当たっては、従来の「高速性能」「航続能力」「長射程対空兵装の運用能力」「多弾数搭載能力」に加え「敵戦闘機と充分な機動戦闘が行える空中機動性能」が求められることとなった。この要求に基づいて、スホーイ設計局に設計開発が命じられた。
当局の命令に応じ、スホーイ設計局ではTsAGI(中央流体力学研究所)の研究結果を基に、流体工学的に優れているとされる機体形状を追求した機体の設計を進めた*4。提出された案は当局の認可を得て正式に「T-10」の設計局内名称が与えられ、試作機の製作が行われた。
T-10はオージー翼と呼ばれる緩やかな曲線を描いた後退翼の主翼を持つ機体であった。この機体は、ソビエトの実用戦闘機としては初のフライ・バイ・ワイヤによる機体制御を実装して完成され、1977年5月20日に初飛行を果たし、各種の飛行テストが進められた。しかし、迎え角が8度を超えるとLERXと主翼前縁から発生した渦が大きくなって交わり、気流が翼面から剥離することで激しい振動が発生するなど空中安定性が著しく不安定で、機体制御を司る電子機器の信頼性が低く、操縦安定性が極めて低くなど試験の結果は好ましいものとは言えなかった。という1978年には試作2号機であるT-10-2が完成し、さらなる飛行試験が続けられたが、T-10-2は超音速飛行試験中に主翼が空中分解を起こして墜落、パイロットが死亡するという事故を起こした。
この事故もありT-10設計の根本からの見直しを徹底的に討議・検討し実行した結果、機体のほぼすべての箇所で設計の見直しが行われた。設計が変わった代表的な点は以下の通り。
・T-10の特徴であったオージー翼をクリップトデルタ翼に変更。主翼前縁には前縁フラップを追加したほか、主翼後縁の操縦翼面を、内側のフラップと外側のエルロンから、双方の役目を兼用するフラッペロンに変更。
・ランディング・ギアの前脚の収納方式の変更。
・エアー・ブレーキは、左右の主翼下面前部の付け根付近で各1枚が下に展開する方式から、F-15と同様に胴体上部の1枚が上方に展開する方式に変更。
・2つの垂直尾翼を、左右エンジンナセルの上部からエンジンナセル外側に張り出したアウトリガーに上部に移設して垂直尾翼同士の間隔を広げると共に、アウトリガー下部にベントラルフィンを追加。
・胴体後部のエンジンの間を、薄い平板状のビーバー・テイルから長いテールコーン状に変更して、空気抵抗を減らすとともにドラッグ・シュートとチャフ・フレア・ディスペンサーが装備可能とした。
これらの設計改良が行われた試作7号機以降は、名称も「T-10S-1」と改称され、1981年4月20日に初飛行した。
T-10S-1の完成により、飛行性能は大幅に改善された。満足する性能を実現したとしてソビエト防空軍及び空軍への導入も決定した。その後、主翼端を曲線形状から直線形状に変更して、そこに空対空ミサイルのランチャーを取付け、垂直尾翼の上端の形状を水平にカットした形状から、前方から後方にかけて斜めにカットした形状に変更する改良が行われた。その後、「Су-27」の制式名称が与えられて量産が開始され、1982年11月には初期量産型の初号機がロールアウトしたが、開発段階からアビオニクス(電子機器)において、多くのトラブルが発生していた影響により、試験と評価のための引渡しが開始されたのは1985年までずれ込こんだ、配備は1986年から開始されている。
翌年にはコラ半島の沖合を飛行中にノルウェー空軍のP-3B対潜哨戒機から写真撮影され、初めてその姿を西側に曝した*5。
その後も様々な発展型が開発され、ソ連崩壊を得て現在も改良型、発展型がロシアなど複数の国で運用されている。
小ネタ
熟練したソビエト空軍のパイロットであれば、MiG-29とSu-27などは簡単に見分けがつくことだろうが、つかない?よかろうシベリアで砂の数を数えてきてくれたまえ。そうでないパイロットも多い事だろう。
特に上空からネームタグなしに見てみると、形がそっくりなのである。
通常、西側諸国の主力戦闘機F-15やF-14、F-16はお互いライバル関係で、塗料はもちろんのこと、ボルトの一本に至るまで機密の塊であった。なので、デザインはもとより空気力学的な設計は、他社であればまるっきり変わるのが常。
ところがSu-27とMiG-29を見てみよう。上から見ても前から見ても、キャノピーからボディに至る曲線や、二枚の垂直尾翼、主翼の形状、エンジンの配置までそっくりである。
これは、Suと接頭語のつく「スホーイ設計局」と、MiGで始まる「ミコヤン・グレヴィッチ設計局」はお互い仲良しだったからである。
仲良しというのは語弊があるかもしれぬが、Su-27は長距離を飛び、ソ連の空を守るというコンセプトに対し、MiGは局所的な防空任務、所謂前線戦闘機的な役割が与えられていた。これは周知の事実。ただしMiG-29の開発は一筋縄ではいかなかった。
1969年、「製品9」、のちにMiG-29と呼ばれることになるこの機体は、「PFI:先進的前線戦闘機」として開発が開始。軍から出たその要求は、
- 航続距離長くしてね!
- 火器管制能力、運動性は従来以上だよ!
- 離着陸性能やマッハ2くらいの最大速度はそのままね!
という、その無茶苦茶ぶりは、兵器開発に平気で無理難題を押し付けてくるアメリカにも全く引けをとらないものであった。このため、研究開発には全ソビエトの科学と知見、安い人員*7が最大限動員され、スホーイ設計局やTsAGIとも協力して行われる事になった。*6
結果、両者TsAGI*8の研究の内容を取り入れたため、同じような形になっているのである。本来であれば、デザインの盗用や力学的な特許を侵害されたと、相手を訴えることもおかしくないのだが、お互いの信頼関係や当時のソ連の国内情勢的に、とりあえず握手をしておいたようだ。
また、初飛行はSu-27が5か月*9早く、運用開始は*10MiG-29のほうが早いといったことも起きている。
ちなみに見分け方だが、
- Su-27のほうが大型で、増槽もない。またミサイルの搭載数が多い。
- MiG-29のほうが小型で増槽もある。
SBでは以上の点を気を付けると簡単に見分けれるようになるかも・・・?
これでも見分けれない?よろしい、ではシベリアで雑草の本数を数える仕事が待っているぞ。
さて、NATO諸国ではSu-27のことを「フランカー」と俗称を付けている。これはラガーマンならピンと来るであろうが、普通に生活を送っているうえではめったに聞かない言葉である。
そう、フランカーとはラグビー用語から来ているのだ。
そもそも、ラグビーにおけるフランカーとは、
スクラムの際は側面に位置取り、片方の肩のみ接触しているため、真っ先に飛び出し味方をサポートすることが求められます。 守備では果敢にタックルを仕掛けてボールを奪うなど、ルーズボールへの働きかけも重要な役割のひとつです。 単純に左フランカーを6番、右を7番とする場合もありますが、スクラムなどの際に、より広いスペース側を担当するオープンサイドフランカー(7番)と、反対側を担当するブラインドサイドフランカー(6番)に分けることもあります。 オープンサイドフランカーは、広いスペースをカバーする運動量とボールを奪う役目、ブラインドサイドフランカーは強靭なフィジカルで突破を阻む守備が求められます。 フォワード陣の中ではボールに絡む場面が多く、密集を突破したり、タックルで相手を止められるフィジカルの強い選手が多いのが特徴です。パワーと、自らランできるスピード、持久力が求められます。
*11
とのことだ。つまり、持ち前のフィジカルとスタミナ、そして機動力で敵中を強引に突破しながらも、友軍との連携を忘れず、動き回れる選手のことを言う。
ロシアではこのコードネームが逆輸入され、空軍などではこの名前で呼ばれることも多いそうだ。
大空を縦横無尽に飛び回り、豊富な武装を持つこの機体は、ラグビーでのフランカーの動きと瓜二つだったのかもしれない。
外部リンク
コメント
【注意事項】
- 誤解や混乱を防ぐために、使用感を話題にする際はゲームモード(AB/RB/SB)の明記をお願いします。
- 荒らし行為に対してはスルーしてください。不用意に荒らし行為に反応し、荒らしを助長した場合は、荒らし共々BANされる可能性もあります。
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