【幽霊船】

Last-modified: 2022-09-13 (火) 12:57:22

概要

その名の通り、【幽霊】が操縦しているとされる【船】
我々の世界においても怪奇現象として有名で、「フライング・ダッチマン号」を筆頭に世界各地で様々な伝承や目撃情報が存在するが、その正体は放棄された船、乗員が全滅、脱出した無人の船、沈没した後再浮上した船……そういったものが海流・風によって流されているに過ぎないとされている。中にはどこにも誰もいないのに「今まさにできたての食事があった」とか、「船内は妙に小綺麗で、船体にも重大な損傷は見られない」など、まるで【サントハイム】の神隠し事件のような調査記録も残っているが……。
 
ドラクエでは主にダンジョンとして登場しているが、その後【ゆうれい船】という名でまさかのモンスターズ出演を果たした。
 
同名のBGMは【幽霊船(曲名)】の項にて。

DQ3

嵐に遭って沈没した奴隷船が幽霊となって彷徨っているダンジョン。
【ロマリア】の近海(現実世界でいえば地中海)をさまよっているが、【ふなのりのほね】入手後でないと現れない。
逆に入手後であれば、ふなのりのほねをバシルーラ等のバグ技で手放しても、幽霊船は出現したままである。
ヒントとして【海賊の家】で、「船乗りの骨を使ったから、幽霊船に出くわしたのだろう」というセリフが聞ける。
ふなのりのほねを手に入れるとロマリア近海に出現し、船で隣接して乗り込むことができる。
FC版のみ、幽霊船が岩山以外の陸地に接していれば歩いて乗り込むことも可能。 
ここでは無実の罪で捕らえられた【エリック】の遺品【あいのおもいで】を手に入れることができ、【オリビアの岬】を越えられるようになる。
因みにここの宝箱は【パープルオーブ】が入っていた【ジパング】のものと同じ形。
 
モンスターが出現する正真正銘のダンジョンだが内部構造は特段複雑な訳でもなく、普通の船と同じで甲板と船室の2層構造のみ。
船内では【リレミト】が効かないが、町などと同じ扱いなので【ルーラ】で直接脱出できる。
ただしその場合、なぜかフィールド上で【ラナルータ】【やみのランプ】が効かなくなるというバグが生じる。恐らくはルーラで脱出すると幽霊船内でのラナルータ不可の設定が解除されないと考えられる。もっともルーラを使ったということはすぐ近くに町や城があるということであり、その中に入るなどするとバグが解除されるので、ほぼ実害は無い。
 
構造の簡素さに加え目的が愛の思い出を回収するだけなので、ほとんどの場合そう時間をかけずにクリアできる。
ただ、同名の専用BGMが用意されていることや、舵の傍にいるかつて船長だったと思われる者、奴隷や罪人の亡霊がおり、自らが死んだことも気付かず
「あ あらしがくるぞ!うああああ…」
「おぼれて しぬのは くるしい。しにたくねえよお!」
と悲鳴、悲哀の言葉を投げかけてくるといった、たったこれだけのダンジョンにしては勿体無いほど凝った造りになっている。
亡霊ではなく生きた人間として財宝を狙いに来たトレジャーハンターもいるが、愛の思い出以外のお宝はと言うと、特に大したものは無い。
 
また上述の通り通常とは異なる葛籠のような形状の宝箱だが、見た目に反して【ミミック】も1つ混じっている。これは【公式ガイドブック】にも載っていない。
肝心の愛の思い出は下層の南端にある宝箱に入っているが、周囲には特に何のイベントもなく中ボスなどもいない。当時のRPGでは珍しくもなく普通だったが、今の時代に初見でやる場合は適当に探索してひょいと拾えて拍子抜けするかもしれない。
エリック本人がいる場所からも離れており、何故こんなところに配置したのかは謎。
 
幽霊船だけあって、モンスターは水棲生物とアンデッドで構成されている。
基本的には海上にも普通に出る連中なので、さほど強くはない。
【くさったしたい】が集団で出てくることもあり、演出としてはそれなりだがやっぱり弱い。
強敵【テンタクルス】も生息しており、最大3匹で襲ってくるが、前述の通り短い上にボスも居ないので、多少消耗しても問題ない。
低エンカウント率もあり、【サマンオサ南の洞窟】を突破したパーティーなら苦戦はしないだろう。
 
悪魔型モンスターのシンボルに話しかけると【ミニデーモン】との戦闘になる。
一応固定キャラ扱いになっているらしく、逃げることはできないし【どくばり】で急所も突けないが、ここまで来られる強さなら多少レベルが低くても負けることはないだろう。
倒すと一旦シンボルが消滅するが、すぐ近くの階段を昇降するか、ランダム敵とエンカウントすると何度でも復活する。
これを利用して【ふこうのかぶと】のドロップを狙えるが、この少し後に行くことになる【ネクロゴンドの洞窟】ではザラキや焼けつく息などの使い手が出るので運の良さ0の呪い装備のデメリットはバカにならない。後々【バラモスの城】で1つは手に入るので、このタイミングでの入手のメリットはあまりない。
終盤になってもここには来られるうえ、必ず1体で出て簡単に倒せるので、複数入手を狙うのならばこの個体を狩りまくる価値はあるだろう。
 
普通の男性の姿をしたただのしかばねが転がっているが、なぜかこいつだけは【みずでっぽう】に反応する。また【レムオル】【きえさりそう】を使った【透明】状態でも反応する。
これは『ファミコン通信』1988年8号の裏技コーナー『禁断の秘技SPECIAL』で「しかばねさんコンニチワ!」というネタで紹介されていた。
 
なおFC版ではふなのりのほねの入手後でさえあれば、幽霊船はアレフガルドにも出現する。
いや、実際に出現するわけではないのだが、「幽霊船のいる座標」はアレフガルドにも存在するのだ。
原因は【世界樹】等と同様、フィールド上のイベントは二つの世界間で座標を共有しているため。
その座標には何も無く、幽霊船も移動しないが、そこが海だった場合は歩くことができる。
更にその座標が陸地に隣接していた場合、船→幽霊船の座標→上陸と辿ることで、海のBGMのままアレフガルドの陸地を歩くことができる。

リメイク版

パーティが使用する船と同じグラフィックであるFC版(および後のガラケー版~Switch版)とは違い、SFC版ではボロボロで暗い色の固有のグラフィックが用意された。
またFC版と違って陸地から乗り込むことはできなくなった。
船内で地図を見ようとすると、【天界】同様現在地不明と表示される。
 
舵を調べると「勝手に動いている…」というメッセージが出る。
ここを漂っている人魂は、【ほこらの牢獄】と違って緑色で中に人の顔らしき影が映っているホラー仕様。
SFC版【公式ガイドブック】のマップ写真には、よく見るとこの人魂が1つだけ映ってしまっている。
【ミニデーモン】も健在だが、エンカウントや階段の昇降では復活しなくなった。幽霊船を出て入り直すと復活する。
 
なおWii版公式ガイドおよび【みちくさ冒険ガイド】では、「おら、人を殺しちまったでな」と言う囚人が「まだ生きている人間」として紹介されているが、最初に言うようにこの船は嵐によってとうの昔に沈没している。
乗員も普通に話してはいても皆一様に「死んだことに気付いていない」だけのゾンビや幽霊の類である。
そんな中で彼だけが生存しているというのはにわかに信じがたい話である。

小説版

パーティとテンタクルスとの死闘の末にボロボロとなり、パーティの脱出後にテンタクルスの遺体もろとも沈んで行った。
なお幽霊やゾンビの類は登場せず。

DQ11S

【ボイスドラマ】、ふたりの盗賊と伝説の秘宝に登場する【ドン・カンノーリ】?の豪華客船「クイーンスライム号」の正体はこれだった。

DQM2、イルルカ

かつて暴虐の限りを尽くした海賊たちの、朽ち果てた船。
穴の開いた船底から内部に入ることが出来る。
船内は甲板を含めた3層構造になっており、イルルカではなかなかの広さを感じるだろう。
毒沼もあるが宝箱回収、船長室に行くなら入る必要はない。
内部には【ゾンビ系】のモンスターがはびこっており、通路と船長室前は【ボーンプリズナー】に塞がれている。
彼らを倒さないことには先に進むことは叶わない。
船長室に行くと未だ成仏できない【ゆうれいせんちょう】とお供のボーンプリズナーとの戦闘になり、撃破すると【つきのいし】が手に入る。
なお、オリジナル版では船長撃破後に陸へと流れついて消滅し二度と入れなくなる一方で、イルルカ3Dでは船が消えるシーンが入るがクリア後の夜に訪れれば復活している。
 
ちなみにイルルカ(とテリワン3D)には幽霊船がモンスターとしても登場している為、パーティに加えていく事で「幽霊船の中に幽霊船がいる」という訳の分からない状況を作り出す事が可能(似たような状況で【マンモデウスの中】【マンモデウス】【オリハルゴンの上】【オリハルゴン】がいるというのもある)。

イルルカSP

クリア後、甲板に【キャプテン・クロウ】が出現し、倒せば(無理やり)仲間に加わるイベントが追加された。

DQMCH

チートを用いて海を歩くとエンカウントすることがある。実質没イベント。

いたストシリーズ

DS・Wii・30thに登場している。
|><><| ←こんな感じの形をしたステージ。左端中央に銀行がある。
中央の2エリアは大型店舗を作っても回避される可能性大。
BGMはDSとWiiでは【冒険の旅】だったが、30thで幽霊船に変更された。

30thではスライムコースの2戦目で、対戦相手は【アリーナ】、ミンフィリア(FF14)、スコール(FF8)、予備枠でジタン(FF9)。

アベル伝説

【ドランの都】から西にある霧に包まれた海域を彷徨っており、「亡霊の島」と呼ばれる。【竜伝説】にまつわる地の一つ。
【ラーのかがみ】でドランの偽国王の正体を暴きたいという【サーラ】王女と【アベル】一行の目的が一致し、共に【バハラタ】の船で向かう。
【ふなのりのほね】を頼りに探索した結果、一行は鏡を手に入れるが、それを阻止しようと追跡していた【ジキド】に襲われる。戦闘の末【メラゾーマ】で船ごと破壊されたが、【ヤナック】【リレミト】のおかげで一行の命は救われた。