その他/【LIVE A LIVE】

Last-modified: 2023-10-12 (木) 20:12:31

概要

1994年9月2日に発売されたSFC用ゲームソフト。タイトルは『ライブ・ア・ライブ』と読む。
ディレクターは時田貴司、シナリオライターは時田と井上信行

  • 尚、時田氏はこれの開発終了後に即座にクロノ・トリガーの開発スタッフに参加するなどハードスケジュールだった模様。

この作品は元々コロコロコミックの企画が発端で、小学館の協力の元に作られており、初期の7つの編(原始・幕末・功夫・西部・現代・近未来・SF)のキャラクターデザインは青山剛昌(名探偵コナン)など、当時小学館に所属していた7人の漫画家たちが担当していた。
作曲も、当時カプコンからスクウェアへ移籍したばかりのストIIを手掛けた作曲者下村陽子(後にキングダムハーツなども担当)を迎えるなど、豪華なメンバーが集まっていた。
…のだが、発売時期的にFF6クロノトリガーの陰に隠れてしまい、当時のスクウェアの中ではマイナーな部類に属する作品となってしまっている。

  • 戦闘システムはチェッカーバトルシステムを採用しており、7人構成や戦闘システムから「ファミコンジャンプ最強の7人」を意識しているところが見られる。
  • 7人の漫画家の方も先に挙げた二人以外は中堅作家でこっちも割とマイナー。
    田村由美は少女漫画の方なので男性への知名度は低いが、長編作家ということもあって女性への知名度は結構ある。
    • 田村女史はリメイク版発売と同時期に「ミステリと言う勿れ」が大ヒットした為、一気に知名度が上がった。と同時に原作の関わりを知った新規ファンが年季の長さに驚いた話も。
  • 藤原氏、石渡氏はメインが青年誌なので馴染みが薄いと思うが、島本氏は「逆境ナイン」「アオイホノオ」と実写化に恵まれ、皆川氏は「スプリガン」「ARMS」「ピースメーカー」とコンスタントにヒット作を出しているので決してマイナーではない。青山氏が飛び抜けているだけで。

タイトルロゴは"A"を境に鏡映しに【LIVE A Ǝ VI˩ 】のようになっている。
また、"LIVE"(生)を逆に綴ると"EVIL"(悪)になる。中世編や最終編辺りと絡めて深読みするのも一興か。


あの世で詫び続けるRPG。
時田氏の最高傑作とする声も多い。


バーチャルコンソールでの復刻も長らく待ち望まれていたが、7人ものマンガ家と小学館の権利が絡んでいるので、困難だと思われていた。

  • なお、最近もiTunesでサントラが復刻配信される、特別企画でノベライズ短編が作られるなど、権利関係は複雑なもののスクエニから忘れ去られていた訳ではなかったようだ。
    • スクエニというより時田氏にとって、FF4同様、我が子に等しい作品だろう。むしろ、FFシリーズの名を冠していないこちらのほうが、本当の意味での我が子かもしれない。
    • 未だに各種インタビューの際の時田氏の代表作の紹介に、FF4と半熟英雄と並んで「ライブ・ア・ライブ」の名前が出ているのも、LALファンとしては嬉しい限りである。
    • サントラCDの方は2012年5月に復刻発売された。限定攻略本「公式ガイドブックLimited Edition」収録曲もボーナストラックとして復活している。
  • その後、発売から20余年の2015年6月24日からついにWii Uのバーチャルコンソールで配信が開始された。
    【視聴覚室】
    WiiU版VCのダイジェスト映像

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    • これに伴い、FFL 時空ノ水晶やホーリーダンジョン等スマートフォンゲームとのコラボも大々的に行われた(FFL関連は後述)。
    • リメイクされていなかったのはデータが揃わなかった為。このことはニンドリ2015年9月号で時田が語っていた。
    • 2016年11月28日、New3DS版のバーチャルコンソールが配信された。
  • 2022年7月22日にキャラクターボイス付き、HD-2D化されたフルリメイク版が発売した。
    • リメイク版に当たって酒類などの規制対象となっている物のアイテム類が修正され、更に近年サガコレクション発売辺りから規制されている、アジア圏でのインド仏教を含む仏教が宗教規制の対象になってしまい、その辺りも修正されている。

ライブ・ア・ライブのWiiUでのVC配信および発売20周年を記念して、2015年6月30日から7月7日までの期間限定で『ファイナルファンタジーレジェンズ 時空ノ水晶』に本作の中世編の主人公「オルステッド(オディオ)」がボスとしてゲスト出演。
さらに、期間中に出現するイベントクエストに参加することで、コラボ限定の召喚獣の力を宿した幻石「ピュアオディオ」を手に入れることができた。
BGMとして「LIVE・A・LIVE」「魔王オディオ」「MEGALOMANIA」も使用。


FFなどでは描かれない「善」と「悪」の対極性と表裏一体性を描いている作品。その最たるものが中世編。
演出が細かく作りこまれており、燃える展開・ギャグといったものも忘れていない。

  • この「善」と「悪」の表裏一体性は LIVE A ヨVI」 というタイトルロゴにもよくあらわれていると言えるだろう。
    人間の「生(LIVE)」と、人生を送る上で必然的に発生してしまう人間の「業(EVIL)」を描き出した作品が『LIVE A ヨVI」』なのである。
    • 善・悪は属性として扱われている部分もある。
    • そのせいか、全編のラスボスはとても「悪」とは言い切れない存在が多い。
      中世編・最終編は言うに及ばず、幕末編も当時の情勢からすればひとつの手ではあるし、近未来編・SF編・西部編の奴らは理不尽を押し付けられた側の存在である。
      • 一方で、功夫編や現代編のラスボスは欲望に赴き周囲を不幸にした純然たる悪である。しかし経緯を見るとある意味「主人公もこうなってしまうかもしれない」存在ともいえる。こういった表裏一体・負の感情や業に抗う葛藤もまた本作の魅力であろう。そして最終編に一連のテーマが集結している。

FFと関連する要素

ここでは、極力FFと関連する事項を説明するだけに留める。

各編共通のシステム・イベント

手持ちの装備品の中から最強の物を自動的に選んで装備してくれる「勝手に装備」というコマンドがある。
FFの「さいきょう」コマンドに相当するが、攻撃力・防御力の高さだけを考慮して選ぶ(能力ボーナスや耐性は考慮しない)。正直FFより使い勝手は悪い。


幕末編、功夫編、現代編、近未来編の主人公には漢字で名前を付けることが出来る。
一通り揃っているように見えるものの、こだわる人にとっては使える漢字のラインナップが絶妙に不足していて、どこか必殺剣を彷彿させてしまう。

  • 例えば、功夫編で「北斗神(拳)」を入力しようにも「斗」がなかったりする。

太古の昔よりはるかなる未来まで、平和なる時も混乱の世にも、あらゆる場所、あらゆる時代で悲惨な目に遭うワタナベ親子にはなんとなくビッグスとウェッジに通じるものがある。


時田氏が手懸けた半熟英雄からのネタもある。

  • また、本作品の発売後に制作された3,4作目の半熟英雄にも本作品のネタが登場する。

戦闘で敵のリーダーを倒すと、手下が自動的に全滅する「ブレイクダウン」というシステムがある。
FF6のダダルマーエアフォースロマサガ2の運河要塞の門などと同じシステム。
後にクロノ・トリガーにも引き継がれた。


バトルシステムはバンダイの「ファミコンジャンプ2」と類似している。

  • そのためそれを捩って「スーファミサンデー」と揶揄されることも。
  • バトルシステムはトレジャーハンターGに受け継がれた。
  • 余談だが、ファミコンジャンプ2のプレイ動画をニコニコ動画等で視聴していると、『まじかる☆タルるートくん』のエリアにたこ焼き屋のまっつぁん(本名:浪速松五郎)が出て来るシーンにて「通りすがりの‥‥たい(たこ)焼き屋サンよ!」「(そうだろ 松ッ!!)」といったコメントを見かけることがあるが、これは近未来編に登場するたいやき屋の無法松(本名:マツイケンイチ)やその弟分であるアキラの台詞にあやかったものである。
  • FFシリーズのATBよろしく、(リアルタイムでの時間経過はないものの)行動が発動するまでの待ち時間があったり、行動順が回ってきた個人単位でコマンド入力をするシステムになっている。

それぞれのシナリオは短いながら、初期7編のいずれもやりこみ要素が豊富。
……と言うより、短いのでサクッとプレイできるぶん、FFよりやりこみの間口は広いかも知れないソフト。
功夫編の主人公が中途の選択次第で3タイプに分岐する他、各編クリア時の主人公のレベルと技、
そして武器防具5つと装飾品5つからなる装備アイテムはいずれも最終編へ持ち越せるようになっており、
これをどのような状態でシナリオクリアするかが主なやりこみポイントとなる(なお通貨は存在しない)。
そのままだとあまり使えないアイテムを最終編持ち越しのためだけに装飾品として装備したり、
技の欄を少しでも埋めてから進むために特定の敵相手に延々と粘ってみたり、
最終編のアイテムドロップを睨んで主人公のレベルをわざと抑えたり、こだわるとなかなか奥深い。
中世編をクリアするまでなら初期7編は何度でも遊び直せるので、いろいろ吟味するのも楽しいだろう。
もちろん最終編だけでもかなり強化できるので、悩まずクリアしていっても特に問題は無い。


TFFCCのDLCで、2015年2月18日より本作のボス戦BGM「MEGALOMANIA」がBMSとして配信された。


どんでんがえしの中世編ばかり話に上がるが、他の七編も実験的試みが多いのでぜひ体験してほしい。


特定の攻撃に対してカウンターを発動させるのはFFシリーズによく似ているが、「味方側もただの攻撃によるカウンターではなく、多種多様な技でカウンターできる」のが新鮮。味方がコレを使いこなすとどれだけ凶悪かよくわかる。

  • カウンターにそれぞれ条件がある点も一緒なので、味方がこれを使う=どのカウンターを誘発させるかを考える必要がある。
  • 終盤になって使える技が多くなってくると(特にカウンター技)カウンター技だけで倒せてしまうこともある。パーティーメンバーはカウンター技が多く強い奴を中心に組めば雑魚相手なら実質オートバトルといってもいいくらい自分では何もしなくてもいいこともある。ぶっちゃけこのゲーム戦闘にかかる時間が長すぎる割につまんないから実際そうしている人も結構多い。

幕末編

野村絵師もスタッフとして参加している。
しかし、グラフィック関連ではなく「土佐弁監修」としてである。


本作の幕末編には「魔神竜之介」と「岩間さま」という2体の隠しボスが登場するが、この2体はFF5の神竜オメガをモデルにしたとの説がある。
以下に列挙したような要素が、FF5のそれらと酷似しているのが主な理由。

魔神竜之介に関して

  • 幕末編最強の武器ムラマサを守っている。神竜は最強の武器ラグナロクを守っている。
  • 名前に神竜の文字が入っている。
  • ボス戦の音楽が流れる。神竜と同様。
  • 破道法という技を使う。オメガも波動砲を使う。

岩間さまに関して

  • お堀の中を泳いでいる。オメガはダンジョンの一つの場所を徘徊している。
  • 名前を音読みすると「ガンマ(Γ)」と読め、オメガ(Ω)と同じギリシャ文字である。
    ただし攻略本では2冊とも読み仮名は「いわま」となっている。
  • 雑魚戦の音楽が流れる。オメガも同様。
  • 水呼びという技を使う。神竜も同様のコンセプトのタイダルウェイブを使う。

類似する特技に関しては、それぞれ使用者が入れ替わっているという違いがある。
このボスに関する開発スタッフからの見解などは特にない(はず)が、ここまで似ていると無関係とは到底思えない。
と言うかもはやユーザーの間では定説である。

  • 近年開発スタッフのtwitterより、「岩間様は最初御目我(おめが)様だったのだが、FF5ではなくFF6に合わそうという判断により岩間さまになった」ということが判明した。
  • なお、本編とは無関係で戦う必要はなく、それぞれ幕末編のラスボスよりも強い。

さらに魔神竜之介の隠し部屋を反対側に進むと、「小判くれ壺」という喋る壺がいる。
いきなり小判を要求してきて、一定枚数入れると技を覚えられるというイベントで、FF6のエボシ岩の洞窟にいたサンゴのかけらを欲しがる宝箱を彷彿とさせる。
少しだけあげても無駄で、一度に大量にあげなければならないのもFF6と同じ。


岩間さまは「水神のウロコ」というアクセサリを落とすが、後のFF7やDFFにも似た名前の「水神様のうろこ」が登場している。
当然SFCのこの作品のほうがPSやPSPのFF7やDFFより先ではあるが…。


牢屋に囚われている五ェ門なる人物を解放するかどうか選べるイベントがある。
FF5のこそドロ一匹オオカミの件を知っていると解放するのを躊躇ってしまいそうだが、あちらとは逆に一度取った宝箱の中身を復活させるという形で恩をしっかり返してくれる。


ゲーム雑誌に掲載分として有名なのが、幕末編の抜け忍の末路(追っ手を切り抜けても最後は死ぬ)である。


異様に隠し要素が多く、初プレイではその半分ほどしか気付かないだろう。
「ニューゲーム時のカーソルに合っているこの話から遊んでみよう」という初心者をどん底に叩き落としてくれる。
攻略本に載っておらず、発売から実に11年後に2chスレの有志達によって条件が確定され、広く知られるようになった「けっこんおめでとり~」なるイベントもあったりする。
薬師バグを彷彿とさせる。


カネサダコテツムラマサも登場。
「ヨシユキ」という刀も登場するが、これは陸奥守と元ネタは同じである。


幕末編の主人公は、敵の使った特定の技を自分のものにできるという、ラーニングの様な能力を持っている。


FFレジェンズのマトリクス側の開発室にて「ありあり」なる忍者が登場。
元ネタはライブアライブの幕末編に登場する「五忍者」。
さらには使用する技も幕末編主人公「おぼろ丸」の技である。
FFでライブアライブネタが出るのはもしかしてこれが初めて?

  • 五忍者自体が、半熟英雄2作目のゴニンジャーのセルフパロディだと思われるので、それも含めての「時田作品としてのネタ」か。

功夫編

チャン・リン・シャンというメーガス三姉妹をモチーフにしたようなボスが登場する。

  • 三姉妹をモチーフにしたボスの3人の中にちょっと残念な奴が1人混じっているというのもしっかりリスペクトされていたりする……。
    • というか美女2人の中に残念な奴が1人紛れてこそのメーガス三姉妹では?
  • 因みに「チャン・リン・シャン」というフレーズはライオンから発売されたリンスインシャンプーのキャッチコピー「ちゃんリンスしてくれる シャンプーです」の略。
    • 当時の世代の人なら「♪チャン・リン・シャン♪ソフト・イン・ワン♪」というCMのフレーズは妙に耳に残った人が多いのではないだろうか。
    • 同じシーンに出てくる他のボスの命名規則が麻雀用語で統一されてたから、全帯公or槍槓と嶺上牌が由来だと思ってたわ。
      • 三姉妹以外にイーシ、アルシ、サンシ、スーシに該当する麻雀用語がないんだよね。数だけ取り出しても、2は麻雀だと普通リャンって言うし。

功夫編には幕末編、現代編とは逆に主人公が弟子に技を繰り出して、弟子にその技をラーニングさせていくイベントがある。


TFFCCのDLCで、2015年3月18日より功夫編テーマ曲「鳥児在天空飛翔 魚児在河里游泳」がFMSとして、それぞれ配信された。

SF編

ベヒーモスが登場。強いなんてもんじゃない。触れるだけで即死する。

  • 後にベヒーモスの視点からSF編を描いたライトノベルも書かれた。

SF編は音と明度の扱いがかなり練られており、シナリオやベヒーモスと相まって初見では普通に怖い。


宇宙船の中で次々と人が死んでいく、パニックホラー。
逃げられない空間で犯人が分からないまま、精神的に追い詰められる。
上記ベヒーモスは最初は隔離部屋で、鳴き声を聞いたり各方向から観察したりできて微笑ましいが、
物語が進むと脱走し、あちこちで唐突に登場してはゲームオーバーに追い込んでくる。


目立たないパロディとしては、SF編におけるレイチェルがあるかと。
FFの方ではレイチェルが死んで恋人のロックがその死体を偶然にできた秘薬で生きているかのように保存していたが、こちらの方ではレイチェルが死んだ恋人のカークの死体を持ち出して自分の部屋で生きているかのように接していた。

現代編

現代編は発売当時、一大ブームになっていた格闘ゲームのノリを再現している(対戦相手の選択画面とかまんま格ゲーのキャラ選択)

  • ちなみに作曲の下村陽子氏は本作以前にはカプコンに在籍しており、まさにその格ゲーブームの開祖と言える「ストリートファイターII」の楽曲の殆どを手がけていた。ある意味で現代編はセルフパロディと言えなくもない。

現代編の主人公、高原(たかはら) 日勝(まさる)は「森部のじーさんの奥が!」という台詞を発言する。
……明らかに誤字であり、実は数ヶ月前発売されたFF6にて、「たわごとなど、ききたくないわ!」で有名なバルガスが「自らあみだした奥技!」とLALに先駆けて発言している。

  • なお正しい字は「奥義」。
    もっと言うと、そのも「でも主人もあなたに奥技を残せて思い残すことはないでしょう」とミスしている。

現代編の主人公は、敵の使った特定の技を自分のものにできるという、ラーニングの様な能力を持っている。

  • ただし、FFシリーズや幕末編の同能力とは違い、なんとこちらは「喰らった瞬間」に即座に習得する。
    つまりアポカリョープスのラーニングに近い。

西部編

西部編は町中から素早くアイテムを回収して罠や武器を作り、ならず者を迎え撃つシナリオである。
リアルタイムでカウントダウンが行われるが、FF6と違って、メニュー画面を開いている間は時間が止まっている。

  • どこでもセーブができるシステムゆえ、時間制限イベントにまつわるハマリを回避させるため、メタではあるもののスタート時に「ここでセーブしたほうがいい」というアドバイスが聞ける。こういうセーブにまつわる危険性の警告は、同じ時田氏が深く関わるFF4TAなどでも見られる。

西部編には、銃のピースメーカーバントラインがFF7に先駆けて登場。

原始編

原始編はまだ「言葉」がないためストーリーはキャラの表情と吹き出しで表現されるというかなり珍しい魅せ方で話が進んでいく。


原始のオディオはジャンプに似た攻撃を使用してくる。


幕末編同様、異様に隠し要素が多く、初プレイではその半分ほどしか気付かないだろう。
FF9に先駆けて合成システムが登場したが、やはり強いアイテムを手に入れるには前知識が必要になる。
「特定のイベントまで進んでから引き返し、何の変哲もない岩に100回話しかけてから特定のアイテムを設置しに行く」なんてイベントも存在するが、こんなのとてもノーヒントでは分かりっこない。
「年代的に古い話から遊んでみよう」という初心者をどん底に叩き落としてくれる。

近未来編

孤児院のオルガンを調べると曲を弾き、ランダムでチョコボのテーマが流れることがある。


近未来編には金のかみかざりサンゴのゆびわが登場。前者は知+の頭装備、後者は水耐性のアクセサリという扱い。

  • ポーションNO9という回復アイテムも登場。
    これの元ネタはおそらく「ラヴ・ポーションNo.9」にFFの回復アイテム「ポーション」を掛けたもの。

中世編

本作品は異なる時代を舞台にした7(+α)編のシナリオで構成されるオムニバス作品だが、その中でもゲーム後半部分のシナリオである中世編はFF4のシナリオ、特にセシルたちの三角関係をオマージュしたものとなっており、劇中でオルステッド、ストレイボウ、アリシアがたどる運命はセシルカインローザのもう一つの末路とも言える。
巨悪に打ち勝つために闇の力を捨てたセシルとは逆に、魔王を討つために闇の力(?)を得たオルステッド*1など、二つのシナリオを対比してみるとなかなか面白いかもしれない。

  • オルステッドの容姿は書き下ろしイラストが無いため、攻略本などのイラストを手がけているスタッフによるオリジナルであり、初期FFの戦士に酷似している。特にリメイク版FF1の戦士は金髪にオレンジ鎧とまさにクリソツ。
    セルフパロディの一環だろうか。
  • 髪の色や髪型が、オルステッド⇒カイン、ストレイボウ⇒セシルに見えなくもない。

中世編を題材にした演劇作品「魔王降臨」にてストレイボウを演じた程嶋しづマは、後にDS版FF4でセシルの声を演じている。
裏切る側から裏切られる側へと転身を遂げたと言えよう。
更にリメイク版ではストレイボウのCVを程嶋氏が担当、もはやストレイボウと程嶋氏はFF4と合わせて切っても切れない関係となった。


ファンタジー作品の王道とも言える始まり方をした中世編。
システム面も他のシナリオより従来のRPGに近いものとなっている。
しかし中盤にとんでもないどんでん返しが待っていた。


中世編にはアイスヘルムガントレットかわよろいかわのこてかわのブーツ聖水が登場。「ディフェンダー」という剣も登場するが、攻撃力は低く、防具として装備すると真価を発揮する。

  • フレームアーマーも登場するが、強力な防具なのに最終編で入手できないのが悲しい。
  • ユニコーンの角ならぬ「ユニコーンホーン」というアイテムが登場。使うと状態異常を治せる回復アイテムだが、アクセサリとして装備も可能。
  • サーリット」という頭防具も登場する。

中世編は世界観がドラゴンクエストのような剣と魔法の中世ヨーロッパ風ファンタジーとなっており、魔王にさらわれたお姫様を、勇者が仲間たちの力を借りて助けるというのがストーリーの骨子となっている。
さらにはライブアライブでは珍しく「ランダムエンカウント」、「主人公が(ドラクエなどのRPGのように)喋らない=主人公はプレイヤーの分身」という、初期のRPGの雰囲気を色濃く反映させたシナリオとなっている。
それだけに「古き良き昔のRPGの常識を覆す」中世編最終盤の衝撃は大きく、その展開をきっかけに突然「主人公が喋り出す」ことになる。
それは今までの「主人公=プレイヤーの分身」から、「主人公≠プレイヤーの分身」になってしまったことを意味しており、操作していたプレイヤーの意志に反して暴走を起こすことになる。

  • これは、世に言うプログラムの暴走に等しいもので、未来編におけるマザーの暴走もこれの伏線だったといえる。

今までのシナリオは「おしまい」や「THE END」といった完結を意味するフレーズで締め括られるものの、この中世編は「TO BE CONTINUED‥」というしっくり来ないフレーズで終了してしまう。
是非ともこのシナリオの続きを確かめるべく、最終編でオルステッドを選びたくなるところだが、更なる悲劇が待ち構えている。
なお、取り返しが付くよう、中世編のラスボスとの対決のデータを別のセーブ箇所に記録しておくことを強くオススメする。

最終編

それぞれのオディオを倒した世界を生きるオルステッド以外の主人公達は、もう一人のオディオの手によって異世界へ連れてこられてしまった。
自分達の世界へ帰るべく、主人公達は最後の戦いに向かう。


中世編でアイテムを取らずにおくと、最終編で同系統の別アイテムとして入手できる。
FF6のナルシェ炭鉱などの宝箱を思わせるシステム。


最終編は、パーティのレベルによって雑魚敵の強さも変動していくシステムが採用されている。

  • FF8のようにずっと同じ敵が出現してそいつのパラメータが上がっていくシステムではなく、どちらかと言うとロマサガのように強い敵に入れ替わっていくタイプ。

最終編には、最強の刀としてムラサメが登場。


グラシャラボラスというザコ敵が登場。FFとは違い、巨人ではなく鵺のような和風デザインのキメラモンスター。

  • ダイダロスという敵もいるが、こちらはなぜか侍の姿である。
  • イシュタールという敵もいる。アスタロートと元ネタは同じ。…本作では男とも女ともつかない蛇人間だが。
    • イシュタルとアスタロトを同一と言われると、バハムートとベヒーモスは同じ、に近いものを感じる…

最終編に登場する世界滅亡エンディングは、クロノ・トリガーに受け継がれた。


最終編は絶望的な状況で開始するが、最初にエンカウントした通常戦闘において感じるかすかな希望を信じ、最後まで突き進んでほしい。
プレイヤーが選んだオルステッド以外の主人公と同じくして各地に飛ばされたもう6人の主人公との出会い、時には別れ(二軍落ち)を味わい、その果てに見事黒幕を撃破した暁には、FF6のED曲を彷彿させる各主人公のテーマ曲が散りばめられた華々しいEDを見ることが出来るだろう(逆に全員と会わないと遺影にすらならずプレイヤーが選んだ主人公のテーマ曲しか流れない地味なEDになるので注意)。


*1 オルステッドの最強技である「デストレイル」は悪属性である