モンスター/シーウー

Last-modified: 2025-11-24 (月) 08:51:50
種族
頭足種
別名
暗器蛸(あんきしょう)
英語表記
Xu Wu
登場作品
MHWilds
狩猟地
竜都の跡形

目次

生態・特徴

樹皮を想わせるような皺が目立つ弾力性に富んだ漆黒色の外皮、眼が存在しない巨大な頭部、
表と裏で色合いや印象が大きく異なる胴体部、そして特殊な体液を常に分泌する触手などが特徴の大型の頭足種。
大型モンスターの中では比較的小柄な部類ではあるが、
極めて個性的な容姿や特徴、そして自分よりも体格で勝る生物をも捕食対象と見做す貪食性を持ち、
単純な危険性に関して言えば、頭足種の中でもより大型である獄焔蛸ヌ・エグドラにも決して劣らない。
触手から分泌される体液は空気に触れると瞬く間に硬質化する性質があり、
これを鋭い刃物のような形状に固めて武器として振るうという驚くべき習性を持つ。
この体液は純度が高いものほどより硬質化する性質があり、そのような体液を分泌できる個体ほど手強いとされる。
前述のように眼は存在しないものの、他の感覚器官は極めて鋭敏に発達しているらしく、
正確に獲物の位置を把握し、死角に潜り込むように動き、奇襲を仕掛けて一撃で仕留める。
柔軟な体躯によって狭い隙間にも容易に潜り込むことが可能で、
直前まで目の前にいたと思いきや、壁や地面の裂け目に素早く潜り込んで相手の視界から消え、
次の瞬間には思いもよらない方向から刃が形成された触手を伸ばしてくるなど、戦い方も狡猾且つ無慈悲。
さらに硬化した体液は取り外しも自由自在で、
距離を置く相手に対して投げナイフのように射出するといった小技も持つ。
このような攻撃の数々はまるで隠し持った凶刃を取り出しつつターゲットを襲う暗殺者のようであり、
ハンターズギルドからは《暗器蛸》という別名でも呼ばれている。
ちなみに頭部には金色に輝く角のような角質が見られるが、これも元々は硬質化する体液に由来するもの。
ただしこれを武器として活用する姿はほとんど見られない。
興奮がピークに達すると体液の一部が気化し、
頭部と胴体部の境目が青白く発光しながら蒸気のような白い煙を吹き始める。
胴体の裏面は鮮やかな群青色の皮の上に金色の牙が同心円状に立ち並ぶ悍ましい構造となっており、
その中心には捕食用の大きな口が存在する。
牙は恐るべき強度と鋭さを兼ね備えており、ハンターの武具さえも噛み砕きかねない力を持つ。
時と場合によっては身体を自ら裏返して牙を剥き出しにし、直後に身体を回転させながら飛び掛かり、
巻き込まれた獲物の肉を直接抉り取るという大胆且つ凶悪な攻撃を披露することもある。
捕食のチャンスと見ると、獲物がまだ生きていようがいまいが胴体部を広げて覆い被さり、
自慢の牙で噛み砕きながら中心部へ引き込もうとする。
力自慢の大型モンスターであれば死に物狂いで暴れ続けることで
強引に拘束を振り解いて逃れることも不可能ではないかもしれないが、
人間の場合は力任せに拘束から抜け出すことはまず不可能であり、
完全に呑み込まれてしまえば如何に強固な装備に身を包んでいたとしても命の保証は無い。
ちなみに口部は最も肉質が柔らかいシーウー最大の弱点でもあり、
ここが露出する瞬間はある意味で最大級の反撃のチャンスとも言える。
しかしながら捕食という形での死が文字通り目前に迫る状況で、
頑強な牙を避けつつ口部を的確に攻撃できるハンターは限られると思われる。
なお、シーウーは定期的に自分の触手を自分の口内に挿し入れ、
消化できずに体内に残留した骨や異物を掻き出す、言わば口内の掃除を行う様子が度々確認されている。
強靭な牙や消化液によって取り出された物体が原型を留めていることは滅多に無いが、
素材や周辺の環境に深い知識を持つハンターや編纂者、あるいは職人などであれば、
その痕跡から当個体が最近どのようなものを食べたのかを推察することもできるかもしれない。
それなりの広さがある洞窟や横穴などを生活の拠点とすべく巣を作る。
シーウーの巣の床面には獲物とされた数多の生物の死骸や骨が無造作に打ち捨てられている場合が多く、
偶然にもその陰惨な光景を目撃したならば、本種の狩猟が目的である場合を除き即時撤退が推奨される。
また、シーウーの巣の中では天井から糸のようなもので吊るされたぼんやりと発光する球状の物体や、
同じように発光しながら空中を浮遊する小型生物が目撃されることがあるが、
これはそれぞれシーウーの卵、そして「シウシウ」と呼ばれる生後間もないシーウーの幼体である。
シウシウは群れでの出現が確認されることもあるが、基本的には統率の取れた動きはしないため、
おそらくはほぼ同時期に生まれた個体がその場に集まっているだけと考えられている。
シウシウは生後からしばらくは卵に蓄えられていた栄養分を糧に成長するが、
それ以降の食性については未だ不明であり、どのような過程を経て成長し、
最終的にどれほどの年月をかけてシーウーの姿へとなるのかは研究中である。
シーウーの外皮や触手は刃物すらも容易には通さない驚異的な弾力性を誇り、
加工次第で武器としても防具としても大いに利用できる可能性を秘める。
ただ丈夫なだけでなくその色合いから闇に紛れやすく、
静穏性にも長ける事から隠密活動に適するとされ、その性質から特殊な職種の人物に好まれるという。
しかし、あまりの弾力性により加工の難度は高く、職人の腕が試される素材としても有名。
また、上質なシーウーの触手は工房にて加工を施している最中に突然蠢き出すことがある。
新鮮な素材に残された強靭な生命力と筋力の賜物と言える事例ではあるが、
そのような経緯もあって他のモンスター素材とは異なる意味でも取り扱いには注意を要する。
「竜都の跡形」の生態系とシーウー
ハンターズギルドによって近年まで「禁足地」と指定されていたとある地域には
俄かには信じ難い、極めて異質な生態系が構築された地域が存在する。
「竜都の跡形」と通称されているその地はかつて非常に高度な文明が栄えていたとされるが、
およそ1,000年前に滅亡し、現在では無人と化している……と、言われていたが、
実際にはこの周辺の地域には当時の人々の末裔が独自の文化を築きながら今なお暮らしていた。
そして彼らからの情報とギルドの生態調査により、
竜都の跡形には当時の技術によって人為的に造り出されたという驚くべき生物 護竜 (ガーディアン)
半ば野生化した状態で徘徊しているという衝撃的な事実も確認された。
護竜はある条件を満たし続ける限り自然死には至らず、それ故に捕食も繁殖行動も必要としないという
一般的な生物とはかけ離れた特徴をもつが、それでもあくまで「生物」であることには違いなく、
現在ではギルドや生物学会などを中心に様々な議論や研究の的となっている。
そんな特殊な環境の地である竜都の跡形だが、
この地に生きる生物は何も護竜だけではなく、独自の生態系が構成されていることが確認されている。
そしてこの特異な生態系の中でも特に強大な捕食者として君臨する存在が暗器蛸シーウーである。
竜都の跡形に棲息するシーウーは、なんと護竜を主たる獲物として捕食する生態を獲得しており、
現地で調査を行うギルドの関係者にはシーウーが積極的に護竜を襲撃し、捕食を試みる姿が度々目撃されている。
しかも現地のシーウーは竜都の跡形の地形や各種護竜の性質を深く理解しているらしく、
たとえば相手が飛行能力を持つならまずは翼を狙って撃墜を試みるなど、
獲物として狙った生物の現在の状況や弱点を分析し、考え得る最善手を用いて「狩猟」を行う様子が確認されている。
これはシーウーの持つ知能の高さを示す恐るべき事実であると同時に、
この地においては元々は人造の生命でさえも生態系の一員として組み込まれているという
大自然の力強さが感じられる事案として注目されている。
しかしその一方で、現地のシーウーが獲得した「護竜を積極的に捕食する」生態により
人類にとっては意外なところで問題が浮上している。
護竜にはある素材を模した衣類で身を包んでいる人間を外敵として認識しにくいという性質がある。
その素材とは護竜の生誕にかかわる「繭」を構成している繊維であり、
とある一族はこの繊維の性質を模した衣装を着込むことで護竜の脅威から身を守り、彼らとの共存を成し遂げていた。
ところが、その性質上護竜の生態にも深くかかわっているこの繊維は
逆にシーウーにとっては「獲物」と見做せる代物である可能性があり、
後に発生したある事件によってこの懸念はほぼ間違いないものとなってしまう。
事件の中心となったシーウーはハンターによって討伐されたものの、
今後「新たな獲物」を狙う別個体のシーウーが現れる可能性は否定できない。
しかし、件の繊維は一族の衣装として以外にも里全体で様々な形で利用されており、
里そのものを護竜からカモフラージュするためにも用いられているため、
素材としての利用を里全体で直ちに取り止めるということはとてもではないが現実的ではない。
仮に実行できたとしてもシーウーを「ある程度遠ざける」ことはできても「完全に避ける」ことは元より不可能、
その上そのまま実践すれば護竜からの自衛手段までも丸ごと捨ててしまうことになるため却って危険であり、
その他様々な問題も絡むため、他の形での対策の考案が急がれている。

概要

  • MHWildsで初登場を飾った、頭足種に属する大型のモンスター。
    発売前はその一切の情報が公開されていなかった隠しモンスターの1体である。
    仄暗い漆黒の全身と、懐に忍ばせた黄金色の武器の存在から《暗器蛸(あんきしょう)》という別名で呼ばれる。
  • 前述の通り、MHWildsで初登場した種族である頭足種において、
    獄焔蛸ヌ・エグドラに続いて二番手を務めたモンスターである。
    本種の存在が隠されていた事から、発売前はヌ・エグドラの1種しかいないのではないかという意見もあり、
    実際に鋏角種蛇竜種など初登場時に1種しか大型が居ない種族も過去には存在したが、
    そんなジンクスをぶち破るようにして本種の存在が判明し、界隈は騒然する事となった。
  • ヌ・エグドラは全身を燃え上がらせる性質を除けば、
    現実のマダコに近いようなオーソドックスな形態を持っており、
    いわばタコの王道とも言えるようなデザインになっていると言える。
    しかしながらその同期にして相方を務めるシーウーは、
    ヌ・エグドラとは真反対の異形な特徴を数多く持ち合わせており、
    MHWildsらしいクリーチャーじみた挑戦的なビジュアルになっている。
    • 全体的にヌ・エグドラと比べるとかなり小柄で、
      基準全長が20m程度を記録するあちらに対し、こちらは僅か13m程度しかない。
      全身の表皮はタコらしいスベスベとは真逆で皴が多く繊維質な皮膚をしており、
      影に溶け込めるマットな黒色とでも言うべき色彩になっている。
      更に、本来の“触手”とは別に小さな触手が節々に生えており、
      黒々しい筋張った触手が枝分かれするような見た目は、ねじくれた木の根を思わせる。
    • 頭部は円筒状で上部が大きく膨らんでおり、遠目に見るとさながらキノコのようにも見える。
      周囲に走る皴には黄金色の角質が混ざっており、
      黒と金が入り混じりながらも高貴な印象はなく、むしろ呪いのような悍ましい雰囲気を漂わせている。
      頭頂部にはまるで牙を思わせるような小さな角が円状に生えているが、
      特に何かしらに用いる部位という訳でもなく、ただただ不気味さを強調している。
      • さらに特徴的なのがその付け根部分に存在する、いわゆる顔。
        なんと眼球らしきものが全く見当たらず、その代わりにVの字に走るスリットがあるのみ。
        このスリットの周囲には多数の白く細長い触手が垂れており、
        まるで菌糸を思わせるそれの下部には何らかの発光器官が存在しているようで、
        怒り状態になると目の如く薄い青緑色に発光する
        既存の頭足類のどれにも似つかぬその目元は、まるで地球外の生物の様相ですらある。
      • なお、膨らんだ頭部とスリットを合わせてみると、
        頭部に黒いターバンを巻き、顔を白い布で隠しておいて、
        目元のみをスリットから覗かせるような恰好をした人物にも見える。
        見方によっては顎髭を蓄え笑みを浮かべる口元のようにも映るようだ。
    • 現実世界の頭足類における胴体(内臓塊)の部分はひどく委縮しており、
      萎み切った風船のような形状で頭部の付け根後方にぶら下がっている。
      膨らんだ頭部の形状と見比べると非常にアンバランスであり、
      大事な内臓等がどれぐらい収まっているのか疑問は尽きない。
    • 触手(腕)の数は放射状に生える歩行用のものが6本、
      頭部正面に生える小さな2本の合計8本となっており、これはヌ・エグドラと共通している。
      しかしながら、歩行用の腕のうち前方の2本(第1腕)を武器として多用するため、
      この2本を正面に構え、他の触手4本をやや後方に向けた姿勢をとることが多い。
      これは前方に4本の腕を向ける事が多いヌ・エグドラとは対照的である。
    そして最も恐ろしい特徴が、その黒い身体の下に隠された裏側。
    そこは恐ろしいほど鮮やかな真っ青に染まっており、
    更に夥しい数の牙が中心にある口を向いて同心円状に生えているという実にグロテスクな状態で、
    この口を獲物に向けるために上下真反対となり牙を剥くその姿は、
    もはやモンスターどころかクリーチャーに留まらない異形の生命体と称する他ない。
    蜘蛛恐怖症とは別に、これは集合体恐怖症に堪える見た目をしている。
    完全に出るゲームを間違えている真剣に語るハンターも居るほど
    • ヌ・エグドラ同様に触手の裏側には吸盤ではなく多数の短い爪が生えているが、
      身体の裏側に繋がるこの触手に爪が生えているのは、捕食に直結するようで実に末恐ろしい。
      なお、裏返した時の印象は頭足類よりむしろヒトデ等の棘皮動物に近い。
  • 恐ろしい牙を備えた口を持つシーウーだが、本種の最大の武器はまた別に存在する。
    シーウーの触手は金色の粘液を分泌する事が可能であり、
    この粘液は空気に触れると瞬時に硬化する性質を持ち、薄く生成すれば即席の鋭い刃物として機能する。
    時にナイフのように、時にの様に、時にの様にと変幻自在の形状を取り、
    これを触手の先端に生じさせ、相手を斬りつけたり刺突を行う事で攻撃する。
    また、硬化した角質片を投げつける事で遠距離攻撃をも可能としている。
    鋭い反面、持続性はないようで使い終わると直ぐにバラバラと崩れて落ちるが、
    粘液の貯蔵量はかなりのものであるようで、戦闘中は無尽蔵に暗器片を繰り出してくる。
    • 様々な形状の武器を用途に合わせて瞬時に使い分けることから、知能もかなり高いものと思われる。
      圧倒的なパワーや体格を持つわけでもなく、硬い外殻などを持つわけでもないシーウーは、
      こうした高い知能によって捕食者の地位に就いているのだろうか。
    • 知能のみならずシーウー本体の運動能力も極めて高く、
      小柄な体格と筋肉の塊である触手を活かした身のこなしは恐るべきものがある。
      触手で自身の身体を引き寄せての移動もさることながら*1
      まるで宙返りするかのように華麗に飛び回る事もあり、
      その素早い動きのすべてを目で追うのは慣れたハンターでも非常に難しい。
    • 更に頭足種特有の身体の柔軟さも持ち合わせているが、
      眼球と顎板(カラストンビ)のないシーウーは邪魔になるような部位が無く、
      故に非常に狭い隙間にも液体かのようにするりと潜り込む事が可能。
      瞬時に亀裂に入り込んだと思ったら背後に立っていた、
      何てこともあるほどであり、特に亀裂の多い場所では一層気を付ける必要がある。
    このように、素早い身のこなしと亀裂を通じてどこにでも現れる神出鬼没さ、
    そして瞬時に生成できる懐に忍ばせた黄金の武器による、
    奇襲闇討ち武器捌きを得意とする暗殺者のような戦い方を好む。
    特に瞬時に攻撃手段を取り出し扱う角質片の性質が
    さながら暗殺者が隠し持つ暗器を思わせるために、ハンターズギルドより暗器蛸(あんきしょう)の別名を賜っている。
    • 本種の名前である「シーウー(Xu Wu)」は中国語で「虚無」を意味しており、
      自身の素材から作られる各武器にも共通して冠されている。
      また、ターバンを巻いたような形状の頭部や、別名にもあるように暗器を生成して戦うスタイルから、
      シーウーの造形モチーフとしては中世の中東に存在した暗殺教団(アサシン)の要素が多分に取り入れられているものと思われる。
      • また、顔らしき顔が無く、覗き穴のような隙間のみが見えるというビジュアルや、「虚無」という名前の由来から、
        深い編笠で顔を隠した「虚無僧(こむそう)」もモチーフに含んでいる可能性がある。
        時代劇などでは、暗殺者や密偵が身分を隠すために虚無僧に変装していることもあるなど、
        あくまでフィクションの中でだが暗殺者のイメージとも合致する。
    • これらを裏付けるかのようにMHWildsにおける登場ムービー名は「虚空からの暗殺者」であり、
      「虚無」という名前の由来と暗殺者の要素をそのままずばり言い表している。
    • 頭足種の同期にして相方であるヌ・エグドラは、
      そのビジュアルや性質をまとめると力持ち・巨体・火属性・悪魔的といった印象になるが、
      シーウーは暗器使い・細身・無属性・エイリアン的と、全く異なる印象になる。
      同時に登場した新種族のトップバッターを任された2種が、
      これほどまでに違う方向性のモンスターになっているという点も面白く、
      デビュー作で頭足種という種族の間口を著しく広げたとも言える。
  • そのグロテスクな口から想像できる通り、食性は肉食。
    積極的に生きた獲物を、時には大型モンスターさえ襲う事すらある捕食者であり、
    触手で捕まえた獲物を無数の牙を用いて貪り喰らい、瞬く間に飲み込んでしまう。
    • なお、前述した通り本種は胴体(内臓塊)が非常に小さいが、
      本来であれば食べたものはこの胴体の中に収まるはずである。
      とても大型モンスターが入るような食道や胃を有しているようには見えないが…。
      仮に鳥などに見られる大きく膨らむ貯蔵器官・素嚢(そのう)を持っていたとして、
      それが実際に膨らんでいるような様子は見受けられず、
      やはり食べたものがどこへ収まっているのかについて疑問は尽きない。
      本種の口の構造からみると、一瞬ですりつぶしてさらに体に吸収している可能性も否めない。
      これも虚空に消えてしまったのだろうか…?
  • インパクトのある外見だが、鳴き声は「ヴヴヴ…」と低い唸り声を上げるのみで結構地味。故に咆哮も使わない。
    甲高く奇怪な絶叫を上げるヌ・エグドラとは、鳴き声の部分でも対照的と言える。
    しかし、下手に大声で威嚇したりせず、静かに獲物を狩るというという特徴はむしろシーウーのアイデンティティを補強している。
    影に潜んでの奇襲・暗殺を本分とするシーウーにとって、咆哮はむしろ邪魔な存在なのかもしれない。
  • 初登場作品から幼体環境生物として登場しており、名前はシウシウという。
    巣の天井から吊り下げられた卵から孵り、空中を浮遊するようにして移動する。
    オソラノエボシ登場以降、小さな環境生物はもはや何の説明もなく浮遊するのが定番である
    孵化の時期になると何十匹も一斉に生まれてくるため、
    光る卵の殻と浮遊するシウシウの群れの姿はどこか幻想的。
    生まれて間もない個体は卵に蓄えられた養分で成長するが、それ以降の食性は明らかになっていないという。

MHWilds

  • 本種の記念すべき初登場作品であり、そしてサプライズデビューを飾った作品。
    同作の発売前は同種族であるヌ・エグドラを含め、先行実機プレイによって
    多くの新モンスターや復活モンスターが公開されていたのだが、
    本種はその存在から名前に至るまですべてが完全に秘匿されていたモンスターの一種であり、
    発売後にその存在が判明した際は、多くのプレイヤーから驚きの声が上がった。
    • 本作の発売前に一切情報が出なかった新規大型モンスターは、
      ほぼ全てがストーリーの根幹に関わる造竜種であり、
      造竜種以外のモンスターで未公開だったのは実は本種のみである。
  • 本作で主な棲息地としているのは最後の汎用フィールドである竜都の跡形
    主な縄張りとしているのは中層~下層であり、エリア12には本種のがある。
    壁に空いた細い横道を下って行った先の薄暗い小部屋がそれで、
    天井からはぼんやりと金色に輝く雫状の物体が無数に垂れ下がっており、
    全体的にモノトーン調の本フィールドの中では異彩を放っている。
    一見すると蠱惑的な雰囲気すら感じられる光景だが、地面の方に目をやると
    捕食された犠牲者のものと思われる骨が雑多に転がっており、ここが肉食生物の寝床であることを強く印象付ける。
    • 上位環境では闘技場フィールドである竜谷の跡地にも姿を現すことがある。
      亀裂に潜り込んでの奇襲という戦術を一つ潰せる他、
      エリア移動もないのでガチンコ勝負を挑むにはいいマップである。
      その性質から金冠探しにも向いているので、竜都よりも竜谷でお世話になるハンターも多いかもしれない。
  • 竜都の跡形では気象・天候に左右されず、基本的に日が出ている間に活発化する。
    タコらしい柔軟性でヌルヌルと動き回り、エリア移動の際は亀裂を通ったり、ツタを登ったりも行う。
    暗器片の確認のつもりなのか、はたまた周囲への警戒か、
    頻繁に粘液で武器を第一腕に形成し、それを左右に向けるという行動を繰り返す。
    • 生態行動としては暗器片を形成してナイフを研ぐように擦り合わせる行動を行う。
      武器の斬れ味を確かめているような、メンテナンスのような動きであり、
      この行動をした後には痕跡として「金色の屑片」が残る。
    • 更に、時には体の前半を持ち上げて口を露わにし、
      触手を器用に使って口や牙のケアをするという行動に出ることもある。
      シーウーでも捕食器官は大事に扱っているという一面が見られる行動だが、
      正面から見ると牙だらけの口に複数の触手が突っ込まれているという、
      余りにも名伏し難い光景を目の当たりにする事となる。SAN値チェックのお時間です
      この際は「粘液」という痕跡が残るが、黒みがかっているので
      暗器に使う方ではなく唾液や体液などだと思われる。
  • そして竜都の跡形に棲むシーウーにおける、最も重要な特徴が捕食対象である。
    上述した通り肉食性である本種だが、この地で獲物にする生物が極めて特異的なのだ。
    そう、なんと本種はかつて古代文明が作り出した人造モンスター
    護竜(ガーディアン)を主な食物源としているのである。
    長い間、都市伝説として語られてきた古代文明人造モンスターが、
    ストーリーに深く関わる形でメインシリーズに登場した事だけでも驚きなのに、
    その人造モンスターを恒常的に喰らっているモンスターまで出てくるというのは、
    余りにも予想の範疇を超えた出来事であり、実にとんでもない設定であると言える。
    • シーウーは多くの護竜と捕食者-被食者の関係になっており、
      たとえ大型の護竜であったとしても打ち倒し、捕食する強者である。
      ゲーム中においても同士討ちや縄張り争いにおいても、
      多くの護竜に対して完膚なきまでの勝利を収める姿を見る事が出来る。
    • 護竜は食事も繁殖も行わず、本来は生態系から隔絶された存在となるはずだった。
      そんな彼らを獲物として狩り、その口を使って貪り、栄養源とする本種は、
      人造モンスターや人類の技術も自然の生態系の一部であるという
      本作のテーマに説得力を与える重要な存在でもある。
    • この護竜を取り巻く生態系は一朝一夕にできたものではないとアルマは語るが、
      護竜を喰らう生態を持つ前、シーウーが何を食べていたのかは不明である。
      また護竜は近年目覚め始めたとタシンが解説するのだが、
      いつから今のような護竜食の生態を手にしたかも不明である。
      尤も、大型の護竜を相手にして一方的に捕食を強行できる辺り、
      東地域以外でも上位捕食者としての立場を得ている事は想像に難くない。
    実際の捕食行動は小型の護竜である護竜セクレトに対してのみ行う。
    護竜セクレトの群れに忍び寄り、触手による刺突などで獲物を仕留めると、
    なんとその上に覆い被さるようにしてのしかかり、
    牙だらけの口で跡形も残さず呑み込んでしまう
    当然ながら捕食痕が残る事もない、実に凄惨な食事方法である。
    • ちなみにヌ・エグドラもゼレドロンに対して同じような捕食をするので、
      この独特な食べ方はシーウー独自のものではなく、
      大型頭足種のスタンダードなのかもしれない。
  • 生息圏における主要な生物種たる護竜に対し、一方的な捕食者として君臨している事から、
    なかば竜都の跡形における頂点捕食者のような立ち位置を築いている。
    ただし、これはあくまで生態学用語としての意味に則ったもので、
    本作において象徴的に扱われる4体の「頂点捕食者」とは異なるものである。
    • 相違点は数多く上げられるが、最も異なるのはその生態。
      東地域の頂点捕食者は各地の異常気象に適応進化し、その能力を高める特性を持っているが、
      シーウーは竜都の跡形の異常気象「竜の目覚め」と関連する生態を何も持っておらず、
      異常気象時にのみ姿を現すという訳でもなければ、行動を活発化させる事もない。
    • システム的な面では、頂点捕食者のクエストランクは★6であるのに対しシーウーは★5
      歴戦狩猟の証の危険度も頂点捕食者はIIIだが、シーウーはII
      頂点捕食者は専用BGMを持っているが、シーウーは汎用BGM-Lv4-震天が流れる*2など、数多くの相違点がある。
      こうした危険度やクエストランクは作品によって割と変動するが、
      少なくとも今作品においては頂点捕食者と同格のモンスターとしては扱われていない。
    • 護竜を相手に圧倒的な強さを見せるシーウーだが、他モンスターとの関係については未知数であり、
      上位環境で現れる原種モンスター達に対しては捕食も縄張り争いも行わない。
    以上の事より、設定上・システム上の両面から見ても、
    4体の頂点捕食者とは異なる枠組みに居るモンスターである事が分かる。
    ただし、護竜が蔓延る竜都の跡形という特異な環境においては、
    食物連鎖の頂点に立っているモンスターであると見て間違いではない。
    総じて、「東地域の頂点捕食者」という今作独自の定義からは外れるが、
    本来の生態学的な意味では頂点捕食者に該当する可能性が高いと言える。
  • 上位以降の環境では、豊富な竜乳エネルギーを受け、
    更に厳しい生存競争を勝ち上がってきた「歴戦の個体」も登場する。
    竜都の跡形ではシーウーと護竜以外は歴戦の個体確定である事もあり、
    そんな過酷な環境で育ってきたシーウーは正に歴戦の猛者と言えよう。

ストーリー

  こいつ、護竜じゃないよ。
  護竜の捕食者…!

  • ストーリー中で初登場するのはChapter3-3「めぐる命」。
    竜都の跡形での生態系調査のため、護竜オドガロン亜種の討伐を終えて一息ついている鳥の隊ハンターに、
    アルマらが駆け寄ってくる一方、背後に謎の触手のようなものが現れる。
    オトモアイルーに気取られると直ぐに引っ込み、訝しげに見るオトモだが、
    突如として真っ青な口と無数の牙を携えた何者かが護竜オドガロン亜種に喰らい付く
    隠れられるような場所が何もなかったところからの奇襲であり、
    完全に不意を突かれたハンターも触手で掴まれて連れ去られてしまう。
    • 巣穴まで連れ込まれ、万事休すか…というところでハンターは天井に張り付く楔虫を発見し、
      これにフックスリンガーを引っ掛けることで抵抗、オトモの助けもあり触手から抜け出すことに成功する。
      そしてそこで目の当たりにしたのは、護竜オドガロン亜種の死体を飲み込む、
      護竜ではない捕食者、頭足種である暗器蛸シーウーの姿だった。
    • シーウーはこちらを一瞥すると直ぐに襲い掛かるそぶりを見せて…なんと地面に消える
      姿を消した捕食者に警戒するハンターとオトモだが、
      シーウーはなんと天井から触手のみを伸ばして更に奇襲を仕掛ける。
      しかしこれにはオトモが反応して触手を弾き、
      2度の奇襲に失敗したシーウーは再び姿を現してまた消える
      そしてシーウーの姿が映らないままクエストが始まるのである。
    発売前はおろかゲーム中でも全く前振りのない登場の仕方であり、
    完全なるジャンプスケアサプライズに鳥の隊ハンターも度肝を抜かれた事だろう。
    また、今まで竜都の跡形で登場していた大型モンスターは全て造竜種であった事から、
    ヌ・エグドラの護竜、ないし触手を持つ別の護竜だと思わせておいて、
    実は造竜種でも何でもない完全新種の頭足種の登場という点も驚きである。
    • ここから始まる任務クエスト「狩人は虚空に潜む」は、
      護竜オドガロン亜種のクエスト「古都の番人」からの連戦となる。
      こうした連戦型のクエストは本作には他に存在しておらず、
      各種アイテムも消費したまま、体勢を立て直す暇もなく始まる。
      その上、相手は未知のモンスター、しかもホームグラウンドである巣穴での戦闘、
      更にシーウーが隙間に潜り込んで姿を消した状態でクエストスタートとなるため、慎重に対処したい。
  • 上位から受注できるサイドミッション「“適応”のかたち」でも登場している。
    シルドのタシンから受注できるミッションで、なんと守人のひとりである「ソウシ」が行方不明になってしまったという。
    更に、信じられないことにシーウーが守人の里に入り込み彼を攫っていったと主張する守人までいるという。
    シーウーは勿論、モンスターが里へ侵入するなど全体未聞の事態で、極めて緊急性の高い依頼であることから、
    里に残された痕跡やソウシの持ち物を用いて導蟲に匂いを覚えさせ、ハンターは導蟲が導く先に急行する。

  守人の捜索、および里の保護のため、
  ギルドは対象の狩猟を要請します!

  了解!

  • 該当のシーウーを発見するも周囲に人の影はない。
    不安に苛まれるアルマとハンターだが、まずは人里を襲った危険なシーウーの討伐を開始する。
    危険な個体とも称されるが歴戦の個体であったりはしないので、上位のシーウーに慣れていればスムーズに狩猟を勧められるだろう。
    • やがて瀕死になったシーウーを追い詰めて討伐したハンターだが、
      アルマが装束の切れ端らしきものを見つけてハンターに伝える。
      ハンターは守人の装束の特性について確認すると、里の皆に伝えたいことがあると報告に戻るが…。
  • 結論から言えば、ソウシはボロボロになった服の切れ端しか戻らなかった
    もっと直接的に言おう、彼はシーウーに捕食されて亡くなってしまったのである。
    タシンとハンターの会話でも直接的なセリフは出ないものの、
    セリフの端々から起こってしまった凄惨な出来事を汲み取ることが出来る。
    • 今回の事件の原因は、守人の装束が護竜の繭の技術を模倣して作られたものであること。
      この特性から護竜から外敵として認識されづらく、守人の装束はもちろん里のカモフラージュにも使われているのだが、
      一方で護竜を主な獲物とするモンスターに対しては逆効果になり得る危険性を秘めていた。
      つまり、シーウーは護竜とよく似た性質を纏って動くもの、守人を捕食対象だと勘違いして襲い掛かった可能性が高いのである。
    • この危険性はハンターからタシンに伝えられ、シーウーに対する警戒をより強める対応を取る事となった。
      調査に対する礼として素材収集の手伝いを申し出るタシンだが、ハンターが「礼ならば、どうか彼にも」と告げると、
      ちょうど墓を建てたところだと返し、後でゆっくり話してくると締めくくった。
  • このサイドミッションが衝撃的である理由のひとつに、ソウシが守人の里において交流できるNPCであった事が挙げられる。
    彼は長い焦茶色の髪を生やした面長の男性であり、里の外から1000年ぶりに来た客人であるハンターの在り方、
    特にモンスターと相対するという事象に対して考えを巡らせる人物であった。
    • 人間がモンスターに襲われて被害や犠牲が出ることは世界観上珍しいことではなく、
      クエスト依頼文でも度々それを匂わせる内容のクエストは見受けられた。
      しかしながら、実際にハンターがその姿を見て、話しかけられるような人物が、
      作中でモンスターに捕食され死亡する例はメインシリーズ上では前代未聞であり、ハンター界隈は騒然となった。
      今までのシリーズでは考えられないほど凄惨で重い展開にショックを受けたハンターも多く存在しており、
      今作における「人とモンスターの在り方」についてもまた、護竜たちとは対照的と言える。
    • 調査隊一行が守人の里に到着した直後にソウシに話しかけると以下のようなセリフを言う。
      「あなたがモンスターと相対するというのは本当ですか?」
      「千の昔と同じ道を行くつもりなのですか?」
      もしモンスターと目の前で相対したら、私はその時どうするのだろう…
      古き教えの通り、それが自然と思えるのだろうか…
      全てが終わった後で振り返ってみると、実際に事が起こった際の彼の気持ちについて考えざるを得ない。
  • 本サイドミッションの達成条件は討伐のため捕獲はできず、フリークエストとして再受注しても同様。
    人間の味を覚えてしまった個体を一時的に捕獲して再び野に放つわけにはいかず、
    絶対に命を奪っておかなくてはならないのだろう。
    シーウー自体は捕獲可能なモンスターなので、捕獲したい場合はフリークエスト「相反する秩序」*3を受注するか、
    野生個体を調査クエスト化する必要がある。
  • シーウーが人を捕食する事が判明した今、改めて本種の動向を振り返ってみると末恐ろしく感じる。
    初遭遇時、咄嗟の判断とオトモのサポートがなければ、ハンターもシーウーの餌食になっていたのかもしれないし、
    まかり間違えて狩猟の最中に拘束されれば同じことが起こるかもしれないのだ。
    モンスターが人を捕食するという事例において、ひと際大きな波紋を呼んだサイドミッションであった。

縄張り争い

  • 護竜の捕食者であるシーウーの縄張り争いは
    全て護竜を相手とするものになっており、
    その生態から察せられるように全てにおいて勝利を収める。
  • 護竜ドシャグマ護竜リオレウス護竜オドガロン亜種護竜アンジャナフ亜種に対しては、
    通常の縄張り争いとは異なる特殊なアクションを行う。
    これは同士討ち等でダウンした相手に対し、
    おもむろに覆い被さって胴体裏の口で噛みつき、丸呑みにしようとする一方的なもの。
    …システム上縄張り争いと表示はされるものの、その実態は捕食行動以外の何物でもない
    とはいえ、流石に大型の造竜種相手だと一筋縄ではいかないのか、
    途中で振り払われるようにして捕食行動は中断となり、
    護竜も食べられる事なくその場を後にするようだ。
    ゲームの仕様的にも大型モンスターが呑まれてしまうのは色々と都合が悪いので致し方なしか。
    • この捕食行動のような一方的な縄張り争いは、
      本種の他にメインモンスターであるアルシュベルドが有している。
      護竜の捕食者と、護竜から原種返りした者が同じような行動を取るのはなかなか興味深い。
      ただし、アルシュベルドは護竜に限らずほとんどの属性持ちモンスターから
      エネルギー吸収を行う等、なかなかぶっ飛んだ性能を持っており、
      シーウー以上に恐るべきモンスターである事が分かる。
      なお、シーウーは無属性なので縄張り争いの対象にはならないが、
      フィールド上で出会えば同士討ちで争うこともある。
    • シーウー自身、元々が攻撃的なモンスターであるが、
      護竜相手には更に強く出れるようで、対護竜では同士討ちの性能が極めて高くなる。
      鉢合わせた護竜に対しては触手による刺突で大ダメ―ジ+ダウンを奪い、
      そのまま上記の縄張り争いに移行する事が多い。
      こうした大技は頂点捕食者やアルシュベルド等の生態系最上位の強者が行うことが多く、
      シーウーも護竜相手ではあるものの、捕食者として君臨している事が分かる。
    護竜ドシャグマに対する縄張り争いの際、護竜ドシャグマがシーウーを振り払った瞬間に
    一瞬停止してしまうという不具合のような事象が確認されている。
    左を振り向いた姿勢で1秒ほど固まっている光景はなかなかシュール。
    どことなくこれを思い浮かべた人もいるかもしれない
  • ストーリー上で死骸が捕食されていた護竜オドガロン亜種とは、
    上記とは異なる専用の縄張り争いを行うこともある。
    もちろん、同士討ちからの一方的な縄張り争いを行うこともあるので、
    両者が鉢合わせたときにどちらの争いを行うかは運次第。
    • まず、護竜オドガロン亜種が持ち前の瞬発力で飛び掛かるが、
      シーウーは軟体を活かした素早い這いずりで回避しつつ死角に回り込む。
      護竜オドガロン亜種が振り向いたときにはもう時すでに遅し
      ひっくり返って牙を剥き出しにしたシーウーは哀れな獲物の頭に覆い被さって捕食を試みる。
      しかし護竜オドガロン亜種、ここで龍属性ブレスを相手の口内に炸裂させて反撃
      シーウーの拘束を振りほどく事に成功する。
    • なおも闘志を失わず、距離を取って再度飛び掛かりを試みる護竜オドガロン亜種だが、
      狡猾なるシーウーは既に触手に金色の武器を生成し終えていた。
      俊足の護竜オドガロン亜種を投げ縄の様に伸ばした触手で捕まえたシーウーは、
      至近距離で4本の触手の鋭利な暗器によって串刺し4連発を繰り出し、
      更に護竜オドガロン亜種を高く持ち上げて投げ飛ばし、縄張り争い終了となる。
      • 護竜オドガロン亜種には「捕食されかけた時」「串刺し4連発を受けた時」
        「投げ飛ばされて地面に激突した時」の合計3回で大ダメージを受ける。
        シーウー側も口内への龍属性ブレスで若干のダメージを負うため完全試合とはいかないものの、
        ダメージ量の差は歴然であり、捕食する側・される側の優劣をはっきりと示すブックとなっている。
    なお、上記の通り縄張り争いではなく同士討ちを始める場合もあるが、
    状況次第では速度で勝るオドガロン側が矢継ぎ早に攻撃を仕掛けて、
    シーウーがダウンしてしまう事例も稀ながら確認されている。
    本種にだけ専用の縄張り争いが存在する理由は、
    その瞬発力がシーウーにとっても一筋縄ではいかない厄介な要素であり、
    他の護竜と比べて捕食に抵抗しやすいからなのかもしれない。
  • 縄張り争いを抜きにしても他の大型モンスターと鉢合わせると積極的に攻撃を仕掛け、
    対大型モンスターへのダメージが異様に高い触手突き刺しでガンガン体力を削っていってくれる。
    竜都の跡形で狩りをする際に近場にいたら頼りにしてみるのも十分視野に入るだろう。

戦闘能力

  • 同じ頭足種のヌ・エグドラに比べるとかなり小柄だが、その分スピードに特化した攻撃が持ち味。
    地面を滑るように高速移動したり、触手を引っ掛けてスライド移動したり、軽やかなジャンプで回り込んだりと、
    戦闘慣れしているかのような素早い動きでハンターを翻弄する。
    ヌ・エグドラがよくするTHEタコとでも言うべきトコトコ歩きは一応するにはするのだが、非常に頻度が低い。
    移動の仕方にも攻撃にもタコらしさはあまりなく、同じ具合で戦うと痛い目を見ることだろう。
  • 戦闘スタイルは完全なる物理特化ともいえるもの。
    属性攻撃や状態異常を持たないのは勿論、咆哮や振動に風圧にあたるまで、その尽くを不要と切り捨てている。
    同じく、物理以外の攻撃手段を持たない大型モンスターにチャタカブラがいるが、
    シーウーはそれとは比べ物にならない程に高い戦闘能力を持っている。
  • 上述した特殊な粘液を硬化させることで様々な形状の武器を形成し、巧みに操ってくる。
    戦闘の際には生成された武器の形状と構えを見極めることが適切な対処の鍵となる。
    • よく見るのは、ナイフのような三角形の刃を形成してから繰り出す斬撃・刺突攻撃。
      目にも止まらぬ速さでぶん回したり突いてきたりと、まるでフェンシングのような剣術を見せてくれる。
      特に第1腕を槍のように真っ直ぐ突き出す攻撃はリーチがかなり長く
      威力も高めなのでガンナーであっても一切油断できない。
      明らかに他の攻撃に比べて高いダメージと突き刺し後には確定威嚇があることから、
      突進攻撃と同じようなある種の大技として扱われている可能性が高い。見た目は突進に比べ地味だがかなり危険な技。
      更に他のモンスターとの同士討ちにおいては、この攻撃で1000ダメージを叩き出すこともある。
      本来の触腕よりも伸びているように見えるが、蛸であるゆえに骨や関節が存在しないため、
      筋を無理に伸ばして突いているのだろうか。
      ゲリョスにも負けず劣らずの凄まじい伸びっぷりである。
    • 遠距離攻撃も可能であり、触手を勢いよく振って四角い板状に形成した角質を4枚飛ばしてくる。
      ジャンプで身を翻しながら放つことも可能で、こちらの場合は予備動作が見えにくく避けづらい。
      まるで投げナイフのようにも見えるまさに暗殺者らしい攻撃。だが、裂傷などの追加効果は特になくダメージも低め。
  • また、不気味な口を剥き出しにすると強力な突進を繰り出してくる。
    シーウーの攻撃の中では最も高威力で、当たってしまえば一気にピンチに追い込まれるだろう。
    予備動作から突進までのタイミングが分かりづらいのも厄介なポイント。
    さらにはジャンプで死角に回り込んでから突っ込んで来る場合もあり、
    常にカメラで動向に気を配る必要がある。
    • 一方で、突進前の溜め及び突進中にある程度ダメージを与えることで、後述の特殊ダウンを奪うことも可能。
      体力などに余裕がある場合や相殺攻撃持ちの武器であれば、ハイリスクハイリターンな駆け引きを決めるのも一興である。
      ダウンを奪えずとも、突進の後は疲れたようにぐったりするモーションを確定で取るので、
      反撃するなり態勢を整えるなりしよう。
  • 触手を叩きつけた後に回転して薙ぎ払い、結晶の破片と地面の砂を巻き上げて煙幕を作り出したりと絡め手にも長ける。
    結晶が硬いのか、この攻撃は気絶値が高く2回連続で当たるとほとんどの場合気絶してしまう。
    巣の中では専用の派生攻撃に移ることがあり、この煙幕に身を隠しながら地面や壁の隙間に潜り込み、
    ハンターの視界外から現れ上記の突進で奇襲してくる。ホラーゲームにも出演できそうなくらい恐ろしい攻撃である。
    頭足種の持ち味である狭い空洞に入り込む能力を存分に生かしたアクションであり、
    登場ムービーの最後もこの行動のように姿を消した状態からクエストスタートに繋がるので、
    不意打ちを受けないよう注意。
  • 拘束攻撃を持っており、ハンターがシーウーの至近距離に立っているとよく使ってくる。
    まず歩行用の触手の2本にフック状の角質を生成し、この腕を前方で交差させてから足払いを繰り出す。
    これに当たって体勢を崩したハンターを、もう一度片方の腕を振るって捉えると、
    身体の裏側の口をゆっくりとハンターに見せつけるかのように持ち上げ、
    少しの間のあとハンターを口内に放り込み、丸呑みにしてしまう
    • 無数の牙で咀嚼するような非常に気味の悪い動作のあと、まだ体力が残っていればハンターを吐き出す。
      逆に言うと、拘束攻撃で体力を0にされてしまった場合は飲み込まれたまま、それっきりである。
      この場合、普通の乙とは異なり「力尽きました」のメッセージが表示されない特殊仕様である。
      勿論、実際にはその後ちゃんと普段通り救助してもらえるので心配無用。
      どうやって救助されてきているのかは謎だが。
      そして、何かが砕けるような生々しい音がしたのに骨一つ折れていないハンターって一体…
      • モンスターに捕食されたままダウン回数が増える仕様はメインシリーズにおいて初で、
        過去にはMHF同じような事が起こっていた
        何事もなくネコタクに乗せられ帰って来るのも同じ。
    • 捕まってしまっても抵抗する術はあり、呑み込まれる前に口内にスリンガー弾を撃ち込み攻撃すれば、
      ひっくり返って多大な隙を晒す。
      最大弱点かつ破壊に手間取る口を文字通りタコ殴りにできる重要なチャンスであり、
      狙う価値は大いにあるだろう。
      なお、スリンガーこやし弾でもダウンを取ることは可能。気分はババコンガ
    • さらに、うまく特殊ダウン中に麻痺させるとその体勢のまま痙攣して痺れ、さらなる隙が生まれる。
      これはこれで堪える人もいるだろうが
      また、この状態で討伐するとひっくり返ったまま脱力していく姿を見ることができる。
    別の手段として、触手にナイフを突き立てて脱出することも可能だが、こちらではダウンはしない。
  • 歴戦個体は攻撃速度、攻撃力が大幅に上昇したのは勿論、突進に繋がる様々な連続攻撃コンボが追加された
    特に突進は鎧玉で強化した上位防具でも体力の最大値から半分以上減らされるレベルで強く、歴戦化との相性は良い。
  • 総じて、複数の移動手段を駆使して位置調整しては素早く的確な攻撃と高威力の大技を織り交ぜてくる強敵である。
    その洗練された動きは捕食者という立ち位置に十分な説得力を与えており、
    表情の無い虚な顔と合わせて「手練の暗殺者」を容易に想像させる。
    • 一方で隙を見せる行動も多く、特殊ダウンというギミックもあるため
      それらを理解して明確に隙を突いていけばこちらのペースに持っていける。
      肉質も全般的に柔らかいため、こちらも攻め手には困らない。
      まさしく殺るか殺られるかの戦いになるだろう。
  • ヌ・エグドラとは異なりそれぞれの腕の先に感覚器官を持っているわけではないため、
    あちらが得意とする全方位に対応した行動は難しく、基本的にシーウーの攻撃範囲は胴体の正面方向が中心である。
    ダメージを受けることを避けたいなら、なるべく背後を取るよう意識した方がいいだろう。
  • 部位破壊は歩行に使う触手のうち後方の4本が切断、前方2本が破壊でき、加えて頭部も破壊可能。
    また、口も破壊可能なのだが、狙えるタイミングが非常に少なくなかなか難しい。
    • 口の破壊を狙うなら、上記の拘束攻撃にわざと捕まった上でスリンガーを用いてダウンを取るのが楽。
      口をこちらへ向けた突進の溜め中も、攻撃を加えればダウンさせられるチャンス。
    • 頭足種の同期と同じく、触手は切断後もビクンビクンと地面をのたうつ。
      討伐後に意気揚々と剥ぎ取りに向かい、得も言われぬ光景に消沈したハンターもいよう。
  • 乗り中のモーションはヌ・エグドラと同様だが、頭に飛び乗られた際には6本の腕に槍状の暗器を生成し、ハンターに突き立てる。
    背中に乗られた場合は後ろ4本の腕をフック状に変形させてハンターを引き剥がそうとする。
    敵のいる位置に合わせてどの武器が効果的かを考え、対処してくる様は類稀なる知性を感じさせる。
  • 本体は小柄で翼のように面積の大きな部位もないため、
    懐に潜り込むような戦法でもカメラアングルに悩まされないのはハンター側の利点の一つ。
    跳躍による移動、突き、振り回しなど間合いの長い攻撃をしてくることもあわせると、
    思い切ってインファイトを仕掛け、その場に釘付けにしたほうが戦いやすい面もある。

余談

  • 体の一部から出る黄金色の分泌物を結晶化させ、
    攻撃に用いるという性質は硫斬竜ディノバルド亜種とも共通している。
    結晶を纏うのが刃状の武器であったり、その破片を飛散させて遠距離攻撃をする点も似通っているが、
    シーウーのそれは無属性なのに対し、ディノバルド亜種のそれは防御力DOWNが付与されているという点が異なる。
    あちらは別名の“硫”の字の通り、硫黄を主成分とした酸が正体だと思われるが、
    シーウーのものは硬質化した粘液と説明されているのみで詳細は不明。
    …もしシーウーの暗器に防御力DOWN効果があったらと思うと少し恐ろしく思える。
    • また、鋭利な金色の刃を扱うという点は千刃竜セルレギオスを彷彿とさせるが、
      鋭いという触れ込みの割には裂傷状態を付与させる攻撃もない。
    • しかし、武器は水属性を帯びるという性質があるので、この粘液は水属性に近い性質があるのかもしれない。
  • 上述の通りシーウーは頂点捕食者達のような生息地に適応した能力を持たないが、
    それは裏を返せば生息地の環境に依存していないという事でもあり、
    実際に頂点捕食者*4や護竜達とは異なり竜谷の跡地を訪れる事からも、
    竜都の跡形を一切離れられないという訳ではないようである。
    生態系の上位に君臨する原種モンスターと同等の実力がある護竜を相手に有利に立ち回れるという事は、
    少なくとも戦闘能力に関しては他地域でも充分に強力な捕食者として通用するだけのスペックがある筈なのだが…。
    • 「環境に依存せずあちこちで活動できる汎用性」は生存に有利な強みの一つではあるが、
      逆に言えば「環境に適応し専門的能力を持った者には劣る器用貧乏」という事である。
      同じ進化の起源を持つであろう頭足種に限ってみても、油涌き谷には炎熱環境に適応したヌ・エグドラが君臨しており、
      その地の捕食者としてより適した形態であることは一目瞭然である。
      他にも、砂漠や水場や寒冷地など過酷な環境である上、すでに適した能力を持つ専門家のいる所までわざわざ乗り込んで行って
      生存競争を戦うのは意味もなく不利かつ労力の無駄なので、
      他の地域にシーウーが出現しないのは、特に不自然な話ではない。
    • むしろシーウーの生態は「どこでも活躍できるはずの万能選手」ではなく、
      「厳しい自然環境に耐える特殊能力を身につけるのではなく、特殊能力が無くても問題ない環境に住む」
      ものであったとしても成り立つ。
      いずれにせよ、こうした適応の後先は鶏と卵どちらが先かのような話なので、
      今現在の生態だけを見て後知恵で断定できるようなものではないのである。
  • 現実世界の肉食動物がそうであるように、強力な大型モンスターを捕食対象として認識し積極的に狙う生態を持つモンスターは少数で、
    Wilds発売時点で確認されているのもイビルジョーオストガロアネルギガンテマガイマガド
    そして(厳密には捕食ではないが)、今作で登場したアルシュベルドなど、
    生命活動の維持や生体エネルギーによる自己強化といった種族特有の事情があるか、
    あるいは獲物の反撃を恐れる必要が無い程の圧倒的な強者であるモンスターが多くを占める。
    これは僅かな負傷でも命取りとなり得る厳しい自然界において、
    一般的な生物がわざわざ獰猛な大型生物を獲物とするのはリスクとリターンが釣り合っていない為であり、
    実際にシーウーも護竜オドガロン亜種との縄張り争いでは僅かながらダメージを受け、
    他の護竜に対する捕食行動でも最終的には逃げられてしまっており、全ての狩りを確実に成功させられる訳ではない。
    にもかかわらず小型モンスターに対しての捕食行動も護竜セクレトに対してのみ行い、
    体格が護竜セクレトと大して変わらないラフマーやポルケピナには見向きもしない様子からは、
    明らかに護竜を狙って捕食しようとしていることが窺える。
    肉食ならぬ「護竜食」と言えるほど専門化した習性を持つに至った経緯は謎だが、
    これはこれで地域に適応した進化の形なのかもしれない。
    • 全体から見れば少数派とは言え、現実でも餌が希少な環境に住む深海魚などには
      自分と同等以上の体格の生き物を捕食できるように進化したものが見られるし、
      アナコンダなど大型の蛇は、自分の胴体より太いような大型の生物を襲って丸呑みにする。
      リスクはあっても、一攫千金的に多量の栄養やエネルギーを得られるといったリターンが釣り合いさえすれば
      大型の獲物を狙う生態自体はおかしなものではなく、自然に成り立ちうると言える。
      特に護竜は無限のエネルギーとされる竜乳を多分に摂取している生物であり、
      消化吸収が可能ならば並大抵の生物より非常に効率の良いエネルギー源となるかもしれない。
    • また、生物は遺伝子の複製ミスによる変異によって親と異なる形質を得ることが稀にあり、
      それによって他の個体より環境に適応しやすい能力を得て子孫を残すと「進化」と言われる*5
      捕食者と被食者はそういった変異によって捕食しやすい、あるいは免れやすいよう進化していくのだが、
      イレギュラーを除けば子孫を残せない護竜は変異が起きたとしても伝わる子孫が無いため進化できない。
      すなわちシーウーは変異によってより護竜を捕食しやすい生態や能力を獲得するチャンスがあるのに対し、
      護竜は捕食者が現れてもそれに抗えるように進化することはできないのである。
      この点も護竜食という生態が成立する一因かもしれない。

素材

暗器蛸の皮
シーウーから得られる皮。
独特の弾力に加えて粘液を纏っており、加工する際は加工者の腕が試される。
より上質なものは「上皮」と呼ばれ、護竜の爪や牙を跳ね除けるほどの弾性を持ち、
防刃性の高い素材として扱われる。
暗器蛸の牙
シーウーの大きな口に生えている牙。
どんな獲物も噛み砕きながら飲み込むため、極めて硬く発達しているのが特徴。
より鋭いものは「鋭牙」と呼ばれ、今まで無慈悲に噛み砕いてきた数多の獲物の血肉が染み付いた
恐ろしい素材として知られる。
暗器蛸の爪
シーウーの触手の先に生えた爪。
音も立てず獲物の急所を一突きに貫く、刃物のような鋭利さを備えている。
より尖ったものは「尖爪」として扱われ、狙った獲物を確実に仕留めるためにより長く鋭利に発達している。
暗器蛸の触手
シーウーの触手。
弾性の高い筋肉で構成されており、武器にも防具にも活かせる優秀な素材である。
より上質なものは「上触手」と呼ばれ、加工の途中で蠢くことがあるほど生命力に溢れているという。
金色の角質
怪しく不気味に輝くシーウーの金色の角質。
その正体は分泌物が硬化したものであり、シーウーが作り出す暗器の数々はこれが原材料である。
より純度が高く、黄金に輝くものは「黄金の硬角質」と呼ばれ、
砕くのが困難なほど並外れた硬度を備えるとされている。
暗器蛸の髄液
シーウーから採れる髄液。
大量のエネルギーを秘めており、特に高濃度のものは仄かに輝いている。
暗器蛸の暗玉(あんぎょく)
シーウーの体内で稀に生成される玉石。
まるで光すら飲み込みそうな、深い暗さを湛えている。
  • 暗玉という名称の素材は地味にメインシリーズで初出である。
    MHFではメラギナス剥ぎ取り希少素材として登場していたものの、
    それ以降はどれほど黒々しいモンスターが出ても登場していなかった。
    なお、勘違いしがちだがゴア・マガラの玉石は「闇玉」である。
    読み方は同じく「あんぎょく」であるが…。

関連項目

武器/シーウー武器
モンスター/頭足種
アクション/奇襲攻撃 - 得意とする戦法
システム/護竜 - 捕食対象
環境生物/シウシウ - 本種の幼体


*1 死角に回り込むその速さはターボとも言えるほど速く、ヌ・エグドラの比ではない。
*2 それでも、単体で汎用BGM~震天が流れるのは護竜を除けば本種とグラビモスぐらいのものである
*3 Chapter4-3クリア後、シーウーを1頭以上狩猟することで解禁。上記「“適応”のかたち」でも可。
*4 レ・ダウとヌ・エグドラは第三弾アップデートで出没する様になった
*5 有名な例では産業革命期のオオシモフリエダシャクという蛾の工業暗化が挙げられる。この蛾は白い翅や体色を持ち、白い木の幹の上で保護色となっていたが、工場の排煙の汚染によって木が黒くなると白い体色では保護色として機能しなくなり、鳥に捕食されて個体数が減ったが、変異によって黒い翅や体色を持つ個体が出現するとそちらが黒くなった木への保護色となり個体数を増やしていった。