MHWorldより新たに導入されたフィールドギミック。
同作における狩猟生活にて、特に重視するべき要素となる。
今のところMHWorldとMHST2にのみ登場している。
目次
概要 
- 痕跡とは、狩猟地に滞在する大型モンスターなどがフィールドに残した形跡のこと。
各大型モンスターは狩猟地内にて思い思いに行動しているが、
その活動の合間に「そのモンスターが居たこと」を示す痕跡がリアルタイムで発生する。
ハンターが存在に気付けるような比較的新しい痕跡を発見した場合、
その狩猟地には痕跡を残した該当モンスターが徘徊している可能性が高いといえ、
乱入の可能性をプレイヤーに感じさせるものでもある。- 痕跡を採取すると、その痕跡がどのモンスターなのかが表示される仕組みになっている。
ただし、全くの未知の(プレイヤーがはじめて出会う)モンスターの場合は「???」が表示されるようになっている。
なお、一回でも遭遇すれば名前が表示されることもあり、
しいてする必要はないが痕跡のテクスチャでもモンスターの判別が可能。
当たり前のようだが、モンスターによって残す痕跡にも傾向がある。 - ゲーム内ではモンスターが痕跡を残した瞬間もリアルタイムで確認できる。
モンスターの移動中に足跡が残されたり、羽毛が剥脱してひらひらと落ちたり、
モンスターの生態に纏わる行動で設置されたりと、世界観を窺わせる描写も多い。
- 痕跡を採取すると、その痕跡がどのモンスターなのかが表示される仕組みになっている。
- 同じMHWorldにて初登場する導蟲(しるべむし)と痕跡は密接に関わる要素となる。
導蟲は痕跡に反応を示し、その痕跡からモンスターの特徴(匂い)を記憶する。
痕跡を集めると導蟲の教導が進み、該当モンスターへ直接誘導してくれるようになる。- 導蟲がどの程度の誘導性能を持つかは「ガイドレベル」に依存している。
ガイドレベルはゲージ制で、特定目盛りを超えると「LEVEL UP!」と表示される。
ガイドレベルはクエスト終了後も持ち越され、次回以降の誘導の手助けとなる。- ガイドレベルは初期状態を除き三段階存在し、レベル1では対象のモンスターの痕跡を追跡し、
レベル2では対象のモンスターの位置が分かるようになる。
そしてレベル3になると、モンスターの移動先や疲労・瀕死状態がアイコンで表示される。
- ガイドレベルは初期状態を除き三段階存在し、レベル1では対象のモンスターの痕跡を追跡し、
- また、モンスター毎に存在する「研究レベル」の上昇にも痕跡は関わってくる。
研究レベルとは文字通り「対象モンスターの研究がどの程度進んだか」を示すもので、
これが上昇することでモンスターの肉質、素材などの詳細な情報が開示されるなどのメリットがある。
また、研究レベルによって痕跡回収時のガイドレベル上昇量にボーナスが掛かり、
痕跡を一つ集めるだけでガイドレベルの段階が上がることもある。 - ガイドレベルは時間が経つと徐々にゲージが減少してしまうが、
研究の進捗を表す研究レベルに関しては時間経過で低下しない。- 極端な話、各種情報および初期位置の把握をネットなどで行い、
クエスト開始直後に狩猟対象のもとに直行、狩猟しきるのであれば、痕跡の回収を行わずとも支障はない。
ただし、本作では大型モンスターの配置如何では目標モンスターの移動先が変わることがあり、
その辺りの知識もないと迷う可能性があるため、この辺りは慣れた人向けといえるか。
- 極端な話、各種情報および初期位置の把握をネットなどで行い、
- 導蟲がどの程度の誘導性能を持つかは「ガイドレベル」に依存している。
- 痕跡を回収すると「調査ポイント」という物を規定量獲得できる。
調査ポイントは拠点アステラなどの一部機能を使う際に利用可能なポイントであり、
ガイドレベル・研究レベルがMAXになっていたとしても痕跡を回収するメリットとなりうる。
調査ポイントはモンスターの生態に関わる行動・現象の確認でも獲得できるが、
道すがら手軽に痕跡を回収できるようなら、ついでに拾っても損は無いだろう。
- 痕跡の種類によってガイドレベルのゲージ変動幅、調査ポイント獲得量が変化する一方で、
回収にかかる時間も痕跡によってある程度差がつく仕様になっている。
- 痕跡は残されてから時間が経つと古いものになり、5分ほど経つと消滅する。
また、討伐・捕獲問わず狩猟した後のモンスターが消えたり、フィールドからモンスターが立ち去ったりすると、
まるで最初から何もなかったかのようにそのモンスターの痕跡は全て消滅する。- 消える寸前のモンスターから剥ぎ取る時と違い、痕跡を回収している最中に痕跡が消えると
回収した扱いにはならないため、ナイフでこそぎ取るタイプの古い痕跡は速やかに回収したい。 - 逆にモンスターがフィールドに立ち入った場合はどうなるかと言うと、
まるで最初からそのフィールドにいたかのように随所に痕跡が出現する。
- 消える寸前のモンスターから剥ぎ取る時と違い、痕跡を回収している最中に痕跡が消えると
- なお「痕跡」システムとは直接関係がないものの、
モンスターが付近にいることを推測できるギミックが幾つか存在する。
これらについては目撃しても調査ポイントなどは獲得できない。- 旧作でもあったように、草食竜が敵対するモンスターに怯えて逃げ出す。
- 環境生物の"キザシヤンマ"が赤く発光する
- 大型モンスターに帯同しおこぼれを狙うニクイドリの群れが上空を飛び回る。
- 足跡などの比較的小さい痕跡は移動しながらでも回収できるのだが、
回収した後にクンクンと臭いを嗅ぐ動作がキャンセル不可であったため、
戦闘中にスリンガー弾などを拾おうとしてうっかり痕跡を回収してしまうと隙を生んでしまっていた。
MHW:Iではこのクンクン動作がキャンセル可能になり、隙が小さくなったほか、
痕跡を連続で回収するのもスムーズになった。
ただし、クラッチクローなど一部アクションではなぜかキャンセルできない。
速やかにクローを射出したり楔虫に飛び付いたりしたい場合は、
回避などでキャンセルを行う必要がある。
主な痕跡の種類 
- 下記を見れば判る通り、MHWorldより前の作品では落し物として表現されていたものが多い。
稀にではあるが、落し物同様痕跡から素材アイテムが獲得できることもある。
また、時間が経つと"古い○○"といった言葉が冠されることがある。
モンスターの移動範囲内であることは間違いないが、その場付近には居ないことも多い。
- 足跡・這いずり跡
- ポピュラーな痕跡。歩行を行うモンスターの大多数が残す。
時間が経ったものは「古い足跡」と表記され、こちらも比較的よく見かける。
モンスターによっては体を引き摺った結果、引っ掻き後のような痕跡を残したりもする
- 轍
- 「わだち」と読む。車輪などが地面に残す筋状の痕跡。
ラドバルキンやウラガンキンのように体を丸めて転がっていくモンスターの移動痕の表現としては適切だろう。
- 剥離物
- 鱗片や体毛(羽毛)、棘片など、モンスターに付いていた何かが剥がれた痕跡。
当該モンスター自身のものだけでなく、身体に纏わり付けていたものも残される。
主にモンスターの生態行動に伴って残され、
それゆえに彼らの体色・生態的な特色が反映されるものも多く存在している。
プレイヤーにとっては既知のモンスターであった場合、判別しやすい痕跡もある。
- 捕食痕
- その場所でモンスターが食事に関わる行動を起こしたことを示す痕跡。
モンスターは種によって食べるものが異なり、食べ残しとなる痕跡も様々。
「草食竜の死骸」という捕食痕であれば、捕食者は肉食・雑食などのモンスターに絞られる。
こちらは被捕食者側から推察しなければならないため、対象の推測は難しい。
捕食時に特徴的な形跡が残される場合、「捕食痕」とは呼ばれない場合がある。
- 割れた卵
- 何かしらの事情で割れたまま残されている卵。アイテムとしては回収できない。
クルルヤックは卵を巣から盗んで運び出す生態を有しており、持ち出された卵が痕跡となる。
上記の「捕食時に特徴的な形跡を残す」例の代表的なものと言えるだろう。
大抵は食べた後に捨てられた形跡だが、運搬中に怯むことでも生じる場合がある様子。
- マーキング
- モンスターが「この場所は自らの縄張りだ」と誇示するために残したもの。
旧作におけるドドブランゴがなわばりのフンを埋める行動に近いもの。
例えばボルボロスは縄張りを示すために身体の泥を地面に擦りつけるほか、
アンジャナフは鼻から黄色い粘液を吹き付けて自らの存在をアピールする。
- 爪痕
- 地面や木等に付けられたモンスターの爪痕。主にリオレウス等の飛竜が残している場合が多い。
この痕跡を残すモンスターを観察していると地面や壁に能動的に付けていることがわかり、
性質としては上記のマーキングに近いと言える。
クシャルダオラは暴風の爪痕という痕跡を残すことがある。
座り込んだ際、纏った暴風が地面に跡を残すものであり、「爪痕」と言っても比喩的な表現である。
能動的に残したものではなく、またマーキング目的ではない事からも他の爪痕系痕跡とは別物だと言えよう。
こちらは「渦を描く広い円形の痕」という、非常に特徴的な痕跡が残される。
- 落書き跡
- 探索時限定で見つけることが可能な痕跡の一つ。
新大陸に住む獣人族「テトルー」が残した落書きで、彼らの姿を模したものが多い。
ネコの巣にあるような肉球マークの他、大きな姿の落書きも存在する。
この他にも探索限定の痕跡は存在する旨の発言も出ている。
テトルーは狩猟地によって部族が異なるが、それによって痕跡も変わるのかは不明。
『ウィッチャー3』のコラボクエストではガジャブーによる言語痕跡が確認されている。
- ゾラ・マグダラオスの痕跡
- ゲーム内で「痕跡」と呼ばれている謎の物体。システムとしての痕跡ではない。
中に溶岩が溜まった岩のようなもので、大型モンスター程度の巨大さが目に付く。
その正体は巨大な古龍、ゾラ・マグダラオスの体の一部である。
ストーリーではこの痕跡を元にゾラ・マグダラオスの進行ルートを予測するなど、
非常に重要な物として描かれている。
- 凍り付いた生物
- MHW:Iで初登場した痕跡。痕跡の主は冰龍イヴェルカーナ。
かなり特殊な痕跡であり、探索やクエストで登場したイヴェルカーナが縄張り誇示の一環として
ブレスによって小型モンスターを氷漬けにする事で発生する。早い話が小型モンスターの凍死体である。
主に犠牲になるのはメルノス、コルトスなどの翼竜種。
凍りついてしまったことで劣化したのか、あるいは研究のためか、
こうなってしまった小型モンスターからは剥ぎ取りはできない。
関連スキル 
追跡の達人 
- MHWorldで登場したスキル。
痕跡取得時のゲージ上昇量が1.5倍になる効果なのだが、正直あまり採用はされない。
しかし、序盤では痕跡を集めないとガイドレベルが上がらず誘導してもらえないうえに
ハンターシリーズなどにこのスキルが内包されているので序盤の救済スキルとなっている。
余談 
- 痕跡はモンスターの生態が直接描かれたものであり、彼らの日常の一端を窺い知れる。
旧シリーズではクエスト依頼文にて「○○の痕跡がある。あのモンスターの仕業に違いない」
といったようにモンスターの姿を直接確認せずとも痕跡のみで依頼を出すケースがあったが、
MHWorldではそれを調査団所属であるハンター自身が行うことになる。
モンハン世界で狩猟のためにどのような活動がされるかがリアルに描写された。
- フィールドに残される痕跡と言えば死骸や抜け殻等があるが、
「リアルタイムで残される痕跡」というのは従来落し物の一環で表現されるか、
「モンスターが捕食活動を行った後に被捕食者の骸が残る」程度に留まっていた。
MHWorldではPS4やXbox ONEといった高性能なハードの能力により、高度な生態表現もできるようになったようだ。
- 名称が同じ痕跡でも、モンスターによって形状は様々。
例として、クルルヤックならV字の、ボルボロスならば「山」の字形の足跡を残す。
ボルボロスと同じ獣竜種でも、アンジャナフは4つの指がはっきり識別できる。
標的の痕跡を覚えておけば、より効率的な追跡が可能になるだろう。まるでハンターのようだ。
- 「モンスターがリアルタイムで痕跡を残す」という構想はMH無印開発初期から存在した。
モンスターが捕食活動などによってフィールドに痕跡を残し、
それを辿って推測していくことで狩猟対象を見つけ出す、という流れもこの頃から存在している。
MHWorldでは「モンスターハンターが目指していたもの」を改めて取り入れる方針が示されており、
これもその一環と言えるのかもしれない。- なお、この構想では「狡猾なモンスターが痕跡を偽装する」といったアイディアもあった。
偽の痕跡を設置してハンターに行き先を誤認させ、やり過ごして活動するといったもの。
結局無印当時では表現の限界でそもそも痕跡追跡自体が没アイディアとなってしまったが、
当時の構想に近い痕跡集めが可能になり、こちらも実現の可能性は出てきたのかもしれない。- ちなみに「動物による痕跡の偽装」は現実世界においても見られる行動である。
「バックトラック」、あるいは日本語では「止め足」と呼ばれるこの行動は
海外ではキツネが有名だが、日本でもヒグマ、イタチ、ウサギが行うと言われる。
自分の足跡を器用に辿って後退し脇に飛び、追跡を逃れたり、巣の場所が知られることを防いだり、
或いは逆襲を行うための習性として知られている。
ベテランハンターですらこれで命を落とした例があるほどで、上記のアイデアも
それらのエピソードに影響を受けている可能性はあろう。肝の冷える話である。
- ちなみに「動物による痕跡の偽装」は現実世界においても見られる行動である。
- なお、この構想では「狡猾なモンスターが痕跡を偽装する」といったアイディアもあった。