モンスター/飛竜種

Last-modified: 2025-09-30 (火) 05:59:41

モンスターの分類カテゴリーの一つ。現在最も多くのモンスターが確認されている種。
初代から登場しており、生態系の上位に位置する、モンスターハンターを代表する種族といってもいい。

目次

概要

  • その多くは前肢が翼になっており、飛行する能力を持つ。
    一般的にブレスと呼ばれる遠距離攻撃を持っていることが多い。
    また、殆どの飛竜は尾を回す攻撃法を持つ。
    • 脚2本と翼(翼状の器官)を持つドラゴンのような怪物はワイバーンと呼ばれており、
      初期作品ではこのワイバーンと言う言葉も頻繁に用いられていた。
      ちなみに、前肢と翼の両方を持つ場合はドラゴンであり、古龍種の基本形である。
  • 一概に飛竜種と言っても、全てが飛行能力に長けているわけではない。
    「飛竜に共通する骨格的特徴はあっても、飛行能力は(ほぼ)持たない」というモンスターもおり、
    角竜系に分類される飛竜のように、翼は発達しているが殆ど飛行しないという種、
    グラビモスのように使われなくなった翼の退化が進んでいる種、
    極端な例では、アカムトルムウカムルバスのように翼と呼べる器官が存在しない種も存在する。
  • その凶暴性や罠肉使用の奨励(まず成功しないが)、さらにその強面により、
    全ての飛竜=肉食と勘違いされがちだが、決してそんなことは無い。
    確かに肉食種が大多数だが、わかっている範囲でもモノブロスやディアブロスはサボテン中心の草食、
    パオウルムーの通常種、及び亜種は動物食なれど陸珊瑚の卵や蟻を食べる動物であり
    バサルモスグラビモスに至っては鉱物食*1である。
  • 多くの飛竜種が高危険度に分類されていたり、MHWorldでは飛竜種の主が多数存在するなど
    飛竜種が”生態系の上位に位置する種族”というイメージが強い一方、
    ウロコウモリという超小型の飛竜種も存在する等、かなり広い生態的地位の幅を持っていることがわかる。
  • かつては、脚2本と翼(翼状の器官)を持つ大型モンスターの総称として「飛竜」が用いられていたので、
    現在でも古参のハンターは鳥竜種や魚竜種も含めて「飛竜」と呼ぶ場合がある。
    最近の作品でもゲーム内のモンスター情報書には名残が見られることがある
    (イャンクックガノトトス等を「飛竜」と呼んでいる*2)。
    モンスターの分類法は(決して後付け設定などではなく)無印の時代から確立していたものの、
    ゲーム内で正式な分類法が広まったのはMH2の時代以降となる。
  • 飛竜種を骨格で大まかに分類すると、リオレウスなどの後脚のみで歩行するワイバーン骨格と、
    ティガレックスなど4足歩行をするティガ骨格に分別できる。
    初期作品では大型モンスターの殆どがワイバーン骨格のモンスターであったが、
    マンネリを防ぐためか、あるいはティガ骨格がよほど使い勝手が良かったのか、
    2ndGのナルガクルガやウカムルバス、3のベリオロスやギギネブラと、ティガ骨格モンスターの追加が続いた。
    しかし、4Gではワイバーン骨格とティガ骨格のハイブリッドのセルレギオスが登場し、
    MHXではライゼクス、MHWorldではパオウルムーやレイギエナとここしばらくはワイバーン骨格モンスターの追加が続いている。
    そしてMHWildsではワイバーン骨格のレ・ダウのみならずティガ骨格と思われるアルシュベルドが追加された。
  • MHXまでは派生個体を含めても新規モンスターが追加されることが少なかったワイバーン骨格であるが、
    派生作品であるMHFでは全く真逆と言っていい状況にあった。
    アップデートで追加される新モンスター(つまりアップデートの目玉)として新たな飛竜種が追加されることが極めて多く、
    MHF-G7の時点で17種(より正確には19種)のワイバーン骨格のオリジナルモンスターが存在する。
    骨格はMHFが属する旧作仕様のものが大多数だが、
    MH3以降の骨格を流用したモンスターであるアノルパティスも登場している。
    • この理由については、運営インタビュー等によれば「見栄え」という面が大きいらしく、
      カッコいい新モンスターを出したいとなったら、真っ先に挙がるのが飛竜種であるという。
      一方で「それだとMHFのモンスターが飛竜種だらけになってしまう」というジレンマもあるようで
      しばらくの間飛竜種以外の種と飛竜種モンスターをセットで実装するようなことも行われていた。
      なお、G3のゼルレウス実装~G7の間は、
      実装された新モンスターの内フォロクルル(鳥竜種)以外は全て飛竜種または古龍種のどちらかであり、
      多くのプレイヤーからもモンスターのレパートリーのマンネリ化が不満として上げられていた。
  • 現在で「ティガ骨格」と呼ばれる、ティガレックスを初出とする骨格
    開発スタッフにとっては正しく「傑作」であったらしく、
    前述のようにその後、同骨格の新規モンスターの追加が相次いだ。
    MHFでも同じような骨格のモンスターは登場しており、パリアプリア、デュラガウア、ヒュジキキなどがこれに該当する。
    • ティガ骨格のモンスターは、哺乳類の食肉目(イヌやネコなど)がモデルの一部となっているモンスターが多い。
      ティガ骨格も四足歩行であるため、4足歩行で優秀なハンターが多い食肉目はモデルとなりやすいのだろう。
  • アカムトルムウカムルバスに関しても、骨格そのものはティガレックスに近い。
    ただし、両者は系統学的にはより原始的な生物から進化したとされており一部ユーザーからはそれこそが
    ワイバーンレックスのさらなる祖先であるワイバーンオリジンではないかと目されている。
    ちなみに、MHFフォワード.5で実装されたオディバトラス、MHF-G6にて登場したポボルバルム、MHF-ZZで追加されたボガバドルムも同じ骨格であり、飛竜種に分類される。
  • MHP(と見ようによってはMH2)を除く全ての作品で派生個体などを含め何かしら新しい種が追加され続けており、
    MHF産を含めたMHWildsまでの時点で、その数の59種類
    (二つ名持ちおよび特殊個体を除いた数。ガブラスも除けば58種)。
    便宜的な寄せ集めの古龍種を今なお上回る数である。
    明確に分類している種族である鳥竜種が41種、牙獣種が25種と比較するとその多さがよく分かる。
    • なお、MHRise及びMHR:Sでは完全新規の飛竜種は追加されなかった。*3
  • イーオスやゲリョス、イャンガルルガの様に鳥竜種に多い印象のであるが、
    有毒の種が最も多いのは飛竜種である。
    ただ実際にそれを多用した戦い方をするのは紫毒姫ギギネブラ位であり、
    また毒袋といった毒素の由来である素材が手に入る種類ではやはり鳥竜種の方が多い。

シリーズ毎の変遷

  • 初期作品では純粋な飛竜種も含めたワイバーンが席巻しており、
    リオレウス、リオレイアの看板夫妻を筆頭として、
    ハンター稼業の始まりたるモノブロス、その近縁種のディアブロス、
    おどろおどろしいフルフル、頑強な壁として立ち塞がるバサルモス、グラビモスと、
    正に強敵揃いの強豪種族という扱いであった。
    • MHGでは全員に亜種が追加された他、リオス夫妻は希少種も追加。
      やはりポジションは変わらず、モンハンを代表する種族として活躍した。
  • MH2では初となる小型飛竜のガブラスが登場した他、MHP2にて新骨格のティガレックスが登場。
    超大型であるアカムトルムも同骨格で登場した他、
    MHP2Gではナルガクルガ、ウカムルバスと同ポジションのモンスターが続き、
    MH~MHGとはまた異なる角度から飛竜種というモンスターの印象を叩きつけた。
  • MH3では小型のギィギに加え、ギギネブラ、ベリオロスとティガ骨格の飛竜種が登場。
    どちらも独特な戦法でハンターの印象に残った他、
    MHP3ではティガ・ナルガと同時に新規亜種も追加された。
    そしてMH3Gではナルガクルガ希少種が登場した。
  • MH4ではティガレックスの希少種が登場したほか
    MH4Gではティガ骨格とワイバーン骨格の中間と言える特殊な骨格を持ったセルレギオスが登場。
    MHP2Gぶりのメインモンスターとしてストーリーでも活躍を見せた他、
    極限個体にセルレギオス、ティガレックス、ディアブロス、グラビモスが抜擢、
    その恐ろしい強さで多くのハンターにトラウマを焼き付けた。
  • MHXでは初代モンスターハンター以来11年ぶりに完全新規のワイバーン骨格となるライゼクスが登場。
    更に特殊な個体である二つ名持ちモンスターがメインモンスターを中心に登場、
    (超)特殊許可クエストなどで作品の最高難度クエストを張る存在となった。
    また、その中の1体である鏖魔ディアブロスはMHXXの双璧の片割れを務めている。
  • MHWorldではパオウルムーレイギエナバゼルギウスの3種の飛竜種が追加。
    ティガ骨格を追加してきたP2(G)や3と打って変わり、彼等は初代の飛竜種達の様にワイバーン骨格となっており、
    むしろティガ骨格の完全新規モンスターの追加が止まっている状況である。
  • MHWildsでは、新規の飛竜種としてレ・ダウが登場。こちらも例によってワイバーン骨格である。
    もう1種、絶滅種として紹介されているメインモンスターのアルシュベルドも、
    ゲーム内では紆余曲折ありつつも最終的には飛竜種として分類される。
    こちらの骨格のベースはティガ骨格であるが、ワイバーン骨格のような動きをする事もあり、
    セルレギオスのようなハイブリッド型と言える。
    飛竜種としてはMHXX以来8年ぶり、単独ではMH4Gから数えて11年ぶりのメインモンスター抜擢と相成った。

生態樹系図

    ┏不明━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━アカム科:アカムトルム
    ┃                     ┗━ウカム科:ウカムルバス
竜盤目┳┻竜脚亜目━━┳┳━━━━━━━━━━━━━━━レックス科:ティガレックス
   ┃       ┃┗甲殻竜下目━━飛竜上科━━━━リオス科:リオレウス、リオレイア
   ┃       ┣━重殻竜下目┳━鎧竜上科━━━━グラビモス科:グラビモス、バサルモス
   ┃       ┃      ┗━角竜上科━━━━ブロス科:モノブロス、ディアブロス
   ┃       ┣━電翼竜下目━━電竜上科━━━━ゼクス科:ライゼクス
   ┃       ┣━━━━━━━━膨頸竜上科━━━パオウルムー科:パオウルムー
   ┃       ┣━━━━━━━━拡翼竜上科━━━レイギエナ科:レイギエナ
   ┃       ┣━━━━━━━━爆鱗竜上科━━━バゼル科:バゼルギウス
   ┃       ┣━━━━━━━━棘竜上科━━━━エスピナス科:エスピナス
   ┃       ┣━奇怪竜下目┳━毒怪竜上科━━━ネブラ科:ギギネブラ
   ┃       ┃      ┗━稀白竜上科━━━フルフル科:フルフル
   ┃       ┣━不明━━━━━前翼脚竜上科┳━ナルガ科:ナルガクルガ
   ┃       ┃              ┗━ベリオ科:ベリオロス
   ┃       ┗━刃鱗竜下目━━━━━━━━━━レギオス科:セルレギオス
   ┣鳥脚亜目━各鳥竜種
   ┃
   ┣獣脚亜目━各獣竜種
   ┃
   ┣四脚亜目━各牙竜種
   ┃
   ┗奇首亜目━首鳴竜上科━リモセトス科
  • これはモンスターハンターライズ:サンブレイク公式設定資料集『HAUNTING OF THE SUN』の時点での物であり
    この図の内、竜脚亜目、甲殻竜下目、重殻竜下目、鳥脚亜目にはそれぞれ
    ワイバーンレックス、シェルレウス、クラグモス、イグルエイビスがあてがわれており
    この四種については現存が確認できておらず、絶滅という事になっている。
    • ギギネブラフルフルは兎も角、グラビモスとディアブロスが近縁なのがちょっと意外である。
      確かに両者ともデカくてゴツかったり、モーションが大体共通だったりはしているのだが。
      • なお、MHFにおいてグラビモスとディアブロスが近縁の種族という設定は、グレアドモスと呼ばれる、
        「砂漠に生息するグラビモスの祖先」という設定を持つモンスターの生態を紐解く上で重要な要素となっている
        (端的に言えばグラビモスの祖先が砂漠にいるということがディアブロスとの大きな繋がりとして表現されている)。
    • またWorldの時期あたりから飛竜の中でもリオス科とレックス科が近い種として書かれるようになった他、
      書籍によってはセルレギオスの系統が前翼脚竜上科に近いものとして書かれる事がある。
  • さらに近年における樹形図ではアカムトルムやウカムルバスといった超巨大飛竜は竜盤目の内竜脚亜目に繋がる系統から
    枝分かれした種であり実際には竜脚亜目ではないことが記されている。
  • ちなみに現実において竜脚亜目とはブラキオサウルスやディプロドクスといった恐竜たち
    モンハンでいうところのリモセトスに似た姿の生物が属するグループであり
    断じてワイバーン型の生物が属するグループではない。*4
    当然ブラキオサウルスの仲間がモンハン世界においてはワイバーン型に進化しているというわけでもない。
    流石にないとは思うが現実の竜脚亜目とモンハンの竜脚亜目を混同しないように注意されたし。
    • なお竜脚亜目という名称になったのはハンター大全G以降でそれ以前は獣脚亜目という名称だった。
      メタ的な意味で名称変更された理由は不明だが、世界観的な理由としてはアカムトルムの発見が大きいとのこと。

該当モンスター


メインシリーズ
モンスター名別名英名初登場作品
リオレウス
(派生作品/外部作品)
火竜(雄火竜)RathalosMH
黒炎王リオレウスDreadking RathalosMHX
ヌシ・リオレウスApex RathalosMHRise
リオレウス亜種蒼火竜Azure RathalosMHG
リオレウス希少種銀火竜Silver RathalosMHG
リオレイア雌火竜RathianMH
紫毒姫リオレイアDreadqueen RathianMHX
ヌシ・リオレイアApex RathianMHRise
リオレイア亜種桜火竜Pink RathianMHG
リオレイア希少種金火竜Gold RathianMHG
バサルモス岩竜BasariosMH
バサルモス亜種桃岩竜Ruby BasariosMH4
グラビモス鎧竜GraviosMH
グラビモス亜種黒鎧竜Black GraviosMHG
フルフル
(派生作品)
奇怪竜*5KhezuMH
フルフル亜種赤怪竜*6Red KhezuMHG
モノブロス一角竜MonoblosMH
モノブロス亜種白一角竜White MonoblosMHG
ディアブロス
(派生作品)
角竜DiablosMH
鏖魔ディアブロスBloodbath DiablosMHXX
ヌシ・ディアブロスApex DiablosMHRise
ディアブロス亜種黒角竜Black DiablosMHG
ティガレックス
(派生作品)
轟竜TigrexMHP2
荒鉤爪ティガレックスGrimclaw TigrexMHX
ティガレックス亜種黒轟竜Brute TigrexMHP3
ティガレックス希少種大轟竜Molten TigrexMH4
アカムトルム覇竜AkantorMHP2
ナルガクルガ
(派生作品)
迅竜NargacugaMHP2G
白疾風ナルガクルガSilverwind NargacugaMHX
ナルガクルガ亜種緑迅竜Green NargacugaMHP3
ナルガクルガ希少種月迅竜Lucent NargacugaMH3G
ウカムルバス崩竜UkanlosMHP2G
ギィギ-GiggiMH3
ギギネブラ毒怪竜GigginoxMH3
ギギネブラ亜種電怪竜Baleful GigginoxMHP3
ベリオロス氷牙竜BariothMH3
氷刃佩くベリオロスFrostfang BariothMHW:I
ベリオロス亜種風牙竜Sand BariothMHP3
セルレギオス
(派生作品)
千刃竜SeregiosMH4G
ライゼクス電竜AstalosMHX
青電主ライゼクスBoltreaver AstalosMHXX
パオウルムー浮空竜PaolumuMHWorld
パオウルムー亜種浮眠竜Nightshade PaolumuMHW:I
レイギエナ風漂竜LegianaMHWorld
凍て刺すレイギエナShrieking LegianaMHW:I
バゼルギウス爆鱗竜BazelgeuseMHWorld
紅蓮滾るバゼルギウスSeething BazelgeuseMHW:I
エスピナス棘竜EspinasMHF-シーズン2.0
MHR:S
エスピナス亜種棘茶竜Flaming EspinasMHF-シーズン2.5
MHR:S
レ・ダウ煌雷竜Rey DauMHWilds
アルシュベルド鎖刃竜ArkveldMHWilds


派生作品
モンスター名別名初登場作品
エスピナス希少種棘白竜MHF-シーズン5.5
ベルキュロス舞雷竜MHF-シーズン4.0
パリアプリア呑竜MHF-シーズン5.0
デュラガウア氷狐竜MHF-シーズン8.0
ドラギュロス冥雷竜MHF-シーズン8.5
グレンゼブル蛮竜MHF-シーズン9.0
UNKNOWN/ラ・ロ飛竜(刻竜)MHF-フォワード.1
オディバトラス弩岩竜MHF-フォワード.5
ヒュジキキ針纏竜MHF-G1
アノルパティス暴鋸竜MHF-G2
ゼルレウス輝界竜MHF-G3
メラギナス黒穿竜MHF-G3.2
ディオレックス雷轟竜MHF-GG
ポボルバルム創音竜MHF-G6
ヴァルサブロス炎角竜MHF-G6.1
グレアドモス水砦竜MHF-G7
エギュラス衛蛇竜MHF-G10
ゼナセリス裂水竜MHF-Z
ボガバドルム爆霧竜MHF-ZZ
レウス/隻眼のリオレウス火竜MHST
改造ティガレックス改造轟竜MHST
凶気の隻眼リオレウス火竜MHST
破滅レウス火竜MHST2

*1 ただし、バサルモスは分解機能が未発達であるため、動物質も同時に摂取する
*2 例えばココット村とてもおしゃべりな村人は「イャンクックって言えば一応、飛竜種だもんね!」と発言していたりする。
*3 MHRiseのヌシは除く
*4 一応ワイバーンを彷彿とさせなくもない見た目の恐竜としてイー・チーがいるがあちらは獣脚亜目である。
*5 MHRiseより命名。それ以前は主にクエスト名における別名記載欄で「白影」の表記が用いられていた。下記の亜種についても同様
*6 MHST2より命名。それ以前は主にクエスト名における別名記載欄で「赤影」の表記が用いられていた。