目次
効果
効果量
スキル | Lv. | 効果量 |
---|---|---|
S | 1 | 14.0 |
2 | 17.1 | |
3 | 22.5 | |
4 | 28.8 | |
5 | 38.2 | |
6 | 50.6 |
仕様
効果量は効果対象のポケモンのげんき回復量のせいかくの影響を受ける。
画面上では小数点以下を四捨五入された数字が表示される。
発動者自身も対象になる。
2024年4月のVer.1.5.0アップデートにて、「チーム内でげんきが1番少ないおてつだいポケモンが効果の対象になる確率が高くなる」回復対象の調整がされた。
所持ポケモン
S
考察
誰に効果が及ぶかを選ぶことができないので安定性がないが、げんきチャージよりも回復量が少しだけ多い。
Ver. 1.5.0のアップデート以降は「チームのポケモンの中で最もげんきが少ないポケモンを対象にする確率が高くなる」という仕様が追加されたため、使い勝手がかなり向上した。
単純な性能ではげんきオールに劣るものの、おてつだい効率を大きく上昇させることができる非常に強力なメインスキルの一つでもある。
実際に、スキルレベル6のげんきエールでポケモンを1匹回復させると、そのポケモンの稼ぐエナジーが約30%上昇する事が分かる。
げんきによるおてつだいスピードの補正をげんきのページに基づく補正値であると仮定する。
げんき | おてつだい時間の短縮倍率 | げんき補正 | |
150~81 | 0.45倍 | 2.222倍 | |
80~61 | 0.52倍 | 1.923倍 | |
60~41 | 0.62倍 | 1.613倍 | |
40~21 | 0.71倍 | 1.408倍 | |
20~0 | 1.00倍 | 1.000倍 |
- 全く同じ性能を持つのポケモンAとBをそれぞれ、以下のようにして定義する。
- A:1日を通して一切げんきを回復せずにお手伝いをする
- B:朝1回だけげんきエールLv.6による回復を受ける
これらA,B,Cについて、Aがげんき0%の際に10分間で稼ぐエナジー量を1エナジーとして、それぞれの場合にどれだけのエナジーを稼ぐかを考える。
睡眠時間を8時間半(510分)で、日中の活動を15時間半(930分)として以下のように考えることができる。
Aは
- 最初の200分間は『げんき81%以上』でお手伝いをする。
- 次の200分間は『げんき61%以上』でお手伝いをする
- 次の200分間は『げんき41%以上』でお手伝いをする
- 次の200分間は『げんき21%以上』でお手伝いをする
- 最後の640分間は『げんき20%以下』でお手伝いをする
以上より、Aが1日で稼ぐエナジー量について以下の式が成り立つ。
1/0.45*20 + 1/0.52*20+1/0.62*20+1/0.71*20+1*64=207.33
よって、
Aは207.33エナジー稼ぐことがわかる。
Bは
- 最初の710分間は『げんき81%以上』でお手伝いをする。
- 次の200分間は『げんき61%以上』でお手伝いをする
- 次の200分間は『げんき41%以上』でお手伝いをする
- 次の200分間は『げんき21%以上』でお手伝いをする
- 次の130分間は『げんき20%以下』でお手伝いをする
以上より、Bが1日で稼ぐエナジー量について以下の式が成り立つ
1/0.45*71 + 1/0.52*20+1/0.62*20+1/0.71*20+1*13=269.67
よって、
Bは269.67エナジー稼ぐことがわかる。
よって、以下の表が成り立つ
仮定 | 条件 | エナジー | Aとの比較 |
A | 回復なし | 207.33 | - |
B | 1回だけ | 269.67 | +30.07% |
また、これを踏まえてPTにげんきエール持ちを採用するべきかどうかの試算を行う。
前提として、以下のように仮定する。
①他のメンバー(ここでは好物きのみ+きのみとくい+きのみSとする)が稼ぐエナジーを100とする
②げんきエールポケモンの稼ぐエナジーは0とする
この場合、①×4人+②×1人のPTの平均獲得エナジーは80になる。
げんきエール1回で獲得エナジーが30%増加するとし、PTの合計獲得エナジーが500、つまりげんきエールポケモン採用時もきのみ理想個体×5編成と同等になるスキル発動回数aを求める式は次の通りとなる。
(簡略化のため同じポケモンに複数回当たる可能性、げんきエール持ち自身に命中して発動回数が増える現象は考慮しない)
500=80×1.3×a+80×(5-a)
a=4.16
以上より、スキルの発動回数が1日4.16回以上となる場合、げんきエールは好物きのみ+きのみとくい+きのみSより優先して採用するに値すると言える。
これはげんきエール持ちが一切エナジーを稼がないと仮定しても、スキルレベル6のげんきエールが一日の発動回数が平均4.16回以上になる場合には、好物きのみ+きのみとくい+きのみS個体よりも優先して採用するに値することを示している。
参考として、1日発動回数4回をクリアできるげんきエールポケモンの性格・スキル構成例は以下の通りとなる。
ヤドキング(無補正1日2.54回)…性格補正(スキル)+スキル確率アップM
リーフィア(無補正1日2.30回)…性格補正(スキル)+スキル確率アップM+(任意のスキル発動率orおてつだいスピード関係サブスキル1つ)
ソーナンス(無補正1日1.96回)…性格補正(スキル)+スキル確率アップM+スキル確率アップS+おてつだいスピードM
(参考:ポケモンの一覧/スキル発動回数期待値一覧)
回復スキルとしては原則げんきオールの方が一段優位ではあるものの、見方を変えれば一段高い厳選ラインをクリアさえできていれば、純粋なヒーラーとしてげんきオール系ポケモンと同等の活躍が見込めることが分かる。
ヒーラーを探している時にたまたま秀逸なげんきエール個体が手に入った場合は、育成する価値は十分にあると言えるだろう。*1
ただし、げんきを回復させるスキルの中で唯一、2段階進化するポケモンが存在しない。そのため、スキルレベル最大のこのスキルを使うためにはメインスキルのたねが必須となる。
スキルレベル5以上にあげたときの効果の上昇幅が非常に大きく、スキルレベル6になると51%も回復できるようになり、げんきマクラの回復量を超える。
そのため、スキル効果で回復したポケモンが8時間半お手伝いをしたとしてもげんきを100%以上残すことができる。そこで、他の育成したいポケモンとスキル効果で回復したポケモンを交代させれば、強いポケモンでしっかりエナジーを稼ぎつつ、睡眠EXPだけ育成したいポケモンに与えることができる。
このように、『スキル効果で回復したポケモンを一旦手持ちに戻し、代わりに育成したいポケモンや足りない食材を調達できるポケモンと交代させて一緒に寝る』といった交代戦術が可能となる。
また、スキル発動前にげんきエール保有ポケモンを含めた回復させたいポケモンだけを編成したチームに切り替える*2ことで安定性を高めることもできる。
ただし、編成人数を絞るとげんきエールが自身に当たる可能性も高くなるので注意。自身に当たっても行動回数、ひいてはスキル発動回数が増えるため十分恩恵はあるが、複数回連続で当たると流石にげんきがあふれてしまう。
自身1匹だけを編成すれば確定での自己回復も可能。
その他、具体的な立ち回りや運用についてはげんきエール運用方法も参照。
以上のように、変則的なプレイングが可能になるので、メインスキルのたねに余裕があるならば育成してみる価値はあるだろう。
げんきオールとの比較
げんきオールSはリリース当初から今に至るまで最強格のメインスキルであるとして非常に高い評価が与えられ続けており、様々な開拓が進んだ今となってはリリース初期は無駄なスキルとまで評されたげんきチャージSも文句なしの強力なスキルである評価されるに至った。
一方で、げんきエールSは交代戦術というマイナーな使い道が開拓されたことで弱いとまでは言われていないものの、「扱いにくい」や「強くはない」という評価を受けており、それぞれの評価には大きな差がある。
Ver. 1.1.0以前であればいざ知らず、睡眠中もげんきが減少するようになった今となっては『げんきを回復する』というメインスキルの評価も大きく変わり始めている。今なお続くげんきエールに対するこの評価が果たして妥当なのかどうかを改めて検討する必要があるだろう。
ここではげんきエールとげんきオールを比較することを目的とする。
それぞれの効果
スキル | Lv. | 効果量 |
---|---|---|
S | 1 | 14.0 |
2 | 17.1 | |
3 | 22.5 | |
4 | 28.8 | |
5 | 38.2 | |
6 | 50.6 |
スキル | Lv. | 効果量 |
---|---|---|
S | 1 | 5.0 |
2 | 7.0 | |
3 | 9.0 | |
4 | 11.4 | |
5 | 15.0 | |
6 | 18.1 |
以上より、以下の表を得る。
スキル | Lv. | オールで回復するげんきの合計値 | エールで回復する値 |
---|---|---|---|
S | 1 | 25.0 | 14.0 |
2 | 35.0 | 17.1 | |
3 | 45.0 | 22.5 | |
4 | 57.0 | 28.8 | |
5 | 75.0 | 38.2 | |
6 | 90.5 | 50.6 |
メインスキルの効果で言えば、げんきエールの回復量はげんきオールのおよそ半分程度しかない。
そのため、スキル1回ごとの恩恵で言えば、交代戦術等を考慮しない限りはげんきオールの方が明確に優れていると言える。
使用可能なポケモンの性能
無補正かつ所持数を考慮しない場合のスキル発動回数の期待値
スキル1回の効果量では明確に差があったが、逆にスキル発動頻度の観点で言えば、げんきエールの方が明確に勝っている。(ソーナンスを除く)
実際の比較
スキル効果とスキル発動頻度を併せて評価した場合に、両者の関係がどのようになっているかを考える。
共にイーブイの進化形であり、条件が近いリーフィアとニンフィアで比較する。また、スキルレベルは共に6の場合を考える。
まず、げんきオールSが発動することによる恩恵は以下のように与えられる。(げんきオールのページより)
げんきオール発動回数 | おてつだい回数の増加量 |
---|---|
回復なし | - |
1回だけ | +10.61% |
2回だけ | +21.22% |
3回だけ | +31.83% |
一方、げんきエールSが発動することによる恩恵は以下のように与えられる。(げんきエールのページより)
げんきエール発動回数 | おてつだい回数の増加量 |
---|---|
回復なし | - |
1回だけ | +30.01% |
ニンフィアは48/日程度のおてつだいを行い、4%程度の確率でスキルが発動するので、げんきオールによる恩恵を以下のように計算できる。
発動回数 | 生起確率 | 恩恵 | 恩恵期待値 |
0 | 14.09% | 0.00 | 0.00 |
1 | 28.19% | 10.61 | 2.99 |
2 | 27.60% | 21.22 | 5.86 |
3 | 17.63% | 31.83 | 5.61 |
4 | 8.27% | 40.87 | 3.38 |
5 | 3.03% | 47.34 | 1.43 |
6 | 0.91% | 0.00 | 0.00 |
7 | 0.23% | 0.00 | 0.00 |
8 | 0.05% | 0 | 0.00 |
9 | 0.01% | 0 | 0.00 |
10 | 0.00% | 0 | 0.00 |
合計 | - | - | 19.27 |
よって、無補正ニンフィアのげんきオールによって増えるおてつだい回数は19.27%程度である。
リーフィアは2.30回/日でスキルが発動すると考えられるので、
リーフィアの恩恵(スキル対象者は重ならないとする) | ニンフィア | |
---|---|---|
スキル発動回数 | 2.30回 | 1.82回 |
効果で回復したポケモンのおてつだい回数上昇率 | 30.01% | 19.27% |
チーム全体のおてつだい回数上昇率 | 13.80%*3 | 19.27% |
よって、ともに無補正かつスキルレベル6の場合には5.57%分げんきオールの方が恩恵が大きい。
総評
げんきエールはおてつだい効率に与える恩恵という観点でげんきオールに明確に劣ることが分かる。
さらに、げんきオールは自身のげんきも回復できることから、発動すればするほどスキル発動回数の期待値も上がる性質があるため、数値以上にスキル発動回数の期待値は大きくなると考えられる。
また、げんきエールの効果対象者としてヒーラー自身が選ばれたり、すでに過剰に回復しているポケモンも選ばれることがあるため、実際にはこの数値よりも恩恵は小さくなると考えられるだろう。
この比較結果は『非常に強力なメインスキルであるげんきオールと比較すると弱い』ということを明らかにしただけであり、げんきエールが弱いと結論付けるものではない。
むしろ、最強格のメインスキルであるげんきオールに比較できるほどの性能を持った非常に強力なメインスキルであることを示している*4。
スキル確率が高めであることから下振れする確率も低くなる点や交代戦術を可能にする点を踏まえれば、げんきエールはげんきオールに劣っているとは言えないだろう。