第一部本編のサイドストーリー
編年史に入れてくれればいいものを、元が時限イベントだったせいで読み返すためには復刻を待つかyoutubeを漁るかしなければならなくなっている
目次 | |
---|---|
神州仙遊記 | 神州漂流記 |
chapter22までに | いつでも |
謎の企画・アラハトα | 絵星の旅 |
後崩壊書第二章の後 | 古の楽園と一緒に |
サバイバル!夏の狂想曲 ・サイドA | サバイバル!夏の狂想曲 ・サイドB |
chapter31~31EX | |
天穹夜行録 | 崩壊救助日誌 |
chapter28の後 | chapter32~34、必読 |
休日のシンフォニー𝄆 | 休日のシンフォニー𝄇 |
chapter35以降 | |
将来の計画!人生設計 | キャットタウン大冒険 |
いつでも | chapter35以降 |
☆パーフェクトライブ☆ | スターボヤージュ・逆襲 |
chapter38以降 | chapter40以降 |
追鳶漫遊記 | |
chapter42以降 | |
第一部以外のイベントについて | |
【イベントシナリオの手引き】 |
神州仙遊記
ver3.7、ver5.6(復刻)
プロローグ
キアナちゃんはmay先輩とフカさんが作っていた牛肉餃子を生のままつまみ食いしてお腹を壊してしまう
フカさんに膝枕で看病されていたキアナちゃんは何か面白い話をしてくれるよう頼み、フカさんは『年獣』という怪物にまつわる話を始めた
年獣、それは毎年決まった時期に神州に現れる怪物
しかし神州の人々は年獣を怖がることはなく、むしろ年獣の出現を1年の始まりとして盛大にお祝いするほどだった
なぜなら年獣が現れるといつも仙人が現れて撃退してくれていたから
その仙人の名前は…
解説
2020年の春節に合わせて行われた春節を題材にした大型イベント
雲墨丹心と伏羲の書のテーマイベントでもある
そして「」長からクソシューと呼び親しまれているちびキャラを使ったミニゲームの第2弾
登場人物はいつものキャラ達に置き換えられているけどおそらく大筋では漫画の番外編『歳月』を面白おかしく再編集した話
フカさんの仙人時代のお話はここから番外編『雲墨剣心』、そしてノベル『神州折剣録』と繋がっていく
このあたりを理解しておくと識ちゃん編の感動が100倍になるからぜひ合わせて読もう!
ちなみに仙人達の拠点になる桜ちゃんの宿は後に崩壊戦記・零でセルフオマージュされ、伏龍様一向にキャベツづくしのフルコースを振る舞った
あらすじ
仙人は例年より1ヶ月も早く出現した年獣を倒してしまった
このままでは1年の始まりが大幅にズレてしまい、神州の人々の生活に影響が出てしまう
困った仙人は武装人形『伏羲の書』の発案で偽の年獣を作って倒してみせることに決め、その材料を集めるために近隣の村『桃源郷』へ降りていった
しかし桃源郷には陰の気が漂い、妖獣が住民を襲っていた
襲われていたロザリアとリリアを助けた仙人達は双子の雇い主である桜ちゃんの落桜閣に案内され、お礼に部屋を提供してもらえることになった
下働きのゼーレに案内された部屋で身を休めていたところ、二人の元を訪ねるものがあった
テレサと名乗る少女は姉が空飛ぶ白い龍にさらわれたから助けるために仙人の力を借りたいと言う
人助けをしつつ竜の鱗が手に入るということで仙人達はテレサの依頼を受け、途中テレサの祖父である木こりの大事な木を切り倒し橋にし、追ってきた双子を拾い、大量の妖獣に襲われ、ついに白龍の住み家とされる滝まで辿り着いた
そこでテレサの姉・霜雪の精(律ちゃん)を発見したが、律ちゃんは力に飲まれ白龍を暴力で従えており、桃源郷へ帰りたくないと仙人達に襲いかかってきた
なんとか律ちゃんとの和解に成功した仙人達は帰路へつこうとしたが、律ちゃんがロザリアに妖獣を引き寄せる香袋が仕込まれていたことに気づき、桃源郷に漂う陰の気の背後に何者かの陰謀の存在を感じた
桃源郷に帰った仙人達は年獣作りのための紐を求めて桜ちゃんと共に近隣の村へ向かった
この村はカボチャ作りが盛んで蔓で編まれた紐も簡単に手に入るはずだった
しかし、村へ着いてみるとそこには一面キャベツ畑が広がっていた
この状況を苦々しく思っていたカボチャ農家のカレン・ブローニャ姉妹によると、ある商人が持ち込んだ1日で作物が育つという肥料をキャベツ農家のAIちゃんが独占して販売し、村人に売る代わりにカボチャ畑を全てキャベツ畑に変えさせてしまったのだという
しかもこの肥料は食べたものを攻撃的にする効果があり、肥料にまみれたキャベツを食べた付近の妖獣を凶暴化させ、さらに村人をゾンビのように変えていた
仙人達は翡翠宮に乗り込み、キャベツを大量に摂取して凶暴化していたAIちゃんに腹パンをぶちこみ吐かせ寸剄で邪気を祓い、村を救った
正気に戻ったAIちゃんは謝罪すると共に、元凶の肥料を持ち込んだ商人について知る限りの情報を話し、さらにその商人から仙人を抹殺するよう頼まれていたことを教えてくれた
再び桃源郷へ帰ってきた仙人達はお礼にもらった大量のキャベツの処理に困っていた
宴会を開いて住民に食べてもらおうともしたが、どうにも集まりが悪く、このままのペースなら食べきるのに1年はかかってしまうだろう
どうやら灰蛇やヴェルト、カカリア、その他木こり達はいい木材が取れるという枯木林に入り、妖怪に襲われ行方不明になってしまったのだという
妖怪退治を生業とする姫子を加えた一行は木材の調達と消えた木こり達の捜索、そして妖怪の正体を突き止めるために枯木林へ向かうことにした
噂によれば、枯木林に入って帰ってきたものはほとんどいないという
逆に言えば、あえて探さずとも旅人のふりをしておけば妖怪の方から接触してくるだろう
そう考えた仙人は廃寺で一夜を過ごすこととし、そして目論見通り妖怪、リタは現れた
逃げたリタを追いかけた仙人達は洞窟へ辿り着き、その中で行方不明になっていた住民達を発見した
木こり達は一様に血色がよく、むしろ生き生きとしていた
彼らは妖怪にさらわれたのではなく、ここの飯が美味すぎて帰りたくないのだと言う
困惑する一行の前にmay先輩が現れ、真相を語り始めた
リタとmay先輩は妖怪ではなく、ただ作る飯が美味すぎて木こり達を集めてしまい、断ることも出来ず困り果てていただけの一般人であり、リタが枯木林に入った人を誘うのも彼らを説得して連れ帰ってもらうためだったらしい
呆れた一行が木こり達を桃源郷へ帰らせていたところ、ドサクサに紛れて双子が伏羲の書から銃を奪い襲いかかってきた
双子はとある人物から仙人を襲うよう飴玉で買収されていたらしい
奇襲に失敗し逃げた双子を追って仙人が洞窟を出たところ、桃源郷の方角で火の手が上がっているのが見えた
伏羲の書は桃源郷を襲っているのはおそらく年獣、それが人間に擬態したゼーレだろうと言う
実は伏羲の書は初対面の時にゼーレの正体に気づいていたが、力を失っていて暴れる様子もなかったし、仙人に人と関わってもらうためにもあえて黙っていた
ゼーレは今年は1ヶ月前倒しに出現して奇襲を狙ったものの失敗し、力を蓄えるため海淵へ帰るところを双子に拾われて落桜閣で匿われていたらしい
そこに仙人が現れたものだから自分を探して退治しに来たものと思い、何度も刺客を送り込んできていたのだ
刺客達は全員失敗したが、ゼーレは仙人が周囲の人々を巻き込んで傷つけないために力を抑えていることを知り、そして大晦日を迎え年獣の力が最も高まったこの時、桃源郷を人質に取る形で仙人に挑んできた
仙人は周囲を気遣い攻め倦ねたが、今回の冒険で知り合った人々の力を借りて住民を避難させ、今年も大晦日に年獣を倒してみせた
翌日、桃源郷では新年を祝う祭りが盛大に行われた
仙人は祭りには参加せず太虚山に帰ろうとしたが、しかし…
キアナちゃん「えー!?その後どうなっちゃったの!?
神州漂流記
ver4.6、6.8(復刻)
プロローグ
正月!それは実家に帰って家族に無事を報告し、新しい年の安寧を願う団欒の行事
まあ帰る家どころか親の行方すら知れないメインキャラ達にとっては関係ないわけだが……
というわけでいつもの面々は正月を南の島でバカンスをして過ごすことにしたようだ
目的地はマルヤズ島というテリテリが見つけてきたリゾートアイランド
テリテリによると、精衛仙人の伝説が残るこの神州の沖に浮かぶ島は長い間その教えを守って伝統的な暮らしを守ってきたが、最近になって観光に力を入れ始めたらしい
その伝統と核心の織りなすコントラストがこの島の魅力なんだとか
それを示すように船からでも精衛仙人を祀る像が見える
……コントラストと言うにはリゾートらしい部分は見当たらないが
ま、まあ船から見えないだけで上陸してみればきっといいところよ!
そう話を誤魔化すテリテリだったが既に雲行きが怪しいことは言うまでもない
そもそもテリテリ発案で南の島へバカンスに向かったけど……って同じ導入のクソシューイベントを1年半前にもやってるんだよね?
その時は船が沈んだし、今回もやっぱり船は沈む
はたして島に流れ着いた一行にはどんな冒険が待っているのだろうか
解説
2021年の春節に合わせて行われた春節を題材にした大型イベント
春節名物クソシューイベントの第3弾
今回はいつものストーリーモードクソシューに加えて6人バトルロワイヤルや3vs3などPvPモードも豊富でとても楽しい
お話としては単発の幸せ時空で、春節に謎の島を訪れた聖フレイヤ組が識ちゃんとわちゃわちゃするだけのコメディチックなもの
ただし時期が時期だからmay先輩はビリビリしててこれは……ありがたい……
ちなみにイツメンの中でブロにゃんだけ不参加
理由は前日譚にあたる漫画の新春旅行を読めばわかる
- キアナ
初期キャラである我らが主人公は3点バーストのマシンガンを用いる遠距離重視のオーソドックスなスタイル
その性質から1人モードのダンジョンではそれなりに活躍してくれるが、1マガジンで殺しきれる火力がなく射程もそんなに長くないせいでPvPではいまいち恵まれない
モチーフ聖痕はシーリン・昇華- チャイナ
初期衣装
必殺技は連射数の制限を解除する爆発状態モード
ただし連射中は移動速度が極端に落ちる- 泉の精霊
追加衣装その1、PvPでは使用不可
必殺技は月光でおなじみのグルグル乱射
ボス相手に接射することで一瞬で大ダメージを奪える鉄砲玉- ライムジュース
追加衣装その2
必殺技は初期衣装と同じで連射モード、ただしオートエイムしてくれるあちらと違ってこちらは射線を固定してしまう代わりに高威力
- テレサ
あたくしが誓約の十字架を振り下ろしたらあんた達全員死ぬのよ!?な唯一の格闘タイプ
被弾が嵩む性質上ダンジョンでは無力だが、PvPでは鬼のような強さで草むらの中はテリテリの卵でいっぱいだーー!!と「」長達を震え上がらせた
欠点はラグに弱いところと密着距離に攻撃判定がないところ
モチーフ聖痕は水鏡- 春待ち時
初期衣装
必殺技はロザリアでおなじみのぐるぐるアタック
連続ヒットする性質から6onバトルロワイヤルでは乱戦に飛び込んできてkillを掻っ攫われる光景がよく見られた- みたらし童子
追加衣装
必殺技はチャージからの前方広範囲薙ぎ払い
これ自体が強力な上に減速付与が凶悪で、特に3on3で逃げ遅れさせた相手を囲んで殴り殺す戦法が猛威を振るった
- フカ
過去のクソシューにおけるバズーカ枠の遠距離キャラ
ピィちゃんを転がして当たると爆発する通常攻撃は同じ間合いのキアナちゃんと比較すると弾速で劣る代わりに集弾性がいい
クセのない性能と強力な必殺技でダンジョン、PvPどちらでも大活躍した
モチーフ聖痕はフカ・衛戍- 雲墨丹心
初期衣装
必殺技はフェリスでおなじみの気をつけて!ピィちゃんが振ってくるよ!
発動から着弾まで1秒ほどあってこれ自体が当たることはあまりないが、退路確保に置いたり草むらに投げて潜んでる敵をあぶり出したりと応用が利く
もちろん乱戦に投げ込んだりすれば当たることもあり、その場合はかなり高威力- 青燕化羽
追加衣装その1
必殺技は巨大ピィちゃんを高速で正面に転がす通常攻撃を超強化したような感じ
(ほぼ当たらない↑を除くと)遠距離から飛ばせる攻撃の中では最高の瞬間火力を誇り、その速度と判定の大きさから実質回避不能
6onバトルロワイヤルでも3on3でも超強力- 物見遊山
追加衣装その2、PvPでは使用不可
通常攻撃が5wayになる爆発状態モード
ダンジョンの固有バフで壁反射を取ればその分だけ画面をピィちゃんが転がるようになって強力であり、もちろんボス相手なら接射して高威力を継続的に出すことも可能
- 姫子
爆弾を山なりに投擲する遠距離キャラ
その性質上障害物の向こうから一方的に攻撃することが出来て大変助かる
特にダンジョンではお助けキャラとして皆が世話になる
PvPでも強いことは強いのだが、上位になるほど通用しなくなるあたり全体的に初心者救済の面が強い
モチーフ聖痕はレーウェンフック- チャイナ
初期衣装
必殺技は扇状に爆弾を5個投げる
つまり接射だと5個分の爆発がhitしてくれる
体力バフのない6onバトルロワイヤルでは通常攻撃→必殺技→通常攻撃と繋げることで体力満タンから瞬殺することも可能
反面このコンボで殺し切れなかった場合には近接の弱さ故にタコ殴りにされてしまう弱点もある- 海賊
追加衣装
必殺技はスイカ型地雷の設置
一見PvPではテクニカルな運用が出来そうだが、地雷は当たり判定が狭く、踏んだ敵にしかダメージがなく、威力もそれほど高くなく、何より敵からも丸見えで残念な感が拭い去れない
一応設置の射程はかなり長い上に任意の場所に置けるから使いこなせば3on3で自陣に逃げる敵にトドメをさすフィニッシャーの役割をこなすことは出来るが、その状況まで持ち込めないうちに正面から押されることの方が多い
- may先輩
ショットガンを使う近距離タイプ
やはり被弾を避けたいダンジョンではあまり出番はないが、PvPの3on3ではテリテリキラーとしてチームにいると頼もしい
モチーフ聖痕はベナレス・覚醒- 悪の女幹部
初期衣装
- 雷電女王
追加衣装
必殺技では前方にスタンマインを投げて減速を付与しながらドットダメージを与えるフィールドを形成する
使いこなせば強い反面、操作が忙しいのが玉に瑕
- ワタリガラス
チャージ機能搭載の特殊な遠距離キャラ
無チャージでは3wayの非力な弾を飛ばすだけだが、チャージで出せるハモニカブレードは威力・範囲・弾速がそこそこ優秀で壁も貫通していく
また、バグなのか仕様なのかは不明だがタイミングよくチャージを離すことで2連射が可能
ただしこの小技を毎回使ったとしてもDPSは低め
モチーフ聖痕はカフカ……なんでカフカ?- フードあり
初期衣装
必殺技は忘れた- フードなし
追加衣装
必殺技は忘れた
あらすじ
というわけでやってまいりましたマルヤズ島
一行はキアナ・テレサペア、フカ・姫子ペア、may先輩・(偶然トレジャーハントしに来ていた)ワタリガラスペアの3組に分断されていた
そして各々がサバイバルを始め、それぞれ違ったトラブルに巻き込まれていく
キアナちゃん達が出くわしたのはオットー
テリテリがバカンスに行くのを聞きつけて勝手に有給を申請(受理はされていない)してこの島まで追いかけてきてしまった彼は、キアナちゃん達の手でボコボコにされてデュラリタに引き渡された
それと同時刻、フカさん達はこの島を兵器工場にしてしまおうとして大損をこいたテスラ博士と勝手に貯金を使い込まれて壊れちゃったアインシュタイン博士の被害をこうむっていた
しかしそれらの小競り合いとは関係なく、島に大異変が起きようとしていた
オットーが連れ帰られ、テスラ博士達がばたんきゅ~させられた頃、突如空は青さを忘れ、稲光が島を照らした
この異変を起こしたのはまだスポットの当たっていない2人の問題児
may先輩と
ワタリガラス
彼女らは茂みからイタズラを仕掛けてくる謎の丸い鳥を締め上げながら島を進み、そして謎の祭壇を発見した
祭壇には「食物を捧げないとバチが当たる」と書かれた案内板が残されていた
may先輩は鼻で笑ったが、意外にもこのワタリガラスという女はこういったものを気にする
こうしてmay先輩は呆れながらもワタリガラスのあんこ餅作りにつきあわされ、(いつから廃墟に放置されていたのかもわからない)食材集めに奔走することになる
ん?may先輩が材料集めるなら作るのは誰だよって?
そんなの手の空いてるワタリガラスに決まってるだろ
そうして完成したあんこ餅が祭壇に供えられた時、空は真っ赤に染まった
何がいけなかったのだろうか、いや原因は明らかである
食物を捧げないとバチが当たると言われている祭壇に毒物を供えたのだから
そして怒れる精衛仙人が罰を与えるために姿を表した
彼女は無人になってしまったこの島に再び活気溢れるかつての姿を取り戻させるために宣伝を打ち、ピィちゃん達と協力して頑張ってお客さん達をもてなそうとしていた
しかしこの2人はピィちゃん達をいじめ、毒物を食わせ、悪びれる様子もない、そんな連中はもはやもてなすべき客ではない
この悲しいすれ違いを解決するきっかけを作ったのは、いつの間にか先に到着してゲーム三昧でダラダラしていたブローニャだった
冷静になってみればピィちゃん達にまともなもてなしが出来るわけもないし、毒物の中にはちゃんとあんこらしきものが入っていた
おや?つまりはカスラナの血筋でもないのにポイズンクッキングの使い手であるワタリガラスさんが諸悪の根源ということでよろしいのでしょうか?最低ですねヨルムンガンド……
というわけで誤解も解けたところ、一行は精衛仙人の全力の歓待を受けた
きらびやかに飾られた街で皆でうまい飯を食う!そうそうこういうのでいいんだよ……
あと春節といえば花火もね!
どうせ火薬はテスラ博士の在庫が山程あるんだから派手に行こう!
……
と、こんなところで今年の春節イベントはこれでおしまい
ここまで読んでくれてありがとう、また次の物語で会おうね
もちろん、キアナちゃんたちの物語はこれで終わることはない
いろいろあったからね、いいことも、悪いことも
キアナちゃんたちの物語はまだまだ続くし、蕎麦の更新もまだまだ続くから
一緒に世界をより美しく変えようね
これからもよろしくね、「」長
謎の企画・アラハトα
ver5.5
プロローグ
ティミドがゲームを持ってきたから一緒にやるで!
なんや宇宙一最高に面白い次世代アクションRPG『アラハト』の限定版に付いとった続編の体験版らしいわ
めっちゃムズいらしいけどこの「ゲームの王様」に任しとき!
解説
5周年で後崩壊書第二部第二章に合わせて行われたイベント
おそらく本編時空
いつものギャグイベントらしいクソゲーゲームに逐一キャロルがツッコミを入れていくスタイル
これじゃまるでウチがツッコミ担当の関西人みたいやん
実は体験版ではなく流出した新作のα版のディスク
ミニゲームのチュートリアルが無駄に長い、隊長トラウマになっとるやん…
でも元ネタのLoop Heroと違って馬鹿にしてんのかってくらい簡単
自己満足みたいな身内ネタ隠し要素は続投
話も前作までと世界観が全く違う上に肝心のアラハトは最後の1カットしか出てこない
次回作も爆死確定やな!
キャロルさん!(バシィ
あらすじ
祭りの王…この世で最も盛大な祭りを開催した者の称号…
祭りの王になった者には財宝と伝説の機甲「アラハト」が与えられるという
沖虚山、潮の城、穹頂市の三界の長達はアラハトを手に入れるべくそれぞれ自身の領地で盛大な祭りを開こうとしていたが、そんな中で陰謀に巻き込まれた主人公のあなた❤ブローニカは最下層の沖虚山で目を覚ました
投与された新薬SXYS-005の効果で子供になっていたブローニカは「医者」「童謡」と協力して穹頂市を目指すことにした
その道中で「サンザシ童子」と協力して沖虚山を支配し立ち塞がる「シーシーオー」とそのペット「シーオーオー」を倒し、「シーシーオー」の船で上層・潮の城へ出発
しかし「シーシーオー」の船は沈没してしまう
目を覚ました一行は潮の城で「途中入隊の騎士」に協力して「途中入隊の副官」を助け、潮の城を支配する「ウォッカツインズ」の祭りの準備を手伝った
潮の城を取り巻く諸問題が解決した後にお茶会が開かれ、「ウォッカツインズ」達も最上層・穹頂市へ向かう協力を約束してくれた
しかしその時ブローニカは「ボス」に連れ去られてしまう
目を覚ましたブローニカは穹頂市におり、さらに「忍者」の手によって大人に戻されていた
自分にSXYS-005を投与して子供にしたと思ったら今度は元に戻すなど一体何を考えているのかと「忍者」を問い詰めるブローニカに対し、「忍者」は助力を願った
現在この穹頂市は「ボス」が祭りの王になるためにブローニカの全自動バイク修理AIを流用して開発した都市管理AI(ネーミング中)によって支配されかけており、その暴走を止めるためにブローニカの力が必要だという
ブローニカは生まれ育った街を守るために遺恨を水に流し申し出を了承し、「ボス」のもとへ向かった
ブローニカ達は説得を試みたが、「ボス」は(ネーミング中)の稼働時間が1時間を超えると自己増殖を開始する不具合を認識してはいたものの、もはや祭りの王の選定まで時間がなく、倫理回路は後付けされているからとりあえず1時間毎に再起動をかければ問題はないとして(ネーミング中)の停止を拒否
交渉は決裂し大量の機甲をけしかけられ、ちょうどブローニカを助けに後を追ってきた「医者」達も合流して激しい戦闘が繰り広げられた
そして、この時を待っていたとばかりに(ネーミング中)が暴走を開始
管理者権限を乗っ取り「ボス」もろとも葬らんと攻撃を仕掛けてきた
実は1時間毎の再起動は時間稼ぎにしかならず、(ネーミング中)は既に穹頂市全域のシステムに潜り込んでいた
穹頂市を人質に取られたような状態で穹頂市中の機甲に襲われかねない絶体絶命の危機だったが、ブローニカのコンピュータウィルスをばら撒いたというハッタリによって(ネーミング中)を「ボス」専用の最新鋭機甲《ネーミング中2》に閉じ込めることに成功
一行はなんとか《ネーミング中2》を破壊し(ネーミング中)を停止させたが、戦闘の余波で穹頂市は廃墟と化してしまった
もはや祭りの王を諦めざるを得ずうなだれる「ボス」の口から語られた本心を知ったブローニカは彼女を赦し、今まで出会ってきた仲間達の協力もあり穹頂市は一夜にして復興を成し遂げた
その時、世界に声が響き渡った
次の祭りの王にはこれまでの冒険によって絆という財宝を手に入れることが出来たブローニカ達が選ばれた
突如現れたアラハトの指さす方向には、花火が上がっていた
第一章『銀の章-序幕-』クリアおめでとう!ディスク2を入れ、続編「剣の章-啓-」と「月の章-Prologue-」を始めてください!
なんやこのクソゲー
キャロルさん!(バシィ
絵星の旅
ver5.8
プロローグ
遠い遠い昔
世界の色が褪せ、星空が消える場所から最も離れた古い森の中を、小さな旅人が歩いていた
旅人は画家だった
伝説の「絵世者」を探し求める彼女は、これから不思議な旅に出る
その時の彼女はまだ知らなかった
定められし出会いが、既に彼女の傍までやって来ていることを…
解説
グレーシュちゃん実装記念イベント
グレーシュちゃんらしいメルヘンなお話
火星先生のキャラ立ち絵がとてもかわいらしい
ミニゲームはプ〇コネ風に5人編制して勝手に戦わせる新形式
しかしファンシーな雰囲気に反し、このプリ〇ネシステムが鬼のようなとんでもない難易度をしており、さらに挑戦モードのクリア階層数が勲章に永遠に刻まれるという鬼畜仕様がこのイベントから追加されたこともあり、PC版実装に浮かれる「」長達を恐怖のズンドコ節に叩き落とした
あらすじ
画家は忠誠を誓う騎士、侍従、マダム、御者の4人を連れて旅に出た
しかし一行が湖を渡るために乗った船は沈没し5人は離れ離れになってしまう
森に流れ着いた画家は幸いすぐに騎士と侍従と合流でき、とある村に立ち寄り休息を取ることにした
最近この村では1人また1人と村人が透明になって消え、代わりに平和だった森をバケモノが闊歩するようになるという怪事件が起こっていた
村人は一連の事件は最近表れた湖の魔女が引き起こしたものだという
お世話になった村を救うため画家達は湖の魔女(アポニア)のもとを訪ね、しかしそれが魔女の仕業ではなく伝説の絵世者の残した絵画、世界の全ての根源であるその色が失われてしまったことが原因であることを教わった
魔女の勧めで画家が色の失われてしまった絵画を修復すると、たちどころにバケモノは消えたと思われていた村人の姿を取り戻し、森には平和が戻った
しかしなぜ最近になって急に絵から色が失われてしまったのだろう?
その答えは絵世者が最後に立ち寄った街、昼と夜を生み出すという伝説の『星夜町』にあると魔女は語る
この言葉を信じた画家は絵世者の足跡を辿りながら、その手掛かりがあると村人達が語る『楽園』を目指し、湖を渡った
楽園、湖心の奥深くにあるその場所は、その名に違わぬお菓子で出来た街だった
食べきれないほどのお菓子に画家は目を輝かせ、チョコケーキで出来た建物をパクリと一口食べて見たが、しかし期待に反して甘味は全くない
画家達が甘くないお菓子に首を捻っていたところ、無糖派を名乗る機械の兵隊達が周囲を取り囲み襲撃をかけてきた
銃撃を受け這這の体で逃げ出した一行は楽園の中心にある城へ逃げ込み、そこで防衛派と名乗る住人達と出会う
彼らによると、元々このキャンディーランドは甘いお菓子を永遠に食べ続けられる文字通りの楽園だったが、ある時お菓子から甘さが失われてしまい、それを苦にした一部の住人は島の主が残した魔法の書を使って自身を甘味を感じない機械の身体へと改造してしまい、甘味からの解放を謳い住人を拉致して機械の身体への改造を強要していき、機械になりたくない住人達はこれに抵抗して防衛派を結成し戦争を続けているのだという
悲惨な話ではあるが、しかし双方の使用する武器はやはりお菓子で出来ており、互いに傷つけるつもりがないことは明白だった
画家はこの一連の騒動に森の時と同じように絵世者の絵画が関係していると考え、また望まぬ戦争を止めるため、彼らの本拠地に乗り込んでいった
無糖派の本拠地で彼らのリーダーに祭り上げられていたマダムと再会した画家は情報通の商人(フェリス)を紹介された
お菓子の泥棒仕入れに困っていた商人は快く協力を申し出てくれたが、やはり絵世者の絵画については知らず、しかしこの島の主である妖精様(妖精エリ)ならわかるはずだから城の装置を使って探せばいいと言う
住民も知らない秘密の通路を通り城の鐘楼に辿り着いた一行は、そこに据えられた世界の全てに声を伝えられる巨大スピーカーを使い妖精様を呼び出して捕獲した
妖精様に案内され見つけた絵世者の絵画はやはり森のものと同じように色を失っていた
絵画を画家が修復するとたちどころにお菓子は甘さを取り戻し、戦争は終わった
機械の身体への改造は絵世者の絵画とは関係のない妖精様独自の技術であったようで画家の修復後も回復することはなかったが、技術開発に多少時間はかかるものの治すことは出来るらしい
妖精様から紹介された沈黙した船夫(コズマ)の案内で湖を進んだ画家達はついに旅の目的地、星夜町へ辿り着いた
夜空を喰らい吐き出す大蛇が世界の昼と夜を作り出すという星夜町
しかしその星夜町からは夜の闇すら失われかけており、代わりに街を包むのは闇ですらない『黒』だった
再会した御者に案内された教会で絵世者の絵画自体はすぐに見つかった、そして魔女が語ったようにここに全ての原因があった
昼夜を作り出す絵に描かれた大蛇(メビウスおばさん)は意思を持って絵世者の作り出した世界の法則に反旗を翻し、食べた夜を吐き出さずに消化して色を取り込み、世界を我が物としようとしていたのだった
そんなことをすれば世界から色は失われ、大蛇すらも自身の色を保てなくなる
画家の懸命な説得にも大蛇は耳を貸さず、激しい戦闘の末に大蛇は画家の絵筆に服従し野望を諦めた
しかし消化されて完全に失われてしまった夜の色は返ってこない
世界を救うためには、画家が絵世者のように新たな夜を作り出す必要があった
世界中の人々から応援されたくさんの絵の具をもらった画家は頑張って絵を描いたが、新たな夜を作り出すのは並大抵のことではなく、上手く行かなかった
画家は再び旅に出た
新たな色、自分だけの色を見つけるため
そしてその色で、世界を救うため
旅は困難だろうけど、画家ならきっと自分の色を見つけられるだろう
画家には仲間がいるのだから
それから…
それから……
あら?
グレーシュったらまた絵を描きながら眠っちゃったの?
ふふっ可愛らしいわね
どんな夢を見てるのかしら
サバイバル!夏の狂想曲・サイドA
ver5.9、7.1(復刻)
プロローグ
3、2、1…
ハロー、愛しのファンの皆さん。元気にしてる?
もう10時間くらい動画をアップしていないから、そろそろあたしのことが恋しくなってきたんじゃないかしら?
今日はなんと海に来ているの!私のかわいい水着姿もお披露目しちゃうわ!
太陽、砂浜、海風、そして健康的な男女の赤らむ顔肌!今日から1週間、島での冒険が始まるわよ!
さあ、さっそく夏の大冒険に繰り出しましょう──
……
この愉快な海辺の旅が、こんなことになるなんて……あの時は誰も予想してなかったでしょうね……
解説
英傑水着イベント第1弾
なんとこのイベントを記念してテレビCMまで打たれた
かの有名な橋本環奈の「崩壊しちゃえ❤」以来、実に5年半ぶりとなる地上波進出である、まあMX限定ではあるが
長乳の妖精さん♪から始まるいやらしい楽しげな夏の英傑達に「」長達も崩壊3rdがえっちなゲームだと勘違いされちまうー!!と大興奮でこれじゃ地上波じゃなくて痴女だよ…
おまけに秋葉原駅前で長乳の妖精さん♪の団扇まで配られてすごいまるで大人気ゲームだ
ともあれmiHoYoちゃんもようやくやる気になってくれたようで嬉しい限りである
イベント内ミニゲームの元ネタはDicey Dungeons、ダイスの出た目でスキルを撃つやつ
今回も報酬勲章に挑戦モードの到達階層が載る…というかテーマイベントはそういう方向性になったようだ
ただ前回の鬼畜難易度に反省したのか、挑戦モードは強いキャラなら大体何使ってもクリアできる難易度になった
そして夏の生存狂想曲はB面へ…
復刻版では勲章が新規で追加されているから要注意
あらすじ
ネット上でピンクの妖精さん♪としてちょっと有名なフリーターのエリシアは自身のおかれている状況にもめげることなく動画を撮っていた。発端は1通の手紙。『黄金の庭園』の住民達に届いた招待状は彼らを何グループかに分けて夏の島へと誘い、そして孤立させた。就活中の学生である華と元ホームレスで職業不詳のパルドフェリスと共に奇妙な壁によってこの砂浜に閉じ込められてからスマホの充電が切れるくらいの時間が経ったが、救助どころか通りかかる船すらない。
腹を空かせたフェリスが釣りをしていたところ、砂浜に謎のアナウンスが響き渡った。
「ピンポンパンポーン!パルドフェリスが釣りで30ポイント獲得!合計500ポイントを超えたので砂浜エリアSU-01が解放されたよ!新エリアで重要人物に会おう!」
島に着いて以来、このアナウンスは何度か聞こえてきていた。しかし今回は今までと少し違うことを言っている。新エリアの解放、アナウンスが告げたように砂浜を区切っていた奇妙な壁は轟音を立てて消え、島の奥へと続く道が開かれていった。とりあえずアナウンスに従い砂浜を進んでいくと、1本のヤシの木の下でパラソルを広げビーチチェアでくつろぐ男が見えてきた。
彼はスウ、研修医として働く黄金の庭園の住人だ。彼はケビンとサクラと共に島へ向かっていたが、船が沈没してしまい流れ着いた時には1人だったらしい。そして傍目にはバカンスを満喫しているようにしか見えないが、やむにやまれぬ事情からこの場所に留まらざるを得ないらしい。その事情というのが島の主を名乗る人物から送られてきたカード、このカードに書かれた条件を満たすことによって漂流者達は島を脱出出来る、そういったある種のゲームに黄金の庭園の住人達は巻き込まれたのだという。スウに与えられたカードにはこの場に留まり他のプレイヤーが来た場合にはルール説明をするよう書かれていた。
とにかく、参加者達はポイントを獲得して探索範囲を広げ、そしてカードの課題をクリアしていけばいい。エリシアのカードはなぜか開かなかったが、華とフェリスの課題はわかった。カードに従い華はビーチバレー大会で哀れな崩壊獣他の参加者を全滅させて優勝した。そして次はフェリスの課題、ヌシを釣るよう指示されたのだがフェリスの持っていた竿では折れてしまって釣り上げるまでには至らず、より強い竿が求められた。一行が目を付けたのはスウがいたところに生えていた1本のヤシの木。これを折って竿にしてしまおうと考え華は拳を構えたが、パラソルだと完全に日差しを避けることが出来ずその死角を覆ってくれているのがこのヤシの木だから折るのはやめてほしいとお願いされていまう。同郷で仲のいいスウの頼みに華は彼と数刻見つめ合い…「ごめんなさい!」ヤシの木に寸勁を叩き込んだそういうところですよ朴念仁。うなだれるスウを尻目にヤシの木を改造した竿を使い3人で協力してヌシを釣り上げることに成功した時、新たなエリア、洞窟が開かれた。
──わあ、すごい臨場感、さすがエリの姉ちゃんだね!見て華ちゃん、私達が画面の中のキャラクターになってるよ!
──うーん、やっぱりカメラの前の自分には慣れませんね。
──あれ?もしかして照れてるの?大丈夫、華ちゃんの演技は十分自然だったよ。
──そうですか?でもフェリスの言うとおりですね。カメラワークもセットも本格的でまるで本物の映画を撮っているようでした。エリシアの行動力には感心します。
──これから物語はどうなるのかな?ますます楽しみになってきたよ!
──そうですね。台本には本人が演じるキャラのシーンとセリフしか書かれていませんでしたし、繋ぎ合わせたらどんな物語になるのでしょうか?ここは期待して待ってみましょう。
長い洞窟の中を進んでいった一行は完璧に自身のいる位置を見失っていた。運良く同じ黄金の庭園の住人で剣道の達人で社畜のサクラに出会うことは出来たが、彼女もまたずっとこの洞窟で出口を求めて彷徨っていたらしい。しかし気になるものがあるのだと言う。それは異様な気配を感じる穴。探索の手掛かりを求めて4人は奥を調べるため穴を降りていき、広い空間に着地した途端、正面から凍えるような冷気に襲われた。
巨大な何かが恐ろしい冷気を放っている。これは、氷柱……いや人だ!
ケビン!普通の仕事をして普通の日常を送っている普通のITマンのケビンじゃないか!彼はどうして水着で氷の上に座っているのだろうか?とにかくこのままでは風邪をひいてしまう、まずはここを出るべきだ。しかしケビンはここから離れられないのだという。なぜなら、背中が氷にくっついてしまっているから……一行はドン引きしながらフェリスの持っていた魔法瓶のお湯をかけ、ケビンの背中が湯引きにされはしたがなんとか彼を助けることが出来た。一行は氷柱から離れて元の場所まで戻ってきたが、しかしまだ凍てつく冷気に曝されていた。おかしい、いや全くおかしくないから辛い、このケビンという男はこんなにも多弁で、そしてその凍り付いたユーモアをもって冗談を言い続けるような人物だっただろうか?そして今の話もその前の話もいったいどこが笑いどころだったのだろうか?確かめなければならない。ケビン、彼のカードに書かれていたのは──やはりそうだった、『冗談で他の参加者を笑わせる』、なんて恐ろしい課題を用意してくれたのだろうか。しかし課題さえわかればこの状況の対処は容易い。エリシアはケビンに次の冗談を促し、そして困惑するフェリスを除いた3人は爆笑した。これで課題クリア、それを知らせるいつものアナウンスがどこからともなく鳴り響いた。いや、今回は位置を特定出来る。洞窟なのだから音の聞こえてくる方向はある程度制限されるし、そんな中でサクラの耳を誤魔化すことは不可能だ。音の発信源、やはり声から予想された通りそこにいたのは黄金の庭の引きこもり三人組の1人であるヴィルヴィ……ではなくヴィルヴィを模した精巧な機械人形だった。
足をドリルに変形させ地中に潜って逃げようとするヴィルヴィ人形をサクラの一撃がとらえ、なぜか人形からサクラのカードが出てきた。『海底に繋がる通路を開く』、意味はすぐにわかった。ヴィルヴィ人形の掘った穴から亀裂がはしり、洞窟が崩れて海水が吹き出してきた。
──ハハハハッなあ見たか?ケビンにもユーモアのセンスがあったとはな、実に笑える!
──脚本担当がエリシアだとわかった時点でこうなることは予想しておった。
──ほお、それはつまり、お前の台本にも似たような爆笑シーンがあるってことか?俺にも教えてくれ。
──千劫、そろそろ自分の出番だということを忘れてはおらぬか?そうじゃ、思い出したぞ。汝の演じたキャラもなかなか面白そうだったのう。
──余計なことを思い出すな。
──ふむ、このくらいにしておいてやろう。じゃが……楽しみにしておるぞ。
目覚めた時、そこは海底だった。あんな崩落に巻き込まれたというのに皆無傷で呼吸装置がつけられている、きっとこれも島の主の計画通りなのだろう。ただ1人足りない、エリシアはどこへ行ったのだろうか?まあ彼女のことだから先に目覚めてどこかを探索しに行った可能性もないわけではないだろう、となると向かう先はちょうど遠方に見える宮殿のような施設だろうか。竜宮城ならお宝があるはず!と目を輝かせるフェリスの意見もあって一行は宮殿を目指すことになり、その道中である人物と出会った。
彼は千劫、黄金の庭園の執事兼料理人兼パティシエ、業界人からは『千大将』と呼ばれ尊敬されている男だ。ちょうどお腹を空かせていた一行は彼から焼き崩壊獣タコを振る舞われながら情報共有した。千劫はメビウスとこの島へ向かっていたが、やはり船は沈没し目覚めた時には1人だったらしい。そして彼の課題は宮殿の門番を倒すこと、やはり宮殿には向かわなければならないようだ。腹を満たした一行は妙に襲いかかってくるタコ共を蹴散らしつつも道を進んでいった。
宮殿の目の前で一行を待っているものがいた。メビウス、黄金の庭園の引きこもり三人組の2人目にして年齢不詳の大学教授。合成生物学の権威で実験室と学生たちのことは助教のクラインに丸投げしているらしい。彼女の課題は宮殿の門番を使役し一行を止めること。しかしこの海域の研究のために島に残りたいから、門番を動かないようにしておくうちに好きに倒しておいてほしいとのことだった。メビウスによると門番である大ダコはこの海域に生息する普通のタコが成長した個体であり、仲間を攻撃されない限りはおとなしい生物なのだという。……あら?みんなどうして黙っているのかしら?って何をしているの門番!?言うことを聞きなさい!こらやめっ……!っ……
※えっちなので自主規制されました
なんとか門番を倒した一行は粘液まみれで涙目になるメビウスを助け出して慰め、そして彼女のカードを見つけた。しかしエリシアのものがそうだったようにメビウスのカードも開かず、中の課題を確認することが出来なくなっていた。実はメビウスは他のプレイヤーと対立する課題もあるかもしれないと示すためにあえて嘘の課題を告げて立ち塞がっていたのだ。それを知った一行が安堵していたところ、城門がひとりでに開かれていき例のアナウンスが響き渡った。
「6人のプレイヤーを確認した。通路を真っ直ぐ進んで一番奥の部屋に入ってくれる?島の主が皆さんの到着を待ってるよ~」
アナウンスが終わると、誰も何も言わないまま6人は慎重に前へと進んでいく。彼らの心臓は一層に激しく脈打っていた──ただ1人を除いて。メビウスにはまだ秘密があった。カードが開かなかったのはメビウスが接着剤を使った細工を施していたからである。本人だけが知る課題、それは……
(いったい何をしようとしているのか、見せてもらおうじゃない。)
──そうそう、メビウスは悪役じゃないとね。それで彼女をやっつけるのよ、はいはい、良く出来ました。所詮はあの女が書いた脚本だもの。期待なんかしてないわ。
──客観的に見れば、君も悪役じゃなかったよ。ただちょっと……えっちな目に遭ってたけどね。でもエリシアが好きなストーリーだから、仲間達が互いを想い合っているような場面の方が多いんだと思うんだ。
──あの女が何を企んでるかなんて知ったことじゃないわ。自分がいなくなる構成にしているなら、たぶん黒幕はエリシアよ。
──あはっ、相変わらず仲がいいんだね。
──ヴィルヴィ、聴覚機能に異常があるんじゃない?わたしが診てあげましょうか?
──遠慮しておくよ。でも、未だに半数近くの役者が登場していないし、まだ物語も途中だし、今ここで結論を出すのは早すぎるんじゃない?
──いいわ。それじゃ、じっくり鑑賞させてもらいましょう。エリシアが苦労して作り上げた傑作とやらが、どんな結末を迎えるのかを……ね。
──それでは、この夏の冒険の後半も、ぜひお楽しみに!
サバイバル!夏の狂想曲・サイドB
ver6.0、7.2(復刻)
プロローグ
名も知れぬ小さな映画館の中で、エリシアが作った映画は引き続き上映されている
前半戦は……ってゲーム中なら説明も必要だけど蕎麦wikiならここを読めばいいわよね♪
コズマとグレーシュももうすぐ出番のはずよ♪
うーん……いかがわしい内容ってコズマったら何を想像しているのかしら?
まあいいわ♪じゃあ後半戦、スタート♪
解説
英傑水着イベント第2弾
13と書いてB
前文明において第十二律者が降臨する前、エリシアの発案で撮影された映画があった
限られた人数で世界中の都市を守らざるを得なかった十三英傑は結局一度も全員がひとところに集まることがなく、そのためこの映画も1人1人を個別に撮影したものを最後に編集して繋ぎ合わせるという手法で製作されている
エリシア以外にはどんな作品になるのか出来上がるまでわからないそんな映画だったが、撮影を拒んだ英傑は1人もおらず、皆が真剣に与えられた役を演じた
そこで描かれたのは日常、もし崩壊がなかったらこんな人生を歩んでいたのかもしれないという彼らの姿
これで十三英傑の物語は本当に終わり
ちゃんと最後まで見届けてね♪
イベント内ミニゲームの元ネタはPlants vs. Zombies、タワーディフェンスの中でも特定の方向からのみ攻めてくるジャンルの始祖的なゲーム、最近はトレンドゲームばかり作ってたのに旧に古くなったな!?
拠点のライフが0になるまではミスにならない仕様と攻め込まれたレーンが高火力ビームで一掃するおかげで、ノーミス縛りでもしない限りは挑戦モードもかなり簡単
復刻版では勲章が新しく追加されているから要注意
各キャラ性能
- フカ
コスト:70 CT:7.5秒
コストもCTも軽い一番オーソドックスな遠距離攻撃ユニット
前方一直線に普通の威力の攻撃を普通の速度で飛ばし続けてくれるクセのない性能で、イベント全体の難易度の低さもあって基本的にフカさんを並べておけばクリアできないステージはほとんどない- パルドフェリス
コスト:25 CT:7.5秒
今回こそ本当に最弱の英傑の名にふさわしく戦闘力皆無
ただし唯一のコイン生産ユニットだから結局編成から外れることはない- サクラ
コスト:90 CT:10秒
フカさんの1.5倍の攻撃力とフカさんと同じ攻撃速度を持ちさらに攻撃に鈍足付与効果もある近接攻撃ユニット
射程は5マスと近接攻撃ユニットにしては長く、コストとCTもそこそこだから便利- ケビン
コスト:100 CT:50秒
広範囲(ほぼ全画面)の敵を停止させるcoolなボム系ユニット
おまけに停止が解除された後も敵は鈍足状態になる
しかし悲しいかなコストと編成枠の関係で基本的に女性陣を戦わせた方が強く使われることはほとんどない- 千劫
コスト:90 CT:60秒
爆発して3×3マスの敵に大ダメージを与えるhotなボム系ユニット
おまけに爆発した後も火の海が残されてドットダメージを与えてくれる
しかし悲しいかなコストと編成枠の関係で基本的に女性陣を戦わせた方が強く使われることはほとんどない- メビウス
コスト:110 CT:12秒
フカさんの1.5倍の攻撃力とフカさんの半分の攻撃速度を持つ近接攻撃ユニット
それでいて射程は4と短く、またコストとCTも重い
じゃあ何が強いのかというと攻撃の貫通効果と一定耐久以下の敵を即死させる能力
このおかげで一度に大量の雑魚を処理できるからサクラと並べることでラッシュ処理に活躍する
また、盾持ちの敵も盾を貫通してダメージを与えてくれる
ちなみに耐久力もスウ以外の攻撃系ユニットの4倍くらいあるから軽い肉壁にもなる- スウ
コスト:60 CT:15秒
そんな堅いメビウス博士のさらに4倍以上の耐久力がある近接攻撃ユニット
ただし射程は1しかなく、攻撃力もフカさんの1/5ほどしかない完全な肉壁要因
コストは軽いがCTが重すぎるし処理能力に繋がらないからやっぱり基本的に女性陣を戦わせた方が強く使われることはほとんどない- クライン
コスト:10 CT:3秒
水辺に足場を作る工兵系ユニット
ただのステージギミック要員かと思いきや、クラインの作る足場は非常に低コストかつ多機能で使い方を知っているのと知らないのとでは大きな差が出る
まず、クラインの作る足場は水没することがない
当たり前のようだが、突然の足場の水没によるキャラロストに(特に妖精エリが)悩まされる水辺ステージにおいてこの保護機能は非常に有用
また、足場は敵を足止めする障害物になってくれる
コストとCTの軽さからこれを延々と設置し続ければラッシュの進行をかなり遅らせることすら可能になるのだ
そして最後に、かわいい!やったー!- 妖精エリ
コスト:60 CT:50秒
フカさんと同じ攻撃力と攻撃速度で3way攻撃してくれる最強の遠距離攻撃ユニット
妖精エリを並べられた場合の画面はさながら弾幕シューティングのようになる
しかしその代償として攻撃系ユニットの中ではぶっちぎりでCTが長く、1ステージで置けるのは5、6体くらいが限度- コズマ
コスト:30 CT:25秒
地雷を設置するボム系ユニット
威力は申し分なくコストもCTも安くてボム系ユニットの中では一番使いやすいのだが、加害半径が1マスだけな上に時間経過で勝手に爆発してしまうところが難点
やっぱり悲しいかなコストと編成枠の関係で基本的に女性陣を戦わせた方が強く使われることはほとんどない- グレーシュ
コスト:60 CT:10秒
自身より前方にいる全ての同列のユニットの攻撃力と攻撃速度を増加させる支援系ユニット
一番後ろの列かフェリスの前あたりに置いておくだけで列全体の火力が体感2倍くらいになる
ちなみに同じ列に複数のグレーシュを並べても重複はしない- ヴィルヴィ
コスト:?orコピー元+10 CT:?秒orコピー元と同じ
配置すると他のユニットに変化する特殊ユニット
実は本実装と復刻で性能が変更されている
本実装時は変化先のユニットが設置する位置によって自動で決定されており、ヴィルヴィをひたすら並べるだけで全てのステージをクリア出来るほどの脳死お助けユニットだった
復刻時は直前に配置したユニットに変化するようになっており、CT踏み倒しによって配置を加速させるテクニカルな運用寄りのユニットと化していた
こちらもまた強力で、主な用途は開始直後のフェリス2体配置と妖精エリやエデンの増殖- エデン
コスト:0 CT:20秒
フカさんと同じ攻撃力と同じ攻撃速度を持つ近接攻撃ユニット
射程も4と短く攻撃面で強味はあまりないが、コスト0で置けることが最大の特徴
また、エデンが配置されて撤退した後のマスにはバフ効果が残される
実のところこちらの能力の方が目玉だから撤退を渋らないように- アポニア
コスト:30 CT:10秒
敵が出現してくる沼地を浄化する工兵系ユニット
また、置いたマスと上下に麻痺トラップを設置するボム系ユニットでもある
沼地は水辺と違ってギミックを解除しなくてもゴリ押しでなんとか出来なくもないが、それでも解除出来るにこしたことはない
欠点として、沼地を浄化した場合にはそのマスに麻痺トラップは置いてくれない- エリシア
コスト:110 CT:12秒
フカさんと同じ攻撃力とフカさんの2~4倍の攻撃速度を持つ遠距離攻撃ユニット
攻撃速度はだんだん上がっていって最後に貫通ビームを撃った後に短い休眠期間に入る
後半のステージに出てくるボス敵や回数シールド持ちへの対策に混ぜておくもよし、並べてラッシュを処理するもよし
あらすじ
島の主が待つという扉を開けた時、そこにあったのはエレベーターだった。海底火山の噴火を利用しているというこのヴィルヴィの発明品は勢いよく上昇していき……いや勢いよすぎでは?予想より強かった噴火によって6人はそのまま吹き飛ばされて海岸に打ち上げられた。ここは隣の島、もはやヴィルヴィの施した仕掛けや監視の目は存在しない。しかし慌てて追いかけてきたヴィルヴィの傀儡はサバイバルゲームを続けさせるために島に残るエリシア、スウ、罪なきデブ猫缶ちゃんを人質のように扱い、そしてルール変更のお詫びとして海底のお宝を提示してきた。後半戦の課題はそのお宝を開けるための鍵3本を探しだすこと、鍵の在り処はこの羊皮紙に……ってまた火山かよ!ヴィルヴィの傀儡ぶっ壊れたし羊皮紙燃えちゃったよ!まあケビンがエンジニア職で培ったスキルで一瞬で覚えてたから許すが……。
噴火から逃げてきたところ、一行は現地の住民に囲まれてしまう。妙に大歓迎してくれる住民たちに連れられ彼らの村に案内されたところ、そこはこの原始的な島に似つかわしくないショッピングモールを備えた街だった。しかし一行が買い物をしていたところフェリスとはぐれ、さらに怪物の襲撃まであった。普段はおとなしい怪物の襲撃に驚いた村人は島のことならなんでも知っているという『島神様』なるものの存在を口にし、一行はフェリスを見つけるためにもその島神に会うことにした。
一方そのころ、迷子になり1人島をさまよっていたフェリスは森の中で檻に入れられたスウを見つけた。傷だらけになったスウは「島神に会わなければならない」と言いながら息を引き取った生きているよー
島神のいるという神殿に来た一行を待っていたのは冷蔵庫の魚を盗み食いやがったクソ猫缶ちゃんだった。村人は神様気取りで魚を要求する不届きな猫缶ちゃんを言い伝えにある神の化身だとして崇めていた。知っている猫だと証明しようと華や千劫はアプローチをかけたが、なだめても透かしても言うことを聞かない駄猫缶ちゃんはふてぶてしく祭壇に横たわり反応を見せなかった。しかしそこにフェリスとスウが現れたところ一瞬で本体缶ちゃんは飼い主に飛びつき、村人も神などではないことに納得してくれた。缶ちゃんの首輪にはサバイバルゲームの課題である鍵がかけられていた。スウによると、島の主はスウと缶ちゃんを目隠ししたままこの島に連れてきて、そして1人と1匹を村に放り出したらしい。と、そんなことをしていたら火山の活動が激しくなってきた。今回の噴火はそれまでと規模が違うらしい。溶岩から逃げて村を捨て砂浜まで追いつめられた一行と村人は遠くに豪華客船を確認し、救助を求めた。
豪華客船は島に横付け、タラップを降りてきたのはエデン、黄金の庭園のオーナーだった。エデンは急いで皆を収容すると、豪華客船は島を離れていった。
──スウ、君はどう思う?
──なかなか面白い、そうは思わないかい?
──確かに。みんなを巻き込んでこんな話に最後までつき合わせるとは……さすがエリシアだ。
──どうやら君も楽しんでいるようだね。
──否定はしない、僕たちにはこういう時間も必要だ。
──ああ、きっとエリシアもそう考えているんだろう。ただ1つ気になるのは……君が口にしたジョークの数々もエリシアが台本に書いたものなのかい?
──……いや、彼女の台本に簡単なヒントしか書かれていなかった。
──つまり、あれは全部君のアドリブだったと?
──ああ、それが彼女の望んだことだ。
村人を誘導する間襲ってくる怪物達を食い止め、最後に豪華客船に飛び乗ってなんとか噴火をやり過ごした一行だったが、この船もまた安全とは言い難かった。7人と1匹が船に乗り込んだ時には先に乗ったはずの村人達とエデンはどこかへ消えており、さらに船内でも怪物達からの襲撃があった。どうやら手に入れた宝の鍵には怪物達を引きつけ攻撃させる何かしらの装置が仕組まれているらしい。鍵を毛布にくるんで対策した一行はひとまず船員を探して操舵室を目指したがそこには誰もおらず、代わりに壁には奇妙な呪文や魔法陣などが殴り書きされていた。しかし一行はこれを見て逆に安堵する。こんなことをやりそうな知り合いに心当たりがあり、やはり彼は近くのバーにいた。
コズマ、不治の病を患ってしまった心優しい少年だ。コズマの話から推察するに、どうやら海底からのエレベーターに乗った後は本来この船に到着する予定だったらしい。そしてコズマとははぐれてしまったが、グレーシュ、壁サーの姫もこの船のどこかにいるようだ。また、コズマはしきりに女怪の存在を主張していた。厨二病の戯言と切って捨てるのは簡単だったが、コズマが酒棚に手を伸ばしたところ本当に白い女性の手が出てきて酒瓶を奪って消えたことで皆震え上がってしまう。
しかしお化けの存在など信じないメビウス博士だけは冷静に酒棚の裏の隠し部屋の存在を見破り、そこにはグレーシュが隠れていた。グレーシュはコズマがお酒を飲むのを止めたかったが、エデンにここで待つよう言われていたため酔っ払いと未成年からお酒を取り上げてくれるという、エデンが酔って吹き込んだホラ話になっていたのだという。そのエデンは海底火山の噴火によって開いた船底の穴の点検のため乗員を連れて機関室に行ってしまったらしい。船は既に沈み始めており、エデンらを助けに機関室に向かったが既にそこには誰もいないと語るヴィルヴィの傀儡しかおらず、一行は急いで甲板へ出て救命ボートで脱出を図った。しかし強引に降ろされた救命ボートは十数メートル下、これに乗るためには……
沈没といえばセ〇ーヌ・ディオンだよね!でもこれこわ……
後ろもつかえてるんだからさっさと飛べ、この**!
──わぁ~。コズマ、みんなエリシアちゃんの物語の中で楽しそうにしてるね。
──グレーシュはどうだ?
──私も楽しいよ。みんなの色がいつもより明るくて鮮やかになってる。私はそういう色が好き。
──ああ、俺もだ。
──(だが、俺の役はあまりにも……誤解を与えてしまうかもしれない。)
──コズマの役も面白かったね。
──グレーシュ、誤解しないでくれ。
──?誤解?
──あれはあくまで演技だ……ああ、牛乳を飲んでたシーンの話だが。
──うん、牛乳をたくさん飲んだ方が早く大人になれるって、アポニアお母さんが言ってた。コズマの役も牛乳が大好きだから、きっとかっこよくて頼もしい大人になれるよ。
──そ、そうか……ふっ。
──コズマ、どうしたの?
──な、なんでもない。続きを見ようか。
フェリスと華が夢の中で焼肉やバレーボールと勘違いして缶ちゃんを攻撃しながら目覚めた時、一行はエデンに救助されて砂浜に寝かされていた。メビウス博士がエデンの客船内での不審な失踪を問い詰めたところ、やはり彼女はこのサバイバルゲームの主催者の協力者だった。エデンは2本目の鍵を渡して最終ステージの遺跡に皆を案内してくれたが、皆薄々感じてはいたがやはり黒幕の正体をこの場で明かすつもりはないらしい。敵方の人間だと白状しながらも同行しようとするエデンに千劫らは憤りを隠そうとしなかったが、3匹の社畜は目を背けるばかり。そしてその千劫といえども家賃を盾に取られては文句もつけられたものではない。社会人の悲哀である。微妙にギスりながら進むことになったとはいえ、エデンのネタバレのおかげでヴィルヴィの仕掛けた殺意の高すぎるトラップの数々を回避できた一行はスムーズに遺跡を攻略していった。彼女なりのおもてなしを台無しにされたヴィルヴィがエデンに苦言を呈しながら姿を現したが、どうやらこのヴィルヴィは今までの傀儡とは違ってヴィルヴィ本人らしい。しかしヴィルヴィは華の発言を聞いて突如けおり始めてしまう。エデンによるとヴィルヴィもこの夏の大冒険のために自分でデザインしたえっちな水着を用意していたが、機械の操作に耐えきれずに破けてしまったらしい。水着が破けてヴィルヴィが涙目でいや~んってなるシーン詳しく見たかった!そんなヴィルヴィも、そしてエデンも実は華たちと同じでカードの指令に従って黒幕に協力させられていたプレイヤーにすぎない、と本人らは弁解しながらしれっと一向に加わろうとしてきたが、まあ嘘がへたくそでバレバレだがそこはスルーしてあげよう。さあ残すは黒幕のみだ!エリシアを助けに行くぞー!なんて下手な音頭にのって最深部に到達した一行を待ち構えていたのは……
アポニア、引きこもり三人組の最後の1人で家賃リストでは看護師ということになっている絶対夜のお仕事してるえっちな女性だった。さああれが黒幕だー!みんなで倒すぞー!ってなんで最後の最後でそんな演技が駄目駄目になるんだ君ら。ママも一言目から噛むな。ていうかセリフちゃんと覚えて。千劫以下か?まあグレーシュは感動してくれたから許すが……。とりあえずこれで鍵は3本そろった。宝が隠されているという扉が開かれた時、そこで待っていたのはエリシアだった。一行が再会を喜んでいた時、メビウス博士だけは彼女こそこのサバイバルゲームの黒幕だと(バレバレだけど)見抜いていた。実はメビウス博士の課題は「エリシアのお願いを1回だけ叶える」こと。エリシアはこの1回をサイドAの時に使っており、海底神殿の前でメビウス博士に足止めを頼んでいた。さあエリシアどうしてこんなことをしたの!と迫るメビウス博士だったが、実はそのエリシアも黒幕役を頼まれていただけに過ぎないらしい。本当の企画者はエデン、ヴィルヴィ、アポニアの3人だった。時は遡る。初夏のある日の黄金の庭園でエデンは夏のバーベキュー大会について頭をひねっていた。この毎年恒例の親睦イベント、どうにかして皆が楽しめる集会にしたい。どうしたものか……と計画を練っていたところ、そこに通りかかったのがヴィルヴィだった。2人は楽し気な計画をプレゼンし合い、サバイバルと宝探し、どちらも甲乙つけがたい2つの計画をどちらも採用することになった。こうしてそこにさらに通りがかったアポニアを加えた実行委員会は暴走を開始し、夏の生存狂想曲はスタートした。ちなみにエリシアが黒幕役としてスカウトされたのは海底で1人目覚めた後のこと。途中海底火山の噴火で一行が吹き飛ばされ、鍵に仕掛けられた安全装置の発信機は怪物を呼び寄せてしまい、ヴィルヴィの罠は殺意が高すぎ、その他諸々ハプニングは色々起きたが、過ぎてみればみんななんだかんだ楽しめたしまあいいか!(スウだけ椰子の木ブチ折られたことを根に持ってたけど。)さて、イベントも最終段階……って黒幕もわかったのにまだ何かあるのかって?お宝がまだじゃないか!というわけで遺跡を進んでいって辿り着いたその先にあったのは、サイドAの開始地点になっていた最初の砂浜だった。しかし当時は何もなかった砂浜には今様々な器具が設置されている。
そう、色々アクティビティはあったけどこのイベントは夏のバーベキュー大会。最後はやっぱりバーベキューだ!熱い日差しの中、みんなで楽しくお肉を焼いて食べる。こうして黄金の庭園の住民たちの親睦は深まり、明日からはまた騒がしくも愛しい普通の日常が始まる。だから今日はめいっぱい楽しんでみんなで忘れられない夏の思い出を作ろう。開かれなかったエリシアのカードは誰にも気づかれることなく波にさらわれていったが、そこに書かれている課題はとっくにクリアされていた。
──最後はみんなが大好きなハッピーエンドだったようね……前半に一体何があったのか気になるわ。
──タイトルに「サバイバル」や「狂想」と入っていたのに、こんな平和な終わり方を迎えるなんて、思いもよらなかった。
──エリによると、撮影はここで全て終わったみたいよ。現実ではわたくしも何回か映画の撮影に参加したことがあるけど……こんなに記憶に残る撮影は初めてだったわ。ふふっ。グレーシュったら、アポニアさんの登場シーンを見た時、驚いて「アポニアお母さんは悪い人じゃない」って何度も言ってたものね。
──あの子の……純粋な信頼にはどう応えたらいいのか、分からなくなる時がある。
──幸い、エリの台本では、わたくしたちの誰も「悪役」ではなかったわね。
──ええ、彼女の想いは……いつでも、とても純粋だった。
──もう戻るの?
──ええ。エリシアが何度も声をかけてくれなかったら、こうして堂々とみんなの前に姿を見せることもなかった。
──そう考えているのは、アポニアさんだけかもしれないわよ。
──私は、彼女が与えてくれた役割を守ろうとしているだけ。
──……ふぅ、いいでしょう。でも、もう少し一緒にいさせて欲しいわ。そういえば、わたくしたちの監督さん……どこにいるか知ってるかしら?
──撮影が終わってから、私も彼女に会っていない。
──じゃあ、戻る前に一緒に彼女を探しましょうか、我が友よ。
──ええ、そうしましょう。
視聴室の真ん中に座り、十三人の主演が力を合わせて完成させた物語を、最初から最後まで見ていた人物がいた。
──う~ん、やっぱり完成品が一番素敵よね!みんなの演技も、想像以上に上手だったわ♪
──フェリスとグレーシュは楽しめたかしら。サクラ、華、それからメビウスも……役というよりは、いつもの彼女たちだったわね。
──ケビンとスウのペアはやっぱりコメディに向いてたけど、千劫とコズマもなかなかだったわ……ふふっ。もちろん、あたしの書いた台本のおかげだけどね~
──エデンにヴィルヴィ、アポニアの黒幕三人組に関しては……こんなに可愛いらしくて魅力的な「悪役」を、嫌う観客はいないでしょうね。
──そうよね、可愛いファンたち?
答える者はいない。あるのはかすかな映写機の音だけ。
──ふふっ。これで「サバイバル!夏の生存狂想曲」の物語はおしまい!ん~、みんなもお疲れ様!
──そういえば、彼らはまだ完成した動画を見ていないわよね。みんな口には出さないけど、きっと楽しみにしてるはずよ。
──じゃあ、次は……ワクワクする上映会の時間ね!
そう言ってエリシアは立ち上がり、映写機をオフにする。辺りは、静寂と暗闇に包まれた。
……
──見てくれて、ありがとう。
……
モニターが再び明るくなり、映写機が回り始めた。
小さな部屋で、物語に登場した十三人の主役は、エンディングと同じように集まっている。
黙って立っている者、笑ってはしゃぐ者、怒号を上げる者、額に手を当てて首を振る者、隅っこに座りただ静かに笑っている者。
銀幕の中で、彼らの断片がつなぎ合わされる。温かく、馬鹿馬鹿しく、笑えて、シーンとする……彼らはそんな自分たちの物語を見ている。
それは不思議な、でたらめで喧噪に満ちた物語であり、幸せで、温かく美しい物語でもあった。
悪戯の後の小さな祝福のように、彼らの壮大で壮絶な人生の中にあっては、とても短く儚いものに思えるようなものだった。
保護と呼べるものすら与えられずに、データの海に埋もれていくだけのものだったとしても、その祝福は、彼らのあらゆる希望、祈り、抗争、そして覚悟のように、確かに、かつ鮮やかに存在した。
これは十三人の狂想曲──夢のような、ひと夏の物語だった。
天穹夜行録
ver6.1
プロローグ
天穹市
崩壊に怯えずにすむというその街は戦火に傷ついた人々を惹きつけ、世界有数の都市に成長していた
これはそんな夜も眠らず昼に寝る歓楽都市の郊外に降り立った1人の戦乙女がある侠客と運命的な再会を果たし、恋に落ちる話
……だったらとってもロマンチックだと思いませんか!?
解説
学園祭(本国6周年)とおすしちゃん実装を記念して行われた大型イベント
ちなみにスーサナちゃんの専用モデルのお披露目が行われたイベントでもある
アルヴィトルさん羨ましいって!
時系列的にはカロスタンの少し後、ある任務で天穹市に派遣されたスーサナちゃんが諸国漫遊中のおすしちゃんと偶然再会してひたすらイチャつく話
アルヴィトルさん悲しいって!
大型イベント恒例のミニゲームは今回はフォールガイズ侠客伝説:ファンタジアという崩壊世界のゲーセンで流行っている設定のオリジナル対戦アクション
大型イベントだけあってシステムとかステージとか操作感とか音楽とか首の角度とか細部に至るまで妙なこだわりを感じる
miHoYoちゃん怒られるって!
あらすじ
スーサナには実戦経験がない。これまでも前線に立ったことはあったが、いつもスーサナの傍には彼女よりはるかに強い誰かがおり、戦いは見ているうちに終わっていた。しかし今回の任務は1人。それでも市民に危険が迫れば身を挺して戦うのが戦乙女の責務である。暴走した巨大ホム王人形が迫り、子供を庇うスーサナが自身の無力を思い出しながら目を閉じた時、そこに割って入る侠客がいた。
「その図体で小さい女の子をいじめて何が楽しいの?それより──」
「──あたしと手合わせしてみない?」
侠客はあっという間に巨大ホム王人形を制圧し、スーサナを抱き起してくれた。まさかこんな場所で再会するとは思わなかった相手、戦乙女皆があこがれる3人のS級戦乙女の1人はこの街を彩るどのネオンよりも輝いて見えた。
「えーーーっ!?李素裳様……李素裳様ですよね!?」
「ふふっ。久しぶりだね、スーサナ。元気だった?」
同じ戦乙女とはいえまさか自分のような未熟な下っ端のことを覚えてもらえているとは思わず、スーサナは胸の高鳴りを抑えることが出来なかった。それもこんなに近い距離で触れあっていては、今まで恥ずかしくて目も合わせられなかった彼女の美貌に視線をくぎ付けにされ、彼女の涼やかな声に耳をとろけさせてしまうのも無理からぬことだろう。そのまま自家製の軟膏を使って捻挫の手当までしてもらったとあれば、夢見心地としか表現の仕様がない。そんなスーサナを現実に引き戻したのは先ほど暴れていたホム王の持ち主のおじさんの声だった。おじさんは怪我をさせてしまったことを謝罪し治療費を出させてほしいと言ってきたが、もとはといえば滑って転んでホム王にジュースをかけて故障させてしまったのはスーサナであり、むしろ謝らなければならないのは自分の方だとしてスーサナもおじさんの申し出を固辞した。結局おじさんは経営するホムワールドゲームセンターのフリーパスを渡して去っていった。しかしスーサナがこの天穹市にいるのは任務のためであり、任務は秘密裏に行われて極力市民生活には影響を与えず終えなければならず、いわんやゲームセンターで遊ぶなどもってのほかである。スーサナは助けてもらったお礼としてフリーパスをおすしちゃんに渡した。
おすしちゃんはゲームセンターというものを知らなかったがこれも現代の世界を知る旅の糧になると考え、スーサナの好意に従うことにした。おすしちゃんが手始めに手を付けた『侠客伝説:ファンタジア』なるゲームに悪戦苦闘していた頃、ゲームセンターの向かいの店ではスーサナがまたトラブルに見舞われていた。落としたカメラを探していて500年前の鳳首瓶を割ってしまったとして法外な値段を請求され困り果てていたスーサナを再び助けに入ったのは、やはり太虚剣気による研ぎ澄まされた感覚で騒ぎに気付いたおすしちゃんであり、割れた鳳首瓶を現代の粗悪な模倣品だと瞬時に見抜き場を収めてしまった。しかしおすしちゃんは急に胸が空っぽになるような感覚に心を支配されてしまう。おすしちゃんの記憶の中、母の書斎に、師匠の古い織機の傍らに、普通に置かれていたような鳳首瓶は既に骨董品と呼ばれる存在になっていた。自身にとってたかだか数年前に経験したばかりの鮮明な記憶は、この時代の人々にとってはすでに500年前の伝説である。ふとそれを実感した時、彼女の心には何か複雑な感情が生まれていた。現代で起きてから初めて感じた内面の葛藤と向き合っていたおすしちゃんを現実に引き戻したのはスーサナの声だった。せっかくだから出会えた記念に写真を撮りたいというスーサナの願いに応えてよくわからないままフラッシュに目をくらませ、満足そうに笑いながら手を振り去っていく彼女を見送る。旅慣れたおすしちゃんなら普段であれば何も感じないだろうその別れの瞬間、彼女の心は行き先を尋ねたい衝動に駆られていた。武術の修行をするものは人との関わり合いが少ない方がいい、ましてスーサナは任務中であり自分がその行き先を尋ねることなどあってはならない。理性でそうわかっているからおすしちゃんは何も言わずに背を向け歩き出した。しかし別れてすぐに聞こえた悲鳴に駆け付け、この街にはいないはずの崩壊獣から襲われているスーサナを再び助け、初めての実戦に震えている彼女を見た時、一度は飲み込まれた衝動はもはや抑えきれないものになっていた。任務を手伝わせてほしい。その言葉にスーサナの震えは止まっていつもの元気な笑顔が戻り、おすしちゃんの心を覆っていたモヤも晴れていった。
崩壊監視装置と防衛網の点検のために天穹市を走り回った2人は、南エリアの陸運中枢部を訪れた。既に日は落ち辺りは暗くなっている。それも定期的に点検されているはずの崩壊監視装置の部品が予想外に老朽化しており、全部で20個も交換しなければならなかったせいである。陸運中枢部は崩壊獣との戦いで廃墟となり放棄された区画で、この時間ともなると人っ子一人いなくなる、はずである。しかしそこにはなぜかホムワールドゲームセンターのおじさんがいた。何やらこの区画にまばらに訪れる観光客用に残されたゲーム機の整備に来ていたらしい。おじさんは去り際にこのエリアに出るという首のない騎兵の幽霊のことを教えてくれた。不気味な夜の廃墟は幽霊の噂まで重なりおすしちゃんを震え上がらせた。結局噂の幽霊の正体は崩壊獣だったが、スーサナは完璧な戦乙女に見えるおすしちゃんにもオバケという苦手なものがあることを知り、少し彼女のことを身近に感じることが出来た。
笑いあった2人はこの廃墟と化したエリアで未だ稼働を続けるクレーンゲームを見つけ、なかなか取れないぬいぐるみに業を煮やして何をどうやったのか機械の中に侵入してゲットしようとしたおすしちゃんを窘めたりしてキャッキャしていたところ、1台のトラックが通るのを目撃した。既にあたりは暗く、このような時間に1台だけでこの道を通るトラックなどいかにも不自然に思われた。しかし最も不自然なのはその運転席に人がおらず、ただ暗闇しかなかったことである。産業道路の幽霊トラック、おすしちゃんはゲームセンターで子供たちが噂していたのを聞いたことがあった。再び慄くおすしちゃんにスーサナは幽霊などいないと証明してしまえばいいと提案し、遺された鬼火を追いかけたところやはり出てきたのは崩壊獣だった。
今日予定されていた任務に加えて3件の崩壊獣騒ぎを片付けた2人はなんとか最終電車に間に合い、宿への帰路についた。小規模とはいえ崩壊から無縁でいられるという街に短い間に3件も起こった崩壊、調査を要する事態を前に待っている報告書制作を思い嘆息するスーサナ。疲れて睡魔に襲われた彼女をおすしちゃんは優しく寝かしつけ、天穹市の観光ガイドに目を落とした。今日は十五夜、500年経った神州でもその祭りは受け継がれており、天穹市では様々なイベントが行われている。おすしちゃんは目を覚ましたスーサナを祭に誘い、2人は月に照らされた街に繰り出した。しかし祭りは残っていてもその様式は変化するものだ。会場には提灯も劇団もなく、それどころか誰もそんなものの存在を知らない。もはや神州はおすしちゃんの知る神州ではなく、そして帰る場所も待つ人もない。かつて感じたことのない孤独が15歳の美少女の心を押しつぶしかけていた。青ざめるおすしちゃんを現実に引き戻したのはスーサナの満月のような優しい笑みだった。
「1人なんて言わないでください!私もいるじゃありませんか!」
そう言ってスーサナの差し出した芋餅は、昔ながらの製法で作られたという謳い文句に違わず、確かに500年前と同じ味がした。幼少には母や父と、そして修行に出てからは師匠と共に月を見ながら食べた芋餅、それを今はスーサナと一緒に食べている。確かに1人ではない。どうやらスーサナは孤独を癒すことにかけては一段も二段も上手だったようだ。気が楽になったおすしちゃんは改めて過去に思いを馳せてみる。そう、十五夜の行事が皆に忘れられてしまったなら、自分でやってしまえばいい。あの時師匠に教わったみかんの灯籠流しを、今度は自分がスーサナに教える番だ。
湖に浮かべた灯籠はみかんの香りが漂ってくる。ここに願い事をすれば叶う、というのがこの行事の言い伝えだ。スーサナの願いは立派なS級戦乙女になることだというが、彼女はすっかり自信を失っており、何かにつけて自分を卑下する言葉が出てくる。自分は弱く、周りに迷惑をかけてばかりだと。しかしおすしちゃんは知っている。スーサナは強い。ホム王人形が暴走した時には自身の安全を顧みず子供を庇い、おすしちゃんが孤独に押しつぶされそうになった時も彼女は隣にいてくれた、それらは誰にでもできることではない。おすしちゃんは言葉足らずながら必死にあまり自分を卑下しないようスーサナに伝えた。2人は笑い合い、湖にゴミを捨てているなどと失礼な勘違いをする警備員から一緒に走って逃げた。
無駄に足の速い警備員に追い立てられ、慌てて逃げ込んだ先は幽霊が出ると噂の工場だった。そして案の定幽霊の正体は崩壊獣である。しかし偶然も続くと違う姿が見えてくる。天穹市にこのように何ヶ所も崩壊獣が発生するなど今までなかったことであり、もはやスーサナの手に負えるような事態ではない。そして工場には陸運中枢部で見たあの幽霊トラックと同じナンバープレートが落ちていた。この対応をめぐり、2人の意見は割れた。おすしちゃんはこのまま陸運中枢部に乗り込んで調査するつもりでいたが、スーサナは天命の規則に従って近くの支部に増援を要請し調査を待つことを主張した。結局2人は別れ、おすしちゃんは1人で陸運中枢部へ向かうことにした。スーサナは報告を終えた後に最後に残る郊外の工業団地の装置の点検に向かうらしい。しかし1人でいることにこんなに心細さを感じるのはいつ以来だろうか。
陸運中枢部にはやはり崩壊獣が発生していた。ただ、それだけである。崩壊獣を退治することは出来ても、手がかりは見つからない。途方に暮れ、ふと気になってあのおじさんが整備しているというゲーム機を調べていた時、機械は異常な反応を見せた。
特に理由のないメビウス博士のゲスト出演したゲームをクリアし、表示された画面には帳簿のような謎の文字列が並んでいた。そこに書いてある内容はおすしちゃんにはわからなかったが、その一部には見覚えのある数列がある。それは老朽化し交換が必要になっていた各エリアの崩壊監視装置の部品の数。一連の幽霊騒ぎの黒幕の尻尾が見えてきた。
見つけたあの時の幽霊トラックの荷台には鳳首瓶やその他の陶器の模倣品が積まれていた。しかし真の商品は模倣品の陶器ではなく、その中に隠された崩壊監視装置の部品である。おすしちゃんが犯人を確信し待っていたところ、現れたのはやはりホムワールドゲームセンターのおじさんとスーサナに法外な値段を請求していた陶器屋だった。彼らが天穹市を危険にさらしたことをおすしちゃんは厳しい口調で𠮟責したが、しかしこの問題の根深さを知らぬ彼女の言葉はおじさん達には届かなかった。天穹市は崩壊に対する強固な備えをもって急速に発展した。しかし天穹市に係る全ての人々が天穹市の防衛網の内側で暮らしているわけではない。おじさん達のような普通の人々は天穹市の周辺の村々から仕事のために通っているのが常であり、その道中は当然として、故郷の村にも崩壊に対する備えは何もない。移り住むことも出来ず、いつか都市圏が村まで広がり庇護を受けられる日が来ることを信じて犠牲者を出しながら耐える日々。それに我慢できなかったおじさん達はせめて村に警戒装置だけでもと考え部品を盗んでいた。そして古い部品に残留する崩壊エネルギーは崩壊獣を引きつけ、それを運ぶトラックを追うようにして幽霊騒ぎが起きていた。おすしちゃんはスーサナの言葉が正しかったことを知る。確かにS級戦乙女の自分であれば崩壊獣を倒すことは容易だ、しかし1人でやれることなどたかが知れている。この問題の解決のためには組織的な対応が必要なことは明らかだった。そして自分が選択を誤ったことを知る。スーサナが向かった郊外の工業団地こそおじさん達が運び出す前の部品を集めていた場所だった。なぜこの危険な街に彼女を1人にしてしまったのだろう。
間一髪のところ、おすしちゃんはスーサナを助けることが出来た。しかしスーサナも助けられるだけでなく、機転を利かせて崩壊監視装置を用いて崩壊獣を一ヶ所に集めておすしちゃんの戦闘をサポートした。強いというのは弱い部分が少ないだけ、かつて太虚剣派の創始者の語った通り結局強さとは使い様なのだ。初めての実戦で恐怖を克服し、自分を信じることを知ったスーサナはきっとこれから立派な戦乙女に成長していくだろう。天穹市での任務は大成功と言っていいだろう。そしてそれは別れの時を意味する。
「いつか、一人前の戦乙女になってみせます……素裳様みたいに!」
「スーサナなら、きっとなれるよ。」
2人の戦乙女は短い挨拶をかわし、別の方向へ歩き出した。しかし1人はもはや孤独ではなく、1人はもはや迷惑をかけてばかりの落ちこぼれではない。ただ……
(はぁ……忘れかけてたけど、別れってこんな気持ちになるんだった。)
遊歴の身であれど寂しいものは寂しいのだ。しかしその衝動に身を任せてしまえば旅人は足を前に踏み出せなくなる。そう、今別れても彼女とは同じ戦乙女、いつかまた会う日が来るはずだ。だから許されるのはちょっと振り返るくらい……と後ろに目を向ければそこには今にも泣きだしそうな目をして顔を真っ赤にしたスーサナがいた。おすしちゃんが振り返ってくれたことで彼女の表情は晴れ上がり、いつもの元気な笑顔が戻る。
「素裳様!以前、月見の時は家族や友人に贈り物を贈ると言っていましたよね。素裳様が、その……そういうものを必要としないことは知っていますが……」
「これって……スマホ?」
それはスーサナのワガママだった。時は流れ、技術は進歩する。今や現実で遠いところにいる人とだって連絡を取れる時代なのだ。寂しさだって我慢する必要はない。
天命本部に帰ってきたスーサナは任務の報告書を何度も書き直していた。おすしちゃんとの思い出がいっぱい詰まった報告書はまるで冒険小説のようだ。お友達のアルヴィトルさんは何度も不合格で突き返されるのはそのせいだと言うが、美しい思い出に削れるところなどひとつもないのだから仕方ない。あれからまだ数日しかたっていないが、アルヴィトルさんが印刷してくれた写真を見ればまたあの天穹市でのひと時が恋しくなってくる。素裳様は今頃どうしているだろうか。そういえば、スマホを渡したというのに緊張のあまり自分の連絡先も伝えずに走り去ってしまった気がする。アルヴィトルさんは天穹市の任務を終えて帰ってきてから少し変わったと言ってくれたが、なかなかうまくはいかないものだ。しかし今は未熟で失敗しても、明日もまた失敗しても、諦めず歩き続けて明後日に成功すればいい。そのために戦乙女は訓練するのだ。人間だからネズミもオバケも崩壊獣も痛いのも怖くて当たり前、でもあきらめては駄目だと教えてくれた人がいた。スーサナは彼女が信じてくれた自分を信じている。そしていつか崩壊に挫ける人々を希望で照らし光をより彼方へと届ける、そのために戦乙女は日々成長していくのだ。
「やっほースーサナ、元気にしてる?」
そしてそれはおすしちゃんも同じだ。
崩壊救助日誌
ver6.2、verキアナ
プロローグ
いつも通り崩壊3rdにログインしたあなたを待っていたのはいつも通りの艦橋……ではなく表示の崩れたオブジェが並ぶ異様な空間だった
困惑するあなたは突如現れた怪物に襲われ、割って入ったAIちゃんの足止めがあったおかげで辛くもその場を脱し比較的表示の保たれた艦橋に到達する
そこにはクンニリンサンと名乗るAIちゃんが大人になったような姿の美少女が待っていた
現在崩壊3rdは『B・B・B』なるウィルスに侵蝕されておりデータの復旧中だから直るまで待っていてほしい、と忙しそうにコンソールを叩きながら彼女は語る
ログアウトすら不可能になっていることを確かめたあなたは、これがいつもの珍妙なイベントなどではなく、現実の危機であることを理解する
ならばあなたがやるべきことは……
──立ち上がれ!大好きな崩壊3rdを守るために
miHoYoが送る新世代の大人AIちゃん実装記念テーマイベント「崩壊救助日誌」、始動。
解説
崩壊しちゃった崩壊3rdを修復するというメタメタなイベント
第一部最終章の最中というタイミングで、今までのメインストーリーを面白おかしくした形で最履修させてくれるmiHoYoのナイス采配が光る
このイベントだけは必読、この項目を読むかプレイ動画を探すかして絶対に体験しよう
主人公は「」長であるあなた
恒真式自己紹介で有名なあのイカレポンチではない
まあ口調はいつもの艦長と同じなんだけどな!
あらすじ
まずあなたはクンニリンサンに説明を求めた
彼女によると、崩壊3rdというゲームはクンニリンサンが開発・運営していてミ〇〇だのホ〇〇だのという木っ端零細企業はその隠れ蓑にすぎないらしい
ゲームのデータは本来MAGIシステム的な三大モジュールによって守られているが、今回はB・B・Bの奇襲攻撃によって三大モジュールの1つが陥落したことで対処が遅れ、事態がここまで悪化してしまったようだ
だからあなたがやるべきことは三大モジュールの復旧の手助けである
データを侵蝕されていない戦乙女達を操作して三大モジュールのそれぞれの管理人である3人のAIちゃんを助け出すのだ
まあそのためにあなたはバグったキャラの役割を補完してメインストーリーの流れを自然な形で進めてあげたりしなきゃならないんだけどね……
まずはchapter2の回想シーン
「」長は学園長……「」長は学園長……あたくしはテリテリ……などと自分に言い聞かせて足を短くしながらなんとかテレサの演技をこなしてストーリーを完遂し、あなたはキアナのデータを手に入れた
次はmay先輩のデータを手に入れるために今度はキアナのデータを操作して同じくchapter2の補講のシーンを再現したのだが……
なにやら空気がヤバい、姫子さんはなんだか怖いし、問題に不正解すると委員長が指をゴキゴキ鳴らしたり肩を回したりして罰の用意をしている、それに問題もなんだかおかしい……ってこれ週間考査の新問が混ざっちゃってるじゃないか!
とか色々おかしなところはあったけどなんとかクリアしてmay先輩のデータを手に入れたとなれば、次はやっぱりブローニャだ
今度はchapter2のブローニャとゲームやっててmay先輩に怒られる場面だね、でも突然始まるクソゲー横スクはホムに変身しただけで今回はないみたいだ
じゃあ後は若干よくない目で見てくるブローニャと遊んで時間を潰しておけばmay先輩が来て……ってオイオイmay先輩キレすぎだろ膝を入れるには3年くらい早いよ?
まあこっちもチート使って学寮のチビキャラキアナちゃんで挑めばその高下駄じゃ自慢の膝も下段には届くまい、くらえネコチャームアッパー!フッ…勝ったな
色々苦労はあったが、なんとかこれで三馬鹿のデータは揃った
これからはクンニリンサンが頑張ったおかげで実体化した三馬鹿が自律でB・B・Bとの戦いを手伝ってくれるようになるらしい
じゃあ戦力が整ったところでこのメルキオールモジュールの管理人のAIちゃん[O]を助けにいくぞ!
さて、[O]が囚われている場所は……この光景はchapter3だね、となると相手は……よしウェンディちゃんのままだな!
「もう律者の面汚しとは呼ばせない!」なんて意気込んでたけど所詮ウェンディちゃん如きでは最新キャラのAIちゃんの動きにはついてこれまい、しかし戦うのは超限空間が出来てディラックとおさらばして以来だけど相変わらず弱いな君……
だがウェンディちゃんをボコして安心していたのも束の間、突如地面は消え、謎の空間に着地したあなた達は大量の敵に襲われる
これはあなたが最初にログインした時に襲ってきた連中
なんとか全滅させてその場を切り抜けたあなた達の前にはB・B・Bが現れた
コンピュータウィルスとかいうおあつらえ向きの役回りなのにどこぞのダサい顔面テレビマンではなくクソ律をアバターに選んだわかってるB・B・Bはこの崩壊3rdという世界を気に入り、より自分好みに変えてやるのだと宣言して去っていった
そんなことはさせない!
あなたは決意を新たにし、次のモジュールに向かうのだった
未だ連絡の取れるカスパーは無事だと判断し、バルタザールに来たあなた達
ここは最初にB・B・Bの攻撃を受け陥落したモジュールであり、どんな罠が待ち構えているかわからない危険な場所だ
予想通りロビーにはこのモジュールの管理人のAIちゃん[E]はおらず、そのコンソールも破損・改竄されたデータを示す赤い光点でほとんど埋め尽くされている
その中で唯一赤い光点が明滅している場所、『ディープモードエリア』なる場所でAIちゃん[E]は今も孤軍奮闘しているのだろう
一刻も早く彼女を助けに行きたいところだが、このままの戦力ではミイラ取りがミイラになるだけだ
もはや無事な戦乙女のデータを見つけることは難しいが、メルキオールがストーリーを管理するモジュールならこのバルタザールは素材を管理するモジュール、装甲の強化なら行える
しかしその思考はB・B・Bに読まれており、あなた達が訪れた月曜日の素材クエストでなぜか砂浜に埋まっていたロボ子を掘り出そうとした時、大量の機甲の待ち伏せを受けてしまう
曜日クエストをなぞってこちらも機甲を召喚し、性能差で返り討ちに……って待って止まってそれはロボはロボでもロボ子だから殴っちゃ駄目!
なんて(余計に招いてしまった)危険な場面をなんとか切り抜けロビーに戻ってきたあなた達
クンニリンサンによると砂浜で拾ったロボ子は崩壊3rdのディレクターとして生み出された存在らしい
ディレクターという言葉を聞いて日頃の激渋ガチャを思い出したあなたが取り乱し、ちょうど目を覚ましたロボ子に「早く、水晶を全部出して!」「「」長のS級戦乙女はあなたが隠したんだよね!?」などと詰め寄る場面もあったが、本当はそんなことをしている暇はなかった
なぜなら月曜日の素材クエストをクリアしたというのに手に入ったのはロボ子のみで、当初の目的だった素材は全くドロップしなかったのだから
ロボ子はこれはB・B・Bが一括完了ボタンを盗んでしまったからだという
先ほどの大量の機甲もクエストが完了せずに敵が沸き続けた結果であり、それでもプレイヤーさん達のためにと戦い続けたロボ子は埋められてしまったのだとか「そんなお涙頂戴はいいから早く「」長の水晶を返して!」←「コイツ何なの……」
とりあえず一括完了ボタンは取り戻さなければならない、隠し場所は……どうやら神城製薬のようだ
早速潜入を開始し、いつも通りロボットのガバ警備をすり抜け一括完了ボタンのもとにたどり着くまではよかったが、問題はそこに配置されていた守護者
戦闘システムが根本から違う後崩壊の敵にキアナちゃん達では全く太刀打ちできず返り討ちにあってしまう
しかしこんなこともあろうかとロボ子はサルベージしておいた後崩壊ブローニャのデータを転送し、突然召喚されたブローニャ[K・S・G]も
「戦場は職場のようなものです。緊急事態も急ぎの仕事と同じで、理屈は一切通じません。」
と説明を求めずすぐに戦闘に参加してくれたおかげで一転して楽に敵を殲滅できた
そして一括完了ボタンを運びたがるが身長の足りないAIちゃん[O]にブローニャ[K・S・G]はボタンを取ってあげ、あなた達はボタンめがけて追ってくる大量の敵をかわしながら神城製薬を脱出した
拠点に帰還したあなたは初期三馬鹿とブローニャ[K・S・G]の会話にニヤニヤしながら聞き耳を立てていたが、クンニリンサンに大事な話があると呼び出されてしまう
ちなみに4人の会話はあなたが聞きたがるだろうと思ってちゃんと録音しておいてくれているらしい、さっすがクンニリンサン話が分かる!
大事な話というのはこれからの目標についてだった
素材を手に入れ強化も済んだところでさらなる戦力増強のために記憶戦場を修復しに向かおうというのがクンニリンサンの案だ
ただし記憶戦場の報酬は順位次第、そしてB・B・Bによって掌握された記憶戦場では記憶戦場自体のシステム改変の権限すらもその報酬の中に含まれており、現在ランキングに君臨しているのは……
他ならぬB・B・Bである、それも2位以下に大差をつけるほぼ理論上最高のチートを使ったようなスコアで
とりあえずロボ子が戦闘データだけサルベージしてきたmay先輩[L・T・D]を加えて記憶戦場に挑んでみたが、当然ながらこんなパーティではB・B・Bのスコアを超えるどころか敵を倒すのでもやっとである
そこでクンリニンサンは賭けに出た
30分間記憶戦場だけサーバーを開放して全世界の「」長達にプレイさせ、B・B・Bから権限を剥奪したところで1位の「」長のプレイヤーデータをいじって権限だけ掠め取ってしまおうというわけだ
まあ記憶戦場しか遊べないバグまみれの崩壊3rdを「」長達に見せることにはなるが、いつも通りディレクターの不手際ということでうやむやにしておけばいいだろう
あとはB・B・Bの表示を煽るような名前に見えるように工作して……
ヨシッ!……ん?ところでこのアイコン……まあいいか
これで権限は奪取完了、予定通り修復された記憶戦場から新たなる助っ人のデータを発掘出来るようになる
ここで得られたのはmay先輩[L・T・D]の人格データと、空の律者のデータだった
……ってこの2人は一緒にしたらマズいって!案の定may先輩[L・T・D]がビリビリし始めてるし!こうなったらこの衣装の出番だ!行け!泉の精霊!ふぅ、なんとか誤魔化せた
律者クラスの戦力が2人も加わったところでそろそろ本命のAIちゃん[E]を助けに向かってもいい頃合いだろう
旧深淵で爆弾投げつけ合ってた世代のあなたは名前しか知らないけど量子多様体の最深部にある『ディープモードエリア』に殴り込みをかけたあなた達はすぐにAIちゃん[E]を見つけることができた
しかし予想通りここにもB・B・Bの罠が仕掛けられていた
プログラムを汚染されているAIちゃん[E]はあなた達を認識するや否やB・B・Bと勘違いして無差別攻撃を始めてしまう
なんとか攻撃が止まるのを待って汚染を除去し、AIちゃん[E]は元通り復活した
あなたを艦ちゃんと呼ぶ勝気なAIちゃん[E]はB・B・Bへの復讐に燃え、今にも特攻をかけそうな勢いだったが、AIちゃん[O]に何のためにクンリニンサンがAIちゃん[E]を助けたと思うのかと説得されて思いとどまってくれた
そう、崩壊3rdからB・B・Bを永久追放するためには三大モジュールの合議が必要なのだ
AIちゃん[E]が今しなければならないのは特攻ではなく損傷の激しいバルタザールの修復であり、それまでには時間がかかるだろう
それを待つ間、あなた達には久々の休息時間が訪れた
メルキオールの防衛に成功し、バルタザールは最後の修復作業を終えようとしており、カスパーは元からB・B・Bの侵蝕を跳ね除けている
あなた達の崩壊3rdを守る戦いにも終わりが見えてきた
しかしあなたはそれを告げるクンニリンサンの言葉の中に、若干の不安が混じっているような感じがして気になっていた
カスパーへのルートを確保し休んでいたクンニリンサンに話しかけたあなたに対し、クンニリンサンはこれまでの感謝の言葉を返す
こんなにも簡単にメルキオールとバルタザールを奪還できたのはあなたのおかげだろう
クンニリンサンはあなたに対してちょっとしたプレゼントを用意してくれた「それって水晶?」←「もっと特別なプレゼント」
「あなたに崩壊3rdに贈りたい言葉を残してほしいんだ。」
その言葉は感想やキャラへの想いでもいいし、ゲームに贈りたい未来の祝福でもいい、もちろんちょっとした愚痴でもかまわない
とにかくあなたへの感謝として、その一言を崩壊3rdのデータ空間の中に保存しておきたいのだ、と彼女は言う
突然のお願いにあなたは少しびっくりしながらもこのプレゼントを受け取ることにした
心の内側でおどけたアイデアも浮かび上がるが、クンニリンサンの真摯な眼差しとプレイヤーとしての勘が「ここは真面目にした方がいい」と告げ、少し悩んだ後に
『may先輩の蕎麦がいい!』
とメッセージボックスに打ち込んだ
──コアシークレットキー、入力完了。──
突然流れたシステム音声からクンニリンサンが何かをしたことは明らかだったが、何事か問うあなたの言葉に彼女は答える気がない様子で、話し終えることすら待たずに去っていった
不安が募る、あんな言葉を残して本当に大丈夫だったのだろうか……
疲れから眠りに落ちたあなたがAIちゃん[O]の手によって目覚めた時、周囲はアラートを告げる赤色に染まり空間が激しく揺れ動いていた
どうやら敵の手に堕ちている間にファイアウォールが解析されていたようだ
あなた達の行動を捕捉したB・B・Bは既にバルタザール内部に侵入してきており、現在は戦乙女達が必死に食い止めているらしい
今はまだB・B・Bを追放する準備は整っておらず、対抗手段もない、一刻も早くここから逃げなければ
しかしB・B・Bの動きはあなた達を上回っていた
彼の『作品』はカスパーに逃げ延びようとするあなた達を待ち伏せており、データを消失させてしまうブレスを吐きかける
真っ白に染まる視界の中、彼女は0と1に変換されながらほほ笑む
「崩壊3rdを……よろしくね。」
闇に堕ちた意識に微かに音が響いている
その音は次第に大きくなり、あなたはそれが誰かがあなたを呼ぶ声であることを認識する
そうだ、眠っている場合じゃない、早く目覚m「早く目を覚ましてよ!もう!」バシーン──!
いっっっってぇ!!
目を開けると、3人のAIちゃんがあなたの顔を覗き込んでいた
どうやらあなたはAIちゃん[E]にプラスチックハンドで思いっきりぶん殴られたらしい
あなたは何も見なかったことにして再び目を閉じたが、あなたを心配した3人がもう目を覚まさないんじゃないかな……いや叩く力が足りなかったのかも……などと会話しているのを聞いて慌てて飛び起きた
見知らぬ白髪のAIちゃんはAIちゃん[P]、そしてここは彼女の管理する最後の砦、カスパーモジュール
クンニリンサンはバグったべうの光線を浴びデータを消失させながらあなた達を転送装置に押し込んでくれたおかげで、あなた達は無事にカスパーに到着できたようだ
しかし彼女はもう……
そのことを認識した時、あなたの胸中には悲しみと怒りの感情が押し寄せてくる
「もうこんな姿でしか現れることができないんだ。」
いや生きてんのかーい!さっきの悲しみを返して!
どうやらクンニリンサンのコアプログラムは崩壊3rdとは別のところに保存されているらしい、ただしそれ以外のプログラムを破損してしまった今はもうワイヤーフレームのような映像でしか現れることはできないし権限も行使できないようだが
3人のAIちゃんが揃ってもクンニリンサンの発議がなければB・B・Bを追放することは出来ない
なんとかしてクンニリンサンのプログラムを修復して権限を取り戻さなければいけないわけだが、それが出来るのはクンニリンサンだけらしい
この一見八方塞がりの状況を解決するためには補給システムにクンニリンサンのデータをインポートして崩壊3rd内にクンニリンサンを出現させればいいわけだが……
「「」長には有り金をはたいてもらうよ~」
す、水晶取る気かよ普段から搾られすぎてほとんど持ってねえよ……てかAIちゃん[O]の野郎かわいかったのにいきなりどこぞのキャベツみたいになりやがって……
幸いAIちゃん[P]が隠していたヘソクリを使わせてもらえることになり、消耗した戦乙女達の治療にみんなを残してあなたとAIちゃん[P]は隠し場所であるカロスタンへ向かった
知っての通りカロスタンはOW、宝箱を開けるためにはアバターが必要になる
とはいっても現在はこのchapterで活躍するプレイアブルキャラ達のデータは手元になく、大半のモブには歩行データがない、利用できる選択肢といえば
「オットー・アポカリプスだ。」(CV.石田彰)
大主教になれたあなたが喜んだのか自殺したくなったのかは定かではないが、とにかくカロスタンで実体を手に入れたあなたは宝箱を開けていった
そして教会堂前にある最後の宝箱を開けた時、あなたは強烈な威圧感を覚え背後に彼女が現れたことに気が付く
「ようこそ、僕の友、天命最強のS級戦乙女よ。」
「……今回の計画で、あなたが『現在を壊し、過去を再度選択する』かもしれないと教えてくれた人がいました。」(CV.まみこ)
やっべーついノリで演技しちゃったよ……ってか演技しないで話題を逸らそうとしても戦乙女の人格データがないせいで本編の流れのリプレイしか出来ないんだね
「狂っています。」(CV.まみこ)
こっちが言いてえよ!
なんてウダウダしていたらデュランダルを聖痕空間に隔離する前にキアナが来る時間になっていたようだ
キアナの人格データはもう修復されている、これで助か……らないみたいだね、そりゃ薪炎は艦橋でセクハラも出来なくなってるもんね、人格データも別だよね
あなたは死ぬ気で走った、その姿にはもはや500年もの長きにわたって世界に君臨しあらゆる人々の運命を弄んできた大主教の威厳はなく、ただ生を求めて最後の瞬間まで我武者羅に足掻く鋼のような意志だけがあった
転移装置に飛び込みカスパーのロビーに帰ってきたあなたは息を絶やして倒れこみながら生を噛みしめた
あとは補給からクンニリンサンを引くのみ、息を整えたらガチャを回しに行こう
補給空間──三大モジュールから独立した位置にある全ての戦乙女、聖痕、限定武器が眠る場所
あなたはB・B・Bの妨害で初期三馬鹿を失いながらもなんとかガチャ画面に辿り着いた
知り合ってからそんなに時間が経ったわけでもないのに、彼女のことを思い出せばきりがない
彼女はいつも崩壊3rdのために働き、「」長達の心に長さの違う影を残す
彼女より崩壊3rdを愛している人はいない
彼女が見せてくれた一面はキャベツの葉の1枚にすぎないが、それなら彼女はキャベツ畑の全てだ
彼女は崩壊3rdに残されたもの、その全てをずっと覚えている
だから彼女も崩壊3rdの記憶から消えるべきじゃない
彼女は絶対に崩壊3rdを守ってくれる
以前君は「」長に特別なプレゼントをくれたよね?
だから……今度は「」長に教えてほしい、君が崩壊3rdに贈りたい言葉を、あの時君に教えたように!
クソがッ!いつもこうだよ……「まさか「」長って伝説の……」←「黙って!その小さな顔を潰すよ!」
とはいえさすがに天井でも引けないのはおかしい、どうやらB・B・Bは補給システムすらも既に改変していたらしい
後期三馬鹿がB・B・Bの攻撃を防いでいる間にディレクターがかろうじて補給システムの復旧に成功したが、今度はクンニリンサンが自分で高めていたクンニリンサンのセキュリティレベルのせいで補給からの排出は妨げられていた
B・B・Bは勝利を確信して高笑いする、そんな高度なセキュリティの解除キーをただのプレイヤーに教えるわけがない
しかしあなたはそのコードに覚えがあった
『may先輩の蕎麦がいい!』
「おまたせ。」
ただ居合わせただけのプレイヤーに最上級の権限へのアクセスを許可するような行為、それはB・B・Bが指摘する通り第二のB・B・Bを産む危険をはらんでいる
しかしクンニリンサンはあなたを信じてくれた
なぜならあなたは崩壊3rdを愛していたから
その愛はB・B・Bのような相手を自分好みに作り変えてしまおうというような身勝手なものではない
新人を顧みない違法建築じみたインターフェース、一向に翻訳されない漫画、その漫画も前提にして進む難解なストーリー、渋いガチャ、意地でも10連の最低保障をつけないおま国、復刻しない水着、いつまでも出ないPC版、広がる妹との人気の格差、メインストーリーすらクソムズすぎる学園、バニー、90%、それら欠点すらも含めてありのままの崩壊3rdを受け入れる、真実の愛だ
とにかく、クンリニンサンと3人のAIちゃんが揃ってしまえばB・B・Bの掌握した権限など何の障害にもならない
くらえ!ファイナルAIビーム!
数日後、崩壊3rdでは未だB・B・Bの残したバグの洗い出しが行われている
現実への帰還の時を待つあなたは先の戦いでデータとはいえ戦乙女達を殺してしまったことを気に病んでいた
そんなあなたにクンニリンサンはこう語り掛けるのだった
「ここはゲームの世界、あなたが会った彼女達はデータにすぎない。でもどこかの別の世界で彼女達は本当に生きているんだよ。」
彼女のこの言葉の真意はここでは語られることなく、日誌は終わりを迎える
しかしそれから数ver後……
休日のシンフォニー𝄆
ver6.3
プロローグ
待ちに待った年末休み!
普段残業ばかりさせられているケビンも久々にまとまった休みがもらえたようだ
今年は黄金の庭園の仲間達と夏の島でバカンス……って聞いてたんだけどね
「僕はどうしてこんな雪の中で工事させられているんだ?」
「さぁ……」
解説
聖フレイヤと黄金の庭園組に分かれる久しぶりの陣営戦
プレイヤーがランダムに振り分けられる共同イベントなためテーマイベントながら開催期間が11日と短め
ただし本国からこちらに来るにあたって何故か陣営チャットがなくなったのであまり陣営感は無かった
あと誤訳・誤植が凄くて原語を参照しないと解けないギミックも多々あった
英傑たちは英傑ごはんアニメと同じ設定で続投、夏の狂想曲のように実は……ということもなく本当に平和な世界
聖フレイヤ組もゼーレがいてオットーが定年退職後と英傑達と一緒の世界で普通の学生のように暮らしている
まあ肝心のリゾート地が聖フレイヤの人達じゃなかったら大怪我必至の超危険地帯だけどな!
あらすじ
パルドも同じように騙されて工事に付き合わされている被害者の1人だ
他にエリシア、千劫、メビウス博士(の代理のメビロボ)もいるよ
華はWEBイベントの方に行ってるため欠席
ちなみにスウだけ水着じゃなくて普段着で暖かそうにしているのはヤシの木のことを根に持っているからだ
あともう1人いるけどそいつは騙して連れてきた側だからね
それが誰かといえば……
もちろんヴィルヴィ!
このリゾート島の工事を依頼されていたのにすっかり忘れていた彼女、もちろんお代は前もっていただいている、これではとんだ詐欺師だ
そしてこの施設のプレオープンに当選したお客さんはきっとリゾートで過ごす年末を楽しみにしていることだろう
どうしよう……困った……
そうだ!私たちのバカンスも兼ねて工事を手伝わせてしまえばいいじゃないか!さすが天才のヴィルヴィ!
結局詐欺師じゃねえか
というわけで貴重な休暇を肉体労働で潰すことになった黄金の庭園の住人達
しかし彼らの奮闘も虚しく既にお客さんはなんの施設も完成していないこの島に到着していた
いえーい黒ゼーレ見てますか?これからブローニャはゼーレと楽しい時間を過ごしますよ
ブローニャお姉ちゃんのお顔が美少女すぎるよ……
テリテリ足短いから付いていくのも大変そう
まあ想像していたリゾートにはほど遠いけどそういう趣向のアクティビティなんだね?とサバイバルを楽しんでしまう聖フレイヤご一行様
こうして英傑達と聖フレイヤ組のシンフォニーが始まった
キアナちゃんが毒キノコ鍋キメてラリったり
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とにかく色々ハチャメチャが押し寄せてきて大変だったけど、なんだかんだ全員楽しめたみたいだしよかったよかった
最後?タイトル見ればわかる通りこれ前後編の前編なんだよね
いつも通りの爆発オチだよ!
将来の計画!人生設計
ver6.3
テーマイベントじゃなくてただのWEBイベントだけど、妙に凝ってたので個別ページを作った
→【将来の計画!人生設計】
休日のシンフォニー𝄇
verキアナ
プロローグ
突如地面が崩れ、バラバラになってしまった聖フレイヤ組と黄金の庭園の住人達
地下遺跡で目を覚ましたケビンは仲間達の無事を確かめるために動き出すが……
「シーッ!おじさん静かに!」
解説
休日のシンフォニー後編
とはいえお話にそこまでの繋がりはなく、春節らしい&第一部完結編に合わせためでたいお話
システム的にはクソシューの系譜、今回は横スクSTGで爽快感があってなかなかGood
毎年豪華な春節(周年)イベントでさらに今回は節目のverというだけあって、操作キャラも敵モンスターも種類が豊富でこのシステムのまま個別のスマホゲー作品をサービス開始出来そうなくらい作り込まれている
ちなみに各キャラが武器として使っているのはだいたいコズマが自作したホムのグッズ(例外もいる)
前編の方でトランクに詰めて持ってきていたものがばら撒かれてそれぞれの手に渡った
物騒なものも含まれてるけどグッズだから水鉄砲とか、もちろん殺傷力なんてないよ!
- ケビン
本イベントの主役を張るなけなしの有給をゴミにされた残業プログラマー、衣装はスケT水着
武器はガトリングガンを使う遠隔タイプ
通常攻撃は弾数無限の中距離攻撃、必殺技は純粋に連射力を大幅に向上させる時限バフ、と主役らしい癖のない構成
そんなケビンを初期キャラにして本イベント最強キャラたらしめているのは回避スキルの時空断裂
ランキングコンテンツのボススコアアタックは記憶戦場方式になっており、回避CT短縮ガン盛りでひたすら時計を止めて蜂の巣にする戦法は他キャラでは追従不可能な圧倒的スコアを叩き出していた- キアナちゃん
ケビンと行動を共にするご存知我らが主人公、衣装は春節薪炎
武器はカスラナ伝統のバットを使う近接タイプ
通常攻撃は中断力の高いバット殴打、必殺技は攻撃力と攻撃範囲を強化する時限バフ、とこちらも癖のない構成
チャージ攻撃が搭載されていてロザリアよろしくグルグルアタックしてくれる
回避スキルでは体当たりを仕掛け、チャージ攻撃のKPを減らしてくれる(体当たりを当てる必要はない)
キアナちゃんの特徴としてジャンプにあわせて自動で斜め上方に連携攻撃してくれる、これによって雑魚の多い道中でもかなり立ち回りやすくなっている- コズマ
ブロにゃんと共鳴してしまった厨二病患者、衣装はいつもの(この世界では自作コス)
武器はレーザー砲を使う遠隔タイプ
通常攻撃は三段階までチャージ出来るレーザー照射、回避スキルを使うと即フルチャージしてくれる
必殺技は広範囲にダメージを与えつつバリアを張るボム系スキル
最大の特徴である通常攻撃が地形を貫通する極太レーザーと一見とても強そうだが、その分火力が抑えられている上に距離によって減衰してしまうと正直かなり残念
でもお友達も出来たしよかったね、コズマ- ブロにゃん
コズマと共鳴してしまった厨二病患者、衣装は神州ブロニー
武器はショットガンを使う近接タイプ
通常攻撃は攻撃範囲広めなショットガン単射、必殺技はショットガンを乱射してからのトドメのフルパワーショット
回避スキルでは回避しないで敵にアンカーをかけて急接近して三点バースト接射するアグロ型
ちなみにショットガンだけどどの攻撃も近づくほど威力が上がるとかそんなことはない
道中の雑魚相手のタイマン特化でやや不遇- may先輩
千劫ほどではないけど家事の得意なヤンデレヒロイン、衣装は悪の女幹部先輩
武器はジャパニーズヤンデレソード二刀流を使う近接タイプ
通常攻撃は範囲こそやや狭めなものの前後に判定のある剣の舞、必殺技は電池先輩の必殺技同様の切り刻んでからのドーン
回避スキルは3回までストック出来る瞬歩辻斬り、これがとにかく高威力・広範囲・高回転と三拍子揃った強力な攻撃で猛威を奮った
あまりにも優しい…may先輩に「」長達の腹筋が悲しみの向こうへ行ったことは言うまでもない- パルドフェリス
汚物を消毒したり自分が消毒されたりするキャッツ!衣装は水着キャッツ!
武器は火炎放射器を使う遠隔タイプ
通常攻撃では汚物を消毒して回避スキルでは自分にエンチャントファイアして特攻するバーニングファイアカミカゼキャッツ!
名シーンを自分からネタにしていくmiHoYoちゃんには参るね……
通常攻撃にしろ回避スキルにしろ当て続けることで肉球マークの燃焼ゲージを付与できてドットダメージを与えられる
必殺技は発動するとキャッツ!が大爆発して燃焼ゲージに応じたダメージを与えてくれる- 識ちゃん
今回も騒動の元凶の識の律者様、衣装はいつものだけど春節だから神州風で識の律者様万歳!
武器は爆竹グレネードランチャーを使う遠隔タイプ
通常攻撃を当てると赤い紙屑が落ちて拾うとEPがどんどん回復して必殺技の大爆竹を高頻度で発射出来る
回避スキルは紙屑回収スキルでSTGらしい
他の遠隔タイプのキャラと比べて射角が狭いようで通常攻撃を当てにくいが、ボス相手なら特に当てるのにコツもいらないから脳死で必殺技を連発出来てお手軽に火力を出せる救済キャラな面もある- エリシア
今回はあまり目立たないピンクの妖精さん♪、衣装は水着の妖精さん♪
武器はいつもの弓を使う遠隔タイプ
通常攻撃を3回打つと回避スキルの三点バーストが使えるリズムゲーのような構成
必殺技はいつもの跳弾アタック、ただし溜めがあって微妙に使いづらい
操作に集中しながらもメ゚ュンメ゚ュンメ゚ュンメ゚ュメ゚ュメ゚ュンメ゚ュンメ゚ュンメ゚ュンメ゚ュメ゚ュメ゚ュンのリズムを維持するのが火力を出す肝- 黒ゼーレ
いつも通り童貞発症中の黒、衣装は神州彼岸花
武器は筆を使う遠隔タイプ
通常攻撃で癖のない墨投げをしつつ回避スキルでヴァニラアイス的な突撃攻撃も使える遠近どちらにも対応できる万能型
必殺技では筆をブーメランのように操作して任意の敵を攻撃出来る、その間本体は墨のバリアを張ってるから無敵
このように隙のない黒だがその代わりに火力は若干控え目- ヴィルヴィ
相変わらず1人だけゲーム違くない?ってなる大魔術師、衣装は水着のヴィルヴィ!
武器は多連装ミサイルを使う遠隔タイプ
通常攻撃は2種類の誘導ミサイルを乱射して敵の回避行動とか関係なく当たってくれる上にこれ自体の火力が高い
必殺技を使うとバックパックで浮遊モードに入ってもはや地形すら関係なくなる、ちなみに浮遊モードの持続時間は元から長いのに敵を倒すとさらに延長されるから道中はずっと飛んでいられる
そして回避スキルは必殺技の浮遊モード中に1回だけ使える核ミサイル!全画面攻撃で人類は滅亡する
あらすじ
遺跡には怪物が闊歩していた
拾った水鉄砲とバットで怪獣達を退けながら遺跡を進んでいった2人は何やら怪しげな小部屋に辿り着く
そこで待っていたのは識ちゃんとおすしちゃん
彼女らによるとこの年の瀬には普段隠れている妖獣が現れて子供達を狙って泣くまでいたずらを続けるものらしい
そんな妖獣達の暴走を止めるためにやるのが額に『福』の字の書かれた御札を貼って回る年越しの儀式、それが終わると年越し料理を食べながら新たな一年を迎える
ああ旅人よ、近隣の町を守って年越し料理を食べるために協力してくれないだろうか?
年越し料理が楽しみな2人はこの依頼を受けることにし、妖獣たちとの戦いが始まった
一方その頃、ブローニャ、コズマ、グレーシュの3人は森の中で木々に赤い提灯を飾り付けていた
これも識ちゃんとおすしちゃんが元凶である
厨二病同士で意気投合したブロコズマとそんな2人に「むっ…」とナマモノ意欲が湧き上がる絵世先生は仲良く木々に提灯を飾り付けていったが、やはりこちらにも妖獣達が現れ、戦闘になってしまう
そこに提灯を追って来たキアナちゃんとケビンが合流したことで難は去ったものの、一際大きい変わった妖獣が町の方向へ逃げてしまい、一向はこれを追いかけた
しかしこのなんともいえないいい匂いはいったい……
may先輩、パルドフェリス、スウ、缶ちゃんの3人は川辺でヌシを釣ろうと悪戦苦闘していた
もちろんこれも「一番大きい魚を町に連れてきて鯉の滝登りをやらせてしい」という識ちゃん達の依頼である
竿にかからないヌシを釣るためにとんでもなくいい匂いの料理を作ろうとmay先輩が奮闘していたが、材料も限られる中ではなかなか上手く行かない
しかしそれが完成した時、缶ちゃんは鍋の中へ飛び込み、匂いに釣られたキアナちゃんも合流し、そしてヌシにしてキアナちゃん達が追いかけていた一際大きい変わった妖獣も現れた
途中識ちゃんの協力もありながら倶利伽羅は福の御札を貼られたことで大人しくなり、四喜肉団子があれば鯉の滝登りをやってくれるということでmay先輩達はその準備のためにひとまずここに残り、別れたキアナちゃん達は町を目指した
年の瀬の町は大賑わいである
御札や提灯の量産を任されたゼーレはちゃんとお手本通りに作るゼーレとこんなのちゃんと書いても誰も読めやしないわと適当にラクガキで済ます黒ゼーレで交代で休みながら作業を進めている
エリシアとテレサは町の子供達にお年玉を配っている
千劫も年越し料理の準備やあちこちの掃除で大忙しだ
皆この年の瀬の喧噪の中で思い思いに年越しの準備を進めている
結局識ちゃん達の依頼も全てこの年に一度のお祭りを盛り上げるための用意だった
……しかしこんな賑やかな催しにあってあの2人が大人しくしていられるだろうか?
もちろんそんなことはない
テスラとヴィルヴィの合作した皆が驚く超スゴい出し物『エビス』は当然のごとく暴走し、町を攻撃しようとしてきた
これを止めたのはやっぱりキアナちゃんだ
皆との息もつかせぬ連携で特大の『福』の御札を貼り、エビスの暴走は止まった
そしてその時、ヴィルヴィの仕掛けた最後のサプライズ、花火が打ち上がった
島に来て以来、聖フレイヤと黄金の庭園の面々は色々な騒動に巻き込まれた
しかし最後には皆でこうして賑やかに年越しを祝っている
きっとこの数日は全員にとって忘れられない思い出になったことだろう
……ケビンはどう思う?
「ああ、楽しかった」
キャットタウン大冒険
ver6.5
プロローグ
遥か遠くの猫の国
夜猫の王は無形の魔網を利用し、終焉から逃れた世界に祝福を与えた
善意は世界を巡り、荒漠から出た猫達は繁栄を享受する
しかしそんな穏やかな猫の国に音もなく災いが忍び寄ろうとしていた
夜闇の中で蠢く悪意に気づくものは誰もいない……ある少女を除いては
これはやがて太陽を掴む彼女の、道半ばの物語
「この一撃は、星を貫通します!」
解説
第1.5部のスタートを飾るのはまさかのスーサナ
大崩壊を乗り越え平和を謳歌する天命の戦乙女たちや市井を生きる民草の姿が描かれる
そしてこのイベントからようやくアルヴィトルさんもモデル(超美少女)が実装されている
まあやっと腕を下せたアルヴィトルさんを後目になぜか猫がプレイアブル化されていて操作出来たりするわけだが……
あらすじ
今年も戦乙女試験の時期が近づいてきた
しかし例年であれば戦乙女達でごった返しているはずの模擬訓練室も今は閑散としている
平和になったことで戦乙女達はだらけきっていた!
そんな中でも少しでもいい評価をもらえるよう訓練に勤しんでいたスーサナのもとに、ある日アルヴィトルから連絡が来る
現在テレサ主教は天命本部近くのリゾート地でバカンスを兼ねたB級戦乙女達の指導を予定しており、そこには指導者として3人のS級戦乙女も揃い踏みで参加するのだという
そしてその中で現在計画されている予備訓練学校のPV撮影も行われる予定であり、そのために動画編集が得意なスーサナにはぜひ参加して意見を出してほしい、とのリタさんからの招待があった
喜んだスーサナは二つ返事で参加を決めた
そして当日
キャットタウンにはスーサナと当直のアルヴィトル、3人のS級戦乙女、猫のスタン、そしておすしちゃんが拾ってきた戦乙女を夢見るスーパー美少女のウチことキャロ(バシィ『チュンちゃん』と名乗る少女が集まっていた
しかし名前の通りこの街には猫が多い
これは大崩壊が終わってから犯罪率が上昇したこの街に現れたキャットマンなる人物に敬意を表してのことらしい
大崩壊からたった数ヶ月で住民達の尊敬を集めこの街を猫の楽園に変えてしまったという英雄、それにも関わらずその痕跡はアルヴィトルの能力をもってしても漠然とした噂程度にしか掴めていない
例えば、街中に設置されている給餌機はキャットマンの贈り物であり、それを壊すような行為はキャットマンの怒りを買って天罰が下ると住民達は信じているようだ
この迷信は相当根深いようで、スタンを助けるために給餌機を壊してしまったチュンちゃんが怒り狂う住民達に詰められ、謎の機甲の暴走に巻き込まれたところをスーサナが助けに入るような場面もあった
その時は通りかかった巡査員の助言もあって機甲を停止させることに成功したが、しかし一般人が巻き込まれていたらと考えるとゾッとしない
日が暮れ、みんなと夕食を食べ終え部屋で昼に撮った動画の整理をしていたスーサナは、昼には気づかなかったある点に目が留まる
給餌機と暴走していた謎の機甲には共にキャットマンのマークが刻まれているのだ
これを不審に思ったスーサナとアルヴィトルは夜のうちにこっそり給餌機を調べに行くことにした
給餌機にはちょうどメイドのダイエット計画から逃れてきたスタンが餌を食べに来ており、それを追いかけてきたチュンちゃんがスタンを機械から引っ張り出そうと苦闘していた
しかしスタンが餌の中から引きずり出された時、奇妙なことが起こる
給餌機が昼に暴走していた謎の機甲に変形して襲い掛かってきたのだ
なんとか上手くやり過ごした3人と1匹は公園のベンチで一休みしていた
危険を脱して胸をなでおろすスーサナとアルヴィトルを見て、チュンちゃんはイメージしていた戦乙女像との違いに驚いたようだ
それに気づいたスーサナは少女の夢を壊さないように取り繕う
例えば今回のようなことがあっても素裳様ならこともなげに機甲を一掃して「こんな敵じゃ準備運動にもならないよ」なんて言うだろうし、リタ様なら異変を察知して危険自体を回避してしまっただろう、デュランダル様に至ってはもはや想像すらつかない、戦乙女の中では自分たちのようにへなちょこの方が例外なのだと
しかしチュンちゃんが理想としたのはそんなすごい戦乙女達ではなく、スーサナとアルヴィトルだった
優しく、綺麗で、恐怖があっても人々のために怯むことなく立ち向かえる、そんなかっこいい戦乙女……
そう憧れを口にしながら未来の戦乙女は眠りに落ちた
生まれて初めてそんなに褒められたスーサナの心は弾んでいた
彼女の期待に応えるためにももっともっともっと素敵な戦乙女になろう
調査も訓練も地道に進めていく時間はあるのだから
願わくば、いざという時に前への一歩を勇敢に踏み出せますように……
朝、寝過ごして急いでお風呂に入っていたスーサナのもとに来客があった
素裳様はどうやら寝坊の理由を動画編集作業だと勘違いして気遣ってくれていたようだ
きっと動画を斬る?ためにマウス?を使わなければならないパソコンの作業はスーサナにとって苦痛を伴うものだろう、そんな風に考えてこうして訪ねてきてくれたのだ
もちろんそんなことはない、とはいえそういう優しさは嬉しい
今日一足先に天命本部に帰る素裳様とこんな他愛もないことで笑い合える時間ももう残り少ないが、天穹市の時のように2人が別れを惜しむことはなかった
再会を待ち望んでいるということはつまり、本当の意味で離れていないのだから
友人を見送ったスーサナはその帰り道で昨夜機甲に襲われた公園を通った
しかし奇妙なことに昨夜壊したはずの給餌機はもとあった場所に戻っており、そしてそれを不審に思って近づいたところ再び機甲に姿を変えて襲い掛かってきた
なぜか昨夜より強力になっている機構を前にスーサナは苦戦したが、通りかかったリタさんの加勢で事なきを得る
ただしリタさんがここを通りかかったのは偶然ではなかった
「スーサナお姉ちゃん、アルヴィトルお姉ちゃん、キャットマンの秘密を掴んだでぇ!昨夜見たんよ、夜の給餌機には……」
そう途切れた書置きを遺して姿を消してしまった少女を探してこの場所に来たらしい
まさか本当にキャットマンの天罰などというものがあるわけもないだろう、解決の鍵はこの街の給餌機の全てを管理しているというあの巡査員が握っているに違いない
戦乙女達は合流し、暴走した機甲の闊歩する街を抜け、巡査員がねぐらとしているという旧市街の廃墟に踏み込んだ
そこは放棄された天命の応急物資倉庫だった
なるほどここを掌握しているのなら街中にある大量の給餌機型機甲の出どころにも説明がつく
しかしこの地下倉庫の存在は機密であり、突入してきた時も入口のロックは生きていた、一般人にしか見えないあの巡査員にそれらの情報が得られるとはとても思えない
やはり彼を捕まえて背後関係を聞き出すしかないだろう
あっ❤デュランダル様と猫ちゃんに私の手が挟まれてる幸せすぎる状況に考えがまとまらない❤
……なんて役得に油断していたところ仲間達と分断され、1人たどり着いた倉庫の最奥でスーサナはチュンちゃんと巡査員を発見する
巡査員から聞き出された情報は、スーサナの妄想推理通りだった
やはりこの事件の背後には謎の黒幕であるキャットマン──いやもはや教祖と言ったほうが正しいかもしれない──が存在した
猫を頂点とする世界を熱弁するキャットマンとその信奉者達はネットによって繋がり、キャットマンの指揮のもと影からこの街を猫の楽園に作り変えていった
巡査員もその理想に感化された末端の信者の1人にすぎない
しかし巡査員にもついていけないと感じることはあったようだ
猫を絶対視するキャットマンは猫と人類との最終戦争すらも想定しており、この倉庫に『マッドキャットマン号』という猫以外の生物を抹殺する危険極まりない機甲を作らせていた
そして運の悪いことに、チュンちゃんと戦乙女達がこの倉庫に踏み入り暴れたことでその最終兵器の起動シークエンスが始まってしまったらしい
街1つを更地にしてしまえるような強力な機甲、以前キャットマンは「それを止められるとすればある金髪の戦乙女だけだろう」と語ったという
奇しくも金髪の戦乙女ならこの場にいる
きっとキャットマンの語ったその金髪の戦乙女はスーサナのような見習いではなくデュランダル様のことだとは思う
しかし時間がない今、やれるだけのことはやっておかなければならない
時間さえ稼げればはぐれてしまった仲間達がここに駆け付けて全てを解決してくれるはずなのだから
しかしそんな期待に反し、増援は到着せず、マッドキャットマン号は起動し、スーサナは殺戮マシーンに1人で対峙することになってしまう
怖くてたまらない、今すぐ逃げ出したい、そんな感情に支配されそうになるスーサナをこの場に踏みとどまらせたのは、日々の訓練と憧れのS級戦乙女達の言葉だった
いざという時に備えて鍛え上げてきた力を今発揮できないでいつ発揮するのか
敵は危険な機甲ではない、誰かの後ろに隠れることに慣れてしまった自分自身だ
覚悟を決めたスーサナは曲刀を握りしめ、マッドキャットマン号に斬りかかる
そして……
……ということがあったんですよ!
ロボットとの戦いは怖かったけれど、死ぬ気で頑張れば意外となんとかなるものですね
いつの間にか到着していたデュランダル様とリタ様と素裳様に見守られていたと思うとすこし恥ずかしい気もしますが、おかげで少し成長出来た気がします、ちゃんとお三方の期待に応えることが出来たでしょうか?
そういえば、結局チュンちゃんは本当はキャロル・ペッパーという名前の女の子であの第二次崩壊の英雄であるルイス先輩の娘さんだったんですって!
伝説の戦乙女の娘さんだけあって小さいのにとっても勇敢ですよね、でもご両親に心配をかけてはいけませんよ?
キャットタウンも天命の支援の手が入って平和を取り戻し、相変わらず猫の街として栄えているそうです、もちろん危険な機甲はなしですけどね
しかし結局倉庫には黒幕に繋がる証拠は残されておらず、指揮系統になっていたネットのコミュニティも解散してしまい、未だに天命でさえもキャットマンの詳細はまるでつかめてはいません……いえ、誰このおっさんと言った方が正しいでしょう
猫ちゃん達の機嫌値によって施設の警戒レベルが変わるなんていう変な仕掛けがあってロックを解除するのに時間がかかったりしていなければもう少し捜査も進んだのでしょうか
えっ?ロックを解除する方法ですか?
それはもちろん猫ちゃん達のご機嫌を取るために……
ってあの場面も撮影されちゃっていたんですか!?
…
……
………
少女の努力のおかげで、猫の国に降りかかる災いは無事に解決された
しかし──
本当に終わったのだろうか?
……
自信に満ちた笑顔!
健康的な肌!
えへへっやはりルイス先輩は強い!
憧れます~
おやっ?天命なんでも屋に通知が
また何か起きたんでしょうか?
……
にゃ~
(フン、愚かな人類よ、今回は負けを認めてやろう)
(ネット掲示板を通じて猫族による人類の支配を進める計画はやはり無理があった)
(今回の旅はオイラ自らの目でその問題点を洗い出す絶好の機会になるはずだったんだが……)
(それもこれもあの人類のガキに付き纏われたせいで全部台無しだ!)
(まあ焦る必要はない、今回の計画を通じて猫族は既にお前達にとって必要不可欠な存在になりつつある)
(それに次なる作戦は既に目処が立っている)
(まさか向こうからやってきてくれるとはな、実に愉快だ)
(『スーサナとスタン』、タイトルは気に入らないがあのそそっかしい小娘の新企画とやらをせいぜい利用させてもらおうじゃないか)
(震えて眠れ人類!地球の支配者は猫族だ!)
☆パーフェクトライブ☆
ver6.7
プロローグ
ららららら~♪
今日もいい天気ね!
明るい日差し、綺麗な空気、街中も…
私!?
これはどういう状況なの?
ニグラス、またあなたの仕業なのね!?
どうしていつも勝手に私の名前を使って出演許諾するのよ!
ニグラス?おい?黒糖!!1!
解説
綺羅子実装記念イベント
ついでにしれっとニグラスのモデルも実装されている
ver6.6で「」長達を大いに混乱させた双子の転売百貨店イベントの後日談でもある
chapter38でヴィタさんの干渉計と世界の泡の法則が組み合わさって皆が自分の辿る未来の可能性を垣間見せられた際に、綺羅子が体験した夢の内容がこれ
なお同chapterにおいて綺羅子は自身が音痴であることをスーサナに暴露しており、この未来の可能性は阻止された
しかしこの時の綺羅子の経験と記憶自体は消えていないため、この後のメインにおける彼女の重要な行動にもつながっていく大事な物語でもある
ちなみにこの未来の可能性が潰えたとしてもそれを導いた過去のパラメータは存在しているはずで、おそらく綺羅子達がセントソルトスノーで右往左往している間に双子は転売で大儲けしていたのだろう
またver7.2のイベント『追鳶漫遊記』での綺羅子はこの夢の体験を踏まえたうえで活動しており実質的な後日談ともいえる内容になっている
あらすじ
ネット上のアイドルとしてカルト的な人気を誇る『飛べるうさちゃん』、その突然の引退発表は界隈を騒然とさせた
元気なうさちゃんが見られる最後の回となってしまったある日の配信には「何をやっているんですか」という音声が混ざっており、これが不自然すぎる引退会見と合わさって様々な憶測を呼んだのだ
……なにはともあれうさちゃんという絶対的な王者を失った人々の心は新たなアイドルの戴冠を渇望していた
そんな大空位時代に告げられた伝説のアイドル『綺羅星』の復活
いやTeRiRiの40年前ほどじゃないにしろ綺羅星が活躍したのだって20年前だろ今何歳だよ……
彼女のライブに対する期待はスーサナの資金力で繰り広げられた宣伝も相まって頂点に達していた
この状況に追い詰められていたのが他ならぬ綺羅子当人である
二グラスがこのようなイタズラを仕掛けてくるのは初めてではなく、いつもであればすぐに訂正されて終わっている話だっただろう
しかし今回はあまりにも大事になりすぎた
スーサナの善意が動かせる資金は十分すぎるほど巨額であり、もはや撤退が許される雰囲気ではない
観念した綺羅子はアイドルとしてファンの期待に応えながらコンサート開催に必要なあるものを求めて動き始めた
その途中、綺羅子のアイドル魂に惹かれたアイドルの卵達がどんどんと綺羅子のもとへ集まっていった
スーサナ、ビアンカ、ウォッカガールズ、識ちゃん、孤児院のみんな、そして……
なぜかあの女!
いやなんでコイツまでいるのよ!?
しかもなんだかしつこく絡んでくるし……
嫌がらせ?嫌がらせよね?嫌がらせだわきっと
いいように乗せられてこんなミニコンサートまでやらされる羽目になって、本当にいけ好かないやつ!
乗っ取ったセシリア様の顔で自分と同じくらい大きい歓声を受けているのも気に食わない
……まあひとつだけ助かったところもある、ウサギがアイドルとしてちゃんとしたパフォーマンスをしてくれているおかげでこのミニコンサートでは全く歌わず誤魔化すことが出来ているのだから
そう、この女、時雨綺羅は、他はアイドルとして完璧なのに歌だけが超絶ド下手くそなのだ!
未だ歌ったところを見たものがいない伝説のアイドル綺羅星、彼女のライブ開催告知が人々の耳目を集めたのも、その秘密のヴェールの裏側が見られるのではないかという期待があってのことだった
そうして何の解決策も見つけられないままライブ開催の前日を迎えた
共演者達のやる気は十分、セットの準備も完璧だ、ファン達の熱気も最高に高まっている
しかし歌だけはどんなに頑張っても人様に聞かせられるものになっていない
……いっそ逃げてしまおうか
綺羅星がライブに欠場するのは初めてではない、今回もそうなったとして落胆する人はそう多くないだろう、むしろ聞いたもののいない歌声という神秘性がさらに高まり喜ばれるかもしれない
それに綺羅星1人がいなかったとしても、ビアンカ達は素晴らしいパフォーマンスを披露して人々のアイドルを求める心を満たすだろう
そうして生まれた新たなアイドルは新時代を作り、綺羅星は人々の記憶から消えていく、アイドル稼業とはそういうものだ
そうだ、それでいい、今回も逃げてしまおう
嫌なことから目をそらし、ほとぼりが冷めるまで身を潜める、それがいつも通りのやり方だ
このままライブが終わるまで部屋に隠れて……
綺羅子はかつての仲間たちの夢を見た
──
1998年、雪狼小隊は隊長であるセシリアの懐妊によって解散を余儀なくされた
それが決まった時、雪狼がなくなってしまう前に最後にみんなで何かやりたいと、そう言い出したのは綺羅子だった
雪狼バンド──サロメがギター、二グラスがドラム、パトリックがベース、立雪がダンス、そして綺羅子がボーカルというそれぞれが苦手とする分野を担当して隊長に一夜限りのサプライズライブを捧げる計画──そのために5人はみんなで過ごす時間を噛みしめるように楽しみながら準備を進めた
……しかしその夜の大トリ、天命の最強のアイドル──輝ける一等星、綺羅星はライブに現れなかった
歌って笑われるのが怖かったわけじゃない、ただパーティが終わったら雪狼がなくなってしまうという現実と向き合うのが怖かったのだ
──
全てが変わってしまったあのシベリアの戦いでも同じだ
自分にもっと力があれば、もっと勘が鋭ければ、もっと才能に恵まれていれば、もっと、もっと……後悔しなかった日など1日もない
そのはずなのに……もしあの日に戻れたとして雪狼に違った歴史を歩ませることが出来るかと聞かれたら、きっと自分には出来ないだろう
彼女たちの死を直視することが出来ず、任務報告書を読まず、戦後も固有世界に帰還せず、これまで目を背け続けてきたのが自分なのだから
彼女たちがどう戦ってどこで死んだのか、それすらも未だに知らないのだ
そうして誰にも語られることなく雪狼の名は歴史の中に消え、もはやかつて自分が存在した痕跡すら見つけられなくなってしまった
それが漂流者時雨綺羅の偽らざる正体
──
思い返せば、戦乙女になった動機だって不純なものだ
アイドルになる夢を掲げているはずなのに流されるまま戦乙女になることを受け入れてしまったのは、夢を諦める言い訳としてそれがちょうどよかったからにすぎない
──
現実が残酷で思うようにいかないことばかりだとしても、過去に取り残されてはいけない
今回のライブだって、本当はみんなの前で雪狼の物語を歌ってやりたい、自分たちは雪原に取り残された伝説などではなく確かに存在した英雄なのだと大声で伝えていきたい
……それでも、怖くてたまらないのだ
逃げても何も変わらないというのに、心はずっと逃げ出そうとしている
どうしてアイドルになりたいのに音痴なんだろう
どうして雪狼小隊は解散しなければならないんだろう
どうして崩壊が存在してシベリアに向かわなければならないんだろう
どうして……自分はこんなに弱虫なんだろう
今もこうしてセシリア様に慰めてもらえる甘い夢から目覚めたくないと思ってしまっている
みんなで頑張って作り上げた舞台で練習の成果を披露することだって本当に楽しみにしているのに、いや楽しみにしているからこそ、その結果を見るのが怖い
そう吐露する綺羅子の頭を夢の中のセシリアは優しく撫でる
「でもこうしてそれを打ち明けられたということはあなたも未来に立ち向かう勇気を持ちたいと渇望しているんでしょう?」
「綺~羅~♪」
いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
いつから?いつから聞かれてたの?ていうか夢を見たのもやっぱりウサギのせいなんじゃない!そもそもこの女はなんで私につきまとってくるのよ!?
──綺羅に夢を諦めてほしくないからよ
答えになってない、私である理由がない
──それは綺羅が全てを諦めてしまった前の私に似ているからね
はぁ?言うに事欠いてもう1人の自分だなんて妄想を披露して言い逃れるつもりなのだろうか
なら以前とは違う今のあなたが、私や前のあなたみたいな状況に置かれたとして、そうしたらあなたはどうするって言うのよ
「あら~さすが綺羅だわ♪ちょうどそう聞かれたいと思っていたところよ♪──逃げられない運命なら、手を伸ばして、抱きしめる──それが私の答えよ」
そう言い残してウサギは去っていった
本当になんなのよあの女!
そうこうしているうちにライブが開催される時を迎えた
……悔しいけれどあの女との対話のおかげで迷いの霧は晴れている
ウォッカガールズが場を暖め、ビアンカとスーサナが熱量を引き上げ、識ちゃんが観客達の集中力を高めた
そしてとうとう大トリの綺羅子の出番を迎えるが……
そこに乱入してきたのがニグラス
宇宙からの侵略者天外皇帝を名乗ってステージをめちゃくちゃにしようとするその真意は、予想外に大事になってしまった自分のイタズラの責任をとって綺羅子が歌わなくても済む状況を作ることだ
しかしもはやそんなことをする必要はなかった
このみんなで作り上げたステージでパフォーマンスを披露したいと願う綺羅子の渇望は、音痴を明かす怖さをはるかに上回っていたのだ
ついでに壊れた設備はこのドリームウサギとプロメテウスがなんとかしちゃウサギ!
というわけで綺羅子の歌声によってライブは再開された
伝説の目撃者になった人々はあまりの音痴さに一瞬言葉を失ったが、一生懸命歌う綺羅星の姿にすぐにボルテージが高まり、誰からともなく始まった綺羅星のコールが会場を震わせた
こうして臆病者で、脱走兵で、実力がないのに大物ぶっていた半人前の偽物アイドルは本物のアイドルになった
……というのがchapter38で見た夢のお話だったんだとさ
スターボヤージュ・逆襲
ver7.1
プロローグ
HONKAI
IMPACT
version7.1
スターボヤージュ・逆襲
方舟の出航からおよそ3500年が経った。かつて夜空の星たちと友達になることを望んで空に羽ばたいていった少女も大人になり、彼女の部屋は崩壊している。星々を隔てるものは距離ではなく時間。弛緩した日常に変化をもたらす要素は少なく、この旅はまだまだ続く。
太陽系外縁を航行していた方舟は未知の電波を捉えた。助けを求めるその微弱な信号をたどって降り立った星には緑が生い茂り、崩壊獣が小さな社会を築いていた。繭の力の届かぬ崩壊エネルギーの潮間帯がこのような星を作り上げたのだ。
だが、地球では狩る側だった崩壊獣がここでは異星からの侵略を受けて狩られる側になっており、彼らの文明は滅亡の危機に瀕していた。
崩壊獣の少女ルコと出会ったグレーシュは侵略への抵抗運動に身を投じていく。
解説
大人グレーシュ実装記念イベント
パロネタ山盛りのトンチキなシナリオだが、ちゃんとカノンに組み込まれたお話
本編の1500年前に起こった方舟墜落の原因について少し触れられる
ミニゲームはタワーディフェンスの中でもクラロワ系と言われるやつ
このジャンルはどれも中央が障害物となっており、両端の道をお互いの陣営が召喚したユニットが交差するように通るのが特徴
小グレーシュの実装時イベントから引き続きチャレンジステージは歴代の中でもかなりの高難易度
解法は何通りかあるからあちらよりは優しいとも言えるし、人の解法をコピーしづらい部分であちらより難しいとも言える
とにかく高難易度をクリアするコツは一言でまとめられる
「」長、フォーズを使うのじゃ……
- ユニークユニット
手札に1枚までしか編成できない人間ユニット
1コスト消費で発動出来るアクティブスキルを持つ
編成しなくてもいい- 群星の決意(4)
赤のユニークユニット、大グレーシュ
アクティブスキルは加速とステータスアップ
近接地上型で遠距離攻撃に耐性があり、特にコア殴りが得意
クセのない性能で最序盤から使えて非常に頼りになるのだが、赤の宿命で敵が大量湧きするチャレンジ後半では力不足になる- 安らかな眠りを(5)
黄色のユニークユニット、アポニアお母さん
アクティブスキルは高威力の全画面攻撃
遠距離地上型で射程は他の2倍くらい長く画面半分の位置から一方的にコアを殴れる上、出場時に敵全体を麻痺させる効果もある
ユニークユニットの中でぶっちぎりで強くチャレンジ後半の環境でも活躍してくれる
反面、黄色としては通常攻撃が単体攻撃であるところと耐久力に弱点もある- 孤独な道(5)
青のユニークユニット、メビウスおばあちゃん
スキルはミニ🐍さん3体召喚
遠距離地上型で駐屯地系ユニット本体に戦闘能力がついたような感じ、出場時にもミニ🐍さんを3体召喚してくれる
……と書くと強いように見えるのだが、ユニークユニットの中でぶっちぎりで弱い
まず通常の駐屯地系ユニットがノーコストでユニットを排出し続けてくれるのに対し、メビウスは1コスト使わなければ排出してくれず、おまけにクールタイムも長く、そして召喚するユニット自体も錆針と違って
さらに本体に戦闘能力があると言えば聞こえがいいが、突撃するわよ~ん♪と勝手に突っ込んでいってしまって即死するから長過ぎるクールタイムと相まってユニット召喚自体が満足に行えない
はっきり言ってコストの無駄、編成しない方がマシとまで言える
- 通常ユニット
編成に制限のない普通のユニット
基本的に赤(単体攻撃)>黄(範囲攻撃)>青(群体)の三竦み- ルコ(4)
赤の近接地上型ユニット、忍者ゾンビ
攻撃動作を取るまでタゲが取れないステルス能力を持つ
味方で使うよりも38層で敵が大量に送り込んでくる印象の方が強く、処理をミスると一瞬でコアが蒸発する- 鉄壁(4)
赤の近接地上型ユニット、タイタン
スタン持ちで殴ることさえできれば強い- 必殺の弾丸(4)
赤の遠隔地上型ユニット、銃不朽なる刃
他は駄目だが火力と射程と攻撃速度だけは妙に高い- 飛行魔甲虫(4)
赤の遠隔飛行型ユニット
同一の敵を攻撃し続けると火力が上がっていき、ヘイムダルくらいなら一方的に倒してくれる
序盤は頼りになる- 寒牙(6)
赤の近接地上型ユニット、パールヴァティー
コストの割にステータスは控えめだが敵陣に直接召喚できる唯一のユニットで輝く星々と合わせてコア殴りに重宝する- 遮天の翼(7)
赤の近接地上型ユニット、ヘイムダル
鈍足だが耐久力が高くHPが半分を切るとケオってステータスが上がる
コア殴りに便利
敵も大量に送ってくる- 飛天オムレツ(3)
黄色の近接飛行型ユニット、浮翼型崩壊獣
コストは安いが近接なだけあって範囲爆撃の威力が高く扱いやすい- 色染みの両刃(4)
黄色の近接地上型ユニット、剣掃除人
基本的に黄色の近接は青の遠隔に撃ち負けてしまうが、こいつはHPが半分を切ると2秒間無敵になるから役割を遂行しやすい- 貫く稲妻(4)
黄色の遠隔地上型ユニット、砲撃機甲
ツンデレ崩壊獣と比べると攻撃が貫通するのがこちらの利点
雑魚を大量に送ってくるような状況ならこちらが得- 投石者(5)
黄色の遠隔地上型ユニット、ツンデレ崩壊獣
チャレンジ後半は敵が大量のバブルフィッシュや飛天オムレツを飛ばしてくることもあって処理に重宝する- 黒剣(10)
黄色の近接地上型ユニット、ニヒリズム
10コストの最強ユニットだけあって戦闘力はすさまじいが、フォーズには無力
なかなか召喚出来ないし敵が使ってくる印象の方が強い- イバラ(1)
青の近接地上型ユニット
コストが安く、とりあえず出せば肉壁になってくれる- 錆針(2)
青の遠隔地上型ユニット
コストが安く、とりあえず出せば肉壁になりつつそこそこのダメージを与えてくれるから便利- バブルフィッシュ(4)
青の遠隔飛行型ユニット
そこそこのコストでそこそこの性能- 小飛(5)
青の近接飛行型ユニット、突撃型崩壊獣
突撃型崩壊獣なんて雑魚の代名詞のくせに今回は結構基礎スペックが高く、攻撃手段のない敵ならたとえニヒ相手でもボコボコにしてくれるが、突撃型崩壊獣のくせにコストは結構重い- 盲目のウィザード(9)
青の遠隔地上型ユニット、消滅亡霊
コストが高いだけあって青の中では1体1体の火力も耐久力もかなり高い- ミニトーテム(2)
敵を挑発するデコイユニット
ルコ対策に便利- 近接駐屯地(4)
継続的にイバラを召喚してくれる
敵の数に対抗する肉壁の供給源- 遠隔駐屯地(5)
継続的に錆針を召喚してくれる
敵の数に対抗する肉壁かつ削り役の供給源
- フォーズ
即時発動のいわゆるボムスキル
高難易度攻略の鍵にしてこのイベントの操作がやたら忙しい原因
ブラックホール、雹、星爆を順番に使ってラッシュを処理するのはチャレンジ後半の必須コンボ- 星爆(3)
大グレーシュちゃんの武器スキルでおなじみの単発メテオ
範囲が狭く着弾にラグがあるが、大威力- ブラックホール(3)
そのまんま戦車にゃんでおなじみのブラックホール
広範囲の敵を瞬時に集めつつ少しのドットダメージも与える- 雹(4)
べうの遅延行動でおなじみのアイスストームべう
そこそこの範囲の敵を集めつつそれなりのダメージを与え鈍足も付与する- 輝く星々(8)
魔法陣から大量のイバラを出現させる
敵陣に発動してコアをタコ殴りにするのがチャレンジ後半の大きなダメージソース
あらすじ
けたたましくアラートが鳴る
地球を出航してから3500年、このようなことが起きるのは初めてだ
そう、3500年……
それは幼女が少女になるには十分すぎる時間だった
ベッドの上に無造作に設置された端末に足が伸びる
この一瞬だけで部屋の持ち主がどれだけズボラな女の子に成長してしまったのかが伺い知られるだろう
グレーシュちゃんは切ってもいない生野菜にフォークを突き立ててお食事中だったのかな?
アポニアお母さんももう少しいいものを食べても怒らないと思うよ
まあグレーシュの崩壊した私生活は置いておくとして、アラートの内容は思いもよらないものだった
この生物の気配などまるでない太陽系外縁で方舟が人工的な電波を受信したのだ
解析された電波には救援を求める信号が込められており、その発信源は10万8千キロ先の星にある
この太陽光の届かぬ寒い宙域に似つかわしくない緑と水のあふれる星には、何らかの文明が存在しているようだ
地表に降りたグレーシュはその電波を発信した張本人、ルコと出会った
驚くことにこのグリーン星には崩壊獣の文明が存在したのだ
しかし彼女らの文明は宇宙からの侵略を受けており、絶望的な戦力差から逃亡生活の中にあった
現状を変える手助けをしてほしいと訴えてルコはグレーシュを村に招いたが、村人たちの反応は冷淡である
村人たちは宇宙からの侵略を受けているにも関わらず自分から居場所を教えて別の異星人まで呼び寄せてしまったルコの軽率さを非難し、数少ない友人を除いて誰も彼女の言葉をまともに取り合おうとはしなかった
侵略を受ける鬱憤をルコへ転嫁しぶつける村人たちに憤ったグレーシュはたまらず割って入ろうとしたが、村の人々には孤児である自分を拾い育ててもらった恩があるし、それに旅立つきっかけにもなるからいいのだ、とルコの静止を受けてこれ以上は口を挟まなかった
同時に崩壊獣に親子関係なんてあるのだろうか?と疑問に思ったが、ルコによると手を取り合って崩壊エネルギーを混ぜ合わせることで本当に子供が生まれてくるらしい
ルコはグレーシュの足労が無駄になってしまったことを謝罪した
しかし1人でも戦うつもりだと語る彼女に火を追う意思を感じたグレーシュは改めて協力を申し出で、こうして2人だけの反乱軍が結成された
目下の課題は戦力不足と情報不足である
方舟の武装でこの星にいる侵略者を蹴散らしてしまうことは容易く思えるが、それが出来たとしても根本的な解決にはならない
反乱軍の門出を前にルコの恩人であるジロー先生からある情報が得られた
それはマスターヤーダなる人物の行方を示した手紙だった
剣と理力を自在に操り、かつて一党を率いて一度は侵略者からこのグリーン星を取り戻すことに成功したというマスターヤーダ、彼は未だに存命らしい
手紙を頼りに剣聖の足跡を辿ったグレーシュとルコはパルメというかつての剣聖の仲間に出会い、彼女からかつての戦いについて聞くことが出来た
確かに剣聖の一党は一度は侵略者をこの星から追い出すことに成功した
しかしその戦いの果てにあったのは、パルメたちが侵略者だと思っていた相手は侵略者の放った機械でしかなく、場所も知れぬ本星を叩かない限りいくらでも追加で送り込める駒にすぎないという悲しい現実だった
それでも勝算があるのか?と問われたルコはやってみないとわからない、と答える
若者とはそういうもの、かつての剣聖の一党もそうだった
反乱軍への協力の意思を固めたパルメは剣聖の姿を象った手乗りサイズの黄金の像を取り出しグレーシュに授ける
彼はさらなる修行のため星を渡り、その居場所はこの像に埋め込まれた発信器が示すだろう
一行はアイス星を目指した
名前の通り氷で閉ざされたこの星にも崩壊獣は生息している
しかし侵略に抗う彼らのコロニーの中にヤーダの姿はない
コロニーの指導者によると、確かにヤーダは以前ここに逗留していたようだが、なぜか人目を避けるようにしてさらなる奥地へ向かったらしい
その真意は彼に会えばわかるだろう
険しい山々と雪原を抜け、一行はついにヤーダのもとへたどり着いた
その姿は黄金像と寸分違わぬ……本当に手乗りサイズの戦車型崩壊獣だった
ただ纏うオーラは本物
彼はまさしく剣聖の名に相応しい人物だ
フォーズの極意を求めて来た客人をヤーダは歓迎してくれたが、しかし
教えを授けることには否定的な反応を返される
それはフォーズが侵略者を引き寄せるからだ
かつてヤーダは宇宙からの電波を受信し、それを解読してフォーズの扱い方について知り、夢中になって修行に明け暮れ、侵略を受けてからはその力を存分に振るい英雄となった
しかし今振り返ってみると、あのフォーズの扱い方を伝えた電波こそ侵略者が標的を探すために発したものだったように思える
だからヤーダはコロニーを離れて雪山の奥深くに潜伏し、フォーズの極意を自身ごと葬り去ろうとしていたのだ
ヤーダの覚悟を理解したうえで、それでもルコは食い下がった
グリーン星もアイス星ももう侵略を受けているというのに、そのやり方では滅びを先延ばしにするだけで何の解決にもならない
しかし、侵略者の本拠地もわからないのにどうやって?
そのずっとつきまとってきた問題の、解決の糸口がヤーダの話から見えた
ヤーダが受け取った電波の記録は今でも残っている、その色をグレーシュが見て方舟の観測データと照らし合わせることで発信源の特定も難しくないだろう
若者たちの熱意ある説得はヤーダの心を動かし、一度は置いた刀を再び手にする決心を固めさせた
それからヤーダの厳しい……厳しい?いやゆるいなこれ……修行が始まった
ちなみにグレーシュちゃんが羽織っているのはクライシスニャンニャンマント、形から入ってヤーダの格好を真似しているらしい、かわいいね
何がクライシスでニャンニャンがどこから来たのかは知らない
しかし修行の成果は目覚ましく、グレーシュとルコの剣術とフォーズの扱いはヤーダにも引けをとらないほどにまでなった
そして最終試練を乗り越え、目指すは敵の本拠地
その名もダーク星
ダーク星は星全体が自動化された機械惑星
住民たちはこの星の指導者であるディーウェンに忠誠を誓い、他星から得た資源の恩恵を享受している
グレーシュたちが出会ったリヤと名乗る女戦士もその1人だ
彼女らはディーウェンの言葉を信じ、自分たちを豊かにする「資源開発」の裏で他星の住民が虐げられていることを知らなかった
というより、心優しい指導者がそんな非道をするとは思っていなかったようだ
しかし、言われてみれば今のディーウェンはかつての心優しい彼女とは少し違う気がする、そう感じるようになったのは急に異星への進出が唱えられ始めた少し前、彼女が謎の鎧を身につけ始めた時ではなかっただろうか?
違和感を拭い去れなくなったリヤはディーウェンの真意を見定めるため、反乱軍への協力を買って出た
ヤーダ、パルメ、リヤが敵の注意を引き付けているうちにグレーシュとルコはダーク星の中枢に忍び込む
なぜかリヤから借りたIDをルコが利用出来たことでさしたる抵抗もなく潜入は成功し、2人は無事にディーウェンのもとへ辿り着いた
しかし住民たちと違ってディーウェンはグリーン星とアイス星の実情を認識しており、2人の説得にも関わらず侵略を止めるつもりはなさそうだ
力強い闇のフォーズがディーウェンの身体から溢れ出した
ルコとグレーシュは抜群のコンビネーションでディーウェンに無限のパワーを供給する鎧だけを正確に破壊した
鎧を失ったディーウェンは別人のように穏やかになり、自身の行いを懺悔する
宇宙は広大だ
侵略者として周囲の星々を蹂躙したダーク星もまたより強大な宇宙からの脅威にさらされた被征服星であり、ディーウェンを狂わせていたあの鎧も彼女を侵略者の先兵に仕立て上げるための洗脳装置だったのだ
しかし鎧は屈服の証であると同時に闇のフォーズを与える強化外骨格でもある、これを打ち破るなんて強くなったな、とディーウェンはルコに微笑む
ルコにはそんなことを言われる覚えはなかったが、そもそもこの場所に踏み入るためには生体認証が必要なのだ
「I am your mother」
noooooooooo!
ルコは反乱の果てに母星を、そして生き別れた母と双子の妹リヤをも救った
世界に平和が訪れた
ディーウェンが語った異星の脅威への懸念は未だ残るが、彼らが何を考えているのか、鎧を与えて以降彼らの側からは何のコンタクトもなかったようだ
まあ心配してばかりいても仕方がない
これから始まるのは、天上の敵が覆い隠そうと再び現れたとしても負けずに輝き続ける、強い文明を作る戦いだ
ルコはグリーン星に帰り、村の仲間たちと文明の復興を始めた
そしてグレーシュはというと……再び宇宙に旅立つ準備をしていた
それに気づいたルコは彼女を引き止め、この星で一緒に暮らさないかと提案する
たしかにこの星には人類の生存に適した理想の環境がある
しかし友達だからこそそれは出来ない
この星にはルコたちの美しい文明が存在している、そこに方舟の種を撒けば2つの色が混ざって醜くなってしまうだろう
そして方舟の仕事を途中で投げ出すこともできない
これは仲間たちから託された大事な使命であり、グレーシュの夢だからだ
だから2人は互いの健闘を祈り、別れる
そしておそらくもう二度と出会うことはない
しかし種族を超えた2人の絆は、これからもずっと星空で繋がっている
──
────
──────
夜空の星が輝く陰で悪の笑いがこだまする
「星は希望の象徴、探さないと奇跡は起こらない」
確かにそのとおりだ
奇跡を起こしたければ自分で星を捕まえないとね
でも星空を仰ぎ見るとき、君が目にするのは何だろう?
檻だよ
彼方の太陽系の辺縁には、暗闇を照らす日光はない
広い星の海と言っても、籠の中にいる鳥の独りよがりな幻想でしかないんだ
君の長旅はずっと先に張られた巨大な網の中に進み入ることにすぎない
……
でも……
「娑」、彼女が大人しく僕たちの思い通りにさせてくれるだなんて、あなたはそこまで自信を持って言えるんですか?
彼女が来た時、僕たちを「あちら」に晒す心配はしていないのですか?
この星空では、捕食者もまた獲物です
確かに彼女の仲間に比べれば、彼女の実力は平凡です
今のあなたなら十分に支配できるでしょう
あの輝く太陽が絶え間ない核融合反応によって、幾千万の星々を照らすことができるとしても、太陽系の辺縁においては、少しばかり明るいだけの星にすぎません
微弱な光では深淵なる星空を照らすことはできない、「あちら」も僕たちの一挙一投足を察知することは難しい
でも忘れてはいけません
強大な力を持っていなくても、彼女の決意は数万年に渡る宇宙の旅を支えています
……ああ、あなたの命令を疑っているわけではありませんよ、ついつい可能性を考えてしまっただけです
あなたには見当がついてるんでしょう?
でしたら、すべてその通りに進めましょう
しかし、彼女のことはもっと重要視すべきだと思いますよ
何しろ、ありふれた二つの水素原子核は、互いに出会った時、自分たちが星空を照らす太陽へと変化するとは思いもしなかったでしょうから
追鳶漫遊記
ver7.2
プロローグ
この世界には大勢の戦乙女がいます
一括りに戦乙女と言っても雑用のD級から最高位の存在とされているS級までいますし、あまり公にはされていないだけで実際にはそれよりさらに上の戦力だっています
その知勇兼備、百事如意の最強の存在が誰かだって?
そう、私です!
あとこの朴念仁もですね
物事には順序があります、あのデュランダルやリタや以前師匠を裏切り殺そうとした不肖の弟子が自分たちではどうしようもないからどうしても手を貸してほしいと頭を下げてきて、ようやく私たちが仕方なく出ていくのが正しい姿なんです
だから天命が人手不足で忙しいとはいっても私たちには時間がたっぷりあります
世界中を旅しようというのに1つの町を見て回るのに何ヶ月かけようが文句を言われる筋合いはないでしょう
春風苑の氷菓を食べるためにわざわざ遠回りしてくれたことは感謝してます
ねぇでももう少し速く自転車を漕げないの?
ほら朴念仁見てください、あなたがゆっくりしすぎているからピィちゃんと黒ピィちゃんが私たちのワゴン車に乗ってどこか行っちゃったじゃないですか
朴念仁2号も助けて~なんて叫んで……ん?助けて?
ちょっと朴念仁!速く追いかけましょう!
これは下剋上ですよ!
2羽の太った鳥がキャンピングカーを盗んでいくなんて……!
って速くとは言いましたがそれは速すぎ!
解説
ついえんまんゆうき と読む
1.5部の後日談で本編のその後が語られる
ちなみに冒頭のムービーで崩落いいんちょが鼻歌で歌っているのはRubia
ミニゲームは「ヤバい!」「革新的!」なPeggle…は源流であり、元ネタはそれをデッキ構築ローグライクにしたPeglinの方、というかそのまんま
こちらから介入出来る要素が少ない分、難易度はチャレンジ含めてかなり低めになっている
というかフカ識ちゃんの前半解放組と綺羅子おすしちゃんぞよ子の後半解放組でキャラパワーが違いすぎる
今回はステージのキャラ縛りがあまりないから簡単すぎるようなら縛りプレイは可能
- フカ
これといって特徴のない自傷キャラ
自傷キャラなのに火力は最下位
正直ぶっちぎりで弱い
必殺技発動時は発射から5hitまで着弾点の周辺のブロックも壊せる- 識ちゃん
ボムに特徴のある対集団特化キャラ
普通は2回当てないと壊れないボムを一撃で破壊できる
ただし全体的に火力が低く、フカさんほどではないが弱い
必殺技発動時はボム破壊時に周辺のブロックも壊せる- 綺羅子
リセットに特徴のある対単体特化キャラ
ファンという特殊ブロックを召喚し、ファンはリセットに反応して勝手に壊れてくれる
今回も綺羅子が歌うと敵が死ぬ
必殺技はファンの追加召喚でこれだけで火力が出るわけではないが、逆に言うと必殺技に関係なく継続的にとんでもない火力を出せる- おすしちゃん
ボールが分裂する無法キャラ
必殺技発動時はさらに分裂して合計7個くらいのボールが画面全てを破壊していく
爆発力がある反面、通常時はやや控えめ- ぞよ子
稼いだコインに応じて強くなる金の亡者
楽園のキャッツもそうだが、単純に稼いだコインによるバフに加えて稼ぐ力の強化による店売りの利用しやすさもあり、ぶっちぎりで強い
必殺技発動時はボールが大きくなって分裂する
あらすじ
さすがに自動車と自転車では勝負にならず、追走は主に自転車が限界を迎えて終わった
さてこれからどうしたものか……
そう2人が悩んでいるところに天命の輸送任務に従事している羅威がたまたま通りかかる
ちなみにフカは彼を全く覚えていなかった
話によるとどうにも天命の人事システムに異常が発生しているようで、彼は既に1ヶ月連続で残業しているようだ
ちょうど話題に出たことで任務を受けるための端末がキャンピングカーと共にピィちゃんたちに持ち逃げされていることに気づいたフカさんは羅威に頼んでGPS装置をもらい、車が現在学園シティー方面に向かっていることがわかった
しかし学園シティーのある島へ渡るための橋は現在非常に渋滞しており、今から羅威に同乗させてもらって追うよりは、別ルートを使い船で渡った方が時間がかからないだろう
しかし途中の道はどこも工事中で通行止めになっており、なかなか船着き場に辿り着くことはできなかった
土木作業員はいるのに物流が混乱していて物資が届かないのだ
困り果てたクートさんに頼まれて見に行った集積場ではライル少年が物資を持ち出そうとしているところに出くわし、事情説明を受けるために彼に案内される形でキオラハウスへ向かうことになった
キオラハウスではゼーレと孤児たちが物資を整理し運ぼうとしていた
天命の任務が現地にいた彼女らに割り振られたのだ
子供たちによるも彼らの先生もまたこのあたりに緊急派遣されて仕事をしているらしい
もっとも、彼らとは違い崩壊獣退治をさせられているようだが
途中出会ったワタリガラスを「リタさんはお元気でしょうか」などと煽り倒しながらフカさんと識ちゃんは学園シティーに辿り着いた
ここは教育活動の早急な再開のために天命が開発中の学園都市
そんな天命にとっても重要な事業において、仕事を割り振りその建設の指揮を取るのは……なぜかスーサナだった
この一帯の物流や任務の混乱の元凶は彼女のミスである
ちなみに現状を見かねてワタリガラスに仕事を投げつけ緊急派遣したのはやはりリタさんだったようだ
まあ彼女のもとを訪ねたのはその文句を言うためではなく、識ちゃんが叩き続けて不調で壊れてしまったGPS機の修理を依頼するためだ
この程度であれば部品があれば彼女は用意に修理出来る
……部品があれば
ようやく突き止めた目当てのパーツのある倉庫は、謎の機械の略奪を受けていた
その行方を追った先ではなぜか綺羅星の路上ライヴが行われており、人間のフリをした機械が彼女を囲んで声援を送っていた
聞くに耐えない歌声を機械が崇拝する不気味な光景にフカさんはなにかの儀式かとも疑ったが、綺羅子本人は観客が機械だと気づいていなかったようだ
真実を知ってキレた綺羅子は絶対に首謀者を捕まえてやると息巻き、そのために予定通り次の大型ライヴを行うと宣言
フカさんたちは盗まれた部品の回収のために彼女に協力することは吝かではなかったが、再び綺羅子の歌声を聞かなければならないハメになってしまったことだけは頭を抱えた
耳を犠牲にした甲斐があって首謀者はすぐに判明した
もっとも、その人物は遠く4500天文単位ほど離れた太陽系の彼方にいてプロにゃんを操っていたわけだが……
黒幕との会話
「ハーイ、綺羅、久しぶりね~」
……この前会ったばかりよね、ミステル。
「ふふ、親友と会えない時間の感じ方よ……フカがグレーシュに教えた言葉で例えるなら──1日会わないだけで3年会っていないように感じる、だったかしら?」
親友?前回は人が多くて否定しなかったけど、ミステル、私たちが『親友』だなんて思わないで!
「友……ええ!もちろん友達よ。それなら、その夢を全力で応援するべきでしょう?でも今、私たちはお互いに遠く離れた場所にいるから、プロメテウスに手伝ってもらったの。」
あなたって人は──!こんなことは言いたくないけど、一体どうして私が……お、音痴だって知ったの?そのことは夢の中でしかあなたに話してないはずなのに!
「ある日、17号が偶然綺羅のライブ映像を送ってきたのよ。」
……そ、その映像は、通行人が偶然撮影してた、失敗したリハーサルでしかないわ。
「……綺羅の歌声はかなり上達してたわよ。きっと、暇な時に練習に励んでたんでしょ?」
もちろんよ。本当の自分を認めたら、長い間悩まされていた『呪縛』もそれほど怖くないって気付いたの。
「やっぱり綺羅は光り輝くアイドルね。でも、動画は綺羅の歌声に対して公平性を欠く評価であふれ、理由もない悪意へと膨らんでいってたわ。てっきり綺羅はストリートライブを諦めると思ってたけど……でも、綺羅に知っておいてほしいのは、たとえ悪意にさらされても、この世界には常にあなたを支える友人がいるということよ。私たちはずっとあなたを支え続けるから、存分に自分の夢を追いかけてちょうだい!でもね、友人として応援する気持ちを相手に感じてもらう必要があるでしょ?だから、あなたを応援するために、この小さなロボットたちを17号に作ってもらったのよ。気に入ってくれるはずよね?」
誰がロボットのファンなんて気に入るのよ!勝手に決めつけないで!
「ふふ、あなたの笑顔が見えるようだわ。どういたしまして、綺羅!いつか観客席からあなたのライブを観られるのを楽しみにしているわね~」
ちょっと!ミステル、話を聞いてる!?プロメテウス、早く電話を渡して。あの独りよがりの勘違い女にはっきり言ってやらなきゃ!
もちろんそんな遠くの星とリアルタイムで話す技術を人類は持っていない、ただの録音である
まあ廃棄部品だと思っていたというプロメテウスの誤解はとけたし、GPSの修理も出来たからさっさと他所行こう
追っていった農村ではおすしちゃんが精衛鳥と戯れていた
しかしその中にピィちゃんと黒ピィちゃんはいない
精衛鳥たちによると、2羽は怪物退治に向かったという
また、この段階でぞよ子の回収にも成功した
しかし、彼女の話を聞いてもピィちゃんたちが何をしようとしているのか全くわからなかった
捕まえたピィちゃんたちからようやく事情を聞けた
フカさんの端末に送られた大量の任務を本人より先に見たピィちゃんは主人の恩に報いるため、そして自分がもう成鳥だと示すため、黒ピィちゃんに乗せられるまま崩壊獣退治に出かけたのだ
結果は散々だったが、まあ無事でよかったよかった
村に帰ったフカさんは子供たちからまるで伝説の精衛仙人のようだと歓迎を受け、武術の教えを請われた
古い伝説がまだ残っているものだなあとフカさんは懐かしく思ったが、どうやらそうではないようだ
村人の話によると、この村は20年ほど前に本当に精衛仙人に救われたことがあるらしい
さすがにそれはありえない、当時のフカさんは精衛として活動していなかったのだから……
しかし、その疑問は村人が催してくれた宴の料理を見てすぐに解決した
それは精衛仙人が伝えたという麺料理
なぜか2杯分用意するのが決まりなのだとか
フカさんは具のワンタンを食べながら、この村が繋いでくれた彼女との縁に静かに感謝した
1人夕涼みに出ていたフカさんのもとへ子どもたちの相手をし疲れた識ちゃんが合流した
私は気が短いから人に教えるのは向かない、なんて本人は言っているが本当にそうなら子どもたちが疲れて寝てしまうまで稽古をつけてあげることなんてしないだろう
もし将来彼女らがこのまま戦乙女を目指すのなら、天命で再び弟子を取るのもいいかもしれない……
ふと、そんなことを思う
まあそうするにしてもそれはまだまだ先の話で、今したいことは識ちゃんとの旅を楽しむことだ
時間はたくさんある、焦る必要はない
どうせ未来のことなんてわからないし、目の前の「今」にも素晴らしいものはたくさんあるのだから、時間を大切にして楽しまなければ損だ
「自分に出来ることを知りたいです」
そう言って始めた火を追う旅は、今ようやく本当の意味で最初の1歩目を踏み出せたところなのかもしれない
ああ、今日はとてもいい天気だ