世界観/擬態

Last-modified: 2024-03-15 (金) 15:42:01

ある生物が、自分の体色や体型、行動などの特性を利用し、別の生物や自然物の真似をすること。
厳しい自然界を生き残っていくための野生の知恵の一つである。

目次

概要

  • 大きく分けると主に外敵から身を隠すための隠蔽擬態と、獲物を捕らえるための攻撃擬態に分けられる。
    しかし、この二つの意味合いを同時に持つ生物も存在し、明確な線引きは難しい。
    また、極稀にこれらとはまた違った目的の擬態を行う生物も存在する。
    人間の目には擬態に見えなくても、その生物にとっての外敵に対して効果があれば、それは立派な擬態である。
  • 現実世界の生物で例を挙げると、以下のようなものが該当する。
隠蔽擬態
ナナフシやコノハチョウなどが挙げられる。
例えばナナフシは身体がとても長細く、バッタなどのように羽なども存在しない。
その外見は遠目から見れば細枝のようにも見え、しかも挙動が遅いので尚更分かりづらい。
これによって天敵となる鳥などの眼を欺き、捕食対象として狙われないようにしている。
攻撃擬態
リーフフィッシュやハナカマキリなどが挙げられる。
例えばリーフフィッシュは枯葉のような外見をしている。
獲物を見つけると気付かれないようにゆっくりと近づいて行き、
鼻先まで接近すると筒状に広がる口で目にも留まらぬ早業で捕食してしまう。
  • その外見だけで擬態が成立している生物はよく知られているが、
    ワニガメ(細い舌をミミズのように見せかけ、近寄ってきた魚を捕食する)のように
    身体の一部分だけを利用したものも立派な擬態である。
    また、警告色など自然界では危険視される要素を逆手に取り、
    ほぼ無害でありながら「自分は危険な存在だ」と主張し、他の生物を威嚇するという擬態もある。
  • 因みに擬態する生物を「ミミック」、擬態の対象となっているものを「モデル」と呼ぶ。
    また、自身の体色だけで擬態が成立するものを「保護色」と呼ぶ。
    • ミミック、「Mimic」は英語でそのまま「擬態」の意味。
      決して、宝箱に擬態して開けると即死呪文を唱えてきたり、モンスターに化けるアイツの事では無い。
      勿論、宝箱の縁にズラリと牙が並び、異様に長い手足が生えて、
      二足(地域によっては四足)歩行で襲い掛かってくるアイツでもない。
      …少々このイメージが広まりすぎた気もするが。
    • 「保護色」と言う概念もまたMHの世界観*1としては存在し、
      生息環境の色調に合わせて体色が同系色を為す理由付けとして広く言及されている。
      火山などの炎熱地形で生息するなら赤茶系の肌、
      雪山や凍土などの氷雪地形に生息するなら蒼白系の肌、
      夜行性なら群青や濃紺の肌、と言った具合にモンスターの色味を決めるファクターとなっている。
      これらは世界観としての雰囲気の重視が目的であり、
      ゲームの動作上のプログラムとして具体的な行動に活かされる事は無い。
      ただし、世界観や成体とは別の事情のプレイヤーに於ける視認性の問題として、
      相手の攻撃の間合いや範囲が見えづらい、こちらのクリティカル距離が掴めない、など
      これらの『保護色』がモンスターの行動に有利を齎す局面は非常に多い。
      • モンスターの肌の色味に関わらずそもそも地形のせいで見えづらいと言う場合もあり、
        この両要素が重なると、クエストの体感難易度が一気に跳ね上がる
        (夜間マップのホロロホルルやナルガクルガ、洞窟内のギギネブラ、雪山のキリン、など)。

MH世界における擬態

  • モンスターの中にも擬態を行う種はいくつか確認されており、
    初見のハンターはその能力に翻弄される事もある。
    しかし、対処法さえ覚えていればそれほど脅威でもない。
    むしろ相手が動かない事が多いので、こちら側が任意のタイミングで戦闘を仕掛けられる。
    ほとんどの場合は接近するか一撃を加えると擬態を解き、直ぐに戦闘態勢を整えて襲い掛かってくる。

バサルモス(亜種)

  • 擬態能力を持つモンスター第一号。
    半身を地中に埋め、背中だけを地上に露出させ、岩塊に擬態する。
    主に外敵との戦闘を避けるためのもので、大型モンスターの中では珍しい隠蔽擬態である。
    ただし、バサルモスは成長途上のため完全な鉱物食ではなく、小動物や甲虫種も食べる。
    そのため、気付かずに近寄ってきた獲物に奇襲をかけるために擬態することもあるため、
    攻撃擬態であるとも言える。
    火山の麓など、岩場のエリアではなかなか見分けにくいが、
    内部のような岩の少ない場所ではむしろ目立ってしまい、人間を騙すには少々不向き。
    なおMH4以降は同エリアに草食種や小型鳥竜種がいると退避行動を行う…と、バレバレである。
    因みに擬態中のバサルモスに対しては、与えられるダメージが1.1倍に上昇する。
    また、擬態を解除して地上に飛び出してきた瞬間に落とし物をすることがある。
    近年発見された亜種は背中に桃色の鉱石を携えており、通常種よりも派手派手しい。
    ゆえに貴重な鉱石が採掘出来るような地帯に身を埋めていることが多く、
    採掘の際は本物の鉱石と間違えてうっかりピッケルを振るわないよう注意が必要。
    なお背中の鉱石はただの飾りではなく、外敵と対峙した際は振り落として攻撃にも用いる。

チャチャブー

  • キノコや鉱物の被り物を持っており、フィールドの適当なところでこれを被り、地形に擬態する。
    MH3までで、擬態らしい擬態を行う小型モンスターは意外にもこのチャチャブーのみであり、
    しかもそのクオリティが妙に高い。
    割と小さくて気付きにくい上に近寄っただけでは出て来ないこともあり、
    逆に大型モンスターの戦闘中にいつの間にか近くに居たりするのでたちが悪い。
    小型モンスターにしては攻撃力も侮れないため、ある意味で最も危険なミミックであると言える。

オオナズチ

  • カメレオンのように体色を変化させて景色に溶け込む。
    一応公式では「擬態」と言われているが、その能力は最早「擬態」という範疇を超越しており、
    「透明化」と言っても差し支えない。
    基本的に肉眼に映らないため、初見では間違いなく困惑する。
    攻撃の瞬間にはこの擬態を解除するため、このタイミングで音爆弾を使い、
    怯ませることで一時的に擬態を解除できる。それ以外にもいくつか擬態の解除の方法はある。
    角の部位破壊と尻尾の切断を行うことで、その能力を封殺することができるが、
    角の破壊には龍属性が必須、尻尾は当然切断武器限定、
    そして両方ともある程度体力を減らさなければまず不可能なので、すぐさま解除する事はできない。
    MH4Gで復活してからは尻尾の部位耐久が大幅に上がり切断が困難になった上、音爆弾にも反応を示さなくなった。
    その代わりと言う訳でも無いだろうが、角を壊すのに龍属性は必要無くなっている。

チャナガブル

  • ほぼ全身を水底の砂に埋め、そこからイキツギ藻に見立てた髭を伸ばして擬態する。
    MH3からはフィールドの採集ポイントがオブジェクト化し、固定位置ではなくなったため、
    チャナガブルの擬態の見分け方を知らないと高確率で騙される。
    イキツギ藻のようなものの根元から妙に多い泡が噴き出している場合、
    それがチャナガブルである可能性が高い。
    肺呼吸であるチャナガブルの吐息が泡となって吹き出ているのである。
    また、この擬態中の髭は通常のオブジェクトと同じように採集が可能。
    採取しようと思ったら、ハンターがナイフを取り出して剥ぎ取る動作をしたならば、
    それは間違いなくチャナガブルなので直ぐに次の行動に移ろう。
    擬態を解いて飛び出してきたチャナガブルは、全身から棘を出して先制攻撃を仕掛けてくる場合がある。
    この棘に接触すると麻痺してしまうので危険。

ハプルボッカ

  • 身体の上に大量の砂を被り、砂山に擬態する。
    ハプルボッカの登場するクエストでは、砂地に複数の砂山が出現し、
    一見するとどれがハプルボッカなのか分かりにくくなっている。
    しかし、よく見てみるとその中の一つに不自然に砂を噴き上げているものが確認できる。
    それこそが鼻息で砂を噴き上げているハプルボッカである。
    接近しすぎると砂の中に一旦潜り、次の瞬間垂直に飛び出してきてハンターに喰らい付く。
    たとえ先制攻撃に成功しても、一撃加えたら直ぐに一度後退することをお勧めするが、
    手慣れたハンターはこの確定行動を利用して大タル爆弾をまる飲みさせる。
    なお、ハズレの砂山は適当な攻撃を一発加えるだけであっさりと消滅する。キックでも問題ない。
    • この砂山はハプルボッカ自身が意図的に作成しているようで、
      本体の砂山を眺めていると直前に被っていた砂山を残して潜ったまま別の場所に移動し、
      移動先に砂山が無ければその地点に新しい砂山を作る。

オストガロア

  • 本体は頭足類の様な容姿をした巨大な古龍。
    だが全身の大部分を骨で覆う事で2本の触腕を頭に、背中の外殻を胴体に見立てた
    双頭の竜の様な「索餌形態」と称される攻撃擬態を行う。
    ハンターに向かって的確に腕を叩き付け、結構な速度での突進を繰り出す、ブレスの紛いな粘液放出等、
    古龍が行う攻撃擬態だけあってこの形態でも下手な大型竜よりも脅威となり得る行動を取る。
    獲物を捕食する、あるいは外敵を本格的に排除にかかる際には擬態を解いた「捕食形態」へと移行する。

アトラル・カ

  • ゲネル・セルタスと同等以下程度の大きさの甲虫種だが、自前の糸や集めた材料を組み合わせる事で
    ラオシャンロンやゴグマジオスなどの超大型古龍を凌ぐ程の巨大竜の形を模した巣『アトラル・ネセト』を作り上げる。
    XXで起きた事例では丈夫な巣を作る為に人工物を大量に組み込んでおり、
    素材調達の為に砦といった人間の拠点を積極的に襲っていた。
    最もこれは「巣作りに適した材料を集め続けていたら、結果的にそういう状況になっていた」だけらしい。
    これ程の超大規模でありながら目的は防衛であり、撃退能力に長けた隠蔽擬態である。
    自らの巣を超巨大モンスターに扮させ、外敵を追い払うこの擬態は
    他の擬態モンスターとは本質的に真逆の、言わば警告色的な意味を示す。

マガイマガド

  • 生態ムービーにて夜の闇に紛れる事で纏う鬼火だけを浮かび上がらせ、
    トビカガチに自身の存在を悟らせずに近寄らせて槍刃尾で仕留める攻撃擬態を披露している。
    元々戦闘時の鬼火の扱いが巧みではあるが、このムービーの様に
    ゆったりとした動きでも扱えると来ればその技術は相当卓越したものであると言えよう。
    元々生態的強者なので正面戦闘でも並の飛竜には負け知らずであるにもかかわらず、
    この様な獲物の捕獲方法も並行して行うあたりに、このモンスターの余りに旺盛な食欲が見てとれる。

アクラ・ヴァシム&アクラ・ジェビア

  • 尻尾の先端の輝晶石を地表に出して擬態する。
    どちらも攻撃擬態であり、迂闊に近づいた生物を捕食する。
    両者は沼地の洞窟に潜んでいる分には、沼地で採掘できる灰水晶にそっくりであり、
    人に対してもある程度は有効と言えるが、よりによってセクメーア砂漠のど真ん中に出現することがある。
    その姿は妖しく光る巨大な水晶が砂漠のど真ん中に鎮座しているという、
    どう考えても警戒せざるを得ない光景である。
    ただ、昆虫などは光に寄って来る性質があるので、水晶の反射光で餌である光蟲などを集めているのかもしれない。
    沼地に出現する場合は洞窟の中の結晶が煌めくエリアに出現するが、
    こちらは実際の風景として想像してみるとなかなか擬態として成立しているのだろう。
    ちなみに迂闊に接近すると突然尻尾が伸びて輝晶石が振り回され、戦闘が始まる前に叩きのめされてしまう。

イナガミ

  • 尻尾がタケノコの形状になっており、これを利用して獲物をおびき寄せ捕食する。
    ただしゲーム内ではこれを基にした行動は行わない。
    おそらくハンターのような外敵には通用しないと考えているのだろう。
    そのため、あくまで設定上の攻撃擬態である。

グレアドモス

  • 身体の各部にはきれいな水辺でのみ見られるという苔が生い茂っており、
    この苔を用いて擬態する……という設定が存在する(ゲーム中では確認できない)。
    詳細は不明だが、子孫と思しきバサルモスの擬態に準じた設定と見られる。

余談

  • 概要欄にて述べた生存戦略的な擬態とは異なるが、
    「人間から見てまるで妖怪の様にも見てとれる」モンスターがMHRiseでは多く登場した。
    最たる例はアケノシルムで、翼で眼前を取り囲む様な仕草をすると、
    翼の色合いやシルエットから妖怪の唐傘お化けに見えるというもの。
    同作の生態ムービーではそういった「見立て」の表現を押し出したものが多く、
    その中でもショウグンギザミに関しては元々別のモンスターの頭骨を背負っているという生態も相まって
    ロアルドロスに自身の居場所を誤らせて認識させ、背後を取ることに成功している。

関連項目

防具/フェイク - ハンターが行う擬態…の様なモノ
システム/特殊装具 - ハンターが行うガチの擬態である「隠れ身の装衣」や「アサシンの装衣」がある
オトモ/バサルネコシリーズ - バサルモスの如く岩に擬態出来るオトモ防具


*1 クンチュウの甲殻の色が周囲の環境に合わせて変化する、など