アメリカ RankII 戦闘機 P-40E-1 Kittyhawk(キティホーク)
概要
アメリカのランクII戦闘機。
様々なバリエーションをもつP-40だが、このE型は翼内機銃をブローニングM2重機関銃を6丁とし、火力の向上を図った武装強化型である。以降のP-40でもこの武装形態が標準となった。
ちなみに、英国ではC型までをトマホーク、D型以降をキティホークと呼び、米国ではF型以降のものをウォーホークと呼んだ。
機体情報(v2.5.0.39)
必要経費
必要研究値(RP) | 7,900 |
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機体購入費(SL) | 10,000 |
乗員訓練費(SL) | 3,000 |
エキスパート化(SL) | 10,000 |
エース化(GE) | 130 |
エース化無料(RP) | 160,000 |
バックアップ(GE) | 50 |
護符(GE) | 530 |
BR・報酬・修理
項目 | 【AB/RB/SB】 (初期⇒全改修完了後) |
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バトルレーティング | 2.3 / 2.7 / 2.3 |
RP倍率 | 1.12 |
SL倍率 | 0.4 / 1.2 / 2.2 |
最大修理費(SL) | 840⇒1,055 / 2,000⇒2,512 / 2,000⇒2,512 |
機体性能
項目 | (初期⇒全改修完了後) 【AB/RB&SB】 |
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最高速度(km/h) | 533⇒592 / 514⇒560 |
(高度3,810m時) | |
最高高度(m) | 9,555 |
旋回時間(秒) | 22.0⇒20.3 / 22.8⇒21.0 |
上昇速度(m/s) | 6.8⇒15.9 / 6.8⇒10.6 |
離陸滑走距離(m) | 343 |
エンジン型式 | Allison V-1710-39 |
最大出力(hp) | ***⇒1,368 / ***⇒1150 |
離陸出力(hp) | ***⇒1,688 / ***⇒1470 |
毎秒射撃量(kg/s) | 3.30 |
燃料量(分) | min24 / 30 / 45 / 60 / max80 |
限界速度(IAS) | 819 km/s |
降着脚破損速度(IAS) | 300 km/s |
フラップ破損速度(IAS) | (戦闘)595 km/s, (離陸)530 km/h, (着陸)245 km/s |
主翼耐久度 | -6G ~ 13G |
武装
分類 | 名称 | 搭載数 | 装弾数 | 搭載箇所 | 購入費用(SL) |
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通常/ステルス | |||||
機銃 | 12.7mm ブローニング M2 | 6 | 1686 | 翼内 | 40/60 |
弾薬
武装名 | ベルト名 | 内訳 | 最大貫徹力(mm) | |||||
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10m | 100m | 500m | 1000m | 1500m | 2000m | |||
12.7 mm M2 Browning 前期ベルト | 既定 | T/Ball/I/AP | 26 | 25 | 19 | 12 | 3 | 3 |
汎用 | AP/AP/AP/T/I | 26 | 25 | 19 | 12 | 3 | 3 | |
地上目標 | T/AP/AP/AP | 26 | 25 | 19 | 12 | 0 | 0 | |
曳光弾 | T/T/T/AP | 26 | 25 | 19 | 12 | 0 | 0 | |
ステルス | AP/I/AP | 26 | 25 | 19 | 12 | 3 | 3 |
追加武装
分 類 | 名称 | 搭 載 数 | 影響【AB/RB&SB】 | 費用 (SL) | 搭載条件 | 備考*1 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最高速度 (km/h) | 上昇速度 (m/s) | 旋回時間 (sec) | ||||||
B | 100lbs AN-M30A1 | 2 | -**/-5.0 | -**/-0.7 | +**/+0.5 | 30 | FSBC mk.1 | 合計搭載量 90.7lbs (爆薬量49kg) |
B | 500lb AN-M64A1 | 1 | -**/-9.4 | -**/-1.8 | +**/+1.2 | 80 | FMBC mk.1 | 合計搭載量 226.8 kg (爆薬量118.8kg) |
B & B | 100lb AN-M30A1 | 2 | -**/-11.5 | -**/-2.5 | +**/+1.7 | 110 | FMBC mk.1 | 合計搭載量 317.5kg (爆薬量167.8kg) |
500lbs AN-M64A1 | 1 |
爆弾
名称 | 重量 (kg) | 爆薬量 (kg) | 最大貫通力 (mm) | 装甲車両 破壊距離(m) | 非装甲車両 破壊距離(m) |
---|---|---|---|---|---|
100 lb AN-M30A1 | 45.35 | 24.5 | 79 | 2 | 67 |
名称 | 重量 (kg) | 爆薬量 (kg) | 最大貫通力 (mm) | 装甲車両 破壊距離(m) | 非装甲車両 破壊距離(m) |
---|---|---|---|---|---|
500 lb AN-M64A1 | 226.7 | 118.8 | 100 | 5 | 118 |
機体改良
Tier | 名称 | 必要RP | 購入費(SL) |
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I | 胴体修理 | *** | *** |
ラジエーター | |||
12mm弾薬ベルト | |||
II | コンプレッサー | *** | *** |
機体 | |||
FSBC Mk.1 | |||
III | 主翼修理 | *** | *** |
エンジン | |||
新しい12mm機関銃 | |||
IV | インジェクター交換 | *** | *** |
カバー交換 | |||
FMBC Mk.1 |
カモフラージュ
太平洋戦争迷彩 | |
---|---|
条件 | - |
説明 | アメリカ陸軍航空軍の標準的な単色迷彩 (1941年~1944年) |
英国空軍 第112飛行隊 | |
条件 | 90撃墜/撃破(AIを除く) |
説明 | 英国空軍の標準的な二色熱帯迷彩 「ロンドンプライド」 シリアル番号:AK772,GA-Y パイロット:ヘンリー・G・バーニー軍曹 (1942年5月 リビア) |
英国空軍 第112飛行隊 | |
条件 | 120撃墜/撃破(AIを除く) |
説明 | 英国空軍の標準的な二色熱帯迷彩 「ロンドンプライド」 シリアル番号:AK772,GA-Y パイロット:ジェフリー・フィスケン中尉 (1942年2月14日 リビア) |
アメリカ陸軍航空軍 第76戦闘飛行隊 | |
条件 | 70撃墜/撃破(AIを除く) |
説明 | 英国空軍の標準的な二色秋季迷彩 シリアル番号:104 パイロット:エドワード「エド」F・レクター少佐 (1942年7月 中国 桂林) |
106番機 | |
条件 | 110撃墜/撃破(AIを除く) |
説明 | アメリカ陸軍航空軍の標準的な単色迷彩 中華民国空軍(AVGフライングタイガース)所属機 (1942年5月 中国 宝山区) |
英国空軍 第94飛行隊 | |
条件 | 100撃墜/撃破(AIを除く) |
説明 | 英国空軍の標準的な二色熱帯迷彩 キティーホークMk.I シリアル番号:AK759,FZ-R パイロット:ジェームズ・フランシス「エディ」エドワーズ軍曹 (1942年3月 リビア) |
オーストラリア空軍 第3飛行隊 | |
条件 | 80撃墜/撃破(AIを除く) |
説明 | 英国空軍の標準的な二色熱帯迷彩 シリアル番号:AK903,CV-L パイロット:アンドリュー・ウィリアム「ニッキー」バール中佐 (1942年3月 エジプト) |
グロリア リヨンズ | |
条件 | 130撃墜/撃破(AIを除く) |
説明 | ニュージーランド空軍の標準的な単色迷彩 ニュージーランド空軍第18飛行隊所属P-40N-20 シリアルナンバー:NZ3148,G (1944年6月 タロキナ飛行場) |
ワイララパ ワイルド キャット | |
条件 | 140撃墜/撃破(AIを除く) |
説明 | ニュージーランド空軍の標準的な単色迷彩 ニュージーランド空軍第14飛行隊所属P-40M シリアル番号:NZ3072,19 パイロット:ジェフリー・ブライソン・フィシュケン飛行士官 (1943年夏 ガダルカナル島) |
オーストラリア空軍 第75飛行隊 | |
条件 | 150撃墜/撃破(AIを除く) |
説明 | 英国空軍の標準的な二色夏季迷彩 シリアル番号:AZ29-29 パイロット:レスリー・ダグラス・ジャクソン飛行士官 (1942年4月 ニューギニア) |
チェッカー テール シャーク | |
条件 | 160撃墜/撃破(AIを除く) |
説明 | アメリカ陸軍航空軍の標準的な二色熱帯迷彩 アメリカ陸軍航空軍第317戦闘飛行隊所属P-40L シリアル番号:82-16 パイロット:ジョージ・ピーター・ノヴォトニー中佐 |
[Thunder League]DYNAMIGHT | |
条件 | 15キルアシスト(AIを除く) |
説明 | [Thunder League]DYNAMIGHT |
研究ツリー
解説
特徴
なんといっても6挺ものM2ブローニング 12.7mm重機関銃だろう。弾薬ベルトが異なるものの、ランクVジェット戦闘機のF-80A-5と同様の装備である。
長所
- ◆優れた火力
M2ブローニング 12.7mm重機関銃×6挺かつ装弾数1686発と、瞬間火力、継戦能力共に優れる。ただし、既定の弾薬ベルトは弾種の関係からその真価を発揮できない。弾薬ベルトの開発は早めに。
- ◆頑丈な機体
P-40Eは操縦席を中心として最大9.5mmの装甲板をもち、BRが低い機体で一般的な7mm程度の徹甲弾では貫徹できない。
ただし、12.7mm機関銃の徹甲弾は容赦なく貫通してくる上、20mmなどの機関砲になってくると装甲以前に炸裂弾で翼や胴体がバラバラになってしまう。
- ◆WEP
あまり知られていないが、P-40Eが搭載する"アリソン V-1710-39"はWEP時で最大1,490馬力を発揮する強力なエンジン。
上昇中や旋回戦など、出力が少しでも必要な時はどんどん使っていきたいところだ。
短所
- △エネルギー保持率の悪さ
P-40Eは機体重量の割にエンジン出力が小さく、旋回中のエネルギー保持率がよろしくない。旋回が主体となる戦闘はできれば避けるべき。
- △WEPによるエンジン加熱
WEPが強力なエンジンだが、使用中はエンジン温度もどんどん上昇していく。加熱しすぎればオーバーヒートでエンジンが破損し最悪飛行不能となるため、エンジン温度には常に気を配ろう。
以上のように、本機はこれまでのP-36シリーズとは異なった運用方法が求められる機体であり、慣れるまでに苦労するかもしれない。
さらに、エンジンの開発が終わるまでは非常に鈍重で扱いづらい。
基本性能は決して悪いものではないので、全てのパーツ、モジュールを開発しながら自分なりの運用法を見つけ、めげずに頑張ってほしい。なにより機体が可愛い
弾薬ベルトはBallとTが入っていない"ステルスベルト"が最大火力だが、曳航弾が必要なら"汎用"、軽トーチカを破壊することに特化するなら"地上目標"が推奨される。
全世界で活躍した機体であるためか、Gaijinのお気に入りなのか、スキンの種類が非常に多い機体の一つ。ぜひ全て解放してみよう。
立ち回り
【アーケードバトル】
開幕直後に自軍付近で上昇して高度を稼ぎ、そのあと一撃離脱に徹底しよう。(だいたい高度2,000m、降下角60度くらいから地面までギリギリまで降下すれば700km/hは出る)ここで重要なのが、敵機を撃墜した、撃墜できなかったに関わらず、そのまま逃げ切ることである。というのも、前述の通りエネルギー保持率が悪く、敵を旋回したりして追撃するとあっというまに減速し、逆に不利になるからだ。つまり、機動戦は避けよう。アップデートで格闘性能が格段に上がったので、
ドミネーション戦などの場合高度1000mで直進、着狩り&敵機を攻撃し格闘戦をするのもよいだろう。P-40は原型のP-36と比べ硬くなっていて、アメリカ機の中でも(パイロットキルされなければ)硬い方である。そのため日本機・イギリス機・複葉機以外となら格闘戦をしてもよいだろう。
【リアリスティックバトル】
離陸後は4,500mを上限に速度255km/hを維持するように上昇する。
防御面では狙われても射撃距離、被弾箇所によっては意外にも耐える。ただし、尾翼やエルロンを撃たれるとすぐに操作不能になるので油断は禁物。
弾数も1,686発と多いので、上手くいけば持続火力の高さを生かして中盤までも補給無しで戦闘を続行できる。
Bf109系はこちらより高速で一撃離脱を仕掛けてくることが多い、この場合は旋回戦をしても対抗できないので、敵の攻撃をバレルロールなどで回避し、離脱する瞬間を狙うとよいだろう。
スピットファイアに対しては高度を取り一撃離脱戦法が理想ですが水平飛行時は兎も角、上昇された時は引き離されるので味方と連携して叩きたい、こちらが重武装なのでヘッドオンも成功する時があるが、共に水冷エンジンなので致命傷を負いやすく推奨はしない。
同国ハリケーンはこちらより強力な砲を搭載している型もありヘッドオンすると一撃で爆散となりかねない。
Yak系戦闘機は強力なモーターカノンを搭載してるのでヘッドオンを避け一撃離脱をしたいが、優れた旋回性能をもつヤコブレフは回避してくるだろう、味方と連携してエネルギーを奪い続け安全に仕留めたい。不利ながら格闘戦も最後の手段としては選択肢に入るが勝率は低い。
零戦とは格闘戦厳禁である、高度優位からの一撃離脱を徹底し仕留め損なっても追わずに高速を維持したまま離脱、2~3Kmの間合いを取ってから再上昇し反復攻撃すれば勝率は高い。
一方欠点としては600km/h以上の機体の安定性の悪さが挙げられ400~500Km/hが理想的な戦闘速度といえる。
高度は5,000m以上昇ると空気の薄さにエンジン馬力を維持できないので留意。
一撃離脱するとき、相手の機動に合わせて旋回すると揚力が付きすぎたのか、機首が意図しない方向へ流されてしまう為、一撃離脱時には注意が必要。
また、エンジンもかなり熱しやすくなっており注意が必要。
敵戦闘機群をあらかた墜とし制空権を手に入れたらその強力なキャリバー.50M2機関銃のAP弾で敵AI地上部隊を狩ってチケットを削ることも出来ます。
特に火力の無い友軍機が撃破しにくいトーチカや軽戦車などを優先して叩くと良いでしょう。
夢中になり過ぎて残敵の接近に気付かない…なんてことの無いように周囲警戒は怠ってはいけません。
【シミュレーターバトル】
BR2.3としては最速クラスの水平飛行速度と高い火力を併せ持つ非常に強力な制空戦闘機……なのだが、残念ながらBR2.3はランク2SBECにおけるボトムであり、BR3.3まで登場するランク2戦場ではその速力は「そこそこ速い」程度にとどまる。
また、自慢の1500馬力エンジンはMECを考慮してなお熱く、戦闘時間の長くなるSBECにおいて、温度を白に収めて定常的に発揮できる出力となるとAECではスロットル90%あたりで1050馬力程度と、3tを超える大重量を持ち上げるにはいささか馬力不足。
この巡行状態では速力も普通程度に落ち着いてしまう。速い水平飛行速度はあくまで一発芸にすぎない。
SP制だった頃は高性能なBR2.3として有力な選択肢だったのだが、SP制がなくなった現在ではP-39N-0やP-38E、A-36やP-36Gなどより有力な選択肢があるため、そちらを選んだほうがよいだろう。
それでもP-40に乗りたい場合だが、一撃離脱専用機として運用すべきだろう。
本機の旋回能力は同格と比べるとかなり低く、戦闘フラップを開いてなお、戦闘フラップを閉じたBf109E-1(同格の中では比較的一撃離脱より)に及ばない。
また、機体重量も他の機体が2t-3tあたりにまとまる中、乾燥状態で3.3tと飛びぬけており、旋回で喪失するエネルギー量もまた多い。
さらに前下方視界も悪いので偏差射撃も難しいと格闘戦に不向きな条件がすべてそろっている。
こちらがエネルギー不利な状態で仕掛けられたらまず助からないと考え、とにかくまず高度を稼ぐことを考えよう。
ランク2帯では大抵の戦闘は高度3000以下で発生するため、とりあえず高度3000を目安に飛行場の近くで上昇するとよい。
この際、エンジン温度が白以外だとオーバーヒート耐性が下がってしまい、いざWEPを使った時の限界時間が減るため、スロットルを90%程度に絞り、温度を白に保とう。
高度を稼いだら前線に進出し索敵、下方に機影が見えればダイブして真後ろにつき、照準器いっぱいまで機影が大きくなってもタグが出なければ射撃、自慢の火力で一気に翼をもいでやろう。
この際、敵機に気づかれて回避機動を開始された場合、多少は射撃のために追いかけてもよいが、深追いすれば格闘戦に巻き込まれるため、大きく減速する前にWEPに入れて再上昇して敵機と距離をとり、再攻撃の機会をうかがおう。
攻撃しようとしている機影が明らかに爆撃機の場合、後ろにつくのは悪手なので真上から攻撃したいが、前下方視界が悪いので偏差は難しい。機体を斜めに傾ける、背面飛行する、頭の位置を上げる等で視界を確保したり、勘で撃ったりと工夫しよう。
格闘に巻き込まれてしまった、上空から敵機に狙われた等で、敵機に後ろにつかれてしまいそうな場合、WEPに入れてダイブすれば、重力が大重量の機体を引っ張ってくれるので敵を引き離せる。そのまま飛行場方面か味方のところに逃げて、振り切ったら再上昇しよう。
史実
P-40は第二次大戦中アメリカ・イギリスを中心として連合各国で運用された戦闘機。開発・製造はカーチス・ライト社。
1930年代、ナチスドイツの台頭によって暗雲立ち込めつつあった欧州では、各国で自国の防衛のために高性能の戦闘機が生み出されていた。当時の米陸軍航空隊の主力はP-35及びP-36であり、米陸軍がこのまま欧州機と渡り合うのは難しかった。当時米国では既にP-38やP-39といった機体の開発が進んでいたものの、P-38(米国初の双胴機)もP-39(米国初、操縦席後部にエンジンを搭載)もユニークな設計の機体であり、制式化まではまだ時間がかかるとされていた。そこで米陸軍航空隊はそれまでの繋ぎとして、そこそこの性能で頑丈で使い勝手のいい中低高度用戦闘機の開発を目指して仕様X609を提案した。
この仕様X609に対してカーチス社はまずXP-37を開発したが、これは問題が多い機体だった。XP-37は「P-36にアリソンV-1710をそのまま載っけただけ」という非常に安直な設計で、排気タービンや中間冷却器などの補機類がエンジンのすぐ後ろにまとめて収められていたため、操縦席がかなり後ろに配置された“長っ鼻”な機体になってしまったのである。この操縦席配置による前方視界の悪さは言うまでもなく、また機体そのものの操縦性・安定性も劣悪なものであったためXP-37は結局試作段階でボツとされてしまった。
その後補機類の配置などを再検討し、次に開発されたのがXP-40である。XP-40は1938年10月14日に初飛行。しかしXP-40は初飛行時に最高速度がP-36よりも遅いことが発覚。カーチス社では急遽機体の空力的形状やラジエーターの位置を見直し、大規模な改修が行われた。翌1939年1月、再試験時にはXP-40はまるで別の機体のようになっており、最終的に最高速度582km/hを記録する。米陸軍はこの結果を受けてXP-40についての再検討を行い、結果同年4月26日に正式化が決定。6月から量産型の配備が開始された。
このとき採用された初期生産型は、P-36を直系の母体とするH81系統と呼ばれ、以降C型までこの形状が採用された。1941年中旬頃から生産されたD型以降の後期生産型は、P-36の設計をべースにしながらより空力的に洗練され、ラジエーターが顋のように大きく張り出した形状となり、これはH87系統と呼ばれた。ちなみに英軍ではH81系統をトマホーク、H87系統をキティホークと呼んだ。
初期の機体のうち多くは、中国戦線にてアメリカ人義勇軍(※正規軍ではない)「フライングタイガース(AVG)」に配備された。AVGには129機のP-40が所属し、日本機相手に戦闘を繰り広げた。特に迎撃任務では活躍しており、日本軍の九七式重爆撃機を多数撃墜している。九七式戦闘機に対しても、性能的に多くの面で上回る本機は優勢に戦闘を進めたことがうかがえる。日本側記録によると115機の九七式戦闘機がAVGとの戦闘で損失したのに対し、AVGのP-40の損失は90機程度(事故、損傷による廃棄、対空砲火、被撃墜など全ての損失を含んだ数字)とされている。
太平洋戦線では開戦当初、P-40はフィリピンに駐留していた米国陸軍極東方面軍に主に配備されていた。しかし1941年12月8日のクラーク飛行場及びイバ飛行場への日本軍による攻撃によって、開戦初日にその過半数を喪失してしまう。残存のP-40は以後のフィリピンでの戦闘やマニラ陥落後のインドネシアへの撤退戦などで一式戦闘機・隼や零式艦上戦闘機相手に果敢に挑みかかるも、低空での加速性能、上昇能力、旋回等がそれらの日本軍戦闘機に劣っており決して小さくない損害を受けてしまう。大戦の緒戦はP-40の劣勢であった。
しかしその後、中国戦線で戦っていた義勇軍「フライングタイガース」の戦闘記録や、米海軍航空隊のサッチウィーブを取り入れることによって、序々に日本機への対抗策を確立。ソロモン諸島やニューギニアでの戦いでは日本機相手に互角以上の戦いを繰り広げた。一撃離脱を徹底した戦法に切り替えた後は日本機を多数撃墜*2、それとともに被撃墜数も減少していった。もともとP-40は頑丈な設計がなされた機体であり、緒戦において多数撃墜されたのは苦手な巴戦に引き込まれた挙句、不利な位置で日本軍機から一方的に撃たれたことが一因である。その為ダイブアンドズーム戦法を徹底して日本側の射撃機会を少なくすれば、頑丈なP-40が撃墜されにくいのは道理であった。*3
ちなみに日本軍は10機のP-40Eを鹵獲し、内地に送り評価をおこなっている。やはり日本機に劣る格闘戦性能は評価されなかったが、防弾性の高さや人間工学に配慮された設計は高く評価された。他にも戦時中の映画にも出演した他、羽田空港で一般公開もなされた。更には、ラングーンので臨時戦闘隊が結成され、防空目的で実際に運用されたが、敵と誤認されたことや、弾の補充が出来なくなったことを理由に3ヶ月程で解散された。
欧州戦線では当初の予定通りP-38までの繋ぎとして活躍。速度、上昇がケタ違いで、一撃離脱を徹底してくるBf-109に苦戦しながらも活躍し、P-38配備後その多くは主に北アフリカ戦線に配備された。先に述べた通り、P-40は「頑丈で使い勝手のいい中低高度用戦闘機」である。アフリカの砂漠地帯という過酷な環境において、この頑丈さと使い勝手の良さは遺憾なく発揮された。
『…1942年から43年の間、P-40航空隊は北アフリカ、シシリー、イタリアの航空戦で鍵となる役割を果たした。ある日の彼らの任務は爆撃と機銃掃射であり、別の日は中爆の戦闘護衛であった。その欠点にもかかわらず、この種の航空戦においてカーチスP-40は優れた兵器であった。それは決して高速で高高度を飛行できる機体ではなかったが、タフで、信頼でき、重武装で、相当量の爆弾を携行でき、そして中国や太平洋と異なり、交戦した敵機よりもマニューバブルであった。P-40のパイロット達は、より最新のライトニングやサンダーボルトやマスタングで飛びたいと願っただろうが、ウォーホークはその時点での唯一の米国戦闘機であり、彼らはそれでベストを尽くしたのだった…。』(カール・モールスワース、MTOのP-40ウォーホークエース(オスプレイ社刊)より引用)
そんなP-40だったがより最新のP-38やP-47、同じアリソンV-1710エンジンなのに高性能のP-51が登場すると序々に一線からは退いていった。エンジンと武装の強化を図った高性能のXP-40Qも製作されたが試作に終わり、1944年にP-40は生産が終了した。
P-40はあまり特徴のない機体ではあったが、その特徴のなさゆえにどのような任務にも対応できるという強みがあった。また頑丈さと使い勝手の良さでどんな環境でもそこそこの性能を発揮することができ、非常に信頼性が高かった。そしてなによりP-40は安かった。当時の価格でP-40は1機辺り約5万9000ドルで、これはP-38(約12万6000ドル)の半分以下である。その安さゆえにP-40は大量に調達することが可能であり、1930年代後半から40年代にかけての、米国陸軍航空隊の急激な拡大を支えることができたのである。
P-40は必要とされたまさにその時に登場し、その「信頼性」と「調達のし易さ」によって米国陸軍航空隊を支えた。その意味で、P-40はまさしく名機であった。
総生産数は13,738機で、米国陸海軍機中第3位。
小ネタ
以前は一部スキンにマップ指定があったが、バージョンアップで指定されなくなった。
外部リンク
コメント
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- なんだろう横旋回から縦旋回に移るときとか機体の向きが変わってるのに旋回の向きが変わらず横にズリーて滑って失速するんだけど SBDもそんな動きしてたからバグかな -- 2016-11-23 (水) 22:42:39
- ラダーを用いた旋回でも確かに滑っていくな。でもそれが巴戦で稀に役立ったり。 -- 2016-11-28 (月) 01:34:49
- こいつは尾翼にタブが付いてて、これを操作しないと横滑りするとかなんとか -- 2016-11-28 (月) 15:29:01
- あっ、垂直尾翼ね -- 2016-11-28 (月) 15:29:45
- 初めてRBで使ったけど難しい、動きがまるで重戦だ。 -- 2016-11-24 (木) 10:54:00
- 最高速度、旋回時間、上昇速度を更新しました。 -- 2016-11-24 (木) 19:20:00
- うーん..........勝てないです -- 2016-12-24 (土) 17:26:29
- 史実でも他国の戦闘機より劣ってたししゃーない 火力はあるから重戦闘機のような扱い方をするといい感じになるで -- 2016-12-24 (土) 18:28:47
- 一撃離脱を徹底すればこの低ランクでかなり強力な武装だから活躍できるよ エネルギー保持と旋回がゴミだから一回のダイブで倒せなかったら絶対に旋回しないこと 概要には後ろに付かれたら直進した方がいいとか書かれてるけど個人的にはタコ踊りして味方の群れに連れてくか低ランクでマップが狭いことを活かして飛行場まで連れてった方がいいと思ってる 上達が感じられる機体だから頑張って -- 2016-12-25 (日) 00:02:00
- 一撃離脱機、というか一撃離脱してやっとなんとか対抗できる性能なのに上昇とエネルギー保持率が上記の様にゴミカスで、さらに一撃離脱しようとしても500km/h超えると舵がとてつもなく重くなって地面に特攻する。BR2.7でもええやろ・・・ -- 2016-12-25 (日) 00:59:18
- RBなら救いようはない ABなら上の枝の通り -- 上の枝? 2016-12-25 (日) 01:28:37
- BR2.7だと鐘馗が待ってますよ「本物」の一撃離脱機が…日本最強クラスの上昇の怪物が… -- 2016-12-25 (日) 10:04:09
- 横旋回は平均よりちょっと悪いくらいにはあるでしょ ただ一瞬で速度が落ちて動かなくなるのであまり意味はない -- 2017-01-26 (木) 17:02:20
- 何故か評価低いけどABならほぼ最強、RBでも一撃離脱を徹底すれば強い、少なくともFw190A1と比べたら全く問題ない性能だよ -- 2017-01-26 (木) 19:02:24
- 格闘するなら早めに切り上げるべきか。旋回し続けると、エネルギー損失が著しい -- 2017-01-28 (土) 18:05:59
- 落としきれなかった場合、一旦諦めて離脱せいという意味で ←やってることは結局のところ、一撃離脱に近い -- 2017-01-28 (土) 18:07:48
- 強い弱い云々より、豊富なスキンとシャークティース、そして日本機撃墜マークが一番似合う期待だから私は使い続けますよええ -- 2017-02-01 (水) 06:49:54
- 個人的には修理費がもうちょっと安ければ文句ないんだけどなぁ・・・ -- 2017-02-01 (水) 09:51:08
- 同感。そして、この機体を使ってるとガキの頃に見た『パールハーバー』と『スカイキャプテン』って洋画で活躍しててカッコ良かったのを思い出す。後者の映画は水空両用で他にも敵機を引っ掛けるワイヤーとかを搭載したトンデモ使用だったけどな。 -- 2017-02-01 (水) 10:55:45
- パールハーバー...Green Zero....うっ、頭が! -- 2017-02-01 (水) 11:05:37
- ↑アレ、聞いた話だとホントは白だよね? -- 2017-02-01 (水) 11:09:34
- あれはクッソつまらん恋愛映画であって戦争映画でないのでセーフ。米国での評価もうんこ扱いだから。 -- 2017-02-01 (水) 17:17:24
- Honest Trailerでも散々おちょくられてたな -- 2017-02-01 (水) 18:58:13
- 監督だったかのスタッフが日本の機体は緑だと思い込んで譲らなかったらしく、緑になったらしい。赤城を演じたレキシントン(CV-16,エセックス級)の艦尾から発艦させてアングルドデッキを目立たせず、左側艦橋を再現したり(どっちがメインでどっちが副次的なものだったか忘れた)と評価されるべきところはあると思う。 -- 2017-02-01 (水) 20:58:10
- レキシントンの艦尾から発艦させてうんぬんの話は、トラ・トラ・トラの逸話じゃないっけ? -- 2017-02-01 (水) 21:51:47
- あ、ちがうわ。パールハーバーで良いんだ。 -- 2017-02-01 (水) 22:17:53
- スカイキャプテンのは完全にSFだったな…まさか海に飛び込んで水中戦をやるとはww -- 2017-02-01 (水) 22:32:54
- P-40は永久に愛される戦闘機なんだ -- 2017-02-01 (水) 23:52:36
- グラマラスな機体形状がエロかっこいいから偶に乗ってあげてる そしてその度に鍾馗やら隼やらに弄ばれて絶望する -- 2017-02-18 (土) 01:28:02
- 高度3000から4000は意外と登る.高度5000くらいが意外と快適だったりするけど敵がいないから高ランクに行く -- 2017-03-10 (金) 09:55:06