概要
西洋の民話・伝説やファンタジー作品に登場する、人に似た姿をした架空の生き物。
ドラクエシリーズにも、【NPC】として妖精がときに登場する。
また後述するように、【エルフ】と【ドワーフ】が妖精の一種のように扱われる場合もある。
一般的に妖精といえば、【人間】よりも身体が小さく羽の生えた女性風に描かれたフェアリー(fairy)のイメージが強いが、従来ドラクエシリーズではあまり登場することがなく、DQ9の【サンディ】がそれに近い外見をしているぐらいであった。
しかしDQ10オンラインでは、季節イベントを中心に数多くのフェアリー風の妖精が登場している。
上に述べた以外の種族として、一般的に、【ピクシー】、【ブラウニー】、ゴブリン、【トロール】などの小鬼、魔物の類も広い意味で妖精と呼ばれる。
ドラクエにおいても、DQ4のピクシー、【アローインプ】が公式設定で妖精のモンスターとされており、人間に牙を剥く妖精もいる。
また、DQ7では【ダークドワーフ】が大地の妖精のモンスターとされている(一方、【インプ】は「小悪魔」)。
【フェアリードラゴン】【フェアリードラゴン(DQ6)】【フェアリーラット】【マリンフェアリー】【フェアリーバット】といったフェアリーと名のつくモンスターも登場する。
マリンフェアリーは海の妖精とされている一方、フェアリードラゴン(2種とも)、フェアリーラットは妖精ではないようである。
その他、妖精にまつわるアイテムとして【ようせいのふえ】や【ようせいのけん】、【ようせいのちず】などが登場している。
また、味方が使える特技や必殺技、れんけい技として【妖精の矢】や【妖精たちのポルカ】がある。
エルフ、ドワーフとの関連
DQ7までのナンバリング作品や公式書籍での「妖精」と「エルフ」という言葉の使われ方を見ると、その区別は曖昧で、長らく両者の種族としての位置付けや関係性は不明確であった。
DQ4において【ロザリー】および【さえずりの塔】の最上階で見られる個体は、作中ではエルフと呼ばれているが、FC版の【公式ガイドブック】ではさえずりの塔や【さえずりのみつ】の解説で妖精という表現が使われており、エルフが妖精と同一視されているともとれる。
PS版公式ガイドブックではさえずりの塔の解説
この塔には、妖精エルフが舞い降りると言われている。
や、ロザリーを蘇らせる【せかいじゅの花】の解説
死を迎えると魂が精霊界へ戻ってしまうという妖精族さえも、蘇らせることができるという。
など、エルフが妖精族の一種であるという認識になっているようだ。
DQ5では妖精の【ベラ】(肩書きは「ようせいびと」)が自己紹介するときに
来てくれたのね。私は エルフのベラ。
と名乗る。
DQ5の妖精の世界にはドワーフも住んでいるので、妖精にはエルフとドワーフがいて、ベラたちはエルフということだと思われる。
DQ7では妖精である【神木の少女】から渡されるアイテムの名が【エルフのみずさし】であり、公式ガイドブックではこれの説明に「伝説の妖精、エルフ族の水差し」とある。
その後、2011年に発売された【ドラゴンクエスト25thアニバーサリー 冒険の歴史書】では、妖精はエルフとは別の種族として紹介され、
『DQV』では別世界の住人で、エルフに近い存在。『DQVII』『DQIX』ではご神木や杖といった物質に宿る精として登場する。
と説明している(DQ5については、前述のベラの台詞と矛盾している)。
DQ10オンラインでは、妖精はエルフやドワーフとは異なる存在とされていて、両者が明確に区別されている。おそらくプレイヤーが自らの分身として選択する【種族】にエルフやドワーフが含まれる関係上、妖精の種族としての位置付けを明確にする必要があったのだと思われる。
DQ1
【マイラ】の老人の台詞に
ふるい いいつたえでは ようせいたちは ゴーレムを ねむらせた そうじゃ。
というものがあり、今作に登場する【ようせいのふえ】の効果のヒントになっている。
DQ3
わたしは そのむかし ルビスさまに おつかえしていた ようせい です。
と自己紹介する。
外見はエルフのものが使われているが、リメイク版を含めてアレフガルドにはエルフを名乗るものはおらず、上の世界のエルフとの関係は不明である。
一方で、上記の妖精の存在や【ようせいのふえ】でルビスの石化が解けることから、ルビスとこの地の妖精との関係の深さがうかがえる。
リメイク版
ストーリー冒頭、夢の中で「すべてをつかさどる者」を自称し【主人公】に語りかけた声の正体が、上述のほこらの妖精である。
DQ5
妖精の住む【妖精の世界】が存在し、【妖精の村】がある。また【人間界】にも霧に包まれた【妖精の城】がある。
本作の妖精は人間と似た姿だが、耳は尖っており、髪の色が濃い青で、キャラによって服装がやや異なるが汎用は地味な袖なし服である。羽は生えておらず地に足をつけて生活している。
人間界を訪れた場合、子供はその姿を見ることができるが、大人になると見えなくなる。
主要な人物としては、主人公に同行する【ベラ】、妖精の村の長である【ポワン】、そして【妖精の女王】がいる。
公式ガイドブック下巻のアイテム大百科の、英語表記名を参照すると、春風のフルートがFairy Flute、妖精のホルンがFairy Horn、妖精の剣がFairy Swordといった具合に、イベントや入手場所から見て、妖精の村・妖精の城との間に大なり小なり関連性が見出せるアイテムにはFairyの語が充てられている。
DQ7
過去の【クレージュ地方】にある【神木】の下で木を守る【神木の少女】が妖精である。
グラフィックは人間と似た姿と大きさで、エルフを思わせる長く尖った耳をしている。
DQ9
【サンディ】は妖精(フェアリー)のような姿をしている。取扱説明書では「ギャル風メイクの謎の妖精」と書かれており、サンディのコスプレ装備を揃えると【美少女妖精】の称号が得られる。
一方、『ドラゴンクエスト25thアニバーサリー 冒険の歴史書』によると
『DQIX』のサンディは一見妖精のようだが、実際は別の種族。
とされており矛盾が発生している。
DQ9以外の作品ではやはり妖精扱いになっていたりして、キャラ設定が安定していない。
サンディ以外では、【魔法使い】の職業【クエスト】で【ミリ】と【メレ】という妖精が登場する。彼女らはDQ5の妖精に似た容姿に【天使】と同じような翼を生やしている。クエスト発生中に【ダーマ神殿】の【宿屋】に泊まると主人公の夢に現れ、そこでクエストの受注や報告を行う。
その他、【カラコタ橋】の民間伝承では「若くして死んだ娘の魂はようせいになる」と言われているらしい。
DQ10オンライン
様々な種類の妖精が登場している。
前述の通り、本作ではエルフやドワーフとは別種の存在とされている。
イベント限定ではあるが、過去にDQ5のベラやポワン、DQ9のサンディも妖精として登場した。ベラとポワンは、背中に羽の生えたフェアリー風のビジュアルにリデザインされている。
詳しくはこちらを参照。
DQ11
【ベロニカ】の【おしゃれ装備】の中に「ギャル妖精スタイル」というものがあり、そのまんまDQ9のサンディの衣装である(蝶のはねもついている)。
【冒険の書の世界】では【迷いの森】にDQ5の妖精がおり、主人公たちには見えないが子供の姿にされているベロニカには見える。
DQM3
妖精という名のスキルが登場し、【ピクシー】、【フェアリードラゴン(DQ6)】、【マンドラ】が所持する。
詳しくは【妖精(スキル)】を参照。
知られざる伝説
DQ4の【知られざる伝説】には、天空城に住む妖精が尖った耳と昆虫のような透き通った羽を持った姿で描かれている。DQ3の『知られざる伝説』に描かれたエルフよりも明らかに細長い耳に『ロードス島戦記』の影響がうかがえる。
アイテム物語
精霊ルビスや天上界の神々に仕える妖精が登場する。
挿絵に描かれたルビスの側近の妖精は、頭のてっぺんより高くまで伸びた耳と昆虫のような透き通った二対四枚の羽を持っており、大きさはルビスと同じくらいである。
一方、天上界で神々に仕える妖精は、耳はもっと短くずっとサイズが小さいフェアリーのような姿をしている。
このほかに、地上に住むエルフも妖精と呼ばれているが羽は持っていない。
アベル伝説
天使の岬に生息し、竜伝説の言い伝えを守っている。
身体は2頭身で、上部が尖った猿のような頭に尖った耳、鳥のような翼を持つ。手の指は4本、足の指は3本。集団でいる時は代表一人が喋った後みんなでそれを復唱する。
【バラモス】軍に村を襲撃されるが【アベル】たちのおかげで妖精たちに犠牲者はいなかった模様で、一瞬でどこにでも行くことができる「天使の翼」を彼らに託す。
ロトの紋章
【エルフ】とは全く別の非常に体の小さな妖精【ティーエ】が登場する。
彼女の正体については当該項目を参照。
その他に、【エッゾ】に住む土着の妖精として【コロポックル】が登場。
続編の紋章を継ぐものではエルフやホビットが妖精族として扱われている。