(現実世界においては)空想上の生物の一種。
「竜」の一種とされる生物で、主に前脚と一体化した大きな翼を持つタイプの竜の総称。
その形態や特性から「飛竜」「翼竜」などとも呼ばれる場合がある。
概要
- ファンタジー作品においては比較的メジャーなモンスターの一種。
「モンスター」としての枠組みで見ると中級クラス、
しかし「竜」として見ると下級クラスといったポジションで描かれる場合が多い。
竜の中では動物に近い存在で、騎士が駆る乗騎として扱われる作品も少なくない。
比較的シンプルながらもシャープな外見のものが多く、一個体が登場するだけでもなかなかに映えるため、
「モンスター」と聞けば無意識的にワイバーンの姿を連想する人も少なくない。
- 現実世界のイギリスでは大学やスポーツチーム、その他様々な団体の掲げる旗印としての人気が高い。
これは元々、ワイバーン(及びドラゴン)は戦争や疫病などの凶事を表す紋章だったが、
これを「敵(及び凶事や困難など)を打ち倒す」という意味に捉えて用いられるようになったためらしい。
MH世界のワイバーン
- 初期のMHシリーズでは「ワイバーン」という単語は割とよく目にするものであった。
無印ではプロローグやCM、説明書でもガッツリ使われているため、
古参ファンであれば記憶に残っている人も多いだろう。
- というのも、当時のモンスターの分類は現在ほど明確に、そして細分化して取り扱われてはおらず、
「飛竜(種)」という単語さえも一般的とは言えなかった。
そんな中、当記事の冒頭でも書かれているような「前脚と一体化した翼を持つ竜」に近い外見のモンスターが
(現在の分類区分とは無関係に)「ワイバーン(飛竜)」と通称されていたのである。
これは設定資料集であるハンター大全においても例外ではなかった。- このため、イャンクックやドスガレオスなども「ワイバーン」扱いであり、
必ずしも「ワイバーン=(後年の)飛竜種」ではない。
当時の基準及び定義からすれば、現在は蛇竜種として扱われているガブラスや鳥竜種のヒプノックなども
「ワイバーン」と呼べる存在である。
- このため、イャンクックやドスガレオスなども「ワイバーン」扱いであり、
- リオレウスなどをはじめ、当時の大型竜はほとんどがほぼ同様の骨格構造をしている。
当時彼らの総称が「ワイバーン」で統一されていたのは、
他の形態のモンスターがほとんど存在しなかったというのも理由の一つと言えるかもしれない。
ちなみにこの事からプレイヤー間では同型の骨格構造を持つモンスターを
「ワイバーン型」と呼称する場合がある。
- 現在では「ワイバーン」という言葉自体はゲーム内ではほとんど使われておらず、半ば死語に近い状態である。
しかし、一部の公式資料では現在でも稀に使用されている場合があり、
ゲーム中でも当時の名残と言えるような表記が出てくる例もあるため、
完全な死語になりきってはいないとも言える。
古参ハンターはあえて上述のワイバーン型骨格のモンスターを統括して「飛竜(ワイバーン)」と呼ぶこともある。
場合によっては混乱を招くので注意が必要。
なお、近年では「ワイバーン」よりも「飛竜」という表記の方が見られやすくなっている。
こちらの表記でも「飛竜=飛竜種」とは限らない場合があり、なおさら紛らわしいので注意が必要である。
- なお、海外のモンスターハンターシリーズでは「ワイバーン」(Wyvern)の表記は現役である。
モンハンの世界では「竜」と「龍」は明確に区別されていて龍の方が格上となる関係上、
海外版でも竜に当たる語をWyvernに、龍についてはDragonと訳しているためである。
例としてはFlying Wyvern(飛竜)、Fanged Wyvern(牙竜)、Piscine Wyvern(魚竜)などなど。
日本でのイメージと異なり、牙竜、獣竜のような翼を持たない種族もWyvernと訳されているのが特徴である。
なお海竜及び翼竜だけは例外で、前者はLeviathan、後者はWingdrakeの訳が当てられている。
余談
- ワイバーンは慣例的に緑や赤の体色、口から火を吐きながら空を飛び、
長い尻尾には棘を備え、爪などには強い毒を持つとされる。
「緑や赤の体色」「火を吐く」「空を飛ぶ」「尻尾に棘」「強い毒」と聞けば、
MHシリーズ経験者であれば否が応でも彼らの姿が思い浮かぶだろう。- 元々ワイバーンという名前は毒蛇を意味する古フランス語の「Wivre」から派生したものであり、
ドラゴン同様ヘビをモチーフにして生まれた生物である。
その点毒を吐く翼の生えたヘビ、といった出で立ちのガブラスもまたワイバーンそのものと言えるだろう。 - またワイバーンそのものがドラゴンと区別されなかったり、
足はあっても翼の無いもの、単にその頭が増えたもの、逆に翼はあっても今度は足の無いもの、
更には下半身が魚のそれになったもの(シーワイバーン、シードラゴンとも)
…といった様々な姿のワイバーンが存在する。
- 元々ワイバーンという名前は毒蛇を意味する古フランス語の「Wivre」から派生したものであり、
- もっとも古典的なゲーム作品においては、ドラゴンとの差別化のためかブレスは吐かない例が多かった。
もちろんモンハン以前にも例外は多数存在するし、ワイバーンの由来上どちらが正しいというものでもない。
- なおシリーズ初期においては環境に適応するため複数の異なる系統の生物がワイバーン型に収斂するという仮説が世界観上あった。
ゲームの都合上飛竜の骨格を使い回している事に関しての上手い設定付けと言えるだろう。
しかしMH2以降はワイバーンと異なる骨格の持ち主が続々現れるようになり上記の仮説は信憑性が薄くなった感がある。
一応近年でも翼竜や上述のガブラスなど、飛行に特化した竜系のモンスターは系統に関わらず基本ワイバーン骨格を
持っているため上記の仮説も見当を外したものとは言い切れないだろう。