モンスター/甲殻種

Last-modified: 2023-12-01 (金) 05:24:20

モンスターの分類カテゴリーの一つ。
現実世界でいう甲殻類、中でも十脚目に近い姿をしている種が多い。

目次

概要

  • 足4本と鋏が2本、背中に背負ったモンスターの頭骨の付いた体の作りで、巨大なヤドカリの様な姿。
    しかし設定が公開されているザザミ科・ギザミ科は分類学上はヤドカリの仲間である尾下目ではなく、
    カニの仲間である尾下目に分類されている。
    またよく見ると頭骨は弱点に被せているだけなので、ヤドカリより深海ガニのオオホモラに近い存在である。
    とはいえ、ヤドを背負う特徴以外にも目と目の幅が狭い顔や長い触角など、ヤドカリに似た特徴も多い
    (モンスターにモデルとなった生物と異なる要素が有るのはよくある事だが)。
  • 全体的に実在する甲殻類よりも脚の数が少ない傾向があるが、
    その分実在する甲殻類よりも運動能力が高い種が殆どである。
    ダイミョウザザミなどの蟹型の甲殻種にはこの傾向が色濃く現れており、
    脚が少ない分脚ごとの可動域が普通の蟹よりも広いため、
    横歩きだけではなく前進や後退なども問題なくこなすことができる他、
    (超巨大なシェンガオレンは流石に無理だが)高速移動や大ジャンプなど
    見た目からは想像できなような軽やかな動きを見せる。
    他にも急速な奇襲を可能とする地中潜行ブレスなど、甲殻類離れした能力を持つ種も多い。
    中には節足動物の限界をも超越したかのような超高速の猛攻を可能とする種もいる。
    • 特にフィールドで頻繁に目にするヤオザミやガミザミが、
      高速でこちらへ接近してくる様子はベテランハンターでも恐怖を覚える(MH4G以降はオミットされた)。
      さらに、ボウガンの弾や矢に高い耐性がある事、小型モンスターにしては体力があり
      なかなか倒れない事などから、ランゴスタと並ぶガンナーの天敵とされる。
      • 反面ハンマーや狩猟笛などの打撃武器に対して非常に弱く、
        オトモのハンマーに数回殴られるだけでもすぐ気絶する。
  • かつては、全ての甲殻種に落とし穴が効かないのも特徴であった。
    小型の2種は勿論の事、大型の2種は地中への潜行能力を持ち、
    シェンガオレンに至っては超大型モンスターなので罠全般が無効。
    その分シビレ罠への耐性が低く、長時間しびれてしまう。
    • MH3以降は一部を除く地面に潜るモンスターにも落とし穴が効くようになり、
      甲殻種も問題なく落とし穴に落とすことができる。
  • また、MHP2G以前までのシリーズでは打撃でしか壊せない部位があったり、
    破壊するまでに手順を踏む必要があったりと、特殊な部位破壊があるのものが多かった。
  • 攻撃を受けると青黒い体液()を噴き出す。これは現実世界の甲殻類の生物と同じである。
    メインシリーズに登場する甲殻種は、現状全てのモンスターが青黒い体液を出す。
  • MH2では牙獣種等と共に追加された新種族ということもあり、
    ラージャンと同様古龍級であるシェンガオレンが登場したりとMHP2Gまではそれなりの待遇を受けていたが、
    MH3~MH4の間は種族自体が一切登場しない。
    MHP3とMH3Gでは過去作モンスターの一部復活及び新たなモンスターが追加された牙獣種に対し、
    こちらは一切追加なしという憂き目にあってしまった。
    • 一応MH3Gのオープニングでは浜辺で遊んでいるチャチャの足元に、
      ヤドカリのような生き物(足の本数は甲殻種と同じ)が歩いていたり、
      タンジア鍋に巨大な蟹が入っていたりはするが…。
  • MH4では音沙汰なしだったがMH4Gではヤオザミとダイミョウザザミ、および亜種が復活。
    MHXではガミザミ、ショウグンギザミも復活。シェンガオレンも抜け殻として登場した。
    更にXでザザミの二つ名個体矛砕、XXでギザミの二つ名個体鎧裂が追加されており、
    長く続いた雌伏の時代の鬱憤を晴らすが如く存在感を発揮している。
    ギザミはターボカニとしてもその名を轟かせている。
    • 大型の2種しか登場していないのを憂慮されたのか防具の種類が豊富である。
      下位の無印は当然として上位ではSシリーズ、EXシリーズ、Rシリーズ。
      XXのG級ではXシリーズ、GXシリーズ、XRシリーズがギザミ・ザザミそれぞれに用意されている。
      これに派生の二つ名防具も含めれば如何に多いかがお分かり頂けるだろう。
      パッケージ経験者以外でこれだけのレパートリーを揃えているのは甲殻種だけである。
    • 生産できる防具には業物スキルが付いている事が多い。
      モチーフに戦国時代の武将のイメージが含まれるためだろうか。
      ギザミは西洋甲冑だしザザミはアメフト選手やチアリーダーだが
  • しかし、MHWorldに舞台が移るとまたも姿を消してしまい、
    同期の牙獣種が復活したアイスボーンでも変わらず仕舞いであった。
    どうにもシステムが一新されると出番が無くなる傾向にある。
  • 大名、将軍など和風要素を含む名前のモンスターがいることもあって、
    名称が和風ベースな甲殻種のMHRiseへの登場も期待されていたが、残念ながら登場せず。
    それどころか現大陸に生息していることが確認されている甲殻種以外の種族は全てMHRiseに登場しており、
    如何にも登場しそうな雰囲気を漂わせながら唯一ハブられる結果となってしまった
    翼竜種もMHRiseに登場していないが、こちらは新大陸でしか生息が確認されていないことを考えると妥当か。
    Riseに実装されている狩場は新フィールドか、
    甲殻種の確認されていない場所であるため不在なこと自体は不自然ではないが…。
  • その後、MHRise超大型拡張コンテンツ(実質的な続編)として発表されたMHR:Sにて
    ヤオザミ、ダイミョウザザミ、ガミザミ、ショウグンギザミが再び復活。
    特にショウグンギザミは本作における復活モンスター第一号として早い段階で発表され話題を呼んだ。
    柿を投げつけるビシュテンゴとの共演で猿蟹合戦と洒落込むことも可能。

余談

  • 節足動物型の宿命として、それらが苦手なプレイヤーからはデザイン面で苦手意識を持たれることが少なくない。
    節足動物型モンスター(甲虫種・鋏角種)は2013年以降多数登場しており、
    甲殻種も亜種や二つ名といったゲーム的なバリエーション自体は一応追加されているものの、
    完全新規の甲殻種モンスターは初登場したMH2の頃から一向に増えていない
    • 更に言うとヤオザミ・ガミザミはザザミ・ギザミの「幼体」。
      亜種は「通常種と食性の異なる同一種」。二つ名持ちも「通常種の中で異質な個体」に過ぎないため、
      実のところ甲殻種はシェンガオレンを加えた三種の頃から一切変わっていない
      超大型モンスターであるシェンガオレンはMHP2Gを最後にメインシリーズから姿を消したため、
      甲殻種の実質的なバリエーションはむしろMH2よりも減っているとまで言える。
    • 他のモンスターに比べると全体的に感情を感じにくく、
      機械的で淡々とした動きでひたすらこちらを排除しに来る印象があるのも苦手な人が多い一因。
      もちろん「その無機的な感がたまらない」という意見も一定数存在する。
    • MHFにおいては「甲殻種モンスターはあまり人気が出ない」という公式発言もあり、
      全く追加されていないわけではないが、牙獣種などと比べると追加ペースは鈍かった。
      サソリ型のアクラ・ヴァシムは特に賛否両論真っ二つに分かれたモンスターだったようで、
      この際にプレイヤーからMHF運営に寄せられた意見が、
      MHFの後のモンスターデザインに極めて大きな影響を残すことになった。
      ゴゴモアのデザインが蜘蛛から猿に変わったのもこれが原因であるらしい。
  • 甲殻種モンスターの血液が青黒いのは上記の通りだが、
    MHFのアクラ・ヴァシム(ジェビア)は体液が状態によって変色する特性を持つため、噴出する血の色も変わる。
    同じくMHFに登場する甲殻種のタイクンザムザは、本体を甲殻や岩石で擬態しており、
    一定の段階に至るまでは、攻撃しても体液は出ずに擬態が剥がれ落ちる演出がある。
    それ以外にも緑色のエフェクトが出るが、これはコナマキダケの菌糸である可能性が高い。
    攻撃した際によく見ると血が吹き出ていないのが分かる。
    そしてその下の橙色の甲殻を攻撃すると、噴き出すのは赤色の体液となる。
    • 人間など脊椎動物の血液が赤く見えるのは、
      赤血球の中に存在するタンパク質ヘモグロビンが赤色素であるヘム*1を持っているからである。
      アカガイやゴカイのように他の物質*2で赤くなった血を持つ生物もいるが、それらの赤さもやはりヘム由来。
      タイクンザムザもまた、酸素運搬にヘム、あるいは少なくとも鉄を利用していると考えるのが妥当だろう。
      鉄を用いた酸素運搬は、下記のような銅を利用する方式に対して効率で大幅に勝るという性質があるため、
      タイクンザムザは他の甲殻種よりも多くの酸素を必要とする生物であると考えられる。あの暴れっぷりだし。
      • イカのような軟体動物やカニなどの節足動物の一部は
        ヘモグロビンの代わりにヘモシアニンを持っている。
        ヘモシアニンは透明だが酸素と結びつくことで銅イオン由来の青色を発する。
  • 現実世界の甲殻類は殆どが水棲若しくは半水棲なのもあり、
    将来のモンハン作品で水中戦が復活した際には
    既存甲殻種の水中戦への適応や、エビやザリガニ、シャコといった水中戦の得意な新規甲殻種の追加にも期待されている。

該当モンスター

  • リンク先に一覧表あり。

*1 2価の鉄原子とポルフィリンから成る錯体
*2 エリスロクルオリンやクロロクルオリン