武器/ランス/余談-関連項目

Last-modified: 2023-11-19 (日) 23:47:47

余談

  • MH世界でのランスは、ハンターが使用する槍型の武器全般を指す言葉とされている。
    しかし現実世界では「槍=ランス」という認識は明らかな間違いとなる。
    槍という武器は、洋の東西問わずその形状や使用法によって細分化されており、
    いわゆる槍と呼ばれる武器種の中に「ランス」という名の武器が含まれているのが実情。
    また後述するが、モンハン世界のランスと現実の「ランス」もかなり異なる代物である。
    • 「ランス」とは、本来は騎兵用として開発された重量級の槍の事。
      和訳は「騎槍」や「騎兵槍」、「突撃槍」など。中国語では「骑枪(騎槍の簡体字)」と表記する。
      そもそも歩兵用の武器ではなく、騎兵が馬の突進力を利用するための代物である。
      西洋の槍は、歩兵用の槍は「スピア」、投擲武器としての槍は「ジャベリン」と呼ぶ。
      スピアでも、水中での使用も考慮された三叉槍(銛とされることも)「トライデント」、
      片刃刀のような穂先を持つ薙刀状の「グレイヴ」、両刃剣のような形の穂先が付いた「パルチザン」、
      斧なども取り付けて多用途にした斧槍「ハルバード」など、様々なバリエーションが存在する。
      これらのスピアやジャベリンの名前が付けられている物も存在するが、
      対モンスター大槍であるゆえか、MH世界では「ランス」の一種として扱われる。
      一部の操虫棍はこれらに近い外見や名称を持つ物もある。
      ……というか操虫棍の英名がまんま「インセクトグレイヴ」であり、
      軽装歩兵用の槍の要素の一部があちらに組み込まれている。
      あちらはあちらで槍とはかけ離れた要素も多いが。
  • 現実の「ランス」は数ある槍の中でもかなり特殊化を極めた代物のひとつである。
    最大の特徴は騎兵が運用する、ほぼ刺突専用の武器として造られている点。
    これは頑丈な鎧や盾を貫くため、騎馬の速さと重さで一撃必殺を目的としたがゆえの仕様。
    つまり、徒歩で運用し手数を稼ぐ本作のランスとは、全く似て非なる兵器なのだ。
    また突撃による刺突打突に特化したゆえに、
    突進の衝撃でも折れないように柄の部分まで鉄で出来た刃が無い円錐形状をしており、
    歩兵の槍衾に対抗して長大になっていった。中には5mを越えるものもあったという。
    • 一般の兵が扱っていた木柄の「スピア」系の槍と比較すると、
      高度な馬術・槍を片手で支える腕力・衝撃に耐える体・正確に突き込む技量など
      かなり専門的で長期の訓練を必要とする上に装備にも多額の費用が必要なため、
      軍隊でも少数の精鋭が扱う武器であり雑兵には手が出ない代物だった。
      中世ヨーロッパではランスによる突撃が槍衾を唯一正面突破できる手段であり、
      ランス騎兵の数が軍の戦力に直結していた。そのため国家の武力の象徴であった。
      頑丈さのために柄まで鉄製のためその重量は凄まじく長さも相まって移動や方向転換が難しく、
      モンハンのように歩兵として立ち回るのは現実では不可能だったと思われる。
      重量故に長期訓練したものであっても落馬することは珍しくなく、
      ランス騎兵は落馬すればすなわち敵中に無防備で放り出されるに等しく、常に死と隣り合わせであったという。
      それでも使われ続けたのは、その戦果が大きなデメリットを上回るためだろう。
      ハンターは超人故に左腕一つ、かつ大盾とセットでランスを軽々と振り回しているが、
      現実世界ではそう易々と振り回せるような代物ではない。
      腰だめに構えて猛ダッシュなどもってのほかである。
      MHRiseで登場したオトモガルクでは初の騎乗アクションが実装された。
      遂にモンハンでランス突撃を拝めるのかと多くのランサーが期待したが、現実は非情である。
      まあそもそも馬じゃないが
    • やがて時代が下ると甲冑も貫ける強力な飛び道具であるクロスボウが登場し、戦場の様相が一変。
      射程で劣り、多大な資金と訓練の必要なランスは時代の遺物となってしまった。
      更に時代が進むと銃が登場し完全にその役を明け渡すことになり、戦場からランスの姿は消えた。
      しかし、短くない期間を戦場の花形として勤めたランスは人々の記憶に深く焼き付いたようで、
      後に戦争以外にも騎士や貴族階級の嗜みや武勲の場として、
      鎧や盾で壊れるよう意図的に脆く設計された木製ランスを用いた模擬戦および決闘やトーナメントが
      開かれた記録が残されている。(後述のようにこれは現代でも一部で復興し再現されている)
      武器こそ変われど、現代戦でも空挺団など決死の作戦で敵の陣形に穴を開ける精鋭部隊という
      ランス騎兵の戦術は今なお受け継がれている。
      上述のように華々しい歴史を持っていたことや「騎士の象徴」的な武器でもあったことから、
      現在でも一部の国や地域では、伝統技術として継承され披露されており、
      海外にはスポーツ競技としてランス等の伝統武芸を管理する「国際ジョスト連盟」という団体も存在している。
      (「ジョスト」とは騎士のトーナメント大会での団体戦を意味する)
  • ランスと共に用いる大盾だが、
    ランス使用時期の騎士階級は自らの家系の紋章を盾に刻んで自らのシンボルおよび戦果の証明にしていたため、
    ランスと共に盾が用いられたのは史実通りである。
    ただし、馬の上で扱う都合でモンハンのランス用の大盾ほど巨大なものではなく、
    槍と共に大盾を用いるのは寧ろ古代ヨーロッパでの大盾と片手持ち槍を使った集団陣形
    ファランクス」などのイメージを反映している可能性が高い。
  • MHRiseのウツシ教官曰く、
    「ランスとは、弱きを守り、強きをくじく騎士が愛用していたものだそうだ」
    …とのことである。
    恐らくモンハン世界でも現実のランスと同様の使われ方がされていたであろうことを示す、
    世界観を考察する上で何気に重要なセリフである。
    過去形であると言う事は、現在のモンハン世界の「騎士」は、ランスは使っていないのかもしれない。
    • ちなみに、続編であるMHR:Sでは観測拠点エルガドで「騎士」と呼ばれるハンターが
      盟勇クエストで狩猟に同行してくれるが、エルガド勢でランスを使用可能な盟勇は2名*1
      この人数は、片手剣・ガンランス・スラッシュアックスと並んでおり、
      また、大剣とチャージアックスが3名でこれらを上回り最多である。
      エルガドサイドでは使用可能な盟勇が0名の武器もあるため、2名という数値は際立って少ない結果ではないのだが、
      やはり作中現在のランスは「現役の騎士にとって特別な武器」というものでもないようだ。
  • 「長い武器」というイメージからか、ランスはモンスターの尻尾が作成・強化時に多数要求されやすい。
    ランスで尻尾を狙うのはやや慣れが必要だが、ランサーなら頑張って集めておきたい所。
  • 名前などから、ランスはガンランスの劣化だと大きな勘違いしてしまう初心者もいるようだ。
    実際ガンランスは砲撃の出来るランスという説明がされていることが多い。
    しかし、ランスはガンランスより連続攻撃性能が高く、弱点をピンポイントに狙えるメリットがある
    (ランスは上段突きのほうが強く、対してガンランスは水平突きのほうが強いという明らかな違いがある)。
    そのため、相性を無視した場合どちらもDPSはあまり変わらない。
    相手に合わせた、もしくは気に入った方を使うべきだろう。
    • また、ガンランスが登場したばかりの2~2ndGあたりまでは
      ランス自体も扱いやすいとは言い切れないものの扱いやすさのランス、浪漫破壊力のガンランスといった趣だったが、
      各武器のモーションや特徴が大きく見直された3rdからは
      守りのランス、攻めのガンランスという差別化傾向になったと言える。
      実際、これ以降ガンランスには攻撃的なアクションの追加が多かったのに対し、
      ランスはガードやカウンター関連のアクションが多く追加されている。
  • 機動力の低さや、良く言えば堅実・悪く言えば地味な各種アクションの見た目が災いしてか、
    ランスの使用率は高いとは言えない。
    マルチプレイでは味方からの攻撃でこかされてしまうことが多いのも影響しているだろう。
    MHRiseの2021年6月データでの武器使用者数は4.7%で最下位となってしまっていた*2
    MHR:Sでも使用率は3.0%で、引き続き最下位の座に甘んじることになった*3
    しかし極めれば片手剣や双剣並の手数で圧倒しつつ、モンスターの攻撃は完璧に受け止める、または全て受け流し、
    攻撃の後に生じた僅かな隙にさえも攻撃をねじ込み、時には防御と攻撃を同時にこなすことすらできる。
    他の武器では反撃不能なモンスターのターンにも平気で割り込み、反撃を続けられるのがランスの醍醐味。
    攻防兼ね備えた無敵の要塞として君臨できる、質実剛健を地で行く武器種といえるだろう。
    • ごく一部を除き極端に弱すぎることも強すぎることもない中堅クラスの立ち位置を常にキープしており、
      狩猟笛ガンランスのようなネタ的な意味での愛好家もほぼいないことから、
      どうしてもポジション的に地味な感は否めない。
      とはいえ、使ってみれば鈍重な印象からは一線を画す自由自在な立ち回りに病みつきになる人も少なくない。
      食わず嫌いせずに一度ぐらいは担いでみることを勧める。
  • 武器の参照画像を見ると片手剣の盾と違ってランス(とガンランス)の盾の裏面には
    手に持つための取っ手や腕に絡めるためのベルトが付いていないのがわかるが、
    これでどうやって盾を腕に固定し、敵の攻撃を捌いているのか不明である。
    MHWからはガンランス共々腕に固定するベルトが描写されるようになった。
    …なったのだが、このベルト何故か納刀中は確認できず、抜刀時のみ出現する。どういうことなの…
  • MHWIで登場したフィールドである渡りの凍て地や導きの地の氷雪地帯には、
    噴出時にその上に立つことで飛び上がることが出来る間欠泉があるのだが、
    ランスの突進時にこの上にくると、吹き飛ばされずにそのまま走り抜けることが出来る。
    地味だが、戦闘ペースを乱されにくい事は利点と言えよう。
  • また、ディレクターの藤岡氏が愛用していることで知られている。
  • MHP2GからMHXXまでのギルドカードでは、ランスの棒グラフは青色で表示される。
    MHWorldのギルドカードではなぜかハンマーが青色ポジションについたため、
    ランスは空色のようなやや薄い青色になった。

関連項目

武器/ランス一覧
武器/ランス/派生作品
武器/ガンランス
スキル/ガード性能
スキル/ガード強化
アクション/ガード
アクション/ステップ
アクション/突き
アクション/突進
アクション/なぎ払い

 
 
 

*1 王国騎士フィオレーネと提督ガレアス
*2 出典:モンハン部 カムラの里 狩猟検分帖 第1回
*3 出典:スペシャルプログラム・HuntingHistory~狩人たちの軌跡~