目次
概要
「テラレイドでの立ち回り」というと、「バフデバフをモリモリ重ねてワンパンで仕留める!」しか知らないという人も多いだろう。
そのワンパンに毎回協力してくれる人がいればそれでもいいが、そうでない人が大半ではなかろうか。
そこで、テラレイドをソロや野良で勝ってきている人は一体どういう立ち回りをしているのかについて、1つずつ説明していく。
★6・★7の難しさについて
出現ポケモンの強さにあるように★5までの難易度と★6以上の難易度にはかなりの差がある。
- ★6は相手のレベルがこっそり90に設定されている
- ★6は出現するレイドボスのレベルが90であるが捕獲時はレベル75になるので勘違いしやすい
- ★5は出現するレイドボスのレベルが75であり捕獲時もレベル75である
- ★7の最強レイドはレイドボスのレベルが100であり捕獲時もレベル100である
- ★6以上は攻撃技は基本的にこちらに対する最高打点となる技を連打してくるようになる
- ★5以下は攻撃技は無効技以外ランダムで使う
上記の仕様から相性の悪いポケモンを選出してしまうと、ちゃんとLv100まで上げて耐久に基礎ポイント(努力値)を振ったポケモンですら押し負けかねない。
また、レイドボスのHPには★5で20倍、★6では25倍の倍率がかかっている。
倍率だけ見ればさほど差はないと思うかもしれないが、レベル75のHPの20倍とレベル90のHPの25倍では相当の差がある。
例えば、★5ヘイラッシャのHPは6660、★6ヘイラッシャのHPは9925となっており約1.5倍のHPを持つことになる。
ここにレベル差による耐久力の上昇が加わるため、より難易度が上昇していることになる。
しかも相手は必ず単タイプで登場するので、4倍弱点を突いて大ダメージを出すこともできない。
そのため、★6~★7は(一部例外を除いて)最低でも10ターン以上かけて少しずつHPを削る持久戦が勝利への近道となる。
一言で持久戦と言っても、対戦で想像されるような持久戦とテラレイドの持久戦は異なっている。
一見膨大に増えたHPに対して有効そうな「どくどく」や「やどりぎのタネ」等の割合ダメージは倍率がかかる前の元のHPを参照しているので雀の涙程度のダメージしかだせずダメージソースとしては全く期待できない。
「殴って回復して殴られる」というテラレイド特有の持久戦が必要なのだ。
テラレイドで強い戦術
では具体的に、テラレイドでどのような戦術が主に使われるかを紹介していく。
アタッカー
攻撃しながら回復する
テラレイドは相手の攻撃を何回も受けることになるので、ダメージと共に回復できる要素が強い。
被ダメージよりも回復量が多くなれば倒されることがなくなるというシンプルな考え方が基本となる。
- 相手のHPを吸収する技を使う
- 「ダメージと共に回復」で真っ先に検討するべき要素
- 「ドレインパンチ」「ギガドレイン」「パラボラチャージ」「ドレインキッス」などの技はテラレイドで一線級の強さを誇る
- ダメージに対して吸収できるHPの割合が大きく安定した立ち回りが可能
- 「かいがらのすず」を持たせる
- HP吸収技を持っていないポケモンはこのアイテムを持たせることで攻撃と同時に回復できる
- HP吸収技と比べて回復量が落ちるので回復量を確保するために与えるダメージを大きくする必要がある
能力ランクを変化させる(バフ・デバフ)
攻撃しながら回復するだけではテラレイドの制限時間に間に合わなくなりがちなので、与えるダメージを伸ばしたり、受けるダメージを減らしたりしながら戦うと倒しやすくなる。
与えるダメージが増えると回復量も増えるので被ダメージよりも回復量を多くする助けにもなる。
- 「つるぎのまい」「わるだくみ」による攻撃・特攻の上昇
- 速度は劣るものの「ビルドアップ」や「めいそう」のような攻守共に上昇させる技も有効
- 「ほのおのムチ」「アシッドボム」のような相手の防御・特防ダウン
- 制限時間、強化解除、弱体解除があるため必ずしもフル強化したあとに攻撃しなければいけないわけではない
能力ランクとは別に威力が上がる要素を使う
レイドボスは強化解除、弱体解除などで能力ランクをリセットしてくる。
そのため、能力ランクに関係なく威力が上がる要素も強力な選択肢になる。
- 「メトロノーム」を持たせる
- 持たせた状態で同じ技で連続で使うと技の威力が上がる。最大で2倍の強力な倍率で攻撃できる。
- 持ち物なため「かいがらのすず」による回復は不可能。基本的にはHP吸収技と組み合わせて使う。
- 「れんぞくぎり」「ころがる」
- 連続で使うと威力が上がる
- 技の効果なので「かいがらのすず」と併用が可能
- 「ふんどのこぶし」
- 攻撃を受けるたびに威力が上がる
- 倒されても効果は持続する
- レイドの後半にもなれば最大威力の350になる破格の性能
相手の急所を狙う
- 急所ランクという表現をされるが能力ランクとは別で強化解除によってリセットされない
- 「きあいだめ」は急所ランク+2、「ピントレンズ」は+1、急所ランクが+3になると確定で急所に当たるようになる。
- 相手の上がった防御・特防ランクを無視して攻撃できるので「てっぺき」「ドわすれ」などを使う相手に有効
サポーター
- 1.相手の能力を下げる(デバフ)
強大なHPを持つ相手に立ち向かうので、受けるダメージを減らしたり与えるダメージを伸ばしたりするデバフ要素は様々な場面で役に立つ。中でも「ひやみず」のように攻撃と共にデバフを発生させられる技は、どんな場面でもデバフをかけることができ、評価が高い。
なお、壁技によるサポートは確かに有効ではあるが、壁技だけをもってサポートとするのは長期戦必至のテラレイドでは不十分。デバフ技と組み合わせて初めて有効に活用できる。 - 2.状態異常を無効化する
テラレイドでも状態異常は脅威なので、自分だけでなく味方もまとめて無効化できる要素は有難い存在。特性「スイートベール」、技「ミストフィールド」などがある。
なお、ここに「純粋な火力強化」が含まれていないことには注意すべきである。
確かに耐久デバフを行うことで相対的に味方の火力を伸ばすことはできるが、優先すべきは耐久デバフより火力デバフである。
なぜならこのページにある通り、マルチでは倒されてはいけないからだ。
例外的なサポーターはあれど、サポーター、特に野良レイドのサポーターの本分は「味方が倒れないようにすること」にある。
アタッカーの立ち回り
あまりにも多いHPを少しずつ削っていくには、削り切れるだけの火力も重要だが、倒れる回数を極力減らすことが最も重要だ。
自分が倒れると制限時間が削れてしまうため不利になる。それを回避するためにも生存重視の立ち回りを最優先で行いたい。
生存重視の立ち回りで重要なのは2つ。
1つは「受けるダメージを減らす」こと。
相手のこうげき・とくこうを下げたり(デバフ)、自分のぼうぎょ・とくぼうを上げたり(バフ)することで、受けるダメージを減らして倒れにくくなる。
「ひやみず」「バークアウト」等の火力デバフ技や、「てっぺき」「ドわすれ」等の耐久バフ技を使い、安全を確保しよう。
中には「物理技しか使わないのに『めいそう』を覚えさせる」という変テコな事態になることもあるが、とくぼうを上げる手段がそれしかない場合は仕方ない。
もう1つは「回復手段を持つ」こと。
誰でも使える回復手段として「いやしのエール」があるが、回復量がランダムで安定しないのでメインの回復手段としては信頼性に欠ける。
火力を出しつつ自身のHPを確保し続けるのが最も簡単かつ基本の動き方になるが、これを両立できるのが「ドレインパンチ」や「パラボラチャージ」のようなHP 吸収技、そして持ち物の「かいがらのすず」だ。
単純な話だが『受けるダメージ量<回復量』が成立するようになれば倒されることはない。
「アシッドボム」「らいめいげり」等の耐久デバフ技や、「つるぎのまい」「わるだくみ」「ビルドアップ」「めいそう」等の火力バフ技はこのために使うと言ってもいい。
注意してほしいのは、「バフデバフが変化技の場合、原則1~2回に留めなければいけない」ということ。
なぜなら下記にあるテラスタルが遅くなってしまうから。
バフデバフモリモリは早いうちに卒業しよう。
ついでに忘れてはいけないのは、「テラスチャージが溜まったら安全を確認してテラスタルする」こと、「テラスタイプと一致した技で一気に大ダメージを与える」こと。これを忘れるとせっかくのお膳立てが何の意味もなくなる。
まとめると、
1.「自身の耐久を上げるか、相手の火力を下げるかして倒されにくくする」
2.「自身の火力を上げるか、相手の耐久を下げるかして攻撃の準備をする」
3.「メインの攻撃技を使い、ダメージとともに回復して長期戦を乗り切る」
4.「チャージが溜まったらテラスタルして、テラスタイプと一致した技で一気に攻める」
この4つがソロでの主な流れである。
テラスタルのタイミング
アタッカーを担当するならテラスタルは必須である。なぜならテラスタルをしないとバリアに与えるダメージが少なく、HPを削るのに時間がかかって負けてしまうから。
では、いつテラスタルすれば良いのか?
答えは「早ければ早いほどよい」。
テラスタルすればバリアへのダメージが伸びるだけでなく、そもそもの技の威力が強化されるので、HPを大きく削りやすくなる。
少なくともバリアを張られる前にテラスタルできれば、バリアを張られても安心して戦うことができる。
そのためには火力を伸ばし過ぎずに攻略することが重要。
たとえば「相手の火力デバフ技を3回使ってテラスタルチャージを溜め切る」、「自分のバフを1~2回にとどめて攻撃し始める」などがある。
コツを掴むのは大変だが、是非やってみよう。
無論だが、相手の先制一撃で倒されてしまうような状況でテラスタルしてしまうと、倒されるだけでなくそのレイドで二度とテラスタルできなくなるので注意が必要。
NPCの影響
ソロプレイの場合*1に参加するNPCはそれぞれ決められたポケモンを選出する(味方NPC一覧を参照)。
『剣盾』のマックスレイドではどちらかと言えば足を引っ張ることが目立ったが、テラレイドでは特性や技が攻略の助けになる場合が多く、特にソロではNPCが戦局を大きく左右する重要なポジションになっている。
その中でも特性「いかく」持ちのNPC(トモヒデのウインディ、エリナのムクホーク、カヤのケンタロス)は倒されて復活することで何度も「いかく」が発動し、おまけに倒されたときのペナルティが一切ないので、ほとんどの対物理レイドで重宝する。
この他、特に以下のNPCポケモン達が重宝されやすい。
- ハラバリー:「ひかりのかべ」を持ち特殊耐久をサポートしてくれる。「ほうでん」でバリアの上からまひを与えてくれることもある。
- ニンフィア:バリアがない状態では「あまえる」のこうげきデバフが強く、バリアがあっても「ムーンフォース」でランダムでとくこうデバフをかけることがある。
- サーナイト:「いのちのしずく」で回復を支援してくれる。特性「シンクロ」でバリアの上から状態異常をかけてくれることもある。
ただし、次のNPCポケモンについては良くも悪くも全体への影響が大きく、重宝する場面はあるものの、大きく足を引っ張り攻略失敗の主因になることもある。
- オリーヴァ:特性「こぼれダネ」で「グラスフィールド」を半自動で展開する。回復力が不安な場合やくさタイプを出している場合は有難い存在だが、他のフィールドに依存した戦法を取っている場合や技「じしん」をメインに据えている場合は邪魔そのものになる。
「しんぴのまもり」も使うので追加効果の状態異常を防いでくれるが、一部特性ハメプレイができなくなるケースもある。
また、オリーヴァ以外であっても、たとえば特性「まけんき」持ちの相手(主にこいつ)に対して特性「いかく」のうち1匹でも選ばれてしまうと、初手から相手のこうげきが上がった状態で戦わざるを得ず、さらに倒されて復活するたびに相手のこうげきが1段階ずつ上がっていくという、悪夢同然の惨劇を引き起こすことがある。
いつどんな場面であってもNPCが役に立つというわけではないので注意されたい。
ここからは半ば愚痴のようなものではあるが、同じポケモンを同じレイドで起用したとしても、選ばれるNPCによって難易度が大きく上下するため、「果たしてそのポケモンが本当にソロで特定のレイドを攻略できるのか」という検証が正確に実行しづらく、誤解を生む原因にさえなっている。
これの何がよくないかといえば、特に最強レイド攻略の攻略に適したポケモンを提示する際に、NPCの影響が大きくあるにもかかわらず「ソロ適性あり!」と早合点して紹介し、それを参考にしたトレーナーが特定NPCを引けずに敗北する悲劇が後を絶たないのだ*2。
参加するNPCが事前に選べればこのような問題に直面せずに済んだのだが……
なお、当Wiki、特に最強レイドの攻略においては、極力あらゆるNPCの組み合わせを考慮して適性ポケモンを提示している。
サポーターの立ち回り
サポーターというと「とにかく何か支援しなきゃ」とひたすら技を連発するイメージがあるが、重要なのは「どれだけ動くかより、いつ動くか*3」である。
たとえば「ちょうはつ」や特性除去技(「スキルスワップ」等)はボタン連打をするなどして誰よりも先に使う必要がある。
だが「かえんだま」を「なげつける」コンボを持っている場合、これを使うタイミングは「相手がバリアを張ってデバフ解除を使った直後」ただ1つである。これより早くても遅くても適切なサポートにならない。
「クリアスモッグ」も使いどころが難しく、相手の「つるぎのまい」等を見て即座に使うというのであれば適切だが、たとえば味方がせっかく「アシッドボム」をたくさん使ってくれたのに「クリアスモッグ」を使ってしまうと、デバフが全部リセットされ足を引っ張ることになる。
この技は一体いつ使ったらいいのかを1つずつ検討して、とにかく丁寧に立ち回ることが求められる。
また、自身のHPが大きく削れている時には下手に行動してひんしになってしまうより、あえてしばらく動かず味方の行動に賭けるという立ち回りも重要。自分が少しでも長く生存することで勝てるレイドがある。
とはいえ、最後の行動選択から1分動かないと勝手に先頭にある技を使ってしまうので、ある程度割り切りは必要。
なお、時々「てっぺき」や「ドわすれ」など自身のみに有効なバフ技を覚えさせてサポーターとするトレーナーがいるが、よほど相手の攻撃が苛烈でもなければそのような自己強化技を使ってもサポートには一切ならないので注意すること。
サポートの優先順位
状況により上下するが、おおむね次の通り。
- 相手の特性や技などの脅威の排除
たとえば特性「じしんかじょう」や技「りゅうのまい」など、こちらを壊滅に追い込みかねない厄介な要素の対策を最優先で行いたい。 - 耐久強化
基本はこれ。「ひやみず」や「リフレクター」などを使い、味方の耐久力を上げる。それでも厳しければ「がっちりぼうぎょ」もよい。 - 火力強化
覚えていればでよい。とはいえ、基本的にデバフ技か「いけいけドンドン」で済ませる。「てだすけ」は入れている余裕もなければ、入れていても有効に働く場面が少ない。
左上の重要性
サポートが上手な人はテラレイド中に「ある場所」を見ていることをご存知だろうか。
答えは「画面の左上」である。
ここには出場しているポケモン達のアイコン、HP、トレーナーの名前が表示されているが、何とそれぞれのトレーナーが指示した技も表示される。
この「指示した技」を定期的に確認することで、「このポケモンは恐らく物理アタッカーである」「このポケモンは恐らくサポーターである」「このポケモンのトレーナーはテラレイドに慣れていないのかもしれない」など、様々な推測ができるのだ。
「いつ動くか」が分からないという人は、是非左上を見る癖をつけてみてはいかがだろうか。